JP3074387B2 - 利得制御回路 - Google Patents

利得制御回路

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JP3074387B2 JP01038303A JP3830389A JP3074387B2 JP 3074387 B2 JP3074387 B2 JP 3074387B2 JP 01038303 A JP01038303 A JP 01038303A JP 3830389 A JP3830389 A JP 3830389A JP 3074387 B2 JP3074387 B2 JP 3074387B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、各種電子機器に多用されている利得制御回
路に関し、特にビデオカメラや電子スチルカメラにおけ
るホワイトバランス回路、輝度調整回路等の如く、微小
な映像信号について増幅、利得制御を行う際に用いて好
適な利得制御回路に関する。
[従来の技術] 利得制御回路は、映像機器やオーディオ機器等におい
て信号レベル制御を行う際に多用されているものであ
り、その回路構成については各種提案がなされている。
第9図は、本発明に先立って検討された利得制御回路
を示すものである。トランジスタQ5、Q6、抵抗Re、定電
流回路Cs1,Cs2は入力差動増幅器1を構成する。映像信
号等の入力信号Vinは、トランジスタQ5のベースに印加
され、その出力はトランジスタQ6のコレクタ電流IC6の
変化分として取り出される。そして、トランジスタQ6の
コレクタには、一対のトランジスタQ1,Q2からなる差動
増幅器2が接続されこの差動増幅器2は前記コレクタ電
流Ic6によってバイアスされる。また、トランジスタQ7
のコレクタにもトランジスタQ3,Q4からなる差動増幅器
3が接続されているが、トランジスタQ7のベースはバイ
アス電圧Vbに固定され、そのエミッタ−GND間には定電
流回路CS3が接続されている。従って、トランジスタQ7
のコレクタ電流Ic7は定電流になり、差動増幅器3はIc7
によってバイアスされることになる。
ところで、差動増幅器2,3のうちトランジスタQ2,Q3の
ベースは、バイアス電圧Vaにより一定のバイアス電圧に
なされているが、トランジスタQ1,Q4のパイアス電圧は
制御電圧Vcによって所望の電圧レベルに可変される。即
ち、差動増幅器2,3は、双差動対(ギルバートセル)に
接続されたものである。制御電圧VcをVc=0[ボルト]
に制御したとき、トランジスタQ1,Q2の各コレクタ電流
は1/2Ic6になり、トランジスタQ3、Q4の各コレクタ電流
は1/2Ic7になる。一般に、Vc>0[ボルト]に制御した
場合は、トランジスタQ1,Q4のコレクタ電流が増加し、
その増加分に反比例してトランジスタQ2,Q3のコレクタ
電流が減少する。
トランジスタQ2,Q4の各コレクタは、共通負荷である
負荷抵抗Rlに接続されている。従って、この負荷抵抗Rl
の一端は、いわば加算回路と見なすことができ、トラン
ジスタQ2,Q4のコレクタ電流を加算した電流に対応した
電圧降下が出力信号Voとして得られる。
前記利得制御回路によれば、制御電圧Vcにより前記の
ようにトランジスタQ1〜Q4の電流比を制御し、利得Gvを
可変することができる。そして、利得Gvは(Rl/Re)・
kで決定され、最大利得はRl/Re、最小利得は無限小に
なる。但し、kはQ1とQ2及びQ3とQ4に流れる電流比であ
り、0≦k≦1の関係にある。
以上に説明したように、前記利得制御回路は制御電圧
Vcをレベル調整することにより、出力信号Voのレベルを
容易に制御することができる。
しかし、本発明者の検討によると、更に改善すべき問
題点が明かになった。
[発明が解決しようとする課題] 先ず、前記利得制御回路におけるノイズ発生について
説明する。入力信号Vinに対する利得は、前記のように
抵抗ReとRlとの比、更に差動増幅器2,3を構成するトラ
ンジスタQ1〜Q4の電流分配比によって決定される。
一方、制御電圧Vcの設定に対応してトランジスタQ1〜
