JP3054052B2 - 整髪剤用基材 - Google Patents

整髪剤用基材

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JP3054052B2
JP3054052B2 JP7081550A JP8155095A JP3054052B2 JP 3054052 B2 JP3054052 B2 JP 3054052B2 JP 7081550 A JP7081550 A JP 7081550A JP 8155095 A JP8155095 A JP 8155095A JP 3054052 B2 JP3054052 B2 JP 3054052B2
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hair
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欣幸 猿渡
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Osaka Organic Chemicals Ind.,Ltd.
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、整髪剤用基材に関す
る。さらに詳しくは、髪に対して高いセット保持性、す
ぐれた洗髪性を付与し、髪に固着してもフレーキングを
生じない整髪剤用基材に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘアースプレーの皮膜成形剤としてポリ
ビニルアルコールが用いられていたが、そのフィルム形
成性などが洗髪剤として好ましくないため、化粧品原料
基準に記載されたアクリル樹脂アルカノールアミン液を
はじめ、ノニオン型やカチオン型のポリビニルピロリド
ン系樹脂(特開昭59−75911号公報、特公昭56
−4533号公報)に代替されてきている。
【0003】近年、環境問題が騒がれるなか、噴射剤と
して使用されていたフロンガスの使用規制が世界的規模
で行なわれ、整髪剤の分野でも、噴射剤を使用したエア
ゾール仕様から、噴射剤を少量またはまったく使用しな
い水系の仕様に変遷しつつある。
【0004】こうした状況の下、整髪剤用基材として、
従来の高水溶性樹脂であるポリビニルピロリドン系樹脂
を用いたばあいには、形成されたフィルムの物性の変化
が吸湿前と吸湿後では大きく、また乾燥後にはフレーキ
ングを起こし、湿潤時にはセット力を短時間で失ってし
まうという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、高湿度下においても整
髪剤に要求されるすぐれたセット力を呈し、耐フレーキ
ング性にすぐれ、良好な平滑性、光沢性および洗髪性を
呈し、粘着性が低い整髪剤用基材を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(I):
【0007】
【化6】
【0008】(式中、mは200〜2000の整数、n
は0〜600の整数を示し、m+nは300〜2000
を満足する)で表わされる(変性)ポリビニルアルコー
ル100重量部に対して、(B)一般式(II):
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 はNH2 基またはOH基を示す)で表わされるモノ
マー(B−1)、一般式(III):
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R3 は水素原子またはメチル基、
4 およびR5 はそれぞれメチル基またはエチル基、X
1 はNH基または酸素原子、X2 は炭素数1〜4の直鎖
状または分岐鎖状のアルキレン基を示す)で表わされる
モノマー(B−2)、一般式(IV):
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R6 は水素原子またはメチル基、
7 およびR8 はそれぞれメチル基またはエチル基、Y
1 はNH基または酸素原子、Y2 は炭素数1〜4の直鎖
状または分岐鎖状のアルキレン基を示す)で表わされる
モノマー(B−3)および一般式(V):
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R9 は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるモノマー(B−4)から選ばれた少
なくとも1種のモノマー(B)40〜400重量部をグ
ラフト共重合させてえられた整髪剤用基材に関する。
【0017】
【作用および実施例】本発明の整髪剤用基材は、前記し
たように、(A)一般式(I):
【0018】
【化11】
