JP3079097B1 - 電界放射型電子源およびその製造方法 - Google Patents

電界放射型電子源およびその製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】電子を安定して高効率で放出できる低コストの
電界放射型電子源およびその製造方法を提供する。 【解決手段】n形シリコン基板1の主表面側に強電界ド
リフト部6が形成され、強電界ドリフト部6上に金薄膜
よりなる表面電極7が形成されている。また、n形シリ
コン基板1の裏面にはオーミック電極2が形成されてい
る。この電界放射型電子源10では、表面電極7を真空
中に配置し、表面電極7をオーミック電極2に対して正
極として直流電圧を印加することにより、n形シリコン
基板1から注入された電子が強電界ドリフト部6をドリ
フトし表面電極7を通して放出される。強電界ドリフト
部6は、導電性基板たるn形シリコン基板1の厚み方向
に直交する断面が網目状に形成され上記電子がドリフト
するドリフト部61と、網目の中に満たされたドリフト
部61よりも熱伝導性の良い放熱部62とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料を用い
て電界放射により電子線を放射するようにした加熱を必
要としない電界放射型電子源およびその製造方法に関
し、特に平面型光源、フラットディスプレイ素子、固体
真空デバイスなどに応用することのできる電界放射型電
子源およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電界放射型電子源として、例
えば米国特許3665241号などに開示されているい
わゆるスピント(Spindt)型電極と呼ばれるものがあ
る。このスピント型電極は、微小な三角錐状のエミッタ
チップを多数配置した基板と、エミッタチップの先端部
を露出させる放射孔を有するとともにエミッタチップに
対して絶縁された形で配置されたゲート層とを備え、真
空中にてエミッタチップをゲート層に対して負極として
高電圧を印加することにより、エミッタチップの先端か
ら放射孔を通して電子線を放射するものである。
【0003】しかしながら、スピント型電極は、製造プ
ロセスが複雑であるとともに、多数の三角錐状のエミッ
タチップを精度良く構成することが難しく、例えば平面
発光装置やディスプレイなどへ応用する場合に大面積化
が難しいという問題があった。また、スピント型電極
は、電界がエミッタチップの先端に集中するので、エミ
ッタチップの先端の周りの真空度が低くて残留ガスが存
在するような場合、放射された電子によって残留ガスが
プラスイオンにイオン化され、プラスイオンがエミッタ
チップの先端に衝突するから、エミッタチップの先端が
ダメージ(例えば、イオン衝撃による損傷)を受け、放
射される電子の電流密度や効率などが不安定になった
り、エミッタチップの寿命が短くなってしまうという問
題が生じる。したがって、スピント型電極では、この種
の問題の発生を防ぐために、高真空(10-5Pa〜10
-6Pa)で使用する必要があり、コストが高くなるとと
もに、取扱いが面倒になるという不具合があった。
【0004】この種の不具合を改善するために、MIM
(Metal Insulator Metal)方式やMOS(Metal Oxid
e Semiconductor)型の電界放射型電子源が提案されて
いる。前者は金属−絶縁膜−金属、後者は金属−酸化膜
−半導体の積層構造を有する平面型の電界放射型電子源
である。しかしながら、このタイプの電界放射型電子源
において電子の放出効率を高めるためには(多くの電子
を放射させるためには)、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜
厚を薄くする必要があるが、上記絶縁膜や上記酸化膜の
膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に
電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、この
ような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸
化膜の膜厚の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率
(引き出し効率)をあまり高くできないという不具合が
あった。
【0005】また、近年では、特開平8−250766
号公報に開示されているように、シリコン基板などの単
結晶の半導体基板を用い、その半導体基板の主表面側の
全面を陽極酸化することにより多孔質半導体層(例え
ば、ポーラスシリコン層)を形成して、その多孔質半導
体層上に金属薄膜よりなる表面電極を形成し、半導体基
板と表面電極との間に電圧を印加して電子を放射させる
ように構成した電界放射型電子源(半導体冷電子放出素
子)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平8−250766号公報に記載の電界放射型電子
源では、電子放出時にいわゆるポッピング現象が発生し
