JP3077061B2 - 積層型コイル - Google Patents
積層型コイルInfo
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Description
に、回路基板のパターン面に直接実装される表面実装型
と呼ばれる積層型コイルに関する。
えば図9に示すようなものが知られている。該積層型コ
イル1は、コイル導体パターン2a〜2dをそれぞれ表
面に設けた絶縁性シート3と、この絶縁性シート3の上
側及び下側に配置された保護用絶縁性シート4等で構成
されている。各コイル導体パターン2a〜2dは、絶縁
性シート3にそれぞれ設けたビアホール7a〜7cを介
して電気的に直列に接続され、コイルL1とされる。
後、一体的に焼成され、図10に示すような積層体6と
される。積層体6の左右端部にはそれぞれ入力外部電極
8及び出力外部電極9が設けられている。コイルL1の
一方の引出し部(具体的にはコイル導体2aの端部)5
aは入力外部電極8に電気的に接続され、他方の引出し
部(具体的にはコイル導体2dの端部)5bは出力外部
電極9に電気的に接続されている。
ルの電気特性は一般に、積層体内に形成されるコイルの
内径と密接な関係を有している。例えば、絶縁性シート
が非磁性体材料からなる、いわゆる空芯コイルタイプの
積層型コイルは、コイルの内径を大きくすることによ
り、Q値を大きくすることができる。また、絶縁性シー
トが磁性体材料からなる、いわゆる磁芯コイルタイプの
積層型コイルは、コイルの内径を大きくすることによ
り、直流重畳特性を向上させることができる。
積層体6の側面にコイル導体パターン2a〜2dの外周
縁部が露出しないように、コイル導体パターン2a〜2
dの外周縁部と絶縁性シート3の外周縁部との間に所定
寸法のギャップgを確保する必要があった。しかも、こ
のギャップgの寸法は、コイル導体パターン2a〜2d
の印刷等の加工ずれを見込んだ寸法とされる。従って、
従来の積層型コイル1は、ギャップgを確保しなければ
ならない分だけ、コイルの内径が小さくなり、大きなQ
値や良好な直流重畳特性を得ることが困難であった。
良好な電気的特性が得られる積層型コイルを提供するこ
とにある。
成するため、本発明に係る積層型コイルは、(a)複数
の絶縁層と複数のコイル導体パターンを積み重ねて構成
した積層体と、(b)前記コイル導体パターンを電気的
に接続して構成した、前記積層体の積み重ね方向に対し
て平行な軸を有するコイルとを備え、(c)前記複数の
コイル導体パターンのうちの少なくとも一つのコイル導
体パターンの外周縁部と前記絶縁層の外周縁部との間の
ギャップが零であること、を特徴とする。ここに、前記
コイルの軸は、積層型コイル実装面に平行である。
絶縁層の外周縁部一杯に設けられ、コイルの内径やコイ
ル導体パターンの幅が大きくなる。さらに、前記ギャッ
プが零のコイル導体パターンの外周縁部を含む積層体の
外周面を、絶縁樹脂で被覆することにより、コイル導体
パターンの外周縁部が回路基板のパターン等の他の導体
とショートするのを防止する。
の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。
ように、積層型コイル11は、コイル導体パターン12
をそれぞれ表面に設けた絶縁性シート13と、保護用絶
縁性シート14等で構成されている。各コイル導体パタ
ーン12は、絶縁性シート13の外周縁部とコイル導体
パターン12の外周縁部との間のギャップが零であるよ
うに、絶縁性シート13上に形成されている。つまり、
コイル導体パターン12の外周縁部は、絶縁性シート1
3の外周縁部に露出している。そして、各コイル導体パ
ターン12は絶縁性シート13のコーナ部にそれぞれ設
けたビアホール27を介して電気的に直列に接続され、
絶縁性シート13の積み重ね方向に対して平行な軸を有
する螺旋状コイルL2を構成する。
において左側に位置する絶縁性シート13の中央部に
は、それぞれ引出し用ビアホール26が設けられてい
る。絶縁性シート13,14は、磁性体材料(例えばフ
ェライト)あるいは非磁性体材料(例えば誘電体セラミ
ック)と結合剤等を混練して作成したスラリー状原料
を、シート状にしたものである。コイル導体パターン1
2はAg,Pd,Cu,Au,Ag−Pd等からなり、
