JP3080981B2 - 案内に沿つて可動のスライダ等を位置決めする装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、特許請求の範囲第１項上位概念に記載の、
ウエブ状又はシート状の材料を加工する機械の、案内に
沿って可動のスライダ等を位置決めする装置に関するも
のである。

従来の技術 ウエブ状又はシート状の材料、例えば紙又は厚紙のウ
エブを加工する機械は、ウエブ又はシートの走行方向に
対して直角方向に、判に応じて位置決めしなければなら
ない多数のエレメントを有している。これらのエレメン
トは、例えば、材料ウエブを個別ウエブに分割する縦裁
ち装置の、対形式で配置される円形カッタである。この
ような縦裁ち装置は、巻取り装置又は横裁ち装置の構成
部分であって、広幅の材料ウエブを狭幅の巻体に切断し
たり、付加的な横裁ちにより個別シートを得たりする装
置である。

DE−AS2142117によって公知の裁断装置は、対をなし
てスライダに支承されているカッタを有し、一方の側の
カッタ・スライダが、循環するベルトとして構成された
共通の駆動装置を有している。各カッタ・スライダに所
属して、２つの位置へ可動の固定部材が配属されてい
る。この固定部材により、駆動装置との連結や、案内へ
のカッタの固定が可能となる。この固定部材は複動シリ
ンダとして構成されている。

この裁断装置においては、スライダは循環するベルト
の片側の直線状ベルト部分にしか連結できないので、ベ
ルトは、両方の方向へ調節するためにそのつど循環方向
を変えねばならない。このためには、ベルト駆動の高価
な制御装置が必要である。加えて、調節に長時間を必要
とする。それは、種々のスライダを同時に逆方向に位置
決めすることはできないからである。

発明が解決しようとする課題 本発明の根底をなす課題は、簡単な構造で、両方の調
節方向にスライダを同時に位置決めすることが可能な位
置決め装置を提供することにある。

課題を達成するための手段 この課題は、特許請求の範囲第１項記載の特徴によっ
て解決される。

本発明によれば、個々のスライダを調節する循環ベル
トは、一方の方向に駆動するだけでよい。スライダはの
両側の直線状ベルト部分に交番に連結できるので、スラ
イダは、ベルトの運動方向を変えることなく、簡単に両
方の方向に調節可能である。同様に、共通の案内に支承
された２つのスライダを、同時に逆方向へ運動させ、調
節時間をできるだけ短くすることも可能である。

特許請求の範囲第２項以下には、本発明の特に有利な
構成が示されている。

請求項２には、連結装置の構造的に有利な構成が示さ
れているのに対し、請求項３及び４には、作業位置にス
ライダを固定する有利な固定エレメントが示されてい
る。

更に、請求項６と７には、制御装置によって個々のス
ライダの位置決めを正確に行なうことのできる本発明の
構成が示されている。

実施例 次に説明する実施例では、本発明による装置は、縦裁
ち装置の円形カッタの位置決めに使用される。対形式で
配置された円形カッタによって、材料ウエブ、例えば紙
又は厚紙のウエブが個別のウエブに分割され、これらの
ウエブは次いで巻き取られてロールにされるか、横裁ち
されて、シートにされる。

ウエブ状又はシート状の材料のための加工機械におけ
るほかの有利な用途としては、例えば次の次のような用
途がある： −巻取り装置の巻取りステーションの位置決め、 −ウエブから個別シートを切断し、次いでこれらシート
をパイルに積重ねる横裁ち装置に備えられた、横サイズ
を決定するか、又は横サイズに依存するエレメントの位
置決め。これらのエレメントに属するものとしては、既
述の縦カッタのほかに、搬送エレメントや、シートの長
手側に作用するあらゆるエレメント、例えば、擦り板
や、排紙装置の搬送エレメントなどである。

第１図に示した縦裁ち装置は、ウエブ１に対して直角
方向に調節移動可能な複数の円形カッタ対を有してい
る。これらカッタ対は、それぞれ下刃２と上刃３とから
成っている。下刃２と上刃３は、それぞれスライダ6,7
の受容部4,5に回転可能に支承されている。スライダ6,7
は、横材10,11に取り付けられたロッド形又は類似形状
の案内8,9に沿って可動である。