やすいという不具合がある。電子放出時にポッピング現
象が発生する電界放射型電子源では、放出電子量にむら
が起こりやすいので、平面発光装置やディスプレイ装置
などに応用した場合に、発光むらができてしまうという
不具合がある。
【0007】ところで、本発明者は、鋭意研究の結果、
上述の特開平8−250766号公報に記載の電界放射
型電子源では、単結晶シリコン基板の主表面側の全面を
多孔質化することにより形成された多孔質シリコン層が
電子の注入される強電界ドリフト層を構成しているの
で、強電界ドリフト層の熱伝導率がn形シリコン基板1
よりも低くて電界放射型電子源の断熱性が高く、電圧が
印加され電流が流れた場合の基板温度の上昇が比較的大
きいという知見を得た。さらに、該温度上昇により電子
が熱的に励起されるとともに単結晶半導体基板の抵抗が
下がり、電子の放出量が増えるので、これにより電子放
出時にポッピング現象が生じやすく、放出電子量にむら
が起こりやすいとの知見を得た。
【0008】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、電子を安定して高効率で放出できる
低コストの電界放射型電子源およびその製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、導電性基板と、導電性基板の一
表面側に形成された強電界ドリフト部と、該強電界ドリ
フト部上に形成された金属薄膜よりなる表面電極とを備
え、表面電極を導電性基板に対して正極として直流電圧
を印加することにより導電性基板から注入された電子が
強電界ドリフト部をドリフトし表面電極を通して放出さ
れる電界放射型電子源であって、強電界ドリフト部は、
導電性基板の厚み方向に直交する断面が網目状に形成さ
れ、該網目状の網の部分に形成され上記電子がドリフト
するドリフト部と、網目状の網目の中に満たされドリフ
ト部よりも熱伝導性の良い放熱部とからなることを特徴
とするものであり、強電界ドリフト部ではドリフト部で
発生した熱が放熱部を通して放熱されるので、電子放出
時にポッピング現象が発生せず安定して高効率で電子を
放出することができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ドリフト部は、導電性基板の厚み方向において
多孔度の異なる層が交互に積層された層よりなるので、
電子放出効率を高めることができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ドリフト部は、導電性基板の厚み方向において
多孔度が連続的に変化した層よりなるので、電子放出効
率を高めることができる。
【0012】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記網目は、微小な多角形状である
ことを特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記網目は、微小な円状であること
を特徴とする。
【0014】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、上記放熱部は、シリコン若しくはシ
リコンカーバイドの単結晶が酸化された層よりなるの
で、放熱部が高熱伝導性および電気絶縁性を有し放熱性
が向上する。
【0015】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、上記放熱部は、シリコン若しくはシ
リコンカーバイドの多結晶が酸化された層よりなるの
で、放熱部が高熱伝導性および電気絶縁性を有し放熱性
が向上する。
【0016】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、上記放熱部は、シリコン若しくはシ
リコンカーバイドのアモルファスが酸化された層よりな
るので、放熱部が高熱伝導性および電気絶縁性を有し放
熱性が向上する。
【0017】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8の発明において、上記導電性基板は、上記一表面に導
電性薄膜が形成された基板からなるので、導電性基板と
して単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いる場合
に比べて大面積化および低コスト化が可能となる。
【0018】請求項10の発明は、請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法で
あって、導電性基板の一表面側の半導体部の一部を厚み
方向に沿って陽極酸化により多孔質化し、その後、半導
体部および多孔質化された半導体部を酸化することによ
り放熱部およびドリフト部を形成し、次いで、ドリフト
部と放熱部とからなる強電界ドリフト部上に金属薄膜よ
りなる表面電極を形成することを特徴とし、導電性基板
の一表面側の半導体部の一部を多孔質化した後に酸化を
行うことによりドリフト部と放熱部とを同じ半導体材料
から形成することができ、ドリフト部と放熱部とを最初
から別々に形成する必要がなくドリフト部と放熱部との