Q4から発生するノイズ電圧は、高利得の差動増幅器2,3
によって増幅され、出力信号Voに表れるので、S/N比が
劣化することになる。前記S/N比の劣化は、差動増幅器
2,3の双方について同様に表れるので、差動増幅器2に
ついて説明する。第10図は、トランジスタQ1,Q2で発生
するノイズ電圧Vnを用いた差動増幅器1の等価回路を示
すものである。
トランジスタQ1,Q2の制御端子、即ち各ベースに同一
のバイアス電圧Vaを均等に印加した場合、トランジスタ
Q1,Q2はバランス状態になり、各コレクタ電流は1/2Ieに
なる。
この状態における入力換算ノイズ電圧Vnは、次式で表
すことができる。なお、入力換算ノイズについては、
「Analysis and Desin of Analog Integrated Circuit
s」(P.R.Gray著、2nd Edition,p.p.635〜681)にも記
載されている。
但し、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、rbはQ1,Q
2のベース抵抗、gmはIe/2VTそして、VTはkT/qである。
前記(1)式における右辺第1項はベース抵抗による
熱ノイズ、第2項はショットノイズである。
差動対に接続されたトランジスタQ1,Q2の利得Gは、
G=(Ie・Rl)/4Vtで決定され、差動増幅器3を構成す
るトランジスタQ3,Q4についても同様に利得Gが決定さ
れる。
前記利得可変増幅回路は、この差動増幅器2,3を備え
ているのであるから、出力信号Voに表れるトランジスタ
Q1〜Q4の全出力雑音電圧▲2 no▼は、 但し、VI入力ダイナミックレンジであり、Ie・Reで決
定され、最大ゲインGmは、RL/Reで決定される。また、
前記ゲインGm,VIはいずれも回路の設計使用によって設
定される。
一方、入力増幅器1を構成するトランジスタQ5、Q6か
らもノイズが発生する。
しかし、入力増幅器1の利得Rl/Reと、前記差動増幅
器2、3の利得IeRl/4Vtとは、Rl/Re≪IeRl/4Vtの関係
にあるので、出力信号Voに現れる入力増幅器1のノイズ
成分は無視することができる。
ところで、前記利得制御回路において、入力ダイナミ
ックレンジVI、最大利得Gmは回路仕様により決定される
ものである。回路電流Ieを大きくすると、前記(2)式
の第2項のショットノイズ成分を小さくできるが、消費
電力が大きくなってしまう。
第1項のベース抵抗Vbの熱雑音を小さくするには、ベ
ース抵抗の小さい低雑音トランジスタを使う必要がある
が、素子サイズが大きくなるため、チップ面積も大きく
なり集積度が低下する一因になる。また、寄生容量が大
になるため、周波数特性が悪化する一因になる。
特にビデオカメラのγ補正される以前の撮像信号にお
いては、最大飽和出力の1/3程度のところに白100%が設
定されるため、利得制御回路のダイナミックレンジは標
準信号の3倍以上に広くしなければならず、(2)式か
ら明かなようにS/N比を劣化させている。
更に、γ補正回路では、低輝度部のみが3〜4倍程度
に増幅されるので低輝度のS/Nが大幅に劣化されること
になり、γ補正前では特にS/N比の優れた利得制御回路
が必要である。
本発明は、前記実状に鑑みてなされたものであり、そ
の目的はS/N比を改善した利得制御回路を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ビデオ信号処理用の利得制御回路であっ
て、第1の制御信号により非連続な複数の固定利得に切
り換え設定できる第1の利得可変増幅器の後段に、第2
の制御信号により二つの差動対トランジスタの各トラン
ジスタに流れる電流の比率を制御して利得を所定範囲内
で連続的に可変できる第2の利得可変増幅器を設けると
共に、前記第1、第2の制御信号により設定される最小
利得から最大利得までの範囲を連続的に利得制御できる
ように前記第1、第2の利得可変増幅器の利得が設定さ
れ、前記第1の利得可変増幅器により設定された利得に
対応して前記第2の利得可変増幅器の利得を小になし、
該第2の利得可変増幅器内から発生するノイズ成分の増
幅を小にするように構成したものである。
