JP3080153B2 - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

Info

Publication number
JP3080153B2
JP3080153B2 JP09220430A JP22043097A JP3080153B2 JP 3080153 B2 JP3080153 B2 JP 3080153B2 JP 09220430 A JP09220430 A JP 09220430A JP 22043097 A JP22043097 A JP 22043097A JP 3080153 B2 JP3080153 B2 JP 3080153B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric transformer
piezoelectric
elastic body
transformer element
concave portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09220430A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1168184A (ja
Inventor
隆之 猪井
光弘 杉本
宏実 鈴木
直人 大白
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP09220430A priority Critical patent/JP3080153B2/ja
Priority to US09/120,502 priority patent/US6097132A/en
Publication of JPH1168184A publication Critical patent/JPH1168184A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3080153B2 publication Critical patent/JP3080153B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/40Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and electrical output, e.g. functioning as transformers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/88Mounts; Supports; Enclosures; Casings

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルの冷陰
極管バックライト用のインバータ回路や、各種の高電圧
発生用の電源回路で用いられる圧電トランスに関し、特
に、圧電トランス素子がケースの内部に保持されている
構成の圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、テレビジョンの偏向装置や、複写
機の帯電装置など高電圧を必要とする装置の内部の電源
回路では、高電圧発生用の変圧素子として巻線型の電磁
トランスが用いられてきた。この電磁トランスでは、磁
性体のコアに導線を巻き付ける構造になっており、高い
変性比を実現するために、コアに巻き付ける導線の巻数
を多くする必要がある。このため、小型の電磁トランス
を実現することが非常に困難であった。
【0003】電磁トランスに対して、小型で高効率の圧
電トランスが用いられつつある。圧電トランスは、駆動
部及び発電部を有するものである。この圧電トランスで
は、駆動部に交流電圧を印加することで、逆圧電効果に
より圧電トランスに歪みを発生させ、その歪みを利用し
て圧電効果によって発電部に電圧を発生させている。
【0004】図8は、従来の圧電トランスを説明するた
めの斜視図である。図8に示されるように、従来の圧電
トランスとしては、対称ローゼン3次型の圧電トランス
素子160が用いられている。この対称ローゼン3次型
の圧電トランス素子160は、長板状の圧電体160a
の両面に電極が形成されたものである。圧電体160a
の一端部が圧電トランス素子160の低インピーダンス
の駆動部161aであり、他端部が圧電トランス素子1
60の低インピーダンスの駆動部161bである。
【0005】駆動部161aの表面に入力電極111が
形成され、駆動部161aの裏面に、駆動部161aを
介して入力電極111と対向する入力電極(不図示)が
形成されている。また、駆動部161bの表面に入力電
極113が形成され、駆動部161bの裏面に、駆動部
161bを介して入力電極113と対向する入力電極
(不図示)が形成されている。この駆動部161a及び
161bでは、圧電体160aの厚み方向に分極されて
いる。
【0006】圧電体160aの表面の、入力電極111
と入力電極113とで挟まれる部分では、入力電極11
1と入力電極113との中間を通る帯状の出力電極11
5が部分的に形成されている。また、圧電体160aの
裏面にも、圧電体160aを介して出力電極115と対
向する出力電極(不図示)が形成されている。
【0007】圧電体160aの、入力電極111と出力
電極115との間の部分が、高インピーダンスの発電部
162aである。また、圧電体160bの、入力電極1
13と出力電極115との間の部分が、高インピーダン
スの発電部162bである。発電部162a及び162
bでは、入力電極111、出力電極115及び入力電極
113が並ぶ方向、すなわち圧電体160aの長さ方向
に分極されている。
【0008】また、圧電トランス素子160では、入力
電極111の振動のノード位置117、出力電極115
の振動のノード位置118、入力電極113の振動のノ
ード位置119にそれぞれ、リード線の端部が半田付け
されている。また、入力電極111と対向する入力電極
のノード位置(不図示)、出力電極115と対向する出
力電極のノード位置(不図示)、入力電極113と対向
する入力電極のノード位置(不図示)にもそれぞれ、リ
ード線の端部が半田付けされている。
【0009】リード線123とリード線124との間に
交流電圧を入力することにより、入力電極111及び1
13、入力電極111と対向する入力電極、並びに、入
力電極113と対向する入力電極に交流電圧が印加さ
れ、駆動部161a及び161bが駆動する。そして、
駆動部161a及び161bが駆動することにより、圧
電体160aの圧電効果により発電部162a及び16
2bに電圧が発生する。一方、出力電極115及び、出
力電極115と対向する出力電極にリード線125が半
田付けされており、そのリード線125とリード線12
4との間から、発電部162a及び162bに発生した
電圧が出力される。このような対称ローゼン3次型の圧
電トランス素子の場合、振動のノード位置にリード線を
接続するので、ロスの少ない圧電トランスが得られる。
【0010】しかし、図8に示したような圧電トランス
を量産する場合、リード線を半田付けする際の作業性が
悪いという問題点がある。この問題点に対して、特開平
8−298213号公報では、バネ性を有するリード端
子をインサートモールドしたケースに圧電トランス素子
を挿入し、リード端子のバネ性を利用して圧電トランス
素子を保持する方法が開示されている。
