JP3192159B2 - 整髪剤用基剤 - Google Patents
整髪剤用基剤Info
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- JP3192159B2 JP3192159B2 JP08689091A JP8689091A JP3192159B2 JP 3192159 B2 JP3192159 B2 JP 3192159B2 JP 08689091 A JP08689091 A JP 08689091A JP 8689091 A JP8689091 A JP 8689091A JP 3192159 B2 JP3192159 B2 JP 3192159B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は整髪剤用基剤に関する。
さらに詳しくは、毛髪に対する付着性および光沢にすぐ
れ、なめらかな感触を付与し、しかも良好なセット保持
力を付与しうるノニオン性の整髪剤用基剤に関する。
さらに詳しくは、毛髪に対する付着性および光沢にすぐ
れ、なめらかな感触を付与し、しかも良好なセット保持
力を付与しうるノニオン性の整髪剤用基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】頭髪を所望の形状にセットするための整
髪剤として近年種々のものが開発されている。一般に整
髪剤は、毛髪上に架橋されていない状態でフィルムとし
て被覆されることによりセット力を呈するものであり、
かかる整髪剤のセット力は、整髪剤に配合されたポリマ
ーの種類をかえることによって適宜決定される。しかし
ながら、従来の整髪剤は、通常毛髪に被覆されたあとに
セット力を動的に変化させる性質を有しておらず、一部
の整髪剤のなかには毛髪に被覆したのち、ポリマー間で
イオン性の架橋を生じさせることにより強固なフィルム
を形成するものも開発されているとはいうものの(特公
昭58-46482号公報)、該整髪剤は、架橋密度を毛髪に被
覆したのちに調整することができないものであるため、
形成されたフィルムによるセット力を適宜調節すること
ができない。
髪剤として近年種々のものが開発されている。一般に整
髪剤は、毛髪上に架橋されていない状態でフィルムとし
て被覆されることによりセット力を呈するものであり、
かかる整髪剤のセット力は、整髪剤に配合されたポリマ
ーの種類をかえることによって適宜決定される。しかし
ながら、従来の整髪剤は、通常毛髪に被覆されたあとに
セット力を動的に変化させる性質を有しておらず、一部
の整髪剤のなかには毛髪に被覆したのち、ポリマー間で
イオン性の架橋を生じさせることにより強固なフィルム
を形成するものも開発されているとはいうものの(特公
昭58-46482号公報)、該整髪剤は、架橋密度を毛髪に被
覆したのちに調整することができないものであるため、
形成されたフィルムによるセット力を適宜調節すること
ができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて毛髪に被覆することにより形
成されたフィルムがすぐれた付着性および光沢を有し、
なめらかな感触を付与し、しかもフィルム形成後に適宜
セット力を調節しうる整髪剤を開発するべく鋭意研究を
重ねた結果、かかる諸性質を同時に満足した整髪剤用基
剤をようやく見出し、本発明を完成するにいたった。
は、前記従来技術に鑑みて毛髪に被覆することにより形
成されたフィルムがすぐれた付着性および光沢を有し、
なめらかな感触を付与し、しかもフィルム形成後に適宜
セット力を調節しうる整髪剤を開発するべく鋭意研究を
重ねた結果、かかる諸性質を同時に満足した整髪剤用基
剤をようやく見出し、本発明を完成するにいたった。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は(A)
一般式(I):
一般式(I):
【0005】
【化5】
【0006】(式中、nは3または4を示す)で表わさ
れるビニルラクタム40〜95重量%と、(B) 一般式(II):
れるビニルラクタム40〜95重量%と、(B) 一般式(II):
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
R2、R3 およびR4 はそれぞれ独立してメチル基、エ
チル基、β- メトキシエトキシ基またはアセチル基を示
す)で表わされるシリル基含有モノマーAおよび一般式
(III) :
R2、R3 およびR4 はそれぞれ独立してメチル基、エ
チル基、β- メトキシエトキシ基またはアセチル基を示
す)で表わされるシリル基含有モノマーAおよび一般式
(III) :
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R2 、R3 およびR4 は前記と同
じ)で表わされるシリル基含有モノマーBから選ばれた
少なくとも1種のシリコーン系モノマー1〜30重量%と
を含有したモノマー成分を重合してなる整髪剤用基剤に
関する。
じ)で表わされるシリル基含有モノマーBから選ばれた
少なくとも1種のシリコーン系モノマー1〜30重量%と
を含有したモノマー成分を重合してなる整髪剤用基剤に
関する。
【0011】
【作用および実施例】本発明の整髪剤用基剤は、すぐれ
た光沢および毛髪に対する付着性を有するフィルムを形
成するものである。そして、形成されたフィルムは、た
とえばドライヤーなどにより加熱されたときに、その内
部で架橋反応が徐々に進行するため、しだいに硬化す
る。
た光沢および毛髪に対する付着性を有するフィルムを形
成するものである。そして、形成されたフィルムは、た
とえばドライヤーなどにより加熱されたときに、その内
部で架橋反応が徐々に進行するため、しだいに硬化す
る。
【0012】したがって、本発明の整髪剤用基剤を毛髪
に被覆し、フィルムを形成したばあいであっても形成さ
れたフィルムは架橋されていないため、所望の形態に毛
髪を整えることができ、しかもそののちにフィルムを加
熱すれば硬化するので長時間その形態を維持することが
できる。また、フィルムの加熱の程度を加減することに
よりフィルムの硬度を適宜調整することができるので、
使用者の好みに応じて任意に毛髪の風合を調節すること
ができるのである。
に被覆し、フィルムを形成したばあいであっても形成さ
れたフィルムは架橋されていないため、所望の形態に毛
髪を整えることができ、しかもそののちにフィルムを加
熱すれば硬化するので長時間その形態を維持することが
できる。また、フィルムの加熱の程度を加減することに
よりフィルムの硬度を適宜調整することができるので、
使用者の好みに応じて任意に毛髪の風合を調節すること
ができるのである。
【0013】また、整髪剤は、毛髪に使用されるもので
あるため、洗髪時に容易に除去される性質を有すること
が望まれるが、一般に形成されたフィルムの硬度を高め