[作用] このような構成を有する本発明にあっては、入力信号
に対する全体の利得は、前記第1及び第2の利得可変増
幅器の利得により設定することができると共に、ノイズ
を発生する第2の利得可変増幅器の利得を小となし得る
ので、利得制御回路全体のS/N比を改善することができ
る。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明を適用した利得制御回路
の実施例を説明する。先ず、第1図を参照して利得制御
回路11の基本概念を説明する。
利得制御回路11は、本発明でいう第1の利得可変増幅
器に相当する利得切り換えアンプ12、更に第2の利得可
変増幅器に相当する利得制御アンプ13から構成されてい
る。
利得切り換えアンプ12は、本発明でいう第1の制御信
号に相当する利得切り換え信号(以下において切り換え
信号という)Vgによって利得g1,g2に切り換えられるも
のである。
そして、利得制御アンプ13は第9図について説明した
ものを援用してよく、この場合は前記制御電圧Vcが本発
明でいう第2の制御信号に相当する。利得制御アンプ13
について、入力ダイナミックレンジをVI、出力ダイナミ
ックレンジをVo、利得可変範囲をGlow〜Ghigh(以下に
おいてGl,Ghという)としたとき、最大ノイズ出力Vno
は、(2)式より ▲2 no▼=K・VI・Gh ……(3) で決定される。但し、kは比例定数である。
ところで、前記利得制御アンプ13の前段に利得切り換
えアンプ12を設け、その利得をg1及びg2に切り換え、か
つ利得制御アンプ13の利得制御をgl〜ghの範囲で行うこ
とにすると、全体の利得はg1・gl=Gl、g2・gh=Gh、g2
・gl≦g1・ghの関係に設定することにより、全体の利得
可変範囲(Gl〜Gh)をカバーすることができる。
利得制御アンプ13に必要な入力ダイナミックレンジは
Vo/glとなるから、この利得制御アンプ13で発生するノ
イズは前記(3)式から ▲2 no▼=K・Vo/gl・gh ……(4) 従って、前記(3)(4)式より、g2・gl>Vo/Viと
なる利得を設定すれば、ノイズを低減することができ
る。
ここで、前記利得制御回路11の応用例として、例えば
ビデオカメラにおけるホワイトバランス回路の利得制御
に用いた場合を説明する。ホワイトバランス回路の利得
制御範囲0.5〜4倍(−6dB〜12dB)、入力及び出力ダイ
ナミックレンジをそれぞれ1Vppとすれば、g1=0.5、 gl=1、 に設計することにより、前記利得切り換えアンプ12の利
得をg1に制御したとき またg2に制御したとき の範囲で利得制御を行うことができる。
この場合の出力ノイズVnは前記(4)式より、 これに対し、前記のように利得切り換え回路12を設け
ない場合は、前記(3)式に示したように▲2 n▼=K
・4である。
従って、本発明を適用することにより、利得制御回路
11から発生する全雑音電圧の2乗平均は 平均出力ノイズ電圧は21/4(+1.5dB)改善される。
次に、第2図を参照して前記利得切り換えアンプ12の
第1の具体例を説明する。
本例に示す利得切り換えアンプ12は、入力信号Vinを
利得g1のアンプ21と、利得g2のアンプ22とに共通に供給
し、かつ前記アンプ21,22の出力側に切り換え回路23を
設けたものであり、該切り換え回路23の出力端子に、第
1図について説明した利得制御アンプを接続する。
前記構成によれば、切り換え信号Vgによって切り換え
回路23を切り換え操作することにより、g1倍された出力
信号Vg1及びg2倍された出力信号Vg2を利得制御アンプに
選択的に供給することができる。この結果、第1図につ
いて説明した場合と同様のノイズ低減が行われる。
ところで、前記利得切り換え回路12の回路構成では、
アンプ21,22は常に通電された状態であり、仮に利得g1
で増幅する場合であっても、アンプ22が利得g2で増幅を
行っている。
前記第1の具体例では、利得がg1,g2の2種であるか
ら、2種のアンプ21,22を設けるだけでよいが、更に多
数の利得に切り換えたい場合は利得数に対応して多数の
アンプを設けることになる。
