JP2011175789A - 周期的ナノ構造体の製造方法および電界放射型電子源の製造方法 - Google Patents

周期的ナノ構造体の製造方法および電界放射型電子源の製造方法 Download PDF

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崇 幡井
Tsutomu Ichihara
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Abstract

【課題】多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体基板の厚み方向に連なり、且つ半導体基板の面内において周期的に形成された周期的ナノ構造体を制御性よく製造する製造方法および電子放出特性の向上が可能な電界放射型電子源の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板(半導体基板)1に下部電極2を形成し、シリコン基板1の一表面1aに周期的に配列された複数個の垂直孔31を陽極酸化により形成してから、垂直孔31の内周面の平滑性を向上させ、垂直孔31の内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なるシリコン微結晶(半導体微結晶)33を陽極酸化により形成することで周期的ナノ構造体を得て、各シリコン微結晶33それぞれの表面にシリコン酸化膜(絶縁膜)34を形成することで強電界ドリフト部3を形成し、強電界ドリフト部3上に表面電極4を形成することで電界放射型電子源10を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体基板の厚み方向に連なって形成され、且つ半導体基板の面内において半導体微結晶が周期的に形成された周期的ナノ構造体の製造方法および電界放射型電子源の製造方法に関するものである。
近年、直径が数ナノメータオーダの球状やロッド状の半導体微結晶は、量子サイズ効果により、強い閉じ込め効果に基づくバンドギャップの増大のみならず、誘電率や屈折率の低下、キャリア注入による荷電現象の顕在化、特異な高電界ドリフトの増進などを発現することが明らかになっており、種々の電子デバイスへの応用が研究されている。たとえば、ナノメータオーダの半導体微結晶からなる周期的ナノ構造体を利用した電子デバイスとして、熱誘起超音波音源、高速変調可能な赤外線光源、フィールドエミッションディスプレイ、光源やメモリ素子(たとえば、特願2000−31241号や特願2001−192573号)などに応用可能な電界放射型電子源などが挙げられる。
この種の電界放射型電子源として、図2に示す、シリコン基板1と、シリコン基板1の一表面側に形成された強電界ドリフト部3と、シリコン基板1の他表面側に形成されたオーミック電極からなる下部電極2と、強電界ドリフト部3上に形成された表面電極4とを備え、強電界ドリフト部3が、シリコン基板1の上記一表面に周期的に形成された複数個の垂直孔31それぞれの内周面に沿って形成された多数のナノメータオーダのシリコン微結晶33と、各シリコン微結晶33それぞれの表面に形成され当該シリコン微結晶33の結晶粒径よりも小さな膜厚のシリコン酸化膜34と、シリコン基板1の上記一表面上に形成された薄いシリコン酸化膜32とを有し、表面にシリコン酸化膜34が形成されたシリコン微結晶33が各垂直孔31の内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なって形成されたものが知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。
電界放射型電子源は、たとえば、表面電極4を真空中に配置するとともに表面電極4に対向してコレクタ電極(図示せず)を配置し、表面電極4を下部電極2に対して陽極として直流電圧を印加するとともに、コレクタ電極を表面電極4に対して陽極として直流電圧を印加させる。これにより、電界放射型電子源は、シリコン基板1から強電界ドリフト部3へ注入された電子が強電界ドリフト部3をドリフトし表面電極4を通して放出させることができる。
このような電界放射型電子源は、強電界ドリフト部3の形成にあたって、シリコン基板1の上記一表面に複数個の垂直孔31を図示していない第1の電解液中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程と、垂直孔31の上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダのシリコン微結晶33を第2の電解液中で陽極酸化により形成する微結晶形成工程と、酸化処理によりシリコン微結晶33それぞれの表面にシリコン酸化膜32を形成する絶緑膜形成工程を備えることで形成させることができる。
特開2009−155676号公報
ところで、上述した電界放射型電子源では、上記垂直孔形成工程で陽極酸化の電流密度や第1の電解液の濃度など陽極酸化の条件を選択することにより、垂直孔31を形成させることができる。すなわち、シリコン基板1の面内と平行方向(厚み方向に直交する方向)ではなくシリコン基板1の厚み方向にエッチングが進むような陽極酸化の条件を選択して形成させている。