パターン形状の制御が容易で、電子放出時にポッピング
現象が発生せず安定して高効率で電子を放出することが
可能な電界放射型電子源を低コストで実現することがで
きる。
【0019】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記陽極酸化を行う際に、半導体部上へ厚み方
向に直交する断面が微小な多角形状のマスクを放熱部の
形成予定領域に合わせて設けた後に陽極酸化を行うの
で、導電性基板の一表面側の半導体部のうちドリフト部
に対応する部分のみを陽極酸化により多孔質化すること
ができる。
【0020】請求項12の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記陽極酸化を行う際に、半導体部上へ厚み方
向に直交する断面が微小な円状のマスクを放熱部の形成
予定領域に合わせて設けた後に陽極酸化を行うので、導
電性基板の一表面側の半導体部のうちドリフト部に対応
する部分のみを陽極酸化により多孔質化することができ
る。
【0021】請求項13の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記陽極酸化を行う際に、導電性基板の上記一
表面に垂直な方向における半導体部の多孔質化の速度が
他方向に比べ十分に高くなるように導電性基板に磁界を
印加するので、多孔質化の速度の異方性が高められ、つ
まり、上記多孔質化した後の酸化によりドリフト部とな
る部分の陽極酸化時の多孔質層形成速度の異方性が高め
られるから、ドリフト部の平面および深さ方向の形状の
制御性が向上し放熱部およびドリフト部の微細なパター
ンを深さ方向の制御性良く形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に本実施形態の電界放射型電
子源10の概略構成図を、図2(a)〜(c)に電界放
射型電子源10の製造方法における主要工程断面図を示
す。なお、本実施形態では、導電性基板として抵抗率が
導体の抵抗率に比較的近い単結晶のn形シリコン基板1
(例えば、抵抗率が略0.1Ωcmの(100)基板)
を用いている。
【0023】本実施形態の電界放射型電子源10は、図
1に示すように、n形シリコン基板1の主表面側に強電
界ドリフト部6が形成され、強電界ドリフト部6上に金
薄膜よりなる表面電極7が形成されている。また、n形
シリコン基板1の裏面にはオーミック電極2が形成され
ている。
【0024】この電界放射型電子源10では、表面電極
7を真空中に配置するとともに表面電極7に対向してコ
レクタ電極(図示せず)を配置し、表面電極7をオーミ
ック電極2に対して正極として直流電圧を印加するとと
もに、コレクタ電極を表面電極7に対して正極として直
流電圧を印加することにより、n形シリコン基板1から
強電界ドリフト部6へ注入された電子が強電界ドリフト
部6をドリフトし表面電極7を通して放出される。ここ
において、表面電極7とオーミック電極2との間に流れ
る電流をダイオード電流と称し、コレクタ電極と表面電
極7との間に流れる電流を放出電子電流と称し、ダイオ
ード電流に対する放出電子電流が大きいほど電子の放出
効率が高くなる。なお、本実施形態の電界放射型電子源
10では、表面電極7とオーミック電極2との間の直流
電圧を10〜20V程度の低電圧としても電子を放出さ
せることができる。
【0025】本実施形態における強電界ドリフト部6
は、導電性基板たるn形シリコン基板1の厚み方向に直
交する断面が網目状に形成され、該網目状の網の部分に
形成され上記電子がドリフトするドリフト部61と、網
目状の網目の中に満たされドリフト部61よりも熱伝導
性の良い放熱部62とからなる。要するに、放熱部62
は、n形シリコン基板1の厚み方向に平行な角柱状に形
成されている。ここにおいて、ドリフト部61は、酸化
された多孔質シリコン(ポーラスシリコン)よりなり、
放熱部62は、酸化された単結晶シリコンよりなる。
【0026】しかして、本実施形態の電界放射型電子源
10では、ドリフト部61で発生した熱が放熱部62を
通して放熱されるので、電子放出時にポッピング現象が
発生せず安定して高効率で電子を放出することができ
る。
【0027】以下、製造方法について図2を参照しなが
ら説明する。
【0028】まず、n形シリコン基板1の裏面にオーミ
ック電極2を形成した後、n形シリコン基板1の主表面
上にフォトレジストを塗布し、図3に示すようなフォト
マスクMを利用し上記フォトレジストをパターニングす
ることによってレジストマスク3を形成することにより
図2(a)に示すような構造が得られる。ここに、フォ
トマスクMは、レジストマスク3の平面形状が微小な
(例えば、0.1μmオーダの)略正方形になるように
構成されているが、レジストマスク3の平面形状が正方
形以外の微小な多角形状、微小な円形状、微小な星形な
どになるように構成してもよい。
【0029】次に、55wt%のフッ化水素水溶液とエ
タノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液
を用い、白金電極(図示せず)を負極、n形シリコン基
