JP2002075753A - 変圧器 - Google Patents

変圧器

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JP2002075753A
JP2002075753A JP2000267994A JP2000267994A JP2002075753A JP 2002075753 A JP2002075753 A JP 2002075753A JP 2000267994 A JP2000267994 A JP 2000267994A JP 2000267994 A JP2000267994 A JP 2000267994A JP 2002075753 A JP2002075753 A JP 2002075753A
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winding
transformer
secondary winding
primary winding
conductor
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Application number
JP2000267994A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Maeda
照彦 前田
Masahiro Hamaguchi
昌弘 浜口
Hiroshi Shioda
広 塩田
Shigeo Nomiya
成生 野宮
Tatsuya Hirose
達也 廣瀬
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体制御素子を使用したモータドライブ装
置、電源装置はその装置の内部または外部に高周波ノイ
ズを低減する装置を有している。しかし、これらの装置
は電源側及び負荷側のサージインピーダンスが50Ωに
て効果を発揮できるように調整されており、実際に機器
及び配線が設置される現地においては、サージインピー
ダンスが50Ωから大きく外れてしまい効果を十分発揮
できないことがあった。また、これら高周波ノイズを発
生する機器が多く存在すると総合的な高周波ノイズが増
大してしまうことがあった。 【解決手段】 変圧器において、一次巻線、二次巻線、
定格容量の10%以下の三次巻線からなり、三次巻線に
コンデンサを接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波ノイズの伝
播を防ぐ変圧器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体制御素子
を使用したモータドライブが各方面で採用になり、高効
率化、速度制御の向上等の利益をもたらしている。とこ
ろが、これら半導体制御素子は例えばPWM制御等高速
のスイッチング制御を行うので、高周波ノイズを発生す
る。高周波ノイズは電源系統の計装ラインに進入し、系
統制御に異常を発生させることがある。またモータのベ
アリングの転動体と内輪、外輪間に放電を発生させ所謂
電食トラブルを発生させ、継続的な運転を不可能にする
等の不具合を発生させることがあった。
【0003】また無停電電源装置等の電源として使用す
る場合においても同じように計装ラインに異常を発生さ
せることがあった。
【0004】これら半導体制御素子を使用したモータド
ライブ装置、電源装置はその装置の内部または外部にこ
れらの高周波ノイズを低減する装置を有している。しか
し、これらの装置は電源側及び負荷側のサージインピー
ダンスが50Ωにて効果を発揮できるように調整されて
おり、実際に機器および配線が設置される現地において
は、サージインピーダンスが50Ωから大きく外れてし
まい効果を十分発揮できないことがあった。また、これ
ら高周波ノイズを発生する機器が多く存在すると総合的
な高周波ノイズが増大してしまうことがあった。
【0005】上記問題点を解決する方法として、ノイズ
カットトランスを挿入する方法が採用されることがあ
る。
【0006】図6は従来構成の代表例であり、鉄心1に
一次巻線2と二次巻線3を並べて配置し、その間に遮蔽
板4を挿入している。一次巻線2からは一次巻線端子
5、二次巻線3からは二次巻線端子6が導出されてい
る。
【0007】電気的動作を図7を用いて説明する。
【0008】一次巻線2と二次巻線3間には漏れインダ
クタンス(図7では簡単に片方の線に集中してインダク
タンスを表現している。)が存在する。一方、二次巻線
