JP3072009B2 - コーティング溶液組成物 - Google Patents
コーティング溶液組成物Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温固体電解質型燃料
電池の多孔質電極上に緻密な固体電解質膜を形成するコ
ーティング溶液組成物に関するものである。
電池の多孔質電極上に緻密な固体電解質膜を形成するコ
ーティング溶液組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図1に示すように、金属酸化物の
多孔質体からなる空気極1上に緻密な固体電解質膜2を
有する高温固体電解質型燃料電池が知られている。前記
燃料電池では、さらに前記固体電解質膜2の外側にNi
−ZrO2 サーメット等からなる燃料極3が形成された
構成となっている。
多孔質体からなる空気極1上に緻密な固体電解質膜2を
有する高温固体電解質型燃料電池が知られている。前記
燃料電池では、さらに前記固体電解質膜2の外側にNi
−ZrO2 サーメット等からなる燃料極3が形成された
構成となっている。
【0003】前記固体電解質膜2は、高い電導度を得る
ために立方晶ジルコニアからなる緻密な膜であることが
望ましいが、このような緻密な固体電解質膜はプラズマ
溶射法または電気化学蒸着(EVD)法などによらなけ
れば製造できない。前記のような方法により製造するた
めには、高価な装置を必要とする上、固体電解質膜を必
要とする部分と必要としない部分とを構成するマスキン
グに時間がかかるため、量産性が低くなる。
ために立方晶ジルコニアからなる緻密な膜であることが
望ましいが、このような緻密な固体電解質膜はプラズマ
溶射法または電気化学蒸着(EVD)法などによらなけ
れば製造できない。前記のような方法により製造するた
めには、高価な装置を必要とする上、固体電解質膜を必
要とする部分と必要としない部分とを構成するマスキン
グに時間がかかるため、量産性が低くなる。
【0004】そこで、空気極1上に、安定化剤を含むジ
ルコニア粉末のスラリーを塗布したのち焼成することが
検討されているが、ジルコニア粉末は焼成時に収縮する
ために、前記スラリーから形成される固体電解質膜が割
れたり、空気極から剥離したりするとの問題がある。前
記問題を解決するために、特開平5−29008号公報
には、安定化剤を添加したジルコニアを含有するスラリ
ーから形成された電解質成形体2の内側に、特定の金属
酸化物と有機物粉末とを含有するスラリーから形成され
た空気極成形体1を有する構成の燃料電池が記載されて
いる。前記公報記載の燃料電池によれば、空気極成形体
1を特定の金属酸化物と有機物粉末とを含有するスラリ
ーから形成することにより、焼成時の収縮率がジルコニ
ア粉末に近似した空気極成形体1が得られ、固体電解質
膜2の割れや剥離を防止することができる。尚、前記安
定化剤としては、イットリウム、カルシウム、スカンジ
ウム、イッテルビウム、ネオジウム、ガドリニウムの酸
化物が用いられる。
ルコニア粉末のスラリーを塗布したのち焼成することが
検討されているが、ジルコニア粉末は焼成時に収縮する
ために、前記スラリーから形成される固体電解質膜が割
れたり、空気極から剥離したりするとの問題がある。前
記問題を解決するために、特開平5−29008号公報
には、安定化剤を添加したジルコニアを含有するスラリ
ーから形成された電解質成形体2の内側に、特定の金属
酸化物と有機物粉末とを含有するスラリーから形成され
た空気極成形体1を有する構成の燃料電池が記載されて
いる。前記公報記載の燃料電池によれば、空気極成形体
1を特定の金属酸化物と有機物粉末とを含有するスラリ
ーから形成することにより、焼成時の収縮率がジルコニ
ア粉末に近似した空気極成形体1が得られ、固体電解質
膜2の割れや剥離を防止することができる。尚、前記安
定化剤としては、イットリウム、カルシウム、スカンジ
ウム、イッテルビウム、ネオジウム、ガドリニウムの酸
化物が用いられる。
【0005】しかしながら、特開平5−29008号公
報記載の燃料電池は、ジルコニア粉末のスラリーから形
成される固体電解質膜の割れや剥離を防止するために、
空気極の原料が規制されるとの不都合がある。
報記載の燃料電池は、ジルコニア粉末のスラリーから形
成される固体電解質膜の割れや剥離を防止するために、
空気極の原料が規制されるとの不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、高温固体電解質型燃料電池の多孔質電極
上に該電極の材質に係わらず容易に固体電解質膜を形成
することができるコーティング溶液組成物を提供するこ
とを目的とする。
て、本発明は、高温固体電解質型燃料電池の多孔質電極
上に該電極の材質に係わらず容易に固体電解質膜を形成
することができるコーティング溶液組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明のコーティング溶液組成物は、高温固体電
