JP3323367B2 - 圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータ

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JP3323367B2
JP3323367B2 JP16730395A JP16730395A JP3323367B2 JP 3323367 B2 JP3323367 B2 JP 3323367B2 JP 16730395 A JP16730395 A JP 16730395A JP 16730395 A JP16730395 A JP 16730395A JP 3323367 B2 JP3323367 B2 JP 3323367B2
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千春 日下部
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千春 日下部
義朗 富川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動ベル、スピーカ、
圧電ファンなどを駆動する振動体、または光ヘッドのフ
ォーカスまたはトラッキングの補正装置の駆動源となる
振動体、あるいは圧電モータの振動体などとして使用さ
れる圧電アクチュエータに係り、特に弾性体自らの歪み
により昇圧電圧または降圧電圧を生じ、この電圧により
駆動されるようにした圧電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、従来の一般的なバイモルフ型
の圧電アクチュエータを示す斜視図である。弾性体A
は、リン青銅板などの弾性板1と、弾性板1の表裏両面
に積層されたPZTなどの圧電材料2とから構成されて
いる。各圧電材料2の表面には駆動電極3が形成されて
いる。前記弾性板1はアース電極として機能し、所定周
波数の交流電圧を発生する交流駆動電源4から各駆動電
極3に交流電圧が与えられると、弾性体AはZ方向への
曲げ振動を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の圧電アクチュ
エータでは、Z方向への振幅を充分に確保するために
は、各駆動電極3に与えられる電圧が高くなくてはなら
ない。したがって、電池などの低電圧源により圧電アク
チュエータを駆動するためには、交流駆動電圧を昇圧す
るために、トランスなどを内蔵した昇圧回路5を用いる
ことが必要である。
【0004】この昇圧回路5を設けることにより、回路
構成が複雑になり、また装置の小型化に限界を生じる。
また、圧電アクチュエータの各駆動電極に異なる位相の
駆動電力(周波電力)を与える必要があるときには、2
相の交流電力を生成するための回路も必要になり、さら
に回路構成が複雑になる。
【0005】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、圧電アクチュエータ自体に昇圧機能を発揮させ、
低電圧により充分な歪みを与えることができるようにし
た圧電アクチュエータを提供することを目的としてい
る。
【0006】また本発明は、1相の交流駆動電圧が与え
られたときに自ら2相の電圧を発生し、この2相の電圧
により弾性体を駆動できるようにした圧電アクチュエー
タを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電材料の圧
電効果により歪みを生じる弾性体と、弾性体を構成する
圧電材料に駆動電力を与える一次側電極と、弾性体に生
じた歪みにより圧電材料に生じる電圧を得る二次側電極
と、前記二次側電極からの電圧が与えられる駆動電極と
を有し、駆動電極への電圧が圧電材料に与えられて前記
弾性体が歪み駆動されることを特徴とするものである。
【0008】上記において、一次側電極の面積よりも二
次側電極の面積を狭くすることにより、二次側電極から
昇圧された電圧が得られるように構成することが可能で
ある。また、一次側電極の面積を二次側電極の面積より
も狭くすることにより、二次側電極から降圧された電圧
を得るようにし、この降圧された電圧により弾性体を駆
動することも可能である。また弾性体が共振尖鋭度(Q
値)の高い構造である場合には、二次側電極の面積を狭
くせず、一次側電極と二次側電極の面積が等しくても、
二次側電極から昇圧された電圧を取り出すことが可能で
ある。
【0009】また、駆動電極が複数設けられ、二次側電
極から得られた電圧が前記駆動電極のそれぞれに与えら
れ、前記二次側電極から各駆動電極に与えられる電圧に