しかしながら、第1の電解液中での陽極酸化により垂直孔31を形成させる垂直孔形成工程においては、陽極酸化の条件を選択して形成させても、シリコン基板1の垂直孔31の内周面でシリコン基板1の厚み方向に交差する方向にも僅かながらエッチングが進む。そのため、垂直孔31の内周面では、垂直孔31が枝分かれした樹枝状の孔による凹凸部が形成される場合がある。陽極酸化の条件だけで、垂直孔31の上記内周面で垂直孔31が枝分かれした上記凹凸部が形成されることを抑制するのはきわめて難しい。また、陽極酸化の条件を調整して垂直孔31を形成していても、たとえば、複数枚のシリコン基板1を連続して処理するような場合、第1の電解液の濃度変化や温度変化などにより、垂直孔31の上記内周面に僅かながら上記凹凸部が形成される場合がある。さらに、垂直孔31を形成する陽極酸化の条件を、常時、より厳格に管理し制御することで、垂直孔31の上記内周面に上記凹凸部が形成されることをある程度制御することは可能なものの煩雑で調整が難しい。
ここで、上記凹凸部が形成された垂直孔31の内周面に沿ってシリコン微結晶33が形成された場合、ナノメータオーダのシリコン微結晶33同士が不連続に離れて形成されてしまう場合があり、たとえば、電界放射型電子源の電子放出特性を向上させることが難しくなる傾向にある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体基板の厚み方向に連なって形成され、且つ半導体基板の面内において半導体微結晶が周期的に形成された周期的ナノ構造体を制御性よく製造することが可能な周期的ナノ構造体の製造方法および電子放出特性の向上が可能な電界放射型電子源の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために第1の発明は、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体基板の厚み方向に連なって形成され、かつ、前記半導体基板の面内において前記半導体微結晶が周期的に形成された周期的ナノ構造体の製造方法であって、前記半導体基板の一表面に周期的に配列された複数個の垂直孔を第1の電解液中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程と、前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させる平滑化工程と、前記垂直孔の前記内周面に沿って前記半導体基板の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダの前記半導体微結晶を第2の電解液中で陽極酸化により形成する微結晶形成工程とを順に備えてなることを特微とする。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記平滑化工程は、ウェットエッチングにより前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させることを特徴とする。
第3の発明は、上記第1の発明において、前記平滑化工程は、非酸化性ガス中、または真空中でのアニール処理により前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させることを特徴とする。
第4の発明は、上記第1の発明において、前記平滑化工程は、前記垂直孔の前記内周面を酸化することにより酸化物半導体を形成する酸化処理工程と、該酸化処理工程に引き続いて行う前記酸化物半導体をエッチングするエッチング処理工程とを有することを特徴とする。
第5の発明は、上記第4の発明において、前記酸化処理工程は、電気化学的な酸化方法により前記酸化物半導体を形成することを特徴とする。
第6の発明は、上記第4の発明において、前記酸化処理工程は、高圧スチーム酸化により前記酸化物半導体を形成することを特徴とする。
第7の発明は、半導体基板と、該半導体基板の一表面側に形成された強電界ドリフト部と、前記半導体基板の他表面側に形成された下部電極と、前記強電界ドリフト部上に形成された表面電極とを備え、前記強電界ドリフト部は、前記半導体基板の前記一表面に周期的に形成された複数個の垂直孔それぞれの内周面に沿って形成された多数のナノメータオーダの半導体微結晶と、各半導体微結晶それぞれの表面に形成され当該半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜とを有し、表面に絶縁膜が形成された前記半導体微結晶が各垂直孔の内周面に沿って前記半導体基板の厚み方向に連なって形成されている電界放射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリフト部の形成にあたっては、前記半導体基板の前記一表面に複数個の垂直孔を第1の電解液中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程と、前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させる平滑化工程と、前記垂直孔の前記内周面に沿って前記半導体基板の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダの前記半導体微結晶を第2の電解液中で陽極酸化により形成する微結晶形成工程と、前記半導体微結晶それぞれの表面に前記絶縁膜を形成する絶緑膜形成工程とを順に備えてなることを特微とする。