【0019】(式中、mは200〜2000の整数、n
は0〜600の整数を示し、m+nは300〜2000
を満足する)で表わされる(変性)ポリビニルアルコー
ル100重量部に対して、(B)一般式(II):
【0020】
【化12】
【0021】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 はNH2 基またはOH基を示す)で表わされるモノ
マー(B−1)、一般式(III):
【0022】
【化13】
【0023】(式中、R3 は水素原子またはメチル基、
4 およびR5 はそれぞれメチル基またはエチル基、X
1 はNH基または酸素原子、X2 は炭素数1〜4の直鎖
状または分岐鎖状のアルキレン基を示す)で表わされる
モノマー(B−2)、一般式(IV):
【0024】
【化14】
【0025】(式中、R6 は水素原子またはメチル基、
7 およびR8 はそれぞれメチル基またはエチル基、Y
1 はNH基または酸素原子、Y2 は炭素数1〜4の直鎖
状または分岐鎖状のアルキレン基を示す)で表わされる
モノマー(B−3)および一般式(V):
【0026】
【化15】
【0027】(式中、R9 は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるモノマー(B−4)から選ばれた少
なくとも1種のモノマー(B)40〜400重量部をグ
ラフト共重合させることにより、えられる。
【0028】前記一般式(I)で表わされる(変性)ポ
リビニルアルコールは、えられる整髪剤用基材に好適な
水溶性および耐湿性を付与する成分である。
【0029】前記一般式(I)において、m+nは重合
度を示し、m+nは、あまりにも小さいばあいには、え
られる整髪剤用基材に充分な耐湿性が付与されなくな
り、またあまりにも大きいばあいには、整髪剤用基材に
充分な水溶性が付与されず、さらに整髪剤用基材を髪に
固着させた際のフレーキングが大きくなるので、300
〜2000、好ましくは300〜500とされる。ま
た、mは200〜2000の整数、好ましくは250〜
450の整数であり、nは0〜600の整数、好ましく
は30〜70の整数とされる。
【0030】前記モノマー(B)は、前記(変性)ポリ
ビニルアルコールのグラフト成分であり、主として毛髪
に対する接着性に関与する成分である前記モノマー
(B)としては、一般式(II)で表わされるモノマー
(B−1)、一般式(III)で表わされるモノマー
(B−2)、一般式(IV)で表わされるモノマー(B
−3)および一般式(V)で表わされるモノマー(B−
4)から選ばれた少なくとも1種が用いられる。したが
って、モノマー(B−1)、モノマー(B−2)、モノ
マー(B−3)およびモノマー(B−4)は、それぞれ
単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0031】前記モノマー(B−1)は、毛髪に対する
接着性を向上させ、また耐フレーキング性を付与する性
質を有する成分である。
【0032】前記モノマー(B−1)の使用量は、毛髪
に対する接着性を向上させ、また耐フレーキング性を充
分に付与させるためには、前記(変性)ポリビニルアル
コール100重量部に対して5重量部以上、なかんづく
10重量部以上であることが好ましく、またえられる整
髪剤用基材にべたつきが付与されないようにするために
は、前記(変性)ポリビニルアルコール100重量部に
対して400重量部以下、なかんづく180重量部以下
であることが好ましい。
【0033】前記モノマー(B−1)の具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドおよび
メタクリルアミドがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0034】前記モノマー(B−2)は、毛髪に対する
接着性を向上させ、また耐フレーキング性を付与する性
質を有する成分である。
【0035】前記モノマー(B−2)の使用量は、毛髪
に対する接着性を向上させ、また耐フレーキング性を充
分に付与させるためには、前記(変性)ポリビニルアル
コール100重量部に対して5重量部以上、なかんづく
10重量部以上であることが好ましく、またえられる整
髪剤用基材にべたつきが付与されないようにするために
は、前記(変性)ポリビニルアルコール100重量部に
対して400重量部以下、なかんづく180重量部以下
であることが好ましい。
【0036】前記モノマー(B−2)の代表例として
は、たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミドなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いられる。
