JP2009256212A - 毛髪化粧料用基剤及び毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料用基剤及び毛髪化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】毛髪化粧料に配合される毛髪化粧料用基剤であって、可塑剤となる油剤を使用することなく毛髪化粧料に良好なヘアスタイリング保持性を付与すると共に整髪された毛髪の再整髪性を長時間に亘り維持することができる毛髪化粧料用基剤を提供する。
【解決手段】本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、エチレン性不飽和単量体成分(A)の重合体からなり、ガラス転移点が35℃以下であり、重量平均分子量が1000〜30000であることを特徴とする。本発明によれば、この毛髪化粧料用基剤が毛髪化粧料に配合されると、可塑剤となる油剤を使用することなく毛髪化粧料に良好なヘアスタイリング保持性が付与されると共に整髪された毛髪の再整髪性が長時間に亘り維持される。しかもこの毛髪化粧料による整髪後の毛髪にべたつきやごわつきが生じにくくなる。
【選択図】なし

Description

本発明は毛髪化粧料用基剤、及びこの毛髪化粧料用基剤を含有する毛髪化粧料に関する。
従来、ヘアスプレー剤、ヘアムース、ヘアセットローション、ヘアジェル等の整髪用の化粧料(毛髪化粧料)として、種々の皮膜形成用の基剤(毛髪化粧料用基剤)を含有するものが提供されている(特許文献1〜3参照)。
また、近年、毛髪化粧料によって毛髪が整髪された後、この毛髪を、毛髪化粧料を水等で再溶解させることなく再整髪することが可能な毛髪化粧料として、毛髪化粧料用基剤と可塑剤である油剤とを含有するものが提供されている(特許文献4参照)。この毛髪化粧料には油剤によって適度な粘着性が付与され、このためこの毛髪化粧料が良好なヘアスタイリング保持性と再整髪性とを発揮する。
しかし、この毛髪化粧料と油剤とを含有する毛髪化粧料には、前記二種類の原料を組み合わせる必要があるという問題、並びに整髪後、油剤が毛髪から揮発したり、櫛、手櫛、ブラシ等により再整髪する場合に前記櫛等に油剤が移行したりするなどの理由により、経時的に再整髪性が低下しやすいという問題がある。
特許第3310350号公報 特開平9−328424号公報 特開2002−167316号公報 特許第372367号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、毛髪化粧料に配合される毛髪化粧料用基剤であって、可塑剤となる油剤を使用することなく毛髪化粧料に良好なヘアスタイリング保持性を付与すると共に整髪された毛髪の再整髪性を長時間に亘り維持することができる毛髪化粧料用基剤、並びにこの毛髪化粧料用基剤を含有する毛髪化粧料を提供することを目的とする。
本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、エチレン性不飽和単量体成分(A)の重合体からなり、ガラス転移点が35℃以下であり、重量平均分子量が1000〜30000であることを特徴とする。
本発明によれば、この毛髪化粧料用基剤が毛髪化粧料に配合されると、可塑剤となる油剤を使用することなく毛髪化粧料に良好なヘアスタイリング保持性が付与されると共に整髪された毛髪の再整髪性が長時間に亘り維持される。しかもこの毛髪化粧料による整髪後の毛髪にべたつきやごわつきが生じにくくなる。
上記エチレン性不飽和単量体成分(A)は、ノニオン性不飽和単量体(a)のみからなることが好ましい。
この場合、毛髪化粧料用基剤がノニオン性樹脂からなるため、毛髪化粧料中に毛髪化粧料用基剤と共にアニオン性樹脂、カチオン性樹脂及び両性樹脂から選択される他の樹脂が配合されても、毛髪化粧料用基剤と他の樹脂との相溶性が高くなる。このため、毛髪化粧料用基剤を変更することなく毛髪化粧料の組成を変更することが容易となり、毛髪化粧料の組成設計の自由度が高くなる。
更に、上記ノニオン性不飽和単量体(a)がN,N−ジメチルアクリルアミドを含むことも好ましい。
この場合、毛髪化粧料用基剤の水、アルコール及び液化石油ガスへの溶解性が向上し、毛髪化粧料用基剤が配合された毛髪化粧料の組成設計の自由度が更に高くなる。
また、上記エチレン性不飽和単量体成分(A)が、ノニオン性不飽和単量体(a)及びイオン性不飽和単量体(b)から選ばれる少なくとも一種の単量体からなるものであっても良い。イオン性不飽和単量体(b)にはアニオン性不飽和単量体、カチオン性不飽和単量体及び両性不飽和単量体が含まれる。両性不飽和単量体には、両性不飽和単量体の前駆体も含まれる。