【0011】図9は、特開平8−298213号公報に
おける圧電トランスを示す分解斜視図であり、図10
は、その圧電トランスの断面図である。
【0012】図9に示されるように、特開平8−298
213号公報における圧電トランスとしては、図8に示
した圧電トランスと同様に、圧電体の表面に入力電極2
11、入力電極213及び出力電極215が形成された
圧電トランス素子260が用いられている。その圧電体
の裏面には、圧電体を介して、入力電極211及び21
3や、出力電極215のそれぞれに対向する入力電極や
出力電極が、図8に示した圧電トランスと同様に形成さ
れている。上部ケース202aに第1のリード端子とし
ての上部リード端子203aがインサートモールドさ
れ、下部ケース202bに第2のリード端子としての下
部リード端子203bがインサートモールドされてい
る。
【0013】このような圧電トランスでは、上部ケース
202aと下部ケース202bとの間に圧電トランス素
子260を挿入して上部ケース202aと下部ケース2
02bとが接合される。
【0014】また、図10に示されるように、上部ケー
ス202aと下部ケース202bとが接合されて組み立
てられた状態の圧電トランスでは、入力電極211が接
点部281aで上部リード端子203aと電気的に接続
されている。入力電極211と圧電体を介して対向する
入力電極212が、接点部281bで下部リード端子2
03bと電気的に接続されている。上部リード端子20
3a及び下部リード端子203bのバネ性により、それ
ぞれのリード端子が圧電トランス素子260を押圧する
ことで圧電トランス260がケース内で保持されてい
る。上部ケース302aの内壁には突起283aが形成
され、下部ケース202bの内壁には突起283bが形
成されている。突起283a及び283bは、圧電トラ
ンス素子260の移動を制限するためのものである。
【0015】このように、圧電トランス素子をリード端
子のバネ性により保持する圧電トランスのパッケージン
グ方法は、圧電トランス素子の組立性及び実装性の面で
大変優れている。
【0016】次に、圧電トランス素子をケースに実装す
る方法として、弾性体を用いた方法について説明する。
図11は、特開平9−36453号公報における圧電ト
ランスを示す分解斜視図である。図11に示される圧電
トランス素子は、横々効果を用いた2次モードの振動の
ものである。また、図12は、特開平6−342945
号公報における圧電トランスを示す分解斜視図である。
図12に示される圧電トランス素子はローゼン2次タイ
プのものである。
【0017】図11に示されるように、特開平9−36
453号公報における圧電トランスでは、圧電トランス
素子391の振動のノード位置に弾性体392a及び3
92bが接着剤で取り付けられている。そして、弾性体
392a及び392bが取り付けられた状態で圧電トラ
ンス素子391がケース393に収容される。ケース3
93の内部では、弾性体392a及び392bによって
圧電トランス素子391が保持される。圧電トランス素
子391に備えられている電極には、振動の非ノード位
置でリード線(不図示)が取り付けられている。
【0018】また、図12に示されるように、特開平6
−342945号公報における圧電トランスでは、圧電
トランス素子401の振動のノード位置に弾性体402
a及び402bが接着剤で取り付けられている。圧電ト
ランス素子401の表面側の電極に、振動の非ノード位
置でリード線404aが取り付けられ、圧電トランス素
子401の裏面側の電極に、振動の非ノード位置でリー
ド線404bが取り付けられている。さらに、圧電トラ
ンス素子401の端部の出力側電極にもリード線404
cが取り付けられている。圧電トランス素子401の、
リード線404cが取り付けられた位置も、振動の非ノ
ード位置である。
【0019】このような圧電トランス素子401がケー
ス403の内部に収容される。ここで、弾性体402a
及び402bを接着剤でケース403の内壁に固着させ
る。これにより、圧電トランス素子401が弾性体40
2a及び402bによってケース403の内部で保持さ
れる。
【0020】図12に示される圧電トランスの場合、特
に、圧電トランス素子401の端部で出力側電極に取り
付けられたリード線404cは、振動の振幅する部分に
取り付けられており、圧電トランス素子401の振動が
著しく阻害されることになる。
【0021】次に、圧電トランス素子を実装する方法と
して、弾性体であるOリングを用いた方法について説明
する。図13は、特開平6−326371号公報におけ
る圧電トランスを示す斜視図である。図13に示される
圧電トランス素子は、ローゼン2次タイプのものであ
る。
【0022】図13に示されるように、特開平6−32
6371号公報における圧電トランスでは、圧電トラン
ス素子511の振動のノード位置にOリング512aが
接着剤513で取り付けられている。Oリング512a
が取り付けられた振動のノード位置と異なる振動のノー
ド位置には、Oリング512bが接着剤513により取
り付けられている。一方、基板514には、フック51
5が備えられており、Oリング512a及び512bを
それぞれ、各Oリングに対応するフック515に引っか
けることによって圧電トランス素子511が基板514
に実装されている。
【0023】圧電トランス素子511の、基板514と
反対側の面に備えられた電極に、振動の非ノード位置で
リード線516aの一端が取り付けられ、圧電トランス
素子511の基板514側の面に備えられた電極に、振
動の非ノード位置でリード線516bの一端が取り付け
られている。そして、圧電トランス素子511の端部の
出力側電極にリード線516cの一端が取り付けられて
いる。
【0024】図13に示した圧電トランスの場合でも、
図12に示したものと同様に、特に、圧電トランス素子
511の端部の出力側電極に取り付けられたリード線5
16cは、振動の振幅する部分に取り付けられおり、圧
電トランス素子511の振動が著しく阻害されることに
なる。
【0025】次に、圧電素子を共振子として用いたセラ
ミック共振子において、その圧電素子を、内壁に突起が
形成された弾性体の枠体の内部に実装する方法について
説明する。図14は、特開平8−139556号公報に
おけるセラミック共振子を示す分解斜視図である。図1
4に示されるセラミック共振子に用いられている圧電素
子は、広がり振動モードを利用したものである。
【0026】図14に示すように、特開平8−1395
56号公報におけるセラミック共振子では、弾性体の枠
体622の内壁に位置決め用突起623が形成されてい
る。その枠体622の内部で、板状の圧電素子621が
位置決め用突起623によって保持される。圧電素子6
21の表面に電極板624aが配置され、圧電素子62
1の裏面に電極板624bが配置されるようにして、電
極板624a及び624bを枠体622に組み付けたも
のがケース625の内部に収容される。そして、ケース
625の開口部が封止樹脂626によって封止される。
【0027】図14に示したセラミック共振子では、圧
電素子621の位置決めをする突起が、圧電素子621
の広がり振動を阻害する位置に形成されている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ローゼン3次型の圧電トランスにおいては、振動のノー
