JP3066530U - 支柱用支持具 - Google Patents

支柱用支持具

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JP3066530U
JP3066530U JP1999006060U JP606099U JP3066530U JP 3066530 U JP3066530 U JP 3066530U JP 1999006060 U JP1999006060 U JP 1999006060U JP 606099 U JP606099 U JP 606099U JP 3066530 U JP3066530 U JP 3066530U
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浩一 宇津木
匠 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柵11等の支柱12を安定して支持する。 【解決手段】 地中に打ち込む杭部16と、杭部16の
上側に取り付けられてその上方に延びる支柱12を支持
する支持部17とを備えて構成された支柱用支持具1で
ある。杭部16の三角板材18にコンクリート用穴21
を設けた。支持部17の上側平板24に凸部30を設け
て、杭部16の下側平板19の凹部23に凸部30を嵌
合して杭部16の傾きを吸収し、凸部30の周りを3本
以上のボルトで固定して支持部17を垂直に支持する。
ボルト穴26は長穴状にした。支持筒25には対向する
2箇所にスリット28を設けた。コンクリートブロック
に柵11を取り付けるために、ブロックを挟むように断
面コ字状に形成されると共にブロックに堅固に固定する
ボルト46を有する基部43と、基部43に一体成形さ
れた支持筒44とから構成してもよい。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、柵等の支柱を地面に安定して立てるための支柱用支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
柵等の支柱を地面に立てる支柱用支持具としては、図2に示すようなものが知 られている。
【0003】 この支柱用支持具1は、杭部2と、支持部3とから構成されている。杭部2は 地中に打ち込まれて全体を支えるための部材である。この杭部2は主に、地中に 食い込む方向に延びた4枚の三角板材4と、地中に食い込む三角板材4の上端に 設けられた下側平板5とから構成されている。三角板材4は、尖った先端部を下 方へ向けて配設され、4枚合わせて断面が十字状になるように組み合わされてい る。下側平板5は、後述する上側平板7と対をなして支持部3を杭部2に固定す る。下側平板5には4つのボルト穴6が設けられ、上側平板7と4本のボルト( 図示せず)で固定されるようになっている。
【0004】 支持部3は、下端に位置して上記下側平板5と対向する上側平板7と、この上 側平板7の上側に一体的に取り付けられ、柵11の支柱12(図3参照)の下端 を嵌合して支持する四角筒状の支持筒8とから構成されている。上側平板7には 、上記下側平板5の各ボルト穴6に対応する位置に4つのボルト穴9が設けられ 、4本のボルト(図示せず)で杭部2と支持部3とが互いに固定される。支持筒 8の対向する2つの壁面には、支持筒8に支柱12の下端が嵌合した状態で支柱 12を支持筒8側に固定する通しボルト(図示せず)用のボルト穴10が設けら れている。
【0005】 以上の構成により、杭部2が地面に打ち込まれ、杭部2の下側平板5と支持部 3の上側平板7とが合わされた状態でボルト穴6,9にボルトが通されて互いに 固定される。次いで、支持部3の支持筒8に支柱12が挿入され、ボルト穴10 に通しボルトが通されて、支持筒8と支柱12とが固定される。
【0006】 また、杭部2はコンクリートづめされる場合もある。この場合は、杭部2を地 中の穴に埋めてその上からコンクリートを流し込んで、コンクリートづめにする 。コンクリートが固まったところで支持部3を取り付けて支柱12を挿入し、ボ ルトを締める。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記構成の支柱用支持具1では次のような問題点がある。