上記第1の発明では、多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体基板の厚み方向に連なって形成され、且つ半導体基板の面内において半導体微結晶が周期的に形成された周期的ナノ構造体を制御性よく製造することが可能になるという効果がある。
上記第7の発明では、電子放出効率を向上させることが可能な電界放射型電子源を提供できるという効果がある。
実施形態1の電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 従来の電界放射型電子源を示す概略断面図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態の電界放射型電子源の製造方法を図1に基づいて説明する。
本実施形態の電界放射型電子源10の製造方法で製造された図1(f)に示す電界放射型電子源10は、半導体基板たるシリコン基板1と、該シリコン基板1の一表面1a側に形成された強電界ドリフト部3と、シリコン基板1の他表面1b側に形成された下部電極2と、強電界ドリフト部3上に形成された表面電極4とを備えている。
電界放射型電子源10の強電界ドリフト部3は、シリコン基板1の一表面1aに周期的に形成された複数個の垂直孔(シリコン基板1の一表面1aに対して垂直に配向した細孔)31それぞれの内周面に沿って形成された多数のナノメータオーダの半導体微結晶たるシリコン微結晶33と、各シリコン微結晶33それぞれの表面に形成され当該シリコン微結晶33の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜からなる絶縁膜たるシリコン酸化膜34とを有し、表面にシリコン酸化膜34が形成されたシリコン微結晶33が各垂直孔31の内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なって形成されている。すなわち、電界放射型電子源10は、多数のナノメータオーダのシリコン微結晶33がシリコン基板1の厚み方向に連なって形成され、かつ、シリコン基板1の面内においてシリコン微結晶33が周期的に形成された周期的ナノ構造体を備えている。
特に、本実施形態の電界放射型電子源10における強電界ドリフト部3の形成にあたっては、シリコン基板1の他表面1b側に下部電極2を形成(図1(a)を参照)させた後、シリコン基板1の一表面1aに複数個の垂直孔31を第1の電解液中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程(図1(b)を参照)と、垂直孔31の内周面に形成された凹凸部31aを平滑化して当該内周面の平滑性を向上させる平滑化工程(図1(c)を参照)と、垂直孔31の平滑化された上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダのシリコン微結晶33を第2の電解液中で陽極酸化により形成する微結晶形成工程(図1(d)を参照)と、酸化処理によりシリコン微結晶33それぞれの表面に絶縁膜たるシリコン酸化膜34を形成する絶緑膜形成工程(図1(e)を参照)とを順に備えている。
すなわち、電界放射型電子源10における強電界ドリフト部3の形成にあたっては、垂直孔形成工程と、微結晶形成工程との間に垂直孔31の上記内周面を平滑化する平滑化工程を備えることにより、垂直孔31の上記内周面の凹凸部31aを低減させて当該内周面を、より平滑にしている。そのため、平滑化工程後にシリコン微結晶33を形成させる微結晶形成工程を行った際に、チェーン状に連なった多数のナノオーダのシリコン微結晶33を垂直孔31の内周面に沿って形成することが可能となる。言い換えれば、垂直孔31の内周面における凹凸部31aを平滑化してから上記内周面にシリコン微結晶33を形成するので、垂直孔31の平滑化された上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向にシリコン微結晶33を連続的に制御性よく並べることができる。
より具体的には、電界放射型電子源10は、図1(f)に示すように、シリコン基板1と、シリコン基板1の一表面1a側に形成された強電界ドリフト部3と、シリコン基板1の他表面1b側に形成されたオーミック電極からなる下部電極2と、強電界ドリフト部3上に形成された規定膜厚(たとえば、10nm程度)の導電性薄膜(たとえば、金薄膜)からなる表面電極4とを備えている。ここにおいて、シリコン基板1としては、一表面1aが(100)面で抵抗率が0.01〜0.02Ωcmの単結晶のn形シリコン基板を用いている。
なお、表面電極4の材料は、金に限定されるものではなく、仕事関数の小さな材料であればよい。また、表面電極4は、厚み方向に積層された少なくとも二層の薄膜電極層により構成してもよい。二層の薄膜電極層により構成する場合、上層の薄膜電極層の材料としては、たとえば、金などを採用し、下層の薄膜電極層(強電界ドリフト部3側の薄膜電極層)の材料は、クロム、ニッケル、白金、チタンやイリジウムなどを採用すればよい。
