JP3081740B2 - 整髪剤用基剤 - Google Patents

整髪剤用基剤

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JP3081740B2
JP3081740B2 JP05243036A JP24303693A JP3081740B2 JP 3081740 B2 JP3081740 B2 JP 3081740B2 JP 05243036 A JP05243036 A JP 05243036A JP 24303693 A JP24303693 A JP 24303693A JP 3081740 B2 JP3081740 B2 JP 3081740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、整髪剤用基剤に関す
る。さらに詳しくは、カチオン性を呈し、頭髪との密着
性および水や親水性有機溶剤との相溶性にすぐれるとと
もに、耐湿性にすぐれ、たとえば水性のヘアブロー剤、
ヘアムース、ヘアジェルなどに好適に使用しうる整髪剤
用基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、洗髪時に容易に除去しうる水溶性
の整髪剤のなかでも、頭髪との密着性にすぐれる点から
とくにカチオン性のものが汎用されている。
【0003】前記カチオン性の整髪剤としては、たとえ
ばN−ビニルピロリドン−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート共重合体の部分または完全四級化
樹脂(米国特許第3910862号明細書および米国特
許第3954960号明細書)が汎用されており、かか
る四級化樹脂からなる整髪剤は、頭髪との密着性が良好
であり、またセット時に頭髪にすぐれた光沢を付与する
ものである。
【0004】しかしながら、前記四級化樹脂は、その構
成モノマーのほとんどが水溶性のものであるため、その
分子量が数10万ないし100万程度と高分子であるに
もかかわらず、高湿度下でのセット保持力がきわめて小
さいという欠点を有するものである。
【0005】そこで、近年、前記四級化樹脂とセット保
持力の比較的大きい両性高分子樹脂などとを併用したば
あいには、ある程度のセット保持力を有する整髪剤がえ
られることが見出されているが(特公平2−44446
号公報)、かかる併用系の整髪剤の高湿度下でのセット
保持力はそれほど大きくはなく、実用上満足しうるもの
ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、前
記従来技術に鑑みて頭髪との密着性にすぐれ、高水溶性
を呈するのはもちろんのこと、高湿度下であっても耐湿
性にすぐれた整髪剤用基剤をうるべく鋭意研究を重ねた
結果、特定のジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ートのジエチル硫酸塩、アルキル(メタ)アクリレート
および親水性モノマーを重合してえられる整髪剤用基剤
が、かかる性質をすべて同時に満足しうることを見出
し、本発明を完成するにいたった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(I):
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 は炭素数1〜3のアルキレン基を示す)で表わされ
るモノマー(A)5〜45重量%、一般式(II):
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R3 は水素原子またはメチル基、
4 は炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表わされ
るモノマー(B)10〜60重量%、ならびに一般式
(III):
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R5 、R6 およびR7 はそれぞれ
独立して水素原子またはメチル基、nは1〜30の整数
を示す)で表わされるモノマーおよび一般式(IV):
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R8は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるモノマーから選ばれた少なくとも1
種のモノマー(C)25〜60重量%を含有したモノマ
ー成分を重合してなる整髪剤用基剤に関する。
【0016】
【作用および実施例】本発明の整髪剤用基剤は、前記し
たように、一般式(I):
【0017】
【化9】