解質型燃料電池の多孔質電極上に緻密な固体電解質膜を
形成するコーティング溶液組成物であって、ジルコニウ
ムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物を、ジルコ
ニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物の共通
の溶媒である第1の溶媒に溶解し、さらにジルコニウム
アルコキシド及び硝酸イットリウム水和物を第1の溶媒
に溶解した溶液を均質化する溶媒であって2,4−ペン
タンジオン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ンから選択される1種の溶媒である第2の溶媒に溶解し
てなることを特徴とする。
めに、本発明のコーティング溶液組成物は、高温固体電
解質型燃料電池の多孔質電極上に緻密な固体電解質膜を
形成するコーティング溶液組成物であって、ジルコニウ
ムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物を、ジルコ
ニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物の共通
の溶媒である第1の溶媒に溶解し、さらにジルコニウム
アルコキシド及び硝酸イットリウム水和物を第1の溶媒
に溶解した溶液を均質化する溶媒であって2,4−ペン
タンジオン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ンから選択される1種の溶媒である第2の溶媒に溶解し
てなることを特徴とする。
【0008】前記ジルコニウムアルコキシドとしては、
緻密な固体電解質膜が得られること、硝酸イットリウム
と共通の第1の溶媒に対する溶解性等からからジルコニ
ウムプロポキシドが適しているが、ジルコニウムイソプ
ロポキシド、ジルコニウムブトキシド等、他のジルコニ
ウムアルコキシドを用いることもできる。
緻密な固体電解質膜が得られること、硝酸イットリウム
と共通の第1の溶媒に対する溶解性等からからジルコニ
ウムプロポキシドが適しているが、ジルコニウムイソプ
ロポキシド、ジルコニウムブトキシド等、他のジルコニ
ウムアルコキシドを用いることもできる。
【0009】前記第1の溶媒は、前記ジルコニウムアル
コキシドと硝酸イットリウム水和物との双方を溶解でき
るものであればよく、1−プロパノール、2−プロパノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、ベンゼン、ヘキ
サン、メタノール、エタノール等を挙げることができる
が、前記ジルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウ
ム水和物の両者に対する溶解性に優れていることから1
−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−
プロパノールが適している。
コキシドと硝酸イットリウム水和物との双方を溶解でき
るものであればよく、1−プロパノール、2−プロパノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、ベンゼン、ヘキ
サン、メタノール、エタノール等を挙げることができる
が、前記ジルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウ
ム水和物の両者に対する溶解性に優れていることから1
−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−
プロパノールが適している。
【0010】前記第2の溶媒は、ジルコニウムアルコキ
シド及び硝酸イットリウム水和物を前記第1の溶媒に溶
解した溶液を均質化できるものであればよく、2,4−
ペンタンジオン(アセチルアセトン)、トリエタノール
アミン、ジエタノールアミンから選択される1種の溶媒
が用いられる。
シド及び硝酸イットリウム水和物を前記第1の溶媒に溶
解した溶液を均質化できるものであればよく、2,4−
ペンタンジオン(アセチルアセトン)、トリエタノール
アミン、ジエタノールアミンから選択される1種の溶媒
が用いられる。
【0011】
【作用】本発明のコーティング溶液組成物によれば、溶
液中でジルコニウムアルコキシドが硝酸イットリウムの
結晶水、あるいは空気中の水蒸気の混入によって加水分
解し、重合することにより、まずジルコニウム及びイッ
トリウムの酸化物または水酸化物の微粒子またはイオン
が溶解したゾルが形成される。前記ゾルは、更に反応の
進行に伴ってゲル化するので、該ゲルを加熱焼成するこ
とにより、イットリアで安定化された立方晶ジルコニア
の緻密な固体電解質膜が所望の形状に形成される。
液中でジルコニウムアルコキシドが硝酸イットリウムの
