JPH082271Y2 - 建築用ハニカムサンドイッチパネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はカーテンウォールを構成する壁面等に使用
する建築用ハニカムサンドイッチパネルに関するもので
ある。

〔従来の技術と考案が解決しようとする課題〕

複数のパネルを建物の外壁に張設してなるパネル式カ
ーテンウォールに使用する建築用ハニカムサンドイッチ
パネルは一般に厚紙やアルミ薄板よりなるハニカムコア
の表裏両面に鉄板、アルミニウムまたはその合金等から
なる板金を接着剤により接着してなるもので、この場
合、特に表側の板金は平坦なものが多い。このようなハ
ニカムサンドイッチパネルは特に建築用として大型のも
のを容易に製作することができる。

しかしながら、ハニカムサンドイッチパネルの表面は
平坦なものであるため意匠性が乏しいという問題点があ
った。また、平坦な表面に意匠性を有するようにするた
めに別物の装飾部材を取付けることも考えられるが装飾
部材を取付けるために表面に取付用孔を穿設したりした
場合、水密性に問題があり、また取付手間がかかりコス
ト面に問題がある。

この考案は上述の問題点を解消して表面に装飾部を有
した大型の建築用ハニカムサンドイッチパネルを得るこ
とを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

ハニカムコアの少なくとも一方面に複数枚の単位パネ
ルを幅方向に連結してなる表面板を接着剤により接着し
てなる建築用ハニカムサンドイッチパネルであって、各
単位パネルはその表面に互いに並列する複数の装飾部を
一体に突設してあるとともに隣接した側端の一方に、パ
ネルの表面より隆起して裏側に前記ハニカムコアの一方
面に連通する空間部を、またその空間部より先端に鉤状
の係合部をそれぞれ形成し、他方に前記空間部を通して
係合部に係合する被係合部を形成してなり、かつ隣接し
た単位パネル相互を、前記係合部と被係合部とを係合し
て連結してある。

〔実施例〕

第１図はこの考案によった建築用ハニカムサンドイッ
チパネルを部分的に破断して示した部分斜視図であり、
ここに示したハニカムコアＡは厚紙、アルミニウムまた
はその合金薄板等よりなる６角断面を有した筒状部材を
重積して形成したものでありこのものは周知のハニカム
コアと同等のものである。

ハニカムコアＡの両面それぞれアルミニウム、または
その合金よりなる表面板１と裏面板２を接着剤にて接着
されている。裏面板はハニカムパネルを建物に張設した
時外部に露出しないため全体として平坦なものでよく、
材質としてアルミニウム板であるが、防水処理した厚紙
の場合もある。

表面板１は互いに並列した複数のリブ状の装飾部３を
一体に突設してあり、このような装飾部３は金属押出成
形にて表面板１と一体に容易に製作することができるた
め表面板１を金属押出成形の成形能力に応じて小幅にし
て、複数枚の単位パネル１−１に分割し、これらの各単
位パネル１−１を幅方向に連結したものにしてある。

各単位パネル１−１相互の連結は連結部分を拡大して
示した第５図に示したような構成になっている。

すなわち、各単位パネル１−１は隣接した側端の一方
にその表面より隆起して裏側にハニカムコアＡの一方面
に連通する空間部Ｂを、またその空間部Ｂより先端に空
間部Ｂの方へ折曲した突片４を有した鉤状の係合部５を
それぞれ形成し、他方に前記空間部Ｂを通して係合部５
の突片４と隆起部分との間の凹部に係合する突片６を有
した被係合部７を形成してあり、隣接した単位パネル１
−１相互を、前記係合部５と被係合部７とが係合し、空
間部Ｂに接着剤を、空間部Ｂに連通するハニカムコアＡ
の一方面にわたって充填することにより一体に連結して
ハニカムコアＡの一方面に取付けてある。なお、この場
合、各単位パネル１−１はそれぞれについて順次にハニ
カムコアの一方面の幅方向に接着剤を塗布しながら連結
接着して製作する。なお各単位パネルを予め幅方向に連
結して表面板１を形成することもできる。この際、各単
位パネル相互の連結部において上述したように空間部に
接着剤を充填しておく。このように製作した表面板１を
ハニカムコアＡの一方面に接着剤で接着することもでき
る。

