JP2003229050A - 電界放射型電子源の製造方法、電界放射型電子源 - Google Patents

電界放射型電子源の製造方法、電界放射型電子源

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JP2003229050A
JP2003229050A JP2002150865A JP2002150865A JP2003229050A JP 2003229050 A JP2003229050 A JP 2003229050A JP 2002150865 A JP2002150865 A JP 2002150865A JP 2002150865 A JP2002150865 A JP 2002150865A JP 2003229050 A JP2003229050 A JP 2003229050A
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semiconductor layer
polycrystalline semiconductor
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lower electrode
electric field
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JP2002150865A
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English (en)
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Tsutomu Kunugibara
勉 櫟原
Takuya Komoda
卓哉 菰田
Yoshiaki Honda
由明 本多
Toru Baba
徹 馬場
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来に比べ長寿命化が可能な電界放射型電子源
の製造方法を提供する。 【解決手段】下部電極12上に多結晶シリコン層3を形
成し(図1(a))、多結晶シリコン層3の表面を平滑
化する平滑化工程を行ってから、多結晶シリコン層3を
多孔質化する多孔質化工程を行って多孔質多結晶シリコ
ン層4を形成し(図1(b))、多孔質多結晶シリコン
層4を酸化することで強電界ドリフト層6を形成する
(図1(c))。平滑化工程および多孔質化工程では、
電解液の入った同じ処理槽を利用しており、平滑化工程
では下部電極12と陰極との間に多結晶シリコン層3の
表面が電解研磨されるように設定した規定の電流密度の
電流を流して多結晶シリコン層3の表面を平滑化し、多
孔質化工程では、光源により多結晶シリコン層3の表面
に光照射を行いながら下部電極12と上記陰極との間に
上記規定の電流密度よりも小さく設定した所定の電流密
度の電流を流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射により電
子線を放射するようにした電界放射型電子源の製造方法
および電界放射型電子源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、下部電極と、下部電極に対向
する導電性薄膜よりなる表面電極と、下部電極と表面電
極との間に介在する酸化した多孔質多結晶シリコン層よ
りなる強電界ドリフト層とを備えた電界放射型電子源が
提案されているこの種の電界放射型電子源は、例えば、
図9に示すように導電性基板としてのn形シリコン基板
1の主表面(一表面)側に酸化した多孔質多結晶シリコ
ン層よりなる強電界ドリフト層6が形成され、強電界ド
リフト層6上に金属薄膜(例えば、金薄膜)よりなる表
面電極7が形成されている。また、n形シリコン基板1
の裏面にはオーミック電極2が形成されており、n形シ
リコン基板1とオーミック電極2とで下部電極12を構
成している。なお、図9に示す例では、n形シリコン基
板1と強電界ドリフト層6との間にノンドープの多結晶
シリコン層3を介在させてあるが、多結晶シリコン層3
を介在させずにn形シリコン基板1の主表面上に強電界
ドリフト層6を形成した構成も提案されている。
【0003】図9に示す構成の電界放射型電子源10’
から電子を放出させるには、表面電極7に対向配置され
たコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極
21との間を真空とした状態で、表面電極7が下部電極
12に対して高電位側となるように表面電極7と下部電
極12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレ
クタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるよう
にコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vc
を印加する。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設定すれ
ば、下部電極12から注入された電子が強電界ドリフト
層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図9
中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子e
の流れを示す)。なお、表面電極7の厚さは10〜15
nm程度に設定されている。
【0004】ところで、上述の電界放射型電子源10’
では、n形シリコン基板1とオーミック電極2とで下部
電極12を構成しているが、図10に示すように、例え
ばガラス基板よりなる絶縁性基板11の一表面上に金属
材料よりなる下部電極12を形成した電界放射型電子源
10”も提案されている。ここに、上述の図9に示した
電界放射型電子源10’と同様の構成要素には同一の符
号を付して説明を省略する。
【0005】図10に示す構成の電界放射型電子源1
0”から電子を放出させるには、表面電極7に対向配置
されたコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ
電極21との間を真空とした状態で、表面電極7が下部
電極12に対して高電位側となるように表面電極7と下
部電極12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、
コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となる
ようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧
Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設定す
れば、下部電極12から注入された電子が強電界ドリフ
ト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図
10中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子
の流れを示す)。なお、強電界ドリフト層6の表面
に到達した電子はホットエレクトロンであると考えら
れ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出され
る。
【0006】上述の各電界放射型電子源10’,10”
では、表面電極7と下部電極12との間に流れる電流を
ダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電
極7との間に流れる電流をエミッション電流(放出電子
電流)Ieと呼ぶことにすれば(図9および図10参
照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流I
eの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電子放出効率
(=(Ie/Ips)×100〔%〕)が高くなる。な
お、上述の電界放射型電子源10’,10”では、表面
電極7と下部電極12との間に印加する直流電圧Vpsを
10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させるこ
とができ、直流電圧Vpsが大きいほどエミッション電流
Ieが大きくなる。
【0007】上述の電界放射型電子源10’,10”の
製造プロセスにおいて強電界ドリフト層6を形成するに
あたっては、下部電極12上にノンドープの多結晶シリ
コン層を形成した後に、該多結晶シリコン層を陽極酸化
処理にて多孔質化することで多孔質多結晶シリコン層を
形成し、多孔質多結晶シリコン層を急速熱酸化法ないし
電気化学的な方法によって酸化することにより形成され
ている。なお、下部電極12上に形成するノンドープの
多結晶シリコン層の膜厚は例えば1.5μm程度に設定
されており、多孔質多結晶シリコン層および強電界ドリ
フト層6の厚さは例えば300nm程度に設定されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の電界
放射型電子源10’,10”では、表面電極7と下部電
極12との間に印加する直流電圧を10〜20V程度の
低電圧としても電子を放出させることができ、電子放出
特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピン
グ現象が発生せず安定して電子を高い電子放出効率で放
出することができる。
【0009】しかしながら、上述の製造プロセスを採用
して製造した電界放射型電子源10’,10”では、工
業的な利用を考えた場合に寿命が短いという不具合があ
った。ここにおいて、上述の電界放射型電子源10’,
10”の寿命が短い原因としては、強電界ドリフト層6
が、下部電極12上にノンドープの多結晶シリコン層を
形成した後に、該多結晶シリコン層を陽極酸化処理にて
多孔質化することで多孔質多結晶シリコン層を形成し、
多孔質多結晶シリコン層を急速熱酸化することによって
形成されているので、下部電極12上への多結晶シリコ
ン層の堆積時にグレインの成長により多結晶シリコン層
の表面に凹凸が形成され、結果的に、強電界ドリフト層
6の表面に凹凸が形成されてしまい、強電界ドリフト層
6にかかる電界の分布が面内で不均一になって、電界集