【0008】 (1) 杭部2をコンクリートづめにした場合、コンクリートによる杭部2の保 持力に問題がある。即ち、杭部2の三角板材4は平坦な板材であるため、コンク リートとの接触面での抵抗が小さい。また、杭部2は、下方へ向けて細く尖って いるため、横からの衝撃が三角板材4に伝わると、コンクリートと三角板材4と の接着面を振動して剥がす力に変換されると共に、三角板材4の傾斜部に伝わっ て杭部2を押し上げる力に変換されてしまう。このため、杭部2に横方向から大 きな衝撃が加わると、杭部2とコンクリートとの接触面が剥がされる。次いで、 杭部2を押し上げる力が、四枚の三角板材4とコンクリートとの接触面での抵抗 よりも大きくなって、杭部2がぐらつき、最終的に抜け落ちてしまうという問題 点がある。
【0009】 (2) 杭部2は、最終的に地面に打ち込まれた状態を想定してから、地面に打 ち込むが、傾いたり、回転したりすることがある。即ち、地中に岩があったり、 打ち込むときの力の入れ方がずれたりすると、杭部2が垂直からずれて傾いたり 、垂直に打ち込まれても回転したりすることがある。この場合、下側平板5と上 側平板7は直接に当接されるため、支持部3も杭部2に合わせて傾いたり回転し たりして取り付けられることになる。この結果、支持部3に支持される柵11の 支柱12が傾いたり、本来図4(A)のように真横に配設されるべきもの柵11 が図4(B)のように回転したりして、最悪の場合柵11を支柱用支持具1に取 り付けることができなくなるという問題点がある。
【0010】 (3) 支持部3の支持筒8は四角筒状に形成されていると共に、支柱12を十 分な力で支持できるようにある程度の剛性を有している。さらに、支柱12は、 支持筒8に無理なく挿入できるように、支持部3の内側寸法よりも多少小さい寸 法に形成されている。このため、支持部3と挿入された支柱12との間には隙間 があり、多少ぐらつく。このぐらつきを解消するために通しボルトで支持部3と 支柱12とを固定する。ところが、支持部3と支柱12との間には隙間がある一 方で、支持部3がある程度の剛性を有するため、通しボルトで締め付けても支持 部3が大きく変形して強く締まることはなく、支柱12がぐらついてしまうとい う問題点がある。
【0011】 本考案は以上述べたような点に鑑みてなされたもので、安定して支柱を支持す ることができる支柱用支持具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために第1の考案に係る支柱用支持具は、地中に打ち 込む杭部と、この杭部の上側に取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支 持する支持部とを備えて構成された支柱用支持具において、上記杭部が、地中に 食い込む方向に延びた板材を有し、この板材にコンクリート用穴を設けたことを 特徴とする。
【0013】 上記構成により、杭部をコンクリートづめにすると、上記地中に食い込む方向 に延びた板材の表面にコンクリートが接着してこの板材を固定する。さらに、こ の板材のコンクリート用穴の部分では、板材をその両側から挟むコンクリートが このコンクリート用穴で互いに結合してさらに堅固に板材を固定する。これによ り、杭部に横から衝撃が加わっても、ずれることがなくなる。
【0014】 第2の考案に係る支柱用支持具は、地中に打ち込む杭部と、この杭部の上側に 取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支持する支持部とを備えて構成さ れた支柱用支持具において、上記杭部の上端に下側平板を有すると共に上記支持 部の下端に上記下側平板と面した状態で上側平板を有し、上記下側平板又は上側 平板の一方の中央部に凸部を有すると共に、下側平板又は上側平板の一方又は両 方でかつ上記凸部の周囲にボルト穴を3つ以上それぞれ有することを特徴とする 。