ド位置にリード線が半田付けされているので、圧電トラ
ンスを量産する際に組立作業性が悪いという問題点があ
る。
【0029】また、図9及び図10に示した、特開平8
−298213号公報における圧電トランスでは、圧電
トランス素子を保持するリード端子及び、圧電トランス
素子の移動を制限する突起が設けられたケースに圧電ト
ランス素子を収容して圧電トランス素子を実装できるこ
とから組立作業性は良好である。ところが、ケース内の
突起283a及び283bが、モールドするケースの材
質と同等の硬い材質にならざるを得ないことから、振動
または衝撃等の影響で圧電トランス素子260が突起2
83a及び283bに接触した場合及び、位置ずれによ
り圧電トランス素子260がケースに接触した場合、圧
電トランス素子260の振動特性が低下したり、可聴音
領域の振動が発生して、この振動がケースに伝搬し、騒
音を発生させるという問題点がある。
【0030】さらに、特開平9−36453号公報、特
開平6−342945号公報及び、特開平6−3263
71号公報のそれぞれの公報における圧電トランスで
は、圧電トランス素子を保持するために圧電トランス素
子の振動のノード位置に接着した弾性体により圧電トラ
ンス素子がケースまたは基板に取り付けられていて、圧
電トランス素子の電極には、リード線が半田付けで取り
付けられている。ところが、リード線の半田付けの位置
は圧電トランス素子の振動の非ノード位置であり、リー
ド線を振動のノード位置に取り付けることができない。
このため、振動の非ノード位置にリード線が取り付けら
れることにより圧電トランス素子の振動が阻害され、圧
電トランス素子の振動特性が低下するという問題点があ
る。また、圧電トランス素子を保持するために用いられ
ている弾性体の取り付け位置を、振動のノード位置と規
定するのみで、その取り付け位置の範囲については明示
されておらず、弾性体の材質についても詳細な規定はさ
れていない。さらに、特開平6−326371号公報に
おける圧電トランスでは、圧電トランス素子に接着され
たOリングを、基板に備えられたフックに引っかけるこ
とで圧電トランス素子が基板に実装されているが、振動
または衝撃等により、Oリングが基板のフックから外れ
てしまうという危険性がある。
【0031】さらに、図14に示した特開平8−139
556号公報におけるセラミック共振子では、弾性体の
枠体622に形成された位置決め用突起623が、圧電
素子621の振動を阻害する位置に形成されているとい
う問題点がある。また、位置決め用突起623の形状及
び位置について詳細な規定がされておらず、枠体622
の材質として用いる弾性体の材質についても詳細な規定
がされていない。
【0032】本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点に鑑み、ケースの内部に圧電トランス素子が収容され
る圧電トランスにおいて、ケース内での圧電トランス素
子の移動を制限するため、あるいは圧電トランス素子の
位置決めするための突起をケースの内壁に形成せず、振
動または衝撃等の影響で圧電トランス素子がケースなど
に接触して、圧電トランス素子の振動特性が低下した
り、可聴音領域の振動が発生したりすることがない圧電
トランスを提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、長板状の圧電体の最大面積面となる表面及
び裏面に電極を形成して成る圧電トランス素子と、前記
圧電体の表面の電極と電気的に接続される第1のリード
端子及び、前記圧電体の裏面の電極と電気的に接続され
る第2のリード端子が備えられ、前記圧電トランス素子
が収容されるケースとを有する圧電トランスにおいて、
前記圧電トランス素子は、前記圧電体の表面の電極を押
圧する前記第1のリード端子及び、前記圧電体の裏面の
電極を押圧する前記第2のリード端子、並びに前記圧電
トランス素子が挿入されたリング状弾性体により前記ケ
ースの内部で保持されていることを特徴とする。
【0034】上記の発明では、第1及び第2のリード端
子が備えられたケースの内部に圧電トランス素子を収納
する際に、圧電トランス素子の電極を押圧する第1及び
第2のリード端子、並びに、圧電トランス素子が挿入さ
れたリング状弾性体により圧電トランス素子を保持する
ので、圧電トランス素子の振動の阻害が抑えられる。従
って、高いエネルギー変換効率を有する圧電トランスが
得られる。また、圧電トランスに外力が加わってもケー
ス内部での圧電トランス素子の位置ずれが防止され、信
頼の高い圧電トランスが得られる。
【0035】また、前記第1及び第2のリード端子が前
記圧電トランス素子の振動のノード位置で前記圧電トラ
ンス素子を保持し、前記リング状弾性体が、前記圧電ト
ランス素子の振動のノード位置からの距離が3mm以内
の範囲で前記圧電トランス素子を保持していることが好
ましい。
【0036】さらに、前記圧電トランス素子が前記リン
グ状弾性体に挿入される方向における前記リング状弾性
体の幅が1〜2mmであることが好ましい。
【0037】さらに、前記リング状弾性体の材質が、シ
リコン系、ウレタン系またはテフロン系のゴム材であ
り、かつ、前記リング状弾性体の硬度が、 JIS A
5758に準ずる30〜50°であることが好まし
い。
【0038】上記のような位置で第1及び第2のリード
端子、並びにリング状弾性体が圧電トランス素子を保持
していて、リング状弾性体の幅が1〜2mmであり、か
つ、リング状弾性体が、上記のような材質及び硬度のも
のであることにより、圧電トランス素子の振動の阻害
や、ケース内部での圧電トランス素子の位置ずれが防止
される。
【0039】また、本発明は、長板状の圧電体の最大面
積面となる表面及び裏面に電極を形成して成る圧電トラ
ンス素子と、前記圧電体の表面の電極と電気的に接続さ
れる第1のリード端子及び、前記圧電体の裏面の電極と
電気的に接続される第2のリード端子が備えられ、前記
圧電トランス素子が収容されるケースとを有する圧電ト
ランスにおいて、前記圧電トランス素子は、前記圧電体
の表面の電極を押圧する前記第1のリード端子及び、前
記圧電体の裏面の電極を押圧する前記第2のリード端
子、並びに前記圧電トランス素子の端部が挿入される凹
部が形成されたホルダー状弾性体により前記ケースの内
部で保持されていることを特徴とする。
【0040】上記の発明では、第1及び第2のリード端
子が備えられたケースの内部に圧電トランス素子を収納
する際に、圧電トランス素子の電極を押圧する第1及び
第2のリード端子に圧電トランス素子が保持されると共
に、ホルダー状弾性体の凹部に圧電トランス素子の端部
が挿入されて、そのホルダー状弾性体により圧電トラン
ス素子がケースの内部で保持されるので、圧電トランス
素子の振動の阻害が抑えられる。従って、高いエネルギ
ー変換効率を有する圧電トランスが得られる。また、圧
電トランスに外力が加わってもケース内部での圧電トラ
ンス素子の位置ずれが防止され、信頼の高い圧電トラン
スが得られる。
【0041】さらに、前記ホルダー状弾性体の凹部の深
さが3mm以下であることが好ましい。
【0042】さらに、前記ホルダー状弾性体の凹部の内
部の側面及び底面に凸部が複数形成されていることが好
ましい。
【0043】さらに、前記ホルダー状弾性体の凹部の内
部に形成された前記凸部の位置としては、前記凹部に前
記圧電トランス素子が挿入された状態で前記圧電体の表