【0018】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 は炭素数1〜3のアルキレン基を示す)で表わされ
るモノマー(A)5〜45重量%、一般式(II):
【0019】
【化10】
【0020】(式中、R3 は水素原子またはメチル基、
4 は炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表わされ
るモノマー(B)10〜60重量%、ならびに一般式
(III):
【0021】
【化11】
【0022】(式中、R5 、R6 およびR7 はそれぞれ
独立して水素原子またはメチル基、nは1〜30の整数
を示す)で表わされるモノマーおよび一般式(IV):
【0023】
【化12】
【0024】(式中、R8は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるモノマーから選ばれた少なくとも1
種のモノマー(C)25〜60重量%を含有したモノマ
ー成分を重合してえられるものである。
【0025】本発明に用いられるモノマー(A)は、前
記したように、一般式(I)で表わされるジメチルアミ
ノアルキル(メタ)アクリレートのジエチル硫酸塩であ
る。本発明においては、モノマー(A)を用いたことに
大きな特徴があり、かかるモノマー(A)とたとえば後
述するモノマー(B)などの(メタ)アクリレートとを
共重合してえられた重合体は、高水溶性を呈し、しかも
頭髪との密着性にすぐれるなどの特性を発現する。
【0026】前記モノマー(A)としては、ジメチルア
ミノメチル(メタ)アクリレートジエチル硫酸塩、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレートジエチル硫酸
塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートジエ
チル硫酸塩があげられ、これらは単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
【0027】前記モノマー(A)の使用量は、重合に供
せられるモノマー成分に対して5〜45重量%、好まし
くは10〜40重量%である。かかるモノマー(A)の
使用量が5重量%未満であるばあいには、えられる整髪
剤用基剤を用いて形成されたフィルムが水に難溶となっ
て洗髪時の洗浄除去が困難となったり、該整髪剤用基剤
がカチオン性であることに起因する頭髪に対する親和性
がいちじるしく低下し、フレーキング現象が生じるよう
になり、また45重量%をこえるばあいには、形成され
たフィルムの耐湿性が低下し、セット保持力が小さくな
るようになる。本発明に用いられるモノマー(B)は、
前記したように、一般式(II)で表わされるアルキル
(メタ)アクリレートであり、かかるモノマー(B)
は、えられる整髪剤用基剤を用いて形成されたフィルム
に適度の耐湿性を付与し、高湿度下でのセット保持力を
向上せしめる成分である。
【0028】なお、前記一般式(II)において、R4 は炭
素数1〜18のアルキル基であり、かかるアルキル基は
直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれであってもよい
が、えられる整髪剤用基剤を用いて形成されたフィルム
の柔軟性を向上させ、フレーキング現象の発生を抑制せ
しめるといった効果を充分に発現しうるという点から、
かかるアルキル基の炭素数は4〜18であることが好ま
しい。
【0029】前記モノマー(B)の代表例としては、た
とえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
トなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0030】前記モノマー(B)の使用量は、重合に供
せられるモノマー成分の10〜60重量%、好ましくは
15〜55重量%である。かかるモノマー(B)の使用
量が10重量%未満であるばあいには、えられる整髪剤
用基剤を用いて形成されたフィルムの耐湿性が低下し、
セット保持力が小さくなるようになり、また60重量%
をこえるばあいには、形成されたフィルムが水に難溶と
なって洗髪時の洗浄除去が困難となるようになる。
【0031】本発明に用いられるモノマー(C)は、前
記したように、一般式 (III)で表わされるモノマー(以
下、モノマー(C−1)という)および一般式(IV)で表
わされるモノマー(以下、モノマー(C−2)という)
から選ばれた少なくとも1種の親水性モノマーであり、
かかるモノマー(C)は、えられる整髪剤用基剤を用い
て形成されたフィルムに親水性を付与するのはもちろん
のこと、適度な柔軟性を付与し、フレーキング現象の発
生を抑制せしめる成分である。
【0032】なお、前記モノマー(C−1)を表わす一