本実施形態の製造方法で製造された電界放射型電子源10では、表面電極4を真空中に配置するとともに表面電極4に対向してコレクタ電極(図示せず)を配置し、表面電極4を下部電極2に対して陽極として直流電圧を印加するとともに、コレクタ電極を表面電極4に対して陽極として直流電圧を印加することにより、シリコン基板1から強電界ドリフト部3へ注入された電子が強電界ドリフト部3をドリフトし表面電極4を通して放出される。ここにおいて、表面電極4と下部電極2との間に流れる電流をダイオード電流と呼び、コレクタ電極と表面電極4との間に流れる電流をエミッション電流と呼ぶことにすれば、ダイオード電流に対するエミッション電流の比率が大きいほど電子放出効率が高くなる。上述の電界放射型電子源10では、表面電極4と下部電極2との間の直流電圧を10〜20V程度の低電圧としても安定的に電子を放出させることができる。
ところで、強電界ドリフト部3は、シリコン基板1の一表面1aに周期的に形成された複数個の垂直孔31それぞれの上記内周面に沿って形成された多数のナノメータオーダ(たとえば、結晶粒径5nm程度)のシリコン微結晶33と、各シリコン微結晶33それぞれの表面に形成され当該シリコン微結晶33の結晶粒径よりも小さな膜厚(たとえば、1〜2nm程度)のシリコン酸化膜34と、シリコン基板1の一表面1a上に形成された薄いシリコン酸化膜32とを有し、表面にシリコン酸化膜34が形成されたシリコン微結晶33が各垂直孔31の上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なって形成されている。垂直孔31の開口形状は、たとえば、円形状として、垂直孔31の内径を70nm、深さを2μm、垂直孔31間の間隔を120nmに設定してあるが、これらの数値は一例であり、特に限定するものではない。ここで、垂直孔31の間隔は、ナノメータオーダないしマイクロメータオーダであればよく、10nm〜10μm程度の範囲で設定すればよい。
本実施形態の製造方法で製造された電界放射型電子源10では、強電界ドリフト部3において、表面にシリコン酸化膜34が形成されたシリコン微結晶33が各垂直孔31の上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に制御性よく連なって形成されているので、強電界ドリフト部3での電子の散乱が少なく安定して、電子放出特性を向上させることが可能となる。
なお、シリコン基板1の一表面1aに垂直孔31を形成する際の陽極酸化の条件(陽極酸化における電流密度や電解液のフッ酸濃度などのパラメータ)によって垂直孔31の孔径(内径)や深さ、各垂直孔31間の間隔を制御できるので、平滑化工程により垂直孔31の孔径が僅かながら拡がることなどを考慮し、所望の最終の垂直孔31における孔径よりも小さめに孔径を設計すればよい。これにより、シリコン基板1の面内におけるシリコン微結晶33の形成位置や周期を設計することができ、強電界ドリフト部3におけるエミッションサイトの密度を安定的に高めてエミッション電流量を増やすことが可能となる。
以下、上述の電界放射型電子源10の製造方法について、図1を参照しながらより詳細に説明する。
まず、シリコン基板1の他表面1b側にオーミック電極からなる下部電極2を形成する下部電極形成工程を行うことによって、図1(a)に示す構造物を得ることができる。
その後、シリコン基板1の一表面1aに周期的に配列された複数個の垂直孔31を電解液(第1の電解液)中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程を行うことによって、図1(b)に示す構造物を得る。ここにおいて、垂直孔形成工程では、フッ化水素の濃度が第1の所定濃度(たとえば、3.5wt%)となるように濃度を調整したフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液(フッ酸系溶液)よりなる第1の電解液中においてシリコン基板1の一表面1a側に対向配置した白金電極(図示せず)と下部電極2との間に電圧を印加して、第1の所定電流(たとえば、陽極酸化における電流密度が8mA/cmの定電流)を第1の所定時間(たとえば、300秒)だけ流すことによって複数個の垂直孔31を形成する。ここにおいて、垂直孔31は、孔径が70nm、深さが2μm、垂直孔31間の間隔が略120nmとなる。なお、垂直孔形成工程では、シリコン基板1に光が照射されないように遮光した状態で陽極酸化を行う方が、所望の形状の垂直孔31を安定して形成する上で好ましい。ここで、第1の電解液中での陽極酸化によりシリコン基板1の一表面1aに周期的に配列された複数個の垂直孔31を形成した場合、陽極酸化の条件を調整しても垂直孔31のシリコン基板1の厚み方向だけでなく、シリコン基板1の厚み方向と交差する方向にエッチングなどされた凹凸部31aが形成されている場合がある。
次に、垂直孔形成工程に引き続いて、垂直孔31の凹凸部31aが形成されている上記内周面に対して、凹凸部31aをより平滑化する平滑化工程を実施することにより、図1(c)に示す構造物を得る。平滑化工程は、たとえば、シリコン基板1を所定濃度(たとえば、4wt%)となるように調整した水酸化カリウム水溶液のエッチング溶液中に、垂直孔31が形成されたシリコン基板1を浸漬し、所定時間(たとえば、30秒)のエッチング処理を行う。ここで、垂直孔31の凹凸部31aが大きい部分は速くエッチングされ、凹凸部31aが小さい平滑な部分は遅くエッチングされる傾向にある。そのため、平滑化工程により、垂直孔31の上記内周面は、全体的に平滑化される。
