JP2004203761A - 毛髪用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)一般式(I):
【化1】
(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数8〜18のアルキル基、X1 は−O−基または−NH−基を示す)で表されるモノマーA40〜75重量%、(B)一般式(II):
【化2】
(式中、R1 およびX1 は前記と同じ。R3 は炭素数1〜8のアルキレン基、R4 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表されるモノマーB20〜65重量%、および(C)モノマーAおよびモノマーBと共重合可能な不飽和二重結合を有するモノマーC1〜30重量%を含有するモノマー組成物を重合させてなる毛髪用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪用樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、整髪剤、毛髪用洗浄剤などの整髪化粧料として好適に使用しうる毛髪用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、毛髪の寝ぐせ直しのための整髪剤として、乾いた髪に水または油成分を付着した後、ドライヤーの熱により、寝ぐせを直すタイプの整髪剤が開発されている。
【0003】
このタイプの整髪剤としては、例えば、ポリアルキレンオキシド化合物や多価カルボン酸などの可塑剤が添加された整髪剤組成物(例えば、特許文献1参照)が知られている。しかし、この整髪剤組成物には、セット力に劣るという欠点がある。
【0004】
また、他の整髪剤として、ポリウレタンが配合された整髪剤組成物(例えば、特許文献2参照)や、ポリテトラメチレンテレフタレ−トが配合された整髪剤組成物(例えば、特許文献3参照)が知られている。しかし、これらの整髪剤組成物には、ポリウレタンやポリテトラメチレンテレフタレ−トが用いられているので、その分子量の制御や化学修飾が困難であるため、水溶性などの所望の物性を適宜調整することが困難であるという欠点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平08-291035 号公報
【特許文献2】
特開平06-206965 号公報
【特許文献3】
特開平09-238731号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、ドライヤーなどの熱により容易に柔らかくなるという熱可塑性を有するとともに、毛髪に対する接着性およびセット力に優れ、その分子量の制御や化学修飾が容易な毛髪用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)一般式(I):
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数8〜18のアルキル基、X1 は−O−基または−NH−基を示す)
で表されるモノマーA40〜80重量%、
(B)一般式(II):
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、R1 およびX1 は前記と同じ。R3 は炭素数1〜8のアルキレン基、R4 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表されるモノマーB20〜65重量%、および
(C)モノマーAおよびモノマーBと共重合可能な不飽和二重結合を有するモノマーC(以下、単に「モノマーC」という)1〜30重量%
を含有するモノマー組成物を重合させてなる毛髪用樹脂組成物
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の毛髪用樹脂組成物は、モノマーA、モノマーBおよびモノマーCを含有するモノマー組成物が用いられているので、毛髪に均一に塗布することができるという利点を有する。
【0013】
また、本発明の毛髪用樹脂組成物は、適度な熱可塑性を有するので、セット力などを損なう原因になりやすい添加剤を多用しなくても、所望のセット力を発現させることができるという利点を有する。
【0014】
さらに、本発明の毛髪用樹脂組成物は、モノマーA、モノマーBおよびモノマーCの組成およびそれらの割合を容易に調整することができるので、ポリウレタンなどと対比しても、その分子量の制御や化学修飾を容易に行なうことができるという利点も有する。
【0015】
また、本発明の毛髪用樹脂組成物は、常温で所望のヘアスタイリングを長時間維持することができ、またドライヤーなどによって熱を加えた場合には、その加熱された部分が柔らかくなるので、所望のヘアスタイリングに動きをつけることができ、また冷却後においては、そのヘアスタイリングを再度維持することができるという利点も有する。
【0016】
モノマーAは、一般式(I) で表される化合物である。一般式(I) において、R1 は、水素原子またはメチル基である。R2 は、炭素数8〜18のアルキル基である。X1 は、−O−基または−NH−基である。
【0017】
モノマーAの具体例としては、n−オクチル(メタ) アクリレート、n−オクチル(メタ) アクリルアミド、2−エチルヘキシル(メタ) アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ) アクリルアミド、イソオクチル(メタ) アクリレート、イソオクチル(メタ) アクリルアミド、ラウリル(メタ) アクリレート、ラウリル(メタ) アクリルアミド、アルキル基の炭素数が12または13のアルキル(メタ) アクリレート、アルキル基の炭素数が12または13のアルキル(メタ) アクリルアミド、トリデシル(メタ) アクリレート、トリデシル(メタ) アクリルアミド、ステアリル(メタ) アクリレート、ステアリル(メタ) アクリルアミドなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、ラウリル(メタ)アクリレートは、ドライヤーによる加熱の有無でのフィルムの固さのコントラストを発現させる観点から好ましい。
【0018】
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」および/または「メタクリ」を意味する。