【0015】 上記構成により、地中に打ち込まれ、又はコンクリートづめにされた杭部が、 垂直に対して傾いしまったときは、支持部を垂直にしてその上側平板を杭部の下 側平板と合わせる。これにより、凸部で上側平板と下側平板とが点接触する。次 いで、凸部の周囲に3つ以上設けたボルト穴にそれぞれボルトを通して固定する 。これにより、傾いた杭部に対して支持部を垂直に維持した状態で固定すること ができる。
【0016】 第3の考案に係る支柱用支持具は、地中に打ち込む杭部と、この杭部の上側に 取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支持する支持部とを備えて構成さ れた支柱用支持具において、上記杭部の上端に下側平板を有すると共に上記支持 部の下端に上記下側平板と面した状態で上側平板を有し、上記下側平板又は上側 平板の一方又は両方にボルト穴を複数個有すると共に、これらのボルト穴のうち 少なくとも一方の平板のボルト穴を長穴状又は大径に形成したことを特徴とする 。
【0017】 上記構成により、地中に打ち込まれ、又はコンクリートづめにされた杭部が垂 直に保たれた状態で多少回転してしまったときは、支持部を垂直で正常な角度に 保った状態で、杭部に取り付ける。即ち、支持部を垂直で正常な角度に保った状 態で、支持部の上側平板を杭部の下側平板と合わせる。このとき、杭部の回転方 向のずれは、長穴状のボルト穴で吸収されてしまう。これにより、上側平板と下 側平板のボルト穴が整合する。そして、各ボルト穴にそれぞれボルトを通して固 定する。これにより、回転した杭部に対して支持部を正常な角度に維持した状態 で固定することができる。また、2本の杭部の間隔が多少ずれてしまったときは 、大径に形成されたボルト穴によりそのずれが吸収される。これにより、間隔が ずれた2つの杭部に対して支持部を正常な間隔に維持した状態で固定することが できる。
【0018】 第4の考案に係る支柱用支持具は、地中に打ち込む杭部と、この杭部の上側に 取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支持する支持部とを備えて構成さ れた支柱用支持具において、上記支持部が、上記支柱の下端を嵌合して支持する 支持筒を有すると共に、この支持筒に支柱の下端が嵌合した状態で支柱を支持筒 に固定する通しボルト用のボルト穴を上記支持筒の対向する2箇所に設け、上記 支持筒のうち上記通しボルトと交叉する方向の壁部の1箇所又は対向する2箇所 以上にスリットを設けたことを特徴とする。
【0019】 上記構成により、支持部の支持筒に支柱の下端を嵌合して通しボルトをボルト 穴に通して締め付ける。これにより、支持筒が締め付けられる。このとき、支持 筒にはスリットが設けられているため、そのスリットの部分で支持筒が撓み、内 側寸法が小さくなる。この結果、支持筒が支柱を締め付けることになり、堅固に 固定する。
【0020】 第5の考案に係る支柱用支持具は、ブロックを挟むように断面コ字状に形成さ れると共に、ブロックに堅固に固定するための締結具を有する基部と、この基部 の上側に一体的に取り付けられ、上記支柱の下端を嵌合して支持する支持筒と、 この支持筒の対向する2箇所に設けられ、支持筒に支柱の下端が嵌合した状態で 支柱を支持筒に固定する通しボルト用のボルト穴と、上記支持筒のうち上記通し ボルトと交叉する方向の壁部の1箇所又は対向する2箇所以上に設けられたスリ ットとを備えて構成されたことを特徴とする。
【0021】 上記構成により、ブロックを挟むようにして基部を取り付け、締結具で堅固に 固定する。次いで、支持部の支持筒に支柱の下端を嵌合して通しボルトをボルト 穴に通して締め付ける。これにより、支持筒が締め付けられる。このとき、支持 筒にはスリットが設けられているため、第4の考案と同様に、そのスリットの部 分で支持筒が撓み、内側寸法が小さくなる。この結果、支持筒が支柱を締め付け ることになり、堅固に固定する。
【0022】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】 [第1実施形態] 以下に本考案の第1実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る支柱 用支持具を示す斜視図、図5は支柱用支持具の杭部と支持部との接合部分を示す 正面断面図である。
