JP4726330B2 - 整髪剤用基剤およびそれからなる整髪用化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、整髪剤用基剤およびそれからなる整髪用化粧料に関する。さらに詳しくは、安全性にすぐれるのは勿論のこと、洗浄性にすぐれ、かつ熱によりセット保持力がさらに向上する整髪剤用基剤、およびたとえばヘアトニック、ポマード、ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアムース、ジェル、ヘアワックス、ヘアクリームなどとして好適に使用し得る整髪用化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、整髪剤を頭髪に塗布したのちにドライヤーの熱にて乾燥させることが多く、かかるドライヤーの熱にてさらに硬化する樹脂の開発が長年にわたって進められてきた。
【0003】
たとえば塗料の分野では、酸エポキシ硬化樹脂や熱重合型樹脂といった熱にて硬化し得る樹脂が種々提案されている。
【0004】
しかしながら、前記のごとき塗料の分野における酸エポキシ硬化樹脂や熱重合型樹脂は、その分子内にエポキシ基や不飽和二重結合、分解型ラジカル発生基を有するため、安全性が重視される整髪剤への応用は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、安全性にすぐれるのは勿論のこと、洗浄性にすぐれ、かつ熱によりさらに硬化してセット保持力が向上する整髪剤用基剤およびこれが配合された整髪用化粧料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
▲1▼(A)一般式(I):
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、X1は−O−または−NH−を示す)で表わされるアミノ基含有モノマー(A)を含有したモノマー成分を重合させて得られた重合体(I)中のアミノ基が炭酸にて中和された中和重合体(II)からなる整髪剤用基剤、および
▲2▼前記整髪剤用基剤が配合されてなる整髪用化粧料
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の整髪剤用基剤は、前記したように、(A)一般式(I):
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、X1は−O−または−NH−を示す)で表わされるアミノ基含有モノマー(A)を含有したモノマー成分を重合させて得られた重合体(I)中のアミノ基が炭酸にて中和された中和重合体(II)からなるものである。
【0012】
本発明においては、前記アミノ基含有モノマー(A)を含有したモノマー成分を重合させて得られた重合体(I)中のアミノ基が炭酸にて中和されているので、得られる整髪剤用基剤を加熱した場合、中和剤である炭酸が二酸化炭素ガスとして抜け、重合体(II)中のアミノ基の中和率が低下して硬化がより促進され、セット保持力が大幅に向上するのである。
【0013】
本発明に用いられるアミノ基含有モノマー(A)は、一般式(I)で表わされるモノマーであり、得られる整髪剤用基剤にセット保持力を付与する成分である。
【0014】
前記アミノ基含有モノマー(A)の代表例としては、たとえばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0015】
アミノ基含有モノマー(A)の量は、得られる整髪剤用基剤に充分なセット保持力が付与され、そのセット保持力が加熱後に充分に向上されるように、モノマー成分の0.1重量%以上、好ましくは20重量%以上であることが望ましい。
【0016】
本発明において、重合体(I)はその全量が前記アミノ基含有モノマー(A)であるモノマー成分(アミノ基含有モノマー(A)の量が100重量%であるモノマー成分)を重合させて得られたものであってもよいが、たとえば得られる整髪剤用基剤を整髪用化粧料に用いる場合、水溶性、油溶性、臭気、べたつき感抑制、すべり感、乾き感、自然感、造膜性、粘性、透明感、ガス相溶性、ガス透過性、他の添加剤との相溶性といった効果を付与することを考慮し、該アミノ基含有モノマー(A)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(B)(以下、モノマー(B)という)が適宜モノマー成分に含有されていてもよい。
【0017】