更に上記イオン性不飽和単量体(b)がアニオン性不飽和単量体及び1〜3級アミノ基含有不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体を含み、上記重合体中の前記単量体に由来する構成単位の一部又は全部が中和されていることが好ましい。
この場合、毛髪化粧料用基剤に良好な水溶性が付与される。
また上記イオン性不飽和単量体(b)が、両性化可能な不飽和単量体を含み、上記重合体中の前記両性化可能な不飽和単量体に由来する構造単位が両性化剤で両性化されていることも好ましい。
この場合、予め両性化された単量体が使用される場合よりもエチレン性不飽和単量体成分(A)の重合反応が安定化する。
本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、上記毛髪化粧料用基剤を含有することを特徴とする。
本発明によれば、可塑剤となる油剤を使用することなく毛髪化粧料に良好なヘアスタイリング保持性が付与されると共に整髪された毛髪の再整髪性が長時間に亘り維持される。しかもこの毛髪化粧料による整髪後の毛髪にべたつきやごわつきが生じにくくなる。
本発明に係る毛髪化粧料用基剤を毛髪化粧料に配合することで、可塑剤となる油剤を使用することなく毛髪化粧料に良好なヘアスタイリング保持性を付与すると共に整髪された毛髪の再整髪性を長時間に亘り維持することができる。
を目的とする。
また、本発明に係る毛髪化粧料は、可塑剤となる油剤を使用することなく毛髪化粧料に良好なヘアスタイリング保持性を付与すると共に整髪された毛髪の再整髪性を長時間に亘り維持することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。尚、以下の化合物名の表記における「(メタ)アクリ((meth)acry−)」は、「アクリ(acry−)」および/または「メタクリ(methacry−)]を意味する。
本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、エチレン性不飽和単量体成分(A)を重合させてなる重合体である。この毛髪化粧料用基剤は、ガラス転移点が35℃以下であり、且つ重量平均分子量が1000〜30000である必要がある。このため、この毛髪化粧料用基剤が配合された毛髪化粧料で整髪された毛髪にごわつきやべたつきによる不快な感触が生じず、また整髪後の髪型が乱れた場合には手櫛等で容易に整髪(再整髪)することが可能となる。
毛髪化粧料用基剤のガラス転移点は上記の通り35℃以下であるが、好ましくは30℃以下であり、更に好ましくは25℃以下である。この場合、整髪された毛髪のごわつきが更に確実に防止されると共に、再整髪性も更に優れたものとなる。ガラス転移点の下限は特に制限されないが、−80℃以上であることが好ましい。
毛髪化粧料用基剤の重量平均分子量は上記の通り1000〜30000の範囲であるが、好ましくは1000〜25000の範囲、更に好ましくは1000〜20000の範囲である。この場合、整髪された毛髪のごわつき及びべたつきが更に確実に防止されると共に、再整髪性も更に優れたものとなる。
この毛髪化粧料用基剤は、ノニオン性樹脂、アニオン性樹脂、カチオン性樹脂、両性樹脂の、いずれであっても良い。いずれの場合であっても、毛髪化粧料用基剤は上記効果を発揮する。
エチレン性不飽和単量体成分(A)は、ノニオン性不飽和単量体(a)及びイオン性不飽和単量体(b)から選ばれる少なくとも一種からなる。イオン性不飽和単量体(b)にはアニオン性不飽和単量体、カチオン性不飽和単量体及び両性不飽和単量体が含まれる。両性不飽和単量体には、両性不飽和単量体の前駆体、すなわち両性化により両性不飽和単量体となる単量体も含まれる。
ノニオン性不飽和単量体(a)の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸プ口ピル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸へプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸べへニル等の、直鎖状、分岐鎖状又は脂環式の炭化水素基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル;スチレン;ビニルピロリドン;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の、(メタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類;メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、前記ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類の水酸基末端がアルキルエーテル化されたもの;(メタ)アクリル酸グリセリル等の単官能不飽和単量体;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能不飽和単量体が挙げられる。これらのノニオン性不飽和単量体(a)は一種単独で使用され、或いは二種以上が併用される。