【0037】前記モノマー(B−3)は、毛髪に対する
接着性を向上させ、また耐フレーキング性を付与する性
質を有する成分である。
【0038】前記モノマー(B−3)の使用量は、毛髪
に対する接着性を向上させ、また耐フレーキング性を充
分に付与させるためには、前記(変性)ポリビニルアル
コール100重量部に対して5重量部以上、なかんづく
10重量部以上であることが好ましく、またえられる整
髪剤用基材にべたつきが付与されないようにするために
は、前記(変性)ポリビニルアルコール100重量部に
対して400重量部以下、なかんづく180重量部以下
であることが好ましい。
【0039】前記モノマー(B−3)の代表例として
は、たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト・ジエチル硫酸塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート・ジエチル硫酸塩、N,N′−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート・ジエチル硫酸塩、ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート・ジエチル
硫酸塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド
・ジエチル硫酸塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド・ジエチル硫酸塩、ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド・ジエチル硫酸塩などがあげ
られ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いら
れる。
【0040】前記モノマー(B−4)は、毛髪に対する
接着性を向上させ、また耐フレーキング性を付与する性
質を有する成分である。
【0041】前記モノマー(B−4)の使用量は、毛髪
に対する接着性を向上させ、また耐フレーキング性を充
分に付与させるためには、前記(変性)ポリビニルアル
コール100重量部に対して5重量部以上、なかんづく
10重量部以上であることが好ましく、またえられる整
髪剤用基材にべたつきが付与されないようにするために
は、前記(変性)ポリビニルアルコール100重量部に
対して400重量部以下、なかんづく180重量部以下
であることが好ましい。
【0042】前記モノマー(B−4)の具体例として
は、ジアセトン(メタ)アクリルアミドがあげられる。
【0043】なお、前記モノマー(B)の使用量は、整
髪剤用基材が髪に固着したばあいでもフレーキングがほ
とんど発生しないようにするために、前記(変性)ポリ
ビニルアルコール100重量部に対して40重量部以
上、好ましくは50重量部以上とされ、また整髪剤用基
材にすぐれた耐湿性を付与するために、前記(変性)ポ
リビニルアルコール100重量部に対して400重量部
以下、好ましくは240重量部以下とされる。
【0044】なお、本発明においては、たとえば触感を
よりよくする目的で、前記(変性)ポリビニルアルコー
ルとグラフト共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを
モノマー(B)に含有せしめてもよい。
【0045】前記エチレン性不飽和モノマーは、前記モ
ノマー(B)の使用量が前記範囲の上限値(前記(変
性)ポリビニルアルコール100重量部に対して400
重量部以下、好ましくは240重量部以下)をこえない
ようにして前記モノマー(B)に含有せしめることがで
きる。このばあい、前記エチレン性不飽和モノマーの使
用量は、触感を充分に改善させるために、前記(変性)
ポリビニルアルコール100重量部に対して0.1重量
部以上、なかんづく1重量部以上とすることが好まし
く、また本発明の目的とする物性が阻害されないように
するために、前記(変性)ポリビニルアルコール100
重量部に対して100重量部以下、なかんづく50重量
部以下とすることが好ましい。
【0046】前記エチレン性不飽和モノマーの代表例と
しては、たとえばエチル(メタ)アクリレート、t−ブ
チル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、n−オクチル
(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリル
アミド、n−ビニルピロリドンなどがあげられる。
【0047】本発明の整髪剤用基材は、前記(変性)ポ
リビニルアルコール、モノマー(B)および必要により
前記(変性)ポリビニルアルコールとグラフト共重合可