般式(III) において、nは1〜30の整数であるが、化
粧料として用いる際にあまり好ましくない未反応モノマ
ーが整髪剤用基剤中にきわめて残存しにくいという点か
ら、かかるnは1〜10の整数であることが好ましい。
【0033】前記モノマー(C−1)の代表例として
は、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげら
れ、また前記モノマー(C−2)としては、ダイアセト
ン(メタ)アクリルアミドがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0034】前記モノマー(C)の使用量は、重合に供
せられるモノマー成分の25〜60重量%、好ましくは
25〜55重量%である。かかるモノマー(C)の使用
量が25重量%未満であるばあいには、えられる整髪剤
を用いて形成されたフィルムの柔軟性が低下し、フレー
キング現象が発生しやすくなり、また60重量%をこえ
るばあいには、整髪剤用基剤のフィルム形成能が損なわ
れ、べたつきが生じる原因となるおそれがある。
【0035】本発明の整髪剤用基剤は、前記したよう
に、モノマー(A)、モノマー(B)およびモノマー
(C)を含有したモノマー成分を重合してえられるもの
であるが、本発明においては、これらモノマー(A)、
モノマー(B)およびモノマー(C)のほかにも、モノ
マー成分として、これらのモノマーと共重合可能なエチ
レン性不飽和モノマー(D)を用いることができる。
【0036】前記エチレン性不飽和モノマー(D)は、
えられる整髪剤用基剤を用いて形成されたフィルムに適
宜柔軟性および硬度を付与し、所望の触感に変化せしめ
る成分である。
【0037】前記モノマー(D)の代表例としては、ジ
メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどのアミン類、アミン類の三
級塩、アミン類とたとえばジメチル硫酸、塩化メチル、
臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、
ヨウ化エチルなどとの反応で生じる前記モノマー(A)
以外の四級塩;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸などの酸性モノマー;
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド類;スチ
レン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢
酸ビニルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0038】前記モノマー(D)の使用量は、重合に供
せられるモノマー成分の0.1〜25重量%、なかんづ
く1〜20重量%であることが好ましい。かかるモノマ
ー(D)の使用量が0.1重量%未満であるばあいに
は、該モノマー(D)を用いたことによるえられる整髪
剤用基剤を用いて形成されたフィルムに所望の触感を付
与する効果が充分に発現されなくなる傾向があり、また
25重量%をこえるばあいには、本発明の目的である頭
髪との密着性にすぐれ、高水溶性を呈し、高湿度下であ
っても耐湿性にすぐれた整髪剤用基剤をうることが困難
となる傾向がある。 本発明の整髪剤用基剤は、前記モ
ノマー(A)〜(C)および必要に応じてモノマー
(D)の所望量を調整し、たとえば水や親水性溶媒中で
共重合することによってうることができる。
【0039】ここで親水性溶媒とは、水に対する溶解度
が10g/水100g(25℃)以上である有機溶媒を
いう。かかる親水性溶媒の代表例としては、たとえば炭
素数が1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、
ジメチルホルムアミドなどがあげられるが、これらのな
かでは1〜2価アルコールが化粧品原料として扱ううえ
でとくに好ましい。
【0040】前記1価アルコールの具体例としては、た
とえばメタノール、エタノール、イソプロパノールなど
があげられる。また2価アルコールの具体例としては、
たとえばプロピレングリコールなどがあげられる。
【0041】また、本発明の整髪剤用基剤は人体の皮膚
に付着することがあるため、その安全性を考慮すれば、
前記親水性溶媒のなかではエタノール、イソプロパノー
ルがとくに好ましい。
【0042】前記共重合は、モノマー(A)〜(C)お
よび必要に応じてモノマー(D)からなるモノマー成分
を水または前記親水性溶媒に溶解し、重合開始剤を添加
し、たとえばチッ素ガスなどの不活性ガス気流下で加熱
しながら撹拌することにより行なうことができる。
【0043】前記重合開始剤としては、一般に溶液重合