中部で劣化が加速され寿命が短くなってしまうことが考
えられる。なお、上述の下部電極12上に形成されたノ
ンドープの多結晶シリコン層の表面の凹凸を原子間力顕
微鏡(AFM)により観察した結果、AFM像から多結
晶シリコン層表面には高低差(peak−peak値)
が130nm程度の凹凸が形成されていることが確認さ
れた。この130nmという値は強電界ドリフト層6の
厚さが例えば300nmに設定してある場合には、強電
界ドリフト層6の厚さの3分の1以上の値であり、凹凸
による電界集中により強電界ドリフト層6中の絶縁膜
(多孔質多結晶シリコン層を酸化することにより多孔質
多結晶シリコン層中に含まれていた多数のシリコン微結
晶それぞれの表面に形成されたシリコン酸化膜)の絶縁
破壊が起こり、電界放射型電子源10’,10”の特性
の経時劣化の原因となる。また、上述の130nmとい
う値は表面電極7の厚さ(例えば、10nm程度)より
も極めて大きな値なので、強電界ドリフト層6上に形成
される表面電極7の膜厚が不均一になってしまい、耐熱
性が低下したり表面電極7が断線してしまうという不具
合があった。
【0010】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、従来に比べて長寿命化が可能な電界
放射型電子源の製造方法および従来に比べて長寿命の電
界放射型電子源を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、下部
電極と、下部電極の一表面側に形成された酸化若しくは
窒化若しくは酸窒化した多孔質多結晶半導体層からなる
強電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上に形成された
表面電極とを備え、表面電極と下部電極との間に電圧を
印加することにより下部電極から注入された電子が強電
界ドリフト層をドリフトし表面電極を通して放出される
電界放射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリ
フト層の形成にあたっては、下部電極の前記一表面側に
多結晶半導体層を形成する成膜工程と、多結晶半導体層
の表面を平滑化する平滑化工程と、平滑化工程の後で多
結晶半導体層を電解液を用いた陽極酸化処理にて多孔質
化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化工程
と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは
酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、前記陽
極酸化処理と同じ電解液中で下部電極を陽極として陽極
と陰極との間に多結晶半導体層の表面が電解研磨される
ように設定した規定の電流密度の電流を流すことで多結
晶半導体層の表面を平滑化することを特徴とし、下部電
極の前記一表面側に形成した多結晶半導体層の表面を平
滑化してから多結晶半導体層を多孔質化しているので、
結果的に強電界ドリフト層の表面ラフネスが従来に比べ
て小さくなり、しかも、前記平滑化工程において前記陽
極酸化処理と同じ電解液中で下部電極を陽極として陽極
と陰極との間に多結晶半導体層が電解研磨されるように
設定した規定の電流密度の電流を流すことで多結晶半導
体層の表面を平滑化しているので、前記平滑化工程と前
記多孔質化工程とを一貫して行うことができて前記平滑
化工程に専用の製造装置を必要とせず、従来に比べて寿
命の長い電界放射型電子源を低コストで提供することが
できる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記多孔質化工程が前記規定の電流密度よりも小さ
く設定した所定の電流密度の電流を流す工程であって、
前記平滑化工程と前記多孔質化工程とを連続して行い且
つ前記平滑化工程から前記多孔質化工程へ移る際に電流
密度をステップ状に変化させるので、前記平滑化工程か
ら前記多孔質化工程へ移す際の電流密度の制御が容易に
なる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記多孔質化工程が前記規定の電流密度よりも小さ
く設定した所定の電流密度の電流を流す工程であって、
前記平滑化工程と前記多孔質化工程とを連続して行い且
つ前記平滑化工程から前記多孔質化工程へ移る際に電流
密度を零に戻し前記所定の電流密度まで徐々に増加させ
るので、前記平滑化工程の終了後に電流密度を零から前
記所定の電流密度まで増加させる時に前記平滑化工程後
の多結晶シリコン層の表面がさらに平滑化されることに
なり、請求項2の発明に比べて前記強電界ドリフト層の
表面ラフネスがさらに小さくなり、さらに寿命の長い電
界放射型電子源を提供することができる。
【0014】請求項4の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を酸化して酸化膜を形成してから酸
化膜をエッチングすることを特徴とし、下部電極の前記
一表面側に形成した多結晶半導体層の表面を平滑化して
から多結晶半導体層を多孔質化しているので、結果的に
強電界ドリフト層の表面ラフネスが従来に比べて小さく
なり、しかも、前記平滑化工程において多結晶半導体層
の表面を酸化して酸化膜を形成してから酸化膜をエッチ
ングすることで多結晶半導体層の表面を平滑化している
ので、いわゆるシリコンプロセスに代表される半導体プ
ロセスで利用される酸化技術およびエッチング技術を利
用して多結晶半導体層の表面を平滑化することができ、
従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源を低コストで
提供することが可能になる。
【0015】請求項5の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を化学的機械研磨により平滑化する
ことを特徴とし、下部電極の前記一表面側に形成した多
結晶半導体層の表面を平滑化してから多結晶半導体層を
多孔質化しているので、結果的に強電界ドリフト層の表
面ラフネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前記平
滑化工程において多結晶半導体層の表面を化学的機械研
磨により平滑化しているので、いわゆるシリコンプロセ
スに代表される半導体プロセスで利用される化学的機械
研磨技術を利用して多結晶半導体層の表面を平滑化する
ことができ、従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源
を低コストで提供することが可能になる。
【0016】請求項6の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を機械的研磨により平滑化すること
を特徴とし、下部電極の前記一表面側に形成した多結晶
半導体層の表面を平滑化してから多結晶半導体層を多孔
質化しているので、結果的に強電界ドリフト層の表面ラ
フネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前記平滑化
工程において多結晶半導体層の表面を機械的研磨により
平滑化しているので、いわゆるシリコンプロセスに代表
される半導体プロセスで利用される機械的研磨技術を利
用して多結晶半導体層の表面を平滑化することができ、
従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源を低コストで
提供することが可能になる。
【0017】請求項7の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面をイオンミリングにより平滑化する
ことを特徴とし、下部電極の前記一表面側に形成した多
結晶半導体層の表面を平滑化してから多結晶半導体層を
多孔質化しているので、結果的に強電界ドリフト層の表
面ラフネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前記平
滑化工程において多結晶半導体層の表面をイオンミリン
グにより平滑化しているので、半導体プロセスで利用さ
れるイオンミリング技術を利用して多結晶半導体層の表
面を平滑化することができ、従来に比べて寿命の長い電
界放射型電子源を低コストで提供することが可能にな
る。
【0018】請求項8の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を反応性イオンエッチングにより平
滑化することを特徴とし、下部電極の前記一表面側に形
成した多結晶半導体層の表面を平滑化してから多結晶半
導体層を多孔質化しているので、結果的に強電界ドリフ
ト層の表面ラフネスが従来に比べて小さくなり、しか
も、前記平滑化工程において多結晶半導体層の表面を反
応性イオンエッチングにより平滑化しているので、いわ
ゆるシリコンプロセスに代表される半導体プロセスで利
用される反応性イオンエッチング技術を利用して多結晶
半導体層の表面を平滑化することができ、従来に比べて
寿命の長い電界放射型電子源を低コストで提供すること
が可能になる。
【0019】請求項9の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面をウェットエッチングにより平滑化
することを特徴とし、下部電極の前記一表面側に形成し
た多結晶半導体層の表面を平滑化してから多結晶半導体
層を多孔質化しているので、結果的に強電界ドリフト層
の表面ラフネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前
記平滑化工程において多結晶半導体層の表面をウェット
エッチングにより平滑化しているので、いわゆるシリコ
ンプロセスに代表される半導体プロセスで利用されるウ
ェットエッチング技術を利用して多結晶半導体層の表面
を平滑化することができ、従来に比べて寿命の長い電界
放射型電子源を低コストで提供することが可能になる。
【0020】請求項10の発明は、請求項1ないし請求
項9の発明において、前記平滑化工程に起因したダメー
ジ層を除去若しくは回復するダメージ層除去工程を備え
るので、前記平滑化工程に起因したダメージ層を除去す
ることができ、前記平滑化工程に起因して電界放射型電
子源の特性が低下するのを防止することができる。
【0021】請求項11の発明は、請求項1または請求
