JP5148988B2 - 周期的ナノ構造体の製造方法、並びに、電界放射型電子源 - Google Patents

周期的ナノ構造体の製造方法、並びに、電界放射型電子源 Download PDF

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Description

本発明は、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体の製造方法、並びに、電界放射型電子源に関するものである。
従来から、ナノメータオーダのシリコン微結晶(ナノ結晶シリコン)を利用した電子デバイスとして、電界放射型電子源が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
この種の電界放射型電子源としては、下部電極と、下部電極に対向する金属薄膜よりなる表面電極と、下部電極と表面電極との間に介在し下部電極と表面電極との間に表面電極を高電位側として電圧を印加したときに作用する電界により下部電極から表面電極へ向かって電子がドリフトする強電界ドリフト部とを備えたものが提案されており、表面電極を真空中に配置するとともに表面電極に対向してコレクタ電極を配置し、表面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側として電圧を印加するとともに、コレクタ電極と表面電極との間にコレクタ電極を高電位側として電圧を印加することにより、下部電極から注入され強電界ドリフト層をドリフトした電子が表面電極を通して放出される。ここにおいて、上述の電界放射型電子源は、強電界ドリフト部が多数のシリコン微結晶を含んでおり、表面電極が10nm程度の膜厚の金属薄膜(例えば、金薄膜)により構成されている。なお、上述の電界放射型電子源においては、抵抗率が導体の抵抗率に比較的近い半導体基板の裏面にオーミック電極からなる下部電極を形成したものや、絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、絶縁性を有するセラミック基板など)上に導電性層からなる下部電極を形成したものなどがある。
ここで、上述の強電界ドリフト部は、多結晶シリコン層をフッ酸系溶液からなる電解液中で陽極酸化処理することにより多孔質多結晶シリコン層を形成し、多孔質多結晶シリコン層を急速加熱法あるいは電気化学的な酸化方法により酸化することによって形成されており、柱状の多結晶シリコンのグレインと、各グレインの表面に形成された薄いシリコン酸化膜と、グレイン間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶と、各シリコン微結晶それぞれの表面に形成され当該シリコン微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚のシリコン酸化膜とを有している。しかして、強電界ドリフト部に印加された電界の大部分はシリコン微結晶の表面に形成されているシリコン酸化膜に集中的にかかり、注入された電子は当該シリコン酸化膜にかかっている強電界により加速されグレイン間を表面に向かってドリフトするので、電子放出効率を向上させることができる。強電界ドリフト部の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極を容易にトンネルし真空中に放出される。
したがって、上述の電界放射型電子源において良好な電子放出特性を得るためには、薄いシリコン酸化膜により覆われたシリコン微結晶が下部電極側から表面電極側に向って連続的に整列して形成されていることが望ましい。
特開平11−329213号公報 特開2000−100316号公報
ところで、上記特許文献1,2に開示された電界放射型電子源では、多結晶シリコン層を陽極酸化することによりシリコン微結晶を形成しているが、多結晶シリコン層におけるグレインの内部よりも粒界において優先的に陽極酸化反応が進行するので、シリコン微結晶が柱状のグレインの表面に沿って連続的に繋がって形成されることとなる。
しかしながら、多結晶シリコン層のグレインに不連続箇所があると、シリコン微結晶が離れて不連続的に形成されるので、電子の散乱確率が増大して電子放出特性の低下や短寿命化の原因となってしまう。
また、上述の電界放射型電子源のエミッション電流量の向上を図るためには、多結晶シリコン層の柱状のグレインの径を小さくして、強電界ドリフト部において表面に絶縁膜を有するシリコン微結晶が当該強電界ドリフト部の厚み方向に連なって形成された複合ナノ構造部の密度を高くする必要がある。