前記モノマー(B)の代表例としては、たとえば(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸のアンモニウム塩などの(メタ)アクリル酸塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロイルモルホリン;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの3級塩およびその4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの3級塩およびその4級塩、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの3級塩およびその4級塩、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの3級塩およびその4級塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの3級塩およびその4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの3級塩およびその4級塩、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの3級塩およびその4級塩、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの3級塩およびその4級塩などの前記アミノ基含有モノマー(A)の塩;N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその3級塩およびその4級塩、N−t−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびその3級塩およびその4級塩などのN−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートおよびその塩;N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタインなどのベタイン類;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、スチレン、イタコン酸、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマーがあげられるほか、たとえば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート;メチレンビスアクリルアミドなどの多官能モノマーなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0018】
なお本明細書において「…(メタ)アクリ〜」は「…アクリ〜」および「…メタクリ〜」を意味する。
【0019】
モノマー成分中のモノマー(B)の量は、前記アミノ基含有モノマー(A)との合計が100重量%となるように調整される。すなわちアミノ基含有モノマー(A)により整髪剤用基剤に充分なセット保持力が付与され、該セット保持力が加熱後に充分に向上するように、モノマー(B)の量はモノマー成分の99.9重量%以下、好ましくは80重量%以下であることが望ましい。またモノマー(B)を用いたことによる効果を充分に発現させるには、モノマー(B)の量はモノマー成分の0.1重量%以上、好ましくは40重量%以上とすることが望ましい。すなわち、この場合のアミノ基含有モノマー(A)の量はモノマー成分の99.9重量%以下、好ましくは60重量%以下であることが望ましい。
【0020】
本発明に用いられる重合体(I)は、前記アミノ基含有モノマー(A)および必要に応じてモノマー(B)の所望量を調整したモノマー成分を重合させることによって得られる。
【0021】
前記モノマー成分の重合は、該モノマー成分を水溶液としたり、有機溶剤中にて行なうことができる。すなわち、所望組成のモノマー成分を精製水や有機溶剤に充分に溶解させ、これを必要に応じて加熱撹拌しながら重合開始剤を添加し、不活性ガス雰囲気下で重合を行なうなどすればよい。
【0022】
前記有機溶剤にはとくに限定がなく、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族類;n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢酸エステル類などの通常溶液重合に用いられる有機溶剤を使用することができる。これらのなかでは、得られる整髪剤用基剤を整髪用化粧料に配合することを考慮すると、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類がとくに好ましい。
【0023】
なお前記水溶液や有機溶剤中で重合を行なう場合、モノマー成分の濃度が10〜80重量%程度となるように調整することが好ましい。
【0024】
前記重合開始剤にもとくに限定がなく、たとえばアゾイソブチロニトリル、アゾイソ酪酸メチル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチルアゾビスメチルプロピオネートなどのアゾ系重合開始剤;過酸化ベンゾイルなどの過酸化物系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系重合開始剤などを用いることができる。該重合開始剤の量は、通常モノマー成分全量100重量部に対して0.01〜5重量部程度であればよい。