【0024】 本実施形態に係る支柱用支持具15は図1に示すように構成されている。この 支柱用支持具15の全体構成は従来の支柱用支持具1とほぼ同様である。即ち、 支柱用支持具15は主に、杭部16と、支持部17とから構成されている。杭部 16は主に、4枚の三角板材18と、各三角板材18の上端に設けられた下側平 板19とから構成されている。三角板材18は、尖った先端部を下方へ向けて配 設され、4枚合わせて断面が十字状になるように組み合わされている。各三角板 材18にはコンクリート用穴21が設けられている。このコンクリート用穴21 は、杭部16がコンクリートづめにされたときに、ぐらつくことなく堅固に固定 されるようにするためのものである。即ち、三角板材18をその両側から挟むコ ンクリートがコンクリート用穴21で互いに結合して三角板材18を堅固に固定 して、杭部16がぐらつかないようにするためのものである。
【0025】 下側平板19は、後述する上側平板24と対をなして支持部17を杭部16に 固定する。下側平板19には4つのボルト穴22が設けられ、上側平板24と4 本のボルト(図示せず)で互いに固定されるようになっている。下側平板19の 中央部には、図5に示すように、凹部23が設けられている。この凹部23は、 後述する上側平板24の凸部30を支持する部分である。支持部17が杭部16 に取り付けられた状態で、凸部30が凹部23に嵌合することで、凹部23が凸 部30を支持すると共に、支持部17の横方向へのずれを抑えるようになってい る。
【0026】 支持部17は、図1に示すように、下側平板19と対向する上側平板24と、 支柱12の下端を嵌合して支持する四角筒状の支持筒25とから構成されている 。上側平板24には、上記下側平板19の各ボルト穴22に対応する位置に4つ のボルト穴26が設けられている。これらのボルト穴22,26に4本のボルト が取り付けられることで、杭部16と支持部17とが互いに固定されるようにな っている。このボルト穴26は長穴状でかつ円弧状に形成されている。これによ り、杭部16が地中に打ち込まれるときに回転しても、この杭部16の回転方向 のずれを長穴状でかつ円弧状のボルト穴26が吸収して、支持部17を正常な角 度に取り付けることができるようになっている。
【0027】 支持筒25の対向する2つの壁面には、支持筒25に支柱12の下端が嵌合し た状態で支柱12を支持筒25側に固定する通しボルト(図示せず)用のボルト 穴27が設けられている。さらに、支持筒25には、ボルト穴27に通される通 しボルトと交叉する方向の壁部に対向して2つのスリット28が設けられている 。このスリット28は、支持筒25の縦方向のほぼ全長に亘って形成され、通し ボルトで締め付けることにより支持筒25を撓ませることができるようになって いる。即ち、通しボルトで締め付けられる支持筒25が撓んで内側寸法が小さく なり、支柱12を強く締め付けて堅固に固定することができるようになっている 。
【0028】 上側平板24の中央部には図5に示すように凸部30が設けられている。この 凸部30は、ほぼ半球状に下方へ隆起させて形成されており、凹部23に嵌合す る。凸部30の曲率半径は凹部23よりも小さく設定され、凸部30が凹部23 内である程度動けるようになっている。これにより、凸部30が傾いた状態で凹 部23に嵌合しても、凹部23によって凸部30が確実に支持されるようになっ ている。即ち、杭部16が垂直に対して多少傾いた状態で地中に打ち込まれた場 合において、支持部17を垂直にして杭部16に取り付けると、支持部17の凸 部30は杭部16の凹部23に、杭部16の傾斜分だけ傾いた状態で嵌合する。 この場合でも、凸部30は凹部23に点接触して確実に支持される。
【0029】 この凸部30が凹部23に点接触した状態でその周囲を4本のボルトで締結さ れることにより、支持部17を杭部16に対して傾いた状態(支持部17を垂直 に維持した状態)で確実に支持することができる。
【0030】 [動作] 以上のように構成された支柱用支持具15では次のようにして柵11を支持す る。