板1(オーミック電極2)を正極として、n形シリコン
基板1の主表面側に光照射を行いながら定電流で陽極酸
化処理を行うことによって、n形シリコン基板1の主表
面側においてレジストマスク3で覆われていない部分が
多孔質化されて多孔質シリコンよりなる多孔質層11が
形成され図2(b)に示すような構造が得られる。ここ
に、図2(b)中の12はn形シリコン基板1の一部よ
りなる半導体層を示す。この半導体層12は、四角柱状
に形成される。なお、本実施形態では、陽極酸化処理の
条件として、電流密度を10mA/cm2一定、陽極酸
化時間を30秒とするとともに、陽極酸化中に500W
のタングステンランプによりn形シリコン基板1の主表
面側に光照射を行ったが、この条件は一例であって特に
限定されるものではない。要するに、本実施形態では、
n形シリコン基板1の主表面側の部分が半導体部を兼ね
ている。
【0030】次に、急速熱酸化(RTO:Rapid Therm
al Oxidation)技術によって多孔質層11および半導
体層12の急速熱酸化を行うことによって強電界ドリフ
ト部6が形成され、続いて、強電界ドリフト部6上に金
薄膜からなる表面電極7を例えば蒸着によって形成する
ことにより図2(c)に示す構造が得られる。ここに、
図2(c)における61は急速熱酸化された多孔質層1
1であって上述のドリフト部61に対応し、62は急速
熱酸化された半導体層12であって上述の放熱部62に
対応する。つまり、図2(c)におけるドリフト部61
と放熱部62とで強電界ドリフト部6を構成している。
急速熱酸化の条件としては、酸化温度を900℃、酸化
時間を1時間とした。また、表面電極7の膜厚は略10
nmとしたが、この膜厚は特に限定するものではなく、
表面電極7となる金属薄膜(例えば、金薄膜)の形成方
法も蒸着に限定されるものではなく、例えばスパッタ法
を用いてもよい。なお、電界放射型電子源10は表面電
極7を正極(アノード)とし、オーミック電極2を負極
(カソード)とするダイオードが構成される。この正極
と負極との間に直流電圧を印加したときに流れる電流が
ダイオード電流である。
【0031】なお、上述の製造方法により製造された電
界放射型電子源10は、放出電子電流の経時変化が少な
くてポッピングノイズがなく、電子が安定して高効率で
放出された。また、この電界放射型電子源10は、電子
放出特性(例えば、電子放出電流)の真空度依存性が小
さく、低真空度でも良好な電子放出特性が得られたの
で、従来のような高真空で使用する必要がないから、電
界放射型電子源10を利用する装置の低コスト化が図れ
るとともに取り扱いが容易になる。
【0032】ところで、本実施形態の電界放射型電子源
10は、その製造方法においてn形シリコン基板1(半
導体部)上にレジストマスク3を設けた後に、陽極酸化
処理を施すので、n形シリコン基板1の多孔質化はn形
シリコン基板1の主表面のうち露出した領域で深さ方向
に進行していく。したがって、本実施形態の電界放射型
電子源10における強電界ドリフト部6は、電気伝導性
の制御性および構造的・熱的安定性からみれば、従来の
ように単結晶シリコン基板の主表面側の全面を多孔質化
することにより得られた強電界ドリフト層よりも優れた
性質をもつと考えられる。
【0033】すなわち、本実施形態の電界放射型電子源
10では、次のようなモデルで電子放出が起こると考え
られる。表面電極7をn形シリコン基板1(オーミック
電極2)に対して正極として印加する直流電圧が所定値
(臨界値)に達すると、n形シリコン基板1側から強電
界ドリフト部6へ熱的励起により電子が注入される。一
方、強電界ドリフト部6のドリフト部61には、量子閉
じ込め効果が現れるナノメータオーダの微結晶シリコン
層が多数存在しこの微結晶シリコン層の表面には微結晶
シリコン層の結晶粒径よりも小さな膜厚のシリコン酸化
膜が形成されていると考えられる。したがって、強電界
ドリフト部6に印加された電界はほとんど微結晶シリコ
ン層の表面に形成されたシリコン酸化膜にかかるから、
注入された電子は当該シリコン酸化膜にかかっている強
電界により加速されドリフト部61内を表面に向かって
ドリフトする。ここに、電子のドリフト長は微結晶シリ
コン層の粒径に比べて非常に大きいのでほとんど衝突を
起こすことなくドリフト部61の表面に到達する。ドリ
フト部61の表面に到達した電子はホットエレクトロン
であって、ホットエレクトロンは熱平衡状態よりも数k
T以上のエネルギを有するので、強電界ドリフト部6の
最表面の酸化層を介して表面電極7を容易にトンネルし
真空中に放出される。
【0034】ところで、本実施形態の電界放射型電子源
10では、ポッピングノイズが発生せずに高効率で安定
して電子を放出することができるが、これは、電圧の印
加により強電界ドリフト部6のドリフト部61に発生し
た熱が放熱部62を伝導して外部に放出され、温度上昇
が抑制されるからであると推考される。
【0035】以上をまとめると、強電界ドリフト部6
は、強電界が存在しうる半絶縁性を備え、また、電子散
乱が少なくドリフト長が大きく、さらに、ダイオード電
流の熱暴走を抑えるだけの熱伝導率を有するので、高効