スクリーン印刷等の手法により形成される。
一体的に焼成され、図2及び図3に示すような積層体1
6とされる。積層体16の両端面には、Ni,Ag,P
d,Ag−Pd等からなる入力外部電極18と出力外部
電極19が、塗布、焼付け等の手法により設けられてい
る。つまり、この入出力外部電極18,19は、シート
13,14の積み重ね方向に対して垂直に配置してい
る。積層体16の四つの側面のうちの一つは、コイル1
1をプリント基板等へ半田付けする際の実装面として利
用される。例えば、図2及び図3において、積層体16
の下面16aを実装面とした場合、実装面16aに対し
て、シート13,14の積み重ね方向は平行であり、コ
イルL2の軸方向も平行である。
は、図1において記号Bで表示された部分のコイル導体
パターン12から延在している引出し部)22aは、引
出し用ビアホール26を介して入力外部電極18に電気
的に接続している。コイルL2の他方の引出し部(具体
的には、図1において記号Cで表示された部分のコイル
導体パターン12から延在している引出し部)22b
は、引出し用ビアホール26を介して出力外部電極19
に電気的に接続している。
パターン12の外周縁部が露出している。従って、積層
型コイル11を回路基板に実装する際に、コイル導体パ
ターン12の外周縁部が回路基板のパターンとショート
する可能性がある場合等には、積層体16の四つの側面
にエポキシ樹脂等の絶縁樹脂21を塗布、焼付けて、露
出しているコイル導体パターン12の外周縁部を絶縁樹
脂21で被覆してもよい。また、積層体16の側面に露
出しているコイル導体パターンの外周縁部を、例えば酸
化させる等すれば、絶縁樹脂21を省略することができ
る。
コイル導体パターン12の外周縁部と絶縁性シート13
の外周縁部との間のギャップが零となっているので、コ
イル導体パターン12を絶縁性シート13の外周縁部一
杯に形成することができる。これにより、コイルL2の
内径を大きくして、積層型コイル11のQ値を高くした
り、直流重畳特性を良好にしたりすることができる。あ
るいは、コイルL2の内径を従来の積層型コイルと同じ
に保ったまま、コイル導体パターン12のパターン幅を
広く設定することにより、コイル導体パターン12の直
流抵抗値を小さくすることができると共に、積層型コイ
ル11のQ値もアップさせることができる。
11の実装面16aに平行である。従って、コイルL2
の両端部分と外部電極18,19間にそれぞれ発生する
浮遊容量C1,C2(図3参照)は、コイルL2と外部
電極18間、あるいはコイルL2と外部電極19間の電
位差が小さく、しかも間隔が広いため、極めて小さい値
となる。この結果、積層型コイル11の自己共振周波数
の高周波化を図ることができる。
型コイル1は、絶縁性シート3,4の材料として磁性体
材料を使用した場合、磁気シールド性が強いため、磁気
飽和が起き易いという欠点がある。従って、磁性体材料
を使用した従来の積層型コイル1は、比較的大きな電流
を流す回路には適さなかった。これに対して、第1実施
形態の積層型コイル11は、絶縁性シート13,14の
材料として磁性体材料を使用しても、コイル導体パター
ン12が絶縁性シート13の外周縁部に配置されている
ため、開磁路コイルに似た特性が得られ、磁気シールド
性が弱められ、磁気飽和が起こりにくい。従って、この
積層型コイル11は、直流電流が流れたときのインダク
タンスの低下を抑えることができ、図4に示すように、
直流重畳特性を改善することができる(実線51参
照)。比較のため、図4には、従来の積層型コイル1の
直流重畳特性も併せて記載している(一点鎖線52参
照)。この結果、積層型コイル11は、比較的大きな電
流を流す回路にも使用することができる。
製造方法の一例を図5〜図7を参照して説明する。
状パターン31及び32は、図1において記号Aで表示
された部分のコイル導体パターン12を形成するための
ものである。格子状パターン31,32は、コイル導体
パターン12のパターン幅の2倍のパターン幅を有し、
絶縁性シート13の寸法の2倍の長手方向寸法を有する
長方形状の格子パターンである。図5(a)の格子パタ
ーン31は、図5(b)の格子状パターン32に対して
90度回転した形状である。これらの格子状パターン3
1,32は、それぞれ広面積の絶縁性マザーシート4
1,42の表面にスクリーン印刷等の手法により形成さ