【0031】 まず、杭部16を地面に打ち込む。柵11の2本の支柱12の間隔に合わせて 2つの杭部16を地面に打ち込む。次いで、支持部17を杭部16に取り付ける 。杭部16の下側平板19と支持部17の上側平板24とを合わせ、ボルト穴2 2,26にボルトを通されて固定する。
【0032】 このとき、杭部16が打ち込まれる際に地面に対して回転してしまったり、傾 いて締まったりした場合でも、支持部17は柵11の配設方向に角度を合わせて 杭部16に取り付ける。この際に、杭部16の回転による支持部17との角度の ずれは、円弧状で長穴状のボルト穴26で吸収される。また、杭部16の傾きに よる垂直の支持部17とのずれは、凸部30で吸収される。
【0033】 次いで、支持部17の支持筒25に支柱12を挿入し、ボルト穴27に通しボ ルトを通して、支持筒25と支柱12とを固定する。このとき、通しボルトを締 めると、スリット28の部分が撓んで支持筒25の内側寸法が小さくなる。これ により、支柱12が強く締め付けられて支持部17に堅固に固定される。
【0034】 また、杭部16はコンクリートづめされる場合もある。この場合は、杭部16 を埋めてその上からコンクリートを流し込んで、コンクリートづめにする。コン クリートが固まったところで支持部17を取り付けて支柱12を挿入し、ボルト を締める。
【0035】 このとき、杭部16が回転したり、傾いたりした状態で固定されたときは、上 記同様にしてボルト穴26及び凸部30が、この回転や傾きを吸収する。
【0036】 さらに、杭部16がコンクリートづめされると、三角板材18の表面にコンク リートが接着してこの三角板材18を固定する。さらに、この三角板材18のコ ンクリート用穴21の部分では、三角板材18をその両側から挟むコンクリート がこのコンクリート用穴21で互いに結合してさらに堅固に三角板材18を固定 する。
【0037】 [効果] 以上のように、杭部16の三角板材18にコンクリート用穴21を設けたので 、杭部16をコンクリートづめにすると、三角板材18の両側から挟むコンクリ ートがコンクリート用穴21で互いに結合して堅固に三角板材18を固定する。 これにより、杭部16に横から衝撃が加わっても、ずれて抜け落ちることがなく なる。
【0038】 支持部17の上側平板24に凸部30を設けると共に、凸部30の周囲の4箇 所にボルト穴22,26を設けてボルトで固定するようにしたので、杭部16が 垂直に対して傾いしまったときでも、支持部17を垂直に維持した状態で固定す ることができる。
【0039】 上側平板24のボルト穴26を長穴状に形成したので、杭部16を地中に打ち 込み、又はコンクリートづめにしたときに、杭部16が垂直に保たれた状態で多 少回転してしまっても、ボルト穴26がこのずれを吸収する。このため、杭部1 6が回転しても支持部17を正常な角度に維持した状態で固定することができる 。
【0040】 また、支持部17の支持筒25にスリット28を設けたので、ボルト穴27に 通した通しボルトを締め付けることで、支持筒25がスリット28の部分で撓ん で、支柱12を締め付けて、堅固に固定することができる。
【0041】 以上により、支柱用支持具15が支柱12を安定して支持することができるよ うになる。
【0042】 [第2実施形態] 次の本考案の第2実施形態について説明する。図6は本実施形態に係る支柱用 支持具の斜視図である。
【0043】 本実施形態の支柱用支持具41は、コンクリートブロック42に固定する態様 の支柱用支持具である。この支柱用支持具41は主に、基部43と、支持筒44 とから構成されている。
【0044】 基部43は、コンクリートブロック42を挟むように断面コ字状に形成されて いる。この基部43の一側壁には、基部43をコンクリートブロック42に堅固 に固定するための締結具としてのボルト46が2つ設けられている。
