JP3077288U - スリッパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫合作業が容易であり、しかも外観や履き心
地が良好なスリッパを提供する。 【解決手段】 底板５と略同形状に形成された硬質の薄
板材からなる中板６の上面に表布７と甲当て部８を配設
し、これらの縁部を帯状布９で被覆した状態で、糸１０
によって底板５に一体に縫合する。これにより、表布７
や甲当て部８の底板５への縫合時に、表布７や甲当て部
８の縁部が縫合部側にずれ込んだり埋没する等の不具合
が解消され、しかも表布７や甲当て部８の縁部がめくれ
る等して外観や履き心地が低下することを防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、スリッパに係り、特に接客に好適なスリッパに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、ホテル等の宿泊施設では、利用者に清潔感を与えるため、使い捨て スリッパや複数回の洗濯が可能なスリッパ等が広く採用されている。上記洗濯可 能なスリッパは、使い捨てスリッパに比べ、高級感や履き心地等の点で優れ、ま た、繰り返し使用可能であるためコスト面でも有利である。

【０００３】 このような洗濯可能なスリッパとしては、所定の厚みを有する硬質ウレタン素 材等からなる底板の上面に、布材からなる表布や甲当て部を配設し、これらを底 板の縁部に沿って一体に縫合したものが一般的である。

【０００４】 しかしながら、硬質ウレタン素材等からなる底板は弾性を有し、表布や甲当て 部等は柔らかい布材で構成されているため、底板に表布や甲当て部を縫合する際 には、底板の厚さ方向への弾性変形等によって表布や甲当て部の縁部が縫合部側 にずれ込んだり埋没する等して縫合作業が困難となることがある。特に、表布や 甲当て部の縁部等を内側に折り返して底板に縫合する場合、縫合作業はより困難 なものとなる。また、上記スリッパは、繰り返し洗濯して使用することにより、 縫合部よりも外周に位置する部位の表布等がめくれたり型くずれする等して外観 や履き心地等を損なう虞がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来の洗濯可能なスリッパにおいては、厚さを有する底板に柔ら かい素材の表布や甲当て部を縫合するものであるため縫合作業が困難となり、繰 り返し使用する場合には縫合部よりも外周に位置する部位の表布等がめくれる等 して外観や履き心地等を損なう虞がある。

【０００６】 本考案は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、縫合作業が容易であり 、外観や履き心地が良好なスリッパを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため請求項１に記載のスリッパは、厚みを有する底板の上 面に、布材からなる表布と甲当て部とを一体に縫合してなるスリッパにおいて、 上記底板と略同形状に形成された硬質の薄板部材からなる中板を有し、上記中板 の上面に上記表布と上記甲当て部とを配設し、これらの縁部を帯状布で被覆した 状態で上記底板に一体に縫合したことを特徴とする。

【０００８】 また、請求項２に記載のスリッパは、厚みを有する底板の上面に、布材からな る表布と甲当て部とを一体に縫合してなるスリッパにおいて、上記底板と略同形 状に形成された硬質の薄板部材からなる中板を有し、上記中板の上面に上記表布 と上記甲当て部とを配設し、これらの縁部を帯状布で被覆して一体に仮止めした 状態で上記底板に一体に縫合したことを特徴とする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。 図１、図２は本考案の一実施の形態に係り、図１はスリッパを上方から見た斜 視図、図２は図１のII-II拡大断面図である。

【００１０】 図１，２おいて符号１はスリッパを示し、このスリッパ１は、略足裏形状に形 成された底板５，中板６，及び，表布７と、足の甲部に略沿う形状に形成された 甲当て部８と、上記中板６，表布７，及び甲当て部８の縁部を被覆する帯状布９ とを備え、これらが糸１０によって一体に縫合されて要部が構成されている。

【００１１】 具体的に説明すると、底板５は、例えば硬質ウレタン素材等の樹脂からなる所 定の厚さ（１ｃｍ程度の板厚）を有する板材を略足裏形状に裁断することにより 形成され、スリッパ１の芯材としての機能とクッション材としての機能とを兼用 するようになっている。