上述の平滑化工程の後、垂直孔31の平滑化処理がなされた上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダのシリコン微結晶33を電解液(第2の電解液)中での陽極酸化により形成する微結晶形成工程を行い、図1(d)に示す構造物の周期的ナノ構造体を得ることができる。なお、周期的ナノ構造体としては、下部電極2を必ずしも備えていなくてもよい。
ここにおいて、微結晶形成工程では、フッ化水素の濃度が第2の所定濃度(たとえば、25wt%)となるように濃度を調整したフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液(フッ酸系溶液)よりなる第2の電解液中においてシリコン基板1の一表面1a側に対向配置した白金電極(図示せず)と下部電極2との間に電圧を印加して、第2の所定電流(たとえば、陽極酸化における電流密度が5mA/cmの定電流)を第2の所定時間(たとえば、5秒)だけ流すことによって垂直孔31の上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダ(たとえば、5nm)のシリコン微結晶33が形成される。なお、微結晶形成工程では、シリコン基板1に光が照射されないように遮光した状態で陽極酸化を行う方が、垂直孔31の内周面に沿って多数のシリコン微結晶33を安定して形成する上で好ましい。
上述の微結晶形成工程の後、酸化処理により各シリコン微結晶33それぞれの表面に当該シリコン微結晶33の結晶粒径よりも小さな膜厚のシリコン酸化膜34を形成する絶縁膜形成工程を行うことで強電界ドリフト部3が形成され、図1(e)に示す構造物が得られる。ここにおいて、絶縁膜形成工程では、電解液(第4の電解液)として1Mの硫酸水溶液を用い、シリコン基板1の一表面1a側に対向配置した白金電極(図示せず)と下部電極2との間に第3の所定電流(たとえば、電流密度が30mA/cmの定電流)を流し、上記白金電極と下部電極2との間の電圧が30Vだけ上昇するまで電気化学的な酸化を行う。絶縁膜形成工程により、シリコン微結晶33それぞれの表面に形成された絶縁膜たるシリコン酸化膜34と、シリコン基板1の一表面1a上に形成されたシリコン酸化膜32とを得ることができる。なお、絶縁膜形成工程の酸化処理で用いる第4の電解液は、硫酸水溶液に限らず、塩酸水溶液、硝酸水溶液や、エチレングリコールなどの有機溶媒中に硝酸カリウムなどの溶質を溶かした溶液などを用いてもよい。
上述の絶縁膜形成工程の後、強電界ドリフト部3上に導電性薄膜(たとえば、金薄膜など)からなる表面電極4をたとえば電子ビーム蒸着法などにより形成する表面電極形成工程を行うことによって、図1(f)に示す構造の電界放射型電子源10が得られる。
以上説明した電界放射型電子源10の製造方法によれば、強電界ドリフト部3の形成にあたっては、シリコン基板1の一表面1aに周期的に配列された複数個の垂直孔31を第1の電解液中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程と、垂直孔31の凹凸部31aが形成されている上記内周面に対して、凹凸部31aをより平滑化する平滑化工程と、垂直孔31の平滑化処理された上記内周面に沿ってシリコン基板1の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダのシリコン微結晶33を第2の電解液中での陽極酸化により形成する微結晶形成工程とを連続して行っている。これにより、多数のシリコン微結晶33がシリコン基板1の厚み方向に連なって制御性よく形成され、且つシリコン基板1の面内(シリコン基板1の厚み方向に直交する面内)においてシリコン微結晶33が周期的に形成された周期的ナノ構造体を容易に形成することが可能になり、その後、酸化処理を行うことにより各シリコン微結晶33それぞれの表面に絶縁膜であるシリコン酸化膜34を形成するので、電子放出特性の向上が可能な電界放射型電子源10を提供することができる。また、上述の製造方法によれば、垂直孔形成工程、平滑化工程、微結晶形成工程、および絶縁膜形成工程の一連の工程を、各電解液の種類や通電条件などを変えることで同じ処理槽内で連続して行うことが可能となり、製造コストの低コスト化を図れる。
ところで、垂直孔形成工程において、たとえば、反応性イオンエッチングなどのドライエッチングによりナノメータオーダの垂直孔31を形成することも可能であるが、この場合には、垂直孔31の形成前に薄膜形成技術、電子線リソグラフィ技術、およびエッチング技術を利用してマスク層(たとえば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜、クロム膜などの金属膜)を形成する必要があり、製造工程が複雑になってしまう。また、電子線リソグラフィ技術では、スループットなどの問題によりシリコン基板1の大面積化に対応することが難しい。また、反応性イオンエッチングにより垂直孔31を形成する場合、垂直孔31の深さが100nm程度までであれば比較的高速にエッチングすることができるが、マイクロメータオーダの深さの垂直孔31を形成しようとすると、エッチング時間が長くなり、孔径が数十nm以下の場合には、エッチングガスが孔内に拡散しにくいため、さらにエッチング時間が長くなってスループットが低下してしまうという問題がある。