れている。絶縁性マザーシート41,42は図1におい
て記号Aで表示された部分の絶縁性シート13を形成す
るためのものである。さらに、絶縁性マザーシート4
1,42には、大径のビアホール27が所定の位置に形
成されている。
ターン33は、図1において記号Bで表示されている部
分のコイル導体パターン12を形成するためのものであ
り、図6(b)に示されている格子状パターン34は、
図1において記号Cで表示されている部分のコイル導体
パターン12を形成するためのものである。格子状パタ
ーン33,34は、コイル導体パターン12のパターン
幅の2倍のパターン幅を有し、絶縁性シート13の寸法
の4倍の格子寸法を有する正方形状の格子パターンであ
る。格子状パターン33,34は、それぞれ内側に鍔形
状の引出し部33a,34aを延在している。この引出
し部33a,34aは、それぞれコイル導体パターン1
2の引出し部22a及び22b(図1参照)を形成する
ためのものである。これらの格子状パターン33,34
は、それぞれ広面積の絶縁性マザーシート43,44の
表面にスクリーン印刷等の手法により形成されている。
絶縁性マザーシート43,44は、図1において記号
B,Cで表示された部分の絶縁性シート13を形成する
ためのものである。さらに、絶縁性マザーシート43に
は、大径のビアホール27が所定の位置に形成され、絶
縁性マザーシート44には、小径の引出し用のビアホー
ル26が所定の位置に形成されている。
シート45は、図1において記号D,Eで表示されてい
る部分の保護用絶縁性シート14を形成するためのもの
である。小径の引出し用ビアホール26が、保護用絶縁
性シート14の中央部に形成されるように、所定のピッ
チ寸法で縦横に規則正しく絶縁性マザーシート45に設
けられている。
1〜45は積み重ねられる。このとき、図5の(a)及
び(b)において、それぞれ一点鎖線で囲まれた領域A
1と領域B1が上下で重なり、領域A2と領域B2が上
下で重なるようにシート41,42が積み重ねられる。
積層されたマザーシート41〜45は一体的に焼成され
た後、製品サイズ毎にカットされる。これにより、図5
〜図7に示されている格子状パターン31〜34及び絶
縁性マザーシート41〜45は、一点鎖線で表示された
位置でカットされる。大径のビアホール27は四分割さ
れ、絶縁性シート13のコーナ部に位置して隣接する二
つのコイル導体パターン12を電気的に接続するビアホ
ールとなる。なお、前記の焼成は、積層されたマザーシ
ートを所定の製品サイズにカットした後行なってもよ
い。
2の外周縁部と絶縁性シート13の外周縁部の間のギャ
ップが零の積層型コイルを効率良く得ることができる。
しかも、格子状パターン31〜34をカットするため、
コイル導体パターン12のパターン幅を広くすれば、カ
ット時の加工精度を緩めることができ、積層型コイルの
製造歩留りを低減することができる。
る積層型コイルの構造を図8に示す。該積層型コイル1
1aは、図1〜図3にて説明した第1実施形態の積層型
コイル11において、コイル導体パターンの数を増やし
たものである。各コイル導体パターン12,12cは、
ビアホール27を介して直列に電気的に接続してコイル
L3を構成している。コイルL3の左側部分及び右側部
分を構成しているコイル導体パターン12cの位置は、
入出力外部電極18,19が形成されている領域G,H
にオーバラップしている。従って、コイル導体パターン
12cは、パターンの外周縁部が入出力外部電極18,
19に接触しないように、絶縁性シート13の外周縁部
とコイル導体パターン12cの外周縁部との間に所定寸
法のギャップgを確保している。一方、入出力外部電極
18,19が形成されている領域G,Hから外れた位置
に配設されているコイル導体パターン12は、パターン
の外周縁部が入出力外部電極に接触する心配がないの
で、絶縁性シート13の外周縁部とコイル導体パターン
12の外周縁部との間にギャップを設けていない。
極18,19が形成されている領域G,Hにもコイル導
体パターン12cを配設することができるため、より一
層大きいインダクタンス値を得ることができる。しか
も、一般に、コイル導体パターンの積み重ね数が増える
につれてコイル導体パターンの位置ずれ量が大きくな
る。従って、全てのコイル導体パターンの外周縁部と絶