ノニオン性不飽和単量体(a)のうち、N,N−ジメチルアクリルアミドが使用される場合、毛髪化粧料用基剤の水、アルコール及び液化石油ガスへの溶解性が向上する。この水、アルコール及び液化石油ガスは、化粧料用基剤に配合される溶媒として広く使用されている。特にN,N−ジメチルアクリルアミドの含有量がエチレン性不飽和単量体成分(A)の総量に対して10〜100重量%である場合には、毛髪化粧料用基剤が優れた水溶性、アルコール溶解性、及び液化石油ガス溶解性を兼ね備えたものになる。
イオン性不飽和単量体(b)のうち、アニオン性不飽和単量体としては、例えば、カルボキシル基含有不飽和単量体、スルホン酸基含有単量体、リン酸基含有不飽和単量体等が挙げられる。
このアニオン性不飽和単量体のうち、カルボキシル基含有不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、2−メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート;アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド、3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
またアニオン性不飽和単量体のうち、スルホン酸基含有単量体としては、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸等の芳香族ビニル基含有スルホン酸;スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル系単量体、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体等が挙げられる。
またアニオン性不飽和単量体のうち、リン酸基含有不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のメタアクリロイルオキアルキルリン酸モノエステル等が挙げられる。
イオン性不飽和単量体(b)のうち、カチオン性不飽和単量体としては、例えば1〜3級アミノ基含有不飽和単量体、第4級アンモニウム塩基含有不飽和単量体等が挙げられる。
このカチオン性不飽和単量体のうち、1〜3級アミノ基含有不飽和単量体としては、例えば(メタ)アリルアミン、アミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体等が挙げられる。
またカチオン性不飽和単量体のうち、第4級アンモニウム塩基含有不飽和単量体としては、例えば、上記の3級アミノ基含有不飽和単量体を、4級化剤(炭素数が1〜12のアルキルクロライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、ベンジルクロライド等)を用いて4級化したもの等が挙げられる。具体的には、第4級アンモニウム塩基含有不飽和単量体として、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
両性不飽和単量体としては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアミン誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体、モノクロロ酢酸のアミノメチルプロパノール塩、モノクロロ酢酸のトリエタノールアミン塩、モノクロロ酢酸カリウム、モノブロモプロピオン酸ナトリウム等のハロゲン化脂肪酸塩による変性物、プロピオラクトン等のラクトン類、プロパンサルトン等のサルトン類による変性物等が挙げられる。
また、両性不飽和単量体の前駆体として、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアミン誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体成分(A)に両性不飽和単量体の前駆体が含まれる場合には、エチレン性不飽和単量体成分(A)が重合された後、得られる重合体中の、前記前駆体に由来する構造単位が、両性化剤(モノクロロ酢酸、モノブロモプロピオン酸、プロピオラクトン等のラクトン類;プロパンサルトン等のサルトン類等)で両性化される。両性化により副次的に生成する塩は、必要に応じて濾過、イオン交換等の適宜の手法で除去される。このように両性不飽和単量体の前駆体が使用されると、予め両性化された単量体が使用される場合よりも重合反応が安定化する。