端子6間には通常コンデンサ8を接続する。
【0009】ここで高周波ノイズの種類と測定方法につ
いて紹介する。高周波ノイズは相間に加わるノーマルモ
ードノイズと、線一括と対地間に加わるコモンモードノ
イズに大別される。ノーマルモードノイズの主成分は電
磁誘導であり、コモンモードノイズの主成分は静電誘導
が原因で、変圧器の一次巻線から二次巻線間に移行す
る。
【0010】図8はノイズカットトランスのノイズ低減
性能を評価する測定方法である。
【0011】ノーマルモードノイズに対しては、一次巻
線の片端をアースし、片端に高周波正弦波電圧を加え、
二次巻線の片端も接地し、一次巻線と二次巻線の相間電
圧をオシロスコープ9で測定し電圧の減衰率を求める。
【0012】一方、コモンモードノイズに対しては、一
次巻線の端子と二次巻線の端子は一括しておき、一次巻
線とアース間に高周波正弦波電圧を加え、各巻線端子の
対地間の電圧を測定し電圧の減衰率を求める。
【0013】ノイズカットトランスの電圧減衰特性の代
表例を図9、図10に示す。
【0014】図9はノーマルモードのノイズ伝播特性例
である。高周波ノイズの周波数は100kHz〜100
MHz程度であり、図9のようにこの周波数領域では3
0dB以上の減衰率が得られている。これは図7の回路
図において、漏れインダクタンス7とコンデンサ8のロ
ーパスフィルターの特性により発揮される効果である。
これらの効果は、漏れインダクタンス7とコンデンサ8
の容量が大きいほど大きくなる。
【0015】一方、コモンモードノイズの伝播特性も同
じ周波数領域において40dB以上の減衰特性が得られ
る。これは図6の遮蔽板4により一次巻線2と二次巻線
3の静電的結合を遮蔽することにより発揮される効果で
ある。
【0016】さて、従来のノイズカットトランスでは上
記のようにノーマルモードの高い減衰特性を得るために
漏れインダクタンス7を大きくしたり一次巻線と二次巻
線の遮蔽を完全とする必要がある。そのため、図6のよ
うに一次巻線と二次巻線を縦に並べた構造または図示し
ないが、各巻線を別脚に配置した構造を採用していた。
この構造によると、変圧器としてのインピーダンスが大
きくなり、使用に耐えるだけの低いインピーダンスを得
るには装置が大型になってしまう欠点があった。
【0017】また図6のように、ノイズの進入を防ぐべ
き系統側(ここでは二次巻線側)にコンデンサがあるの
で、このコンデンサの容量を大きくすることにより、ノ
ーマルモードノイズの伝播を大きく抑制することができ
るが、その系統側に高周波発生源があると系統のインダ
クタンスとこのコンデンサで直列共振を起こし、異常電
圧が発生しノイズカットトランス自身や周辺機器に害を
与えることがあった。
【0018】さらに、この系統側が高圧側にあればコン
デンサは高圧用を用いる必要があり、万一の絶縁事故時
には系統に広く事故を波及させることがあった。
【0019】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的はコンパクトで信頼性に富んだ高い高周波ノイ
ズ減衰特性を有する変圧器を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の変圧器は、定格
容量の10%以下と格段に小さい容量の三次巻線を設
け、この三次巻線にコンデンサを接続することを特徴と
するものである。(請求項1) このような構成によれば、ノーマルモードの高周波ノイ
ズの伝播を大幅に低減できる。
【0021】次の発明の変圧器は請求項1の発明に対し
て、三次巻線を一次巻線と二次巻線の間に配置すること
を特徴とするものである。(請求項2) このような構成によれば、高周波ノイズの伝播をさらに
低減できる。
【0022】次の発明の変圧器は請求項1、2の発明に
対して、一次巻線、二次巻線、三次巻線を各々内外周に
配置することを特徴とするものである。(請求項3) このような構成によれば、巻線間の漏れインピーダンス
が小さくコンパクトな変圧器が得られる。
【0023】次の発明の変圧器は、一次巻線、二次巻
線、三次巻線からなり、少なくとも一次巻線または二次
巻線の外側を金属体で覆うかまたは一次巻線と二次巻線
間に静電遮蔽層を形成したことを特徴とするものであ
る。(請求項4) この構成によれば、コモンモードの高周波ノイズの伝播
を大きく低減することができる。
【0024】次の発明の変圧器は、 一次巻線と二次巻
線の他に、導電性シートと薄状絶縁物を層状にし、巻線
と同様に巻き込んだことを特徴とするものである。(請
