JP2006273601A - カーボンナノチューブ成長用基板及びカーボンナノチューブの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望とする位置及び密度にカーボンナノチューブが形成され状態を、高い精度でより容易に得られるようにする。
【解決手段】結晶シリコンからなる基板101の上に、シリコン酸化膜102を備え、シリコン酸化膜102には、所定の間隔で配列された貫通孔104を備えている。貫通孔104の部分においては、基板101の表面が露出し、シリコン酸化膜102が存在していない。また、シリコン酸化膜102の上には、触媒金属層103が形成されている。このように構成されたカーボンナノチューブ成長用基板によれば、よく知られた触媒金属法によるカーボンナノチューブの成長において、基板温度を上昇させる段階で、シリコン酸化膜102の上の触媒金属層103は、拡散して消滅する。
【選択図】 図1
【解決手段】結晶シリコンからなる基板101の上に、シリコン酸化膜102を備え、シリコン酸化膜102には、所定の間隔で配列された貫通孔104を備えている。貫通孔104の部分においては、基板101の表面が露出し、シリコン酸化膜102が存在していない。また、シリコン酸化膜102の上には、触媒金属層103が形成されている。このように構成されたカーボンナノチューブ成長用基板によれば、よく知られた触媒金属法によるカーボンナノチューブの成長において、基板温度を上昇させる段階で、シリコン酸化膜102の上の触媒金属層103は、拡散して消滅する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、所望とする位置にカーボンナノチューブが形成された状態とするためのカーボンナノチューブ成長用基板及びカーボンナノチューブの形成方法に関する。
カーボンナノチューブは、主に炭素で構成されたグラファイトのシートが筒状に丸められた構造体である。このように構成されたカーボンナノチューブの直径は、最小で0.4nm程度であり、円筒が1枚のシートで構成された単層ナノチューブ及び複数枚のシートで構成された多層ナノチューブが存在する。これらの構造的な特徴を備えたカーボンナノチューブは、将来nmオーダーへと微細化する電子デバイスとして必要とされる、高電流密度,バリステック伝導,高熱伝導度,細い線幅などの優れた特性を有する。また、非常に鋭角な先端をもつ形状を備えているため、カーボンナノチューブは、電界放出型冷陰極電子源の材料としても有望視されている。これらのため、多くの研究機関が実用化をめざして製造プロセスの研究を進めている。
カーボンナノチューブの製造において、特に重要になるのは、カーボンナノチューブを電子デバイスや冷陰極源の部品として用いるために、所望の位置や所望の密度にカーボンナノチューブが配置された状態に形成する技術である。これらの目的を達成する代表的な手法として、公知のフォトリソグラフィー技術により、基板の上に所望のパターン形状に形成された触媒金属のパターンが形成された状態とし、このパターンを起点としてカーボンナノチューブを成長させようとする方法が提案されている(非特許文献1参照)。
http://WWW.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol02_12/vol02_12_topics/topica1/vol02_12_topics1.html
しかしながら、従来の技術では、所望とする位置以外に触媒金属の残渣が発生する場合があり、残渣の部分よりカーボンナノチューブが形成される場合が発生していた。カーボンナノチューブを成長させる基点となる触媒金属のパターンは、カーボンナノチューブの直径程度と微細であるなどの理由により、従来の技術では、所望とする箇所以外における残渣の発生を完全に抑制することが容易ではなかった。このように、従来の技術では、高い精度で、所望とする位置及び密度にカーボンナノチューブが形成された状態とすることが、容易ではなかった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、所望とする位置及び密度にカーボンナノチューブが形成され状態を、高い精度でより容易に得られるようにすることを目的とする。
