JPH05924A - 整髪剤用基剤 - Google Patents

整髪剤用基剤

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Publication number
JPH05924A
JPH05924A JP3148582A JP14858291A JPH05924A JP H05924 A JPH05924 A JP H05924A JP 3148582 A JP3148582 A JP 3148582A JP 14858291 A JP14858291 A JP 14858291A JP H05924 A JPH05924 A JP H05924A
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JP
Japan
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meth
monomer
base
hair
acrylic acid
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Application number
JP3148582A
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English (en)
Inventor
Yuujirou Uchiyama
雄二朗 内山
Motomi Ogasawara
元見 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH05924A publication Critical patent/JPH05924A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 毛髪への固定セット力が大きく、またシリコ
ーンオイルの特徴であるすぐれた光沢、なめらかさ、く
し通り性および帯電防止性を有する整髪剤用基剤を提供
すること。 【構成】 (A) 一般式(I) : 【化9】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
3〜5の分枝鎖を有するアルキル基を示す)で表わされ
る(メタ)アクリル酸エステル40〜85重量%、(B) アク
リル酸およびメタクリル酸から選ばれた少なくとも1種
の(メタ)アクリル酸10〜30重量%、(C) 一般式(II): 【化10】 (式中、R1 は前記と同じ、nは1〜300 の整数を示
す)で表わされるシリコーンモノマー1〜30重量%を含
有したモノマー成分を重合してなる整髪剤用基剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は整髪剤用基剤に関する。
さらに詳しくは、毛髪に対する付着性にすぐれ、またす
ぐれた光沢およびしなやかでなめらかな感触を付与し、
しかもすぐれたコンディショニング効果を発現するアニ
オン性整髪剤用基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から頭髪仕上げ剤には、揮発性環状
シロキサン、ジメチルポリシロキサンなどの重合度が1
〜50程度の低重合度のポリシロキサンが他の原料との相
溶性がよいことから用いられているが、最近ではシリコ
ーンオイルが発現するくし通り効果は、重合度が大きい
ものほどよくなることが認められたため、高重合度のシ
リコーンオイルの枝毛コートに対する期待が高まりつつ
ある。
【0003】しかしながら、シリコーンオイルは、その
重合度がおおよそ50をこえたあたりからアルコールなど
の他の原料との相溶性がわるくなり、分離しやすくなる
という欠点がある。
【0004】そこで、種々のシリコーンオイルの改良が
試みられ、その官能基を変性することにより水溶性や毛
髪への付着性の向上を図ることが試みられている。この
ような技術としては、たとえばポリエーテル変性シリコ
ーン(特開昭60-126209 号公報、特開昭61-6号公報)や
アミノ変性シリコーン(特開平2-111712号公報、特開平
1-203314号公報)が知られている。
【0005】しかしながら、これらのシリコーンはいず
れもシリコーンオイルを基剤としたものであり、すぐれ
た特性を有する一方で、整髪剤として使用する際に、様
々な制約を受けるものである。たとえばフィルムの硬度
を高めたり、水溶性にしたり、毛髪への付着性を向上さ
せるために変性させたばあいには高価なものになりやす
く、また低重合度のシリコーンオイルをブレンドして使
用したばあいには、毛髪への使用後にその一部が溶出す