このようにして各単位パネル１−１相互間の連結部に
おける空間部Ｂに接着剤を充填しているが、この接着剤
は特にハニカムコアＡと表面板１との間の接着に使用す
る接着剤と同等なものとした方がよく、このようにすれ
ば各単位パネル１−１全てと連結部とがハニカムコアＡ
の一方面に対し一体的にかつ強固に接着され、また接着
剤は連結部の空間部に充填していることからしてシール
材としての効果を有しているものであり、連結部分にお
けるハニカムコアＡに対する水密性を良好に保ことがで
きる。

さらに、連結部における空間部は係合部５と被係合部
７との係合部分に隣接しており、空間部Ｂに接着剤を充
填して硬化することで係合状態が不動となり、各単位パ
ネル１−１相互を強固に連結することができる。

このようにしてハニカムコアＡの一方面に複数の単位
パネル１−１を幅方向に連結して取付けたものであるに
もかかわらず、このようなハニカムサンドイッチパネル
は周知のハニカムコア全体表面を大型面積からなる表面
板を取付けたものに変らない強度特性を有している。

なお、この実施例の装飾部は第１図に示すように先端
に拡大断面部を有した複数のリブ状のものになってい
る。このような構成であるとハニカムサンドイッチパネ
ルに対し曲げに対する補強を備え、しかも、各単位パネ
ル１−１の隆起状にした連結部は隣接装飾部３間の低い
所にあり見えにくく外観を損うことがないという利点が
ある。

また図示のリブ状の装飾部３の形状に限らず金属押出
成形の能力に応じて種々の形状のものを製作してもよい
ことは勿論である。

応用例 この考案の建築用ハニカムサンドイッチパネルは表面
に装飾部３を有し、しかも大型に製作することができる
のでこれを第２図に示すようなパネル式カーテンウォー
ルに使用することができ、意匠性を有したパネル式カー
テンウォールを製作することができる。

すなわち第３図、第４図に示すように複数のハニカム
サンドイッチパネルそれぞれの４方周囲に枠材８を取付
けるとともにこれらの枠材８の裏側の適所にボルト・ナ
ットにより取付ブラケット９を取付ける。これを建物の
外面に設けた取付用ファスナー10に取付ブラケット９を
介して取付けたもので、この際各隣接ハニカムサンドイ
ッチパネル間における枠材８同士間には室内外両方に図
示の如くシール材11にて二重に水密に保持してある。ま
たハニカムサンドイッチパネルの裏面に耐火板を取付け
て耐火と断熱効果をもたせるようにしてある。

この実施応用例において、ハニカムサンドイッチパネ
ルの左右端部における枠材８はハニカムコアＡの一方面
に取付けた表面板１と一体に形成したものにある。これ
は装飾部３とともに金属押出成形に成形できる。すなわ
ちハニカムサンドイッチパネルの左右端側の単位パネル
１−１に枠材８、装飾部３、係合部５または被係合部７
全てを形成するものである。

またこれに限らずハニカムサンドイッチパネルの左右
端に別体の枠材８を取付けたものでもよい。

ハニカムサンドイッチパネルの上下端における枠材８
は第４図に示すように別体の上下部横枠材12となってい
る。この場合の上下部横枠材12は第５図に示すようにハ
ニカムサンドイッチパネルの上下端において取付ボルト
にて取付けてある。

