JP5529781B2 - 直線運動移動体 - Google Patents

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Description

本発明は、物品を載置して直線1軸方向に往復移動する移動体に関する。特に、本発明は、上下方向に並設された複数の同長のハニカムセルで形成されるハニカムコアの上下を炭素繊維強化プラスチックの保護強化板で挟み込んだ複合ハニカム構造の直線運動移動体に関する。
金属加工装置、検査装置、測定装置、あるいは半導体製造装置のように、物品を載置して直線1軸方向に往復移動する直線運動移動体を備えた精密機器が知られている。近年、リニアモータの開発が飛躍的に進んだことで、直線運動移動体を最大加速度0.8G以上の高加速度で最高速度10m/minを超える高速で移動させることができるようになっている。
数μm以下の高い位置決め精度が要求される精密機器では、水平に設置される直線運動移動体に対して高い水平精度が要求される。また、高加速度で高速に移動される直線運動移動体には、物品の荷重に対する強度だけではなく、直線運動移動体に作用するより大きなモーメントに相応する高い剛性が要求される。
そのため、精密機器の直線運動移動体は、高精度で堅牢に製作される必要がある。とりわけ、直線運動移動体を上下に段状に積層する構造を有する精密機器の場合は、下段に位置する直線運動移動体に上段に位置する直線運動移動体の重量と載置される物品の重量が荷重としてかかるので、下段の直線運動移動体に対してより大きい強度が要求される。その結果、下段の直線運動移動体の質量が増加する。
質量が大きい直線運動移動体を高加速度で高速に移動させるためには、移動体を駆動するサーボモータにより大きい推力が要求される。要求される推力が大きくなるとリニアモータの電機子も大きくなるので、一次側が可動子である場合に可動子と直線運動移動体とを含む移動体全体の質量が益々増大して、一層大きい推力が要求されるというジレンマに陥る。
精度と強度を失わずに直線運動移動体をより軽量にするために、直線運動移動体をいわゆるハニカム構造にするアイデアがある。以下の説明では、ハニカム構造体を形成する最小単位の管状体をハニカムセルという。また、複数のハニカムセルが組み合わされて形成されるハニカム構造体をハニカムコアという。ハニカム構造は、直線運動移動体を軽量にして応答性を向上させることができる。
ハニカム構造は比強度が高いが、直線運動移動体の強度がハニカムセルの強度に依存するので軽量化に限界がある。特許文献1は、炭素繊維強化プラスチックのコアに炭素繊維強化プラスチックのシートを積層してなる保護強化板を接着した直線運動移動体を開示している。特許文献1の発明によると、ハニカム構造を補強することで、直線運動移動体をより軽量にすることができる。ハニカムコアの上下に保護強化板を設けて一体化した構造は、複合ハニカム構造(ハニカムサンドイッチ)として知られている。
特開2005−243809号公報(段落0032,0055)
精密機器における水平直線1軸方向に移動する直線運動移動体は、高い水平精度を有することが求められる。とりわけ、直線運動移動体を上下に段状に積層する構造を有する精密機器における下段の直線運動移動体においては、直線運動移動体の上面が必要な水平精度を有していないと、ガイドレールがうねりを有する状態で敷設され、上段の直線運動移動体の位置決め精度を精密機器として必要十分に得ることができなくなる。
ハニカムコアを金属に比べて比強度が高く高硬度のセラミックあるいは炭素繊維強化プラスチックのような非金属の材料で形成すると、切削、研削、研磨のような加工によって水平精度を出すようにすることが困難である。そのため、直線運動移動体を製作するにあたって相当高度な生産技術が要求され、生産性が著しく低い。したがって、高い水平精度を必要とする直線運動移動体においては、ハニカムコアを加工がしやすい金属または合金で形成することが望まれる。
複合ハニカム構造体が長期間の使用に耐えるためには、保護強化板をハニカムコアに対して堅固に取り付ける必要がある。保護強化板をボルトによって均一に強固にハニカムコアに固定するべきであるが、保護強化板を通してハニカムコアに加えられるボルトの締付力によって金属または合金でなるハニカムセルが折り曲げられたり、押し潰されたりする。その結果、移動体の高さにばらつきが発生して保護強化板が歪んで波打つように取り付けられ、精密機器に要求される水平精度を確保できない。
ハニカムセルの側壁を厚くして強度を増すことが考えられるが、移動体の質量が大きくなるので、複合ハニカム構造の利点が生かせない。一方、金属または合金と炭素繊維強化プラスチックとは本質的な性質が大きく異なるので、現在実用に供されている接着剤による接合では、精密機器の耐用年数に見合う期間取付状態を保持できる耐久性を得ることができない。そのため、金属または合金のハニカムコアに炭素繊維強化プラスチックの保護強化板を容易に高精度に強固に固定する有効な方法がないのが実情である。
本発明は、上記課題に鑑みて、鋼鉄よりも比重の小さい金属または合金で形成されるハニカムコアに対して保護強化板が比較的容易に堅固に取り付けられる複合ハニカム構造の直線運動移動体を提供することを主な目的とする。本発明のいくつかの利点は、具体的な実施の形態の説明において詳しく説明される。