るため、多量に使用したり、使用者が長時間使用したり
すると頭髪のきしみ感が増したり脂ぎるといった欠点が
あった。
【0006】また、なめらかさを付与する目的でカチオ
ン性界面活性剤も多用されている。とくに高分子化合物
であるカチオン性ポリマーは、水溶性を付与しうるもの
であり、また毛髪の固定セット力にすぐれるので広く使
用されている。しかしながら、カチオン性界面活性剤
は、ごわつき感を与え、望ましい光沢を与えるものでは
なく、しかもなめらかさを充分には満足させるものでは
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記従来技術に鑑みて、毛髪への固定セット力が大き
く、またシリコーンオイルの特徴であるすぐれた光沢、
なめらかさ、くし通り性および帯電防止性にすぐれた整
髪剤用基剤を開発するべく鋭意研究を重ねた結果、(メ
タ)アクリル酸と前記(メタ)アクリル酸の特定のアル
キルエステル類の共重合体にさらにシロキシ基を有する
(メタ)アクリレートを組み合わせて用いた共重合体を
整髪剤用基剤として用いたばあいには、前記課題がすべ
て同時に解決されることを見出し、本発明を完成するに
いたった。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は(A)
一般式(I):
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2は炭素数3〜5の分枝鎖を有するアルキル基を示
す)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル40〜85重
量%、(B) アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれた
少なくとも1種の(メタ)アクリル酸10〜30重量%、
(C) 一般式(II):
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1 は前記と同じ、nは1〜300
の整数を示す)で表わされるシリコーンモノマー1〜30
重量%を含有したモノマー成分を重合してなる整髪剤用
基剤に関する。
【0013】
【作用および実施例】本発明の整髪剤用基剤は、前記し
たように、(A) 一般式(I) :
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2は炭素数3〜5の分枝鎖を有するアルキル基を示
す)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル(以下、
モノマー(A) という)40〜85%(重量%、以下同様)、
アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれた少なくとも
1種の(メタ)アクリル酸(以下、モノマー(B) とい
う)10〜30%、(C) 一般式(II):
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R1 は前記と同じ、nは1〜300
の整数を示す)で表わされるシリコーンモノマー(以
下、モノマー(C) という)1〜30%を含有したモノマー
成分を重合した重合体から構成される。
【0018】前記モノマー(A) は、前記したように、一
般式(I) で表わされるアクリル酸エステルおよび/また
はメタクリル酸エステルであり、えられる整髪剤用基剤
によって形成された被膜に、適度の硬度および耐水性を
付与する成分である。なお、一般式(I) において、R2
は炭素数4〜5の分枝鎖を有するアルキル基であること
が好ましく、とくに炭素数4の分枝鎖を有するアルキル
基であることが好ましい。
【0019】前記モノマー(A) の具体例としては、たと
えばイソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、セカンダリーブチル(メタ)ア
クリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレー
ト、ターシャリーアミル(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらの
成分は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。な
お、これらのなかでは、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、セカンダリーブチル(メタ)アクリレート、ターシ
ャリーブチル(メタ)アクリレートがとくに好ましい。