これに対して、本実施形態の製造方法のように陽極酸化により垂直孔31を形成する場合、垂直孔31の孔径や垂直孔31間の間隔は、シリコン基板1の抵抗率、第1の電解液のフッ酸濃度、陽極酸化における電流密度などのパラメータによって決まるため、垂直孔31の形成前にマスク層を形成する必要がなく、製造工程が簡単になるとともに製造コストの低コスト化を図れる。また、垂直孔31の形成速度(陽極酸化によるエッチング速度)に関しても、孔径が10nmのように非常に細い場合でも、数nm/秒程度の高速のエッチング速度を実現することが可能である。
ところで、垂直孔31の形成条件は、上述の陽極酸化条件に限定されるものではなく、第1の電解液のフッ酸濃度や陽極酸化における電流密度を適宜調整することによって、孔径や垂直孔31間の間隔を制御することができる。
ただし、どのような陽極酸化条件でも垂直孔31が形成されるわけではなく、陽極酸化条件によっては樹枝状に分岐した凹凸部31aが形成されたり、分岐した枝状の孔が隣接する枝状の孔とつながった多孔質構造となることもある。ここにおいて、垂直孔31が形成される陽極酸化条件は、第1の電解液中のフッ酸濃度が1wt%程度で陽極酸化における電流密度が1〜10mA/cmの場合、第1の電解液中のフッ酸濃度が3wt%程度で陽極酸化における電流密度が1〜20mA/cmの場合、第1の電解液中のフッ酸濃度が5wt%程度で陽極酸化における電流密度が5〜50mA/cmの場合、第1の電解液中のフッ酸濃度が10wt%程度で陽極酸化における電流密度が20mA/cm以上の場合、第1の電解液中のフッ酸濃度が20wt%程度で陽極酸化における電流密度が50mA/cm以上の場合などである。
なお、シリコン微結晶33を形成する際には、第2の電解液のフッ酸濃度が10wt%程度で電流密度が5mA/cm以下、第2の電解液中のフッ酸濃度が20wt%程度で電流密度が20mA/cm以下などの条件に設定すれば、ナノメータオーダのシリコン微結晶33が存在する微結晶構造(ナノ結晶構造)を得ることができる。
また、垂直孔形成工程において、第1の電解液を冷却して陽極酸化を行うようにすれば、シリコン基板1での余分な正孔の発生を抑えることができ、樹枝状の分岐のない垂直孔31を所望の形状に安定して形成することができる傾向にある。
ところで、このような陽極酸化の条件を調整して垂直孔31を形成していても、たとえば、複数枚のシリコン基板1を連続して処理するような場合、第1の電解液の濃度変化や温度変化などにより、垂直孔31の上記内周面に僅かながら凹凸部31aが形成される場合がある。また、垂直孔31を形成する陽極酸化の条件を、常時、より厳格に管理し制御することで、垂直孔31の上記内周面に凹凸部31aが形成されることをある程度制御することは可能なものの煩雑で調整が難しい。
本実施形態の電界放射型電子源10の製造方法では、上述の平滑化工程において、ウェットエッチングにより垂直孔31の上記内周面の平滑性を向上させている。すなわち、垂直孔形成工程の後、シリコン基板1をエッチング溶液(たとえば、水酸化カリウム水溶液や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液)たる電解液(第3の電解液)に浸漬して、垂直孔31の凹凸部31aを有する上記内周面をウェットエッチングすることにより、垂直孔31の上記内周面を全体的に平滑にすることができる。
ここで、ウェットエッチングは、垂直孔31における凹凸部31aの形状を保ったまま均一な速度でエッチングが進行するわけではない。ウェットエッチングにおいて、表面積が大きく微細な凹凸部31aの部分は、活性度が高くエッチング反応が速く進む傾向にある。これに対して、表面積が小さい平滑な部分は、エッチング速度が遅い。そのため、垂直孔31の上記内周面は、全体的に平滑にすることができる。特に、シリコン基板1のバルク部に比べて、垂直孔31に面している凹凸部31aの突起部分の方が活性度が高いため、凹凸部31aの突起部分が先にエッチングされ、容易に垂直孔31の内周面を平滑化することができる。
そのため、本実施形態の製造方法のごとく、垂直孔31の上記内周面に形成された凹凸部31aを平滑化する平滑化工程を設けることにより、垂直孔形成工程時において厳格な陽極酸化の条件で管理する必要性を低減することができる。なお、垂直孔31の形状は、第1の電解液中のフッ酸濃度が高く、陽極酸化における電流密度が小さいほど、孔径が小さく、孔間隔が狭くなる傾向にある。そのため、平滑化工程によって孔径が拡がる場合を考慮して、垂直孔31の孔径を適宜設計することが望ましい。
本実施形態の製造方法で製造する電界放射型電子源10では、シリコン基板1として一表面1aが(100)面で抵抗率が0.01〜0.02Ωcmのn形単結晶シリコン基板を用いているが、一表面1aが(100)面で抵抗率が0.01〜10Ωcmのp形単結晶シリコン基板を用いてもよい。
また、絶縁膜形成工程では、電気化学的な酸化方法により酸化処理を行っているが、酸化処理は、電気化学的な酸化方法に限らず、たとえば、急速熱酸化、プラズマ酸化、高圧スチーム酸化(たとえば、2MPaでの高圧水蒸気雰囲気下)など他の酸化方法を採用してもよい。また、酸化処理のあとに、シリコン酸化膜32,34の膜質を改善するために、さらに、水素ガス雰囲気中やフォーミングガス雰囲気中での加熱や、高圧スチーム酸化してもよい。なお、絶縁膜形成工程では、絶縁膜としてシリコン酸化膜34,32を形成しているが、絶縁膜としてシリコン窒化膜やシリコン酸窒化膜などを採用してもよく、窒化処理により絶縁膜を形成したり、酸窒化処理により絶縁膜を形成するようにしてもよい。