【0019】
モノマー組成物におけるモノマーAの含有量は、熱可塑性、耐水性およびすべり感を高める観点から、40重量%以上、好ましくは50重量%以上であり、べたつきを抑制する観点から、75重量%以下、好ましくは70重量%以下である。これらの観点から、モノマー組成物におけるモノマーAの含有量は、40〜75重量%、好ましくは50〜70重量%である。
【0020】
モノマーBは、一般式(II)で表される化合物である。一般式(II)において、R1 およびX1 は、いずれも前記と同じである。R3 は、水素原子または炭素数1〜8のアルキレン基である。R4 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
【0021】
モノマーBの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ) アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ) アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ) アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ) アクリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ) アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ) アクリルアミド、メチルカルビトール(メタ) アクリレート、メチルカルビトール(メタ) アクリルアミド、エチルカルビトール(メタ) アクリレート、エチルカルビトール(メタ) アクリルアミド、ヒドロキシジエチレングリコール(メタ) アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ) アクリレート、ヒドロキシジエチレングリコール(メタ) アクリルアミド、ヒドロキシポリエチレングリコール(メタ) アクリレート、ヒドロキシポリエチレングリコール(メタ) アクリルアミド、メトキシメチル(メタ) アクリレート、メトキシエチル(メタ) アクリレート、エトキシメチル(メタ) アクリレート、エトキシエチル(メタ) アクリレート、メトキシメチル(メタ) アクリルアミド、メトキシエチル(メタ) アクリルアミド、エトキシメチル(メタ) アクリルアミド、エトキシエチル(メタ) アクリルアミドなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートは、べたつきを軽減させる観点から好ましい。
【0022】
モノマー組成物におけるモノマーBの含有量は、親水性、洗髪性などを高める観点から、20重量%以上、好ましくは30重量%以上であり、またすべり感、艶などを向上させる観点から、65重量%以下、好ましくは60重量%以下である。これらの観点から、モノマー組成物におけるモノマーBの含有量は、20〜65重量%、好ましくは30〜60重量%である。
【0023】
モノマーCは、水溶性、油溶性、臭気、べたつき感、すべり感、乾き感、自然感、造膜性、粘性、透明感、ガス相溶性、ガス透過性、他の成分との相溶性などの所望の性質を毛髪に付与するために用いられる成分である。
【0024】
モノマーCの具体例としては、(メタ) アクリル酸、そのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩;(メタ) アクリル酸メチル、(メタ) アクリル酸エチル、(メタ) アクリル酸n−ブチル、(メタ) アクリル酸イソブチル、(メタ) アクリル酸t-ブチル、(メタ) アクリル酸ネオペンチル、(メタ) アクリル酸シクロヘキシル、(メタ) アクリル酸セチル、(メタ) アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ) アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリル酸系モノマー;
【0025】
(メタ) アクリルアミド、N−メチル(メタ) アクリルアミド、N−エチル(メタ) アクリルアミド、N−プロピル(メタ) アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ) アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ) アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ) アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ) アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ) アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系モノマー;
【0026】
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ) アクリレートの4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ) アクリレートの4級塩、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ) アクリレートの4級塩、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ) アクリレートの4級塩などの(メタ)アクリレート4級塩;
【0027】
N−t−ブチルアミノエチル(メタ) アクリレートおよびその3級塩、N−t−ブチルアミノプロピル(メタ) アクリレートおよびその3級塩などのアミノ基含有(メタ)アクリレートおよびその3級塩;
【0028】
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ) アクリルアミドの4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ) アクリルアミドの4級塩、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ) アクリルアミドの4級塩、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ) アクリルアミドの4級塩などの(メタ)アクリルアミド系4級塩;