【0020】前記モノマー(A) の使用量は、重合に供せ
られるモノマー成分に対して40〜85%、好ましくは50〜
75%となるように調整することが望ましい。前記モノマ
ー(A) の使用量が40%よりも少ないばあいには、えられ
た整髪剤用基剤の造膜性が低下し、形成されたフィルム
強度も弱くなり、また85%をこえるばあいには、形成さ
れた被膜が脆くなり、また洗浄性が低下する。
【0021】前記モノマー(B) は、前記したように、ア
クリル酸およびメタクリル酸から選ばれた少なくとも1
種であり、えられる整髪剤用基剤に親水性および洗浄性
を付与し、また該整髪剤用基剤を整髪剤として用いるば
あいには、髪への密着性を向上せしめる成分である。
【0022】前記モノマー(B) の使用量は、重合に供せ
られるモノマー成分に対して10〜30%、好ましくは15〜
25%となるように調整することが望ましい。前記モノマ
ー(B) の使用量が10%よりも少ないばあいには、えられ
る整髪剤用基剤を用いて形成される被膜が水に対して難
溶性を呈し、洗浄性が低下するようになり、また30%を
こえるばあいには、粘着性が大きくなりすぎるようにな
る。
【0023】本発明においては、モノマー(C) を用いた
ことに大きな特徴がある。モノマー(C) は、えられる整
髪剤用基剤にシリコーンオイルの特性であるすぐれた光
沢を与えつつ、なめらかさおよび固定セット力を向上さ
せる性質を有する。また、一般にシリコーンオイルのブ
レンド添加と異なり、樹脂内に単一のポリマー鎖として
シロキシ基が固定されているので、シリコーンオイルの
一部が溶出するすることがなく、長時間使用しても頭髪
にきしみ感が生じたり、脂ぎることがない。
【0024】前記モノマー(C) の具体例としては、一般
式(II)において、nが1〜300 の整数であるアクリロキ
シプロピルジメチルポリシロキサンおよびメタクリロキ
シプロピルジメチルポリシロキサンがあげられ、これら
のモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。
【0025】前記モノマー(C) の使用量は、重合に供せ
られるモノマー成分に対して1〜30%、好ましくは5〜
20%となるように調整することが望ましい。前記モノマ
ー(C) の使用量が1%よりも少ないばあいには、シリコ
ーンオイルのなめらかさが付与されなくなり、また光沢
性も認められなくなり、また30%をこえるばあいには、
えられる整髪剤用基剤を用いて形成された被膜の硬度が
低下し、シリコーンゴム状の特性が発現しはじめるた
め、毛髪にスプレーなどの手段により塗布したばあいに
は、乾燥後に白くなるおそれがある。
【0026】本発明の整髪剤用基剤は、前記したよう
に、モノマー(A) 、モノマー(B) およびモノマー(C) を
主成分とするものであるが、用途などに応じて特定の物
性を発現させるために、前記モノマー以外のモノマーと
して、一般式(III) :
【0027】
【化8】
【0028】(式中、R1 は前記と同じ、R3 は炭素数
8〜18のアルキル基を示す)で表わされる長鎖(メタ)
アクリル酸エステル(以下、モノマー(D) という)やそ
の他のビニル系モノマー(以下、モノマー(E) という)
を含有させることができる。
【0029】本発明に用いられるモノマー(D) は、前記
したように、一般式(III) で表わされるアクリル酸エス
テルおよび/またはメタクリル酸エステルであり、えら
れる整髪剤用基剤を用いて形成された被膜に柔軟性およ
び耐水性を付与せしめるために好適に使用しうる成分で
ある。
【0030】前記モノマー(D) の具体例としては、たと
えば2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレートなどがあげられ、
これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用
いられる。
【0031】前記モノマー(D) の使用量は、重合に供せ
られるモノマー成分に対して0〜30%、好ましくは5〜
20%である。前記モノマー(D) の使用量が30%をこえる
ばあいには、えられる整髪剤用基剤の粘着性が大きくな
りすぎ、また整髪剤用基剤を用いて形成された被膜が柔
らかくなりすぎると同時に洗浄性が低下するようにな
る。
【0032】前記モノマー(E) は、前記モノマー(A) 〜
(D) 以外の他のビニル系モノマーであり、えられた整髪
剤用基剤を用いて形成された被膜に適度な硬度や柔軟性
を付与せしめるために好適に使用しうる成分である。