スライダ6,7の位置決めに役立つのは、スライダ6,7を
案内に沿って調節移動させる調節装置12,13であり、こ
の調節装置の構造は、第３図に下刃調節装置12について
詳細に示してある。上刃調節装置の構造も、これに相応
した構造である。

調節装置12は、スライダ6,7を駆動装置に連結する連
結部材として、複動シリンダを有している。この複動シ
リンダのシリンダ14は、案内８の支承部15の間でスライ
ダ６の固定されている。複動シリンダのピストンの両方
の端部16,17は、モータ20によって駆動される循環ベル
トの、それぞれ一方の直線状ベルト部分18,19に圧着可
能である。これらの直線状ベルト部分は、ウエブに対し
て直角の方向に調節移動区間の全長にわたって案内８と
平行に延びている。循環ベルトの両端のベルト車の間の
直線状ベルト間部分18,19は、それぞれピストン端部16,
17と反対の側が、スライダ６の突起21,22に密接してい
るので、スライダ６は、交番に直線状ベルト部分18,19
の一方を、ピストン端部16,17を介して締付け固定可能
である。この目的のため、シール23によって分離された
両方のシリンダ室24,25には、交番に導管26,27を介して
圧縮空気が負荷される。

複動シリンダの、横材10に向いた側には、別の圧力室
28があり、ここには、この室に適合した、下方へ可動の
締め付けピストン29が収容されている。この締め付けピ
ストンによって、スライダ６は、圧力室28に導管30を通
じて圧縮空気が負荷されると、横材10に締付け固定さ
れ、案内８上の作業位置に固定される。

第３図には、弁31,32が略示してある。これらの弁に
よって、ピストン端部16,17を有するピストンと締め付
けピストン29との運動が制御装置（図示せず）から制御
される。

上述の空気力式の複動シリンダの代りに、電磁操作さ
れるピストンを用いて、スライダ6,7を、その都度の直
線状ベルト部分18,19に締め付け、また横材10に固定す
ることができる。

図示の実施例の場合、各下刃スライダ６と上刃スライ
ダ７のところに、位置決めのためアングル・エンコーダ
33が固定されている（第１図）。アングル・エンコーダ
33は、回転可能な信号円板と結合されたピニオン34を有
しており、このピニオンは横材19,11と結合されたラッ
ク35とかみ合っている。横材10,11に沿ってスライダ6,7
を調節移動させる際に、アングル・エンコーダ33は調節
移動距離に比例する数の計数パルスを発生させる。この
計数パルスの数から、制御装置は、周知の出発位置に基
づいてその都度のスライダ位置を算出する。個々のスラ
イダ6,7の調節移動は、このように、実際の位置と新し
い目標位置とに基づいて、制御装置によって制御するこ
とができる。

アングル・エンコーダ33の代りに、ほかの絶対測定式
又は増分測定式の距離測定装置を使用することもでき
る。同じように、一方の側のスライダ、有利には下刃ス
ライダ６だけを、絶対測定又は増分測定によって位置決
めし、次いで他方の側の所属のスライダ、有利には上刃
スライダ７を、既に位置決め済みのスライダに対して相
対的に移動させることも可能である。この場合、この相
対運動は、公知の接近フィーラ（例えばホール発電機）
を使用して行なわれる。これらのフィーラにより、互い
に所属する２つのスライダ6,7の間隔を検知することが
できる。

個々のスライダ6,7の位置決めのためには、循環ベル
トは、モータ20によって一定速度で一方の循環方向で連
続駆動される（第２図では、循環ベルとは矢印37の方
向、つまり時計回りに循環する）。かくして、第２図で
は、ベルトの直線状ベルト部分18は右方向へ、直線状ベ
ルト部分19は左方向へ運動する。第３図の断面図では、
直線状ベルト部分19は図平面の奥に向かって動き、直線
状ベルト部分18は図平面から手前に動く。