法に用いられているものであればとくに限定はなく、そ
の具体例としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ系化合物などがあげられる。なお、本発明
においては、重合に供せられるモノマー成分のうち、た
とえばモノマー(C)として、式:−CH(R6 )−O
−(式中、R6 は前記と同じ)で表わされるオキシアル
キレン基を有する(メタ)アクリレートであるモノマー
(C−1)を用いる際に、重合開始剤として過酸化物を
用いたばあいには、架橋ゲル化を生起するおそれがある
ので、アゾ系化合物を用いることが好ましい。
【0044】重合に際しては、前記水または親水性溶媒
は、モノマー成分の混合物の濃度が30〜70重量%程
度となるように調整して用いることが好ましい。なお、
前記モノマー成分の混合物の濃度が50重量%をこえる
ばあいには、前記モノマー成分の混合物を分割して徐々
に添加して重合を行なうことが急激な重合熱の発生を避
け、安全に重合を行なううえで好ましい。
【0045】重合温度は、用いる重合開始剤の種類など
によって異なるため一概には決定することができない
が、通常重合開始剤の10時間半減期温度とすることが
好ましく、とくに用いた親水性溶媒の還流温度に近いこ
とがより再現性の高い重合を行なうことができるので好
ましい。
【0046】また重合時間は、8時間よりも短いばあい
には、重合が不完全となって未反応のモノマーが残存す
ることがあるため、8時間以上、好ましくは12〜36
時間とすることが望ましい。
【0047】なお、残存モノマーが存在するか否かは、
一般的な手法、たとえばPSDB法などにより二重結合
が存在するか否かを確認することにより行なうことがで
きる。
【0048】かくしてえられる本発明の整髪剤用基剤
は、共重合体が10000 〜300000程度、なかんづく60000
〜200000程度の粘度平均分子量を有するものであり、通
常そのままの状態または溶媒を除去した状態で整髪剤と
して用いることができる。
【0049】なお、本発明の整髪剤用基剤をたとえばヘ
アブロー整髪剤などに用いるばあいには、たとえば前記
重合用溶媒として用いた水または親水性溶媒に溶解した
整髪剤用基剤を、たとえばその他pH調整剤としての酸
性物質や、添加剤、補助剤などとともに噴霧容器内に充
填し、封入すればよい。また、本発明の整髪剤用基剤を
エアゾールとして用いるばあいには、前記水または親水
性溶媒に溶解した整髪剤用基剤を、たとえば天然ガス、
ジメチルエーテルなどの噴射剤やその他の添加剤などと
ともにエアゾール容器内に加圧充填し、封入すればよ
い。なお、このばあい、噴霧容器内やエアゾール容器内
に充填される各種成分の配合割合は、通常それぞれ目的
や用途などに応じて適宜調整されることが望ましい。
【0050】つぎに本発明の整髪剤用基剤を実施例に基
づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例
のみに限定されるものではない。
【0051】実施例1 還流冷却器、温度計、チッ素導入管、滴下ロートおよび
撹拌装置を取り付けた500ml容の五つ口フラスコに
ジメチルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸塩の
85%エタノール溶液35.3部(重量部、以下同様)
(ジメチルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸塩
30部)、t−ブチルメタクリレート40部、ヒドロキ
シプロピルメタクリレート30部および無水エタノール
94.7部を入れ、これにα,α′−アゾビスイソブチ
ロニトリル(以下、AIBNという)0.1部を加え、
撹拌しながらチッ素気流下に80℃で加熱還流した。重
合開始5時間後に、AIBN0.1部を追添し、さらに
12時間重合して反応を完結させて整髪剤用基剤(50
%ポリマーエタノール溶液)をえた。なお、整髪剤用基
剤の粘度平均分子量を測定したところ132000であ
った。
【0052】つぎにえられた整髪剤用基剤の物性として
外観、水溶性およびエタノールとの相溶性を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0053】(外観)整髪剤用基剤(50%ポリマーエ
タノール溶液)にエタノールを添加してポリマー含量3
0重量%のポリマーエタノール溶液を調製し、その外観
を目視により観察した。
【0054】(水溶性)前記外観の観察時に調製した3
0%ポリマーエタノール溶液に、液温を25℃に保ちな
がら水を添加して希釈されるかどうかを調べ、以下の評
価基準に基づいて評価した。
【0055】(評価基準) A:無限に希釈される。 B:水を添加すると濁りを生じる。 C:水を添加するとポリマーが凝集析出する。