【0033】前記モノマー(E) の具体例としては、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニ
ル、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N-タ
ーシャリーオクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレ
ン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエ
ン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、これら
のモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。
【0034】前記モノマー(E) の使用量は、重合に供せ
られるモノマー成分に対して0〜30%、好ましくは5〜
25%の範囲内で目的とする整髪剤用基剤の物性に応じて
選ぶことができるが、重合に供せられるモノマー成分に
対して30%をこえて使用したばあいには、若干固定セッ
ト保持力の低下を招くおそれがあり、またたとえばエア
ゾールの形態で使用したときには噴射剤である天然ガス
との相溶性を損なうおそれがある。
【0035】本発明の整髪剤用基剤は、前記モノマー
(A) 〜(E) の所望量を調整し、親水性溶媒中で共重合す
ることによりえられる。
【0036】ここで親水性溶媒とは、水に対する溶解度
が10g/水 100g(25℃)以上である有機溶媒をいう。
【0037】かかる親水性溶媒の具体例としては、たと
えば炭素数が1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メ
チル、ジメチルホルムアミドなどがあげられるが、これ
らのなかでは1〜2価アルコールが化粧品原料として扱
ううえでとくに好ましいものである。
【0038】前記1価アルコールの具体例としては、た
とえばメタノール、エタノール、イソプロパノールなど
があげられる。また2価アルコールの具体例としては、
たとえばプロピレングリコールなどがあげられる。
【0039】また、本発明の整髪剤用基剤は、人体の皮
膚に付着することがあるため、その安全性を考慮すれ
ば、前記親水性溶媒のなかではエタノール、イソプロパ
ノールがとくに好ましいものである。
【0040】前記重合は、モノマー(A) 〜(E) を前記親
水性溶媒に溶解し、重合開始剤を添加し、たとえばチッ
素ガスなどの不活性ガス気流下で加熱しながら撹拌する
ことにより行なわれる。
【0041】前記重合開始剤としては、一般に溶液重合
法に用いられているものであればとくに制限はなく、そ
の具体例としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ系化合物などがあげられる。
【0042】なお、本発明においては、重合に供せられ
るモノマーとしてアクリル酸エステルおよび/またはメ
タクリル酸エステルであるモノマー(A) およびモノマー
(B)が用いられているため、重合開始剤として過酸化物
を用いたばあいには架橋ゲル化を生起するおそれがある
ので、アゾ系化合物を用いることが好ましい。
【0043】なお、重合に際しては、前記親水性溶媒
は、共重合に供するモノマー成分の濃度が30〜70%程度
となるように調整して使用することが好ましい。なお、
前記共重合に供するモノマー成分の濃度が50%をこえる
ばあいには、前記モノマー成分を分割して徐々に添加し
て重合を行なうことが急激な重合熱の発生を避け、安全
に重合を行なううえで好ましい。
【0044】重合温度は、用いる重合開始剤の種類など
によって異なるため一概には決定することができない
が、通常重合開始剤の10時間半減期温度とすることが好
ましく、とくに用いた親水性溶媒の還流温度に近いこと
がより再現性の高い重合を行なうことができるので好ま
しい。
【0045】また、重合時間は、8時間よりも短いばあ
いには重合が不完全となって未反応のモノマーが残存す
ることがあるため、8時間以上、好ましくは12〜36時間
とすることが望ましい。
【0046】なお、残存モノマーが存在するか否かは、
一般的な手法、たとえばPSDB法などにより二重結合が存
在するか否かを確認することにより行なうことができ
る。
【0047】かくしてえられる整髪剤用基剤は、共重合
体が10000 〜150000程度の重量平均分子量を有するもの
であり、通常そのままの状態または溶媒を除去した状態
で使用しうるものであるが、さらに水溶性を付与するた
めに、前記整髪剤用基剤にたとえば水溶性塩基性物質な