るために架橋密度を大きくしたばあいには、フィルムの
水溶性は低下する傾向がある。これに対して、本発明の
整髪剤用基剤により形成されたフィルムは、加熱により
硬化されたばあいであっても、フィルムには水溶性基と
架橋がバランスよく適度に存在しているため、洗髪時に
水に容易に溶解し、除去することができるのである。
あるため、洗髪時に容易に除去される性質を有すること
が望まれるが、一般に形成されたフィルムの硬度を高め
るために架橋密度を大きくしたばあいには、フィルムの
水溶性は低下する傾向がある。これに対して、本発明の
整髪剤用基剤により形成されたフィルムは、加熱により
硬化されたばあいであっても、フィルムには水溶性基と
架橋がバランスよく適度に存在しているため、洗髪時に
水に容易に溶解し、除去することができるのである。
【0014】本発明の整髪用基剤は、前記したように、
(A) 一般式(I) :
(A) 一般式(I) :
【0015】
【化8】
【0016】(式中、nは3または4を示す)で表わさ
れるビニルラクタム40〜95重量%と、(B) 一般式(II):
れるビニルラクタム40〜95重量%と、(B) 一般式(II):
【0017】
【化9】
【0018】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
R2、R3 およびR4 はそれぞれ独立してメチル基、エ
チル基、β- メトキシエトキシ基またはアセチル基を示
す)で表わされるシリル基含有モノマーAおよび一般式
(III) :
R2、R3 およびR4 はそれぞれ独立してメチル基、エ
チル基、β- メトキシエトキシ基またはアセチル基を示
す)で表わされるシリル基含有モノマーAおよび一般式
(III) :
【0019】
【化10】
【0020】(式中、R2 、R3 およびR4 は前記と同
じ)で表わされるシリル基含有モノマーBから選ばれた
少なくとも1種のシリコーン系モノマー1〜30重量%と
を含有したモノマー成分を重合したものである。
じ)で表わされるシリル基含有モノマーBから選ばれた
少なくとも1種のシリコーン系モノマー1〜30重量%と
を含有したモノマー成分を重合したものである。
【0021】前記一般式(I) で表わされるビニルラクタ
ムは、本発明において水溶性および光沢を付与する成分
として用いられる。
ムは、本発明において水溶性および光沢を付与する成分
として用いられる。
【0022】前記ビニルラクタムの具体例としては、N-
ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドンがあげられ、こ
れらのモノマーは単独または混合して用いられる。
ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドンがあげられ、こ
れらのモノマーは単独または混合して用いられる。
【0023】前記ビニルラクタムの使用量は、重合に供
せられるモノマー成分に対して40〜95重量%、好ましく
は55〜75重量%となるように調整される。前記ビニルラ
クタムの使用量が40重量%未満であるばあいには、えら
れる整髪剤によって形成されたフィルムは水に対して難
溶性を呈するようになって洗髪の際に洗浄除去すること
が困難となり、また95重量%をこえるばあいには、えら
れる整髪剤によって形成されたフィルムの耐湿性が著し
く低下し、また本発明の目的である架橋効果によるセッ
ト力の向上が阻害される。
せられるモノマー成分に対して40〜95重量%、好ましく
は55〜75重量%となるように調整される。前記ビニルラ
クタムの使用量が40重量%未満であるばあいには、えら
れる整髪剤によって形成されたフィルムは水に対して難
溶性を呈するようになって洗髪の際に洗浄除去すること
が困難となり、また95重量%をこえるばあいには、えら
れる整髪剤によって形成されたフィルムの耐湿性が著し
く低下し、また本発明の目的である架橋効果によるセッ
ト力の向上が阻害される。
【0024】本発明においては、前記シリコーン系モノ
マーとして、前記一般式(II)で表わされるシリル基含有
モノマーAおよび前記一般式(III) で表わされるシリル
基含有モノマーBから選ばれた少なくとも1種が用いら
れる。
マーとして、前記一般式(II)で表わされるシリル基含有
モノマーAおよび前記一般式(III) で表わされるシリル
基含有モノマーBから選ばれた少なくとも1種が用いら
れる。
【0025】前記シリル基含有モノマーAは、アルコキ
シシリル基またはアセトキシシリル基を有する(メタ)
アクリル系モノマーであり、また前記シリル基含有モノ
マーBは、アルコキシシリル基またはアセトキシシリル
基を有するビニル系モノマーである。
シシリル基またはアセトキシシリル基を有する(メタ)
アクリル系モノマーであり、また前記シリル基含有モノ
マーBは、アルコキシシリル基またはアセトキシシリル
基を有するビニル系モノマーである。
【0026】前記シリル基含有モノマーAおよびシリル
基含有モノマーBは、いずれもえらる整髪剤に硬化性を
付与し、さらに形成されたフィルムの耐ブロッキング性
や平滑性などの物性を向上させる性質を有するモノマー
である。
基含有モノマーBは、いずれもえらる整髪剤に硬化性を
付与し、さらに形成されたフィルムの耐ブロッキング性
や平滑性などの物性を向上させる性質を有するモノマー
である。
【0027】前記一般式(II)および(III) において、R
2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立してメチル基、エ
チル基、β- メトキシエトキシ基またはアセチル基であ
るが、これらのなかでは形成されたフィルムを熱硬化し
て離脱した際の人体に対する安全性を考慮すれば、エチ
ル基およびアセチル基が好ましい。
2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立してメチル基、エ
チル基、β- メトキシエトキシ基またはアセチル基であ
るが、これらのなかでは形成されたフィルムを熱硬化し
て離脱した際の人体に対する安全性を考慮すれば、エチ
ル基およびアセチル基が好ましい。
【0028】前記シリル基含有モノマーAの具体例とし
ては、たとえば(メタ)アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリス(β-
メトキシエトキシ)シラン、(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリアセトキシシランなどがあげられ、これらのモ
ノマーは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
ては、たとえば(メタ)アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリス(β-