(実施形態2)
本実施形態の電界放射型電子源10の基本的な製造方法は、図1で説明した実施形態1の電界放射型電子源10の製造方法と略同一であり、実施形態1の製造方法における平滑化工程をウエットエッチングにより行う代わりに、非酸化性ガス中、または真空中でのアニール処理により行う点が異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の電界放射型電子源10の製造方法では、実施形態1と同様、図1(b)に示すシリコン基板1に垂直孔31を形成させた構造物を形成させた後、図1(c)における平滑化工程を行う。この平滑化工程において、非酸化性ガス中、または真空中でのアニール処理により垂直孔31の上記内周面の平滑性を向上させている。
シリコン基板1は、通常、1000℃以上の耐熱性を有しているが、垂直孔31における凹凸部31aのマイクロメータやナノメータサイズとなるシリコンの突起部分は、より耐熱性が低くなる傾向にある。そのため、凹凸部31aの突起部分は、700〜1000℃程度に加熱するアニール処理を行うと、凹凸部31aの上記突起部分の形状が崩れ、滑らかで丸まった形状に変化(いわゆる、「形がだれる」)する。したがって、垂直孔形成工程後に凹凸部31aを有する垂直孔31の上記内周面の内、凹凸部31aの突起部分が大きい部分はアニール処理によってなだらかな形状となり、凹凸部31aの突起部分が小さい平滑な部分は耐熱性が高いため、アニール処理しても形状が変化することが少ない。その結果、アニール処理により、垂直孔31の上記内周面を、全体的に平滑にすることができる。
すなわち、シリコン基板1のバルク部に比べて垂直孔31の凹凸部31aの突起部分ほど加熱によって形状がだれやすいため、シリコン基板1を酸化など反応させないように、非酸化性ガス中、または、真空中でアニール処理を行う平滑化処理で、容易に垂直孔31の上記内周面を平滑化することができる。
このような、平滑化工程をアニール処理によって行う場合は、たとえば、窒素雰囲気中において、800℃で1時間、加熱すればよい。また、アニール雰囲気は、窒素雰囲気中に限らず、アルゴン等の不活性ガスや水素などの非酸化性ガス中で行ってもよいし、真空中で行ってもよい。
(実施形態3)
本実施形態の電界放射型電子源10の基本的な製造方法は、図1で説明した実施形態1の電界放射型電子源10の製造方法と略同一であり、実施形態1の製造方法における平滑化工程をウエットエッチングにより行う代わりに、垂直孔31の内周面を酸化することにより酸化物半導体を形成する酸化処理工程と、該酸化処理工程に引き続いて行う上記酸化物半導体をエッチングするエッチング処理工程とを行う点が異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の電界放射型電子源10の製造方法では、実施形態1と同様、図1(b)に示すシリコン基板1に垂直孔31を形成させた構造物を形成させた後、図1(c)における平滑化工程を行う。この平滑化工程において、垂直孔31の上記内周面を酸化することにより酸化物半導体を形成する酸化処理工程と、該酸化処理工程に引き続いて行う上記酸化物半導体をエッチングするエッチング処理工程とを有することで、垂直孔31の上記内周面の平滑性を向上させている。
すなわち、平滑化処理工程は、垂直孔31の上記内周面における凹凸部31aの活性度の高い突起部分を酸化させる酸化処理工程を行い、その後に、酸化された部分をエッチング溶液でエッチングするため、凹凸部31aの上記突起部分だけ選択的に除去させることが可能となる。
言い換えれば、垂直孔形成工程後、平滑化処理工程の一部として、凹凸部31aを有する垂直孔31の上記内周面のうち、特に、凹凸部31aの上記突起部分を酸化して酸化物半導体を形成する酸化処理工程を行っている。
ここで、上述の酸化処理工程は、垂直孔31の凹凸部31aに電気化学的な酸化方法により上記酸化物半導体を形成させることができる。たとえば、電解液(第5の電解液)として1Mの硫酸水溶液を用い、シリコン基板1の一表面1a側に対向配置した白金電極と下部電極2との間に所定電流(たとえば、電流密度が30mA/cmの定電流)を流し、上記白金電極と下部電極2との間の電圧が150Vだけ上昇するまで電気化学的な酸化を行うことで、垂直孔31における凹凸部31aの上記突起部分に上記酸化物半導体たるシリコン酸化膜を形成することができる。
上記酸化物半導体を形成した後、該酸化物半導体をエッチング溶液(たとえば、硫酸水溶液)でエッチング処理すると、酸化処理工程にて酸化された突起部分の上記酸化物半導体のみが選択的にエッチングされるため、垂直孔31の上記内周面は、より平滑化される。なお、酸化処理工程で用いる第5の電解液は、硫酸水溶液に限らず、塩酸水溶液、硝酸水溶液や、エチレングリコールなどの有機溶媒中に硝酸カリウムなどの溶質を溶かした溶液などを用いてもよい。
このような酸化処理工程における酸化方法として、電気化学的な酸化方法を用いることにより、垂直孔31における凹凸部31aの大きい突起部分が優先的に酸化され、小さい突起部分は酸化されにくくすることができる。したがって、垂直孔31における内周面の全体が均一に酸化されるのではなく、凹凸部31aにおける突起部分の大きい部分が選択的に酸化されるため、エッチング溶液によるエッチング後、垂直孔31の内周面を平滑にさせやすい。