【0056】(エタノールとの相溶性)整髪剤用基剤
(50%ポリマーエタノール溶液)に、液温を5〜10
℃に保ちながらエタノールを添加して希釈されるかどう
かを調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0057】(評価基準) A:無限に希釈される。 B:希釈すると濁りを生じる。 C:希釈するとポリマーが凝集析出する。
【0058】実施例2〜 配合した各モノマー成分を表1に示すように変更したほ
かは、実施例1と同様にして整髪剤用基剤をえた。な
お、表1中のモノマー(A)の欄には、85%エタノー
ル溶液中のモノマー(A)の実質含有量を示す。
【0059】えられた整髪剤用基剤の粘度平均分子量お
よび物性を実施例1と同様にして調べた。その結果をそ
れぞれ表1および表2に示す。
【0060】なお、表1中の各略号は以下のことを意味
する。
【0061】 DMDS :ジメチルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸塩 DMADS:ジメチルアミノエチルアクリレートジエチル硫酸塩 MMA :メチルメタクリレート EMA :エチルメタクリレー BMA :t−ブチルメタクリレート TBA :t−ブチルアクリレー TA :ステアリルアクリレート HEMA :ヒドロキシエチルメタクリレート HEA :ヒドロキシエチルアクリレート HPMA :ヒドロキシプロピルメタクリレート HPA :ヒドロキシプロピルアクリレート M40G :メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート (n=4) M90G :メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート (n=9 AAm :ダイアセトンアクリルアミド DM :ジメチルアミノエチルメタクリレート DMSA :ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩 MAA :メタクリル酸 NVP :N−ビニルピロリドン
【0062】
【0063】
【0064】表2に示された結果から、実施例1〜
えられた整髪剤用基剤は、いずれも外観、水溶性および
エタノールとの相溶性にすぐれたものであることがわか
る。
【0065】比較例1 N−ビニルピロリドン−N,N−ジメチルアミノエチル
メタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体(商品名:HCP
−3A、大阪有機化学工業(株)製)にエタノールを添
加し、ポリマー含量30重量%のポリマーエタノール溶
液である整髪剤用基剤をえた。
【0066】なお、えられた整髪剤用基剤は、高水溶性
を呈するものであった。
【0067】処方例1〜および比較処方例1 実施例1〜および比較例1でえられた整髪剤用基剤の
樹脂成分が10重量%含有されたエタノール溶液30g
にイオン交換水20gを加え、均一な透明液体(ヘアブ
ロー整髪剤)をえた。
【0068】これをヘアブロー用噴霧容器(容量:10
0ml)に充填し、これにバルブを取り付けてヘアブロ
ー製品を作製した。
【0069】つぎにえられたヘアブロー製品を用いてヘ
アブロー整髪剤のセット保持力、しなやかさおよび形成
されたフィルムの物性を以下の方法にしたがって調べ
た。その結果を表3に示す。
【0070】(セット保持力)長さ25cmの毛髪2g
にヘアブロー整髪剤4gを20cmの距離から均一に塗
布したのち、この毛髪を外形1.2cmのカーラーに巻
き、40℃の温風で60分間かけて乾燥した。このの
ち、カーラーから毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度
90%の雰囲気中に垂直に吊した直後の長さ(L1 )と
3時間放置後の長さ(L2 )を測定し、カールリテンシ
ョン(%)を次式から算出した。
【0071】[カールリテンション](%)={(25
−L2 )/(25−L1 )}×100 なお、カールリテンションが70%以上のものを合格
(表3中、Aと表示)とし、70%未満のものを不合格
(表3中、Bと表示)とした。
【0072】(しなやかさ)長さ25cmの毛髪2gに
ヘアブロー整髪剤4gを20cmの距離から均一に塗布
したのち、乾燥前に市販のくしで毛並みを揃え、この毛
髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥し、以下の評価
基準に基づいて評価した。
【0073】(評価基準) A:手で触れるとごわつきがなく、自然な感触である。 B:手で触れると少しごわつきがある。 C:手で触れるとごわつきがひどく、かたい感触があ
る。