【００１２】 また、中板６は、底板５の上面に配設されるもので、例えば硬質な樹脂製薄板 材等を底板５と略同形状の略足裏形状に裁断することにより形成されている。

【００１３】 また、表布７は、中板６の上面に配設されるもので、例えばメッシュ生地等か らなる布材を底板５と略同形状の略足裏形状に裁断することにより形成されてい る。この場合、表布７は、利用者の履き心地や耐久性等を向上するため、複数枚 （図示の例では２枚）重畳して用いられることが望ましい。

【００１４】 また、甲当て部８は、例えばメッシュ生地等からなる布材を足の甲に略沿う形 状に裁断することにより形成された複数の甲当て部本体８ａを備え、これら甲当 て部本体８ａが互いに重畳されるとともに前後の縁部が帯状布８ｂで被覆され、 糸８ｃによって一体に縫合されて要部が構成されている。

【００１５】 そして、スリッパ１は、中板６の上面に表布７が配設されるとともに、表布７ の上面前方寄りに甲当て部８が配設され、これらの縁部が帯状布９で被覆された 状態で底板５の上面に重畳され、帯状布９で被覆された部位が糸１０によって底 板５に一体に縫合されることにより形成される。

【００１６】 このような実施の形態では、底板５と表布７との間に硬質の中板６を設け、表 布７や甲当て部８を中板６とともに帯状布９で被覆した状態で底板５に一体に縫 合する構成とすることにより、縫合作業の作業性を向上することができる。

【００１７】 すなわち、表布７や甲当て部８の底板５への縫合を硬質の薄板材からなる中板 ６を介して行うことにより、縫合時に底板５が厚さ方向に弾性変形すること等に 起因して表布７や甲当て部８の縁部が縫合部側にずれ込んだり埋没する等の不具 合を防止することができ、表布７や甲当て部８の底板５への縫合時の作業性を向 上することができる。この場合、特に、中板６、表布７、及び、甲当て部８の縁 部を帯状布９で被覆した状態で底板５に縫合することにより、表布や甲当て部の 縁部を内側に折り返して底板に縫合する場合等に比べて縫合作業が容易なものと なり、より一層の作業性の向上を図ることができる。

【００１８】 また、表布７や甲当て部８の縁部は硬質な中板６とともに帯状布９に一体に被 覆されているので、繰り返し洗濯して使用した際等にも上記表布７や甲当て部８ の縁部がめくれたり型くずれすることを防止でき、長期にわたって外観や履き心 地を維持することができる。

【００１９】 ここで、図３に示すように、帯状布９で被覆された中板６，表布７，及び，甲 当て部８の縁部を仮止め用糸１５で予め一体に仮止めした後、これらを糸１０に よって底板５に一体に縫合してもよい。このように、予め各部材の仮止めを行っ た後に底板５への縫合を行うことにより、縫合作業をより容易なものとすること ができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、底板と略同形状に形成された硬質の中板を 有し、この中板の上面に表布と甲当て部とを配設し、これらの縁部を帯状布で被 覆した状態で上記底板に一体に縫合するので縫合作業を容易なものとすることが でき、しかも上記中板によって良好な外観や履き心地を長期に維持することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】スリッパを上方から見た斜視図

【図２】図１のII-II拡大断面図

【図３】スリッパの他の断面図

【符号の説明】

１ スリッパ ５ 底板 ６ 中板 ７ 表布 ８ 甲当て部 ９ 帯状布 １０ 糸 １５ 仮止め用糸

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 厚みを有する底板の上面に、布材からな
   る表布と甲当て部とを一体に縫合してなるスリッパにお
   いて、 上記底板と略同形状に形成された硬質の薄板部材からな
   る中板を有し、 上記中板の上面に上記表布と上記甲当て部とを配設し、
   これらの縁部を帯状布で被覆した状態で上記底板に一体
   に縫合したことを特徴とするスリッパ。
2. 【請求項２】 厚みを有する底板の上面に、布材からな
   る表布と甲当て部とを一体に縫合してなるスリッパにお
   いて、 上記底板と略同形状に形成された硬質の薄板部材からな
   る中板を有し、 上記中板の上面に上記表布と上記甲当て部とを配設し、
   これらの縁部を帯状布で被覆して一体に仮止めした状態
   で上記底板に一体に縫合したことを特徴とするスリッ
   パ。