項4ないし請求項9の発明において、前記平滑化工程と
前記多孔質化工程との間に、前記平滑化工程により多結
晶半導体層の表面側に生じたダメージ層を除去若しくは
回復するダメージ層除去工程を備えるので、前記平滑化
工程により多結晶半導体層の表面側に生じたダメージ層
を除去することができ、前記平滑化工程に起因して電界
放射型電子源の特性が低下するのを防止することができ
る。
【0022】請求項12の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層をウェットエッチングにより除去す
るので、前記ダメージ層を除去する際に新たにダメージ
が生じるのを防止することができる。
【0023】請求項13の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層を酸化してからウェットエッチング
により除去するので、前記ダメージ層を除去する際に新
たにダメージが生じるのを防止することができる。
【0024】請求項14の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層をイオンミリングにより除去するの
で、前記ダメージ層を除去する際に不純物が導入される
のを防ぐことができる。
【0025】請求項15の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層を反応性イオンエッチングにより除
去するので、前記ダメージ層除去工程の工程管理が容易
になる。
【0026】請求項16の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層をアニールにより回復するので、前
記ダメージ層除去工程により表面に凹凸が発生するのを
防止することができる。つまり、前記平滑化工程後の表
面の平坦性を維持したままダメージ層を回復することが
できる。
【0027】請求項17の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層を水素若しくは水素混合ガス雰囲気
中での処理により回復するので、前記ダメージ層除去工
程により表面に凹凸が発生するのを防止することができ
る。つまり、前記平滑化工程後の表面の平坦性を維持し
たままダメージ層を回復することができる。
【0028】請求項18の発明は、下部電極と、下部電
極の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸
窒化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト
層と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源であって、前記強電界ドリフト層は、下部電極の一表
面側において表面の凹凸の高低差が20nm以下となる
ように表面を平滑化した多結晶半導体層を多孔質化して
形成された多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若
しくは酸窒化することにより形成されてなることを特徴
とするものであり、従来に比べて寿命が長くなる。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態で説明
する電界放射型電子源10では、導電性基板として抵抗
率が導体の抵抗率に比較的近い単結晶のn形シリコン基
板(例えば、抵抗率が略0.01Ωcm〜0.02Ωc
mの(100)基板)を用いている。
【0030】本実施形態の電界放射型電子源10は、図
3に示すように、導電性基板たるn形シリコン基板1の
主表面側に酸化した多孔質多結晶シリコン層よりなる強
電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフト層6上に
表面電極7が形成され、n形シリコン基板1の裏面にオ
ーミック電極2が形成されている。なお、本実施形態で
は、n形シリコン基板1とオーミック電極2とで下部電
極12を構成している。したがって、表面電極7は下部
電極12に対向しており、下部電極12と表面電極7と
の間に強電界ドリフト層6が介在している。また、多孔
質多結晶シリコン層が多孔質多結晶半導体層を構成して
いる。
【0031】表面電極7の材料には仕事関数の小さな材
料が採用され、表面電極7の厚さは10nmに設定され
ているが、この厚さは特に限定されるものではなく、強
電界ドリフト層6を通ってきた電子がトンネルできる厚
さであればよく、表面電極7の厚さは10〜15nm程
度に設定すればよい。
【0032】図3に示す構成の電界放射型電子源10か
ら電子を放出させるには、図4に示すように、表面電極
7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極
7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面
電極7が下部電極12に対して高電位側となるように表
面電極7と下部電極12との間に直流電圧Vpsを印加す
るとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高
電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との
間に直流電圧Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vcを
適宜に設定すれば、下部電極12から注入された電子が
強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放
出される(図4中の一点鎖線は表面電極7を通して放出
された電子eの流れを示す)。
【0033】本実施形態における電界放射型電子源10
では、表面電極7と下部電極12との間に流れる電流を
ダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電
極7との間に流れる電流をエミッション電流(放出電子
電流)Ieと呼ぶことにすれば(図4参照)、ダイオー
ド電流Ipsに対するエミッション電流Ieの比率(=I
e/Ips)が大きいほど電子放出効率(=(Ie/Ip
s)×100〔%〕)が高くなる。なお、本実施形態の
電界放射型電子源10では、表面電極7と下部電極12
との間に印加する直流電圧Vpsを10〜20V程度の低
電圧としても電子を放出させることができ、直流電圧V
psが大きいほどエミッション電流Ieが大きくなる。
【0034】ところで、本実施形態における強電界ドリ
フト層6は、図5に示すように、少なくとも、n形シリ
コン基板1の主表面側(つまり、下部電極12における
表面電極7側)に列設された柱状の多結晶シリコンのグ
レイン51と、グレイン51の表面に形成された薄いシ
リコン酸化膜52と、グレイン51間に介在する多数の
ナノメータオーダのシリコン微結晶63と、各シリコン
微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の
結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜である多数のシリコ
ン酸化膜64とから構成されると考えられる。要する
に、強電界ドリフト層6は、多結晶シリコン層の各グレ
インの表面が多孔質化し各グレインの中心部分では結晶
状態が維持されている。なお、各グレイン51は、下部
電極12の厚み方向に延びている。
【0035】したがって、本実施形態の電界放射型電子
源10では、次のようなモデルで電子放出が起こると考
えられる。すなわち、表面電極7を真空中に配置し表面
電極7と下部電極12との間に表面電極7を高電位側と
して直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極2
1と表面電極7との間にコレクタ電極21を高電位側と
して直流電圧Vcを印加することにより、直流電圧Vps
が所定値(臨界値)に達すると、下部電極12(n形シ
リコン基板1)から強電界ドリフト層6へ熱的励起され
た電子eが注入される。一方、強電界ドリフト層6に
印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64にかかる
から、注入された電子eはシリコン酸化膜64にかか
っている強電界により加速され、強電界ドリフト層6に
おけるグレイン51の間の領域を表面に向かって図5中
の矢印の向き(図5中の上向き)へドリフトし、表面電
極7をトンネルして真空中に放出される。しかして、強
電界ドリフト層6では下部電極12から注入された電子
がシリコン微結晶63でほとんど散乱されることなく、
シリコン酸化膜64にかかっている強電界で加速されて
ドリフトし表面電極7を通して放出され(弾道型電子放
出現象)、強電界ドリフト層6で発生した熱がグレイン
51を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング
現象が発生せず、安定して電子を放出することができる
ものと考えられる。なお、強電界ドリフト層6の表面に
到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、
表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0036】以下、本実施形態の電界放射型電子源10
の製造方法について図1を参照しながら説明する。
【0037】まず、n形シリコン基板1の裏面にオーミ
ック電極2を形成した後、n形シリコン基板1の主表面
(一表面)上に多結晶半導体層としてノンドープの多結
晶シリコン層3を形成する成膜工程を行うことにより、
図1(a)に示すような構造が得られる。なお、多結晶
シリコン層3の成膜方法としては、例えば、CVD法
(例えば、LPCVD法、プラズマCVD法、触媒CV
D法など)やスパッタ法やCGS(Continuous Grain
Silicon)法などを採用すればよい。
【0038】ノンドープの多結晶シリコン層3を形成し
た後、多結晶シリコン層3の表面を平滑化する平滑化工
程を行ってから、電解液を用いた陽極酸化処理にて陽極
酸化の対象となる多結晶シリコン層3を多孔質化する多
孔質化工程を行うことにより、多孔質多結晶シリコン層
4が形成され、図1(b)に示すような構造が得られ
る。ここにおいて、多孔質化工程により形成された多孔
質多結晶シリコン層4は、多数の多結晶シリコンのグレ