より、弾性体が所定方向へ振動するように歪む構成とす
ることが可能である。この場合、単一の二次側電極から
各駆動電極に同位相の駆動電圧が与えられ、各駆動電極
が対向する圧電材料の誘電分極方向により、弾性体に対
し所定方向への歪みを与えるように構成することができ
る。または、二次側電極を2箇所に形成し、この二次側
電極が対向する圧電材料の誘電分極方向により両二次側
電極から異なる位相の電圧を取出し、この異なる位相の
電圧を複数の駆動電極のそれぞれに与え、各駆動電極が
対向する圧電材料の誘電分極方向により弾性体に対し所
定方向への歪みを与えるように構成してもよい。
【0010】この圧電アクチュエータの弾性体は、弾性
板と、この弾性板の表裏両面に設けられた圧電材料とか
ら構成されて、この圧電材料の表面に一次側電極と二次
側電極および駆動電極が配置され、駆動電極に与えられ
る電圧により弾性体が曲げ振動を生じるものとして構成
できる。この弾性体が曲げ振動するものは、振動ベル、
スピーカ、光ヘッドのフォーカスまたはトラッキングの
補正装置などとして使用できる。
【0011】あるいは弾性体は、弾性板と、この弾性板
の表裏両面に設けられた圧電材料とから構成されて、こ
の圧電材料の表面に一次側電極と二次側電極および弾性
体の面に垂直な中心軸に対して対称位置に配置された複
数の駆動電極が設けられ、各駆動電極に与えられる電圧
により弾性体に前記中心軸回りの定在波が与えられるも
のとなる。この構成の圧電アクチュエータは、圧電モー
タのステータ部の構成として実施可能である。
【0012】
【作用】本発明の圧電アクチュエータでは、弾性体が例
えば弾性板とこの弾性板の表裏両面に設けられた圧電材
料により構成される。この場合に、弾性板をアース電極
として使用できる。また電極の配置を工夫することによ
り、弾性体を圧電材料のみで構成することが可能であ
る。例えば、圧電材料の間に半田層などを介装させ、こ
の半田層をアース電極としてもよい。また単層の圧電材
料を用い、その表面に一次側電極、二次側電極、駆動電
極と共にアース電極を形成することも可能である。
【0013】この圧電アクチュエータでは、交流駆動電
源からの所定周波数の電力が一次側電極に与えられる
と、この一次側電極が形成された部分の圧電材料の歪み
により弾性体に歪みが生じる。この歪みにより二次側電
極が対向する圧電材料に電圧が発生する。この電圧が二
次側電極から駆動電極に与えられて、この駆動電極が接
している部分の圧電材料に歪みが与えられる。この駆動
電極の電圧による歪み、さらには前記一次側電極と二次
側電極が接する部分の圧電材料の歪みにより、弾性体が
振動駆動されることになる。
【0014】二次側電極の面積を一次側電極の面積より
も狭くしておくと、二次側電極から一次側電極に与えら
れる電圧に対し昇圧された電圧が取り出される。この昇
圧された電圧が駆動電極に与えられて弾性体が駆動され
るものとなる。よって、電池などの低電圧源を用いて所
定周波数の駆動電力を生成しこれを一次側電極に与えら
れたときに、圧電アクチュエータ自らが昇圧機能を発揮
し、昇圧後の電圧により圧電アクチュエータが駆動され
ることになり、従来のように昇圧回路を用いることな
く、圧電アクチュエータを大きな振幅により駆動できる
ものとなる。
【0015】また、一次側電極の面積が二次側電極の面
積よりも狭いものでは、一次側電極に与えられる駆動電
圧に対し、二次側電極から降圧された電圧を検出でき、
この降圧された電圧が駆動電極に与えられて、弾性体が
振動駆動されるものとなる。よって、高い電圧を発生す
る駆動電源が設けられている装置において、降圧のため
のトランスなどを別個に設ける必要がなく、圧電アクチ
ュエータを適正な電圧で駆動できるものとなる。
【0016】また、二次側電極の面積を一次側電極の面
積よりも狭くせず、例えば両電極の面積が同じであって
も、二次側電極から昇圧された電圧を得ることが可能で
ある。例えば弾性体が共振尖鋭度(Q値)の高い構成で
ある場合、一次側電極に与えられる電圧が低く、圧電材
料に与えられる歪みが小さくても、弾性体は共振により
大きな振幅にて振動することになる。よって二次側電極
からは昇圧された電圧を得ることができ、この昇圧され
た電圧を駆動電極に与えることにより、弾性体がさらに
大きな振幅で駆動されることになる。
【0017】また、駆動電極を複数設け、二次側電極で
得られた電圧をそれぞれの駆動電極に与え、複数の駆動
電極に与えられる電圧により弾性体が所定方向へ振動す
るものとして構成できる。また、二次側電極が複数設け
られ、各二次側電極から異なる位相の電圧を取り出すこ
とも可能である。この異なる位相の電圧を複数の駆動電