面及び裏面と対向する前記凹部の内部の側面に形成され
た凸部の位置が、前記凹部の底面からの距離が2mm以
内の範囲にあり、前記凹部の底面に形成された凸部の位
置が、前記凹部に前記圧電トランス素子が挿入された状
態で前記圧電体の側面と対向する前記凹部の内部の側面
からの距離が2mm以内の範囲にあることが好ましい。
【0044】さらに、前記ホルダー状弾性体の凹部の内
部に複数形成された凸部の形状が、半径0.3mm以下
の半円柱状であることが好ましい。
【0045】さらに、前記ホルダー状弾性体の凹部の内
部に複数形成された凸部の形状が、半径0.3mm以下
の半球状であることが好ましい。
【0046】さらに、前記ホルダー状弾性体の材質が、
シリコン系、ウレタン系またはテフロン系のゴム材であ
り、かつ、前記ホルダー状弾性体の硬度が、 JIS
A5758に準ずる30〜50°であることが好まし
い。
【0047】前記圧電トランス素子の外形寸法として
は、長さが42mm、幅が5.5mm、厚さが1mmで
あることが好ましい。
【0048】上記のような形状でホルダー状弾性体が形
成され、また、ホルダー状弾性体が、上記のような材質
及び硬度のものであることにより、圧電トランス素子の
振動の阻害や、ケース内部での圧電トランス素子の位置
ずれが防止される。
【0049】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0050】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態の圧電トランスを示す分解斜視図である。
本実施形態の圧電トランスでは、図1に示すように、長
板状の圧電体1aの最大面積面となる表面に、入力電極
11、出力電極15及び入力電極13がそれぞれ部分的
に形成されている。また、圧電体1aの裏面には、圧電
トランス素子1を介して、入力電極11と対向する入力
電極(不図示)と、出力電極15と対向する出力電極
(不図示)と、入力電極13と対向する入力電極(不図
示)とが形成されている。このように圧電体1aの表面
及び裏面に、入力電極及び出力電極が形成されることで
圧電トランス素子1が構成されている。
【0051】このような圧電トランス素子1が、リング
状弾性体4を挿入されて、上部ケース2aと下部ケース
2bとにより構成されるケース内に収容される。上部ケ
ース2aに、第1のリード端子としての上部リード端子
3aがインサートモールドされ、下部ケース2bに、第
2のリード端子としての下部リード端子3bがインサー
トモールドされている。上部ケース2aにはスナップフ
ィットフィンガー5が形成されており、下部ケース2b
には、スナップフィットフィンガー5に対応する突起部
9が形成されている。スナップフィットフィンガー5を
突起部9にはめ合わせることで、上部ケース2a及び下
部ケース2bから成るケースのケーシングが行われる。
【0052】そして、下部ケース2bの内壁にはリング
状弾性体4を位置決めするための溝6が形成されてお
り、圧電トランス素子1を収容する際に、溝6にリング
状弾性体4を挿入することによりリング状弾性体4の位
置決めを行う。これにより、リング状弾性体4の位置決
めを行うと共に、圧電トランス素子1を上部ケース2a
及び下部ケース2bの内壁に直接接触させない状態で圧
電トランス素子1をリング状弾性体4によりケース内で
保持することができる。ここで、入力電極11、出力電
極15及び入力電極13には、それぞれの電極に対応す
る上部リード端子3aが押圧される。圧電体1aの裏面
の複数の電極にも、それぞれの電極に対応する下部リー
ド端子3bが押圧される。このように上部リード端子3
a及び下部リード端子3bが圧電トランス素子1を押圧
することによっても、圧電トランス素子1がケース内で
保持されている。これにより、圧電トランスの外部から
力が加えられても、圧電トランス素子1がケースに接触
しないので、圧電トランス素子1の振動が阻害されるこ
となく、また、騒音を発生させることもない。
【0053】次に、本実施形態の圧電トランスに用いら
れた構成部品について詳細に説明する。
【0054】圧電トランス素子1の外形寸法は、長さL
=42mm、幅W=5.5mm、厚さT=1mmであ
る。この圧電トランス素子1は、従来の技術の図8に示
した対称3次ローゼン型の圧電トランス素子と同様のも
のである。圧電トランス素子1の駆動周波数は115k
Hzである。
【0055】上部ケース2a及び下部ケース2bのモー
ルド材料としては、液晶ポリマであるゼナイト7130
(商品名、デュポン社製)を使用した。上部ケース2a
及び下部ケース2bを組み合わせた時のケースの外形寸
法は、長さL=44.4mm、幅W=11.8mm、厚
さT=3.2mmである。
【0056】図2は、上部リード端子3aを示す平面図
及び側面図であり、図2(a)が上部リード端子3aの
平面図、図2(b)が上部リード端子3aの側面図であ
る。図2(a)に示すように、上部リード端子3aの寸
法としては、上部ケース2aの内壁から上部リード端子
3aの先端までの長さa=5.1mm、先端部での幅b
=0.4mmである。上部リード端子3aの、上部ケー
ス2aにインサートモールドされている部分の幅cは、
バネ材料としての強度をもたせるため、1.0mmに広
げられている。
【0057】また、図2(b)に示すように、上部リー
ド端子3aの板厚dが0.1mmであり、上部リード端
子3aの先端部の段差eが0.45mmである。段差e
には、上部リード端子3aの板厚dが含まれている。
【0058】図3は、下部リード端子3bを示す平面図
及び側面図であり、図3(a)が下部リード端子3bの
平面図、図3(b)が下部リード端子3bの側面図であ
る。図3(a)に示すように、下部リード端子3bの寸
法としては、下部ケース2bの内壁から下部リード端子
3bの先端までの長さf=5.1mm、先端部での幅g
=0.4mmである。下部リード端子3bの、下部ケー
ス2bにインサートモールドされている部分の幅hは、
バネ材料としての強度をもたせるため、1.0mmに広
げられている。
【0059】また、図3(b)に示すように、下部リー
ド端子3bの板厚iが0.1mmであり、下部リード端
子3bの先端部の段差jが0.45mmである。段差j
には、下部リード端子3bの板厚iが含まれている。
【0060】上部リード端子3a及び下部リード端子3
bの材料としては、リン青銅(C−5210H材)が用
いられており、それぞれのリード端子の表面には、厚さ
2〜5μmのニッケルメッキが施されている。
【0061】また、上部リード端子3a及び下部リード
端子3bの圧電トランス素子1への接触部は、振動のノ
ードに位置している。上部リード端子3aの接触長さ
は、上部リード端子3aの先端の幅b=0.4mmであ
り、下部リード端子3bの接触面積Sは、S=0.25
mm2 である。上部リード端子3a及び下部リード端子
3bを圧電トランス素子1に接触させるために、それぞ
れのリード端子の押し込みストロークが約0.5mm、
それぞれのリード端子の押圧力が50〜60gfに設定
されている。
【0062】図4は、図1に示されるリング状弾性体4
を示す斜視図である。図4に示すようにリング状弾性体
4の外形寸法としては、長さk1=9.5mm、高さp1
=2mm、幅q1=2mmとなっている。幅q1は、圧電
トランス素子1がリング状弾性体4に挿入される方向に
おけるリング状弾性体4の幅である。また、圧電トラン