イン51(図5参照)および多数のシリコン微結晶63
(図5参照)を含んでいる。また、平滑化工程および多
孔質化工程では、55wt%のフッ化水素水溶液とエタ
ノールとを略1:1で混合した混合液からなる電解液の
入った処理槽を利用しており、平滑化工程では下部電極
12と白金電極よりなる陰極との間に多結晶シリコン層
3が電解研磨されるように設定した規定の電流密度I1
(例えば、100mA/cm)の電流を規定時間T1
(例えば、1秒)だけ流して多結晶シリコン層3の表面
を平滑化し、多孔質化工程では、500Wのタングステ
ンランプからなる光源により多結晶シリコン層3の表面
に光照射を行いながら下部電極12と上記陰極との間に
上記規定の電流密度よりも小さく多結晶シリコン層3の
多孔質化が起こるように設定した所定の電流密度I2
(例えば、25mA/cm)の電流を所定時間T2
(例えば、3秒)だけ流して、多結晶シリコン層3の主
表面からn形シリコン基板1に達する深さまで多結晶シ
リコン層3を多孔質化している。ここで、本実施形態で
は、平滑化工程と多孔質化工程とを連続して行ってお
り、平滑化工程から多孔質化工程へ移る際に下部電極1
2と陰極との間に流す電流の電流密度を図2に示すよう
に上記規定の電流密度I1から上記所定の電流密度I2
へステップ状に変化させている。
【0039】上述の多孔質化工程の終了した後に、エタ
ノールによるリンスを行ってから、多孔質多結晶シリコ
ン層4を酸化する酸化工程を行うことで多孔質多結晶シ
リコン層4に含まれている半導体結晶(各グレイン51
および各シリコン微結晶63)の表面に上述のシリコン
酸化膜52,64を形成することによって、上述のグレ
イン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜5
2,64を含む強電界ドリフト層6が形成され、酸化工
程の後に後述の熱処理工程を行うことによって、図1
(c)に示すような構造が得られる。ここにおいて、酸
化工程では、上述の多孔質化工程の終了後にエタノール
によるリンスを行ってから、所定濃度(例えば1mol
/l=1M)の硫酸水溶液の入った処理槽を利用し、下
部電極12と白金電極よりなる陰極との間に定電圧を印
加する電気化学的な方法により各グレイン51および各
シリコン微結晶63それぞれの表面にシリコン酸化膜5
2,64を形成する。熱処理工程では、シリコン酸化膜
52,64に含まれている水分が突沸しないで除去され
るように設定した第1の設定温度および昇温速度(例え
ば20℃/sec以下)で第1の熱処理を行い、その
後、第1の設定温度よりも高くシリコン酸化膜52,6
4の構造緩和が起こるように設定した第2の設定温度で
第2の熱処理を行っている。熱処理工程では、ランプア
ニール装置を用い、第1の熱処理は、酸素ガス雰囲気
(つまり、酸化種を含む雰囲気)中で行っており、第1
の設定温度を450℃、熱処理時間を1時間に設定して
ある。また、第2の熱処理は、酸素ガス雰囲気(つま
り、酸化種を含む雰囲気)中で行っており、第2の設定
温度を900℃、熱処理時間を20分に設定してある。
また、本実施形態では、第2の熱処理として急速熱処理
法を採用しており、第1の設定温度から第2の設定温度
まで基板温度を上昇させる昇温期間の昇温速度を150
℃/secに設定してある(なお、この昇温期間の昇温
速度は20℃/sec以上に設定すればよく、150℃
/sec以上に設定することが望ましい)。この昇温期
間の昇温速度は、室温から第1の設定温度まで上昇させ
る昇温期間の昇温速度よりも速く設定してある。
【0040】強電界ドリフト層6を形成した後は、金属
材料(例えば、金)からなる表面電極7を蒸着法などに
よって形成することにより、図1(d)に示す構造の電
界放射型電子源10が得られる。なお、本実施形態で
は、表面電極7を蒸着法により形成しているが、表面電
極7の形成方法は蒸着法に限定されるものではなく、例
えばスパッタ法を用いてもよい。
【0041】しかして、上述の製造方法によれば、下部
電極12の一表面側に多結晶半導体層たる多結晶シリコ
ン層3を成膜した段階では従来の製造方法と同様に多結
晶シリコン層3の表面に凹凸が形成されているが、下部
電極12上に形成した多結晶シリコン層3の表面を平滑
化してから多結晶シリコン層3を多孔質化しているの
で、結果的に強電界ドリフト層6の表面ラフネスが従来
に比べて小さくなり、しかも、平滑化工程において陽極
酸化処理と同じ電解液中で下部電極12を陽極として陽
極と陰極との間に多結晶シリコン層3の表面が電解研磨
されるように設定した規定の電流密度I1(図2参照)
の電流を流すことで多結晶シリコン層3の表面を平滑化
しているので、平滑化工程と多孔質化工程とを一貫して
行うことができて平滑化工程に専用の製造装置を必要と
せず、従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源10を
低コストで提供することができる。また、強電界ドリフ
ト層6の表面ラフネスが従来に比べて小さくなることに
より、従来に比べて表面電極7の膜厚の均一性が向上し
て、耐熱性が向上するとともに表面電極7の断線が起こ
りにくくなる。
【0042】また、平滑化工程と多孔質化工程とを連続
して行い且つ平滑化工程から多孔質化工程へ移る際に電
流密度を図2に示すようにステップ状に変化させるの
で、平滑化工程から多孔質化工程へ移す際の電流密度の
制御が容易になり、プロセスの簡略化の面から有利にな
るという利点がある。
【0043】図6に本実施形態の電界放射型電子源10
の電子放出特性の経時変化を測定した結果を示し、図7
に比較例として平滑化工程を行わなわずに製造した電界
放射型電子源10の電子放出特性の経時変化を測定した
結果を示す。各電界放射型電子源10の電子放出特性の
測定は、真空チャンバ(図示せず)内に電界放射型電子
源10を導入して、上述の図4のように、表面電極7に
対向してコレクタ電極21を配置し、表面電極7を下部
電極12に対して高電位側として直流電圧Vpsを印加す
るとともに、コレクタ電極21を表面電極7に対して高
電位側として直流電圧Vcを印加することによって行っ
た。図6,7は上述の直流電圧Vcを100V一定、上
述の直流電圧Vpsを16V一定とし、真空チャンバ内の
真空度を5×10−5Paとしたときの電子放出特性の
測定結果を示したものであって、各図の横軸は通電開始
からの経過時間、左側の縦軸は電流密度、右側の縦軸は
電子放出効率であり、「イ」はダイオード電流Ipsの電
流密度、「ロ」はエミッション電流Ieの電流密度、
「ハ」は電子放出効率を示している。図6,図7から比
較例の電界放射型電子源10では13分程度で絶縁破壊
が起こっているのに対して、本実施形態の電界放射型電
子源10では34分を経過しても絶縁破壊は起こらなか
った。すなわち、本実施形態の電界放射型電子源10の
方が比較例に比べて寿命が長くなっていることが分か
る。
【0044】ところで、本実施形態では、n形シリコン
基板1とオーミック電極2とで下部電極12を構成して
いるが、絶縁性基板(例えば、ガラス基板、セラミック
基板など)の一表面側に金属材料や高濃度ドープされた
多結晶シリコン層からなる下部電極12を形成した構成
を採用するようにしてもよい。
【0045】また、本実施形態では、強電界ドリフト層
6を酸化した多孔質多結晶シリコン層により構成してい
るが、強電界ドリフト層6を窒化した多孔質多結晶シリ
コン層や酸窒化した多孔質多結晶シリコン層により構成
してもよいし、あるいはその他の酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化した多孔質多結晶半導体層により構成しても
よい。なお、強電界ドリフト層6を窒化した多孔質多結
晶シリコン層とした場合には多孔質化工程により形成し
た多孔質多結晶シリコン層を酸化する酸化工程の代わり
に多孔質多結晶シリコン層を窒化する窒化工程を採用す
ればよく、図5にて説明した各シリコン酸化膜52,6
4がいずれもシリコン窒化膜となり、強電界ドリフト層
6を酸窒化した多孔質多結晶シリコン層とした場合には
多孔質化工程により形成した多孔質多結晶シリコン層を
酸化する酸化工程の代わりに多孔質多結晶シリコン層を
酸窒化する酸窒化工程を採用すればよく、図5にて説明
した各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン酸
窒化膜となる。
【0046】(実施形態2)ところで、実施形態1で説
明した電界放射型電子源10の製造方法では、平滑化工
程と多孔質化工程とを連続して行い平滑化工程から多孔
質化工程へ移る際に電流密度を図2に示すようにステッ
プ状に変化させているが、平滑化工程の終了時の多結晶
シリコン層3の最表面には微細な凹凸が残っている。
【0047】そこで、本実施形態では、平滑化工程から
多孔質化工程へ移る際に図8に示すように電流密度を零
に戻し上記所定の電流密度I2まで徐々に増加させるよ
うにしている。本実施形態では、このようなプロセスを
採用することで、平滑化工程の終了後に電流密度を零か
ら上記所定の電流密度I2まで増加させる時(電流密度
を0からI2まで増加させる期間T3は例えば1秒に設
定すればよい)に平滑化工程後の多結晶シリコン層3の
表面がさらに平滑化されることになり、強電界ドリフト
層6の表面ラフネスがさらに小さくなり、さらに寿命の
長い電界放射型電子源10を提供することができる。な
お、電界放射型電子源10の構成は実施形態1と同じで
あり、電界放射型電子源10の製造方法は上述のプロセ
ス以外は実施形態1と同じである。
【0048】(実施形態3)実施形態1における電界放
射型電子源10の製造方法では、平滑化工程において電
解液を用いて平滑化を行っているが、本実施形態におけ
る電界放射型電子源10の製造方法では、平滑化工程と
して、下部電極12上の多結晶シリコン層3の表面を酸
素雰囲気中で所定の酸化条件(例えば、酸化温度を90
0℃、酸化時間を1時間とする)で酸化して薄い酸化膜
(ここでは、シリコン酸化膜)を形成してから酸化膜を
例えばフッ酸系溶液などでエッチングする工程を採用し
ている。このような平滑化工程を採用すれば、いわゆる
シリコンプロセスに代表される半導体プロセスで利用さ
れる酸化技術およびエッチング技術を利用して多結晶シ
リコン層3の表面を平滑化することができるから、従来
に比べて寿命の長い電界放射型電子源10を低コストで
提供することができ、プロセスの信頼性を高めることが