この場合、必要に応じて1種の利得を得るにも関わら
ず、多数のアンプに通電し続けるので、消費電力が大に
なってしまう。
次に、利得切り換えアンプ12について具体的回路例を
用いて説明する。
第3図に示すトランジスタQ1,Q2、抵抗Reによって構
成された増幅器は、前記アンプ21に相当するものであ
り、トランジスタQ3,Q4、抵抗Reeで構成された増幅器
は、前記アンプ22に相当するものである。
トランジスタQ1,Q2の各エミッタとGNDとの間には、ア
ンプ21のバイアス電流を供給するトランジスタQ11,Q12
及び抵抗R11,R12からなるオン・オフ可能な電流源回路3
1が設けられている。
また、トランジスタQ3,Q4の各エミッタとGNDとの間に
は、アンプ22のバイアス電流を供給するトランジスタQ1
3,Q14及び抵抗R13,R14からなるオン・オフ切換え可能な
電流源32が設けられている。そして、切換え回路23は、
電流源31,32をオン及びオフに切り換えるためのバイア
ス電圧を発生するものである。
この切り換え回路23は、定電流回路Cs1、基準電圧Vb2
と切り換え信号Vgの電圧レベルとを比較する差動対に接
続されたPNPトランジスタQ21,Q22、更に前記スイッチ回
路31,32を駆動するためのバイアス電圧を発生するダイ
オード接続されたトランジスタQ23,Q24及び抵抗R21,R22
からなる。
前記アンプ21,22は、共通の基準電圧Vb1と共通に供給
される入力信号Vinとを比較し、g1倍された出力信号Vg1
とg2倍された出力信号Vg2とを得るものである。
そして、利得g1はRl/Re、利得g2はRl/Reeにて決定さ
れるが、アンプ21,22が同時に動作することはない。
即ち、切り換え信号Vgと基準電圧Vb2とがVg>Vb2の関
係に設定されたとき、切り換え回路23のトランジスタQ2
1がオンに動作し、定電流回路Cs1、トランジスタQ21,Q2
3、抵抗R21の電流経路が構成される。この結果、トラン
ジスタQ23とカレント・ミラー回路を構成するトランジ
スタQ13,Q14に所定の電流が流れ、電流源回路32がオン
に動作し、アンプ22が増幅動作可能になる。
一方、切り換え回路23のトランジスタQ22はオフにな
り、この電流経路は構成されない。
従って、トランジスタQ24からバイアス電圧が発生せ
ず、電流源回路31はオフになる。
この結果、アンプ22は動作するものの、アンプ21は動
作せず、負荷抵抗R1の一端からg2倍された出力信号Vg2
が得られる。これに対し、Vg<Vb2に設定された場合
は、トランジスタQ22がオンに動作し、トランジスタQ21
がオフになる。
従って、トランジスタQ24からバイアス電圧が発生
し、トランジスタQ23からバイアス電圧は発生しない。
この結果、電流源回路31がオンに動作し、アンプ21が
増幅動作を行う一方、電流源回路32、アンプ22は非動作
になり、負荷抵抗Rlの一端からg1倍された出力信号Vg1
を得ることができる。
以上に説明したように、本実施例における利得切り換
え回路12によれば、アンプ21,22の何れか一方を選択的
に動作させることができる。
以下、第4図〜第7図を参照にして本発明の第3実施
例を説明する。即ち、本実施例における利得切り換え回
路は、ディジタル制御電圧によって前記同様の利得切り
換えを行うように構成したものである。
先ず、第4図を参照して基本概念を説明すると、利得
切り換えアンプ12は2bitのディジタル制御信号a0,a1に
よって、利得を例えば4段階に切り換え得るように構成
されている。利得切り換えアンプ12の出力側には利得制
御アンプ13が配されている。そして、前記構成の利得制
御回路11を例えばホワイトバランス用利得制御に応用し
た場合について説明する。即ち、利得の可変範囲をGl=
0.5からGh=4とし、入出力ダイナミックレンジVI及びV
oを夫々1Vppに設定する。
又、利得可変アンプ13の最小利得をgl=1、最大利得
ghを、 と設定し、利得切換えアンプ12の各利得g1,g2,g3,g4に
ついて、 g1=GL=0.5 g2=gl・gh=(GL3・Gh)1/4=(0.5)1/4 g3=g2・gh=(GL2・Gh21/4=(2)1/2 g4=g3・gh=(GL・Gh31/4=(2)5/4 と設定すると、全利得領域(Gl〜Gh)につて利得制御を