能なエチレン性不飽和モノマーを所定量となるように調
整し、水溶液中でグラフト共重合を行なうことによって
えられる。その一例を以下に述べる。
【0048】前記(変性)ポリビニルアルコールを精製
水中に充分に溶解させたのち、撹拌しながらこれに重合
開始剤を添加し、不活性ガス雰囲気中で90〜100℃
程度に加熱することにより、前記(変性)ポリビニルア
ルコールにラジカル部位を発生させる。
【0049】前記重合開始剤としては、たとえば過酸化
ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど
の過酸化物系重合開始剤を用いることができる。前記重
合開始剤の使用量は、通常、前記(変性)ポリビニルア
ルコール、モノマー(B)および前記エチレン性不飽和
モノマーの合計量100重量部に対して0.01〜3重
量部程度、なかんづく0.1〜1重量部程度であること
が好ましい。
【0050】前記不活性ガスとしては、たとえばチッ素
ガス、アルゴンガスなどが代表的なものとしてあげられ
る。
【0051】つぎに、えられた(変性)ポリビニルアル
コール水溶液に、モノマー(B)および必要により前記
エチレン性不飽和モノマーを添加し、グラフト共重合さ
せる。なお、重合に際しては、反応原料の濃度が20〜
60重量%程度となるように調整することが好ましい。
【0052】重合温度は、用いる重合開始剤の種類など
によって異なるので一概には決定することができない
が、通常、重合開始剤の10時間半減期温度とすること
が好ましい。
【0053】また、重合時間は、あまりにも短いばあい
には、重合が不完全となり、未反応モノマーが残存する
ようになるので、5時間以上、なかんづく5〜24時間
程度とすることが好ましい。
【0054】反応の終了は、未反応モノマーの有無を確
認することによって行なうことができ、未反応モノマー
の有無は、PSDB法などの一般的な分析方法によって
確認することができる。
【0055】かくしてグラフト共重合体がえられるが、
必要により、モノマー(B)に由来するカルボキシル基
の50〜100モル%を水溶性塩基性物質で中和しても
よい。本発明においては、えられる整髪剤用基材の水溶
性を高め、毛髪に固着した際のフレーキングをなくする
ようにするために、中和率を50モル%以上とすること
が好ましい。
【0056】前記水溶性塩基性物質の代表例としては、
たとえばアンモニア水、モルホリン、モノイソプロパノ
ールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロ
パノールアミン、アミノメチルプロパノールアミン、ア
ミノエチルプロパノールアミン、アミノメチルプロパン
ジオール、アミノエチルプロパンジオール、アミノ変性
シリコーンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。
【0057】かくしてえられる整髪剤用基材は、そのま
ま液体の状態で、または溶媒を除去したのちに、整髪剤
に用いることができる。
【0058】本発明の整髪剤用基材は、たとえば炭素数
1〜4の脂肪族アルコール、95重量%エタノールなど
の含水アルコール、アセトン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチルな
どの親水性溶媒に溶解させて用いることができる。
【0059】本発明の整髪剤用基材をエアゾールとして
使用するばあいには、本発明の整髪剤用基材を前記親水
性溶媒に溶解させたのち、噴射剤とともにエアゾール用
容器内に加圧充填し、封入すればよい。このばあい、噴
射剤として、たとえば液化石油ガス、ジメチルエーテル
などを用いることができる。また、必要により、各種添
加剤、補助剤などを添加することができる。
【0060】本発明の整髪剤用基材は、水や親水性溶媒
に溶解させることができるので、整髪料用の各種添加剤
を配合することにより、たとえばヘアークリーム、ヘア
ーローション、ヘアーミスト、ヘアージェルなどの整髪
料をはじめ、頭髪化粧用着色剤、美顔パックのフィルム
形成剤などの形態でも好適に用いることができる。
【0061】つぎに、本発明の整髪剤用基材を実施例に
もとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。
【0062】実施例1 アクリル酸35重量部、ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド76重量部、ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド・ジエチル硫酸塩34重量部およびジアセトンア
クリルアミド89重量部を混合し、これに精製水を添加
し、23.3重量%のモノマー(B)水溶液を調製し
た。