メトキシエトキシ)シラン、(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリアセトキシシランなどがあげられ、これらのモ
ノマーは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0029】前記シリル基含有モノマーBの具体例とし
てえは、たとえばビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β- メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルトリアセトキシシランなどがあげら
れ、これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合し
て用いられる。
てえは、たとえばビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β- メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルトリアセトキシシランなどがあげら
れ、これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合し
て用いられる。
【0030】なお、本発明においては、前記シリル基含
有モノマーAおよびシリル基含有モノマーBは、単独で
またはとくに両者の配合比を規定することなく併用する
ことができる。
有モノマーAおよびシリル基含有モノマーBは、単独で
またはとくに両者の配合比を規定することなく併用する
ことができる。
【0031】前記シリコーン系モノマーの使用量は、重
合に供せられるモノマー成分に対して1〜30重量%、好
ましくは5〜25重量%となるように調整される。前記シ
リコーン系モノマーの使用量が1重量%未満であるばあ
いには、形成されたフィルムの熱硬化性が不充分とな
り、また30重量%をこえるばあいには、えられる整髪剤
が長期間保存したときにゲル状となることがある。
合に供せられるモノマー成分に対して1〜30重量%、好
ましくは5〜25重量%となるように調整される。前記シ
リコーン系モノマーの使用量が1重量%未満であるばあ
いには、形成されたフィルムの熱硬化性が不充分とな
り、また30重量%をこえるばあいには、えられる整髪剤
が長期間保存したときにゲル状となることがある。
【0032】本発明の整髪剤用基剤は、前記ビニルラク
タムおよび前記シリコーン系モノマーを主成分としたモ
ノマー成分を重合したものであるが、前記ビニルラクタ
ムの使用量が少ないばあいまたは必要により、前記一般
式(IV)で表わされるエステル系モノマーおよび前記その
他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーが重合に供
せられるモノマー成分に対して60重量%以下、好ましく
は5〜40重量%の範囲で用いられる。なお、これらエス
テル系モノマーおよびその他の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーは、通常任意に選択して用いられるが、
エステル系モノマー、その他の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーの順序で選択することが好ましい。
タムおよび前記シリコーン系モノマーを主成分としたモ
ノマー成分を重合したものであるが、前記ビニルラクタ
ムの使用量が少ないばあいまたは必要により、前記一般
式(IV)で表わされるエステル系モノマーおよび前記その
他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーが重合に供
せられるモノマー成分に対して60重量%以下、好ましく
は5〜40重量%の範囲で用いられる。なお、これらエス
テル系モノマーおよびその他の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーは、通常任意に選択して用いられるが、
エステル系モノマー、その他の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーの順序で選択することが好ましい。
【0033】前記エステル系モノマーは、ヒドロキシル
基を有するモノマーであり、フィルムの形成後の加熱時
に前記シリコーン系モノマーに由来するアルコキシリル
基またはアセトキシシリル基による架橋反応を速やかに
進行させる性質を有する。
基を有するモノマーであり、フィルムの形成後の加熱時
に前記シリコーン系モノマーに由来するアルコキシリル
基またはアセトキシシリル基による架橋反応を速やかに
進行させる性質を有する。
【0034】本発明においては、前記エステル系モノマ
ーを用いなくてもたとえば大気中に含まれる水分などに
より前記シリコーン系モノマーに由来するアルコキシシ
リル基またはアセトキシシリル基が加水分解し、他の分
子間でシロキサン結合による架橋がある程度生じ、形成
されたフィルムは硬化する。
ーを用いなくてもたとえば大気中に含まれる水分などに
より前記シリコーン系モノマーに由来するアルコキシシ
リル基またはアセトキシシリル基が加水分解し、他の分
子間でシロキサン結合による架橋がある程度生じ、形成
されたフィルムは硬化する。
【0035】したがって、本発明の整髪剤用基剤をヘア
ーブローなどのセッティング整髪剤のように水分が多量
に含有された製品に用いるばあいには、前記エステル系
モノマーをとくに用いなくてもよい。
ーブローなどのセッティング整髪剤のように水分が多量
に含有された製品に用いるばあいには、前記エステル系
モノマーをとくに用いなくてもよい。
【0036】しかしながら、本発明の整髪剤用基剤を天
然ガスやジメチルエーテルなどの噴射剤を用いるエアゾ
ール整髪剤のように水分がほとんど存在しない製品に用
いるばあいには、とくに中性領域の水分がほとんど存在
しない状態では架橋反応は遅いため、比較的短時間でフ
ィルムを硬化させようとするには前記エステル系モノマ
ーを用いることが好ましい。
然ガスやジメチルエーテルなどの噴射剤を用いるエアゾ
ール整髪剤のように水分がほとんど存在しない製品に用
いるばあいには、とくに中性領域の水分がほとんど存在
しない状態では架橋反応は遅いため、比較的短時間でフ
ィルムを硬化させようとするには前記エステル系モノマ
ーを用いることが好ましい。
【0037】前記エステル系モノマーを用いたばあいに
は、前記シリコーン系モノマーに由来するアルコキシシ
リル基またはアセトキシシリル基と、前記エステル系モ
ノマーのヒドロキシ基とのあいだでエーテル交換または
エステル交換が生じ、架橋速度が向上し、フィルムは速
やかに硬化するようになる。
は、前記シリコーン系モノマーに由来するアルコキシシ
リル基またはアセトキシシリル基と、前記エステル系モ