行うことができ、全出力雑音電圧Vnoは、 で決定される。
ここで第9図について説明した検討回路と比較する
と、検討回路では(3)式に示したように2n=4Kであ
るのに対し、本例に示した利得制御回路11では全出力雑
音電圧▲2 no▼は25/4倍、即ち7.5dB,平均ノイズ出力
電圧Vnについて25/8倍即ち、3.75dB改善される。
次に、具体的回路構成及び回路動作を説明する。
第5図は利得切り換えアンプ12を構成する一個のアン
プを示すものであり、差動対に接続されたトランジスタ
Q31,Q32、能動負荷のトランジスタQ33,Q34、更に出力ト
ランジスタQ35、トランジスタQ36,Q37等により構成され
た差動増幅器41、利得を設定する抵抗Ra、Rbからなる。
なお、Vrはバイアス電圧を示すものであり、所定電圧
レベルの切り換え信号Vgが供給されてスイッチトランジ
スタQ36,Q37がオンに動作した場合、Q36,Q37は電流源と
して作動し、前記差動増幅器にバイアス電流が供給さ
れ、入力信号Vinはg=(1+Ra/Rb)で決定される利得
で増幅される。
前記アンプを用いて第6図に示すように構成すること
により、第4図について説明したようなディジタル信号
ao,a1による利得制御を行うことができる。即ち、4個
のアンプ41の各利得を抵抗Ra,Rbによってg1〜g4に設定
し、入力信号Vinを共通に供給すると共に、出力信号Vo
を共通に得るように構成する。
そして、利得の異なる4個のアンプ41を選択的に駆動
する切り換え信号Vg1〜Vg4を切り換え回路13から供給す
る。
この結果、4個のアンプ41の何れかが駆動され、その
アンプ41に対応した出力信号Voが後段の利得制御アンプ
(図示せず)に供給されている間、他の3個のアンプ41
は非動作になる。
依って、前記のようにノイズ低減を行い得ると共に、
消費電力を低減することもできる。
なお、前記切り換え回路13は、第7図に示すような回
路構成であってよい。即ち、ディジタル信号aoは、バイ
アス電圧Vr1に対しハイレベルまたはローレベルの何れ
かに設定される。
また、ディジタル信号a1についても、バイアス電圧Vr
2に対しハイレベルかローレベルの何れかに設定する。
先ず、Vr1<ao、Vr2<a1に設定された場合の回路動作
を説明する。この場合、トランジスタQ41、Q43がオンに
動作し、トランジスタQ47から切り換え信号Vglが発生す
る。
Vr1<ao、Vr2>a1に設定された場合、トランジスタQ4
1,Q44がオンに動作し、トランジスタQ48から切り換え信
号Vg2が発生する。
Vr1>ao、Vr2<a1に設定された場合、トランジスタQ4
2,Q45がオンに動作し、トランジスタQ49から切り換え信
号Vg3が発生する。
Vr1>ao、Vr2>a1に設定された場合、トランジスタQ4
2,Q46がオンに動作し、トランジスタQ50から切り換え信
号Vg4が発生する。
このようにして得られた切り換え信号Vg1〜Vg4によっ
て、第6図について説明したように各アンプ41の駆動切
り換えが行われる。従って、本実施例に示した回路構成
によれば、低ノイズかつ低消費電力で4種の利得切り換
えを行うことができる。
次に、第8図を参照して本発明の応用例を説明する。
第8図はビデオカメラの一例を示す回路ブロック図であ
り、51はCCD等の撮像素子、52はプリアンプ及び色分離
回路を示している。色分離回路によって分離された色信
号G(緑)、R(赤)、B(青)のうち、色信号Gはγ
補正回路を含むプロセスマトリクス回路53に供給される
が、色信号R,Bは前記利得制御回11にそれぞれ供給され
る。そして、ホワイトバランス調整を行うために、前記
のように利得制御された色信号R,Bがプロセスマトリク
ス回路53に供給されるのであるが、以下に利得制御を行
うための制御信号の発生を説明する。
即ち、ホワイトバランスセンサー61は、赤及び青を検
知した出力信号を色温度検出回路62に供給する。
コントロール回路63は、赤及び青の色温度に対応した