どを加えて中和することが好ましい。このばあい、中和
率は50〜90モル%であることが好ましい。かかる中和率
が50モル%よりも小さいばあいには、水溶性が低下し、
また洗浄性が小さくなる傾向があり、また90モル%をこ
えるばあいには、えられた整髪剤用基剤を用いて形成さ
れた被膜の耐水性が低下するようになる。
【0048】前記水溶性塩基性物質としては、たとえば
アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン、モルホリン、アミノメチルプロパノール、ア
ミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジ
オールなどがあげられ、これらの化合物は通常単独でま
たは2種以上を混合して用いられる。
【0049】本発明の整髪剤用基剤をエアゾールとして
用いるばあいには、前記整髪剤用基剤を、たとえば前記
重合用溶媒として用いた親水性溶媒に溶解したものを噴
射剤として天然ガスやその他添加剤、補助剤などととも
にエアゾール容器内に加圧充填し、封入すればよい。な
お、このばあいエアゾール容器内に充填される各種成分
の配合割合は、通常それぞれ目的用途などに応じて適宜
調整されることが望ましい。
【0050】つぎに本発明の整髪剤用基剤を実施例に基
づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例
のみに限定されるものではない。
【0051】実施例1 還流冷却器、温度計、チッ素導入管、仕込み管および撹
拌装置を取付けた五つ口フラスコにターシャリーブチル
アクリレート60部(重量部、以下同様)、メタクリル酸
25部、メタクリロキシプロピルジメチルポリシロキサン
(一般式 (II)において、nが10のもの)15部および無
水エタノール100 部を入れ、これにα,α´- アゾビス
イソブチロニトリル0.5 部を加えてチッ素気流下で80℃
で還流加熱した。
【0052】重合開始6時間後にα,α´- アゾビスイ
ソブチロニトリル0.5 部を追添し、さらに12時間重合し
て反応を完結し、ポリマー濃度が30%となるようにエタ
ノールで希釈して整髪剤用基剤(30%ポリマーエタノー
ル溶液)をえた。えられた整髪剤用基剤に、さらに50℃
で30%アミノメチルプロパノールのエタノール溶液60.5
部を添加し、酸の中和率を70モル%とした。えられた整
髪剤用基剤に含まれる樹脂の重量平均分子量は51000 で
あった。
【0053】つぎにえられた整髪剤用基剤の物性として
外観、水溶性およびエタノールとの相溶性を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0054】(外観)目視により観察した。
【0055】(水溶性)エタノールを用いてポリマー含
量15%のポリマーエタノール溶液を調製し、液温を25℃
に保ちながら水を添加して希釈されるかどうかを調べ
た。評価基準を以下に示す。
【0056】(評価基準) ○:無限に希釈される。 △:水を加えると一部のポリマーの凝集が生じる。 ×:水を加えるとポリマーが析出する。
【0057】(エタノールとの相溶性)液温を5〜10℃
に保ちながらエタノールを添加し、希釈状態の変化を調
べた。評価基準を以下に示す。
【0058】(評価基準) ○:無限に希釈しても凝集が認められない。 △:希釈すると一部凝集がみられる。 ×:希釈するとポリマーが析出する。
【0059】実施例2〜12および比較例1〜2 実施例1において、モノマー組成を表1のように変更し
たほかは、実施例1と同様の操作により整髪剤用基剤を
えた。えられた整髪剤用基剤の重量平均分子量および中
和に使用した塩基性物質の種類と中和率を表1に示す。
【0060】なお、表1中、各略号は以下のことを意味
する。
【0061】 t-BA :ターシャリーブチルアクリレート t-BMA :ターシャリーブチルメタアクリレート AA :アクリル酸 MAA :メタクリル酸 SiM1 :一般式(III) において、nが1のメタクリロ
キシプロピルジメチルポリシロキサン SiM10 :一般式(II)において、nが10のメタクリロキ
シプロピルジメチルポリシロキサン SiM38 :一般式(II)において、nが38のメタクリロキ
シプロピルジメチルポリシロキサン SiM64 :一般式(II)において、nが64のメタクリロキ
シプロピルジメチルポリシロキサン SiM131 :一般式(II)において、nが131 のメタクリロ
キシプロピルジメチルポリシロキサン SiM266 :一般式(II)において、nが266 のメタクリロ