求項5) この構成によれば、層状部分の静電容量により、ノーマ
ルモードの高周波ノイズの伝播を大きく低減できる。
【0025】次の発明の変圧器は、一次巻線と二次巻線
の他に、一対づつ以上の導電性シートと薄状絶縁物を交
互に重ね、層状にしたものを巻線と同様に巻き込んだこ
とを特徴とするものである。(請求項6) このような構成によれば、導体間の静電容量により、ノ
ーマルモードの高周波ノイズの伝播をさらに低減でき
る。
【0026】次の発明の変圧器は、導体である箔状また
は帯状金属の表面に酸化処理等により誘電体層を形成
し、これらを1枚以上積層し、一次巻線および二次巻線
と同様に鉄心に巻き込み、導体のターン間または導体間
に誘電体層を形成することを特徴とするものである。
(請求項7) このような構成によれば、層状部分の静電容量により、
ノーマルモードの高周波ノイズの伝播を大きく低減でき
る。
【0027】次の発明の変圧器は、導電性シートと薄状
絶縁物を層状にし、巻線と同様に巻き込んだ部分を一次
巻線と二次巻線の間に配置するかまたは導体の表面に酸
化処理等により誘電体層を形成し、巻線と同様に巻き込
んだ部分を、一次巻線と二次巻線の間に配置したことを
特徴とするものである。(請求項8) この構成によれば、ノーマルモードの高周波ノイズの伝
播をさらに大きく低減できる。
【0028】次の発明の変圧器は、導電性シートと薄状
絶縁物を層状にしたものを巻線と同様に巻き込み、一次
巻線と二次巻線とともに各々内外周に配置するか導体の
表面に酸化処理等により誘電体層を形成し、巻線と同様
に巻き込み、一次巻線と二次巻線とともに各々内外周に
配置したことを特徴とする。(請求項9) このような構成によれば、巻線間の漏れインピーダンス
が小さくコンパクトな変圧器が得られる。
【0029】次の発明の変圧器は、導電性シートと薄状
絶縁物を層状にし、巻線と同様に巻き込んだ部分を備
え、少なくとも一次巻線または二次巻線のどちらか一方
の巻線の外側を金属体で覆うかまたは一次巻線と二次巻
線間に静電遮蔽層を形成するかまたは導体の表面に酸化
処理等により誘電体層を形成し、巻線と同様に巻き込
み、少なくとも一次巻線または二次巻線のどちらか一方
の巻き線の外側を金属体で覆うかまたは一次巻線と二次
巻線間に静電遮蔽層を形成したことを特徴とする。(請
求項10) このような構成によれば、コモンモードの高周波ノイズ
の伝播を大きく低減できる。
【0030】次の発明の変圧器は、一次巻線と二次巻線
の内、少なくともどちらか一方に導電性シートと薄状絶
縁物を層状にしたものを巻線と同様に巻き込んだ構造を
採用したものである(請求項11) このような構成によれば、層状部分の静電容量により、
ノーマルモードの高周波ノイズの伝播を大きく低減でき
る。
【0031】次の発明の変圧器は、一次巻線と二次巻線
の内、少なくともどちらか一方に、表面に酸化処理等に
より誘電体層を形成した導体を巻線として巻き込んだ構
造を採用することを特徴とするものである。(請求項1
2) このような構成によれば、ノーマルモードの高周波ノイ
ズの伝播を大きく低減できる。
【0032】次の発明の変圧器は、請求項11または請
求項12の変圧器において、少なくとも一次巻線または
二次巻線のどちらか一方の巻線の外側を金属体で覆うか
または一次巻線と二次巻線間に静電遮蔽層を形成したこ
とを特徴とする。(請求項13) このような構成によれば、コモンモードの高周波ノイズ
の伝播を大きく低減できる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1を
参照して説明する。
【0033】図1において、鉄心10の周りに一次巻線
11と二次巻線12が巻回されている。これらの巻線に
他に定格容量の10%以下の三次巻線13を同じく鉄心
10の周りに巻回する。三次巻線13にはコンデンサ1
4を接続する。
【0034】三次巻線13には、進相用のコンデンサが
接続されることがある。この場合進相容量は最低でも定
格容量の10%程度が必要であり、変圧器自体は、この
進相容量のため三次巻線がない場合と比較して大きくな
っていた。
【0035】しかし、本発明によると、三次巻線の容量
は10%以下であり、変圧器の大きさにほとんど影響を
与えない。また進相用コンデンサには通常直列リアクト
ルが取り付けられる。直列リアクトルがあるとそのイン
ダクタンスにより高周波ノイズを減衰させる効果はな
い。
【0036】本発明の原理を、高周波ノイズに対する等
価回路を用いて説明する。一次巻線と三次巻線間には漏