【0045】 支持筒44は、支柱12の下端を嵌合して支持する部材である。この支持筒4 4は基部43の上側に一体的に取り付けられている。支持筒44の対向する2つ の壁面には、支持筒44に支柱12の下端が嵌合した状態で支柱12を支持筒4 4側に固定する通しボルト用のボルト穴47が設けられている。さらに、支持筒 44には、ボルト穴47に通される通しボルトと交叉する方向の壁部に対向して 2つのスリット48が設けられている。このスリット48は、支持筒44の縦方 向のほぼ全長に亘って形成され、通しボルトで締め付けることにより支持筒44 を撓ませることができるようになっている。即ち、通しボルトで締め付けられる 支持筒44が撓んで内側寸法が小さくなり、支柱12を強く締め付けて堅固に固 定することができるようになっている。
【0046】 [動作] 以上のように構成された支柱用支持具41では、コンクリートブロック42を 挟むようにして基部43を取り付け、2つのボルト46をねじ込む。これにより 、基部43がコンクリートブロック42に堅固に固定される。
【0047】 次いで、支持筒44に支柱12の下端を嵌合して通しボルトをボルト穴47に 通して締め付ける。これにより、支持筒44が締め付けられ、スリット48の部 分で支持筒44が撓んで内側寸法が小さくなる。これにより、支持筒44が支柱 12を締め付けて、堅固に固定する。
【0048】 [効果] ボルト穴47に通した通しボルトを締め付けることで、支持筒44がスリット 48の部分で撓んで、支柱12を堅固に固定するため、支柱用支持具41が支柱 12を安定して支持することができるようになる。
【0049】 さらに、支柱用支持具41はコンクリートブロック42に固定されると共に、 コンクリートブロック42はどこにでも設置することができるため、どこにでも 簡単に柵11を設けることができる。
【0050】 [変形例] (1) 上記第1実施形態では、杭部16の下側平板19と支持部17の上側平 板24とにボルト穴22,26をそれぞれ設けたが、下側平板19にはボルト穴 22を設けずに埋め込み式のボルトを設けてもよい。この場合、このボルトをボ ルト穴26に通して、ボルトにナットを取り付けて締め付けることになる。また 、ボルト穴22にナットを設けてもよい。この場合、ボルトをボルト穴26に通 してボルト穴22のナットに取り付ける。この場合も、上記実施形態同様の作用 、効果を奏することができる。
【0051】 (2) 上記第1実施形態では、支持部17の上側平板24に設けたボルト穴2 6を長穴状に形成したが、杭部16の下側平板19のボルト穴22を長穴状にし てもよい。また、両方ともに長穴状にしてもよい。この場合も、上記実施形態同 様の作用、効果を奏することができる。
【0052】 (3) 上記第1実施形態では、ボルト穴26を長穴状に形成したが、円形で大 径の穴にしてもよい。この場合は、この大径の穴を塞ぐことができる大きさのワ ッシャが取り付けられ、ボルトが大径の穴から抜け落ちないようになっている。 これにより、杭部16が地面に打ち込まれるときに回転した場合、支持部17と の間での角度のずれを吸収する。さらに、ボルト穴26を大径の穴にした場合、 支持部17を横方向にずらすことができるため、2つの杭部16の間隔が柵11 の2本の支柱12の間隔に対してずれた場合でも、そのずれを吸収することがで きるようになる。これにより、間隔がずれた2つの杭部16に対して支持部17 を正常な間隔に維持した状態で固定することができる。
【0053】 (4) 上記第1実施形態では、杭部16の三角板材18に設けられるコンクリ ート用穴21の数を1つだけにしたが、2つ以上設けてもよいことは言うまでも ない。また、コンクリート用穴21を設ける位置も、三角板材18の上部に限ら ず、他の位置に設けてもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏 することができる。
【0054】 (5) 上記各実施形態では、支持筒25,44を四角筒状にしたが、これに限 らず、支柱12の形状に合わせて、円筒状や三角形状等の他の形状でもよい。こ の場合、支持筒の形状に応じてスリットを1つ又は2つ以上設ける。例えば、支 持筒が円形の場合は、1箇所にスリットを設けるだけで、ボルト締めにより内径 が小さくなり、支柱12を固定することができる。最も効率的に支柱12を固定 できる数及び位置に設定する。