ス素子1を挿入する、リング状弾性体4の穴の形状は、
長さk2=5.5mm、高さp2=1mmである。そし
て、幅k3が2mm、幅p3が0.5mmとなっている。
リング状弾性体4の材質としては、硬度が30°(JI
S A 5758に準ずる)のシリコン系のゴム材が用
いられている。また、リング状弾性体4を圧電トランス
素子1に取り付ける位置は、振動のノード位置から3m
mの範囲内とした。
【0063】上記の構成部品から成る圧電トランスにお
いて、騒音レベル評価、電気特性評価、振動及び衝撃試
験、信頼性評価を行ったところ、以下で説明する結果が
得られた。
【0064】まず、騒音レベルについて測定したとこ
ろ、従来の技術の図9に示したものではバックグラウン
ドレベルより数dBから10dB大きい騒音が発生して
おり、その発生率が約30%であったが、本実施形態の
圧電トランスでは、騒音レベルが全てバックグラウンド
レベルであった。
【0065】次に、電気特性を評価したところ、エネル
ギー変換効率は94%以上であり、従来の圧電トランス
のようにリード端子のみで圧電トランス素子を保持する
構成のものと有意差はなく、良好な結果であった。
【0066】続いて、振動及び衝撃試験により、圧電ト
ランスの保持力の評価を行った。
【0067】振動試験は、加速度3Gで振動周波数を1
5Hz〜1kHzに変化させた振動を1サイクルとし
て、圧電トランスのXYZ方向に対して、1サイクル/
1分、各方向2時間(120サイクル)の条件で、圧電
トランスのサンプル数20個で行った。振動試験後の騒
音レベル測定、電気特性においても、振動試験前の初期
値と変わらず、良好な結果であった。
【0068】また、衝撃試験は、圧電トランスの±XY
Z方向から、加速度100G(衝撃時間約10mse
c)の衝撃を、各方向で10回印加する条件で、サンプ
ル数20個で行った。衝撃試験後の騒音レベル、電気特
性とも、衝撃試験前の初期値と変わらず、良好な結果で
あった。
【0069】これより、圧電トランスの外部からの力に
対して信頼性のある圧電トランスが実現できた。
【0070】さらに、高温放置、低温放置、高温動作、
熱衝撃試験の信頼性評価を行った(サンプル数、各20
個)ところ、圧電トランスの騒音レベルの増加や、エネ
ルギー変換効率の低下などの問題は生じず、環境変化に
対しても信頼性のある圧電トランスが実現できた。
【0071】上記と同様な構成の圧電トランスで、リン
グ状弾性体4のシリコン系のゴム材の硬度を変化させて
評価したところ、30〜50°(JIS A 5758
に準ずる)の硬度のものでは、上記と同様に良好な結果
であった。ところが硬度が、30°(JIS A 57
58に準ずる)を下回るものでは、リング状弾性体4の
ゴム材が柔らかくなってしまうことから、圧電トランス
素子1を保持する力が弱くなり、振動または衝撃試験に
おける外部からの力の影響で、圧電トランス素子1の位
置ずれが発生し、試験後に騒音レベルが増大するものが
あった。逆に、50°(JIS A 5758に準ず
る)を越える硬度のものでは、ゴム材が硬くなってしま
うことから、圧電トランス素子1を押さえる力が強くな
ってしまい、エネルギー変換効率が、90%以下と低下
するものが発生した。
【0072】また、リング状弾性体4の幅q1を変化さ
せて評価したところ、幅q1が1〜2mmの範囲では上
記と同様に良好な結果であった。ところが、幅q1が1
mmを下回る場合には、リング状弾性体4の保持力が低
下してしまい、振動または衝撃試験における外部からの
力の影響で、圧電トランス素子1の位置ずれが発生し、
試験後に騒音レベルが増大するものがあった。逆に、幅
1が2mmを越える場合には、圧電トランス素子1の
振動の阻害が起こってしまい、エネルギー変換効率が全
体的に低下し、90%を下回る結果であった。
【0073】そして、リング状弾性体4を圧電トランス
素子1に取り付ける位置として、振動のノード位置から
3mmを越える位置に取り付けて評価したところ、エネ
ルギー変換効率は低下し、90%を下回る結果であっ
た。
【0074】リング状弾性体4の材質として用いたシリ
コン系のゴム材の代わりに、ウレタン系及びテフロン系
のゴム材をリング状弾性体4の材質として用いて、上記
と同様の内容で圧電トランスを評価した結果、シリコン
系のゴム材を用いた場合と同様な結果であった。
【0075】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施形態の圧電トランスを示す分解斜視図である。
本実施形態の圧電トランスでは、第1の実施形態と比較
して、圧電トランス素子を保持するために用いる弾性体
と、圧電トランス素子が収容されるケースの一部が異な
っている。この図5では、第1の実施形態と同一の構成
部品に同一の符号を付してある。以下では、第1の実施
形態と異なる点を中心に説明する。
【0076】本実施形態の圧電トランスでは、図5に示
すように、圧電トランス素子1が、圧電トランス素子1
の両端部に取り付けられるホルダー状弾性体7によって
ケースの内部で保持される。ホルダー状弾性体7には、
圧電トランス素子1の端部が挿入される凹部7aが形成
されている。圧電トランス素子1の端部を凹部7aに挿
入することで圧電トランス素子1にホルダー状弾性体7
が取り付けられる。
【0077】また、下部ケース32bは、第1の実施形
態で用いた下部ケース2bと比較して、下部ケース2b
に形成されていた位置決め用溝6が下部ケース32bに
形成されていないことだけが異なっている。下部ケース
32bのその他の形状や寸法は、下部ケース2bと同じ
であり、下部ケース32bに形成された突起部39も下
部ケース2bの突起部9と同一の形状である。従って、
突起部39には上部ケース2aのスナップフィットフィ
ンガー5がはめ合わされる。
【0078】図6は、ホルダー状弾性体7を示す斜視図
である。図6に示すように、ホルダー状弾性体7に形成
された凹部7aの、底面や側面の内壁には、半円柱状に
突出する凸部7bが形成されている。
【0079】図7は、ホルダー状弾性体7を示す断面図
及び、凸部7bの形状を説明するための図であり、図7
(a)が図6のA−A’線断面図、図7(b)が図6の
B−B’線断面図である。図7(c)及び図7(d)
は、凸部7bの形状を説明するための図である。
【0080】図7(a)及び図7(b)に示すように、
ホルダー状弾性体7の外形寸法は、幅w1=9.5m
m、高さv1=2mm、長さu1=5mmである。圧電ト
ランス素子1を挿入する凹部7aの形状は、幅w2
5.5mm、高さv2=1mm、深さu2=3mmであ
る。そして、幅方向の厚みw3=2mm、高さ方向の厚
みv3=0.5mmとなっている。ホルダー状弾性体7
の材質としては、シリコン系のゴム材を用いており、そ
のシリコン系のゴム材の硬度が30°(JIS A 5
758に準ずる)である。
【0081】また、圧電トランス素子1を挿入する凹部
7aの内壁には、図7(c)に示される半円柱状の凸部
7bが形成されている。凸部7bの代わりに、図7
(d)に示される半球状の凸部を凹部7aの内壁に形成
しても良い。
【0082】凸部7bが形成される位置としては、凹部
7aに圧電トランス素子1が挿入された状態で圧電トラ
ンス素子1の表面または裏面と対向する凹部7a内の側
面に形成された凸部は、その凸部の、凹部7aの底面側
の端部と、凹部7aの底面との距離が2mm以下となる