できる。その上、平滑化工程で用いる製造装置(酸化装
置、ドライ式ないしウエット式のエッチング装置)とし
てバッチ処理タイプの製造装置を用いることが可能とな
り、製造コストの低減を図ることができる。なお、電界
放射型電子源10の構成は実施形態1と同じであり、電
界放射型電子源10の製造方法は上述の平滑化工程以外
は実施形態1と同じである。
【0049】(実施形態4)実施形態1における電界放
射型電子源10の製造方法では、平滑化工程において電
解液を用いて平滑化を行っているが、本実施形態におけ
る電界放射型電子源10の製造方法では、平滑化工程と
して、多結晶シリコン層3の表面を化学的機械研磨(Ch
emical Mechanical Polishing:CMP)により平滑
化する工程を採用している。このような平滑化工程を採
用すれば、いわゆるシリコンプロセスに代表される半導
体プロセスで利用される化学的機械研磨技術を利用して
多結晶シリコン層3の表面を平滑化することができるか
ら、従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源10を低
コストで提供することができ、プロセスの信頼性を高め
ることができる。その上、平滑化工程後の多結晶シリコ
ン層3の表面の表面ラフネスを小さくすることができ
る。なお、電界放射型電子源10の構成は実施形態1と
同じであり、電界放射型電子源10の製造方法は上述の
平滑化工程以外は実施形態1と同じである。
【0050】ところで、平滑化工程において化学的機械
研磨により多結晶シリコン層3の表面を平滑化した場
合、平滑化工程に起因して多結晶シリコン層3の表面側
にダメージ層が生じ、結果的に電界放射型電子源10の
特性が低下してしまうことがあるので、平滑化工程の後
でダメージ層を除去若しくは回復するダメージ層除去工
程を設けることが好ましい。ここにおいて、ダメージ層
除去工程は、表面電極7を形成する工程よりも前であれ
ばよいが、平滑化工程と多孔質化工程との間に設けるこ
とがより好ましい。
【0051】ダメージ層除去工程では、例えば、ダメー
ジ層をウェットエッチングにより除去するようにすれば
よく、ダメージ層をウェットエッチングにより除去する
ことにより、ダメージ層を除去する際に新たにダメージ
が生じるのを防止することができる。ダメージ層除去工
程は、ダメージ層をウェットエッチングにより除去する
方法に限らず、例えば、ダメージ層を酸化してからウェ
ットエッチングにより除去するようにしてもよいし、ダ
メージ層をイオンミリングにより除去するようにしても
よいし、ダメージ層を反応性イオンエッチングにより除
去するようにしてもよいし、また、ダメージ層をアニー
ルにより回復するようにしてもよいし、ダメージ層を水
素若しくは水素混合ガス雰囲気中での処理により回復す
るようにしてもよい。ここにおいて、ダメージ層を酸化
してからウェットエッチングにより除去するようにすれ
ば、ダメージ層を除去する際に新たにダメージが生じる
のを防止することができ、また、ダメージ層をイオンミ
リングにより除去するようにすれば、ダメージ層を除去
する際に多結晶シリコン層3(あるいは多孔質多結晶シ
リコン層4あるいは強電界ドリフト層6)に不純物が導
入されるのを防ぐことができ、また、ダメージ層を反応
性イオンエッチングにより除去するようにすれば、ダメ
ージ層除去工程の工程管理が容易になる。また、ダメー
ジ層をアニールにより回復するようにすれば、ダメージ
層除去工程により多結晶シリコン層3(あるいは多孔質
多結晶シリコン層4あるいは強電界ドリフト層6)の表
面に凹凸が発生するのを防止することができ(つまり、
平滑化工程後の表面の平坦性を維持したままダメージ層
を回復することができ)、また、ダメージ層を水素若し
くは水素混合ガス雰囲気中での処理により回復するよう
にした場合にも、ダメージ層除去工程により多結晶シリ
コン層3(あるいは多孔質多結晶シリコン層4あるいは
強電界ドリフト層6)の表面に凹凸が発生するのを防止
することができる(つまり、平滑化工程後の表面の平坦
性を維持したままダメージ層を回復することができ
る)。
【0052】上述のダメージ層除去工程を設けることに
より、平滑化工程に起因して電界放射型電子源10の特
性が低下するのを防止することができる。
【0053】(実施形態5)実施形態1における電界放
射型電子源10の製造方法では、平滑化工程において電
解液を用いて平滑化を行っているが、本実施形態におけ
る電界放射型電子源10の製造方法では、平滑化工程と
して、多結晶シリコン層3の表面を機械的研磨により平
滑化する工程を採用している。このような平滑化工程を
採用すれば、いわゆるシリコンプロセスに代表される半
導体プロセスで利用される機械的研磨技術を利用して多
結晶シリコン層3の表面を平滑化することができるか
ら、従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源10を低
コストで提供することができ、プロセスの信頼性を高め
ることができる。その上、平滑化工程後の多結晶シリコ
ン層3の表面の表面ラフネスを小さくすることができ
る。なお、電界放射型電子源10の構成は実施形態1と
同じであり、電界放射型電子源10の製造方法は上述の
平滑化工程以外は実施形態1と同じである。
【0054】本実施形態における電界放射型電子源の製
造方法において、下部電極12上に多結晶シリコン層3
を形成し平滑化工程の有無による表面の凹凸の差をAF
Mにより評価した結果、平滑化していない多結晶シリコ
ン層3の表面では高低差が130nm程度の凹凸が見ら
れたのに対して、平滑化した後の多結晶シリコン層3の
表面の凹凸の高低差は20nm程度になっていることが
確認された。
【0055】ところで、平滑化工程において機械的研磨
により多結晶シリコン層3の表面を平滑化した場合、平
滑化工程に起因して多結晶シリコン層3の表面側にダメ
ージ層が生じ、結果的に電界放射型電子源10の特性が
低下してしまうことがあるので、平滑化工程の後で実施
形態4と同様に、ダメージ層を除去若しくは回復するダ
メージ層除去工程を設けることが好ましい。このような
ダメージ層除去工程を設けることにより、平滑化工程に
起因して電界放射型電子源10の特性が低下するのを防
止することができる。
【0056】(実施形態6)実施形態1における電界放
射型電子源10の製造方法では、平滑化工程において電
解液を用いて平滑化を行っているが、本実施形態におけ
る電界放射型電子源10の製造方法では、平滑化工程と
して、多結晶シリコン層3の表面をイオンミリングによ
り平滑化する工程を採用している。このような平滑化工
程を採用すれば、半導体プロセスで利用されるイオンミ
リング技術を利用して多結晶シリコン層3の表面を平滑
化することができるから、従来に比べて寿命の長い電界
放射型電子源10を低コストで提供することができ、プ
ロセスの信頼性を高めることができる。その上、平滑化
工程後の多結晶シリコン層3の表面の表面ラフネスを小
さくすることができる。なお、電界放射型電子源10の
構成は実施形態1と同じであり、電界放射型電子源10
の製造方法は上述の平滑化工程以外は実施形態1と同じ
である。
【0057】ところで、平滑化工程においてイオンミリ
ングにより多結晶シリコン層3の表面を平滑化した場
合、平滑化工程に起因して多結晶シリコン層3の表面側
にダメージ層が生じ、結果的に電界放射型電子源10の
特性が低下してしまうことがあるので、平滑化工程の後
で実施形態4と同様に、ダメージ層を除去若しくは回復
するダメージ層除去工程を設けることが好ましい。この
ようなダメージ層除去工程を設けることにより、平滑化
工程に起因して電界放射型電子源10の特性が低下する
のを防止することができる。
【0058】(実施形態7)実施形態1における電界放
射型電子源10の製造方法では、平滑化工程において電
解液を用いて平滑化を行っているが、本実施形態におけ
る電界放射型電子源10の製造方法では、平滑化工程と
して、多結晶シリコン層3の表面を反応性イオンエッチ
ングにより平滑化する工程を採用している。このような
平滑化工程を採用すれば、いわゆるシリコンプロセスに
代表される半導体プロセスで利用される反応性イオンエ
ッチング技術を利用して多結晶シリコン層3の表面を平
滑化することができるから、従来に比べて寿命の長い電
界放射型電子源10を低コストで提供することができ、
プロセスの信頼性を高めることができる。その上、平滑
化工程後の多結晶シリコン層3の表面の表面ラフネスを
小さくすることができる。なお、電界放射型電子源10
の構成は実施形態1と同じであり、電界放射型電子源1
0の製造方法は上述の平滑化工程以外は実施形態1と同
じである。
【0059】ところで、平滑化工程において反応性イオ
ンエッチングにより多結晶シリコン層3の表面を平滑化
した場合、平滑化工程に起因して多結晶シリコン層3の
表面側にダメージ層が生じ、結果的に電界放射型電子源
10の特性が低下してしまうことがあるので、平滑化工
程の後で実施形態4と同様に、ダメージ層を除去若しく
は回復するダメージ層除去工程を設けることが好まし
い。このようなダメージ層除去工程を設けることによ
り、平滑化工程に起因して電界放射型電子源10の特性
が低下するのを防止することができる。
【0060】(実施形態8)実施形態1における電界放
射型電子源10の製造方法では、平滑化工程において電
解液を用いて平滑化を行っているが、本実施形態におけ
る電界放射型電子源10の製造方法では、平滑化工程と
して、多結晶シリコン層3の表面をウェットエッチング
により平滑化する工程を採用している。このような平滑
化工程を採用すれば、いわゆるシリコンプロセスに代表
される半導体プロセスで利用されるウェットエッチング
技術を利用して多結晶シリコン層3の表面を平滑化する
ことができるから、従来に比べて寿命の長い電界放射型
電子源10を低コストで提供することができ、プロセス
の信頼性を高めることができる。その上、平滑化工程後
の多結晶シリコン層3の表面の表面ラフネスを小さくす
ることができる。なお、電界放射型電子源10の構成は
実施形態1と同じであり、電界放射型電子源10の製造
方法は上述の平滑化工程以外は実施形態1と同じであ
る。
【0061】ところで、平滑化工程においてウェットエ
ッチングにより多結晶シリコン層3の表面を平滑化した
場合でも、平滑化工程に起因して多結晶シリコン層3の
表面側にダメージ層が生じることがあり、結果的に電界
放射型電子源10の特性が低下してしまうことがあるの