キシプロピルジメチルポリシロキサン DMA :ドデシルメタクリレート MAAD :メタクリルアミド NVP :n-ビニルピリドン CHMA :シクロヘキシルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート HEMA :β−ヒドロキシエチルメタクリレート AMP :アミノメチルプロパノール TEA :トリエタノールアミン SMA :ステアリルメタクリレート
【0062】
【表1】
【0063】つぎにえられた整髪剤用基剤の物性として
外観、水溶性およびエタノールとの相溶性を実施例1と
同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2に示した結果から、本発明の実施例1
〜12でえられた整髪剤用基剤は、いずれも外観、水溶性
およびエタノールとの相溶性にすぐれたものであること
がわかる。
【0066】処方例1〜12および比較処方例1〜2 実施例1〜12および比較例1〜2でえられた整髪剤用基
剤の樹脂成分が10%含有されたエタノール溶液30g にイ
オン交換水20g を加え、均一な透明液体(ヘアブロー整
髪剤)をえた。これをヘアブロー用霧吹き容器(容量:
100 ml)に充填し、これにバルブを取り付けてヘアブロ
ー製品を作製した。
【0067】つぎにえられたヘアブロー製品を用いてヘ
アブロー整髪剤のセット力、しなやかさおよび形成され
たフィルムの物性を以下の方法にしたがって調べた。そ
の結果を表3に示す。
【0068】(セット力)長さ25cmの毛髪2g に、ヘア
ブロー整髪剤4g を20cmの距離から均一に塗布したの
ち、この毛髪を外径1.2 cmのカーラーに巻き、40℃の温
風で60分間かけて乾燥したのち、カーラーから毛髪をは
ずし、温度30℃、相対温度80%の雰囲気中に垂直に吊し
た直後の長さ( L1 )と1時間放置後の長さ( L2 )を
測定し、カールリテンションを次式から算出した。
【0069】
【数1】
【0070】なお、カールリテンションが60%以上のも
のを合格(表中、「○」印)とし、また60%未満のもの
を不合格(表中、「×」印)とした。
【0071】(しなやかさ)長さ25cmの毛髪2g にヘア
ブロー整髪剤4g を20cmの距離から均一に塗布したの
ち、乾燥前に市販のくしで毛並を揃え、この毛髪を40℃
の温風で60分間かけて乾燥し、以下に示す評価基準にし
たがって評価した。
【0072】(評価基準) ○:手で触れるとごわつきがなく、自然な感触である。 △:手で触れると少しごわつきがある。 ×:手で触れるとごわつきがひどく、かたい感触があ
る。
【0073】(フィルムの物性) (イ)洗浄性 たて2.5cm 、よこ7.5cm のガラス板に前記ヘアブロー整
髪剤4g を20cmの距離から均一に塗布したのち、20℃に
て3時間風乾してフィルムを形成した。このガラス板を
40℃の0.2 %シャンプー含有温水に静置浸漬し、フィル
ムの溶解状態の経時変化を調べ、以下に示す評価基準に
したがって評価した。
【0074】(評価基準) ○:30分間以内に完全に溶解する。 △:40分間以内に完全に溶解する。 ×:40分間経過後もフィルムが残存する。
【0075】(ロ)耐水性 たて2.5cm 、よこ7.5cm のガラス板に前記ヘアブロー整
髪剤4g を20cmの距離から均一に塗布したのち、20℃に
て3時間風乾してフィルムを形成した。このガラス板を
40℃の温水に静置浸漬し、フィルムの溶解状態の経時変
化を調べ、以下に示す評価基準にしたがって評価した。
【0076】(評価基準) ○:60分間以上でもまったく溶解しない。 △:40〜60分間以内に部分的に溶解が認められる。 ×:40分間以内に部分的に溶解が認められる。
【0077】(ハ)くし通り性 長さ25cmの毛髪2g にヘアブロー整髪剤4g を均一に塗
布したのち、この毛髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥
し、市販のくしを用いてそのくし通りの状態を以下の評
価基準に基づいて評価した。
【0078】(評価基準) ○:ひっかかりがなく、くしがなめらかに通る。 △:ひっかかりはあるが、くしを通すことができる。 ×:くしが通らない。
【0079】(ニ)平滑性 2.5cm ×7.5cm のガラス板にヘアブロー整髪剤4g を20
cmの距離から均一に塗布したのち、20℃にて3時間風乾
してフィルムを形成した。つぎに形成したフィルム面を
指で触感を調べ、平滑性を以下に示す評価基準に基づい
て評価した。
【0080】(評価基準) ○:完全になめらかである。 △:ややざらつきがある。 ×:かなりざらつきがある。