ノマーのヒドロキシ基とのあいだでエーテル交換または
エステル交換が生じ、架橋速度が向上し、フィルムは速
やかに硬化するようになる。
【0038】前記エステル系モノマーの具体例として
は、たとえば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらの
モノマーは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
は、たとえば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらの
モノマーは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
【0039】前記エステル系モノマーの使用量は、あま
りにも多いばあいには、該エステル系モノマーと前記ビ
ニルラクタムおよび前記シリコーン系モノマーとの重合
反応性の違いから、前記エステル系モノマーが前記ビニ
ルラクタムなどと充分に共重合しなくなって前記エステ
ル系モノマーのみからなるホモポリマーが混在するよう
になるため、重合に供せられるモノマー成分に対して30
重量%以下、好ましくは20重量%以下となるように調整
される。なお、前記エステル系モノマーを使用すること
による効果を充分に発現させるためには、前記エステル
系モノマーの使用量は、0.5 重量%以上、なかんづく2
重量%以上となるように調整されるのが望ましい。
りにも多いばあいには、該エステル系モノマーと前記ビ
ニルラクタムおよび前記シリコーン系モノマーとの重合
反応性の違いから、前記エステル系モノマーが前記ビニ
ルラクタムなどと充分に共重合しなくなって前記エステ
ル系モノマーのみからなるホモポリマーが混在するよう
になるため、重合に供せられるモノマー成分に対して30
重量%以下、好ましくは20重量%以下となるように調整
される。なお、前記エステル系モノマーを使用すること
による効果を充分に発現させるためには、前記エステル
系モノマーの使用量は、0.5 重量%以上、なかんづく2
重量%以上となるように調整されるのが望ましい。
【0040】前記その他の共重合可能なエチレン性不飽
和モノマーは、形成されたフィルムに柔軟性および適度
な硬度を付与する性質を有する。
和モノマーは、形成されたフィルムに柔軟性および適度
な硬度を付与する性質を有する。
【0041】前記その他の共重合可能なエチレン性不飽
和モノマーの具体例としては、たとえば酢酸ビニル;メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレートなどのエステル部分のアル
キル基の炭素数が1〜20個のアルキル(メタ)アクリレ
ート;アクリロニトリル;ジアセトンアクリルアミド、
アクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N-ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級塩などの
エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜4個のジアル
キルアミノエチル(メタ)アクリレート;ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、
これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用
いられる。なお、これらのモノマーのなかでは酢酸ビニ
ルアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエ
チル(メタ)アクリレートは、ビニルラクタムとの共重
合性にすぐれ、えられる整髪剤用基剤に適度な柔軟性お
よび硬度を付与するばかりでなく、耐湿性にもすぐれ、
セット力の向上を図ることができる。なお、ビニルラク
タムの使用量が少ないばあいには、水に溶けにくくなる
ため、水溶性を補うためにジアセトンアクリルアミド、
アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートの4級塩などを用いることが好ましい。
和モノマーの具体例としては、たとえば酢酸ビニル;メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレートなどのエステル部分のアル
キル基の炭素数が1〜20個のアルキル(メタ)アクリレ
ート;アクリロニトリル;ジアセトンアクリルアミド、
アクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N-ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級塩などの
エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜4個のジアル
キルアミノエチル(メタ)アクリレート;ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、
これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用
いられる。なお、これらのモノマーのなかでは酢酸ビニ
ルアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエ
チル(メタ)アクリレートは、ビニルラクタムとの共重
合性にすぐれ、えられる整髪剤用基剤に適度な柔軟性お
よび硬度を付与するばかりでなく、耐湿性にもすぐれ、
セット力の向上を図ることができる。なお、ビニルラク
タムの使用量が少ないばあいには、水に溶けにくくなる
ため、水溶性を補うためにジアセトンアクリルアミド、
アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートの4級塩などを用いることが好ましい。
【0042】前記その他の共重合体可能なエチレン性不
飽和モノマーの使用量は、あまりにも多いばあいには、
そのモノマーの種類にもよるが、形成されるフィルムが
白化し、透明なものとならなくなることがあるため、重
合に供せられるモノマー成分に対して40重量%以下、好
ましくは25重量%以下とされる。なお、前記その他の共
重合可能なエチレン性不飽和モノマーを使用することに
よる効果を充分に発現せしめるためには、その使用量
は、5重量%以上、好ましくは15重量%以上とされるこ
とが望ましい。
飽和モノマーの使用量は、あまりにも多いばあいには、
そのモノマーの種類にもよるが、形成されるフィルムが
白化し、透明なものとならなくなることがあるため、重
合に供せられるモノマー成分に対して40重量%以下、好
ましくは25重量%以下とされる。なお、前記その他の共
重合可能なエチレン性不飽和モノマーを使用することに