で、平滑化工程の後で実施形態4と同様に、ダメージ層
を除去若しくは回復するダメージ層除去工程を設けるこ
とが好ましい。このようなダメージ層除去工程を設ける
ことにより、平滑化工程に起因して電界放射型電子源1
0の特性が低下するのを防止することができる。
【0062】ところで、上記各実施形態にて説明した製
造方法によれば、下部電極12の一表面側において表面
の凹凸の高低差が20nm以下となるように表面を平滑
化した多結晶シリコン層3を多孔質化して形成された多
孔質多結晶シリコン層4を酸化若しくは窒化若しくは酸
窒化することにより強電界ドリフト層6を形成すること
が可能となるので、従来に比べて長寿命な電界放射型電
子源10を実現することができる。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明は、下部電極と、下部電
極の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸
窒化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト
層と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
電解液を用いた陽極酸化処理にて多孔質化して多孔質多
結晶半導体層を形成する多孔質化工程と、多孔質多結晶
半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する工程と
を備え、前記平滑化工程では、前記陽極酸化処理と同じ
電解液中で下部電極を陽極として陽極と陰極との間に多
結晶半導体層の表面が電解研磨されるように設定した規
定の電流密度の電流を流すことで多結晶半導体層の表面
を平滑化するので、下部電極の前記一表面側に形成した
多結晶半導体層の表面を平滑化してから多結晶半導体層
を多孔質化していることにより、結果的に強電界ドリフ
ト層の表面ラフネスが従来に比べて小さくなり、しか
も、前記平滑化工程において前記陽極酸化処理と同じ電
解液中で下部電極を陽極として陽極と陰極との間に多結
晶半導体層が電解研磨されるように設定した規定の電流
密度の電流を流すことで多結晶半導体層の表面を平滑化
していることにより、前記平滑化工程と前記多孔質化工
程とを一貫して行うことができて前記平滑化工程に専用
の製造装置を必要とせず、従来に比べて寿命の長い電界
放射型電子源を低コストで提供することができるという
効果がある。
【0064】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記多孔質化工程が前記規定の電流密度よりも小さ
く設定した所定の電流密度の電流を流す工程であって、
前記平滑化工程と前記多孔質化工程とを連続して行い且
つ前記平滑化工程から前記多孔質化工程へ移る際に電流
密度をステップ状に変化させるので、前記平滑化工程か
ら前記多孔質化工程へ移す際の電流密度の制御が容易に
なるという効果がある。
【0065】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記多孔質化工程が前記規定の電流密度よりも小さ
く設定した所定の電流密度の電流を流す工程であって、
前記平滑化工程と前記多孔質化工程とを連続して行い且
つ前記平滑化工程から前記多孔質化工程へ移る際に電流
密度を零に戻し前記所定の電流密度まで徐々に増加させ
るので、前記平滑化工程の終了後に電流密度を零から前
記所定の電流密度まで増加させる時に前記平滑化工程後
の多結晶シリコン層の表面がさらに平滑化されることに
なり、請求項2の発明に比べて前記強電界ドリフト層の
表面ラフネスがさらに小さくなり、さらに寿命の長い電
界放射型電子源を提供することができるという効果があ
る。
【0066】請求項4の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を酸化して酸化膜を形成してから酸
化膜をエッチングするので、下部電極の前記一表面側に
形成した多結晶半導体層の表面を平滑化してから多結晶
半導体層を多孔質化していることにより、結果的に強電
界ドリフト層の表面ラフネスが従来に比べて小さくな
り、しかも、前記平滑化工程において多結晶半導体層の
表面を酸化して酸化膜を形成してから酸化膜をエッチン
グすることで多結晶半導体層の表面を平滑化しているこ
とにより、いわゆるシリコンプロセスに代表される半導
体プロセスで利用される酸化技術およびエッチング技術
を利用して多結晶半導体層の表面を平滑化することがで
き、従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源を低コス
トで提供することが可能になるという効果がある。
【0067】請求項5の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を化学的機械研磨により平滑化する
ので、下部電極の前記一表面側に形成した多結晶半導体
層の表面を平滑化してから多結晶半導体層を多孔質化し
ていることにより、結果的に強電界ドリフト層の表面ラ
フネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前記平滑化
工程において多結晶半導体層の表面を化学的機械研磨に
より平滑化していることにより、いわゆるシリコンプロ
セスに代表される半導体プロセスで利用される化学的機
械研磨技術を利用して多結晶半導体層の表面を平滑化す
ることができ、従来に比べて寿命の長い電界放射型電子
源を低コストで提供することが可能になるという効果が
ある。
【0068】請求項6の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を機械的研磨により平滑化するの
で、下部電極の前記一表面側に形成した多結晶半導体層
の表面を平滑化してから多結晶半導体層を多孔質化して
いることにより、結果的に強電界ドリフト層の表面ラフ
ネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前記平滑化工
程において多結晶半導体層の表面を機械的研磨により平
滑化していることにより、いわゆるシリコンプロセスに
代表される半導体プロセスで利用される機械的研磨技術
を利用して多結晶半導体層の表面を平滑化することがで
き、従来に比べて寿命の長い電界放射型電子源を低コス
トで提供することが可能になるという効果がある。
【0069】請求項7の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面をイオンミリングにより平滑化する
ので、下部電極の前記一表面側に形成した多結晶半導体
層の表面を平滑化してから多結晶半導体層を多孔質化し
ていることにより、結果的に強電界ドリフト層の表面ラ
フネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前記平滑化
工程において多結晶半導体層の表面をイオンミリングに
より平滑化していることにより、半導体プロセスで利用
されるイオンミリング技術を利用して多結晶半導体層の
表面を平滑化することができ、従来に比べて寿命の長い
電界放射型電子源を低コストで提供することが可能にな
るという効果がある。
【0070】請求項8の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面を反応性イオンエッチングにより平
滑化するので、下部電極の前記一表面側に形成した多結
晶半導体層の表面を平滑化してから多結晶半導体層を多
孔質化していることにより、結果的に強電界ドリフト層
の表面ラフネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前
記平滑化工程において多結晶半導体層の表面を反応性イ
オンエッチングにより平滑化していることにより、いわ
ゆるシリコンプロセスに代表される半導体プロセスで利
用される反応性イオンエッチング技術を利用して多結晶
半導体層の表面を平滑化することができ、従来に比べて
寿命の長い電界放射型電子源を低コストで提供すること
が可能になるという効果がある。
【0071】請求項9の発明は、下部電極と、下部電極
の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒
化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト層
と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成に
あたっては、下部電極の前記一表面側に多結晶半導体層
を形成する成膜工程と、多結晶半導体層の表面を平滑化
する平滑化工程と、平滑化工程の後で多結晶半導体層を
多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成する多孔質化
工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若し
くは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化工程では、多
結晶半導体層の表面をウェットエッチングにより平滑化
するので、下部電極の前記一表面側に形成した多結晶半
導体層の表面を平滑化してから多結晶半導体層を多孔質
化していることにより、結果的に強電界ドリフト層の表
面ラフネスが従来に比べて小さくなり、しかも、前記平
滑化工程において多結晶半導体層の表面をウェットエッ
チングにより平滑化していることにより、いわゆるシリ
コンプロセスに代表される半導体プロセスで利用される
ウェットエッチング技術を利用して多結晶半導体層の表
面を平滑化することができ、従来に比べて寿命の長い電
界放射型電子源を低コストで提供することが可能になる
という効果がある。
【0072】請求項10の発明は、請求項1ないし請求
項9の発明において、前記平滑化工程に起因したダメー
ジ層を除去若しくは回復するダメージ層除去工程を備え
るので、前記平滑化工程に起因したダメージ層を除去す
ることができ、前記平滑化工程に起因して電界放射型電
子源の特性が低下するのを防止することができるという
効果がある。
【0073】請求項11の発明は、請求項1または請求
項4ないし請求項9の発明において、前記平滑化工程と
前記多孔質化工程との間に、前記平滑化工程により多結
晶半導体層の表面側に生じたダメージ層を除去若しくは