しかしながら、プラズマCVD法などによって多結晶シリコン層を成膜する場合、基板温度(成膜温度)などのプロセス条件を制御しても柱状のグレインの径を大きく変化させることは困難であり、ナノ構造部の密度を高めることによってエミッション電流量の向上を図るには限度があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体を所望のナノ構造部の周期で容易に製造することが可能な周期的ナノ構造体の製造方法、並びに、電子放出特性の向上が可能な電界放射型電子源を提供することにある。
請求項1の発明は、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体の製造方法であって、半導体材料層を一表面側から陽極酸化することにより各ナノ構造部を形成する陽極酸化処理工程よりも前に、半導体材料層の前記一表面における各ナノ構造部それぞれの形成予定位置に陽極酸化による半導体微結晶の形成を誘導するために周期的に配列されたサイトを形成するサイト形成工程を行うことを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料層を一表面側から陽極酸化することにより各ナノ構造部を形成する陽極酸化処理工程よりも前に、半導体材料層の前記一表面における各ナノ構造部それぞれの形成予定位置に陽極酸化による半導体微結晶の形成を誘導するために周期的に配列されたサイトを形成するサイト形成工程を行うので、各サイトそれぞれが形成された位置からナノ構造化(陽極酸化による半導体微結晶の形成)が進行するから、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体を所望のナノ構造部の周期で容易に製造することが可能になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記サイト形成工程では、電子ビームリソグラフィ法を利用してパターニングしたレジスト層をマスクとして前記半導体材料層を前記一表面側からエッチングすることにより前記サイトを形成することを特徴とする。
この発明によれば、前記サイトを精度良く形成することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記サイト形成工程では、前記各サイトに対応する突起が周期的に配列されたモールドを前記半導体材料層の前記一表面に押し付けてパターン転写するナノインプリント法により前記サイトを形成することを特徴とする。
この発明によれば、請求項2の発明に比べて、スループットの向上を図れる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記サイト形成工程では、ナノインプリント法によりパターニングしたマスク層をマスクとして前記半導体材料層を前記一表面側からエッチングすることにより前記サイトを形成することを特徴とする。
この発明によれば、請求項2の発明に比べて、スループットの向上を図れる。
本願の別の発明は、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体の製造方法であって、半導体材料層を一表面側から陽極酸化することにより各ナノ構造部を形成する陽極酸化処理工程よりも前に、半導体材料層の前記一表面における各ナノ構造部それぞれの形成予定位置にナノ構造化を誘導するために周期的に配列されたサイトを形成するサイト形成工程を行うようにし、前記サイト形成工程と前記陽極酸化処理工程との間に、前記サイト形成工程にて形成した前記サイトを前記半導体材料層の厚み方向に延長するサイト延長工程を備えることを特徴とする。
上記別の発明によれば、半導体材料層を一表面側から陽極酸化することにより各ナノ構造部を形成する陽極酸化処理工程よりも前に、半導体材料層の前記一表面における各ナノ構造部それぞれの形成予定位置にナノ構造化を誘導するために周期的に配列されたサイトを形成するサイト形成工程を行うので、各サイトそれぞれが形成された位置からナノ構造化が進行するから、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体を所望のナノ構造部の周期で容易に製造することが可能になる。また、上記別の発明によれば、前記ナノ構造部をより安定して形成することが可能となる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記陽極酸化処理工程では、前記半導体材料層の他表面側から光を照射しながら陽極酸化を行うことを特徴とする。
この発明によれば、前記半導体材料層の前記一表面から離れてナノ構造化が進行している領域へホールを効率的に供給することができるので、前記ナノ構造部をより安定して形成することが可能となる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記半導体材料層は、単結晶シリコン基板からなることを特徴とする。