【0081】(ホ)光沢性 長さ25cmの毛髪2g にヘアブロー整髪剤4g を20cmの距
離から均一に塗布した。この毛髪を40℃の温風で60分間
かけて乾燥し、目視により、光沢性を観察した。
【0082】(評価基準) ○:非常に光沢がある。 △:幾分光沢がある。 ×:光沢がない。
【0083】
【表3】
【0084】表3に示した結果から、本発明の実施例1
〜12でえられた整髪剤用基剤は、いずれも整髪剤用基剤
として必要な特性を備え、しかもポリマー系セッティン
グ剤として従来の整髪剤用基剤になかったシリコーンオ
イル特有の光沢およびしなやかさを併有していることが
わかる。
【0085】実験例1 実施例1〜12でえられた各整髪剤用基剤を105 ℃、10mm
Hgの減圧下で3時間乾燥させたのち、IRスペクトルによ
る分析を行なった。その結果、いずれの実施例でえられ
たものもほぼ同様のスペクトルを有していた。
【0086】一例として、実施例1でえられたものにつ
いて調べたIRスペクトルを図1に示す。なお、測定には
分析機器として(株)島津製作所製IR-460を用いた。
【0087】実験例2 実施例1〜12でえられた整髪剤用基剤の重量熱分析を理
学電機(株)製TG-8110 およびTG-DTAを用いて昇温速度
5℃/分、温度範囲50〜450 ℃にて行なった。その結
果、いずれの実施例でえられたものもほぼ同様のスペク
トルを有していた。
【0088】一例として、実施例1でえられたものにつ
いての測定結果を以下に示す。
【0089】(吸熱ピーク) 221℃ (DTA) なお、 300℃以下では他にピークは認められなかった。
【0090】実験例3 実施例1〜12でえられた整髪剤用基剤の熱分解ガスクロ
マトグラフィを熱分解装置として日本分析工業(株)製
JHP-3S(分解温度:590 ℃、分解時間:5秒)、またガ
スクロマトグラフィとして(株)島津製作所製GC7AG
(カラム:SE-30、3m、φ3mm、温度:80〜240 ℃、
昇温速度:16℃/分(2分後から昇温)、検出器:FID
、インジェクション温度:280 ℃、チッ素ガス流量:5
0ml/min 、水素ガス圧:0.6 kg/cm2 、空気圧:0.6kg
/cm2 )を用いて行なった。その結果、いずれの実施
例でえられたものもほぼ同様のスペクトルを有してい
た。
【0091】一例として、実施例1でえられた整髪剤用
基剤についてのガスクロマトグラムを図2に示す。
【0092】
【発明の効果】本発明の整髪剤用基剤は、毛髪への固定
セット力が大きく、洗髪剤によって容易に除去しうるも
のであり、しかも耐ブロッキング性にすぐれたものであ
る。
【0093】さらに、本発明の整髪剤用基剤は、シリコ
ーンオイル特有の性質を併有し、従来の低分子シリコー
ンオイルをブレンドした化粧料のような終時的なオイル
分のしみ出しがなく、しかもすぐれた光沢、しなやかさ
およびくし通りのよさなどを有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1でえられた整髪剤用基剤のIR
スペクトルである。
【図2】本発明の実施例1でえられた整髪剤用基剤のガ
スクロマトグラムである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 一般式(I) : 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
    3〜5の分枝鎖を有するアルキル基を示す)で表わされ
    る(メタ)アクリル酸エステル40〜85重量%、(B) アク
    リル酸およびメタクリル酸から選ばれた少なくとも1種
    の(メタ)アクリル酸10〜30重量%、(C) 一般式(II): 【化2】 (式中、R1 は前記と同じ、nは1〜300 の整数を示
    す)で表わされるシリコーンモノマー1〜30重量%を含
    有したモノマー成分を重合してなる整髪剤用基剤。
  2. 【請求項2】 モノマー成分が一般式(III) : 【化3】 (式中、R1 は前記と同じ、R3 は炭素数8〜18のアル
    キル基を示す)で表わされる長鎖(メタ)アクリル酸エ
    ステルを0〜30重量%含有したものである請求項1記載
    の整髪剤用基剤。
  3. 【請求項3】 モノマー成分がその他のビニル系モノマ
    ーを0〜30重量%含有したものである請求項1または2
    記載の整髪剤用基剤。
  4. 【請求項4】 中和率が50〜90モル%である請求項1、
    2または3記載の整髪剤用基剤。
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