よる効果を充分に発現せしめるためには、その使用量
は、5重量%以上、好ましくは15重量%以上とされるこ
とが望ましい。
【0043】本発明の整髪剤用基剤は、前記モノマーの
所望量を調整し、親水性溶媒中で共重合することにより
えられる。
所望量を調整し、親水性溶媒中で共重合することにより
えられる。
【0044】ここで親水性溶媒とは、水に対する溶解度
が10g/水 100g(25℃)以上である有機溶媒をいう。
かかる親水性溶媒の具体例としては、たとえば炭素数が
1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジメ
チルホルムアミドなどがあげられるが、これらのなかで
は1〜2価アルコールが化粧品原料として扱ううえでと
くに好ましいものである。
が10g/水 100g(25℃)以上である有機溶媒をいう。
かかる親水性溶媒の具体例としては、たとえば炭素数が
1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジメ
チルホルムアミドなどがあげられるが、これらのなかで
は1〜2価アルコールが化粧品原料として扱ううえでと
くに好ましいものである。
【0045】前記1価アルコールの具体例しては、たと
えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどが
あげられる。また2価アルコールの具体例としては、た
とえばプロピレングリコールなどがあげられる。
えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどが
あげられる。また2価アルコールの具体例としては、た
とえばプロピレングリコールなどがあげられる。
【0046】また、本発明の整髪剤用基剤は人体の皮膚
に付着することがあるため、その安全性を考慮すれば、
前記親水性溶媒のなかではエタノール、イソプロパノー
ルがとくに好ましいものである。
に付着することがあるため、その安全性を考慮すれば、
前記親水性溶媒のなかではエタノール、イソプロパノー
ルがとくに好ましいものである。
【0047】前記重合は、モノマーを前記親水性溶媒に
溶解し、重合開始剤を添加し、たとえばチッ素ガスなど
の不活性ガス気流下で加熱しながら撹拌することにより
行なわれる。
溶解し、重合開始剤を添加し、たとえばチッ素ガスなど
の不活性ガス気流下で加熱しながら撹拌することにより
行なわれる。
【0048】前記重合開始剤としては、一般に溶液重合
法に用いられているものであればとくに制限はなく、そ
の具体例としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ系化合物などがあげられる。
法に用いられているものであればとくに制限はなく、そ
の具体例としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ系化合物などがあげられる。
【0049】なお、本発明においては、重合に供せられ
るモノマー成分には、前記シリル基含有モノマーAや前
記エステル系モノマーなどが用いられるため、重合開始
剤として過酸化物を用いたばあいには架橋ゲル化を生起
するおそれがあるので、アゾ系化合物を用いることが好
ましい。
るモノマー成分には、前記シリル基含有モノマーAや前
記エステル系モノマーなどが用いられるため、重合開始
剤として過酸化物を用いたばあいには架橋ゲル化を生起
するおそれがあるので、アゾ系化合物を用いることが好
ましい。
【0050】なお、重合に際しては、前記親水性溶媒
は、共重合に供するモノマー成分の濃度が30〜70重量%
程度となるように調整して用いられることが好ましい。
は、共重合に供するモノマー成分の濃度が30〜70重量%
程度となるように調整して用いられることが好ましい。
【0051】なお、前記共重合に供する全モノマーの濃
度が50重量%をこえるばあいには、前記全モノマーを分
割して徐々に添加して重合を行なうことが急激な重合熱
の発生を避け、安全に重合を行なううえで好ましい。
度が50重量%をこえるばあいには、前記全モノマーを分
割して徐々に添加して重合を行なうことが急激な重合熱
の発生を避け、安全に重合を行なううえで好ましい。
【0052】重合温度は、用いる重合開始剤の種類など
によって異なるため一概には決定することができない
が、通常重合開始剤の10時間半減期温度とすることが好
ましく、とくに用いた親水性溶媒の還流温度に近いこと
がより再現性の高い重合を行なうことができるので好ま
しい。
によって異なるため一概には決定することができない
が、通常重合開始剤の10時間半減期温度とすることが好
ましく、とくに用いた親水性溶媒の還流温度に近いこと
がより再現性の高い重合を行なうことができるので好ま
しい。
【0053】また、重合時間は、8時間よりも短いばあ
いには重合が不完全となって未反応のモノマーが残存す
ることがあるため、8時間以上、好ましくは12〜36時間
とすることが望ましい。
いには重合が不完全となって未反応のモノマーが残存す
ることがあるため、8時間以上、好ましくは12〜36時間
とすることが望ましい。
【0054】なお、残存モノマーが存在するか否かは、
一般的な手法、たとえばPSDB法などにより二重結合が存
在するか否かを確認することにより行なうことができ
る。
一般的な手法、たとえばPSDB法などにより二重結合が存
在するか否かを確認することにより行なうことができ
る。
【0055】かくしてえられるポリマーは、ポリマー溶
液の状態または溶媒を除去した状態で整髪剤用基剤とし
て用いられる。
液の状態または溶媒を除去した状態で整髪剤用基剤とし
て用いられる。
【0056】本発明の整髪剤用基剤をエアゾールとして
用いるばあいには、前記整髪剤用基剤を、たとえば前記
重合用溶媒として用いた親水性溶媒に溶解したものを天
然ガスなどの噴射剤やその他添加剤、補助剤などととも
にエアゾール容器内に加圧充填し、封入すればよい。な
お、このばあいエアゾール容器内に充填される各種成分
の配合割合は、通常それぞれ目的用途などに応じて適宜
調整されることが望ましい。
用いるばあいには、前記整髪剤用基剤を、たとえば前記
重合用溶媒として用いた親水性溶媒に溶解したものを天
然ガスなどの噴射剤やその他添加剤、補助剤などととも
にエアゾール容器内に加圧充填し、封入すればよい。な
お、このばあいエアゾール容器内に充填される各種成分
の配合割合は、通常それぞれ目的用途などに応じて適宜
調整されることが望ましい。
【0057】つぎに本発明の整髪剤用基剤を実施例に基
づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例
のみに限定されるものではない。
づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例
のみに限定されるものではない。