本発明に係るカーボンナノチューブの形成方法は、加熱した基板に炭素原料ガスを供給することにより触媒金属にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの形成方法において、シリコンからなる基板の上にシリコン酸化膜が形成された状態とする工程と、他の領域に比較してシリコンの割合が多くなっている劣化した部分がシリコン酸化膜に形成された状態とする工程と、シリコン酸化膜を加熱することにより劣化した部分のシリコン酸化膜が除去されて貫通孔が形成された状態とする工程と、貫通孔を含むシリコン酸化膜の上に触媒金属からなる触媒金属層が形成された状態とする工程と、基板を加熱して触媒金属が拡散する状態とし、触媒金属がシリコン酸化膜の表面より消失し、貫通孔の内部における基板の表面のみで島状に凝集して触媒金属粒が形成された状態とする工程と、炭素原料ガスを供給することで触媒金属粒にカーボンナノチューブが形成された状態とする工程とを少なくとも備えるようにしたものである。従って、カーボンナノチューブを形成する工程において、シリコン酸化膜の上には触媒金属が存在していない。
上記カーボンナノチューブの形成方法において、収束イオンビーム及びシングルイオン注入法の少なくとも1つによりシリコンイオンを注入する第1方法、開口部を備えたマスクパターンを用いて選択的にシリコンを蒸着する第2方法、収束電子線を選択的に照射する第3方法、走査型トンネル顕微鏡の探針の先端から電子を局所的に照射する第4方法、開口部を備えたマスクパターンを用いて選択的に放射光を照射して部分的にエッチングする第5方法、及びナノインプリント法により微小な構造を押し付ける第6方法の少なくとも1つの方法により劣化した部分が形成された状態とすればよい。
上記カーボンナノチューブの形成方法において、触媒金属粒が形成された状態とする工程では、触媒金属のシリコン酸化膜の上での拡散距離がシリコンの上での拡散距離よりも大きい温度から、シリコン酸化膜が消失する温度に至らないまでの温度範囲に基板が加熱された状態とすればよい。また、触媒金属が、コバルトであれば、触媒金属粒が形成された状態とする工程では、基板が500℃より高い温度に加熱された状態とすればよい。なお、触媒金属は、コバルト,鉄,ニッケル,及びこれらの合金の少なくとも1つから構成されたものであればよい。また、触媒金属は、モリブデン,プラチナ,銅,クロム,パラジウム,及びロジウムの少なくとも1つが添加されているものであってもよい。
本発明に係るカーボンナノチューブ成長用基板は、加熱した基板に炭素原料ガスを供給することにより触媒金属にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの形成方法に用いるカーボンナノチューブ成長用基板であって、シリコンからなる基板と、貫通孔を備えて基板の上に形成されたシリコン酸化膜と、貫通孔の内部を含むシリコン酸化膜の上に形成された触媒金属からなる触媒金属層とを少なくとも備え、触媒金属は、カーボンナノチューブの形成に際して触媒作用を有する金属から構成されたものである。
上記カーボンナノチューブ成長用基板において、触媒金属層は、基板を加熱して触媒金属が拡散する状態とすることで、触媒金属がシリコン酸化膜の表面より消失し、貫通孔の内部における基板の表面のみで島状に凝集して触媒金属粒が形成された状態となる範囲の膜厚に形成されていればよい。なお、触媒金属は、コバルト,鉄,ニッケル,及びこれらの合金の少なくとも1つから構成されたものであればよい。また、触媒金属は、モリブデン,プラチナ,銅,クロム,パラジウム,及びロジウムの少なくとも1つが添加されていてもよい。
以上説明したように、本発明では、貫通孔を含むシリコン酸化膜の上に触媒金属からなる触媒金属層が形成された状態とすることで、基板を加熱して触媒金属を拡散させて触媒金属をシリコン酸化膜の表面より消失させ、貫通孔の内部における基板の表面のみに、島状に凝集した触媒金属粒が形成されるようにした。この結果、本発明によれば、所望とする位置及び密度にカーボンナノチューブが形成され状態を、高い精度でより容易に得られるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるカーボンナノチューブ成長用基板の構成例を示す模式的な断面図(a)及び平面図(b)である。図1に示すカーボンナノチューブ成長用基板は、例えば単結晶シリコンからなる基板101の上に、シリコン酸化膜102を備え、シリコン酸化膜102には、所定の間隔で配列された貫通孔104を備えている。貫通孔104の部分においては、基板101の表面が露出し、シリコン酸化膜102が存在していない。また、シリコン酸化膜102の上には、例えば、コバルト,鉄,ニッケルなどの触媒金属からなる触媒金属層103が形成されている。触媒金属層103は、貫通孔104の部分を含めてシリコン酸化膜102の上に形成されている。従って、触媒金属層103は、貫通孔104の部分において基板101の表面と直接接触している。
このように構成されたカーボンナノチューブ成長用基板によれば、よく知られた触媒金属法によるカーボンナノチューブの成長において、基板温度を上昇させる段階で、基板101に接している触媒金属層103は拡散により消失することがない。これに対し、シリコン酸化物の表面では、触媒金属の拡散距離がシリコンの上より遙かに長いため、シリコン酸化膜102の上では、触媒金属層103が消失する。この結果、シリコン酸化膜102上に存在していた触媒金属層103は、貫通孔104の底部に露出する基板101の表面では残存し、カーボンナノチューブ成長用基板の上では、貫通孔104内にのみ触媒金属が存在している状態が得られる。