れリアクタンス15が存在し、二次巻線と三次巻線間に
は漏れリアクタンス16が存在する。これらの漏れイン
ダクタンス間にコンデンサが挿入される図2の等価回路
で本発明を説明できる。ノーマルモードのノイズに対し
ては、漏れリアクタンスとコンデンサの周波数に対する
インピーダンス特性の違いから、前に述べたように大き
な減衰特性が得られる。一方、高周波ノイズ発生源はそ
れ自体高調波電流も同時に発生する。高調波電流は系
統、または負荷のコンデンサとインダクタンスとしばし
ば共振を起こし、機器を過熱させることがある。この場
合の対策としては共振周波数をより低次にすることがし
ばしば行われる。本発明は、一次巻線からみても二次巻
線からみてもコンデンサとの間に漏れリアクタンスが入
っているので、系統または負荷と挿入したコンデンサ1
4との共振次数を低下させることができ、異常な機器の
発熱を防ぐ効果がある。
【0037】以上のようにこの実施例によると、コンパ
クトで高調波による共振現象を防止する効果のある信頼
性の高い変圧器を提供でき、高調波ノイズのノーマルモ
ードを大きく減衰できる。
【0038】次に本発明の実施例(請求項2)について
説明する。三次巻線は一次巻線と二次巻線の配置によっ
て性能が影響を受ける。三次巻線を一次巻線と二次巻線
の間に配置し、バランスさせると図2の等価回路とな
り、もっとも高周波ノイズのノーマルモ−ドを減衰でき
る。すなわち不適切に三次巻線を配置すると、図2にお
いてコンデンサと直列に変圧器のインダクタンスの一部
が加わる形になり、高周波ノイズのノーマルモードの減
衰を妨げる。
【0039】以上から三次巻線を一次巻線と二次巻線の
間に配置することにより、高周波ノイズのノーマルモー
ドの高い減衰特性が得られる。
【0040】次に本発明の実施例(請求項3)について
説明する。巻線の配置方法は横に並べて配置する方法
と、各内外周に配置する方法がある。横に並べる方法は
一次巻線と二次巻線間の漏れ磁束が多く、漏れインピー
ダンスが大きい。一方各内外周に配置する方法は、一次
巻線と二次巻線間の漏れ磁束が少なく、漏れインピーダ
ンスが小さい。このため電圧変動率を一定以下に収める
必要のある通常の変圧器においては、巻線を横に並べて
配置すると変圧器自体が大きくなってしまうが、巻線を
各内外周に配置する方法は変圧器自体をコンパクトにで
きる。
【0041】以上のようにこの実施例によると、コンパ
クトで高周波ノイズのノーマルモードの高い減衰特性が
得られる。
【0042】次に本発明の実施例(請求項4)について
図3を用いて説明する。巻線は素線17を巻回し、外周
に銅等で構成するシールド層18を磁気的にターンを作
らないように、ターンの重ね合わせ目を絶縁してなる。
シールド層18は接地される。このシールド層18を有
する構造を少なくとも一次巻線、二次巻線に採用する。
【0043】以上のようにこの実施例によると、巻線の
静電移行により主に伝播する高周波ノイズのコモンモー
ドを大きく低減することができる。しかし、1MHz以
上の高周波領域では単にシールド層を施してもコモンモ
ードの伝播をあまり防止できないことがある。この理由
は一次巻線および二次巻線は巻き始め、巻き終わり等全
く対称な構造にできないことに起因する。すなわちこの
巻線のアンバランスにより、コモンモードノイズが一部
ノーマルモードノイズとして振るまい、伝播減衰効果を
妨げることがある。1MHz以上の高周波領域において
もコモンモードのノイズ伝播を大きく抑制するには、請
求項1乃至請求項3のノーマルモードの伝播を抑制する
方法を採る必要がある。いい方を変えれば、多くの場合
高周波ノイズの伝播を抑制する場合、ノーマルモードに
対する対策と、コモンモ−ドに対する対策を適切に共用
しなければならない。
【0044】以上のように本実施例によると、ノーマル
モードに対する対策とコモンモードに対する対策を合わ
せて実施することによりその効果は大きくなる。
【0045】次に本発明の実施例(請求項5)について
図4を用いて説明する。一次巻線と二次巻線の他に、帯
状の導体19と薄状絶縁物20をセットにして巻線と同
じく鉄心の周りに巻き込む。薄状絶縁物20により導体
のターン間に大きな静電容量を生成する。これは三次巻
線にコンデンサを接続した構造と等価な働きとなる。導
体19と薄状絶縁体20は多くのターンを必要とせず、
これらの構造を採用することによっても、変圧器自体を
ほとんど大きくすることはなく、また外付けのコンデン
サを必要としない。
【0046】以上のように本実施例によると、コンパク