エチレン性不飽和単量体成分(A)に含まれる単量体の種類及び含有量は、毛髪化粧料用基剤に要求される粘着性等の特性、各種溶媒に対する溶解性、各種成分との相溶性等に応じて適宜決定される。また、このエチレン性不飽和単量体成分(A)に含まれる単量体の種類及び含有量は、毛髪化粧料用基剤のガラス転移点及び重量平均分子量が所定の値となるように決定される。
エチレン性不飽和単量体成分(A)がノニオン性不飽和単量体(a)のみからなる場合には、ノニオン性樹脂からなる毛髪化粧料用基剤が得られる。この場合、毛髪化粧料中に毛髪化粧料用基剤と共にアニオン性樹脂、カチオン性樹脂及び両性樹脂から選択される他の樹脂が配合されても、毛髪化粧料用基剤と他の樹脂との相溶性が高くなる。このため、毛髪化粧料用基剤を変更することなく毛髪化粧料の組成を変更することが容易となり、毛髪化粧料の組成設計の自由度が高くなる。また、更にこのエチレン性不飽和単量体成分(A)にN,N−ジメチルアクリルアミドが含まれている場合は、既述の通り、毛髪化粧料用基剤の水、アルコール及び液化石油ガスへの溶解性が向上する。この場合、毛髪化粧料用基剤が配合された毛髪化粧料の組成設計の自由度が更に高くなる。
また、エチレン性不飽和単量体成分(A)が、イオン性不飽和単量体(b)のうちアニオン性不飽和単量体及び1〜3級のアミノ基含有不飽和単量体から選択される少なくとも一種の単量体を含む場合、エチレン性不飽和単量体成分(A)の重合体中の前記単量体に由来する構成単位の一部又は全部が中和剤により中和されていると、この重合体からなる毛髪化粧料用基剤に良好な水溶性が付与される。
エチレン性不飽和単量体成分(A)がアニオン性不飽和単量体を含む場合、中和剤として好ましくは有機又は無機の塩基性化合物が使用される。有機の塩基性化合物は水溶性を有することが好ましい。この有機の塩基性化合物としては、例えば、モルホリン、N,N−ジメチルアミン、N−N−ジエチルアミン、エタノールアミン、N−N−ジエタノールアミン、N,N,N−トリエタノールアミン、2−アミノ−2メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。また無機の塩基性化合物としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体成分(A)が1〜3級アミノ基含有不飽和単量体を含む場合、中和剤として好ましくは有機又は無機の酸が使用される。有機又は無機の酸としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、低級アルキルモノカルボン酸塩(例えば酢酸、プロピオン酸等)、ヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸等)、二塩基酸(例えばマレイン酸等)等が挙げられる。
これらの中和剤は一種単独で使用され、或いは二種以上が併用される。
中和剤による中和は、エチレン性不飽和単量体成分(A)の重合により生成する重合体に対して行われる。またエチレン性不飽和単量体成分(A)中のアニオン性不飽和単量体及び1〜3級のアミノ基含有不飽和単量体のうち一部又は全部が、重合前に予め中和されても良い。特にエチレン性不飽和単量体成分(A)中にアニオン性不飽和単量体と1〜3級のアミノ基含有不飽和単量体とが共に含まれる場合には、各単量体が重合前にそれぞれ中和されることが好ましい。
重合体の中和率は適宜設定されるが、この重合体からなる毛髪化粧料用基剤に充分に高い水溶性が付与されるためには、重合体中のアニオン性不飽和単量体及び1〜3級のアミノ基含有不飽和単量体に由来する構成単位のうち50〜100%が中和されることが好ましい。
エチレン性不飽和単量体成分(A)は、適宜の重合方法で重合される。前記重合方法として、例えば親水性溶媒を用いた通常の溶液重合法等の公知の重合方法が採用され得る。溶液重合法が採用される場合、例えば親水性溶媒中にエチレン性不飽和単量体成分(A)を溶解すると共に重合開始剤を添加して反応溶液を調製し、この反応溶液を窒素気流下、溶媒の沸点又はそれに近い温度で攪拌することによってエチレン性不飽和単量体成分(A)を重合させることができる。この反応溶液中には重合反応の開始当初からエチレン性不飽和単量体成分(A)の全種及び全量が溶解していても良いが、エチレン性不飽和単量体成分(A)の種類、量等に応じて、重合反応を進行させながら反応溶液中にエチレン性不飽和単量体成分(A)を分割して添加し、或いは重合反応を進行させながら反応溶液中にエチレン性不飽和単量体成分(A)を連続滴下しても良い。前記親水性溶媒の使用量は、重合反応終了時の溶液中の樹脂固形分濃度が30〜60重量%の範囲となるように調整されることが好ましい。