結晶水、あるいは空気中の水蒸気の混入によって加水分
解し、重合することにより、まずジルコニウム及びイッ
トリウムの酸化物または水酸化物の微粒子またはイオン
が溶解したゾルが形成される。前記ゾルは、更に反応の
進行に伴ってゲル化するので、該ゲルを加熱焼成するこ
とにより、イットリアで安定化された立方晶ジルコニア
の緻密な固体電解質膜が所望の形状に形成される。
【0012】本発明のコーティング溶液組成物では、前
記ジルコニウムアルコキシドとしてジルコニウムプロポ
キシドを用いることにより、硝酸イットリウム水和物と
共通の第1の溶媒によく溶解し、前記緻密な固体電解質
膜が得られる。また、前記第1の溶媒として、1−プロ
パノールを用いることにより、前記ジルコニウムアルコ
キシド及び硝酸イットリウム水和物の両者がよく溶解さ
れる。
記ジルコニウムアルコキシドとしてジルコニウムプロポ
キシドを用いることにより、硝酸イットリウム水和物と
共通の第1の溶媒によく溶解し、前記緻密な固体電解質
膜が得られる。また、前記第1の溶媒として、1−プロ
パノールを用いることにより、前記ジルコニウムアルコ
キシド及び硝酸イットリウム水和物の両者がよく溶解さ
れる。
【0013】さらに、本発明のコーティング溶液組成物
では、前記第2の溶媒として2,4−ペンタンジオン、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミンから選択さ
れる1種の溶媒を用いることにより、ゲル化時間及び形
成される固体電解質膜の膜厚のコントロールが容易にな
る。
では、前記第2の溶媒として2,4−ペンタンジオン、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミンから選択さ
れる1種の溶媒を用いることにより、ゲル化時間及び形
成される固体電解質膜の膜厚のコントロールが容易にな
る。
【0014】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明のコ
ーティング溶液組成物についてさらに詳しく説明する。
図1は高温固体電解質型燃料電池の構成を示す説明的断
面図であり、図2は本発明のコーティング溶液組成物に
おける均質化溶媒に対するジルコニウムのモル濃度とゲ
ル化時間との関係を示すグラフである。
ーティング溶液組成物についてさらに詳しく説明する。
図1は高温固体電解質型燃料電池の構成を示す説明的断
面図であり、図2は本発明のコーティング溶液組成物に
おける均質化溶媒に対するジルコニウムのモル濃度とゲ
ル化時間との関係を示すグラフである。
【0015】本実施例のコーティング溶液組成物は、図
1示の高温固体電解質型燃料電池において、金属酸化物
の多孔質体からなる空気極成形体1上に固体電解質膜2
を形成するために用いられる。尚、空気極成形体1は、
例えば、La2 O3 、SrCO3 、Mn2 O3 の粉末を
混合したのち仮焼して得られた粉末に、難溶性澱粉を
2.5〜35重量%の範囲で添加、混合したのち焼成し
てなるLaMnO3 系結晶構造を有する金属酸化物等が
用いられる。
1示の高温固体電解質型燃料電池において、金属酸化物
の多孔質体からなる空気極成形体1上に固体電解質膜2
を形成するために用いられる。尚、空気極成形体1は、
例えば、La2 O3 、SrCO3 、Mn2 O3 の粉末を
混合したのち仮焼して得られた粉末に、難溶性澱粉を
2.5〜35重量%の範囲で添加、混合したのち焼成し
てなるLaMnO3 系結晶構造を有する金属酸化物等が
用いられる。
【0016】本実施例のコーティング溶液組成物は、ジ
ルコニアに対して8モル%のイットリアを含むイットリ
ア安定化ジルコニアの固体電解質膜を目的物質とする。
イットリウムは希土類元素に属し高価であるので、ジル
コニウムに対して適量を添加することが望ましいが、ジ
ルコニア−イットリア系固体電解質膜では、ジルコニア
に対して8モル%のイットリアを含む場合に最も導電率
が高くなる。
ルコニアに対して8モル%のイットリアを含むイットリ
ア安定化ジルコニアの固体電解質膜を目的物質とする。
イットリウムは希土類元素に属し高価であるので、ジル
コニウムに対して適量を添加することが望ましいが、ジ
ルコニア−イットリア系固体電解質膜では、ジルコニア
に対して8モル%のイットリアを含む場合に最も導電率
が高くなる。
【0017】前記目的物を得るために、本実施例では、
まず、ジルコニウムプロポキシドの0.5M−1−プロ
パノール溶液に、硝酸イットリウム5水和物の0.08
7M−1−プロパノール溶液を等量混合し、次いで2,
4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)の0.5M−
1−プロパノール溶液を2,4−ペンタンジオンに対し
てジルコニウムが2(モル比)の割合で含まれる量にな
るように添加して、コーティング溶液組成物を調製し