トで高調波による共振現象を防止した高調波ノイズのノ
ーマルモードを大きく減衰できる。
【0047】次に本発明の実施例(請求項6)について
図5を用いて説明する。一次巻線と二次巻線の他に、帯
状の導体19一対以上と薄状絶縁物20一対以上をセッ
トにして巻線と同じく鉄心の周りに巻き込む。これによ
り請求項5と同じように薄状絶縁物により導体間に大き
な静電容量を生成し、三次巻線にコンデンサを接続した
構造と等価となり、変圧器自体をほとんど大きくするこ
とはなく、また外付けのコンデンサを必要としないで、
コンパクトで高調波による共振現象を防止した高調波ノ
イズのノーマルモードを大きく減衰できる。
【0048】次に本発明の実施例(請求項7)について
説明する。導体である箔状または帯状金属の表面に酸化
処理等により誘電体層を形成し、これらを1枚以上積層
しセットにして、一次巻線および二次巻線と同様に鉄心
の周りに巻き込む。これにより誘電体層により導体のタ
ーン間に大きな静電容量を形成する。これは三次巻線に
コンデンサを接続した構造と等価となり、導体層は多く
のターンを必要とせず、変圧器自体をほとんど大きくす
ることはなく、また外付けのコンデンサを必要としな
い。
【0049】以上のように本実施例によると、コンパク
トで高調波による共振現象を防止した高調波ノイズのノ
ーマルモードを大きく減衰できる。
【0050】次に本発明の実施例(請求項8)では請求
項2と同じように、導電性シートと薄状絶縁物を層状に
し、巻線と同様に巻き込んだ部分を一次巻線と二次巻線
の間に配置するかまたは導体の表面に酸化処理等により
誘電体層を形成し、巻線と同様に巻き込んだ部分を、一
次巻線と二次巻線の間に配置することにより、高周波ノ
イズのノーマルモードの高い減衰特性が得られる。
【0051】次に本発明の実施例(請求項9)では請求
項3と同じように、導電性シートと薄状絶縁物を層状に
したものを巻線と同様に巻き込み、一次巻線、二次巻線
とともに各々内外周に配置するか導体の表面に酸化処理
等により誘電体層を形成し、巻線と同様に巻き込み、一
次巻線、二次巻線とともに各々内外周に配置したので、
コンパクトで高周波ノイズのノーマルモードの高い減衰
特性が得られる。
【0052】次に本発明の実施例(請求項10)では請
求項4と同じように、導電性シートと薄状絶縁物を層状
にし、巻線と同様に巻き込んだ部分を備え、少なくとも
一次巻線または二次巻線のどちらか一方の巻線の外側を
金属体で覆うかまたは一次巻線と二次巻線間に静電遮蔽
層を形成するかまたは導体の表面に酸化処理等により誘
電体を形成し、巻線と同様に巻き込み、少なくとも一次
巻線または二次巻線のどちらか一方の巻線の外側を金属
体で覆うかまたは一次巻線と二次巻線間に静電遮蔽層を
形成したことを特徴とするので、巻線の静電移行により
主に伝播する高周波ノイズのコモンモードを大きく低減
できる。
【0053】次に本発明の実施例(請求項11)では、
一次巻線と二次巻線の内、少なくともどちらか一方に導
電性シートと薄状絶縁物を層状にしたものを巻線と同様
に巻き込んだ構造を採用したので、高周波ノイズのノー
マルモードの高い減衰特性が得られる。
【0054】次に本発明の実施例(請求項12)では、
一次巻線と二次巻線の内、少なくともどちらか一方に、
表面に酸化処理等により誘電体層を形成した導体を巻線
として巻き込んだ構造を採用するので、高周波ノイズの
ノーマルモードの高い減衰特性が得られる。
【0055】次に本発明の実施例(請求項13)では請
求項4および請求項10と同じように、請求項11また
は請求項12の変圧器において、少なくとも一次巻線ま
たは二次巻線のどちらか一方の巻線の外側を金属体で覆
うかまたは一次巻線と二次巻線間に静電遮蔽層を形成す
るので、巻線の静電移行により主に伝播する高周波ノイ
ズのコモンモードを大きく低減できる。
【0056】以上の説明は単相の変圧器について述べて
きたが、多相の変圧器においても同じ構造を採用すれば
同様の効果が得られることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、信頼性が優れコンパクトで高周波ノイズ
の減衰特性に優れた変圧器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の変圧器の断面図
【図2】 本発明の作用効果を説明する回路図
【図3】 本発明の変圧器の巻線断面図
【図4】 本発明の変圧器に追加する構造物の概念図
【図5】 本発明の変圧器に追加する構造物の概念図