率で安定して電子を放出することができるのだと考えら
れる。
【0036】上述のようなホットエレクトロンのトンネ
リングによる電子放出の機構を支持する事項として、
表面での強電界効果、電子のドリフト長、それぞれに
ついて説明する。 表面での強電界効果 従来例で説明したn形単結晶シリコン基板の主表面側の
全面に陽極酸化処理を施して多孔質シリコン層よりなる
強電界ドリフト層を形成したものでは、冷電子放出まで
至らない低電圧領域においてまずエレクトロルミネセン
ス(以下、ELと称す)発光が観測される。この発光機
構を考えると、基板はn形であることから、電子が発光
再結合するために必要なホールの発生がどのような機構
で起こるかが問題となる。ホールの生成機構としては、
EL発光特性の解析から、微結晶シリコン層の価電子帯
から隣接した微結晶シリコン層の伝導帯への電子トンネ
リング、および衝突電離による電子なだれ、の2つの過
程が提案されている(T.Oguro et al,J.Appl.Phys.81
(1997)1407-1412)。
【0037】これらの2つの過程はいずれも強電界の存
在によってはじめて生じうる効果である。また、印加電
界によるPLクエンチングの励起波長依存性の測定結果
に基づく見積もりによれば、EL発光時の多孔質シリコ
ンダイオードでは、106V/cm程度の強電界が多孔
質シリコン層の表面から数百nmの深さまでの比較的浅
い領域に存在している。電子放出はELよりもさらに高
い印加電圧から始まるので、電子放出にはホットエレク
トロンが関与していると考えられる。
【0038】これに対し、本実施形態では、RTO処理
によって酸化層が強電界ドリフト部6の表面側に特に集
中して形成されているので、表面付近で生じる強電界が
ホットエレクトロンの生成とトンネル放出を引き起こし
ていると考えられる。 電子のドリフト長 多孔質シリコン層の光導電効果に関連したキャリア飛行
時間(time-of-flight:TOF)測定の結果によれば、強電
界下(105V/cm)にある多孔質シリコン層内のキ
ャリアのドリフト長は約1μmにも及ぶことが報告され
ている(R.Sedlacik et al,Thin Solid Films 255
(1993)269-271)。これは多孔質シリコン層中の微結晶
シリコン層のサイズをはるかに超える値であり、伝導電
子が容易にホット化しうることを意味する。要するに、
多孔質シリコン層中の電子伝導を支配しているは単結晶
シリコン構造そのものではなく、強電界が存在する微結
晶シリコン層の表面層ないし微結晶シリコン層間の薄い
シリコン酸化膜などの界面組織であるといえる。
【0039】したがって、上述の,からも本実施形
態の電界放射型電子源10では、ホットエレクトロンの
トンネリングにより電子が放出されるものと考えられ
る。
【0040】ところで、本実施形態では、上述のよう
に、n形シリコン基板1の主表面側の部分が半導体部を
兼ねており、この半導体部に陽極酸化処理を施している
が、半導体部として、n形シリコン基板1上に単結晶シ
リコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、単結
晶シリコンカーバイド(SiC)、多結晶シリコンカー
バイド、アモルファスシリコンカーバイドのいずれかを
積層して陽極酸化処理を施してもよい。また、導電性基
板はn形シリコン基板に限定されるものではなく、例え
ば、クロムなどの金属基板や、ガラス基板などに透明導
電性薄膜(例えば、ITO:Indium Tin Oxide)や白
金やクロムなどの導電性膜を形成した基板などを用いて
もよく、n形シリコン基板などの半導体基板を用いる場
合に比べて大面積化及び低コスト化が可能になる。ここ
において、多結晶シリコンの成膜は、導電性基板が半導
体基板の場合にはLPCVD法やスパッタ法により行っ
てもよいし、あるいは、プラズマCVD法によってアモ
ルファスシリコンを成膜した後にアニール処理を行うこ
とにより結晶化させてもよい。また、導電性基板がガラ
ス基板に導電性薄膜を形成した基板の場合には、CVD
法によって導電性薄膜上にアモルファスシリコンを成膜
した後エキシマレーザでアニールすることにより、多結
晶シリコンをを形成してもよい。また、導電性薄膜上に
多結晶シリコンを形成する方法はCVD法に限定される
ものではなく、例えばCGS(Continuous Grain Sil
icon)法や触媒CVD法などを用いてもよい。多結晶シ
リコンをCVD法などにより基板上に堆積させる場合、
堆積されるポリシリコン層は基板のオリエンテーション
が強く影響するので、多結晶シリコン層を単結晶シリコ
ン(100)基板以外の基板上に堆積させる場合には、
基板の主表面に対して垂直方向へ柱状に成長する堆積条
件を設定すればよい。
【0041】また、上記実施形態においては、表面電極
7となる金属薄膜として金薄膜を用いているが、金属薄
膜の材料は金に限定されるものではなく、仕事関数の小
さな金属であればよく、例えば、アルミニウム、クロ
ム、タングステン、ニッケル、白金などを用いてもよ
い。ここに、金の仕事関数は5.10eV、アルミニウ
ムの仕事関数は4.28eV、クロムの仕事関数は4.