ように形成されている。また、凹部7aに圧電トランス
素子1が挿入された状態で圧電トランス素子1の側面と
対向する凹部7a内の側面に形成された凸部は、その凹
部7aの側面の中心を通り圧電トランス素子1の表面及
び裏面に対して平行に延びるように形成されている。さ
らに、凹部7aの底面に形成される凸部の位置として
は、凹部7aに圧電トランス素子1が挿入された状態で
圧電トランス素子1の側面と対向する凹部7aの側面か
らの距離が2mm以内の範囲に凸部が形成されている。
【0083】凹部7aの内壁のそれぞれの面に形成され
た凸部7bの大きさとしては、半径0.3mmの半円柱
とした。
【0084】上述した本実施形態の圧電トランスにおい
て、第1の実施形態のものと同様に騒音レベル評価、電
気特性評価、振動及び衝撃試験、信頼性評価を行ったと
ころ、第1の実施形態の圧電トランスと同様に良好な結
果が得られた。
【0085】特に、本実施形態の圧電トランスは、第1
の実施形態のものと比べて、圧電トランス素子1のエネ
ルギー変換効率が向上し、エネルギー変換効率が95%
以上となる結果が得られた。
【0086】また、ホルダー状弾性体7の材質として用
いるシリコン系のゴム材の硬度を変化させて圧電トラン
スを評価したところ、硬度が30〜50°(JIS A
5758に準ずる)のものでは、上記と同様に良好な
結果であった。ところが、硬度が30°(JIS A
5758に準ずる)を下回るものでは、ゴム材が柔らか
くなってしまうことから、振動または衝撃試験における
外部からの力の影響で凹部7a内壁の凸部7bがつぶれ
てしまい、圧電トランス素子1の振動が阻害され、圧電
トランスのエネルギー変換効率が90%以下に低下する
ものが発生した。逆に、硬度が50°(JIS A 5
758に準ずる)を越えるものでは、ゴム材が硬くなっ
てしまうことから、圧電トランス素子1を押さえる力が
強くなってしまい、エネルギー変換効率が90%以下に
低下するものが発生した。
【0087】また、ホルダー状弾性体7の凹部7aの深
さu2を変化させて圧電トランス評価したところ、深さ
2が3mmの範囲内では上記と同様に良好な結果であ
った。ところが、深さu2が3mmを上回る場合には、
圧電トランス素子1の振動の阻害が起こってしまい、圧
電トランスのエネルギー変換効率が全体的に低下し、エ
ネルギー変換効率が90%を下回る結果であった。
【0088】そして、ホルダー状弾性体7の凸部7bを
形成する位置として、凹部7aの側面に形成される凸部
を、その凸部の、凹部7aの底面側の端部と、凹部7a
の底面との距離が2mm以上となるように形成し、か
つ、凹部7aの底面に形成される凸部を、その凸部の、
凹部7aの側面側の端部と、凹部7aの側面との距離が
2mm以上となるように形成して圧電トランスを評価し
た。この場合、エネルギー変換効率が低下し、90%を
下回る結果であった。
【0089】さらに、半円柱状の凸部7bの大きさとし
て、凸部7bの半円柱の半径を0.3mmより大きくし
たホルダー状弾性体を用いて圧電トランスを評価したと
ころ、圧電トランス素子1の振動が阻害され、圧電トラ
ンスのエネルギー変換効率が低下してしまった。
【0090】さらに、凹部7aの内壁に、図7(d)に
示したような半球状の凸部を形成し、その凸部の半球の
半径が0.3mmであるホルダー状弾性体を用いて圧電
トランスを評価したところ、半径0.3mmの半円柱状
の凸部7bが形成されたホルダー状弾性体7の場合と同
様な結果が得られた。ところが、凸部の半球の半径が
0.3mmを超える場合には、圧電トランス素子1の振
動が阻害され、圧電トランスのエネルギー変換効率が低
下してしまった。
【0091】ホルダー状弾性体7の材質として用いたシ
リコン系のゴム材の代わりに、ウレタン系及びテフロン
系のゴム材をホルダー状弾性体7の材質として用いて、
上記と同様の内容で圧電トランスを評価した結果、シリ
コン系のゴム材を用いた場合と同様な結果であった。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、長板状の
圧電体の表面及び裏面に電極を形成して成る圧電トラン
ス素子が、圧電体の表面の電極を押圧する第1のリード
端子及び、圧電体の裏面の電極を押圧する第2のリード
端子、並びに圧電トランス素子が挿入されたリング状弾
性体によりケースの内部で保持されるので、圧電トラン
ス素子の振動が阻害されず、エネルギー変換効率が高い
圧電トランスが得られるという効果がある。また、ケー
ス内での圧電トランス素子の移動を制限するため、ある
いは圧電トランス素子の位置決めをするための突起をケ
ースの内壁に形成しないので、振動または衝撃などの影
響で圧電トランス素子がケースなどに接触して、圧電ト
ランス素子の振動低下したり、可聴音領域の振動が発生
したりすることがない。従って、可聴音領域の振動がケ
ースに伝搬されて騒音が発生せず、低騒音の圧電トラン
スが得られるという効果がある。
【0093】また、上記の圧電トランスにおいて、リン
グ状弾性体の代わりに、圧電トランスの端部が挿入され
る凹部が形成されたホルダー状弾性体を用いて、ホルダ
ー状弾性体と、第1及び第2のリード端子とにより圧電
トランス素子をケース内で保持することにより、上述し
たリング状弾性体を用いた圧電トランスと同様な効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の圧電トランスを示す
分解斜視図である。
【図2】図1に示される上部リード端子を示す平面図及
び側面図である。
【図3】図1に示される下部リード端子を示す平面図及
び側面図である。
【図4】図1に示されるリング状弾性体を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施形態の圧電トランスを示す
分解斜視図である。
【図6】図5に示されるホルダー状弾性体を示す斜視図
である。
【図7】図6のA−A’線断面図、B−B’線断面図、
及び、図6に示されるホルダー状弾性体の内部に形成さ
れる凸部の形状を説明するための斜視図である。
【図8】従来の技術による圧電トランスを説明するため
の斜視図である。
【図9】従来の技術による圧電トランスを示す分解斜視
図である。
【図10】図9に示される圧電トランスの断面図であ
る。
【図11】従来の技術による圧電トランスを示す分解斜
視図である。
【図12】従来の技術による圧電トランスを示す分解斜
視図である。
【図13】従来の技術による圧電トランスを示す斜視図
である。
【図14】従来の技術による圧電トランスを示す分解斜
視図である。
【符号の説明】
1 圧電トランス素子 1a 圧電体 2a 上部ケース 2b、32b 下部ケース 3a 上部リード端子 3b 下部リード端子 4 リング状弾性体 5、35 スナップフィットフィンガー 6 位置決め用溝 7 ホルダー状弾性体 7a 凹部 7b 凸部 9、39 突起部 11、13 入力電極 15 出力電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大白 直人 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−131088(JP,A) 特開 平7−202288(JP,A) 特開 平8−97482(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/107