この発明によれば、前記ナノ構造部を安定して形成することができる。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記半導体材料層は、アモルファスシリコン層からなることを特徴とする。
この発明によれば、請求項6の発明に比べて周期的ナノ構造体全体の大面積化および低コスト化を図れる。
請求項8の発明は、下部電極と、下部電極に対向する表面電極と、下部電極と表面電極との間に介在し多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され当該半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜からなる絶縁膜を有する強電界ドリフト部とを備え、強電界ドリフト部は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の周期的ナノ構造体の製造方法で製造された周期的ナノ構造体に酸化処理を施すことにより形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、強電界ドリフト部は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の周期的ナノ構造体の製造方法で製造された周期的ナノ構造体に酸化処理を施すことにより形成されているので、表面に絶縁膜が形成された半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数の複合ナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内において複合ナノ構造部が周期的に形成されており、強電界ドリフト部での電子の散乱が少なくなるから、電子放出特性の向上が可能となり、しかも、強電界ドリフト部における複合ナノ構造部の密度を高めてエミッション電流量を増やすことが可能となる。
請求項1の発明では、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体を所望のナノ構造部の周期で容易に製造することが可能になるという効果がある。
請求項8の発明では、電界放射型電子源の電子放出特性の向上が可能になるという効果がある。
本実施形態の電界放射型電子源20は、図1(e)に示すように、単結晶シリコン基板1と、単結晶シリコン基板1の一表面側に形成された強電界ドリフト部3と、単結晶シリコン基板1の他表面側に形成されたオーミック電極からなる下部電極2と、強電界ドリフト部3上に形成された規定膜厚(例えば、10nm程度)の導電性薄膜(例えば、金薄膜)からなる表面電極4とを備えている。ここにおいて、単結晶シリコン基板1としては、上記一表面が(100)面で抵抗率が0.01〜0.02Ωcmのn形単結晶シリコン基板を用いている。
なお、本実施形態では、表面電極4を金薄膜により構成しているが、表面電極4の材料は金に限定されるものではなく、仕事関数の小さな材料であればよい。また、表面電極4は、厚み方向に積層された少なくとも二層の薄膜電極層により構成してもよい。二層の薄膜電極層により構成する場合には、上層の薄膜電極層の材料として例えば金などを採用し、下層の薄膜電極層(強電界ドリフト部3側の薄膜電極層)の材料として例えば、クロム、ニッケル、白金、チタン、イリジウムなどを採用すればよい。
本実施形態の電界放射型電子源20では、表面電極4を真空中に配置するとともに表面電極4に対向してコレクタ電極(図示せず)を配置し、表面電極4を下部電極2に対して陽極として直流電圧を印加するとともに、コレクタ電極を表面電極4に対して陽極として直流電圧を印加することにより、シリコン基板1から強電界ドリフト部3へ注入された電子が強電界ドリフト部3をドリフトし表面電極4を通して放出される。ここにおいて、表面電極4と下部電極2との間に流れる電流をダイオード電流と呼び、コレクタ電極と表面電極4との間に流れる電流をエミッション電流と呼ぶことにすれば、ダイオード電流に対するエミッション電流の比率が大きいほど電子放出効率が高くなる。なお、本実施形態の電界放射型電子源20では、表面電極4と下部電極2との間の直流電圧を10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができる。