ハニカムサンドイッチパネルの表面板１を構成してい
る複数の単位パネル１−１相互の連結部における空間部
Ｂを前記した取付ボルトの頭部を第５図に示すように嵌
合し得る形状にしておけば各単位パネル１−１が相互に
連結する際に各連結部の上下部位における空間部に第６
図に示すように接着剤を部分的に充填せず、ここに取付
ボルト頭部を嵌合し、ねじ部分を外方へ突出すとともに
横枠材12に穿設した取付孔に通すことで横枠材12をハニ
カムサンドイッチパネルに取付けることができ、この
際、ハニカムサンドイッチパネルの表面に見苦しい取付
ボルトの頭部が露出しない。空間部Ｂ内の接着剤は第６
図に示すごとくハニカムコアＡが存在する端部迄充填す
るだけで十分である。このような取付ボルトの取付構成
はハニカムサンドイッチパネルの下端だけでなく上端に
も同様に行なわれる。

なお、この際、表面板１の上下端と上下横枠材12,12
との間の隙間にも図示の如くシール材を施してハニカム
コアＡへの水の浸入を完全に抑えるようにしてある。

以上の応用例はカーテンウォールだけでなく建物の外
壁材として、あるいは間仕切壁として使用することもで
きる。また、直線状に連続する装飾部３は上述の応用例
では縦方向にして取付けて横方向に向けて取付ける場合
もある。

〔考案の効果〕

この考案によれば次のような効果を期待できる。

（１）建築用ハニカムサンドイッチパネルを構成する表
面板は複数の単位パネルを幅方向に連結してなるもので
あるため各単位パネルは小幅にて形成し、しかも金属押
出成形にて成形することができる。したがって、金属押
出成形を利用し、パネル表面に意匠性を有するための装
飾部を単位パネルと一体に形成し、このように装飾部を
有した複数の単位パネルを幅方向に連結することで表面
に装飾部を有した大型のハニカムサンドイッチパネルを
容易に製作することができ、コスト面において有利にな
る。

（２）各単位パネルは隣接した側端の一方に、パネルの
表面より隆起して裏側にハニカムコアの一方面に連通す
る空間部を、また該空間部より先端に鉤状の係合部をそ
れぞれ形成し、他方に前記空間部を通して係合部に係合
する被係合部を形成してあり、隣接した単位パネル相互
を前記係合部と被係合部とが係合し、空間部に接着剤を
ハニカムコアの一方面にわたって充填することにより一
体に連結してなるものであるため、前記係合部と被係合
部との係合により連結は空間部に充填した接着剤により
強固になるとともに、連結した部分におけるハニカムコ
アに対する水密性を良好に保つことができる。したがっ
て、ハニカムコアの一方面に、製作を容易にする複数の
単位パネルを幅方向に連結してなる表面板を接着剤で接
着してあっても、このようなハニカムサンドイッチパネ
ルはカーテンウォールとして使用し得るような強度特性
を有するとともに雨水がハニカムコアに浸入して腐食し
たりすることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の要部を示した部分斜視図、第２図は
カーテンウォールの正面図、第３図は第２図中のＩ−Ｉ
の部分拡大断面図、第４図は第２図図中のII−IIの部分
拡大断面図、第５図は第４図図中のIII−III断面図、第
６図は第５図図中のIV−IV断面図である。 Ａ……ハニカムコア、Ｂ……空間部、１……表面板、１
−１……単位パネル、２……裏面板、３……装飾部、４
……突片、５……係合部、６……突片、７……被係合
部、８……枠材、９……取付ブラケット、10……取付用
ファスナー、11……シール材、12……横枠材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハニカムコアの少なくとも一方面に複数枚
   の単位パネルを幅方向に連結してなる表面板を接着剤に
   より接着してなる建築用ハニカムサンドイッチパネルで
   あって、各単位パネルはその表面に互いに並列する複数
   の装飾部を一体に突設してあるとともに、隣接した側端
   の一方に、パネルの表面より隆起して裏側に前記ハニカ
   ムコアの一方面に連通する空間部を、またその空間部よ
   り先端に鉤状の係合部をそれぞれ形成し、他方に前記空
   間部を通して係合部に係合する被係合部を形成してな
   り、かつ隣接した単位パネル相互を、前記係合部と被係
   合部とを係合して連結してあることを特徴とする建築用
   ハニカムサンドイッチパネル。