【0029】
N−(メタ) アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ) アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ) アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ) アクリロイルオキシメチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ) アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン、N−(メタ) アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタインなどの両性モノマー;
【0030】
ジアセトン(メタ) アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミドエステル;スチレン、イタコン酸、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、シリコーンマクロマーなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート4級塩、(メタ)アクリルアミド系4級塩および両性モノマーは、毛髪に対する接着性を向上させる観点から好ましい。
【0031】
モノマー組成物におけるモノマーCの含有量は、モノマーCを用いることによる効果を十分に発現させる観点から、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であり、また接着性などを阻害しないようにする観点から、30重量%以下、好ましくは10重量%以下である。これらの観点から、モノマー組成物におけるモノマーCの含有量は、1〜30重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0032】
本発明の毛髪用樹脂組成物は、モノマーA、モノマーBおよびモノマーCを含有するモノマー組成物を重合させることによって得られる。
【0033】
モノマー組成物を重合させる方法としては、例えば、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法などが挙げられるが、本発明においては、溶液重合法が好ましい。
【0034】
本発明の毛髪用樹脂組成物を溶液重合法で得る場合、溶媒として、水または有機溶媒を用いることができる。
【0035】
有機溶媒の種類には特に限定はなく、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢酸エステルなどが挙げられる。
【0036】
溶媒の量は、通常、モノマー組成物の濃度が10〜80重量%程度となるように、調整することが好ましい。
【0037】
モノマー組成物を溶媒に溶解させた後、得られた溶液に攪拌下で重合開始剤を添加することが好ましい。
【0038】
重合開始剤の種類には特に限定がなく、例えば、アゾイソブチロニトリル、アゾイソ酪酸メチル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。
【0039】
重合開始剤の量は、通常、モノマー組成物100重量部に対して0.01〜5部程度であればよい。
【0040】
モノマー組成物を重合させる際の雰囲気は、不活性ガスであることが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられる。
【0041】
モノマー組成物の重合温度は、重合開始剤の種類によって異なるので一概には決定することができないが、通常、重合開始剤の10時間半減期温度とすることが好ましい。
【0042】
また、重合時間は、重合条件によって異なるので一概には決定することができないが、通常、未反応モノマーが残存しなくなるまでとすることが好ましい。重合時間は、未反応モノマーが残存しなくなるまで重合を行なう観点から、通常、2時間以上、好ましいは2〜24時間である。なお、未反応モノマーが残存しているか否かは、例えば、PSDB法(二臭過硫酸ピリジン法) などによって確認することができる。
【0043】
モノマー組成物の重合反応の終了後には、得られた重合反応混合物には、本発明の毛髪用樹脂組成物が含有されている。したがって、得られた重合反応混合物を、そのまま毛髪用樹脂組成物として用いることができるほか、必要により、この重合反応混合物から毛髪用樹脂組成物を単離して用いることもできる。
【0044】
本発明の毛髪用樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤を添加することができる。
【0045】
可塑剤としては、例えば、オリーブ油、椿油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油などの油脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなどのロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリン、スクワランなどの炭化水素類、ラノリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール類、2−オクチル酸ドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油類などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
可塑剤の量は、通常、毛髪用樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部程度であればよい。
【0047】
本発明の毛髪用樹脂組成物に、精製水、希釈溶剤、保水剤、潤滑剤、界面活性剤、還元剤、酸化剤、顔料、染料などを所望量で添加することにより、本発明の毛髪用樹脂組成物を、例えば、整髪剤、毛髪用洗浄剤などの化粧料として用いることができる。この場合、化粧料には、その用途に応じて、例えば、乳化剤、香料、防腐剤、顔料、栄養剤、保湿剤、紫外線防止剤、育毛剤などを添加することができる。また、本発明の毛髪用樹脂組成物は、公知の化粧料に適宜添加することもできる。