ところで、本実施形態における強電界ドリフト部3は、多数のナノメータオーダ(例えば、結晶粒径が5nm程度)のシリコン微結晶33と、各シリコン微結晶それぞれの表面に形成され当該シリコン微結晶33の結晶粒径よりも小さな膜厚(例えば、1〜2nm程度)のシリコン酸化膜34と、シリコン基板1の上記一表面上に形成された薄いシリコン酸化膜32とを有し、表面にシリコン酸化膜34が形成されたシリコン微結晶33が単結晶シリコン基板1の厚み方向に連なって形成された複合ナノ構造部35が単結晶シリコン基板1の厚み方向に直交する面内において周期的に形成されている。ここにおいて、複合ナノ構造部35は、シリコン微結晶33が単結晶シリコン基板1の厚み方向に連なって形成されたナノ構造部32(図1(c)参照)を有する周期的ナノ構造体10(図1(c)参照)に酸化処理を施すことにより形成されており、複合ナノ構造部35の周期は、後述のナノメータサイズの微細な窪みからなるサイト31(図1(a)参照)の配列ピッチにより決まる。本実施形態では、サイト31の配列ピッチを120nmに設定してあるが、この数値は一例であり、特に限定するものではなく、例えば、20nm〜10μm程度の範囲で設定すればよい。なお、本実施形態では、単結晶シリコン基板1が半導体材料層を構成し、シリコン微結晶33が半導体微結晶を構成し、シリコン酸化膜34が半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜からなる絶縁膜を構成している。
本実施形態の電界放射型電子源20では、強電界ドリフト部3において、表面にシリコン酸化膜34が形成されたシリコン微結晶33が単結晶シリコン基板1の厚み方向に連なって形成されているので、強電界ドリフト部3での電子の散乱が少なくなるから、電子放出特性の向上が可能となり、しかも、単結晶シリコン基板1の面内におけるシリコン微結晶の形成位置や周期はシリコン基板の上記一表面に形成するサイト31の配列パターンによって自由に設計できるから、強電界ドリフト部3における複合ナノ構造部35の密度を高めてエミッション電流量を増やすことが可能となる。
また、本実施形態の電界放射型電子源20では、複合ナノ構造部35で発生した熱がシリコン基板1における複合ナノ構造部35の周部を通して放熱されるので、電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して高効率で電子を放出することができる。
以下、上述の電界放射型電子源20の製造方法について図1を参照しながら説明する。
まず、単結晶シリコン基板1の上記他表面側にオーミック電極からなる下部電極2を形成する下部電極形成工程を行うことによって、図1(a)に示す構造が得られる。
その後、単結晶シリコン基板1の上記一表面における各ナノ構造部32(図1(c)参照)それぞれの形成予定位置にナノ構造化を誘導するために周期的に配列されたサイト31を形成するサイト形成工程を行うことによって、図1(b)に示す構造が得られる。
ここにおいて、サイト形成工程では、電子ビームリソグラフィ法を利用してパターニングしたレジスト層をマスクとして単結晶シリコン基板1を上記一表面側からエッチングすることにより開口サイズがナノメータサイズの微細な窪みからなるサイト31を形成しているので、サイト31を精度良く形成することができる。ただし、サイト形成工程では、各サイト31に対応するナノメータサイズの突起が周期的に配列されたモールド(図示せず)を単結晶シリコン基板1の上記一表面に押し付けてパターン転写するナノインプリント法によりサイト31を形成するようにしてもよく、この場合は、電子ビームリソグラフィ法を利用する場合に比べて、スループットの向上を図れる。また、サイト形成工程では、ナノインプリント法によりパターニングしたマスク層をマスクとして単結晶シリコン基板1を上記一表面側からエッチングすることによりサイト31を形成するようにしてもよく、この場合も、電子ビームリソグラフィ法を利用する場合に比べて、スループットの向上を図れる。
上述のサイト形成工程の後、単結晶シリコン基板1を上記一表面側から陽極酸化することによりナノ構造部32を形成する陽極酸化処理工程を行うことによって、図1(c)に示す構造の周期的ナノ構造体10が得られる。なお、周期的ナノ構造体10は、必ずしも下部電極2を備えている必要はない。
ここで、陽極酸化処理工程では、フッ化水素の濃度が所定濃度(例えば、25wt%)となるように濃度を調整したフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液よりなる電解液中においてシリコン基板1の上記一表面側に対向配置した白金電極(図示せず)と下部電極2との間に電圧を印加して、所定電流(例えば、電流密度が5mA/cmの定電流)を所定時間(例えば、5秒)だけ流すことによって単結晶シリコン基板1の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダ(例えば、5nm)のシリコン微結晶33が形成される。なお、陽極酸化処理工程において、単結晶シリコン基板1の上記他表面側から光を照射しながら陽極酸化を行うようにすれば、単結晶シリコン基板1の上記一表面から離れてナノ構造化が進行している領域へホールを効率的に供給することができるので、ナノ構造部32をより安定して形成することが可能となる。