50eV、タングステンの仕事関数は4.55eV、ニ
ッケルの仕事関数は5.15eV、白金の仕事関数は
5.65eVである。
【0042】ところで、半導体部の一部を陽極酸化によ
り多孔質化する際に、導電性基板たるn形シリコン基板
1の主表面に垂直な方向における半導体部の多孔質化の
速度が他方向に比べ十分に高くなるようにn形シリコン
基板1に磁界を印加すれば、多孔質化の速度の異方性が
高められ、つまり、上記急速熱酸化によりドリフト部6
1となる部分の陽極酸化時の多孔質層の形成速度の異方
性が高められるから、ドリフト部61の平面および深さ
方向の形状の制御性が向上し放熱部62およびドリフト
部61の微細なパターンを深さ方向の制御性良く形成す
ることができる。ここに、上記異方性を高めるには、n
形シリコン基板1の上下に磁界を印加すればよい。
【0043】(実施形態2)本実施形態の電界放射型電
子源10は図4に示すような構成であって、その基本構
成は実施形態1と略同じなので実施形態1と相違する点
についてのみ説明する。
【0044】本実施形態の電界放射型電子源10は、図
4に示す強電界ドリフト部6のうちドリフト部61の構
造に特徴がある。すなわち、本実施形態では、ドリフト
部61が、相対的に多孔度の高い第1のドリフト層61
bと多孔度の低い第2のドリフト層61aとが交互に積
層された形の積層構造(マルチレイヤ構造)に形成さ
れ、ドリフト部61の表面側には多孔度の低い第2のド
リフト層61aが形成されている。なお、実施形態1と
同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0045】しかして、本実施形態の電界放射型電子源
10では、ドリフト部61が上記のような多層構造に形
成されていることにより、ダイオード電流が流れ過ぎる
のをより一層抑制でき、実施形態1に比べて電子放出効
率の向上を期待できる。
【0046】また、本実施形態の電界放射型電子源の製
造方法は、実施形態1で説明した製造方法と略同じであ
り、陽極酸化の条件が異なるだけである。すなわち、電
流密度の小さな第1の条件での陽極酸化処理と、電流密
度の大きな第2の条件での陽極酸化処理とを交互に繰り
返している。なお、第1の条件での陽極酸化処理が1回
終了した時点ではn形シリコン基板1の表面側に多孔度
の低い多孔質層が形成され、その後、第2の条件での陽
極酸化処理が終了した時点では、上記多孔度の低い多孔
質層よりもn形シリコン基板1側に多孔度の高い多孔質
層が形成される。
【0047】(実施形態3)本実施形態の電界放射型電
子源10は図5に示すような構成であって、その基本構
成は実施形態1と略同じなので実施形態1と相違する点
についてのみ説明する。
【0048】本実施形態の電界放射型電子源10は、図
5に示す強電界ドリフト部6のうちドリフト部61の多
孔度が厚み方向に連続的に変化した層に形成されている
点に特徴がある。ここに、ドリフト部61は、n形シリ
コン基板1に近い側が高多孔度で表面に近い方が低多孔
度となり多孔度が厚み方向に連続的に変化している。な
お、実施形態1と同様の構成要素につていは同一の符号
を付して説明を省略する。
【0049】しかして、本実施形態の電界放射型電子源
10では、ドリフト部61が上記のような多孔度の連続
的に変化した層に形成されていることにより、ダイオー
ド電流が流れ過ぎるのをより一層抑制でき、実施形態1
に比べて電子放出効率の向上を図れる。
【0050】なお、本実施形態の電界放射型電子源の製
造方法は、実施形態1で説明した製造方法と略同じであ
り、陽極酸化の条件が異なるだけである。すなわち、本
実施形態では、陽極酸化の電流(電流密度)を連続的に
増加させていくことにより、実施形態1で説明した多孔
質層の多孔度が連続で変化する構造にしている。
【0051】例えば、陽極酸化を開始し、時間経過とと
もに電流密度を連続的に(徐々に)増加させることによ
り、陽極酸化処理が終了した時点では、n形シリコン基
板1に近い側が高多孔度で表面に近い方が低多孔度とな
り多孔度が厚み方向に連続的に変化した多孔質層が形成
され、この多孔質層に急速熱酸化を行うことにより、多
孔度が連続的に変化したドリフト部61が形成される。
【0052】
【発明の効果】請求項1の発明は、導電性基板と、導電
性基板の一表面側に形成された強電界ドリフト部と、該
強電界ドリフト部上に形成された金属薄膜よりなる表面
電極とを備え、表面電極を導電性基板に対して正極とし
て直流電圧を印加することにより導電性基板から注入さ
れた電子が強電界ドリフト部をドリフトし表面電極を通
して放出される電界放射型電子源であって、強電界ドリ
フト部は、導電性基板の厚み方向に直交する断面が網目
状に形成され、該網目状の網の部分に形成され上記電子
がドリフトするドリフト部と、網目状の網目の中に満た
されドリフト部よりも熱伝導性の良い放熱部とからなる
ので、強電界ドリフト部ではドリフト部で発生した熱が
放熱部を通して放熱されるから、電子放出時にポッピン
グ現象が発生せず安定して高効率で電子を放出すること
ができるという効果がある。