【0074】(フィルムの物性) (イ)洗浄性 2.5cm×7.5cmのガラス板にヘアブロー整髪剤
4gを20cmの距離から均一に塗布したのち、20℃
にて3時間風乾してフィルムを形成した。このガラス板
を40℃の0.2%シャンプー含有温水に静置浸漬し、
フィルムの溶解状態の経時変化を調べ、以下の評価基準
に基づいて評価した。
【0075】(評価基準) A:30分間以内に完全に溶解する。 B:40分間以内に完全に溶解する。 C:40分間経過後もフィルムが残存する。
【0076】(ロ)柔軟性 長さ25cmの毛髪2gにヘアブロー整髪剤4gを均一
に塗布したのち、この毛髪を40℃の温風で60分間か
けて乾燥した。この毛髪の中心から約1cm間隔のとこ
ろを指ではさみ、上下に曲げる操作を10回繰り返して
コーティングフィルムの変化を目視にて観察し、以下の
評価基準に基づいて評価した。
【0077】(評価基準) A:変化なし。 B:フィルムの剥離が若干認められる。 C:曲げた箇所全面が白くなり、剥離がいちじるしい。
【0078】(ハ)平滑性 2.5cm×7.5cmのガラス板にヘアブロー整髪剤
4gを20cmの距離から均一に塗布したのち、20℃
にて3時間風乾してフィルムを形成した。つぎに形成し
たフィルム面の触感を指で調べ、平滑性を以下の評価基
準に基づいて評価した。
【0079】(評価基準) A:完全になめらかである。 B:ややざらつきがある。 C:かなりざらつきがある。
【0080】(ニ)光沢性 長さ25cmの毛髪2gにヘアブロー整髪剤4gを20
cmの距離から均一に塗布した。この毛髪を40℃の温
風で60分間かけて乾燥し、目視にて光沢性を観察し、
以下の評価基準に基づいて評価した。
【0081】(評価基準) A:非常に光沢がある。 B:若干光沢がある。 C:光沢がない。
【0082】
【0083】表3に示された結果から、実施例1〜
えられた整髪剤用基剤は、いずれも整髪剤として必要な
特性を備え、しかも、処方例1〜と比較処方例1とを
比べて明らかなように、ポリマー系セッティング剤とし
て従来のN−ビニルピロリドンを主成分とするカチオン
性の高水溶性整髪剤用基剤(比較例1でえられた整髪剤
用基剤)にはなかったセット保持力、しなやかさおよび
柔軟性を併有していることがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明の整髪剤用基剤は、水や親水性有
機溶剤との相溶性にすぐれたものであるので、たとえば
水性のヘアブロー剤(ヘアミスト)、ヘアムース、ヘア
ジェルなどに用いるばあいに、噴霧容器内やエアゾール
容器内またはノズル内でポリマーが凝集析出することが
なく、最後まで均質な状態で安定して噴霧、噴射させる
ことができる。
【0085】また本発明の整髪剤用基剤は、従来のN−
ビニルピロリドンを主成分とするカチオン性の整髪剤用
高水溶性樹脂と同様に、カチオン性を呈し、毛髪との密
着性にすぐれ、高水溶性を呈して洗髪時の洗浄除去がき
わめて容易なものであるとともに、従来の整髪剤用高水
溶性樹脂にはない高湿度下であってもすぐれた耐湿性を
有するものである。
【0086】さらに本発明の整髪剤用基剤は、しなやか
さ、柔軟性、光沢性などの整髪剤として必要な特性を充
分に備えたものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1
    〜3のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー
    (A)5〜45重量%、一般式(II): (式中、R3は水素原子またはメチル基、R4は炭素数1
    〜18のアルキル基を示す)で表わされるモノマー
    (B)10〜60重量%、ならびに一般式(III): (式中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立して水素原
    子またはメチル基、nは1〜30の整数を示す)で表わ
    されるモノマーおよび一般式(IV): (式中、R8は水素原子またはメチル基を示す)で表わ
    されるモノマーから選ばれた少なくとも1種のモノマー
    (C)25〜60重量%を含有したモノマー成分を重合
    してなる整髪剤用基剤。
  2. 【請求項2】 モノマー成分が共重合可能なエチレン性
    不飽和モノマー(D)を含有したものである請求項1記
    載の整髪剤用基剤。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和モノマー(D)の使用
    量がモノマー成分の0.1〜25重量%である請求項2
    記載の整髪剤用基剤。
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