JP3058385U

JP3058385U - 壁パネルおよび組立てパネルの目地部構造

Info

Publication number: JP3058385U
Application number: JP1998007963U
Authority: JP
Inventors: 正則小野
Original assignee: 正則小野
Priority date: 1998-10-12
Filing date: 1998-10-12
Publication date: 1999-06-18
Anticipated expiration: 2004-10-12

Abstract

(57)【要約】【課題】本考案は、折曲げ成形した接合部材および目
地形成部材と一体成型した壁パネルを用いることによ
り、簡易な下地材を利用でき、隣接するパネルとの接合
が簡単で、防水を確実にする目地構造を提供する。【解決手段】パネル本体１の一辺に、本体よりほぼ直
角に折り曲げた広幅の側部2aと、該側部2aよりほぼ直角
に立設した立上げ部3aと、該部材3aよりほぼ直角に折り
曲げた折返し部4aとを一体形成したパネル接合部材Ａを
連設し、対向辺に、前記一辺と同様であるが側部2aより
狭幅の側部2bを有するパネル接合部材Ｂを連設し、また
前記パネル本体１の別の対向する一辺に、本体よりほぼ
直角に折り曲げた広幅の側部5cと、該部材5cより直角に
折り曲げた折返し部6cとを一体に形成した目地形成部材
Ｃを連設すると共に、対向する他辺には前記一辺の側部
5cより狭幅の側部5dを有する目地形成部材Ｄを連設した
壁パネル。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、金属や合成樹脂等の板材で形成される壁パネルに関するものであり、また、この壁パネルをビル等の建造物の表面に張りめぐらして設置する場合の、隣接するこの壁パネルの目地部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ビル等の建造物表面の壁用ライニングに、セラミックスタイルやプラスチックス等の化粧材を用いたり、また、金属化粧板（パネル）が使用されている。壁用金属化粧パネルは特別な構造の下地材を組み込んだ上に取り付けられ、隣接するパネルはその端部同士を重ね合わせて、或いは端部を折り曲げて接合し、目地部分を形成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述したように、従来構造物の表面に壁材として金属化粧パネルを取り付けるにあたり、使用される下地材は、パネル材を支持するために大型の構造体で構成されるため製造コストが高く、構造も複雑であった。また、パネル間の目地部での防水が、必ずしも確実に行われているとは限らないという問題があった。

【０００４】本考案は上記の問題を解消するものであって、折曲げ成形した接合部材および目地形成部材と一体形成した壁パネルを用いることにより、簡易な下地材の利用を可能とすると共に、隣接するパネルとの接合が簡単であり、防水を確実にする目地構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は以下の構成を要旨とする。 (１) 四角形状パネル本体１の一辺に、本体よりほぼ直角に折り曲げた広幅の側部２ａと、該側部２ａよりほぼ直角に立設した立上げ部３ａと、該部材３ａよりほぼ直角に折り曲げた折返し部４ａとを一体に形成したパネル接合部材Ａを連設すると共に、対向する他辺に、本体よりほぼ直角に折り曲げた前記一辺の側部２ａより狭幅の側部２ｂと、該側部２ｂよりほぼ直角に立設した立上げ部３ｂと、該部材より直角に折り曲げた折返し部４ｂとを一体に形成したパネル接合部材Ｂを連設し、また、前記四角形状パネル本体１の別の対向する一辺に、本体よりほぼ直角に折り曲げた広幅の側部５ｃと、該部材５ｃより直角に折り曲げた折返し部６ｃとを一体に形成した目地形成部材Ｃを連設すると共に、対向する他辺に、本体よりほぼ直角に折り曲げた前記一辺の側部５ｃより狭幅の側部５ｄと、該部材５ｄよりほぼ直角に折り曲げた折返し部６ｄとを一体に形成した目地形成部材Ｄを連設したことを特徴とする壁パネル。 (２) 前項 (１) に記載の壁パネルを複数枚下地材に固定して組立てパネルを形成するに際し、パネル接合部材Ａに隣接する壁パネルのパネル接合部材Ｂを組み込んで折返し部４ａと折返し部４ｂを重ねて下地材に固定すると共に、立上げ部３ａと立上げ部３ｂで空隙８を形成してなることを特徴とする組立てパネルの目地部構造。 (３) 前記空隙８に防水材を充填したことを特徴とする前項 (２) 記載の組立てパネルの目地部構造。 (４) 前項 (２) に記載の組立てパネルを並設し、目地形成部材Ｃに隣接する目地形成部材Ｄを組み込み、折返し部６ｃと折返し部６ｄで空隙９を形成してなることを特徴とする前項 (２) 記載の並設した組立てパネルの目地部構造。 (５) 前記空隙９に防水材を充填したことを特徴とする前項 (４) 記載の並設した組立て壁パネルの目地部構造。