なお、上述の酸化処理工程は、電気化学的な酸化方法に代えて、高圧スチーム酸化(たとえば、2MPaでの高圧水蒸気雰囲気下)することにより上記酸化物半導体を形成させてもよい。また、上述の酸化処理工程では、電気化学的な酸化方法と高圧スチーム酸化とを併用してもよい。
シリコン基板1の一表面1aに形成させた垂直孔31の内径は、通常、マイクロメータからサブマイクロメータのサイズにしている。そのため、通常の熱酸化では、酸化種が垂直孔31の内底面側にまで侵入しにくく、垂直孔31の内底面付近は酸化されにくい傾向にある。したがって、酸化処理工程に引き続いてエッチング処理を行っても、垂直孔31の上記内底面付近では凹凸部31aが残ったままとなってしまう恐れがある。
これに対し、酸化処理工程として、高圧スチーム酸化を行うと、垂直孔31の上記内底面側まで酸化種が侵入しやすいため、垂直孔31の全体にわたって上記酸化物半導体を形成することができ、エッチング処理により、垂直孔31の上記内周面の全体を平滑にすることが可能となる。
なお、高圧スチーム酸化することにより、垂直孔31の凹凸部31aに酸化物半導体を形成する場合は、所定圧力(たとえば、2MPa)の水蒸気中において、所定温度(たとえば、600℃)で所定時間(たとえば、2時間)の加熱処理を行えばよい。
1 シリコン基板(半導体基板)
1a 一表面
1b 他表面
2 下部電極
3 強電界ドリフト部
4 表面電極
10 電界放射型電子源
31 垂直孔
33 シリコン微結晶(半導体微結晶)
34 シリコン酸化膜(絶縁膜)

Claims (7)

  1. 多数のナノメータオーダの半導体微結晶が半導体基板の厚み方向に連なって形成され、かつ、前記半導体基板の面内において前記半導体微結晶が周期的に形成された周期的ナノ構造体の製造方法であって、前記半導体基板の一表面に周期的に配列された複数個の垂直孔を第1の電解液中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程と、前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させる平滑化工程と、前記垂直孔の前記内周面に沿って前記半導体基板の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダの前記半導体微結晶を第2の電解液中で陽極酸化により形成する微結晶形成工程とを順に備えてなることを特微とする周期的ナノ構造体の製造方法。
  2. 前記平滑化工程は、ウェットエッチングにより前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させることを特徴とする請求項1に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  3. 前記平滑化工程は、非酸化性ガス中、または真空中でのアニール処理により前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させることを特徴とする請求項1に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  4. 前記平滑化工程は、前記垂直孔の前記内周面を酸化することにより酸化物半導体を形成する酸化処理工程と、該酸化処理工程に引き続いて行う前記酸化物半導体をエッチングするエッチング処理工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  5. 前記酸化処理工程は、電気化学的な酸化方法により前記酸化物半導体を形成することを特徴とする請求項4に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  6. 前記酸化処理工程は、高圧スチーム酸化により前記酸化物半導体を形成することを特徴とする請求項4に記載の周期的ナノ構造体の製造方法。
  7. 半導体基板と、該半導体基板の一表面側に形成された強電界ドリフト部と、前記半導体基板の他表面側に形成された下部電極と、前記強電界ドリフト部上に形成された表面電極とを備え、前記強電界ドリフト部は、前記半導体基板の前記一表面に周期的に形成された複数個の垂直孔それぞれの内周面に沿って形成された多数のナノメータオーダの半導体微結晶と、各半導体微結晶それぞれの表面に形成され当該半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜とを有し、表面に絶縁膜が形成された前記半導体微結晶が各垂直孔の内周面に沿って前記半導体基板の厚み方向に連なって形成されている電界放射型電子源の製造方法であって、
    前記強電界ドリフト部の形成にあたっては、前記半導体基板の前記一表面に複数個の垂直孔を第1の電解液中での陽極酸化により形成する垂直孔形成工程と、前記垂直孔の前記内周面の平滑性を向上させる平滑化工程と、前記垂直孔の前記内周面に沿って前記半導体基板の厚み方向に連なる多数のナノメータオーダの前記半導体微結晶を第2の電解液中で陽極酸化により形成する微結晶形成工程と、前記半導体微結晶それぞれの表面に前記絶縁膜を形成する絶緑膜形成工程とを順に備えてなることを特微とする電界放射型電子源の製造方法。
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