【0053】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ドリフト部は、導電性基板の厚み方向において
多孔度の異なる層が交互に積層された層よりなるので、
電子放出効率を高めることができるという効果がある。
【0054】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ドリフト部は、導電性基板の厚み方向において
多孔度が連続的に変化した層よりなるので、電子放出効
率を高めることができるという効果がある。
【0055】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、上記放熱部は、シリコン若しくはシ
リコンカーバイドの単結晶が酸化された層よりなるの
で、放熱部が高熱伝導性および電気絶縁性を有し放熱性
が向上するという効果がある。
【0056】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、上記放熱部は、シリコン若しくはシ
リコンカーバイドの多結晶が酸化された層よりなるの
で、放熱部が高熱伝導性および電気絶縁性を有し放熱性
が向上するという効果がある。
【0057】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、上記放熱部は、シリコン若しくはシ
リコンカーバイドのアモルファスが酸化された層よりな
るので、放熱部が高熱伝導性および電気絶縁性を有し放
熱性が向上するという効果がある。
【0058】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8の発明において、上記導電性基板は、上記一表面に導
電性薄膜が形成された基板からなるので、導電性基板と
して単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いる場合
に比べて大面積化および低コスト化が可能となるという
効果がある。
【0059】請求項10の発明は、請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法で
あって、導電性基板の一表面側の半導体部の一部を厚み
方向に沿って陽極酸化により多孔質化し、その後、半導
体部および多孔質化された半導体部を酸化することによ
り放熱部およびドリフト部を形成し、次いで、ドリフト
部と放熱部とからなる強電界ドリフト部上に金属薄膜よ
りなる表面電極を形成するので、導電性基板の一表面側
の半導体部の一部を多孔質化した後に酸化を行うことに
よりドリフト部と放熱部とを同じ半導体材料から形成す
ることができ、ドリフト部と放熱部とを最初から別々に
形成する必要がなくドリフト部と放熱部とのパターン形
状の制御が容易で、電子放出時にポッピング現象が発生
せず安定して高効率で電子を放出することが可能な電界
放射型電子源を低コストで実現することができるという
効果がある。
【0060】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記陽極酸化を行う際に、半導体部上へ厚み方
向に直交する断面が微小な多角形状のマスクを放熱部の
形成予定領域に合わせて設けた後に陽極酸化を行うの
で、導電性基板の一表面側の半導体部のうちドリフト部
に対応する部分のみを陽極酸化により多孔質化すること
ができるという効果がある。
【0061】請求項12の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記陽極酸化を行う際に、半導体部上へ厚み方
向に直交する断面が微小な円状のマスクを放熱部の形成
予定領域に合わせて設けた後に陽極酸化を行うので、導
電性基板の一表面側の半導体部のうちドリフト部に対応
する部分のみを陽極酸化により多孔質化することができ
るという効果がある。
【0062】請求項13の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記陽極酸化を行う際に、導電性基板の上記一
表面に垂直な方向における半導体部の多孔質化の速度が
他方向に比べ十分に高くなるように導電性基板に磁界を
印加するので、多孔質化の速度の異方性が高められ、つ
まり、上記多孔質化した後の酸化によりドリフト部とな
る部分の陽極酸化時の多孔質層形成速度の異方性が高め
られるから、ドリフト部の平面および深さ方向の形状の
制御性が向上し放熱部およびドリフト部の微細なパター
ンを深さ方向の制御性良く形成することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示し、(a)は概略縦断面図、
(b)は概略水平断面図である。
【図2】同上の製造方法を説明するための主要工程断面
図である。
【図3】同上の製造方法を説明するためのフォトマスク
の平面図である。
【図4】実施形態2を示す概略縦断面図である。