【0058】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素導入管、仕込
み管および撹拌装置を取付けた五つ口フラスコに酢酸ビ
ニル15部(重量部、以下同様)、2-ヒドロキシエチルメ
タクリレート10部、ビニルトリエトキシシラン10部、N-
ビニルピロリドン35部および無水エタノール67部を入
れ、これにα,α′- アゾビスイソブチロニトリル 0.3
部を加えてチッ素気流下で80℃で加熱した。還流が始ま
ると同時にN-ビニルピロリドン30部を滴下ロートにて3
時間かけて滴下し、滴下終了後にα,α′- アゾビスイ
ソブチロニトリル 0.3部を追添し、さらに12時間重合し
て反応を完結し、整髪剤用基剤(60%ポリマーエタノー
ル溶液)をえた。えられた整髪剤用基剤に含まれる樹脂
の重量平均分子量は63000 であった。
み管および撹拌装置を取付けた五つ口フラスコに酢酸ビ
ニル15部(重量部、以下同様)、2-ヒドロキシエチルメ
タクリレート10部、ビニルトリエトキシシラン10部、N-
ビニルピロリドン35部および無水エタノール67部を入
れ、これにα,α′- アゾビスイソブチロニトリル 0.3
部を加えてチッ素気流下で80℃で加熱した。還流が始ま
ると同時にN-ビニルピロリドン30部を滴下ロートにて3
時間かけて滴下し、滴下終了後にα,α′- アゾビスイ
ソブチロニトリル 0.3部を追添し、さらに12時間重合し
て反応を完結し、整髪剤用基剤(60%ポリマーエタノー
ル溶液)をえた。えられた整髪剤用基剤に含まれる樹脂
の重量平均分子量は63000 であった。
【0059】つぎにえられた整髪剤用基剤の物性として
外観、水溶性および液化プロパンガス(以下、LPG とい
う)との相溶性を以下の方法にしたがって調べた。その
結果を表2に示す。
外観、水溶性および液化プロパンガス(以下、LPG とい
う)との相溶性を以下の方法にしたがって調べた。その
結果を表2に示す。
【0060】(イ)外観 えられた整髪剤用基剤を、樹脂成分を10%含有したエタ
ノール溶液となるように調製し、その外観を目視により
観察した。
ノール溶液となるように調製し、その外観を目視により
観察した。
【0061】(ロ)水溶性 えられた整髪剤用基剤を樹脂成分を10%含有したエタノ
ール溶液となるように調製し、液温を25℃に保ちなが
ら、水を添加して希釈されるかどうかを調べた。
ール溶液となるように調製し、液温を25℃に保ちなが
ら、水を添加して希釈されるかどうかを調べた。
【0062】評価基準を以下に示す。
【0063】(評価基準) ○:無限に希釈される。
【0064】×:水を加えるとポリマーが析出凝集す
る。
る。
【0065】(ハ)LPG との相溶性 えられた整髪剤用基剤を、樹脂成分を10%含有したエタ
ノール溶液となるように調製し、液温を5〜10℃に保ち
ながらLPG を溶解し、エタノール溶液に対するLPG の溶
解量を調べた。
ノール溶液となるように調製し、液温を5〜10℃に保ち
ながらLPG を溶解し、エタノール溶液に対するLPG の溶
解量を調べた。
【0066】実施例2〜7および比較例1 実施例1において、モノマーの組成を表1に示すように
変更したほかは実施例1と同様にして整髪剤用基剤をえ
た。
変更したほかは実施例1と同様にして整髪剤用基剤をえ
た。
【0067】つぎにえられた整髪剤の物性として外観、
水溶性およびLPG との相溶性を実施例1と同様にして調
べた。その結果を樹脂の重量平均分子量とともに表2に
示す。
水溶性およびLPG との相溶性を実施例1と同様にして調
べた。その結果を樹脂の重量平均分子量とともに表2に
示す。
【0068】
【表1】
【0069】なお、表中、各略号は、以下のことを意味
する。
する。
【0070】NVP : N- ビニルピロリドン VTES:ビニルトリエトキシシラン MTMS:メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン VTAS:ビニルトリアセトキシシラン HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート HPMA:ヒドロキシプロピルメタクリレート VAC :酢酸ビニル DAAA:ジアセトンアクリルアミド TBMA:t-ブチルメタクリレート MTES: メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン DMDS: ジメチルエチルメタクリレートジエチル硫酸塩
【0071】
【表2】
【0072】表2に示した結果から、本発明の実施例1
〜13でえられた整髪剤用基剤はいずれも外観、水溶性お
よびLPG との相溶性にすぐれたものであることがわか
る。
〜13でえられた整髪剤用基剤はいずれも外観、水溶性お
よびLPG との相溶性にすぐれたものであることがわか
る。
【0073】処方例1〜13および比較処方例1 実施例1〜13および比較例1でえられた整髪剤用基剤の
樹脂成分が10%含有されたエタノール溶液10gおよび噴
射剤としてLPG 10gをエアゾール容器(満注量:80ml)
に充填し、これにバルブを取り付けて整髪用エアゾール
製品を作製した。
樹脂成分が10%含有されたエタノール溶液10gおよび噴
射剤としてLPG 10gをエアゾール容器(満注量:80ml)
に充填し、これにバルブを取り付けて整髪用エアゾール
製品を作製した。
【0074】つぎにえられたエアゾール製品を用いて整
髪剤用基剤のセット力および形成されたフィルムの物性
を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示
す。 (イ)セット力 長さ25cmの毛髪2gに、整髪剤用基剤を20cmの距離から
10秒間噴霧し、この毛髪を外径1.2cm のカーラーに巻
き、40℃の温風で60分間かけて乾燥したのち、カーラー
から毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度80%の雰囲気中
に垂直に吊した直後の長さ(L1 )と1時間放置後の長
さ(L2 )を測定し、カールリテンションを次式から算
出した。
髪剤用基剤のセット力および形成されたフィルムの物性
を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示
す。 (イ)セット力 長さ25cmの毛髪2gに、整髪剤用基剤を20cmの距離から
10秒間噴霧し、この毛髪を外径1.2cm のカーラーに巻
き、40℃の温風で60分間かけて乾燥したのち、カーラー
から毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度80%の雰囲気中
に垂直に吊した直後の長さ(L1 )と1時間放置後の長
さ(L2 )を測定し、カールリテンションを次式から算
出した。
【0075】
【数1】