溶液重合に使用される親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の水に可溶な脂肪族アルコール;アセトン;メチルセロソルブ;エチルセロソルブ;ジオキサン;酢酸メチル;酢酸エチル;ジメチルホルムアミド等が挙げられる。親水性溶媒は一種単独で使用され、或いは二種以上が併用される。
重合開始剤としては適宜のものが使用されるが、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、4,4’−アゾビスー4−シアノ吉草酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ジヒドロクロリド等のアゾ系化合物等を使用することが好ましい。重合開始剤の使用量は、重合体のガラス転移点及び重量平均分子量が所定の値となるように適宜決定される。
また、反応溶液中には、分子量調節等のため、必要に応じて連鎖移動剤が添加されても良い。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えばラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリセロール等のメルカプタン基を有する化合物;次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の無機塩等が挙げられる。連鎖移動剤の使用量は、重合体の分子量が所望の範囲となるように適宜決定されるが、通常、エチレン性不飽和単量体成分(A)の総量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
また、リビングラジカル重合法によりエチレン性不飽和単量体成分(A)を重合させても良い。この場合、重合体の重量平均分子量の調整が容易になると共に、連鎖移動剤を使用する場合よりも分子量分布の狭い重合体が生成する。
エチレン性不飽和単量体成分(A)の重合時の温度、時間等の重合条件は、エチレン性不飽和単量体成分(A)や重合開始剤の種類等に応じ、高い反応率で重合反応が進行するように適宜設定される。重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行っても良い。重合反応終了時の未反応モノマーの残存量は少量であるほど好ましい。
このようなエチレン性不飽和単量体成分(A)の重合反応により、毛髪化粧料用基剤が生成する。溶液重合法の場合は、毛髪化粧料用基剤の親水性溶媒溶液が生成する。
この毛髪化粧料用基剤に必要に応じて種々の成分が配合されることで、適宜の毛髪化粧料が調製される。溶液重合法によって毛髪化粧料用基剤の親水性溶媒溶液が生成する場合には、この親水性溶媒溶液に必要に応じて種々の成分が配合されることで、毛髪化粧料が調製される。また、この親水性溶媒溶液から親水性溶媒を留去して得られる固形状の毛髪化粧料用基剤に必要に応じて種々の成分が配合されることで、毛髪化粧料が調製されても良い。
例えば毛髪化粧料用基剤が、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、95体積%のエタノール等の含水アルコール、アセトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル等の親水性溶媒に溶解することで、ヘアスプレー剤が調製される。このヘアスプレー剤中の毛髪化粧料用基剤の固形分濃度は0.5〜15重量%の範囲が好ましい。
このヘアスプレー剤が噴射剤と共に耐圧容器内に加圧封入されることで、ヘアスプレーが作製される。上記噴射剤としては、プロパン、ブタン、イソブタンを主成分とする液化石油ガス(LPG);トリクロロモノフルオロメタン(フロン11)、ジクロロジフルオロメタン(フロン12)、ジクロロテトラフルオロエタン(フロン114)、メチレンクロライド、ハイドロフルオロカーボン(HFC152a等)等を成分とするハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル;炭酸ガス等が挙げられる。これらの噴射剤は一種単独で使用され、或いは二種以上が併用される。特に本発明に係る毛髪化粧料用基剤はLPGとの相溶性が高いため、LPGが用いられることが好ましい。耐圧容器内には、ヘアスプレー剤と噴射剤とが2:8〜8:2の重量比で封入されることが好ましい。
また、この毛髪化粧料用基剤は水溶性及びアルコール溶解性が高いため、この毛髪化粧料用基剤が親水性溶媒又は水と親水性溶媒との混合溶媒に溶解され、更に各種添加剤が加えられることで、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアローション、ノンガスエアゾール剤(ヘアミスト剤)、ヘアゲル、ヘアスタイリングフォーム(ヘアムース)、カーラーウォーター等の毛髪化粧料が調製される。