上述の陽極酸化処理工程の後、酸化処理により各シリコン微結晶33それぞれの表面に当該シリコン微結晶33の結晶粒径よりも小さな膜厚のシリコン酸化膜34を形成する絶縁膜形成工程を行うことで複数の複合ナノ構造部35を有する強電界ドリフト部3が形成され、図1(d)に示す構造が得られる。ここにおいて、絶縁膜形成工程では、電解液として1Mの硫酸水溶液を用い、単結晶シリコン基板1の上記一表面側に対向配置した白金電極(図示せず)と下部電極2との間に所定電流(例えば、電流密度が30mA/cmの定電流)を流し、白金電極と下部電極2との間の電圧が30Vだけ上昇するまで電気化学的な酸化を行うことでシリコン酸化膜34を形成する(強電界ドリフト部3は、単結晶シリコン基板1の上記一表面に形成された図示しないシリコン酸化膜も含んでいる)。要するに、絶縁膜形成工程では、電気化学的な酸化方法によりシリコン酸化膜34を形成している。なお、絶縁膜形成工程の酸化処理で用いる電解液は、硫酸水溶液に限らず、塩酸水溶液、硝酸水溶液や、エチレングリコールなどの有機溶媒中に硝酸カリウムなどの溶質を溶かした溶液などを用いてもよい。
上述の絶縁膜形成工程の後、強電界ドリフト部3上に導電性薄膜(例えば、金薄膜など)からなる表面電極4を例えば電子ビーム蒸着法などにより形成する表面電極形成工程を行うことによって、図1(e)に示す構造の電界放射型電子源20が得られる。
上述の説明から分かるように、周期的ナノ構造体10の製造にあたっては、単結晶シリコン基板1を上記一表面側から陽極酸化することにより各ナノ構造部32を形成する陽極酸化処理工程よりも前に、単結晶シリコン基板1の上記一表面における各ナノ構造部32それぞれの形成予定位置にナノ構造化を誘導するために周期的に配列されたサイト31を形成するサイト形成工程を行うので、各サイト31それぞれが形成された位置からナノ構造化(陽極酸化によるシリコン微結晶33の形成)が進行するから、多数のナノメータオーダのシリコン微結晶33が単結晶シリコン基板1の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部32を有し且つ単結晶シリコン基板1の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部32が周期的に形成された周期的ナノ構造体10を所望のナノ構造部32の周期で容易に製造することが可能になる。なお、サイト31のピッチを適宜設定すれば、陽極酸化処理工程において、ナノ構造部32が所定深さだけ進行したところでナノ構造部32の最深部へのホールの供給が無くなりナノ構造部32の形成が自律的に終了するようにすることも可能である。
また、周期的ナノ構造体10の製造にあたって、サイト形成工程と陽極酸化処理工程との間に、サイト形成工程にて形成したサイト31を単結晶シリコン基板1の厚み方向(深さ方向)に延長するサイト延長工程を行うようにすれば、ナノ構造部32をより安定して形成することが可能となる。
また、上述の電界放射型電子源20の製造方法によれば、絶縁膜形成工程では、電気化学的な酸化方法によりシリコン酸化膜34を形成するようにしているので、陽極酸化処理工程と絶縁膜形成工程とを、電解液の種類や通電条件などを変えることで同じ処理槽内で連続して行うことが可能となり、製造コストの低コスト化を図れる。
また、上述の製造方法により製造される電界放射型電子源20は、強電界ドリフト部3が上述の周期的ナノ構造体10の製造方法で製造された周期的ナノ構造体10に酸化処理を施すことにより形成されているので、表面にシリコン酸化膜(絶縁膜)32が形成されたシリコン微結晶33が単結晶シリコン基板1の厚み方向に連なって形成された複数の複合ナノ構造部35を有し且つ単結晶シリコン基板1の厚み方向に直交する面内において複合ナノ構造部35が周期的に形成されており、強電界ドリフト部3での電子の散乱が少なくなるから、電子放出特性の向上が可能となり、しかも、強電界ドリフト部3における複合ナノ構造部35の密度を高めてエミッション電流量を増やすことが可能となる。
ところで、上述の絶縁膜形成工程では、電気化学的な酸化方法により酸化処理を行っているが、酸化処理は、電気化学的な酸化方法に限らず、例えば、急速熱酸化、プラズマ酸化、高圧水蒸気酸化など他の酸化方法を採用してもよい。また、酸化処理のあとに、シリコン酸化膜32,34の膜質を改善するために、水素ガス雰囲気中やフォーミングガス雰囲気中でのアニールや、高圧水蒸気アニールなどの処理を行うようにしてもよい。