極のそれぞれに与え、弾性体を駆動することが可能であ
る。
【0018】この圧電アクチュエータが、バイモルフ型
であって曲げ振動するものでは、振動ベル、スピーカの
振動板、光ヘッドのフォーカスサーボやトラッキングサ
ーボの駆動装置などに使用できる。
【0019】また弾性体に対し、面に垂直な中心軸回り
の定在波を発生させることができる。この圧電アクチュ
エータによりロータを回転させると、圧電モータを構成
できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の圧電アクチュエータの実施例
を図面を参照して説明する。図1は本発明の圧電アクチ
ュエータの第1実施例を示す斜視図、図2は図1の弾性
体をII方向から見た端面図、図3は圧電アクチュエー
タの等価回路図である。図1に示す圧電アクチュエータ
の弾性体A1は、リン青銅板などの弾性体金属板により
形成された弾性板1と、その表裏両面に設けられたPZ
Tなどの圧電材料2a、2bにより構成されている。図
1と図2に示す実施例では、圧電材料2a、2bの誘電
分極方向が全領域において同じ方向(Z(+)方向)で
ある。この誘電分極方向は図2において矢印で示してい
る。弾性体A1は、B側の端部が剛体支持または弾性体
を介して保持された単純支持とされ、Z方向へ振動可能
な構成となっている。
【0021】一方の圧電材料2aの表面には一次側電極
11と二次側電極12が形成され、他方の圧電材料2b
の表面には、駆動電極13が形成されている。各電極1
1、12、13は、銀ペーストを焼成することなどによ
り形成されている。一次側電極11は二次側電極12よ
りも面積が広くなっており、また両電極11と12は、
分離帯14により電気的に絶縁されている。また駆動電
極13は、圧電材料2bの表面の全領域に形成されてい
る。
【0022】二次側電極12と駆動電極13とはリード
線15により導通されている。または、二次側電極12
と駆動電極13を、弾性体A1の図2の図示右側の側面
を通過するように一体の電極層により形成することが可
能であり、または、弾性体A1にスルーホールを形成
し、このスルーホール内に充填された導電性材料によ
り、二次側電極12と駆動電極13とが導通されていて
もよい。弾性板1はアース電極(前記各電極に対する対
向電極またはコモン電極)となり、接地電位に設定され
ている。また交流駆動電源4は、アースと一次側電極1
1間に接続され、一次側電極11に所定周波数の交流駆
動電力が与えられる。
【0023】図2において、一次側電極11が対向して
いる圧電材料を(イ)、二次側電極12が対向する圧電
材料を(ロ)、駆動電極13が対向する圧電材料を
(ハ)とし、図3に示す等価回路では、各圧電材料に相
当する部分に同じ符号を(イ)(ロ)(ハ)を付してい
る。図3におけるCd1、Cd2、Cd3は、圧電材料
(イ)(ロ)(ハ)が変形していないときの各電極1
1、12、13と、対向電極となる弾性板1との間の静
電容量(制動容量)である。L1、L2、L3は各圧電
材料(イ)(ロ)(ハ)が振動しているときの等価質
量、C1、C2、C3は振動しているときの等価容量、
R1、R2、R3は振動しているときの等価機械抵抗で
ある。また図3において、圧電材料(イ)と(ロ)の機
械的結合を符号Kで示している。
【0024】圧電材料(イ)に駆動電力(電圧)を与え
る一次側電極11に対し、圧電材料(ロ)の部分の二次
側電極12の方が面積が狭くなっている。交流駆動電源
4から所定周波数の電圧E1が一次側電極11に与えら
れ、弾性体A1がZ方向へ振動すると、機械的結合Kに
より圧電材料(ロ)に電圧が発生するが、前記面積比に
応じて、この電圧E2は昇圧されたものとなる。図3で
は、電圧E1とE2との比(変圧比)を1:φで示して
いる。圧電材料(ロ)において発生する昇圧された電圧
E2は、二次側電極12からリード線15により駆動電
極13に与えられる。駆動電極13と弾性板1との間に
昇圧された電圧が与えられると、圧電材料(ハ)に大き
な歪みが生じる。昇圧された電圧により圧電材料(ハ)
に生じる歪みと、前記(イ)(ロ)で示す圧電材料の歪
みとで、弾性体A1は、Z方向へ大きな振幅で駆動され
る。
【0025】この圧電アクチュエータでは、自らが駆動
電圧を昇圧する機能を有し、さらに昇圧された電圧によ
り駆動されるものであるため、駆動電圧E1が低くて
も、弾性体A1が大きな振幅で駆動される。よって、交
流駆動電源4を、電池で駆動される発振回路などにより
構成でき、従来のような昇圧回路を設けることが不要に
なる。したがって、装置の回路構成を簡単にでき、また
小型化することが可能である。