【０００６】本考案の壁パネル１は塗覆亜鉛鉄板、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン等の金属、或いは合成樹脂等から作られた四辺形状の板を本体とし、このパネル本体の一の対向する辺のそれぞれに逆Ｚ字状形状を有する接合部材ＡとＢを、他の対向する１辺にＬ字状形状を有する接合部材Ｃと他辺に逆Ｌ字状形状を有する接合部材Ｄを、本体１に一体に形成する。

【０００７】このような接合部材を有する壁パネルを複数枚下地部材に取り付けて、組立てパネルを構成し、或いはさらにこの組立てパネルを構造物の壁面に並設することにより、隣接する壁パネルの接合部材間に空隙を形成し、該空隙には防水材を充填することにより、防水性の優れた目地を容易に形成することが可能となる。

【０００８】

【発明の実施の形態】

以下本考案を図に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図１は本考案の壁パネルの斜視図、図２（ａ）は図１のＩ−Ｉ線断面図、図２（ｂ）は図１のII−II線断面図である。図において１は四辺形状のパネル本体であり、その一辺にはパネル接合部材Ａを、その対向辺にはパネル接合部材Ｂを一体に設けている。壁パネル本体１の他の一辺には目地形成部材Ｃを、また、その対向辺には目地形成部材Ｄを一体に形成している。

【０００９】パネル接合部材Ａは、図２（ａ）に示すように、パネル本体１の一辺にほぼ直角に折り曲げた所定幅の側部２ａと、この側部２ａよりほぼ直角に立ち上げた所定高さの立上げ部３ａと、さらにこの立上げ部３ａよりほぼ直角に折り曲げた折返し部４ａとからなり、これらが一体に形成されている。ほぼ直角とは、厳格な意味での直角のみでなく、直角に近い角度であれば良いことを意味している。以下の説明においても同様な意味に用いている。パネル接合部材Ｂは、図２（ａ）に示すように、上記一辺と対向する辺に側部２ｂと、立上げ部３ｂと、折返し部４ｂとを一体の形成し、上記パネル接合部材Ａと同様の形状に構成しているが、側部２ｂは側部２ａより狭幅の部材としている。一方、立上げ部３ｂは立上げ部３ａと同一幅とするのが好ましい。

【００１０】目地形成部材Ｃは、図２（ｂ）に示すように、パネル本体１の別の一辺にほぼ直角に折り曲げた側部５ｃと、該部材５ｃよりほぼ直角に折り曲げた折返し部６ｃとを一体に形成してなる。目地形成部材Ｄは、図２（ｂ）に示すように、上記別の一辺と対向する辺にほぼ直角に折り曲げた側部５ｄと、該部材５ｄよりほぼ直角に折り曲げた折返し部６ｄとを一体に形成しているが、側部５ｄは側部５ｃより狭幅の部材とする。

【００１１】上記構成の壁パネル１は図３に示すように下地材７に組み込み、組立てパネル１２を作成する。下地材７は図３（ｂ）に示すように、縦枠７ａと複数の横桟７ｂからなり、この枠と桟は図の例ではＣ型或いはコ字型の溝形鋼を採用している。しかし、下地材はこのような構成に限定するものでなく、他の部材や形状とすることは一向に差支えない。図３（ｃ）は下地材７に壁パネル１を組み込んだ組立てパネル１２を示す。

【００１２】次に、パネル接合部の組立て構造を説明する。図４は組立てパネル１２を並列して組立てた一部の表面図であり、同図のＸ− Ｘ断面、Ｙ−Ｙ断面を図５および図６に示した。

【００１３】図５は横目地の断面図であり、壁パネル１ａの狭幅側部２ｂを有する接合部材Ｂが隣設した壁パネル１ｂの広幅側部２ａを有する接合部材Ａに嵌合するごとく組み込み、側部２ａと２ｂおよび折返し部４ａと４ｂが重ね合わさって密着し、重ね合わされた折返し部４ａと４ｂは下地材の横桟７ｂにビス、ホップリベット、またはボルトで固定する。立上げ部３ａと３ｂの間には、側部２ａと２ｂの幅が異なるため、空隙８が形成される。本考案ではこの空隙８部に弾性防水材１０を充填することにより、接合部分の防水機能を確実にする。

【００１４】図６は縦目地の断面図であり、壁パネル１ｂの狭幅側部５ｄを有する接合部材Ｄを、隣設した壁パネル１ｃの広幅側部５ｃを有する接合部材Ｃに近接して組み込み、折返し部６ｄの幅の目地間隔を設けて側部５ｃ，５ｄをそれぞれ下地材の縦枠７ａにビス、ホップリベット、またはボルトで固定する。折返し部６ｃと６ｄの間には、側部５ｃと５ｄの幅が異なるため、空隙９が形成される。本考案ではこの空隙９部に弾性防水材１１を充填することにより、目地部分の防水機能を確実にする。

【００１５】上記弾性防水材１０，１１としては、その材質は特に限定しないが、スポンジゴムを用いるのが好ましく、立上げ部３ａと３ｂ部材間、および折返し部６ｃと６ｄ部材間に圧縮されて充填される。充填に際しては立上げ部、折返し部の一方側と接着剤で接合しておくことが好ましい。スポンジゴムは、目地材として一般に使用されているコーキング材のように、養生期間やほこりの付着、変色などの発生がなく、作業性に優れている。

【００１６】壁パネル本体の寸法例としては、一辺が８８５mmの正方形、或いは１７８５mm ×８８５mmの長方形があり、図示の例では３枚を用いて組合わせパネルとしているがこれに限らず、任意の複数枚で良いことは勿論である。

【００１７】以上本考案は、一つの壁パネルに、対向する辺に幅寸法の異なる側部２ａ，２ｂを有する接合部材Ａ，Ｂを設けた場合について説明したが、対向する両辺に狭幅で同一寸法の側部２ｂを有する接合部材Ｂを持った壁パネルと、対向する両辺に広幅で同一寸法の側部２ａを有する接合部材Ａを持った壁パネルの２種類を用意し、これらを用いて組立てパネルとしても良い。

【００１８】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案は壁パネルの接合部材を隣接パネルの接合部材と組み込み容易な一体成形し、簡易な下地材との固定を可能とし、かつ、隣接するパネルとの接合が簡単であり、かつ、防水を確実にする目地構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の壁パネルの斜視図。

【図２】（ａ）は図１のＩ−Ｉ線断面図、（ｂ）は図１
のII−II線断面図。

【図３】本考案の壁パネル（ａ）−下地材（ｂ）−組立
てパネル（ｃ）の組立て説明図。

【図４】本考案の並列した組立てパネルの一部表面を示
す図。

【図５】図４のＹ−Ｙ断面図。

【図６】図４のＸ−Ｘ断面図。

【符号の説明】

１：パネル本体２ａ，２ｂ：側部３ａ，３ｂ：立上げ部４ａ，４ｂ：折返し部５ｃ，５ｄ：側部６ｃ，６ｄ：折返し部７：下地材７ａ：縦枠７ｂ：横桟８：防水材充填空隙９：防水材充填空隙１０：弾性防水材１１：弾性防水材１２：組立てパネル

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】四角形状パネル本体１の一辺に、本体よ
り直角に折り曲げた広幅の側部２ａと、該側部２ａより
直角に立設した立上げ部３ａと、該部材３ａより直角に
折り曲げた折返し部４ａとを一体に形成したパネル接合
部材Ａを連設すると共に、対向する他辺に、本体より直
角に折り曲げた前記一辺の側部２ａより狭幅の側部２ｂ
と、該側部２ｂより直角に立設した立上げ部３ｂと、該
部材より直角に折り曲げた折返し部４ｂとを一体に形成
したパネル接合部材Ｂを連設し、また、前記四角形状パ
ネル本体１の別の対向する一辺に、本体よりほぼ直角に
折り曲げた広幅の側部５ｃと、該部材５ｃより直角に折
り曲げた折返し部６ｃとを一体に形成した目地形成部材
Ｃを連設すると共に、対向する他辺に、本体より直角に
折り曲げた前記一辺の側部５ｃより狭幅の側部５ｄと、
該部材５ｄより直角に折り曲げた折返し部６ｄとを一体
に形成した目地形成部材Ｄを連設したことを特徴とする
壁パネル。
【請求項２】請求項１記載の壁パネルを複数枚下地材
に固定して組立てパネルを形成するに際し、パネル接合
部材Ａに隣接する壁パネルのパネル接合部材Ｂを組み込
んで折返し部４ａと折返し部４ｂを重ねて下地材に固定
すると共に、立上げ部３ａと立上げ部３ｂで空隙８を形
成してなることを特徴とする組立てパネルの目地部構
造。
【請求項３】空隙８に防水材を充填したことを特徴と
する請求項２記載の組立てパネルの目地部構造。
【請求項４】請求項２記載の組立てパネルを並設し、
目地形成部材Ｃに隣接する目地形成部材Ｄを組み込み、
折返し部６ｃと折返し部６ｄで空隙９を形成してなるこ
とを特徴とする請求項２記載の並設した組立てパネルの
目地部構造。
【請求項５】空隙９に防水材を充填したことを特徴と
する請求項４記載の並設した組立て壁パネルの目地部構
造。