【0076】なお、カールリテンションが60%以上のも
のを合格(表中、「○」印)とし、また60%未満のもの
を不合格(表中、「×」印)とした。
のを合格(表中、「○」印)とし、また60%未満のもの
を不合格(表中、「×」印)とした。
【0077】(ロ)フィルムの物性 (i) 洗浄性 たて 2.5cm、よこ 7.5cmのガラス板に前記整髪剤用基剤
を20cmの距離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間
風乾してフィルムを形成した。このガラス板を40℃のシ
ャンプー 0.2%含有温水に静置浸漬し、フィルムの溶解
状態の経時変化を調べ、以下に示す評価基準にしたがっ
て評価した。
を20cmの距離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間
風乾してフィルムを形成した。このガラス板を40℃のシ
ャンプー 0.2%含有温水に静置浸漬し、フィルムの溶解
状態の経時変化を調べ、以下に示す評価基準にしたがっ
て評価した。
【0078】(評価基準) ○:30分間以内にフィルムが完全に溶解する。
【0079】△:40分間以内にフィルムが完全に溶解す
る。
る。
【0080】×:40分間経過後もフィルムが残存する。
【0081】(ii)耐ブロッキング性 長さ25cmの毛髪2gに整髪剤用基剤3gを均一にスプレ
ーにより塗布した。この毛髪を40℃の温風で60分間かけ
て乾燥し、市販のくしを用いてそのくし通りの状態を以
下の評価基準にもとづいて評価した。
ーにより塗布した。この毛髪を40℃の温風で60分間かけ
て乾燥し、市販のくしを用いてそのくし通りの状態を以
下の評価基準にもとづいて評価した。
【0082】(評価基準) ○:ひっかかりがなく、くしがなめらかに通る。
【0083】△:ひっかかりはあるが、くしを通すこと
ができる。
ができる。
【0084】×:くしが通らない。
【0085】(iii) 平滑性 2.5cm× 7.5cmのガラス板に前記整髪剤用基剤を20cmの
距離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間風乾して
フィルムを形成した。つぎに形成したフィルム面を指で
触感を調べ、平滑性を以下に示す評価基準に基づいて評
価した。
距離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間風乾して
フィルムを形成した。つぎに形成したフィルム面を指で
触感を調べ、平滑性を以下に示す評価基準に基づいて評
価した。
【0086】(評価基準) ○:完全になめらかである。
【0087】△:ややざらつきがある。
【0088】×:かなりざらつきがある。
【0089】(iV)透明性 たて2.5cm 、よこ 7.5cmのガラス板に前記整髪剤を20cm
の距離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間風乾し
てフィルムを形成した。つぎに形成したフィルムの状態
を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価し
た。
の距離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間風乾し
てフィルムを形成した。つぎに形成したフィルムの状態
を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価し
た。
【0090】(評価基準) ○:完全に透明である。
【0091】△:部分的に白化している。
【0092】×:全面が白化している。
【0093】(V) 鉛筆硬度 前記(iV)透明性を調べたあとのフィルム面に、三菱鉛筆
(株)製「uni 」(登録商標)を用いて鉛筆硬度試験を
行なった。
(株)製「uni 」(登録商標)を用いて鉛筆硬度試験を
行なった。
【0094】つぎに、フィルム面を100 ℃で2時間熱風
乾燥したのち、上記と同様にして鉛筆硬度試験を行なっ
た。
乾燥したのち、上記と同様にして鉛筆硬度試験を行なっ
た。
【0095】
【表3】
【0096】表3に示した結果から、本発明の実施例1
〜13でえられた整髪剤用基剤はいずれもセット力、洗浄
性、耐ブロッキング性、平滑性および透明性にすぐれ、
しかも加熱により形成されたフィルムを硬化させること
ができるものであることがわかる。
〜13でえられた整髪剤用基剤はいずれもセット力、洗浄
性、耐ブロッキング性、平滑性および透明性にすぐれ、
しかも加熱により形成されたフィルムを硬化させること
ができるものであることがわかる。
【0097】また、処方例1〜13で形成されたフィルム
は、いずれもシリコーンオイル様の光沢を有していた。
は、いずれもシリコーンオイル様の光沢を有していた。
【0098】実験例1 実施例1〜13でえられた各整髪剤用基剤を105 ℃、10mm
Hgの減圧下で3時間乾燥させたのち、IRスペクトルによ
る分析を行なった。その結果、いずれの実施例でえられ
たものもほぼ同様のスペクトルを有していた。
Hgの減圧下で3時間乾燥させたのち、IRスペクトルによ
る分析を行なった。その結果、いずれの実施例でえられ
たものもほぼ同様のスペクトルを有していた。
【0099】一例として、実施例1でえられたものにつ
いて調べたIRスペクトルを図1に示す。なお、測定には
分析機器として(株)島津製作所製IR-460を用いた。
いて調べたIRスペクトルを図1に示す。なお、測定には
分析機器として(株)島津製作所製IR-460を用いた。
【0100】実験例2 実施例1〜13でえられた整髪剤用基剤の示差熱分析を理
学電機(株)製TG -8110およびTG-DTAを用いて昇温速度
5℃/分、温度範囲50〜450 ℃にて行なった。その結
果、いずれの実施例でえられたものもほぼ同様のスペク
トルを有していた。
学電機(株)製TG -8110およびTG-DTAを用いて昇温速度
5℃/分、温度範囲50〜450 ℃にて行なった。その結
果、いずれの実施例でえられたものもほぼ同様のスペク
トルを有していた。
【0101】一例として、実施例1でえられたものの測
定結果を以下に示す。
定結果を以下に示す。
【0102】(吸熱ピーク) 145℃、 310℃(DTA) なお、 145℃以下では他にピークは認められなかった。
【0103】実験例3 実施例1〜13でえられた整髪剤用基剤の熱分解ガスクロ
マトグラフィを熱分解装置として日本分析工業(株)製
JHP-3S(分解温度:590 ℃、分解時間:3秒)、またガ
スクロマトグラフィとして(株)島津製作所製GC7AG
(カラム:SE−30、3m、φ3mm、温度:70〜24
0 ℃、昇温速度:8℃/分(2分後から昇温)、検出
器:FID 、インジェクション温度:260 ℃、チッ素ガス
量50ml/min、水素ガス圧:0.7 kg/cm2 、空気圧:0.7k