【0026】図4は、上記圧電アクチュエータを用いた
振動ベルを示している。ポケットベルなどの信号受信検
知器のケース8内に、図1に示される圧電アクチュエー
タが収納される。ケース8内の受信回路が外部信号を受
信すると、一次側電極11に駆動電力が与えられ、片持
ち状態の弾性体A1がZ方向へ振動する。この振動がケ
ース8に伝達され、ケース8を所持している人に受信状
態であることが知らされる。なお、弾性体A1が振動し
たときに、この弾性体A1と発音部とが当たって、ベル
音を発生するように構成してもよい。本発明の圧電アク
チュエータは、電池からの電圧E1により充分に大きな
振幅が得られるため、ポケットベルのように、電池を電
源とした携帯用機器への適用に適している。
【0027】図5と図6は、第1実施例の圧電アクチュ
エータの変形例を示しており、図1に示したように片持
ち支持される弾性体A1を端面側から図示している。図
5に示す変形例では、一方の圧電材料2aの表面に形成
されている一次側電極11の面積よりも、二次側電極1
2の面積の方が広くなっている。その他の構成は図1と
図2に示したものと同じである。したがって、交流駆動
電源4から一次側電極11に駆動電力が与えられ、圧電
材料2aに歪みが生じて弾性体A1がZ方向へ振動した
ときに、二次側電極12からは降圧した電圧が検出され
る。そしてこの降圧された電圧が駆動電極13に与えら
れ、弾性体A1が振動駆動される。この実施例では、一
次側電極11と二次側電極12間で降圧機能が発揮され
るため、例えば交流駆動電源4からの駆動電圧が高く、
また圧電アクチュエータに与えるべき周波電圧を前記駆
動電圧よりも低くする必要がある場合に使用できる。
【0028】図6に示す変形例では、圧電材料2aの表
面に形成された一次側電極11の面積と、二次側電極1
2の面積とがほぼ等しくなっている。この構成において
も、一次側電極11に駆動電圧が与えられたときに、二
次側電極12に昇圧された電圧を発生させ、この電圧を
駆動電極13に与えることができる。交流駆動電源4か
ら一次側電極11に駆動電圧が与えられると弾性体A1
がZ方向へ振動するが、駆動電圧の周波数が弾性体A1
の共振周波数に一致しているときには、弾性体A1はZ
方向へ大きな振幅にて共振する。弾性体A1が共振尖鋭
度(Q値)の高い構成である場合には、前記共振振幅が
さらに大きくなる。弾性体A1の共振振幅が大きくなる
と、二次側電極12からは昇圧された電圧が取り出され
る。この電圧が駆動電極13に与えられることにより、
弾性体A1は大きな振幅によりZ方向へ駆動されること
になる。
【0029】図7(A)(B)は本発明の第2実施例の
圧電アクチュエータを示している。図7(A)(B)に
示す圧電アクチュエータの弾性体A2、A3は、図1に
示したものと同様に片持ち支持されたものであり、図7
(A)(B)は弾性体A2、A3を自由端の端面側から
見た状態を示している。図7(A)に示す弾性体A2で
は、弾性板1の両面に設けられた圧電材料2cと2dの
誘電分極方向が場所により相違しており、その分極方向
を矢印で示している。
【0030】圧電材料2cの表面には一次側電極11が
設けられている。圧電材料2dの表面には2つの二次側
電極12aと12bが形成されている。この二次側電極
12a、12bは、共に一次側電極11よりも面積が狭
いものとなっている。駆動電極も13aと13bで示す
ように2箇所形成され、一方の駆動電極13aは圧電材
料2cの表面に、他方の駆動電極13bは圧電材料2d
の表面に形成されている。そして前記二次側電極12a
が対向する部分の圧電材料2dと、二次側電極12bが
対向する部分の圧電材料2dとでは誘電分極方向が相違
しており、二次側電極12aの部分での誘電分極方向は
Z(−)方向、二次側電極12bの部分ではZ(+)方
向である。駆動電極13aが対向する部分の圧電材料2
cの誘電分極方向はZ(−)方向、駆動電極13bが対
向する部分の圧電材料2dの誘電分極方向はZ(+)で
ある。
【0031】図7に示す圧電アクチュエータでは、交流
駆動電源4から一次側電極11に駆動電力が与えられ、
弾性体A1がZ方向へ振動すると、二次側電極12aと
12bから電圧が得られる。一次側電極11の面積に対
し、二次側電極12aと12bの面積が狭くなっている
ため、二次側電極12aと12bと、接地電位とされた
弾性板1との間には、昇圧された電圧が発生する。ただ
し、二次側電極12aと二次側電極12bとでは、圧電
材料の誘電分極方向が逆であるため、得られる電圧は逆
位相である。駆動電極13aと駆動電極13bは、対向
している圧電材料の誘電分極方向が逆である。よって二