縁性シートの外周縁部との間に所定寸法のギャップgを
確保しなければならない従来の積層型コイル1の製造
は、コイル導体パターンの積み重ね数の増加と伴に困難
になってくる。これに対して、第2実施形態の積層型コ
イル11aは、入出力外部電極18,19が形成されて
いる領域G,Hにオーバラップしているコイル導体パタ
ーン12cのみのギャップgを確保すればよく、従来の
積層型コイル1と比較して容易に製造することができ
る。なお、図7において、図1〜図3の各部材に対応す
るものには同じ符号を付して示し、重複した説明は省略
する。
に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に
変更することができる。積層型コイルを製造する場合、
コイル導体パターンを表面に設けた絶縁性シートを積み
重ねた後、一体的に焼成する工法に必らずしも限定され
ない。絶縁性シートは予め焼成されたものを用いてもよ
い。また、以下に説明する工法によって積層型コイルを
製造してもよい。すなわち、印刷等の手法によりペース
ト状の絶縁性材料にて絶縁層を形成した後、その絶縁層
の表面にペースト状の導電性材料を塗布してコイル導体
パターンを形成する。次に、ペースト状の絶縁性材料を
前記コイル導体パターンの上から塗布してコイル導体パ
ターンが内蔵された絶縁層とする。同様にして、順に重
ね塗りをしながら、コイル導体パターンの必要な箇所の
電気的接続を行なうことにより、積層構造を有するコイ
ルが得られる。
明によれば、各コイル導体パターンは、その外周縁部と
絶縁層の外周縁部との間のギャップが零となっているの
で、コイル導体パターンを絶縁層の外周縁部一杯に設け
ることができる。これにより、コイルの内径やコイル導
体パターンの幅を大きくすることができ、Q値の高い積
層型コイルを得ることができる。また、本発明によれ
ば、積層型コイルを製造するに際して、ギャップの寸法
精度について考慮する必要がなくなり、コイル導体パタ
ーンの形成が容易になり、積層型コイルのコストを引き
下げることができる。
成を示す分解斜視図。
図。
すグラフ。
型コイルを製造する際に使用される絶縁性マザーシート
の部分平面図。
を製造する際に使用される別の絶縁性マザーシートの部
分平面図。
されるさらに別の絶縁性マザーシートの部分平面図。
成を示す断面図。
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の絶縁層と複数のコイル導体パター
ンを積み重ねて構成した積層体と、 前記コイル導体パターンをビアホールを介して電気的に
接続して構成した、前記積層体の積み重ね方向に対して
平行な軸を有するコイルと、 前記コイルの軸方向に対して垂直な状態で、前記積層体
の両端部にそれぞれ設けられた入力外部電極及び出力外
部電極とを備え、 前記コイルの両端部が前記入力外部電極及び前記出力外
部電極にそれぞれ電気的に接続され、 前記複数のコイル導体パターンのうちの少なくとも一つ
のコイル導体パターンの外周縁部と前記絶縁層の外周縁
部との間のギャップが零であり、前記ギャップが零のコ
イル導体パターンの外周縁部を含む積層体の外周面が絶
縁膜で被覆され、 前記コイルの軸が積層型コイル実装面に平行であるこ
と、 を特徴とする積層型コイル。
Priority Applications (1)
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ID=17967147
Family Applications (1)
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JP10307273A Expired - Lifetime JP3077061B2 (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | 積層型コイル |
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- 1998-10-28 JP JP10307273A patent/JP3077061B2/ja not_active Expired - Lifetime
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