【0055】 (6) 上記第1実施形態では、ボルト穴22,26を4つ設けたが、3つ又は 5つ以上設けてもよい。少なくとも凸部30の周囲の3箇所の位置をボルトで固 定すると、全体を安定させることができる。5箇所以上の位置をボルトで固定す ると、強固に固定することができる。
【0056】 (7) 上記第1実施形態では、支持部17の上側平板24に凸部30を設ける と共に杭部16の下側平板19に凹部23を設けたが、これと逆に、上側平板2 4に凹部23を、下側平板19に凸部30を設けてもよい。
【0057】 また、凹部23を設ければ、凸部30が嵌合して安定するが、ボルトで固定し た後はあまり影響しないため、凹部23を省略してもよい。
【0058】 これらの場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0059】 (8) 上記第1実施形態では、下側平板19及び上側平板24を四角形状に形 成したが、図7及図8に示すように下側平板51及び上側平板52を円形状にし てもよい。円形の場合は、杭部16が回転してしまったときでも、四角形の下側 平板19及び上側平板24の場合のようにずれることがなく、何度回転しても円 形のままで整合状態を保つことができ、見栄えが優れている。
【0060】 また、図9及び図10に示すように八角形状にしてもよい。さらに、五角形、 六角形等の多角形でもよい。これらの場合も、上記実施形態同様の作用、効果を 奏することができる。
【0061】 なお、図7及図8においては、ボルト穴53に4本のボルト54を取り付け、 ボルト穴56に通しボルト57を取り付けた状態を示している。通しボルト57 の両側には、ワッシャ58を設けている。また、図9及び図10においては、ボ ルト穴59に、ワッシャ60を介して通しボルト61を取り付けた状態を示して いる。
【0062】
【考案の効果】
以上、詳細に説明したように本考案によれば次のような効果を奏することがで きる。
【0063】 (1) 杭部のうち、地中に食い込む方向に延びた板材にコンクリート用穴を設 けたので、コンクリートづめにされた杭部の板材の両側から挟むコンクリートが コンクリート用穴で互いに結合して板材を固定し、杭部が堅固に固定される。こ の結果、杭部へ横から衝撃が加わった場合でも、杭がずれて抜け落ちることがな くなる。
【0064】 (2) 下側平板又は上側平板の一方の中央部に凸部を有すると共に、下側平板 及び上側平板のうち上記凸部の周囲に通しボルト用のボルト穴を3つ以上それぞ れ設けたので、杭部が垂直に対して傾いしまったときでも、支持部を垂直に維持 した状態で確実に固定することができる。
【0065】 (3) 下側平板又は上側平板の一方又は両方にボルト穴を複数個有すると共に 、これらのボルト穴のうち少なくとも一方の平板のボルト穴を長穴状に形成した ので、杭部を地中に打ち込み、又はコンクリートづめにしたときに、杭部が垂直 に保たれた状態で多少回転してしまっても、長穴状のボルト穴がこのずれを吸収 する。この結果、杭部が回転しても支持部を正常な角度に維持した状態で固定す ることができる。
【0066】 また、ボルト穴を大径に形成した場合、地中に打ち込み又はコンクリートづめ にした2つの杭部の間隔が、柵等の2本の支柱の間隔とずれてしまったときでも 、大径のボルト穴がこのずれを吸収する。この結果、2つの杭部の間隔がずれて も支持部を正常な間隔に維持した状態で固定することができる。
【0067】 (4) 支持筒のうち通しボルトと交叉する方向の壁部の1箇所又は対向する2 箇所以上にスリットを設けたので、ボルト穴に通した通しボルトを締め付けるこ とで、支持筒がスリットの部分で撓んで、支柱を締め付けて、堅固に固定するこ とができる。
【0068】 (5) ブロックを挟んで締結具で堅固に固定される基部を設けたので、ブロッ クに簡単にかつ確実に支柱用支持具を取り付けることができ、どこにでも簡単に 柵等を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施形態に係る支柱用支持具を示
す斜視図である。
【図2】従来の支柱用支持具を示す斜視図である。
【図3】柵を示す斜視図である。
【図4】柵の取り付け時に生じるずれを示す模式図であ
る。