【0025】
重合を行なう際の重合温度は、用いる重合開始剤の種類によっても異なるので一概には決定することができないが、通常重合開始剤の10時間半減期温度付近とすることが好ましい。また重合を行なう際の重合時間は、重合が不完全となって未反応のモノマー成分が残存するおそれをなくすには、2時間以上、好ましくは通常2〜24時間程度とすることが望ましい。
【0026】
なお未反応モノマーの有無は、たとえばPSDB法(二臭化硫酸ピリジン法)などの一般的な分析方法により、二重結合が存在するか否かを測定して確認することができる。
【0027】
かくして得られる重合体(I)の粘度平均分子量にはとくに限定がないが、整髪剤用基剤が経皮吸収を起こすおそれがないように、10000程度以上、好ましくは50000程度以上であることが望ましく、使用性がわるくならないように、2000000程度以下、好ましくは1500000程度以下であることが望ましい。
【0028】
つぎに、前記重合体(I)中のアミノ基が炭酸にて中和される。
【0029】
炭酸によるアミノ基の中和方法にはとくに限定がなく、たとえば前記重合法にて調製された重合体(I)の溶液に炭酸水を投入する方法、水を含有した重合体(I)の溶液にドライアイスを投入し、加圧条件下にてドライアイスを溶解させる方法、水を含有した重合体(I)の溶液に二酸化炭素ガスを吹き込む方法などがあげられる。
【0030】
アミノ基の中和に用いる炭酸の量は、得られる中和重合体(II)中のアミノ基の中和率が所望の範囲内となるように適宜調整すればよく、通常重合体(I)中のアミノ基1モルに対して1〜15モル程度、好ましくは1.5〜12モル程度であることが望ましい。
【0031】
また本発明においては、前記重合体(I)中のアミノ基が炭酸とともに該炭酸以外の酸にて中和されていてもよい。
【0032】
中和に用いられる炭酸以外の酸としては、たとえば酢酸、プロピオン酸、吉草酸、コハク酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、ケイ皮酸、マレイン酸、イタコン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸などの有機酸や、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸があげられる。
【0033】
アミノ基の中和に用いる炭酸以外の酸の量は、炭酸によるアミノ基の中和率を考慮して決定することが好ましく、中和されたアミノ基全体の20モル%程度以上が炭酸により中和されたものであるように、すなわち中和されたアミノ基全体の80モル%程度以下が炭酸以外の酸により中和されたものであるように、炭酸以外の酸の量を調整することが好ましい。
【0034】
かくして得られる中和重合体(II)中のアミノ基の中和率は、たとえばドライヤーの熱にて乾燥させたのちのセット保持力(耐湿性)の向上効果が充分に発現されるようにするには、5モル%以上、好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上であることが望ましい。
【0035】
かくして得られる本発明の整髪剤用基剤は、通常それを構成する中和重合体(II)をそのままの状態で、または溶媒を除去した状態で使用し得るものである。
【0036】
本発明の整髪剤用基剤は、安全性にすぐれるのは勿論のこと、洗浄性にすぐれ、かつ熱によりセット保持力がさらに向上するものであるので、たとえば整髪用化粧料に好適に使用することができる。
【0037】
本発明の整髪用化粧料は前記整髪剤用基剤が配合されてなるものである。
【0038】
前記整髪用化粧料としては、たとえばヘアトニック、ポマード、ヘアスプレー、ヘアミスト、ムース、ジェル、ヘアワックス、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアクリームなどがあげられる。
【0039】
本発明の整髪用化粧料における前記整髪剤用基剤の量にはとくに限定がなく、該整髪剤用基剤による効果が充分に発現される量であればよいが、通常の化粧料における有効成分の含有量程度、たとえば1〜15重量%程度、好ましくは3〜7重量%程度であることが望ましい。
【0040】
本発明の整髪用化粧料には前記整髪剤用基剤のほかに、つや補助、すべり性補助、洗髪性補助、セット力補助、増粘作用、にごり補助、弾性補助などの観点から、中和重合体(II)以外の中和ポリマーを配合することができる。
【0041】
前記中和ポリマーはそのアミノ基が炭酸にて中和されたものであり、たとえばポリビニルアミンおよびその誘導体、ポリアリルアミンおよびその誘導体、ポリジアリルアミンおよびその誘導体などのアミノ基含有ポリマー中のアミノ基を、前記重合体(I)中のアミノ基の中和と同様にして炭酸にて中和したポリマーを用いることができる。