次側電極12aで得られた電圧が駆動電極13aに与え
られ、二次側電極12bで得られた電圧が駆動電極13
bに与えられると、弾性体A2は昇圧された電圧により
Z方向へ振動させられる。
【0032】図7(B)に示す弾性体A3も、弾性板1
の両側に圧電材料2eと2fが設けられたものである。
各圧電材料2eと2fの各部分での誘電分極方向は矢印
で示す通りである。圧電材料2eの表面の幅方向中央に
は広い面積の一次側電極11が形成され、圧電材料2f
の表面の幅方向中央には、狭い面積の二次側電極12a
と12bが設けられている。弾性体A3の幅方向両側部
では、各圧電材料2eと2fの表面に駆動電極13c、
13d、13e、13fが形成されている。
【0033】交流駆動電源4から一次側電極11に駆動
電力が与えられると、弾性体A3がZ方向へ曲げ振動を
生じる。この振動により狭い面積の二次側電極12aお
よび12bと、弾性板1との間に、昇圧された電圧が発
生する。ただし二次側電極12aと12bとでは、対向
する圧電材料2fの誘電分極方向が逆であるため、逆位
相の電圧が取り出される。二次側電極12aから得られ
た電圧が、駆動電極13cと13fに与えられ、二次側
電極12bから得られた逆位相の電圧が、駆動電極13
dと13eに与えられると、弾性体A3には面方向(X
方向)への振動が発生する。駆動電極13c、13d、
13e、13fには駆動電圧よりも昇圧された電圧が与
えられるため、弾性体A3はX方向へ比較的大きな振幅
により振動させられる。よって図7(B)に示す圧電ア
クチュエータでは、弾性体A3がZ方向とX方向への振
動成分が混在した複合振動を生じるものとなる。
【0034】図8ないし図9は本発明の第3実施例の圧
電アクチュエータを示している。図8(A)は第3実施
例の圧電アクチュエータの弾性体A4を示す平面図、図
8(B)は弾性体A4の底面図、図9は弾性体A4の側
面図である。この弾性体A4は円盤状であり、リン青銅
板などの弾性板21の両面に圧電材料22aと22bが
積層されている。図8(B)に示すように、底面側で
は、圧電材料22aの表面に一次側電極23と二次側電
極24が形成されている。一次側電極23の面積よりも
二次側電極24の面積の方が狭くなっている。一次側電
極23と二次側電極24が形成されている部分での圧電
材料22bの誘電分極方向は共にZ(−)方向である。
【0035】図8(A)に示すように、上面側の圧電材
料22aの表面では、4つの駆動電極25a、25b、
25c、25dが形成されている。各駆動電極25a、
25b、25c、25dは、弾性体A4の面に直交する
中心軸Oに対して線対称となる形状で4箇所設けられて
いる。駆動電極25aと25cが形成されている部分で
の圧電材料22aの誘電分極方向はZ(+)方向であ
り、駆動電極25bと25dが形成されている部分の圧
電材料22aの誘電分極方向はZ(−)方向である。
【0036】この圧電アクチュエータでは、交流駆動電
源4から一次側電極23に駆動電力が与えられると、圧
電材料22bに歪みが生じる。この歪みにより二次側電
極24と弾性板21(接地電位)との間に昇圧された電
圧が発生する。この電圧は中心軸Oに対して対称位置に
ある異なる駆動電極(分極方向の異なる駆動電極)25
aと25bに与えられる。両駆動電極25aと25bに
同じ位相の昇圧された電圧が与えられると、弾性体A4
の表面に中心軸O回りの定在波が発生する。
【0037】図10は、上記第3実施例の圧電アクチュ
エータを備えた圧電モータを示している。前記弾性体A
4は、ステータ31内に保持される。ステータ31に固
定された軸32にはベアリング33を介してロータ34
が回転自在に支持されている。このロータ34は摩擦板
35を介してステータ31に接触し、且つロータ34は
ばね36によりステータ31に加圧されている。圧電ア
クチュエータの弾性体A4に定在波が発生すると、この
定在波は摩擦板35を介してロータ34に作用し、ロー
ラ34が回転駆動される。
【0038】上記の図8から図10に示す第3実施例に
おいて、二次側電極24を2箇所に設けてそれぞれの二
次側電極が対向する圧電材料の誘電分極を相違させてお
き、2つの二次側電極から異なる位相の昇圧された電圧
を取出し、これを駆動電極に与え、前記と同様に定在波
を発生させてもよい。上記圧電アクチュエータを用いた
圧電モータでは、昇圧回路を設けることなく、低電圧に
より駆動することが可能になる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧電アク
チュエータ自体が、駆動電圧を昇圧しまたは降圧する機
能を発揮し、この昇圧された電圧または降圧された電圧