【図5】実施形態3を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】 1 n形シリコン基板 2 オーミック電極 6 強電界ドリフト部 7 表面電極 10 電界放射型電子源 61 ドリフト部 62 放熱部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/312 H01J 9/02 H01J 31/12 H01J 33/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板と、導電性基板の一表面側に
    形成された強電界ドリフト部と、該強電界ドリフト部上
    に形成された金属薄膜よりなる表面電極とを備え、表面
    電極を導電性基板に対して正極として直流電圧を印加す
    ることにより導電性基板から注入された電子が強電界ド
    リフト部をドリフトし表面電極を通して放出される電界
    放射型電子源であって、強電界ドリフト部は、導電性基
    板の厚み方向に直交する断面が網目状に形成され、該網
    目状の網の部分に形成され上記電子がドリフトするドリ
    フト部と、網目状の網目の中に満たされドリフト部より
    も熱伝導性の良い放熱部とからなることを特徴とする電
    界放射型電子源。
  2. 【請求項2】 上記ドリフト部は、導電性基板の厚み方
    向において多孔度の異なる層が交互に積層された層であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。
  3. 【請求項3】 上記ドリフト部は、導電性基板の厚み方
    向において多孔度が連続的に変化した層であることを特
    徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。
  4. 【請求項4】 上記網目は、微小な多角形状であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の電界放射型電子源。
  5. 【請求項5】 上記網目は、微小な円状であることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電
    界放射型電子源。
  6. 【請求項6】 上記放熱部は、シリコン若しくはシリコ
    ンカーバイドの単結晶が酸化された層よりなることを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電
    界放射型電子源。
  7. 【請求項7】 上記放熱部は、シリコン若しくはシリコ
    ンカーバイドの多結晶が酸化された層よりなることを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電
    界放射型電子源。
  8. 【請求項8】 上記放熱部は、シリコン若しくはシリコ
    ンカーバイドのアモルファスが酸化された層よりなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の電界放射型電子源。
  9. 【請求項9】 上記導電性基板は、上記一表面に導電性
    薄膜が形成された基板からなることを特徴とする請求項
    1ないし請求項8のいずれかに記載の電界放射型電子
    源。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載の電界放射型電子源の製造方法であって、導電性基
    板の一表面側の半導体部の一部を厚み方向に沿って陽極
    酸化により多孔質化し、その後、半導体部および多孔質
    化された半導体部を酸化することにより放熱部およびド
    リフト部を形成し、次いで、ドリフト部と放熱部とから
    なる強電界ドリフト部上に金属薄膜よりなる表面電極を
    形成することを特徴とする電界放射型電子源の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 上記陽極酸化を行う際に、半導体部上
    へ厚み方向に直交する断面が微小な多角形状のマスクを
    放熱部の形成予定領域に合わせて設けた後に陽極酸化を
    行うことを特徴とする請求項10記載の電界放射型電子
    源の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記陽極酸化を行う際に、半導体部上
    へ厚み方向に直交する断面が微小な円状のマスクを放熱
    部の形成予定領域に合わせて設けた後に陽極酸化を行う
    ことを特徴とする請求項10記載の電界放射型電子源の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 上記陽極酸化を行う際に、導電性基板
    の上記一表面に垂直な方向における半導体部の多孔質化
    の速度が他方向に比べ十分に高くなるように導電性基板
    に磁界を印加することを特徴とする請求項10記載の電
    界放射型電子源の製造方法。
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