検出信号から色信号Rの利得制御を行うためのディジタ
ル制御信号と、色信号Bの利得制御を行うためのディジ
タル制御信号とを得て、D/A変換器64,65に供給するもの
である。
D/A変換器64,65からアナログ制御信号が得られ、該ア
ナログ制御信号によって利得制御回路11の利得制御が行
われる。ここで、本発明の利得制御回路を用いる場合、
デジタル信号の上位ビットを前記利得切換えアンプの制
御信号とし、残りのビットをD/A変換して後段の利得制
御アンプ13の制御信号とすれば、D/A変換器のビット数
を少なくすることができる。
そして、プロセスマトリクス回路53は、色信号Gと利
得制御された色信号R、Bとにより信号処理を行い、輝
度信号Yと色差信号R−Y,B−Yを発生する。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明によれば、双差動対の
増幅手段を有する利得制御アンプの前段に利得切り換え
アンプを配置し、入力信号を利得切り換えアンプの所望
の利得で増幅した後、前記利得制御アンプに供給するよ
うに構成したものであるから、前記利得制御アンプの利
得は、前記利得切り換えアンプの利得に対応して低減す
ることができる。
依って、この低減によって双差動対の増幅手段から発
生するノイズ成分の増幅も低減され、入力信号に対する
利得制御回路全体の利得を低下させることなく、S/N比
を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した利得制御回路の基本概念を示
す回路図、 第2図は利得制御回路の第1実施例を示す利得切り換え
アンプの回路図、 第3図は利得制御回路の第2実施例を示す回路図、 第4図は本発明の第3実施例の基本概念を示す回路図、 第5図は利得切り換えアンプの要部の回路図、 第6図は利得切り換えアンプの全体の回路図、 第7図は切り換え回路の一例を示す回路図、 第8図は本発明の応用例を示すビデオカメラの回路図、 第9図は本発明に先立って検討した利得制御回路の回路
図、 第10図はノイズ発生を説明する差動増幅器の回路図を示
すものである。 図中の符号 1:入力増幅器 2.3:差動増幅器 11:利得制御回路 12:利得切り換えアンプ 13:利得制御アンプ 21,22,41:アンプ 23:切り換え回路 31,32:スイッチ回路 Vin:入力信号 Vo:出力信号 Vg:切り換え信号 Q1〜Q50:トランジスタ R1:負荷抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 直基 神奈川県足柄上郡開成町宮台798 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−157015(JP,A) 特開 昭59−2415(JP,A) 特開 昭59−147514(JP,A) 特開 昭60−53313(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビデオ信号処理用の利得制御回路であっ
    て、第1の制御信号により非連続な複数の固定利得に切
    り換え設定できる第1の利得可変増幅器の後段に、第2
    の制御信号により二つの差動対トランジスタの各トラン
    ジスタに流れる電流の比率を制御して利得を所定範囲内
    で連続的に可変できる第2の利得可変増幅器を設けると
    共に、前記第1、第2の制御信号により設定される最小
    利得から最大利得までの範囲を連続的に利得制御できる
    ように前記第1、第2の利得可変増幅器の利得が設定さ
    れ、前記第1の利得可変増幅器により設定された利得に
    対応して前記第2の利得可変増幅器の利得を小になし、
    該第2の利得可変増幅器内から発生するノイズ成分の増
    幅を小にするように構成したビデオ信号処理用の利得制
    御回路。
JP01038303A 1989-02-20 1989-02-20 利得制御回路 Expired - Lifetime JP3074387B2 (ja)

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