上述したように、図1に示すカーボンナノチューブ成長用基板によれば、加熱処理により、シリコン酸化膜のないシリコン基板の表面が露出している領域にのみ自己組織化的に触媒金属が存在する状態を得ることができる。ところで、シリコン酸化膜は、所定の温度以上に加熱されると消失するため、上述した加熱の温度は、シリコン酸化膜102が消失する温度より低くする必要がある。なお、シリコン酸化膜の消失温度は、シリコン酸化膜の膜厚に依存し、膜厚が薄いほど低い温度で消失する。従って、自己組織化的に触媒金属の層が部分的に存在した状態とするための加熱温度は、前述した拡散距離に大きな差がある温度条件から、シリコン酸化膜が消失する温度までの間に設定すればよい。
このように、シリコン酸化膜102に形成された貫通孔104の領域のみに触媒金属の層が配置された状態に、カーボンナノチューブの成長材料を供給すれば、カーボンナノチューブは触媒金属の部分にのみ成長するため、貫通孔104の部分にのみカーボンナノチューブが形成された状態となる。従って、位置,大きさなどを制御して貫通孔104が形成された状態とすることで、所望とする位置に所望とする形成領域で、選択的にカーボンナノチューブが形成された状態が得られる。
例えば、貫通孔104の面積を大きくすることで、基板101の上のほぼ全域にカーボンナノチューブが形成され、シリコン酸化膜102が形成されている残りの領域にのみ、カーボンナノチューブが形成されていない領域が形成された状態とすることも可能である。また、枠状に形成されたシリコン酸化膜102により、カーボンナノチューブの形成領域が区分けされて形成された状態とすることも可能である。なお、図1では、説明を簡単にするため平坦な基板101を例に説明したが、より複雑な構造を有するデバイスに対して、図1と同じ構造を表面に構成することが可能であれば、同様の効果が得られる。
次に、図1に示すカーボンナノチューブ成長用基板を用いたカーボンナノチューブの形成方法について説明する。まず、図2(a)に示すように、基板101の上にシリコン酸化膜102が形成された状態とする。例えば、薬品の処理により化学的に基板101の表面を酸化することで、シリコン酸化膜102が形成された状態が得られる。また、スパッタ法やCVD法でシリコン酸化物を堆積することでも、シリコン酸化膜102が形成された状態が得られる。また、酸素などの酸化性ガスの雰囲気で基板101を加熱して熱酸化膜を形成することで、シリコン酸化膜102が形成された状態としてもよい。
次に、図2(b)に示すように、カーボンナノチューブを形成する所望の領域に、劣化した部分201が形成された状態とする。劣化した部分201は、他の領域に比較してシリコンの割合が多くなっている領域である。例えば、収束イオンビーム及びシングルイオン注入法などによりシリコンイオンを選択的に注入することで、劣化した部分201が形成できる。また、公知のリソグラフィー技術により、所望の領域に開口部を備えたマスクパターンが形成された状態とし、この上からシリコンを蒸着し、この後マスクパターンを除去することで、劣化した部分201が形成された状態としてもよい。また、収束電子線を照射することによっても、劣化した部分201が形成可能である。
また、走査型トンネル顕微鏡の探針を所望の領域に配置し、探針の先端より電子を局所的に照射することで、劣化した部分201が形成されるようにしてもよい。また、公知のリソグラフィー技術により、所望の領域に開口部を備えたマスクパターンが形成された状態とし、開口部に露出するシリコン酸化膜102に選択的に放射光が照射された状態として部分的にエッチングすることで、劣化した部分201が形成されるようにしてもよい。また、所望の領域(位置)に微小な構造(突起部)を備えた型を用意し、これをシリコン酸化膜102に押し付ける所謂ナノプリント法により、局所的に歪んだ部分や凹部が形成された状態とすることで、劣化した部分201が形成されるようにしてもよい。
次に、シリコン酸化膜102の所望の位置に劣化した部分201が形成された基板101を加熱し、劣化した部分201を中心とした領域のシリコン酸化膜102が除去された(消失した)状態とすることで、図2(c)に示すように、貫通孔104が形成された状態とする。前述したようにすることで形成された劣化した部分201は、他の領域のシリコン酸化膜102に比較して、数十℃から100℃程度低い温度で消失するため、図2(c)に示すように、選択的に貫通孔104が形成された状態が得られる。貫通孔104を形成するための温度は、シリコン酸化膜102が消失する温度より低い範囲で、劣化した部分201のみが消失し始める温度とすればよい。