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長板状の圧電体の最大面積面となる表面
    及び裏面に電極を形成して成る圧電トランス素子と、 前記圧電体の表面の電極と電気的に接続される第1のリ
    ード端子及び、前記圧電体の裏面の電極と電気的に接続
    される第2のリード端子が備えられ、前記圧電トランス
    素子が収容されるケースとを有する圧電トランスにおい
    て、 前記圧電トランス素子は、前記圧電体の表面の電極を押
    圧する前記第1のリード端子及び、前記圧電体の裏面の
    電極を押圧する前記第2のリード端子、並びに前記圧電
    トランス素子が挿入されたリング状弾性体により前記ケ
    ースの内部で保持されていることを特徴とする圧電トラ
    ンス。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のリード端子が前記圧
    電トランス素子の振動のノード位置で前記圧電トランス
    素子を保持し、前記リング状弾性体が、前記圧電トラン
    ス素子の振動のノード位置からの距離が3mm以内の範
    囲で前記圧電トランス素子を保持している請求項1に記
    載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記圧電トランス素子が前記リング状弾
    性体に挿入される方向における前記リング状弾性体の幅
    が1〜2mmである請求項1または2に記載の圧電トラ
    ンス。
  4. 【請求項4】 前記リング状弾性体の材質が、シリコン
    系、ウレタン系またはテフロン系のゴム材であり、か
    つ、前記リング状弾性体の硬度が、JIS A5758
    に準ずる30〜50°である請求項1、2または3に記
    載の圧電トランス。
  5. 【請求項5】 長板状の圧電体の最大面積面となる表面
    及び裏面に電極を形成して成る圧電トランス素子と、 前記圧電体の表面の電極と電気的に接続される第1のリ
    ード端子及び、前記圧電体の裏面の電極と電気的に接続
    される第2のリード端子が備えられ、前記圧電トランス
    素子が収容されるケースとを有する圧電トランスにおい
    て、 前記圧電トランス素子は、前記圧電体の表面の電極を押
    圧する前記第1のリード端子及び、前記圧電体の裏面の
    電極を押圧する前記第2のリード端子、並びに前記圧電
    トランス素子の端部が挿入される凹部が形成されたホル
    ダー状弾性体により前記ケースの内部で保持されている
    ことを特徴とする圧電トランス。
  6. 【請求項6】 前記ホルダー状弾性体の凹部の深さが3
    mm以下である請求項5に記載の圧電トランス。
  7. 【請求項7】 前記ホルダー状弾性体の凹部の内部の側
    面及び底面に凸部が複数形成されている請求項5または
    6に記載の圧電トランス。
  8. 【請求項8】 前記ホルダー状弾性体の凹部の内部に形
    成された前記凸部の位置としては、前記凹部に前記圧電
    トランス素子が挿入された状態で前記圧電体の表面及び
    裏面と対向する前記凹部の内部の側面に形成された凸部
    の位置が、前記凹部の底面からの距離が2mm以内の範
    囲にあり、前記凹部の底面に形成された凸部の位置が、
    前記凹部に前記圧電トランス素子が挿入された状態で前
    記圧電体の側面と対向する前記凹部の内部の側面からの
    距離が2mm以内の範囲にある請求項7に記載の圧電ト
    ランス。
  9. 【請求項9】 前記ホルダー状弾性体の凹部の内部に複
    数形成された凸部の形状が、半径0.3mm以下の半円
    柱状である請求項7または8に記載の圧電トランス。
  10. 【請求項10】 前記ホルダー状弾性体の凹部の内部に
    複数形成された凸部の形状が、半径0.3mm以下の半
    球状である請求項7または8に記載の圧電トランス。
  11. 【請求項11】 前記ホルダー状弾性体の材質が、シリ
    コン系、ウレタン系またはテフロン系のゴム材であり、
    かつ、前記ホルダー状弾性体の硬度が、JIS A 5
    758に準ずる30〜50°である請求項5〜10のい
    ずれか1項に記載の圧電トランス。
  12. 【請求項12】 前記圧電トランス素子の外形寸法とし
    ては、長さが42mm、幅が5.5mm、厚さが1mm
    である請求項1〜11のいずれか1項に記載の圧電トラ
    ンス。
JP09220430A 1997-08-15 1997-08-15 圧電トランス Expired - Fee Related JP3080153B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09220430A JP3080153B2 (ja) 1997-08-15 1997-08-15 圧電トランス
US09/120,502 US6097132A (en) 1997-08-15 1998-07-23 Transformer with the piezoelectric transformer element held by lead terminals and elastic bodies in a case