【0048】
本発明の毛髪用樹脂組成物は、加熱により、可塑性を発現し、冷却後には髪型を維持するという性質を有するので、化粧料のなかでも、特に毛髪化粧料、例えば、整髪剤、毛髪用洗浄剤などに好適に用いることができる。
【0049】
整髪剤としては、例えば、ヘアトニック、ポマード、ヘアスプレー、ヘアミスト、ムース、ジェル、ヘアワックス、ヘアオイルなどが挙げられる。また、毛髪用洗浄剤としては、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアクリームなどが挙げられる。
【0050】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0051】
実施例1〜4および比較例1〜3
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および攪拌装置を取り付けた4つ口フラスコに、表1に示すモノマー組成物を入れた後、攪拌下、モノマー組成物の濃度が30重量%となるようにエタノールを添加し、モノマー組成物を完全に溶解させた。
【0052】
次に、得られた溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルをモノマー組成物100重量部に対して2重量部の割合で添加し、95℃で6時間加熱攪拌して重合を完結させ、毛髪用樹脂組成物30重量%を含有する重合反応溶液を得た。
【0053】
得られた毛髪用樹脂組成物の物性を以下の方法によって調べた。その結果を表1に示す。
【0054】
(1) 熱可塑性
重合反応溶液を1gまたは3g秤量し、これを50mL容のアルミカップに入れ、105℃の温風乾燥機にて2時間加熱することにより乾燥させ、25℃以下の温度に冷却した後の皮膜の硬さと、この形成された皮膜をドライヤーで90℃で30分間加熱したときの皮膜の硬さとを手で触ったり、皮膜を曲げることによって比較し、以下の評価基準に基づいて評価する。
【0055】
(評価基準)
○:加熱により皮膜が柔らかくなっている
×:加熱により、皮膜が柔らかくなっていない
【0056】
(2) 毛髪に対する接着性
毛髪サンプル(2g×25cm)に5%エタノール溶液を塗布して乾燥させたのち、10回の折り曲げストレスをかけ、粉ふきの発生の有無を確認し、以下の評価基準に基づいて評価する。
【0057】
(評価基準)
○:粉ふきが発生しない
×:粉ふきが発生する
【0058】
(3) 毛髪形状の維持性(セット力)
毛髪サンプル(2g×25cm)に5%エタノール溶液を塗布して乾燥させた毛髪を直径1cmのフッ素樹脂棒に巻きつけて固定具で固定し、ドライヤーで温風を3分間かけたのち、固定具を外し、カールの状態を観察し、以下の評価基準に基づいて評価する。
【0059】
(評価基準)
○:固定具を外しても巻きつけたときのカールがそのまま維持される
×:固定具を外すと巻きつけたときのカールが維持されない
【0060】
表1中、各略号は、以下のことを意味する。
LMA :ラウリルメタクリレート
SLMA:アルキル基の炭素数が12または13のアルキルメタクリレートの混合物
EHMA:2- エチルヘキシルメタクリレート
SMA :ステアリルメタクリレート
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
POEMA :メトキシポリエチレングリコール400メタクリレート
HPMA:2- ヒドロキシプロピルメタクリレート
AA:アクリル酸
MDC :N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン
【0061】
【表1】
【0062】
表1に示された結果から、各実施例で得られた毛髪用樹脂組成物は、常温ではヘアスタイリングを長く維持し(毛髪形状の維持性)、ドライヤーなどの熱を加えた部分は柔らかくなり(熱可塑性)、ヘアスタイリングに動きをつけることができることがわかる。
【0063】
また、各実施例で得られた毛髪用樹脂組成物は、ドライヤーなどの熱を加え、冷却した後においては、そのヘアスタイリングを維持すること(毛髪形状の維持性)ができるのでセット力に優れたものであることがわかる。
【0064】
処方例1〔整髪剤(ヘアスプレー) 〕
〔原液の処方〕 (重量%)
実施例4で得られた毛髪用樹脂組成物 30
セチルアルコール 0.1
シリコーン油 0.3
香料 適量
エチルアルコール 残部
【0065】
上記の原液の処方にて得られた原液50重量部と液化石油ガス50重量部とを満注量が100mLのエアゾール容器に充填し、ヘアスプレーを製造した。
【0066】
処方例2〔毛髪用洗浄剤(リンス)〕
〔処方〕 (重量%)
実施例4で得られた毛髪用樹脂組成物 30
セチルアルコール 1.5
シリコーン油 3.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
香料、色素および防腐剤 適量
精製水 残部
上記の処方にて各成分を混合することにより、リンスを調製した。
【0067】
処方例3〔毛髪用洗浄剤(ヘアクリーム)〕
〔処方〕 (重量%)
実施例4で得られた毛髪用樹脂組成物 30
ワセリン 10
サラシミツロウ 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
キサンタンガム 0.1
香料、色素および防腐剤 適量
苛性ソーダ 適量
上記の処方にて各成分を混合することにより、ヘアクリームを調製した。
【0068】
処方例4〔整髪剤(ヘアオイル)〕
〔処方〕 (重量%)
実施例4で得られた毛髪用樹脂組成物 80
香料、色素および防腐剤 適量
精製水 残部
上記の処方にて各成分を混合することにより、ヘアオイルを調製した。
【0069】
【発明の効果】
本発明の毛髪用樹脂組成物は、ドライヤーなどの熱により容易に柔らかくなるという熱可塑性を有し、毛髪に対する接着性およびセット力に優れるとともに、その分子量の制御や化学修飾が容易であるという効果を奏する。したがって、本発明の毛髪用樹脂組成物は、整髪剤、毛髪用洗浄剤などの整髪化粧料として好適に使用しうるものである。
Claims (3)
- 請求項1記載の毛髪用樹脂組成物を含有してなる整髪剤。
- 請求項1記載の毛髪用樹脂組成物を含有してなる毛髪用洗浄剤。
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