g/cm2 )を用いて行なった。その結果、いずれの実施
例でえられたものもほぼ同様のスペクトルを有してい
た。
マトグラフィを熱分解装置として日本分析工業(株)製
JHP-3S(分解温度:590 ℃、分解時間:3秒)、またガ
スクロマトグラフィとして(株)島津製作所製GC7AG
(カラム:SE−30、3m、φ3mm、温度:70〜24
0 ℃、昇温速度:8℃/分(2分後から昇温)、検出
器:FID 、インジェクション温度:260 ℃、チッ素ガス
量50ml/min、水素ガス圧:0.7 kg/cm2 、空気圧:0.7k
g/cm2 )を用いて行なった。その結果、いずれの実施
例でえられたものもほぼ同様のスペクトルを有してい
た。
【0104】一例として、実施例1でえられたもののガ
スクロマトグラムを図2に示す。
スクロマトグラムを図2に示す。
【0105】
【発明の効果】本発明の整髪剤用基剤は、水および親水
性有機溶剤のいずれにも可溶のものであり、しかも噴射
剤として用いられる天然ガスとの相溶性にすぐれたもの
であるから、エアゾール容器内から均質な状態で噴射剤
とともに噴出させることができるものである。
性有機溶剤のいずれにも可溶のものであり、しかも噴射
剤として用いられる天然ガスとの相溶性にすぐれたもの
であるから、エアゾール容器内から均質な状態で噴射剤
とともに噴出させることができるものである。
【0106】また、本発明の整髪剤用基剤は、水溶性が
大きいものであるから、たとえばヘアーブローなどの霧
吹き容器に入れて用いることができ、しかも洗髪剤によ
って容易に除去しうるものであり、また耐ブロッキング
性にもすぐれたものである。さらに、本発明の整髪剤用
基剤は、従来の整髪剤と異なり、形成したフィルムは、
ドライヤーなどによる熱風で硬化するので、使用者の好
みに応じて硬さや風合などを適宜調整しうるものであ
る。
大きいものであるから、たとえばヘアーブローなどの霧
吹き容器に入れて用いることができ、しかも洗髪剤によ
って容易に除去しうるものであり、また耐ブロッキング
性にもすぐれたものである。さらに、本発明の整髪剤用
基剤は、従来の整髪剤と異なり、形成したフィルムは、
ドライヤーなどによる熱風で硬化するので、使用者の好
みに応じて硬さや風合などを適宜調整しうるものであ
る。
【図1】本発明の実施例1でえられた整髪剤用基剤のIR
スペクトルである。
スペクトルである。
【図2】本発明の実施例1でえられた整髪剤用基剤のガ
スクロマトグラムである。
スクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/11 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 (A) 一般式(I) : 【化1】 (式中、nは3または4を示す)で表わされるビニルラ
クタム40〜95重量%と、(B) 一般式(II): 【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 お
よびR4 はそれぞれ独立してメチル基、エチル基、β-
メトキシエトキシ基またはアセチル基を示す)で表わさ
れるシリル基含有モノマーAおよび一般式(III) : 【化3】 (式中、R2 、R3 およびR4 は前記と同じ)で表わさ
れるシリル基含有モノマーBから選ばれた少なくとも1
種のシリコーン系モノマー1〜30重量%とを含有したモ
ノマー成分を重合してなる整髪剤用基剤。 - 【請求項2】 モノマー成分が一般式(IV): 【化4】 (式中、R5 は水素原子またはメチル基、R6 は炭素数
2〜4のアルキレン基を示す)で表わされるエステル系
モノマーを30重量%以下の範囲内で含有したものである
請求項1記載の整髪剤用基剤。 - 【請求項3】 モノマー成分がその他の共重合可能なエ
チレン性不飽和モノマーを40重量%以下の範囲内で含有
したものである請求項1または2記載の整髪剤用基剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP08689091A JP3192159B2 (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 整髪剤用基剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08689091A JP3192159B2 (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 整髪剤用基剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04321618A JPH04321618A (ja) | 1992-11-11 |
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Family
ID=13899436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08689091A Expired - Lifetime JP3192159B2 (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 整髪剤用基剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (7)
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---|---|---|---|---|
WO1998054255A1 (fr) * | 1997-05-30 | 1998-12-03 | Shiseido, Co., Ltd. | Copolymere contenant des groupes silyles reactifs, compositions contenant ce copolymere et methode de traitement afferente |
FR2766827B1 (fr) * | 1997-08-04 | 1999-09-03 | Inst Francais Du Petrole | Copolymere hydrosoluble a base de derive de silane ou de siloxane |
DE60234799D1 (de) * | 2001-03-02 | 2010-02-04 | Shiseido Co Ltd | Wässrige polymeremulsionen und kosmetika die diese verwenden |
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1991
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