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09220430A JP3080153B2 (ja) 1997-08-15 1997-08-15 圧電トランス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1168184A JPH1168184A (ja) 1999-03-09
JP3080153B2 true JP3080153B2 (ja) 2000-08-21

Family

ID=16750997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09220430A Expired - Fee Related JP3080153B2 (ja) 1997-08-15 1997-08-15 圧電トランス

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6097132A (ja)
JP (1) JP3080153B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101182341B1 (ko) 2011-01-07 2012-09-20 서강대학교산학협력단 전기에너지 발전용 모직구조

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6087198A (en) * 1998-02-12 2000-07-11 Texas Instruments Incorporated Low cost packaging for thin-film resonators and thin-film resonator-based filters
JPH11103101A (ja) * 1997-09-29 1999-04-13 Nippon Cement Co Ltd 圧電トランス素子の収納ケース
JPH11346015A (ja) * 1998-05-29 1999-12-14 Tokin Corp 圧電トランス
JP3468202B2 (ja) * 2000-04-24 2003-11-17 株式会社村田製作所 圧電トランス、圧電トランス駆動回路および液晶ディスプレイ
JP2002286452A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Murata Mfg Co Ltd 振動ジャイロおよびそれを用いた電子装置
KR100476556B1 (ko) * 2002-04-11 2005-03-18 삼성전기주식회사 압전트랜스 장치, 압전트랜스 하우징 및 그 제조방법
JP2005151536A (ja) * 2003-10-23 2005-06-09 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 水晶発振器
JP5255263B2 (ja) * 2007-12-05 2013-08-07 株式会社タムラ製作所 圧電トランス
KR101588922B1 (ko) * 2012-12-12 2016-01-26 삼성전기주식회사 압전 액추에이터를 포함하는 진동발생장치
CN211455912U (zh) * 2020-03-27 2020-09-08 深圳顺络电子股份有限公司 一种具有cte补偿的陶瓷滤波器

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3660699A (en) * 1969-08-06 1972-05-02 Denki Onkyo Co Ltd Supporting means for piezoelectric transformers
US3694674A (en) * 1969-09-29 1972-09-26 Denki Onkyo Co Ltd High voltage generating apparatus
US3622813A (en) * 1969-10-18 1971-11-23 Sumitomo Electric Industries Terminal device for piezoelectric ceramic transformer
US3662194A (en) * 1970-07-08 1972-05-09 Juichi Moriki High-voltage piezoelectric transformer housed with diodes
US3851194A (en) * 1971-06-01 1974-11-26 Denki Onkyo Co Ltd Anti resonant electrodes for a piezoelectric transformer
DE2610172C3 (de) * 1975-03-12 1980-08-21 Murata Manufacturing Co., Ltd., Nagaokakyo, Kyoto (Japan) Filter auf der Basis der akustischen Oberflächenwellen
JPH06326371A (ja) * 1993-05-13 1994-11-25 Daishinku Co 圧電トランスの支持構造
JPH06342945A (ja) * 1993-05-31 1994-12-13 Tamura Seisakusho Co Ltd 圧電トランス
JPH08139556A (ja) * 1994-11-14 1996-05-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd セラミック共振子
JP2885274B2 (ja) * 1995-02-28 1999-04-19 日本電気株式会社 圧電トランス装置
DE69629228T2 (de) * 1995-02-28 2004-04-22 Nec Corp. Verpackte piezoelektrische Transformatoranordnung
JP3516183B2 (ja) * 1995-07-18 2004-04-05 Necトーキン株式会社 ケース付き圧電トランス
JP2885188B2 (ja) * 1996-06-19 1999-04-19 日本電気株式会社 圧電トランス
JP3671382B2 (ja) * 1996-06-21 2005-07-13 Necトーキン株式会社 圧電トランスおよび圧電トランス電源

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101182341B1 (ko) 2011-01-07 2012-09-20 서강대학교산학협력단 전기에너지 발전용 모직구조

Also Published As

Publication number Publication date
US6097132A (en) 2000-08-01
JPH1168184A (ja) 1999-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3080153B2 (ja) 圧電トランス
KR100355364B1 (ko) 전기음향 변환기
JP5019615B2 (ja) 振動発生装置
EP0730312B1 (en) Packaged piezoelectric transformer unit
KR100300827B1 (ko) 압전변환기
JP2007318997A (ja) 超音波アクチュエータ
JP2000124519A (ja) 圧電トランス
JP2885274B2 (ja) 圧電トランス装置
JP3097645B2 (ja) 圧電トランス
JPH10108297A (ja) 圧電発音体
US6262518B1 (en) Housing for piezoelectric transformer device
JP2001196653A (ja) 圧電トランス
JP5318337B2 (ja) 圧電トランス及びその実装方法
JP5420425B2 (ja) 圧電トランス
US6856071B2 (en) Piezoelectric transducer module having interconnected transducer units
JP3323367B2 (ja) 圧電アクチュエータ
JPH1174579A (ja) 圧電トランス
JP3993081B2 (ja) 圧電型振動子及びその製造方法
JP3370444B2 (ja) 圧電トランス
JP2002009362A (ja) 圧電トランス及びイオン発生装置
JPH08160069A (ja) 加速度センサー
JP3189109B2 (ja) 圧電トランスの電極接続構造
JP3387323B2 (ja) 圧電トランス部品
JP2002009360A (ja) 圧電トランス支持装置及び圧電トランスの支持体
JPH05243886A (ja) 圧電部品

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080623

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090623

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130623

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees