JP3060374B2 - 羽根車に安定化リングを有する流体トルクコンバータ - Google Patents

羽根車に安定化リングを有する流体トルクコンバータ

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JP3060374B2
JP3060374B2 JP8217523A JP21752396A JP3060374B2 JP 3060374 B2 JP3060374 B2 JP 3060374B2 JP 8217523 A JP8217523 A JP 8217523A JP 21752396 A JP21752396 A JP 21752396A JP 3060374 B2 JP3060374 B2 JP 3060374B2
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ルタート・シュナイダー
ペーター・フォラント
ラインホルト・ヴェケェサー
ハンス−ヴィルヘルム・ヴィーンホルト
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マンネスマン ザックス アクチエンゲゼルシャフト
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、個々の羽根を備え
たステータ羽根車、ポンプ羽根車及びタービン羽根車の
形の羽根車を含み、これらの羽根が外壁と結合されてお
り、圧力媒体がポンプ羽根車からタービン羽根車に至る
流路に沿って流れてステータ羽根車を介して再びポンプ
羽根車に供給され、この圧力媒体によってポンプ羽根車
からタービン羽根車へとトルクを伝達可能となってお
り、かつ、少なくとも1つの羽根車が少なくとも1個の
安定化リングを含み、このリングが個々の羽根の自由縁
でこれら羽根を結合しており、流動損失を減らすために
圧力媒体の流路が安定化リングによって調節される形式
の流体トルクコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばドイツ連邦共和国特許第39 3
8 724号により、羽根車の羽根が半径方向内壁と半
径方向外壁とに結合された流体トルクコンバータが公知
である。これらの壁が全体で内側トーラスと外側トーラ
スとを形成し、内側トーラスはポンプ羽根車及びタービ
ン羽根車の半径方向内壁とステータ羽根車の半径方向外
壁とによって形成される。個々の羽根の相互間隔も固定
されているように、この内側トーラスが羽根車の個々の
羽根を結合し、これにより羽根車は高い安定性を得る。
更に、作動液体の流路は内側トーラスによって大部分が
内側トーラスと外側トーラスとの間の範囲に限定され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固定構成される内側ト
ーラスを有する流体トルクコンバータでは、欠点とし
て、内側トーラスを製造するためにまず材料を適切に成
形し、引き続き羽根と強固に結合するために、多くの工
程と材料が必要である。
【0004】本発明の課題は、材料需要、重量、及び製
造時に必要となる工程を減らし、流路損出の少ない安定
した流路を備えたトルクコンバータを提出することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
れば、前記安定化リングが、両側の末端を結合すること
でリング形状となる金属帯板から製造されており、最適
な流路を実現するために、前記安定化リングの少なくと
も1個が、横断面においてL形であり、更に、少なくと
も別の1個が、断面においてコンバータ回転軸線に沿っ
て平行に配設されていることによって解決される。
【0006】このような安定化リングの構成並びに配置
によって羽根車の羽根は自由縁が結合され、一方で羽根
車の所要の安定性が確保され、他方で流動損失を減らす
ことが可能となり、その結果、安定した流路が画成され
る。
【0007】希望する流路上での圧力媒体用流路の安定
化は、トルクコンバータの効率がそれに決定的に依存し
ているので、安定化リングの大切な働きでもある。かか
る安定化リングを上記した位置に配設する事で、圧力媒
体は、回転するポンプ羽根車から遠心力に基づいて半径
方向外方へと流れる。半径方向外側範囲において圧力媒
体の大半は、ポンプ羽根およびその自由縁に回転軸線と
平行に、即ち回転軸線を中心として軸方向に伸びるよう
に結合された1個の安定化リングによって転向されて、
流入口の内縁がL形横断面を備えかつ実質的に回転軸線
と平行にタービン羽根に結合された同様の安定化リング
によって画成されたタービン羽根車に直接流入し、この
液体流によってタービン羽根車が駆動される。こうして
トルクがタービン羽根車に伝達される。
【0008】例えば安定化リングがポンプ羽根車に配置
されている場合、ポンプ羽根車は作動液体の流路をこの
ような進路上で効率良く転向して、できるだけ大きなト
ルクが伝達可能となるようにしなければならない。
【0009】前記利点に基づいて、複数の安定化リング
を利用するのが有利である。安定化リングの利用が特に
有利である羽根車を決定することができるように、各羽
根車で1個の安定化リングを利用することが可能であ
る。
【0010】少なくとも3個の安定化リングを利用する
ことで内側トーラスは完全にこれらのリングに取り替え
ることができ、すなわちコアレストルクコンバータが得
られる。
【0011】羽根を受容するために設けられる各安定化
リングの凹部によって安定化リングと羽根車の羽根との
間で嵌め合い結合を実現すると、特に有利である。これ
らの結合は、単にはんだ箇所と溶接箇所とによって実現
されている安定化リングと羽根との間の結合よりも大き
な耐久性を提供する。これらの凹部は、安定化リングの
羽根車に対向する縁に設けることができる。これにより
安定化リングは羽根車に差込可能である。こうして安定
化リングの位置が取り合えず固定され、そのことでその
後の半田付け、溶接等の各種製造工程が容易になる。
【0012】安定化リングの材料および材質として金属
板が適しており、この金属板から例えば切断又は打抜き
によって細長い金属帯板が得られる。これらの金属帯板
は両方の末端を結合することでリング形状となる。金属
帯板を製造するとき、打抜き工程又は切断工程において
所定の凹部を同時に形成することができる。
【0013】安定化リングは他の技術を適用して製造す
ることもできる。例えば、ステータ羽根車の安定化リン
グは鋳造技術で製造することができる。ステータ羽根車
を鋳造技術で製造する場合、その安定化リングは僅かな
出費超過で、ステータ羽根車の製造時に例えば半径方向
及び軸方向金型スライダを使用することによって一緒に
製造することができる。
【0014】安定化リングをその利用場所に適合させる
ように適当な形状に成形すると特に有利であることが判
明した。特に軸方向で安定化リングの半径を変更するこ
とによって流体トルクコンバータの効率を高めることが
できる。適宜な曲率によって流路を所定の進路に適切に
強いることができる。最も一般的な横断面形状はL形と
U形である。
【0015】L形横断面の安定化リングをポンプ羽根車
及びタービン羽根車に適用すると有利である。特定の利
用分野(例えば始動補助手段)では、軸方向で半径の一
定した安定化リングを使用すれば十分である。U形横断
面形状はステータ羽根車の場合圧力媒体の流路を安定化
するのに特に有利である。
【0016】ステータ羽根車でも、簡単に製造可能且つ
組付可能なL形安定化リングを利用すれば幾つかの適用
事例では十分であるが、但し圧力媒体の流路がもはや最
適ではなくなり、その結果効率が低下する。軸方向で可
変半径を有するこのような安定化リングは、例えば、金
属薄板を閉じてリングとするよりも前にその長手縁に沿
って金属薄板を曲げ又は巻込むことによって製造可能で
ある。
【0017】U形安定化リングは、2個のL形安定化リ
ングをその相対向する軸方向境界稜を形成する長手縁に
沿って結合することによっても製造可能である。
【0018】
【実施例】本発明に係わる一実施例が添付図面の図1〜
3に示してあり、これら図面に沿って以下に詳しく説明
する。最初に、本発明による流体トルクコンバータ1の
基本構造を図1に基づいて説明する。図示されたトルク
コンバータ1はポンプ羽根車7とタービン羽根車9とス
テータ羽根車11とを含み、これらがそれぞれ個々の羽
根8、10、12を含む。これらの羽根8、10、12
はそれぞれ2つの縁8a、8b;10a、10b;12
a、12bが固定されている。一方の縁8a、10a、
12aでは,羽根は壁と嵌め合い結合されており、羽根
車の壁が全体でトーラスを形成する、所謂「コアレスト
ルクコンバータ」である。
【0019】羽根8、10、12は壁によって限定され
るトーラス容積の内部にある。これらの壁とは反対の側
の羽根8、10、12の縁8b、10b、12bにはそ
れぞれ「コア」の代わりに整流板として作用する各1個
の安定化リング19、21、23が配置されている。こ
れらの安定化リング19、21は、安定化リング19、
21の凹部29によって実現される嵌め合い結合によっ
て当該羽根車7、9の羽根8、10と正確かつ確実に結
合されている。
【0020】各羽根車7、9が静止しているとき、安定
化リング19、21が成形される金属帯板25の凹部2
9の間隔30は受容されるべき羽根稜8b、10bの間
隔に一致する。個々の安定化リング19、21、23の
横断面形状はそれらに要求される条件に応じて変化す
る。ポンプ羽根車7の安定化リングの横断面はこの場合
直方体形状であり、コンバータの回転軸線14と軸平行
に延びている。それに対してタービン安定化リング21
の横断面はL形であり、各羽根に結合された脚部21b
は、コンバータの回転軸線14に垂直に配置されてい
る。
【0021】従って、コンバータの回転軸線14に対し
て、残りの脚部21aは平行に延びている。ステータ羽
根車の安定化リング23はU形横断面であり、このU形
々状は、互いに平行に対向する2枚の側壁部分23aを
これらを相互に連結するリング部分23bと共に、半径
方向外方に向けて開口し、また、軸平行に延びるこのリ
ング部分23bはステータ羽根12の境界稜12bを完
全に覆う。
【0022】図1に示す体トルクコンバータの機能様
式を以下簡単に説明する。流体トルクコンバータ1は、
タービン羽根車の出力軸に比べて原動機のトルクも回転
数も変換することができる。コンバータハウジング5と
捩り剛性に結合される連行子3を介してポンプ羽根車7
は原動機回転数で回転する。この回転運動によって作動
液体は羽根8の間で遠心力によって外方に押される。
【0023】遠心力と羽根形状とによって決まる流路は
ポンプ羽根車7の安定化リング19によって、その外方
区域に画定される。タービン羽根車9は大きく湾曲した
タービン羽根10内での偏向によって作動液体の流動エ
ネルギをトルクに変換し、作動液体が半径方向内方に逃
げることはL形断面形状の安定化リング21によって防
止される。タービン羽根車9とポンプ羽根車7との間で
一方向クラッチ16にステータ羽根車11が嵌着されて
いる。
【0024】ステータ羽根車11はコンバータハウジン
グ5と同じ回転方向にのみ、即ち原動機と同じ回転方向
に、回転することができる。タービン羽根車9から来る
作動流がステータ羽根車11に衝突する。ステータ羽根
12が作動液体の流動方向とは逆に湾曲しており、遮断
された一方向クラッチ16によってステータ羽根車11
が抵抗するので、作動液体は転向されて、好ましい角度
でポンプ羽根車7に再び供給される。作動液体が軸方向
で横に逃げることはステータ羽根車11の安定化リング
23によって防止される。安定化リングのさまざまな横
断面形状はこれらにその都度要求される条件によって決
定される。
【0025】ポンプ羽根車7とタービン羽根車9との間
の回転数差が大きければ大きいほど大きくなるトルク変
換が達成される。従ってトルク変換は始動時に最大とな
る。タービン羽根車9の回転数が増すのに伴って流路は
タービン羽根車9自身の回転運動が重なることによって
作動液体の流入方向で益々平坦になる。こうしてトルク
増強が無段階式に減少する。ポンプ羽根車7とタービン
羽根車9との間の回転数差が減少するのに伴って作動液
体の流路は、ステータ羽根12が裏面の方から流れを受
けるまでに変化する。ステータ羽根車11はタービン羽
根車9及びポンプ羽根車7と同じ方向に一緒に回転し始
める。1方向での一方向クラッチ16の遮断効果は解消
されている。
【0026】
【発明の効果】本発明による羽根車に安定化リングを有
する流体トルクコンバータは上記した如き構成を有する
ので、所要材料量、重量および製造工程数を削減するこ
とが可能であり、しかも流路損出も少なく大きなトルク
伝達が可能であると言った効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3個の安定化リングを有する流体トルクコンバ
ータの上半分の断面図である。
【図2】安定化リングの展開図である。
【図3】巻込みに適した凹部を備えただけの図2と同様
の図である。
【符号の説明】
1 流体トルクコンバータ 3 連行子 5 ハウジング 7 ポンプ羽根車 8 ポンプ羽根 8a、8b 羽根の縁 9 タービン羽根車 10 タービン羽根 10a、10b 羽根の縁 11 ステータ羽根車 12 ステータ羽根 12a、12b ステータ羽根の縁 13 出力軸(図示せず) 14 コンバータの回転軸線 15 タービンハブ 16 一方向クラッチ 17 ステータハブ 18 自由内縁 19 ポンプ羽根車の安定化リング 21 タービン羽根車の安定化リング 21a、21b 脚部 23 ステータ羽根車の安定化リング 23a 脚部 23b U形安定化リングの軸平行部分 25 金属帯板 27 端側結合 29 凹部 30 間隔 31 長手縁 33 長手縁 35 L形安定化リング 37 U形安定化リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴィルフリート・グロック ドイツ連邦共和国 ディッテルブルン、 アム ゼー 2 (72)発明者 リューディガー・ヒンケル ドイツ連邦共和国 レートライン−ハイ デンフェルト、アイヒェンヴェク 1 (72)発明者 ルタート・シュナイダー ドイツ連邦共和国 バート・ケーニヒス ホーフェン、ライフアイゼンシュトラー セ 55 (72)発明者 ペーター・フォラント ドイツ連邦共和国 ランヌンゲン、ヴィ ーゼンシュトラーセ 17 (72)発明者 ラインホルト・ヴェケェサー ドイツ連邦共和国 ゼンフェルト、コン ラート ヴァーグナー−シュトラーセ 16 (72)発明者 ハンス−ヴィルヘルム・ヴィーンホルト ドイツ連邦共和国 シュヴァインフル ト、マティーアス−グリューネヴァルト −リング 26 (56)参考文献 特開 平7−127708(JP,A) 特開 平8−21510(JP,A) 実開 昭62−179459(JP,U) 実開 昭63−101360(JP,U) 特公 昭54−14261(JP,B2) 実公 平5−47887(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 41/26 - 41/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個々の羽根を備えたステータ羽根車、ポ
    ンプ羽根車及びタービン羽根車の形の羽根車を含み、こ
    れらの羽根が外壁と結合されており、圧力媒体がポンプ
    羽根車からタービン羽根車に至る流路に沿って流れてス
    テータ羽根車を介して再びポンプ羽根車に供給され、こ
    の圧力媒体によってポンプ羽根車からタービン羽根車へ
    とトルクを伝達可能となっており、かつ、少なくとも1
    つの羽根車(7、9、11)が少なくとも1個の安定化
    リング(19、21、23)を含み、このリングが個々
    の羽根(8、10、12)の自由縁(18)でこれら羽
    根を結合しており、流動損失を減らすために圧力媒体の
    流路が安定化リングによって調節される形式の流体トル
    クコンバータにおいて、 前記安定化リング(19、21、23)が、両側の末端
    (27)を結合することでリング形状となる金属帯板
    (25)から製造されており、 最適な流路を実現するために、前記安定化リングの少な
    くとも1個(21)が、横断面においてL形であり、 更に、少なくとも別の1個(19)が、断面においてコ
    ンバータ回転軸線(14)に沿って平行に配設されてい
    ることを特徴とする流体トルクコンバータ。
  2. 【請求項2】 ポンプ羽根車(7)が、L形の横断面を
    有する安定化リング備えていることを特徴とする請求項
    1に記載の流体トルクコンバータ。
  3. 【請求項3】 タービン羽根車(9)が、L形の横断面
    を有する安定化リング備えていることを特徴とする請求
    項1に記載の流体トルクコンバータ。
  4. 【請求項4】 もう1つの安定化リング(23)が、ス
    テータ羽根(12)の半径方向外端部結合しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の流体トルクコンバー
    タ。
  5. 【請求項5】 タービン羽根車(9)およびステータ羽
    根車(11)がそれぞれ1個のL形横断面の安定化リン
    グ(21)を備えていることを特徴とする請求項1に記
    載の流体トルクコンバータ。
  6. 【請求項6】 ステータ羽根車(11)が、ステータ羽
    根(12)の半径方向外端部にU形安定化リング(2
    3)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の流
    体トルクコンバータ。
  7. 【請求項7】 製造技術の簡素化のために、U形安定化
    リング(23)が、長手縁(31)で互いに結合可能な
    L形横断面の2個のリングを合体することにより製造さ
    れることを特徴とする請求項4または5に記載の流体ト
    ルクコンバータ。
JP8217523A 1995-10-26 1996-08-19 羽根車に安定化リングを有する流体トルクコンバータ Expired - Lifetime JP3060374B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19539814A DE19539814C2 (de) 1995-10-26 1995-10-26 Hydrodynamischer Drehmomentwandler mit Stabilisierungsring an den Schaufelrädern
DE195-39-814-9 1995-10-26

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JPH09137856A JPH09137856A (ja) 1997-05-27
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US (1) US5813227A (ja)
JP (1) JP3060374B2 (ja)
DE (1) DE19539814C2 (ja)
ES (1) ES2138505B1 (ja)
FR (1) FR2740524B1 (ja)
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