【0042】
なお前記アミノ基含有ポリマー中のアミノ基の中和には、前記重合体(I)の場合と同様に、炭酸とともに該炭酸以外の酸が用いられてもよい。炭酸以外の酸としては、たとえば前記重合体(I)中のアミノ基の中和に用いられたものと同様の酸が例示される。
【0043】
中和ポリマー中のアミノ基の中和率は、たとえば5〜100モル%程度、好ましくは10〜80モル%程度であることが望ましい。
【0044】
本発明の整髪用化粧料における前記中和ポリマーの量にもとくに限定がなく、たとえば1〜15重量%程度、好ましくは3〜7重量%程度であることが望ましい。
【0045】
本発明の整髪用化粧料には前記整髪剤用基剤および中和ポリマーのほかに、化粧料の種類や目的に応じ、通常化粧料に配合される任意の成分、たとえば乳化剤、香料、防腐剤、顔料、栄養剤、保湿剤、紫外線防止剤、育毛剤などや、精製水などを常法にしたがって適宜配合することができる。
【0046】
かくして得られる本発明の整髪用化粧料は、前記整髪剤用基剤が配合されたものであるので、安全性にすぐれるのは勿論のこと、洗浄性にすぐれ、該整髪用化粧料を頭髪に適用して加熱した場合、セット保持力がさらに向上する。
【0047】
【実施例】
つぎに、本発明の整髪剤用基剤およびそれからなる整髪用化粧料を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0048】
実施例1〜10
還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素ガス導入管および撹拌装置を取り付けた1000mL容の5つ口フラスコに、表1に示すモノマー成分を添加して混合し、モノマー成分の濃度が60重量%となるようにエタノールにて調整してモノマー成分を完全に溶解させた。
【0049】
ついで得られた溶液に、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリルをモノマー成分100重量部に対して0.3重量部添加し、80℃で8時間加熱撹拌して重合を完結させ、さらに精製水を加えて40重量%濃度の重合体溶液(重合体(I)の溶液)を得た。重合体(I)の粘度平均分子量を表2に示す。
【0050】
ついで得られた重合体溶液に、重合体(I)中のアミノ基1モルに対して2〜10モルのドライアイスを投入し、常圧ないし微加圧にて溶解させ、中和重合体溶液(中和重合体(II)の溶液、整髪剤用基剤)を得た。
【0051】
なお、実施例5、7および8では重合体(I)中のアミノ基の中和に、炭酸とともに乳酸も用いた。
【0052】
中和重合体(II)中のアミノ基の中和率(モル%)、ならびに中和されたアミノ基全体における炭酸により中和されたアミノ基の量(モル%)および乳酸により中和されたアミノ基の量(モル%)を、併せて表2に示す。
【0053】
比較例1〜4
モノマー成分を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして40重量%濃度の重合体溶液(重合体(I)の溶液)を得た。重合体(I)の粘度平均分子量を表2に示す。
【0054】
ついで得られた重合体溶液に、重合体(I)中のアミノ基1モルに対して2〜10モルの乳酸を投入し、常圧ないし微加圧にて溶解させ、中和重合体溶液(中和重合体(II)の溶液、整髪剤用基剤)を得た。
【0055】
中和重合体(II)中のアミノ基の中和率(モル%)を併せて表2に示す。
【0056】
なお表1中の各略号は以下のとおりである。
DMA:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート
DMMA:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
DMAPAA:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
DMAPMA:N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
DMDS:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのジエチル硫酸塩
NVP:N−ビニルピロリドン
HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
TBAAm:t−ブチルアクリルアミド
DAAm:ジアセトンアクリルアミド
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
GBMA:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
処方例1〜10および比較処方例1〜4