毛髪化粧料の調製時には、この毛髪化粧料用基剤と、アニオン性樹脂、カチオン性樹脂、両性樹脂及びノニオン性樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂とが併用されても良い。
これらのアニオン性樹脂、カチオン性樹脂、両性樹脂及びノニオン性樹脂としては、例えば「薬事日報社編、「医薬部外品原料規格2006」、株式会社薬事日報社、平成18年6月16日」に適合するものが挙げられる。
アニオン性樹脂の具体例としては、プラスサイズL−9540B(互応化学工業(株)製)等のアクリル樹脂アルカノールアミン液(成分コード500001);カーボポール940(B.F.Goodrich製)等のカルボキシビニルポリマー(成分コード101243);ウルトラホールド8(BASF社製)等のアクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(成分コード522001);レジン28−1310(NSC社製)等の酢酸ビニル・クロトン酸共重合体液(成分コード522037);ガントレッツES−225(ISP社製)等のビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体液(成分コード504304);ガントレッツES−425(ISP社製)等のビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体液(成分コード504305);ポリアクリル酸(成分コード108622)等が挙げられる。
カチオン性樹脂の具体例としては、マーコート550(カルゴン社製)等のアクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体液(成分コード532001);ガフカット755(ISP社製)等のビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液(成分コード520526);ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液(成分コード506024)等が挙げられる。
ノニオン性樹脂の具体例としては、ルビスコールK(BASF社製)等のポリビニルピロリドン(成分コード008805);酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体(成分コード523102);ポリアクリル酸アミド(成分コード520988)等が挙げられる。
両性樹脂の具体例としては、プラスサイズL−401(互応化学工業株式会社製)等のポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン液(成分コード521111);プラスサイズL−450(互応化学工業株式会社製)等のメタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体液(成分コード523245);ユカフォーマーAM−75(三菱化学株式会社製)等のN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体液(成分コード521112)等が挙げられる。
固形状のこれらの樹脂が販売され、或いはこれらの樹脂から調製された溶液や中和溶液が販売されている。これらの固形状の樹脂、溶液、中和溶液等を毛髪化粧料に配合することができる。また、固形状の樹脂から溶液や中和溶液等を調製し、この溶液や中和溶液等を毛髪化粧料中に配合しても良い。また、樹脂の溶液から中和溶液を調製し、この中和溶液を毛髪化粧料に配合しても良い。
毛髪化粧料中の毛髪化粧料用基剤の含有量は、毛髪化粧料の形態、毛髪化粧料の構成成分等に応じて適宜設定されるが、好ましくは水、アルコール、LPG等の溶媒を含めた毛髪化粧料の全成分の総量に対して、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.5〜7重量%、更に好ましくは1〜5重量%の範囲とする。
以下、本発明の具体的な実施例を示す。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
尚、以下に使用される「部」及び「%」は、特に明示しない限り全て重量基準であり、また表中に示される各成分の配合量は全て「重量部」で表したものである。
〔実施例1〜3,5〜9,比較例2,3〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用管、滴下漏斗及び撹拌機が取り付けられた容量1リットルの五つ口フラスコに、エタノール100部を仕込み、窒素気流下、昇温し、還流状態(約80℃)になったところで、このエタノール中に重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)を添加した。重合開始剤の添加量は、実施例1,6では9部、実施例2では1.5部、実施例3では3部、実施例5,9,比較例3では4.5部、実施例7では6部、実施例8では7.5部、比較例2では1.1部とした。