次に、図3(a)に示すように、例えば、コバルト,鉄,ニッケルなどの触媒金属からなる触媒金属層103が形成された状態とする。用いる触媒金属は、コバルト,鉄,ニッケル,及びこれらの合金であってもよい。また、これらに、モリブデン,プラチナ,銅,クロム,パラジウム,ロジウムなどが添加されていてもよい。また、触媒金属層103は、膜厚の設計値が1nm程度に形成されていればよい。触媒金属層103は、以降に説明するように触媒金属粒113が形成される範囲の膜厚とすればよい。言い換えると、触媒金属層103は、基板100を加熱して触媒金属が拡散する状態とすることで、触媒金属がシリコン酸化膜102の表面より消失し、貫通孔104の内部における基板の表面のみで島状に凝集して触媒金属粒113が形成された状態となる範囲の膜厚に形成されていればよい。
次に、触媒金属層103が形成された基板101を、例えば熱CVD成長用装置の処理室内に搬入し、処理室内に水素,窒素,又はアルゴンなどの希ガスからなるキャリアガスが供給された状態とし、基板101が所定温度にまで加熱された状態とする。この温度は、前述したように、拡散距離に大きな差がある温度条件から、シリコン酸化膜が消失する温度までの間に設定する。このように加熱されることで、シリコン酸化膜102の上では、触媒金属が拡散し始める。ここで、シリコンからなる基板101の表面では、触媒金属の拡散速度が、シリコン酸化膜102の表面より遙かに小さい。このため、加熱を所定時間継続すると、図3(e)に示すように、シリコン酸化膜102の上には触媒金属がなく、貫通孔104の領域で露出している基板101の表面のみに、触媒金属粒113が形成された状態となる。なお、触媒金属粒113は、シリコンとの化合物を形成している場合もある。
次に、基板温度をカーボンナノチューブが成長する条件とし、また、カーボンナノチューブの成長材料が供給された状態とすることで、図3(f)に示すように、触媒金属粒113よりカーボンナノチューブ105が成長した状態とする。上記成長材料が供給されると、供給された成長材料は触媒金属粒113に溶解し、この触媒金属粒113を核としてカーボンナノチューブ105が成長する。触媒金属粒113は、貫通孔104の内部に露出した基板101の表面にのみ存在しているため、カーボンナノチューブ105も、貫通孔104の内部にのみ形成される。なお、上述では、熱化学気相成長(CVD)法によりカーボンナノチューブを形成する場合について説明したが、これに限るものではなく、プラズマCVD法,ホットフィラメントCVD法などにより、所定温度に加熱された基板の上に成長材料を供給することで、基板上の触媒金属よりカーボンナノチューブが形成された状態としてもよい。
次に、加熱された基板上で触媒金属が拡散する現象に関して説明する。以下では、触媒金属としてコバルトを用いた場合について説明する。まず、作成した試料について説明すると、シリコン基板の表面を熱酸化して膜厚1.8nm程度のシリコン酸化膜が形成された状態とする。これは、図2(a)に示す状態に相当する。ついで、図2(b)を用いて説明したように劣化した部分が形成された状態とし、これらを820℃に加熱し、直径400nmの平面視円形の貫通孔が形成された状態とする。これらの上に膜厚1nm程度にコバルト薄膜が形成された状態とする。このように形成された試料のシリコン基板を、室温(25℃程度)程度から徐々に昇温して加熱し、昇温の過程におけるコバルトの量を測定した。
図4は、上述したコバルトの量の変化を示す測定結果であり、横軸は基板温度を示し、黒丸は、貫通孔内部におけるコバルト量の変化を示し、白四角はシリコン酸化膜上のコバルト量の変化を示している。黒丸に示すように、基板の温度が上昇しても、貫通孔内部のコバルト量は変化が少ない。これに対し、白四角で示すシリコン酸化膜の上では、基板の温度が500℃から600℃に達した時点で、コバルトの量が劇的に減少し、0に近いノイズレベルの値となっている。
このことは、シリコン酸化膜の上では500℃から600℃の間において、拡散距離の転移温度があり、この温度を境にコバルトの拡散距離が急激に増大し、シリコン酸化膜の上からはコバルトが消失したが、シリコン酸化膜に被覆されていない貫通孔部分では、コバルトが留まっていることを示している。上述した実験の結果により、最終的にシリコン酸化膜の上にはコバルトが存在せず、貫通孔内部のシリコン基板表面にはコバルトが残存する現象が確認された。
101…基板、102…シリコン酸化膜、103…触媒金属層、104…貫通孔。
Claims (10)
- 加熱した基板に炭素原料ガスを供給することにより触媒金属にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの形成方法において、