た。本実施例のコーティング溶液組成物では、ジルコニ
ウムプロポキシド及び硝酸イットリウム水和物の共通溶
媒として1−プロパノールを用い、溶液を均質化するた
めの均質化溶媒として2,4−ペンタンジオンが用いら
れており、ジルコニウムに対して8モル%のイットリウ
ムが含まれるようになっている。
まず、ジルコニウムプロポキシドの0.5M−1−プロ
パノール溶液に、硝酸イットリウム5水和物の0.08
7M−1−プロパノール溶液を等量混合し、次いで2,
4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)の0.5M−
1−プロパノール溶液を2,4−ペンタンジオンに対し
てジルコニウムが2(モル比)の割合で含まれる量にな
るように添加して、コーティング溶液組成物を調製し
た。本実施例のコーティング溶液組成物では、ジルコニ
ウムプロポキシド及び硝酸イットリウム水和物の共通溶
媒として1−プロパノールを用い、溶液を均質化するた
めの均質化溶媒として2,4−ペンタンジオンが用いら
れており、ジルコニウムに対して8モル%のイットリウ
ムが含まれるようになっている。
【0018】前記ジルコニウムプロポキシドの1−プロ
パノール溶液の濃度は、任意に設定することが可能であ
るが、コーティング性を考慮して0.05〜2.0モル
/リットルとすることが好ましい。ジルコニウムプロポ
キシドの濃度が2.0モル/リットルより高くなるとゲ
ル化時間が短くなり、十分なコーティング時間を確保し
にくくなる傾向がある。また、0.05モル/リットル
より低くなると、該溶液に空気極成形体1をディッピン
グしたときに、1回のディッピングでコーティングされ
得る膜厚が薄くなり、製造効率が低下する。
パノール溶液の濃度は、任意に設定することが可能であ
るが、コーティング性を考慮して0.05〜2.0モル
/リットルとすることが好ましい。ジルコニウムプロポ
キシドの濃度が2.0モル/リットルより高くなるとゲ
ル化時間が短くなり、十分なコーティング時間を確保し
にくくなる傾向がある。また、0.05モル/リットル
より低くなると、該溶液に空気極成形体1をディッピン
グしたときに、1回のディッピングでコーティングされ
得る膜厚が薄くなり、製造効率が低下する。
【0019】また、前記硝酸イットリウム5水和物の1
−プロパノール溶液の濃度は、ジルコニウムとイットリ
ウムとのモル比を前記のようにするために、0.008
7〜0.3478モル/リットルとすることが好まし
い。
−プロパノール溶液の濃度は、ジルコニウムとイットリ
ウムとのモル比を前記のようにするために、0.008
7〜0.3478モル/リットルとすることが好まし
い。
【0020】また、前記2,4−ペンタンジオンはジル
コニウムが任意の割合で含まれるように添加することが
できるが、目的物質がジルコニアに対して0.8モル%
のイットリアを含むイットリア安定化ジルコニアの固体
電解質膜である場合には、ゲル化時間と形成される固体
電解質膜の膜厚とを容易にコントロールするために、ジ
ルコニウムが0.05〜2.0モル/リットルの範囲で
含まれるように添加することが好ましい。前記2,4−
ペンタンジオンがジルコニウムを前記範囲で含むときに
は、コーティング溶液組成物のゲル化時間は、図2示の
ようになる。
コニウムが任意の割合で含まれるように添加することが
できるが、目的物質がジルコニアに対して0.8モル%
のイットリアを含むイットリア安定化ジルコニアの固体
電解質膜である場合には、ゲル化時間と形成される固体
電解質膜の膜厚とを容易にコントロールするために、ジ
ルコニウムが0.05〜2.0モル/リットルの範囲で
含まれるように添加することが好ましい。前記2,4−
ペンタンジオンがジルコニウムを前記範囲で含むときに
は、コーティング溶液組成物のゲル化時間は、図2示の
ようになる。
【0021】次に、前記のようにして調製されたコーテ
ィング溶液組成物を攪拌、混合し、ゾル化させてコーテ
ィング溶液とした。そして、該ゾル化したコーティング
溶液に前記空気極成形体1をディッピングし、その表面
に該コーティング溶液を付着させ、空気極成形体1の表
面でゲル化させた。
ィング溶液組成物を攪拌、混合し、ゾル化させてコーテ
ィング溶液とした。そして、該ゾル化したコーティング
溶液に前記空気極成形体1をディッピングし、その表面
に該コーティング溶液を付着させ、空気極成形体1の表
面でゲル化させた。
【0022】前記空気極成形体1のディッピングでは、
空気極成形体1を前記コーティング溶液から引き上げる
際の引き上げ速度を0.05mm/秒以上とすることに
より空気極成形体1の表面に適量のコーティング溶液が
付着する。前記ディッピングは目的とする固体電解質膜
2を得るために1〜30回程度行うことが好ましく、特
に1μm程度の固体電解質膜2を得るためには20回程
度行うことが好ましい。
空気極成形体1を前記コーティング溶液から引き上げる