【図5】本考案の第1実施形態に係る支柱用支持具の杭
部と支持部との接合部分を示す正面断面図である。
【図6】本考案の第2実施形態に係る支柱用支持具を示
す斜視図である。
【図7】本考案の第1変形例に係る支柱用支持具の支持
部を示す平面図である。
【図8】本考案の第1変形例に係る支柱用支持具の支持
部を示す正面図である。
【図9】本考案の第2変形例に係る支柱用支持具の支持
部を示す平面図である。
【図10】本考案の第2変形例に係る支柱用支持具の支
持部を示す正面図である。
【符号の説明】
11:柵、12:支柱、15:支柱用支持具、16:杭
部、17:支持部、18:三角板材、19:下側平板、
21:コンクリート用穴、22:ボルト穴、23:凹
部、24:上側平板、25:支持筒、26,27:ボル
ト穴、28:スリット、30:凸部、41:支柱用支持
具、42:コンクリートブロック、43:基部、44:
支持筒、46:ボルト、47:ボルト穴、48:スリッ
ト。

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に打ち込む杭部と、この杭部の上側
    に取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支持す
    る支持部とを備えて構成された支柱用支持具において、 上記杭部が、地中に食い込む方向に延びた板材を有し、
    この板材にコンクリート用穴を設けたことを特徴とする
    支柱用支持具。
  2. 【請求項2】 地中に打ち込む杭部と、この杭部の上側
    に取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支持す
    る支持部とを備えて構成された支柱用支持具において、 上記杭部の上端に下側平板を有すると共に上記支持部の
    下端に上記下側平板と面した状態で上側平板を有し、 上記下側平板又は上側平板の一方の中央部に凸部を有す
    ると共に、下側平板又は上側平板の一方又は両方でかつ
    上記凸部の周囲にボルト穴を3つ以上それぞれ有するこ
    とを特徴とする支柱用支持具。
  3. 【請求項3】 地中に打ち込む杭部と、この杭部の上側
    に取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支持す
    る支持部とを備えて構成された支柱用支持具において、 上記杭部の上端に下側平板を有すると共に上記支持部の
    下端に上記下側平板と面した状態で上側平板を有し、 上記下側平板又は上側平板の一方又は両方にボルト穴を
    複数個有すると共に、これらのボルト穴のうち少なくと
    も一方の平板のボルト穴を長穴状又は大径に形成したこ
    とを特徴とする支柱用支持具。
  4. 【請求項4】 地中に打ち込む杭部と、この杭部の上側
    に取り付けられた状態でその上方に延びる支柱を支持す
    る支持部とを備えて構成された支柱用支持具において、 上記支持部が、上記支柱の下端を嵌合して支持する支持
    筒を有すると共に、この支持筒に支柱の下端が嵌合した
    状態で支柱を支持筒に固定する通しボルト用のボルト穴
    を上記支持筒の対向する2箇所に設け、 上記支持筒のうち上記通しボルトと交叉する方向の壁部
    の1箇所又は対向する2箇所以上にスリットを設けたこ
    とを特徴とする支柱用支持具。
  5. 【請求項5】 ブロックを挟むように断面コ字状に形成
    されると共に、ブロックに堅固に固定するための締結具
    を有する基部と、 この基部の上側に一体的に取り付けられ、上記支柱の下
    端を嵌合して支持する支持筒と、 この支持筒の対向する2箇所に設けられ、支持筒に支柱
    の下端が嵌合した状態で支柱を支持筒に固定する通しボ
    ルト用のボルト穴と、 上記支持筒のうち上記通しボルトと交叉する方向の壁部
    の1箇所又は対向する2箇所以上に設けられたスリット
    とを備えて構成されたことを特徴とする支柱用支持具。
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