【図6】 従来の変圧器の断面図
【図7】 従来変圧器の作用を説明する回路図
【図8】 本発明の変圧器のノイズ減衰特性を測定する
原理図
【図9】 ノイズの伝播を低減した変圧器のノーマルモ
ードの伝播特性
【図10】ノイズの伝播を低減した変圧器のコモンモー
ドの伝播特性
【符号の説明】
1、 10…鉄心、2、11…一次巻線、3、12
…二次巻線、4…遮蔽板、7…漏れインダクタンス、
8、14…コンデンサ、13…三次巻線、17…素線、
18シールド層、19…導体、20…薄状絶縁物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩田 広 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 野宮 成生 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 廣瀬 達也 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 Fターム(参考) 5E058 BB20 CC03 CC05 DA06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線、二次巻線、定格容量の10%
    以下の三次巻線からなり、三次巻線にコンデンサを接続
    したことを特徴とする変圧器。
  2. 【請求項2】 三次巻線を一次巻線と二次巻線の間に配
    置したことを特徴とする請求項1記載の変圧器。
  3. 【請求項3】 各巻線を各々内外周に配置したことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の変圧器。
  4. 【請求項4】 少なくとも一次巻線または二次巻線の外
    側を金属体で覆うかまたは一次巻線と二次巻線間に静電
    遮蔽層を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項
    3に記載の変圧器。
  5. 【請求項5】 一次巻線および二次巻線の他に導電性シ
    ートと薄状絶縁物を巻き込み、導電性シートのターン間
    に誘電体層を形成したことを特徴とする変圧器。
  6. 【請求項6】 導電性シートと薄状絶縁物の組み合わせ
    は、一対づつ以上の導電性シートと絶縁物により形成さ
    れ、導電性シート間に誘電層を形成することを特徴とす
    る変圧器。
  7. 【請求項7】 導体である箔状または帯状金属の表面に
    酸化処理等により誘電体層を形成し、これらを1枚以上
    積層し、一次巻線および二次巻線と同様に鉄心に巻き込
    み、導体のターン間または導体間に誘電体層を形成する
    ことを特徴とする変圧器。
  8. 【請求項8】 導電性シートと薄状絶縁物の組み合わせ
    または導体の表面に酸化処理等により誘電体層を形成し
    たものを一次巻線と二次巻線の間に巻き込んだことを特
    徴とする請求項5乃至請求項7に記載の変圧器。
  9. 【請求項9】 導電性シートと薄状絶縁物の組み合わせ
    または導体の表面に酸化処理等により誘電体層を形成し
    巻き込んだものと、一次巻線と二次巻線を各々内外周に
    配置したことを特徴とする請求項5乃至請求項8記載の
    変圧器。
  10. 【請求項10】 少なくとも一次巻線または二次巻線の
    外側を金属体で覆うかまたは一次巻線と二次巻線間に静
    電遮蔽層を形成したことを特徴とする請求項5乃至請求
    項9記載の変圧器。
  11. 【請求項11】 少なくとも一次巻線または二次巻線の
    どちらかが、導電性シートと薄状絶縁物を巻き込み、導
    電性シートの内外層間に誘電体層を形成させてなること
    を特徴とする変圧器。
  12. 【請求項12】 少なくとも一次巻線または二次巻線の
    どちらかが、箔状または帯状金属の表面に酸化処理等に
    より導体のターン間に誘電体層を形成した導体を巻回す
    ることにより形成されることを特徴とする変圧器。
  13. 【請求項13】 少なくとも一次巻線または二次巻線の
    外側を金属体で覆うかまたは一次巻線と二次巻線間に静
    電遮蔽層を形成したことを特徴とする請求項11および
    請求項12に記載の変圧器。
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