目標位置に調節移動が行われて、縦裁ち装置が運転し
ている場合、スライダ6,7は、横材10,11に締め付け固定
されている。そのためには、弁32から圧縮空気が圧力室
28へ導入され、したがって締め付けピストン29は横材1
0,11に押し付けられる。同時に、シリンダ室24,25の空
気が逃がされるので、ピストン端部16もピストン端部17
も、それぞれの直線状ベルト部分18,19に密着すること
はない。スライダ6,7を新たに位置決めするには、ま
ず、圧力室28の空気を逃がし、横材10,11への締め付け
結合が解かれる。同時に−必要な調節移動方向に応じて
−シリンダ室24又は25が圧縮空気を負荷され、その都度
他方のシリンダ室の空変が逃がされるか、逃がされたま
まの状態に維持される。シリンダ室25へ圧縮空気が供給
されると、ピストン端部16が直線状ベルト部分18に向か
って動き、スライダ６を直線状ベルト部分18に連結す
る。これによってスライダ６は第２図で右に向かって動
かされる。シリンダ室24へ圧縮空気が導入され、スライ
ダが直線状ベルト部分19に連結されると、スライダ６
は、同じようにして第２図で左に向かって調節移動す
る。

このようにして、循環ベルトの循環方向を変えること
なしに、スライダ6,7は両方の方向へ動かすことができ
る。同じように、個々のスライダ６又は７を一方の方向
へ、同時に他のスライダ６又は７を他方の方向へ動かし
て、調節移動時間を可及的に短くすることも可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置の略示側面図、第２図は、第１
図の矢印ｘの方向に見た図、第３図は、第１図の一部分
を拡大して示した部分的断面図である。 １……ウエブ、２……下刃、３……上刃、4,5……受容
部、6,7……スライダ、8,9……案内、10,11……横材、1
2,13……調節装置、14……シリンダ、15……支承部、1
6,17……ピストン端部、18,19……循環ベルトの直線状
ベルト部分、20……モータ、21,22……突起、23……シ
ール、24,25……シリンダ室、26,27……導管、28……圧
力室、29……締め付けピストン、30……導管、31,32…
…弁、33……アングル・エンコーダ、34……ピニオン、
35……ラック、37……矢印

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−156688（ＪＰ，Ａ) 米国特許4188846（ＵＳ，Ａ) 欧州特許出願公開347060（ＥＰ，Ａ １) 西独国特許3426302（ＤＥ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B62D 7/26

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ウエブ状又はシート状の材料（１）のため
   の加工機械の、案内（8,9）に沿って可動のスライダ
   （6,7）等を位置決めする装置であって、循環ベルトと
   して構成され、その両端のベルト車の間の直線状ベルト
   部分（18,19）が案内（8,9）と平行に延びている駆動装
   置を有しており、その際各スライダ（6,7）が、それを
   駆動装置と連結するための連結装置を有している形式の
   ものにおいて、連結装置が循環ベルトの両方の直線状ベ
   ルト部分（18,19）の間に配置されており、かつ、両方
   の直線状ベルト部分（18,19）と交番に連結するため
   の、共通の駆動部（14）によって操作可能なエレメント
   （16,17）を有していることを特徴とする位置決め装
   置。
2. 【請求項２】連結装置として複動シリンダが設けられて
   いることを特徴とする請求項１記載の位置決め装置。
3. 【請求項３】スライダ（6,7）を案内（8,9）に沿って調
   節移動させる調節装置（12,13）が、スライダ（6,7）を
   案内（8,9）に固定するエレメント（29）を有している
   ことを特徴とする請求項２記載の位置決め装置。
4. 【請求項４】連結装置のシリンダ（14）に別の圧力室
   （28）が取り付けられており、この別の圧力室（28）
   は、連結装置の共通の駆動部（14）によって操作可能な
   エレメント（16,17）に対して直角方向に可動の締め付
   けピストン（29）を固定エレメントとして有しているこ
   とを特徴とする請求項３記載の位置決め装置。
5. 【請求項５】連結装置と、調節装置（12,13）の固定エ
   レメントとが、空気力で操作されることを特徴とする請
   求項１から４までのいずれか１項記載の位置決め装置。
6. 【請求項６】各スライダ（6,7）が、位置の決定及び変
   更用の絶対測定位置センサ、有利にはアングル・エンコ
   ーダ（33）を有することを特徴とする請求項１から５ま
   でのいずれか１項記載の位置決め装置。
7. 【請求項７】一方の側のスライダ（６）が、絶対測定位
   置センサを有し、他方の側の所属スライダ（７）が、接
   近センサにより位置決めされることを特徴とする請求項
   １から５までのいずれか１項記載の位置決め装置。