各実施例及び比較例ごとに表1に示す原料を混合した混合物を予め用意しておき、前記開始剤の添加後、直ちにこの混合物を滴下漏斗から五つ口フラスコ中に2時間連続して滴下し、反応溶液を調製した。この反応溶液を6時間放置して重合反応を進行させた。この重合反応の終了後、実施例7については、クロロ酢酸Na水溶液を加えてベタイン化処理を施した。次に、五つ口フラスコ中の溶液から溶媒を留去すると共に、エタノールを加えることでこの溶液の溶媒含有量を調整し、固形分濃度40%の毛髪化粧料用基剤の溶液を得た。
〔実施例4,10,比較例1〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用管、滴下漏斗及び撹拌機が取り付けられた容量1リットルの五つ口フラスコに、エタノール100部と重合開始剤(1,3−ビス−(ターシャリーブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン)1部とを仕込み、窒素気流下、昇温し、液温を150℃に保持した。
各実施例及び比較例ごとに表1に示す原料を混合した混合物を予め用意しておき、この混合物を滴下漏斗から五つ口フラスコ中に連続して滴下し、反応溶液を調製した。滴下に要した時間は、実施例4では3時間、実施例10では4時間、比較例1では4時間30分である。この反応溶液を6時間放置して重合反応を進行させた。次に、五つ口フラスコ中の溶液から溶媒を留去すると共に、エタノールを加えることでこの溶液の溶媒含有量を調整し、固形分濃度40%の毛髪化粧料用基剤の溶液を得た。
〔重量平均分子量及びガラス転移点〕
各実施例及び比較例で得られた毛髪化粧料用基剤の重量平均分子量及びガラス転移点は、表1に示される通りである。
この重量平均分子量の測定時には、まず各実施例及び比較例で得られた毛髪化粧料用基剤から溶媒を蒸発させて乾固し、固形状の毛髪化粧料用基剤を得た。この毛髪化粧料用基剤をテトラヒドロキシフラン(THF)に溶解し、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(昭和電工株式会社製GPC測定装置、SHODEX SYSTEM 11)により重量平均分子量を測定した。
測定条件の詳細は下記の通りである。
・カラム:SHODEX KF−800P、KF−805、KF−803、KF−801の、4本直列
・移動層:THF(テトラヒドロフラン)
・流量:1ml
・カラム温度:45℃
・検出器:RI
・換算:ポリスチレン
またガラス転移点の測定時には、重量平均分子量の測定時と同様の手法により得られた固形状の毛髪化粧料用基剤をアルミパン上に5mg測り取り、この毛髪化粧料用基剤ののガラス転移点を、示差走査熱量計(株式会社リガク製 DSC8230)を用いて昇温速度10℃/minの条件で測定した。
〔性能評価〕
各実施例及び比較例で得られた毛髪化粧料用基剤の溶液12.5部、エタノール77.5部、水10部を混合し、ヘアミスト剤を調製した。
このヘアミスト剤について、下記の評価試験を行った。その結果を下記表1に示す。
(1)ヘアスタイリング保持性評価試験
実験用人頭モデル(ウィッグ)の毛髪にヘアミスト剤を噴霧し、この毛髪を整髪した後、乾燥した。この毛髪を25℃、60%R.H.の条件下に3時間放置した後の状態を目視で観察し、ヘアスタイリング保持性を下記評価基準で評価した。
◎…非常に良好:整髪当初の状態からほとんど変化していない。
○…やや良好:すこし変化しているが、整髪当初の状態に近い。
△…やや劣る:毛髪に少し垂れが生じ、整髪当初の状態とは異なる。
×…非常に劣る:毛髪の殆どに垂れが生じている。
(2)再整髪性評価試験
長さ10cm、重量1gの毛束に1gのヘアミスト剤を均一に塗布した。この毛束を直径3cmのロッドに巻き付けた後、50℃の乾燥機中で30分間乾燥させた。この毛束をデシケーター中で常温にした後、ロッドから毛束を外した。このカールされた毛束の根元を固定し、毛先側を自重により下方に垂れ下げさせた。この状態で、毛束中の毛髪の根元と毛先との間の高低差Lを測定した。
次に、カールされた毛束を直線状に引き伸ばしてから、再度この毛束を直径3cmのロッドに巻き付けた後、25℃、60%R.H.の条件下で30分間保持した。その後、ロットから毛束を外し、前記と同一の手法により毛束中の毛髪の根元と毛先との間の高低差Lを測定した。
この高低差L、Lの測定結果に基づいて、下記式(I)で定義される再整髪率を算出し、その結果に基づいて下記評価基準により再整髪性を評価した。