【0063】つぎに、還流冷却器、滴下ロート、温度
計、チッ素導入管および撹拌装置を取り付けた5つ口フ
ラスコに、ポリビニルアルコール粉末(ケン化度:8
6.5〜89.0モル%、重合度:500、一般式
(I)中、m=432〜445、n=55〜68に相
当、以下、PVAという)100重量部を添加し、つい
で精製水を添加して、該PVAの濃度を20重量%とな
るように調整した。ひきつづいて、前記フラスコ内をチ
ッ素置換したのち、該フラスコ内に、重合開始剤として
過酸化ベンゾイル0.77重量部を添加し、90℃で1
時間加熱しながら撹拌した。
【0064】つぎに、前記フラスコ内に前記でえられた
モノマー(B)水溶液を4時間かけて滴下し、さらに4
時間養生させて重合を完結させ、ポリマー濃度が10重
量%となるように精製水で希釈し、10重量%の整髪剤
用基材の水溶液をえた。
【0065】えられた整髪剤用基材の物性として、
(1)外観、(2)エタノールとの相溶性、(3)セッ
ト力、(4)耐フレーキング性、(5)平滑性、(6)
光沢性、(7)洗髪力および(8)粘着性を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0066】(1)外観 目視により観察する。
【0067】(2)エタノールとの相溶性 液温を10〜25℃に保ちながら、整髪剤用基材の水溶
液10mlにエタノールを添加し、希釈されるかどうか
を調べる。評価基準を以下に示す。
【0068】〔評価基準〕 A:エタノールで無限に透明希釈される。 B:少量(10ml程度)のエタノールでは透明に希釈
できるが、多量(100ml程度)のエタノールでは濁
りを生じる。 C:エタノールで希釈するとポリマーが凝縮析出する。
【0069】(3)セット力 長さ25cm、約2gの毛髪を市販シャンプーで洗浄
後、市販リンスで処理し、風燥後、毛髪に7.5重量%
ポリマー水溶液を塗布し、手で充分に絞ったのち、直径
1.2cmのロッドに巻き、クリップで固定し、40〜
60℃にて30分間乾燥する。さらに、ロッドから毛髪
を外し、温度30℃、相対湿度90%以上に調整した恒
温恒湿器中で、垂直に吊した直後の長さ(L1 )と3時
間放置後の長さ(L2 )を測定し、カールリテンション
を次式から算出する。
【0070】〔カールリテンション〕=〔(25−L
2 )/(25−L1 )〕×100(%) (4)耐フレーキング性 セット力の評価のばあいと同様にして調整した毛髪を手
で10回折り曲げてほぐしたときに、脱落する基材の形
状および量を調べる。評価基準を以下に示す。 〔評価基準〕 A:毛髪表面に出る粉がほとんど観察されない。 B:毛髪表面に出る粉がわずかに観察される。 C:毛髪表面に紐状に剥がれた樹脂が観察される。
【0071】(5)平滑性 セット力の評価のばあいと同様にして調製した溶液を、
2.5cm×7.5cmのガラス板に塗布し、20℃で
3時間風乾させたのち、形成したフィルム面の感触を指
で調べる。評価基準を以下に示す。
【0072】〔評価基準〕 A:完全に滑らかである。 B:ややざらつきがある。 C:かなりのざらつきがある。
【0073】(6)光沢性 セット力の評価のばあいと同様にして調整した毛髪の光
沢を調べる。評価基準を以下に示す。
【0074】〔評価基準〕 A:非常に光沢がある。 B:幾分光沢がある。 C:光沢がない。
【0075】(7)洗髪性 セット力の評価のばあいと同様に調整した毛髪を水道水
で洗い流し、基材の落ち具合を調べる。評価基準を以下
に示す。
【0076】〔評価基準〕 A:水道水のみで簡単に洗い流せる。 B:シャンプー水で洗い流せる。 C:シャンプー水でも洗い流せない。
【0077】(8)粘着性 セット力の評価のばあいと同様に調整した基材を指にと
って感触を調べる。評価基準を以下に示す。
【0078】〔評価基準〕 A:粘着性なし。 B:少々粘着性あり。 C:粘着性が大きい。
【0079】実施例2〜18 実施例1において、使用したモノマーおよびその使用量
を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様に
して整髪剤用基材の10重量%水溶液を調製した。
【0080】なお、実施例6および13においては、そ
の中和率が80モル%となるように、モノイソプロパノ
ールアミンを用いて整髮剤用基材を中和した。
【0081】つぎに、えられた整髪剤用基材の物性を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0082】なお、表1中、各略号は、以下のことを示
す。
【0083】AA:アクリル酸 DMA:ジメチルアミノエチルアクリレート DMA・DS:ジメチルアミノエチルアクリレート・ジ
エチル硫酸塩 DM:ジメチルアミノエチルメタクリレート DM・DS:ジメチルアミノエチルメタクリレート・ジ