によりさらに弾性体を駆動できるものとなる。よって例
えば、電池などの低電圧源により弾性体を大きな振幅に
より振動駆動できる。
【0040】また、一次側電極に与えられる駆動電圧を
昇圧しまたは降圧して異なる駆動電極に与えることが可
能であり、あるいは2つの二次側電極に逆位相の電圧を
発生させ、この逆位相の電圧により弾性体を振動駆動す
ることも可能である。
【0041】したがって、振動ベルや圧電モータなどを
低電圧駆動でき、または降圧回路を設けることなく、適
正な駆動電圧で駆動できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の圧電アクチュエータを示
す斜視図、
【図2】図1に示す圧電アクチュエータをII方向から
見た端面図、
【図3】図1と図2に示す圧電アクチュエータの等価回
路図、
【図4】図1に示す圧電アクチュエータを備えた振動ベ
ルの構成を示す側面図、
【図5】第1実施例の変形例を示す圧電アクチュエータ
の端面図、
【図6】第1実施例の他の変形例を示す圧電アクチュエ
ータの端面図、
【図7】(A)(B)は本発明の第2実施例の圧電アク
チュエータを示す端面図、
【図8】(A)(B)は本発明の第3実施例の圧電アク
チュエータを表裏両面から示す平面図および底面図、
【図9】図8に示す圧電アクチュエータの側面図、
【図10】図8に示す圧電アクチュエータを用いた圧電
モータの部分断面を含む側面図、
【図11】従来の圧電アクチュエータを示す斜視図、
【符号の説明】
A1、A2、A3、A4 弾性体 O 中心軸 1 弾性板 2、2a、2b、2c、2d、2e、2f 圧電材料 4 交流駆動電源 11 一次側電極 12、12a、12b 二次側電極 13、13a、13b、13c、13d、13e、13
f 駆動電極 21 弾性板 22a、22b 圧電材料 23 一次側電極 24 二次側電極 25a、25b、25c、25d 駆動電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−121552(JP,A) 特開 平3−256574(JP,A) 特開 昭52−10975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/09

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電材料の圧電効果により歪みを生じる
    弾性体と、弾性体を構成する圧電材料に駆動電力を与え
    る一次側電極と、弾性体に生じた歪みにより圧電材料に
    生じる電圧を得る二次側電極と、前記二次側電極からの
    電圧が与えられる駆動電極とを有し、駆動電極への電圧
    が圧電材料に与えられて前記弾性体が歪み駆動されるこ
    とを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 一次側電極の面積よりも二次側電極の面
    積が狭くされ、二次側電極から昇圧された電圧が得られ
    る請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 駆動電極は複数設けられ、二次側電極か
    ら得られた電圧が前記駆動電極のそれぞれに与えられ、
    前記二次側電極から各駆動電極に与えられる電圧によ
    り、弾性体が歪み駆動される請求項1または2記載の圧
    電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 弾性体は、弾性板と、この弾性板の表裏
    両面に設けられた圧電材料とから構成されて、この圧電
    材料の表面に一次側電極と二次側電極および駆動電極が
    配置され、駆動電極に与えられる電圧により弾性体が曲
    げ振動を生じる請求項1ないし3のいずれかに記載の圧
    電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 弾性体は、弾性板と、この弾性板の表裏
    両面に設けられた圧電材料とから構成されて、この圧電
    材料の表面に一次側電極と二次側電極および弾性体の面
    に垂直な中心軸に対して対称位置に配置された複数の駆
    動電極が設けられ、各駆動電極に与えられる電圧により
    弾性体に前記中心軸回りの定在波が与えられる請求項1
    ないし3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
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