なお、絶縁膜形成工程では、絶縁膜としてシリコン酸化膜34を形成しているが、絶縁膜としてシリコン窒化膜やシリコン酸窒化膜などを採用してもよく、窒化処理により絶縁膜を形成したり、酸窒化処理により絶縁膜を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、半導体材料層を構成する単結晶シリコン基板1として上記一表面が(100)面で抵抗率が0.01〜0.02Ωcmのn形単結晶シリコン基板を用いているが、単結晶シリコン基板1の抵抗率や導電形は特に限定するものではなく、例えば、上記一表面が(100)面で抵抗率が0.01〜10Ωcmのp形単結晶シリコン基板を用いても、n形単結晶シリコン基板を用いた場合と同様に、ナノ構造部32および複合ナノ構造部34を安定して形成することができる。また、半導体材料層は単結晶シリコン基板1に限らず、例えば、ガラス基板などの絶縁性基板上の下部電極2上に成膜したアモルファスシリコン層により構成してもよく、この場合には、周期的ナノ構造体10および電界放射型電子源20それぞれについて全体の大面積化および低コスト化を図れる。
また、上述の電界放射型電子源20を一旦製造した後、当該電界放射型電子源20をサイト形成工程において電子ビームリソグラフィを行う際にレジスト層へ電子ビームを照射する電子源として利用すれば、電子ビームを走査する必要がなく、電子線用のレジスト層を一度にパターニングできるので、スループットの向上を図れるとともに大面積の半導体材料層にも対応することができる。
実施形態の電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
符号の説明
1 単結晶シリコン基板(半導体材料層)
2 下部電極
3 強電界ドリフト部
4 表面電極
10 周期的ナノ構造体
20 電界放射型電子源
31 サイト
32 ナノ構造部
33 シリコン微結晶(半導体微結晶)
34 シリコン酸化膜(絶縁膜)
35 複合ナノ構造部

Claims (8)

  1. 多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体材料層の厚み方向に連なって形成された複数のナノ構造部を有し且つ半導体材料層の厚み方向に直交する面内においてナノ構造部が周期的に形成された周期的ナノ構造体の製造方法であって、半導体材料層を一表面側から陽極酸化することにより各ナノ構造部を形成する陽極酸化処理工程よりも前に、半導体材料層の前記一表面における各ナノ構造部それぞれの形成予定位置に陽極酸化による半導体微結晶の形成を誘導するために周期的に配列されたサイトを形成するサイト形成工程を行うことを特徴とする周期的ナノ構造体の製造方法。
  2. 前記サイト形成工程では、電子ビームリソグラフィ法を利用してパターニングしたレジスト層をマスクとして前記半導体材料層を前記一表面側からエッチングすることにより前記サイトを形成することを特徴とする請求項1記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  3. 前記サイト形成工程では、前記各サイトに対応する突起が周期的に配列されたモールドを前記半導体材料層の前記一表面に押し付けてパターン転写するナノインプリント法により前記サイトを形成することを特徴とする請求項1記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  4. 前記サイト形成工程では、ナノインプリント法によりパターニングしたマスク層をマスクとして前記半導体材料層を前記一表面側からエッチングすることにより前記サイトを形成することを特徴とする請求項1記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  5. 前記陽極酸化処理工程では、前記半導体材料層の他表面側から光を照射しながら陽極酸化を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  6. 前記半導体材料層は、単結晶シリコン基板からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  7. 前記半導体材料層は、アモルファスシリコン層からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  8. 下部電極と、下部電極に対向する表面電極と、下部電極と表面電極との間に介在し多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され当該半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜からなる絶縁膜を有する強電界ドリフト部とを備え、強電界ドリフト部は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の周期的ナノ構造体の製造方法で製造された周期的ナノ構造体に酸化処理を施すことにより形成されてなることを特徴とする電界放射型電子源。
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