シリコンからなる基板の上にシリコン酸化膜が形成された状態とする工程と、
他の領域に比較してシリコンの割合が多くなっている劣化した部分が前記シリコン酸化膜に形成された状態とする工程と、
前記シリコン酸化膜を加熱することにより前記劣化した部分の前記シリコン酸化膜が除去されて貫通孔が形成された状態とする工程と、
前記貫通孔を含む前記シリコン酸化膜の上に触媒金属からなる触媒金属層が形成された状態とする工程と、
前記基板を加熱して前記触媒金属が拡散する状態とし、前記触媒金属が前記シリコン酸化膜の表面より消失し、前記貫通孔の内部における前記基板の表面のみで島状に凝集して触媒金属粒が形成された状態とする工程と、
炭素原料ガスを供給することで前記触媒金属粒にカーボンナノチューブが形成された状態とする工程と
を少なくとも備えることを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。 - 請求項1記載のカーボンナノチューブの形成方法において、
収束イオンビーム及びシングルイオン注入法の少なくとも1つによりシリコンイオンを注入する第1方法、
開口部を備えたマスクパターンを用いて選択的にシリコンを蒸着する第2方法、
収束電子線を選択的に照射する第3方法、
走査型トンネル顕微鏡の探針の先端から電子を局所的に照射する第4方法、
開口部を備えたマスクパターンを用いて選択的に放射光を照射して部分的にエッチングする第5方法、
及びナノインプリント法により微少な構造を押し付ける第6方法
の少なくとも1つの方法により前記劣化した部分が形成された状態とする
ことを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。 - 請求項1又は2記載のカーボンナノチューブの形成方法において、
前記触媒金属粒が形成された状態とする工程では、前記触媒金属のシリコン酸化膜の上での拡散距離がシリコンの上での拡散距離よりも大きい温度から、前記シリコン酸化膜が消失する温度に至らないまでの温度範囲に前記基板が加熱された状態とする
ことを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの形成方法において、
前記触媒金属は、コバルトであり、
前記触媒金属粒が形成された状態とする工程では、前記基板が500℃より高い温度に加熱された状態とする
ことを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの形成方法において、
前記触媒金属は、コバルト,鉄,ニッケル,及びこれらの合金の少なくとも1つから構成されたものであることを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。 - 請求項5記載のカーボンナノチューブの形成方法において、
前記触媒金属は、モリブデン,プラチナ,銅,クロム,パラジウム,及びロジウムの少なくとも1つが添加されている
ことを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。 - 加熱した基板に炭素原料ガスを供給することにより触媒金属にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの形成方法に用いるカーボンナノチューブ成長用基板であって、
シリコンからなる基板と、
貫通孔を備えて前記基板の上に形成されたシリコン酸化膜と、
前記貫通孔の内部を含む前記シリコン酸化膜の上に形成された前記触媒金属からなる触媒金属層と
を少なくとも備え、
前記触媒金属は、カーボンナノチューブの形成に際して触媒作用を有する金属から構成されたものである
ことを特徴とするカーボンナノチューブ成長用基板。 - 請求項7記載のカーボンナノチューブ成長用基板において、
前記触媒金属層は、
前記基板を加熱して前記触媒金属が拡散する状態とすることで、前記触媒金属が前記シリコン酸化膜の表面より消失し、前記貫通孔の内部における前記基板の表面のみで島状に凝集して触媒金属粒が形成された状態となる範囲の膜厚に形成されている
ことを特徴とするカーボンナノチューブ成長用基板。 - 請求項7又は8記載のカーボンナノチューブ成長用基板において、
前記触媒金属は、コバルト,鉄,ニッケル,及びこれらの合金の少なくとも1つから構成されたものであることを特徴とするカーボンナノチューブ成長用基板。 - 請求項9記載のカーボンナノチューブ成長用基板において、
前記触媒金属は、モリブデン,プラチナ,銅,クロム,パラジウム,及びロジウムの少なくとも1つが添加されている
ことを特徴とするカーボンナノチューブ成長用基板。
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