エチル硫酸塩 DMAPAA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド DMAPAA・DS:ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド・ジエチル硫酸塩 DAAm:ジアセトンアクリルアミド HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート
【0084】
【表1】
【0085】比較例1 従来の整髪剤用基材として、ポリビニルアルコール(ケ
ン化度:86.5〜89.0モル%、重合度:500)
の30重量%水溶液を用いて、実施例1と同様にして整
髪剤用基材の物性を調べた。その結果を表2に示す。
【0086】比較例2〜3 従来の整髪剤用基材として、ポリビニルピロリドン系樹
脂(大阪有機化学工業(株)製、商品名H.C.ポリマ
ー3A)の30重量%水溶液(比較例2)またはアクリ
ル樹脂アルカノールアミン液(大阪有機化学工業(株)
製、商品名アニセットHS−3000)の30重量%水
溶液(比較例3)を用いて、実施例1と同様にして整髪
剤用基材の物性を調べた。その結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】表2に示された結果から、実施例1〜18
でえられた整髪剤用基材は、いずれも耐フレーキング性
にすぐれたものであり、またエタノールとの相溶性、セ
ット力、平滑性、光沢性および洗髪性が良好であり、粘
着性が小さいものであることがわかる。
【0089】
【発明の効果】本発明の整髪剤用基材は、整髪用化粧料
において重要視されている耐フレーキング性にきわめて
すぐれたものであり、従来の高水溶性樹脂からなる整髪
剤用基材と同様に洗髪除去が容易であり、さらにセット
力、光沢、平滑性およびしなやかさが良好であるので、
種々の洗髪剤に好適に使用しうるものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−133212(JP,A) 特開 平6−316510(JP,A) 特開 昭63−154613(JP,A) 特開 昭56−92809(JP,A) 特開 昭54−155185(JP,A) 特開 昭52−86491(JP,A) 特開 昭62−277312(JP,A) 特開 平7−97308(JP,A) 特開 平4−193822(JP,A) 特開 昭46−750(JP,A) 特開 昭59−75911(JP,A) 特公 昭47−42140(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/11 A61K 7/00 A61K 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): 【化1】 (式中、mは200〜2000の整数、nは0〜600
    の整数を示し、m+nは300〜2000を満足する)
    で表わされる(変性)ポリビニルアルコール100重量
    部に対して、(B)一般式(II): 【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 はNH2
    基またはOH基を示す)で表わされるモノマー(B−
    1)、一般式(III): 【化3】 (式中、R3 は水素原子またはメチル基、R4 およびR
    5 はそれぞれメチル基またはエチル基、X1 はNH基ま
    たは酸素原子、X2 は炭素数1〜4の直鎖状または分岐
    鎖状のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(B
    −2)、一般式(IV): 【化4】 (式中、R6 は水素原子またはメチル基、R7 およびR
    8 はそれぞれメチル基またはエチル基、Y1 はNH基ま
    たは酸素原子、Y2 は炭素数1〜4の直鎖状または分岐
    鎖状のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(B
    −3)および一般式(V): 【化5】 (式中、R9 は水素原子またはメチル基を示す)で表わ
    されるモノマー(B−4)から選ばれた少なくとも1種
    のモノマー(B)40〜400重量部をグラフト共重合
    させてえられた整髪剤用基材。
  2. 【請求項2】 モノマー(B)が(変性)ポリビニルア
    ルコールとグラフト共重合可能なエチレン性不飽和モノ
    マーを0.1〜100重量部含有したものである請求項
    1記載の整髪剤用基材。
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