再整髪率(%)={(10−L)/(10−L)}×100 …(I)
◎…非常に良好:再整髪率が80%以上
○…やや良好:再整髪率が70%以上
△…やや劣る:再整髪率が60%以上
×…非常に劣る:再整髪率が60%未満
(3)べたつき性評価試験(官能試験)
実験用人頭モデル(ウィッグ)の毛髪にヘアミスト剤を噴霧し、この毛髪を整髪した後、乾燥した。
10名の被験者にこの毛髪を手で触れてもらい、その触感に基づいて、毛髪に不快と感じるべたつきがあるか否かを、各被験者に回答してもらった。
この被験者の回答に基づいて、べたつき性を下記評価基準で評価した。
◎…非常に良好:被験者9人以上が不快でないと回答した。
○…やや良好:被験者7人以上が不快でないと回答した。
△…やや悪い:被験者5人以上が不快でないと回答した。
×…悪い:被験者6人以上が不快であると回答した。
Figure 2009256212
〔他の毛髪化粧料についての評価〕
実施例6で得られた毛髪化粧料用基剤の溶液を用い、下記表2に示す二種の組成のヘアスタイリングスプレー剤を調製した。この各ヘアスタイリングスプレー剤は、表1に示されるヘアミスト剤の場合と同様に優れたヘアスタイリング保持性と再整髪性とを備え、かつこのヘアスタイリングスプレー剤による整髪後の毛髪にべたつきがないことが確認された。
Figure 2009256212
実施例6で得られた毛髪化粧料用基剤の溶液を用い、下記表3に示す組成のヘアミスト剤を調製した。このヘアミスト剤は、表1に示されるヘアミスト剤の場合と同様に優れたヘアスタイリング保持性と再整髪性とを備え、かつこのヘアミスト剤による整髪後の毛髪にべたつきがないことが確認された。
Figure 2009256212
実施例5で得られた毛髪化粧料用基剤の溶液を用い、下記表4に示す二種の組成のヘアスタイリングフォームを調製した。この各ヘアスタイリングフォームは、表1に示されるヘアミスト剤の場合と同様に優れたヘアスタイリング保持性と再整髪性とを備え、かつこの各ヘアスタイリングフォームによる整髪後の毛髪にべたつきがないことが確認された。
Figure 2009256212
実施例10で得られた毛髪化粧料用基剤の溶液を用い、下記表5に示す組成のヘアワックスを調製した。このヘアワックスは、表1に示されるヘアミスト剤の場合と同様に優れたヘアスタイリング保持性と再整髪性とを備え、かつこのヘアワックスによる整髪後の毛髪にべたつきがないことが確認された。
Figure 2009256212
実施例1で得られた毛髪化粧料用基剤の溶液を用い、下記表6に示す組成のヘアジェルを調製した。このヘアジェルは、表1に示されるヘアミスト剤の場合と同様に優れたヘアスタイリング保持性と再整髪性とを備え、かつこのヘアジェルによる整髪後の毛髪にべたつきがないことが確認された。
Figure 2009256212

Claims (7)

  1. エチレン性不飽和単量体成分(A)の重合体からなり、
    ガラス転移点が35℃以下であり、
    重量平均分子量が1000〜30000であることを特徴とする毛髪化粧料用基剤。
  2. 上記エチレン性不飽和単量体成分(A)が、ノニオン性不飽和単量体(a)のみからなることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料用基剤。
  3. 上記ノニオン性不飽和単量体(a)がN,N−ジメチルアクリルアミドを含むことを特徴とする請求項2に記載の毛髪化粧料用基剤。
  4. 上記エチレン性不飽和単量体成分(A)が、ノニオン性不飽和単量体(a)及びイオン性不飽和単量体(b)から選ばれる少なくとも一種の単量体からなることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料用基剤。
  5. 上記イオン性不飽和単量体(b)が、アニオン性不飽和単量体及び1〜3級アミノ基含有不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体を含み、
    重合体中の前記単量体に由来する構成単位の一部又は全部が中和されていることを特徴とする請求項4に記載の毛髪化粧料用基剤。
  6. 上記イオン性不飽和単量体(b)が、両性化可能な不飽和単量体を含み、
    上記重合体中の前記両性化可能な不飽和単量体に由来する構造単位が両性化剤で両性化されていることを特徴とする請求項4に記載の毛髪化粧料用基剤。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の毛髪化粧料用基剤を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
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