際の引き上げ速度を0.05mm/秒以上とすることに
より空気極成形体1の表面に適量のコーティング溶液が
付着する。前記ディッピングは目的とする固体電解質膜
2を得るために1〜30回程度行うことが好ましく、特
に1μm程度の固体電解質膜2を得るためには20回程
度行うことが好ましい。
【0023】次に、その表面で前記コーティング溶液が
ゲル化した空気極成形体1を、室温から1.6℃/秒以
下の昇温速度で500℃に昇温して10分間仮焼したの
ち、1000℃に昇温して5時間本焼することにより、
イットリア安定化ジルコニアからなる緻密な固体電解質
膜2が得られた。前記ジルコニアの結晶系は立方晶であ
った。前記緻密な固体電解質膜2を得るために、前記仮
焼温度は300〜600℃とすることが好ましく、前記
本焼温度は1000〜1200℃とすることが好まし
い。
ゲル化した空気極成形体1を、室温から1.6℃/秒以
下の昇温速度で500℃に昇温して10分間仮焼したの
ち、1000℃に昇温して5時間本焼することにより、
イットリア安定化ジルコニアからなる緻密な固体電解質
膜2が得られた。前記ジルコニアの結晶系は立方晶であ
った。前記緻密な固体電解質膜2を得るために、前記仮
焼温度は300〜600℃とすることが好ましく、前記
本焼温度は1000〜1200℃とすることが好まし
い。
【0024】本実施例では、前記均質化溶媒として、
2,4−ペンタンジオンを用いているが、トリエタノー
ルアミンまたはジエタノールアミンを用いてもよい。ト
リエタノールアミンまたはジエタノールアミンを用いる
場合の均質化溶媒に含まれるジルコニウムの濃度と、コ
ーティング溶液組成物のゲル化時間との関係を図2に示
す。
2,4−ペンタンジオンを用いているが、トリエタノー
ルアミンまたはジエタノールアミンを用いてもよい。ト
リエタノールアミンまたはジエタノールアミンを用いる
場合の均質化溶媒に含まれるジルコニウムの濃度と、コ
ーティング溶液組成物のゲル化時間との関係を図2に示
す。
【0025】尚、本実施例ではジルコニアの原料として
ジルコニウムプロポキシドを用いているが、ジルコニウ
ムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等の他の
ジルコニウムアルコキシドを用いることもできる。ま
た、本実施例ではジルコニウムプロポキシドと硝酸イッ
トリウム水和物との共通溶媒として1−プロパノールを
用いているが、他に2−プロパノール及び2−メチル−
1−プロパノールも適しており、さらにベンゼン、ヘキ
サン、メタノール、エタノール等を用いることもでき
る。
ジルコニウムプロポキシドを用いているが、ジルコニウ
ムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等の他の
ジルコニウムアルコキシドを用いることもできる。ま
た、本実施例ではジルコニウムプロポキシドと硝酸イッ
トリウム水和物との共通溶媒として1−プロパノールを
用いているが、他に2−プロパノール及び2−メチル−
1−プロパノールも適しており、さらにベンゼン、ヘキ
サン、メタノール、エタノール等を用いることもでき
る。
【0026】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
のコーティング溶液組成物によれば、燃料電池の空気極
を該コーティング溶液組成物にディッピングすることに
よりイットリアで安定化された立方晶ジルコニアの緻密
な固体電解質膜を容易に形成することができる。
のコーティング溶液組成物によれば、燃料電池の空気極
を該コーティング溶液組成物にディッピングすることに
よりイットリアで安定化された立方晶ジルコニアの緻密
な固体電解質膜を容易に形成することができる。
【0027】本発明のコーティング溶液組成物では、前
記ジルコニウムアルコキシドとして特にジルコニウムプ
ロポキシドを用いることにより、前記緻密な固体電解質
膜を容易に形成することができる。また、前記第1の溶
媒として、1−プロパノールを用いることにより、前記
ジルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物
の両者をよく溶解することができる。
記ジルコニウムアルコキシドとして特にジルコニウムプ
ロポキシドを用いることにより、前記緻密な固体電解質
膜を容易に形成することができる。また、前記第1の溶
媒として、1−プロパノールを用いることにより、前記
ジルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物
の両者をよく溶解することができる。
【0028】また、本発明のコーティング溶液組成物で
は、前記第2の溶媒として2,4−ペンタンジオン、ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミンから選択され