回復するダメージ層除去工程を備えるので、前記平滑化
工程により多結晶半導体層の表面側に生じたダメージ層
を除去することができ、前記平滑化工程に起因して電界
放射型電子源の特性が低下するのを防止することができ
るという効果がある。
【0074】請求項12の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層をウェットエッチングにより除去す
るので、前記ダメージ層を除去する際に新たにダメージ
が生じるのを防止することができるという効果がある。
【0075】請求項13の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層を酸化してからウェットエッチング
により除去するので、前記ダメージ層を除去する際に新
たにダメージが生じるのを防止することができるという
効果がある。
【0076】請求項14の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層をイオンミリングにより除去するの
で、前記ダメージ層を除去する際に不純物が導入される
のを防ぐことができるという効果がある。
【0077】請求項15の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層を反応性イオンエッチングにより除
去するので、前記ダメージ層除去工程の工程管理が容易
になるという効果がある。
【0078】請求項16の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層をアニールにより回復するので、前
記ダメージ層除去工程により表面に凹凸が発生するのを
防止することができるという効果がある。つまり、前記
平滑化工程後の表面の平坦性を維持したままダメージ層
を回復することができるという効果がある。
【0079】請求項17の発明は、請求項10または請
求項11の発明において、前記ダメージ層除去工程で
は、前記ダメージ層を水素若しくは水素混合ガス雰囲気
中での処理により回復するので、前記ダメージ層除去工
程により表面に凹凸が発生するのを防止することができ
るという効果がある。つまり、前記平滑化工程後の表面
の平坦性を維持したままダメージ層を回復することがで
きるという効果がある。
【0080】請求項18の発明は、下部電極と、下部電
極の一表面側に形成された酸化若しくは窒化若しくは酸
窒化した多孔質多結晶半導体層からなる強電界ドリフト
層と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
え、表面電極と下部電極との間に電圧を印加することに
より下部電極から注入された電子が強電界ドリフト層を
ドリフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子
源であって、前記強電界ドリフト層は、下部電極の一表
面側において表面の凹凸の高低差が20nm以下となる
ように表面を平滑化した多結晶半導体層を多孔質化して
形成された多孔質多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若
しくは酸窒化することにより形成されてなるものであ
り、従来に比べて寿命が長くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の電界放射型電子源の製造方法を説
明するための主要工程断面図である。
【図2】同上の製造方法の説明図である。
【図3】同上の電界放射型電子源の概略断面図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】同上の動作説明図である。
【図6】同上の電界放射型電子源の電子放出特性図であ
る。
【図7】同上の比較例を示す電界放射型電子源の電子放
出特性図である。
【図8】実施形態2の電界放射型電子源の製造方法の説
明図である。
【図9】従来例を示す電界放射型電子源の動作説明図で
ある。
【図10】他の従来例を示す電界放射型電子源の動作説
明図である。
【符号の説明】
1 n形シリコン基板 2 オーミック電極 3 多結晶シリコン層 4 多孔質多結晶シリコン層 6 強電界ドリフト層 7 表面電極 10 電界放射型電子源 12 下部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 由明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 馬場 徹 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5C127 CC22 DD07 DD08 DD09 DD34 DD57 DD62 DD64 DD70 DD77 DD78 DD80 DD87 EE07 EE15 5C135 CC01 CC08 DD07 DD09 GG13 HH07 HH15

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部電極と、下部電極の一表面側に形成
    された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多結
    晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフ
    ト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下部
    電極との間に電圧を印加することにより下部電極から注
    入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極
    を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であっ
    て、前記強電界ドリフト層の形成にあたっては、下部電
    極の前記一表面側に多結晶半導体層を形成する成膜工程
    と、多結晶半導体層の表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化工程の後で多結晶半導体層を電解液を用いた陽極
    酸化処理にて多孔質化して多孔質多結晶半導体層を形成
    する多孔質化工程と、多孔質多結晶半導体層を酸化若し
    くは窒化若しくは酸窒化する工程とを備え、前記平滑化
    工程では、前記陽極酸化処理と同じ電解液中で下部電極
    を陽極として陽極と陰極との間に多結晶半導体層の表面
    が電解研磨されるように設定した規定の電流密度の電流
    を流すことで多結晶半導体層の表面を平滑化することを
    特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記多孔質化工程が前記規定の電流密度
    よりも小さく設定した所定の電流密度の電流を流す工程
    であって、前記平滑化工程と前記多孔質化工程とを連続
    して行い且つ前記平滑化工程から前記多孔質化工程へ移
    る際に電流密度をステップ状に変化させることを特徴と
    する請求項1記載の電界放射型電子源の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多孔質化工程が前記規定の電流密度
    よりも小さく設定した所定の電流密度の電流を流す工程
    であって、前記平滑化工程と前記多孔質化工程とを連続
    して行い且つ前記平滑化工程から前記多孔質化工程へ移
    る際に電流密度を零に戻し前記所定の電流密度まで徐々
    に増加させることを特徴とする請求項1記載の電界放射
    型電子源の製造方法。
  4. 【請求項4】 下部電極と、下部電極の一表面側に形成
    された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多結
    晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフ
    ト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下部
    電極との間に電圧を印加することにより下部電極から注
    入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極
    を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であっ
    て、前記強電界ドリフト層の形成にあたっては、下部電
    極の前記一表面側に多結晶半導体層を形成する成膜工程
    と、多結晶半導体層の表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化工程の後で多結晶半導体層を多孔質化して多孔質
    多結晶半導体層を形成する多孔質化工程と、多孔質多結
    晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する工程
    とを備え、前記平滑化工程では、多結晶半導体層の表面
    を酸化して酸化膜を形成してから酸化膜をエッチングす
    ることを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
  5. 【請求項5】 下部電極と、下部電極の一表面側に形成
    された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多結
    晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフ
    ト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下部
    電極との間に電圧を印加することにより下部電極から注
    入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極
    を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であっ
    て、前記強電界ドリフト層の形成にあたっては、下部電
    極の前記一表面側に多結晶半導体層を形成する成膜工程
    と、多結晶半導体層の表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化工程の後で多結晶半導体層を多孔質化して多孔質