実施例1〜10および比較例1〜4で得られた整髪剤用基剤を、その濃度が10重量%となるように精製水およびエタノールで調整した。この10重量%濃度の溶液5gをエアゾール用耐圧容器(内容量:100mL)内に充填し、これに噴射剤として炭酸ガスとジメチルエーテルとの混合ガス(炭酸ガス:ジメチルエーテル(重量比)=1:1)5gを充填してエアゾール用バルブを取り付け、エアゾール型整髪用化粧料を得た。
【0060】
処方例11
実施例1で得られた整髪剤用基剤と、この整髪剤用基剤以外の中和ポリマーとを用い、以下の組成にて各成分を室温にて撹拌混合し、原液を調製した。この原液をエアゾール用耐圧容器(内容量:100mL)内に充填し、これに噴射剤として以下に示す混合ガスを充填してエアゾール用バルブを取り付け、エアゾール型整髪用化粧料を得た。なお原液と噴射剤との重量比(原液/噴射剤)は70/30である。
【0061】
【0062】
【0063】
処方例12
実施例1で得られた整髪剤用基剤と、この整髪剤用基剤以外の中和ポリマーとを用い、以下の組成にて各成分を室温にて撹拌混合し、原液を調製した。この原液をエアゾール用耐圧容器(内容量:100mL)内に充填し、これに噴射剤として以下に示す混合ガスを充填してエアゾール用バルブを取り付け、エアゾール型整髪用化粧料を得た。なお原液と噴射剤との重量比(原液/噴射剤)は70/30である。
【0064】
【0065】
【0066】
つぎに処方例1〜12および比較処方例1〜2で得られたエアゾール型整髪用化粧料について、セット保持力および洗浄性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示す。
【0067】
(イ)セット保持力
長さ25cmの毛髪2gに、20cmの距離からエアゾール型整髪用化粧料を10秒間噴射させたのち、この毛髪を外径1.2cmのカーラーに巻き、40℃の温風で60分間かけて乾燥した。こののち、カーラーから毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度80%の雰囲気中に垂直に吊るした直後の長さ(L0)と1時間放置後の長さ(L1)、2時間放置後の長さ(L2)および3時間放置後の長さ(L3)とを測定し、各経過時間におけるカールリテンション(%)を次式から算出した。なお次式は1時間放置後のカールリテンションの計算式であり、2時間放置後および3時間放置後のカールリテンションは、式中のL1をそれぞれL2およびL3に変更して求めた。
【0068】
【数1】
【0069】
(ロ)洗浄性
長さ25cm、直径約2cmの毛髪束に、20cmの距離からエアゾール型整髪用化粧料を10秒間噴射させたのち、室温(25℃)にて10分間乾燥させた。こののち、毛髪束を20℃の水に浸漬して洗浄し、毛髪束表面の状態を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0070】
(評価基準)
A:水で洗うと整髪用化粧料がきれいに落ち、毛髪につっぱり感がまったく残らない。
B:水で洗うと整髪用化粧料は落ちるが、毛髪につっぱり感が残る。
C:水で洗っても整髪用化粧料が落ちない。
【0071】
【表3】
【0072】
表3に示された結果から、処方例1〜12で得られた整髪用化粧料は、いずれも洗浄性にすぐれるうえ、40℃程度に加熱してセットしたのち、1時間、2時間、3時間と経過しても、すぐれたセット保持力が維持されていることがわかる。
【0073】
これに対して、比較処方例1〜4で得られた整髪用化粧料は、洗浄性にすぐれるものの、40℃程度に加熱してセットすると、1時間、2時間経過まではある程度のセット保持力を維持しているが、3時間経過すると、セット保持力が急激に低下してしまうことがわかる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の整髪剤用基剤は、安全性にすぐれるのは勿論のこと、洗浄性にすぐれ、かつ熱によりセット保持力がさらに向上するものであるので、該整髪剤用基剤が配合された本発明の整髪用化粧料は、各種整髪用製品として好適に使用することができる。
Claims (7)
- モノマー成分がアミノ基含有モノマー(A)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(B)を含有したものである請求項1記載の整髪剤用基剤。
- 重合体(I)中のアミノ基が炭酸とともに該炭酸以外の酸にて中和されてなる請求項1または2記載の整髪剤用基剤。
- 中和重合体(II)中のアミノ基の中和率が5〜100モル%である請求項1、2または3記載の整髪剤用基剤。
- 請求項1、2、3または4記載の整髪剤用基剤が配合されてなる整髪用化粧料。
- そのアミノ基が炭酸にて中和された、中和重合体(II)以外の中和ポリマーがさらに配合されてなる請求項5記載の整髪用化粧料。
Priority Applications (1)
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