る1種の溶媒を用いることにより、ゲル化時間及び形成
される固体電解質膜の膜厚を容易にコントロールするこ
とができる。
は、前記第2の溶媒として2,4−ペンタンジオン、ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミンから選択され
る1種の溶媒を用いることにより、ゲル化時間及び形成
される固体電解質膜の膜厚を容易にコントロールするこ
とができる。
【0029】さらに、本発明のコーティング溶液組成物
によれば、これらの操作を空気中で実施できるため、複
雑な装置を用いることなく固体電解質膜を製造すること
ができる。
によれば、これらの操作を空気中で実施できるため、複
雑な装置を用いることなく固体電解質膜を製造すること
ができる。
【図1】高温固体電解質型燃料電池の構成を示す説明的
断面図。
断面図。
【図2】均質化溶媒に対するジルコニウムのモル濃度と
ゲル化時間との関係を示すグラフ。
ゲル化時間との関係を示すグラフ。
1…多孔質電極、 2…固体電解質膜。
Claims (3)
- 【請求項1】高温固体電解質型燃料電池の多孔質電極上
に緻密な固体電解質膜を形成するコーティング溶液組成
物であって、 ジルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物
を、ジルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水
和物の共通の溶媒である第1の溶媒に溶解し、さらにジ
ルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物を
第1の溶媒に溶解した溶液を均質化する溶媒であって
2,4−ペンタンジオン、トリエタノールアミン、ジエ
タノールアミンから選択される1種の溶媒である第2の
溶媒に溶解してなることを特徴とするコーティング溶液
組成物。 - 【請求項2】前記ジルコニウムアルコキシドがジルコニ
ウムプロポキシドであることを特徴とする請求項1記載
のコーティング溶液組成物。 - 【請求項3】前記第1の溶媒が1−プロパノールである
ことを特徴とする請求項1記載のコーティング溶液組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6272704A JP3072009B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-07 | コーティング溶液組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33172093 | 1993-12-27 | ||
JP5-331720 | 1993-12-27 | ||
JP6272704A JP3072009B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-07 | コーティング溶液組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07235317A JPH07235317A (ja) | 1995-09-05 |
JP3072009B2 true JP3072009B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=26550344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6272704A Expired - Fee Related JP3072009B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-07 | コーティング溶液組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3072009B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2974452B1 (fr) * | 2011-04-22 | 2014-04-04 | Commissariat Energie Atomique | Procede de preparation d'une demi-cellule electrochimique |
JPWO2021201194A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 |
-
1994
- 1994-11-07 JP JP6272704A patent/JP3072009B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07235317A (ja) | 1995-09-05 |
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