    多結晶半導体層を形成する多孔質化工程と、多孔質多結
    晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する工程
    とを備え、前記平滑化工程では、多結晶半導体層の表面
    を化学的機械研磨により平滑化することを特徴とする電
    界放射型電子源の製造方法。
  6. 【請求項6】 下部電極と、下部電極の一表面側に形成
    された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多結
    晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフ
    ト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下部
    電極との間に電圧を印加することにより下部電極から注
    入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極
    を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であっ
    て、前記強電界ドリフト層の形成にあたっては、下部電
    極の前記一表面側に多結晶半導体層を形成する成膜工程
    と、多結晶半導体層の表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化工程の後で多結晶半導体層を多孔質化して多孔質
    多結晶半導体層を形成する多孔質化工程と、多孔質多結
    晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する工程
    とを備え、前記平滑化工程では、多結晶半導体層の表面
    を機械的研磨により平滑化することを特徴とする電界放
    射型電子源の製造方法。
  7. 【請求項7】 下部電極と、下部電極の一表面側に形成
    された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多結
    晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフ
    ト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下部
    電極との間に電圧を印加することにより下部電極から注
    入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極
    を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であっ
    て、前記強電界ドリフト層の形成にあたっては、下部電
    極の前記一表面側に多結晶半導体層を形成する成膜工程
    と、多結晶半導体層の表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化工程の後で多結晶半導体層を多孔質化して多孔質
    多結晶半導体層を形成する多孔質化工程と、多孔質多結
    晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する工程
    とを備え、前記平滑化工程では、多結晶半導体層の表面
    をイオンミリングにより平滑化することを特徴とする電
    界放射型電子源の製造方法。
  8. 【請求項8】 下部電極と、下部電極の一表面側に形成
    された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多結
    晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフ
    ト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下部
    電極との間に電圧を印加することにより下部電極から注
    入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極
    を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であっ
    て、前記強電界ドリフト層の形成にあたっては、下部電
    極の前記一表面側に多結晶半導体層を形成する成膜工程
    と、多結晶半導体層の表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化工程の後で多結晶半導体層を多孔質化して多孔質
    多結晶半導体層を形成する多孔質化工程と、多孔質多結
    晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する工程
    とを備え、前記平滑化工程では、多結晶半導体層の表面
    を反応性イオンエッチングにより平滑化することを特徴
    とする電界放射型電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 下部電極と、下部電極の一表面側に形成
    された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多結
    晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフ
    ト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下部
    電極との間に電圧を印加することにより下部電極から注
    入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極
    を通して放出される電界放射型電子源の製造方法であっ
    て、前記強電界ドリフト層の形成にあたっては、下部電
    極の前記一表面側に多結晶半導体層を形成する成膜工程
    と、多結晶半導体層の表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化工程の後で多結晶半導体層を多孔質化して多孔質
    多結晶半導体層を形成する多孔質化工程と、多孔質多結
    晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する工程
    とを備え、前記平滑化工程では、多結晶半導体層の表面
    をウェットエッチングにより平滑化することを特徴とす
    る電界放射型電子源の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記平滑化工程に起因したダメージ層
    を除去若しくは回復するダメージ層除去工程を備えるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記
    載の電界放射型電子源の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記平滑化工程と前記多孔質化工程と
    の間に、前記平滑化工程により多結晶半導体層の表面側
    に生じたダメージ層を除去若しくは回復するダメージ層
    除去工程を備えることを特徴とする請求項1または請求
    項4ないし請求項9のいずれかに記載の電界放射型電子
    源の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ダメージ層除去工程では、前記ダ
    メージ層をウェットエッチングにより除去することを特
    徴とする請求項10または請求項11記載の電界放射型
    電子源の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ダメージ層除去工程では、前記ダ
    メージ層を酸化してからウェットエッチングにより除去
    することを特徴とする請求項10または請求項11記載
    の電界放射型電子源の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記ダメージ層除去工程では、前記ダ
    メージ層をイオンミリングにより除去することを特徴と
    する請求項10または請求項11記載の電界放射型電子
    源の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記ダメージ層除去工程では、前記ダ
    メージ層を反応性イオンエッチングにより除去すること
    を特徴とする請求項10または請求項11記載の電界放
    射型電子源の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記ダメージ層除去工程では、前記ダ
    メージ層をアニールにより回復することを特徴とする請
    求項10または請求項11記載の電界放射型電子源の製
    造方法。
  17. 【請求項17】 前記ダメージ層除去工程では、前記ダ
    メージ層を水素若しくは水素混合ガス雰囲気中での処理
    により回復することを特徴とする請求項10または請求
    項11記載の電界放射型電子源の製造方法。
  18. 【請求項18】 下部電極と、下部電極の一表面側に形
    成された酸化若しくは窒化若しくは酸窒化した多孔質多
    結晶半導体層からなる強電界ドリフト層と、強電界ドリ
    フト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極と下
    部電極との間に電圧を印加することにより下部電極から
    注入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電
    極を通して放出される電界放射型電子源であって、前記
    強電界ドリフト層は、下部電極の一表面側において表面
    の凹凸の高低差が20nm以下となるように表面を平滑
    化した多結晶半導体層を多孔質化して形成された多孔質
    多結晶半導体層を酸化若しくは窒化若しくは酸窒化する
    ことにより形成されてなることを特徴とする電界放射型
    電子源。
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