本発明の直線運動移動体は、上記課題を解決するために、比重が鋼鉄よりも小さい金属または合金でなる上下方向に並設された複数の同長のハニカムセル(10A)で形成されるハニカムコア(10)と、ハニカムコア(10)を挟み込むように水平に配設された炭素繊維強化プラスチックでなる上下の保護強化板(20)と、ハニカムコア(10)と上下の保護強化板(20)を貫通して設けられ上下の保護強化板(20)をハニカムコア(10)に固定するための複数のボルト(30)と、下側の保護強化板(20)に座面(40A)が接するように配設されボルト(30)と螺合するナット(40)と、両端がボルト(30)の座面(30A)とナット(40)の座面(40A)にそれぞれ接触してボルト(30)の軸(30B)を包囲するように配設されボルト(30)の締付力以上の強度を有する複数の同長のスペーサ管(50)と、を備える。
本発明の直線運動移動体は複合ハニカム構造であるので、比強度が高く、軽量である。そして、ハニカムコアが鋼鉄よりも比重の小さい金属または合金でなるから、複合ハニカム構造の直線運動移動体の中でも特に軽量である。また、ハニカムコアが加工容易性を有する金属であるため水平精度を有する直線運動移動体の製作がより容易である。その結果、本発明は、生産性と経済性に優れた効果を発揮する。
特に、両端がボルトとナットの座面に接触するスペーサ管を備えているので、保護強化板をハニカムコアに固定する力を超えるボルトの締付力をスペーサ管が受けることによって、薄い金属または合金で形成されるハニカムセルが折れ曲がったり、押し潰されたりすることがない。そのため、簡単に保護強化板をハニカムコアに固定でき、高い水平精度を得ることができる。また、保護強化板がハニカムコアに堅固に固定され、長期間取付状態が維持される。その結果、本発明は、生産性、経済性、精密性、耐久性の向上に優れた効果を発揮する。
本発明の直線運動移動体の全体構成を示す斜視図である。 図1に示される直線運動移動体の左側面断面図である。 図2に示される直線運動移動体の部分断面図である。
図1に、金属被加工物を切削加工する金属切削加工機械の直線運動移動体が示される。図1に示されている金属切削加工機械は、2つの直線運動移動体を重ねるように上下に段状に積層する構成を有する精密機械の一例である。図1では、直線運動移動体以外の構造物が図示省略されている。
図1に示される金属切削加工機械は、直線運動移動体であるサドル1と、サドル1に移動可能に搭載される直線運動移動体であるテーブル2と、サドル1を移動可能に搭載するベッド3と、を備える。サドル1は、水平直線1軸方向(Y軸方向)に往復移動する直線運動移動体である。テーブル2は、Y軸方向に直交する水平直線1軸方向(X軸方向)に往復移動する直線運動移動体である。したがって、実施の形態の金属切削加工機械は、サドル1とテーブル2を段状に積層する構造を有する。
サドル1とテーブル2は、複合ハニカム構造体であり、同じ材質のリブ構造の直線運動移動体と比べて軽量である。複合ハニカム構造では、材料の強度が比較的小さい場合でも直線運動移動体として必要な強度と剛性を得ることができる。また、テーブル2が複合ハニカム構造であるので、サドル1にかかる荷重が軽減され、サドル1を一層軽量にすることが期待できる。ベッド3は、リブ構造の鉄鋳造体である。ベッド3は、十分な重量を有するが、直線運動移動体が軽量化されているので、ベッド3の重量を低減してベッド3に要する鉄の量を削減できるとともに、金属切削加工機械全体の重量も軽量化できる。
サドル1とテーブル2のハニカムコア10の材質は鋼鉄よりも比重が小さい金属または合金である。実用上は、比重が5.0以下の金属または合金であり、特に、比重3.0以下の金属または合金である。比重が5.0以下の金属は、いわゆる軽金属であって、移動体の構造材料としては、具体的に、チタン(比重4.5),β型チタン合金(比重4.8),アルミニウム(比重2.7),ジュラルミン(比重2.7),難燃性マグネシウム合金(比重1.7)がある。
ハニカムコアの材質が構造材料として有効な軽金属である場合、ハニカムコア形成後の加工が容易である。特に、精密機器の直線運動移動体の水平精度を得ることが容易である。そのため、直線運動移動体の生産性に優れる。また、複合ハニカム構造は比強度を高くすることができる。そのため、実施の形態の直線運動移動体は、構造物を形成する材料の量を減らすことができ、生産コストが削減されるので、経済性を向上させる。
直線運動移動体が軽量であるとは、リニアモータの最大推力を小さくすることができる。リニアモータの最大推力が小さいほど一次側可動子の電機子が小さくなる。可動子の質量が低減されることで、可動子と直線運動移動体を含む移動体全体が軽量になるため、直線運動移動体の応答性が向上する。また、消費電力が減少し、電機子コイルの発熱が抑制されることで熱損失が小さくなるので、実施の形態の直線運動移動体は、経済性に優れる。
サドル1は、ガイド4に案内されて走行する。ガイド4は、2本のガイドレール4Aと各ガイドレール4Aを受ける複数の軸受4Bとでなる。2本のガイドレール4Aは、互いに平行であるようにベッド3の上に水平に敷設される。軸受4Bは、ガイドレール4Aに対向配置されるようにサドル1の下面に設けられる。複数の軸受4Bは、荷重を分散するとともにバランスを保持するために、水平面上に均等に配設される。金属切削加工機械に適する軸受方式は、玉軸受または空気静圧軸受である。
テーブル2は、ガイド5に案内されて走行する。ガイド5は、2本のガイドレール5Aと各ガイドレール5Aを受ける複数の軸受5Bとでなる。2本のガイドレール5Aは、互いに平行であるようにサドル1の上に水平に敷設される。軸受5Bは、ガイドレール5Aに対向配置されるようにテーブル2の下面に設けられる。複数の軸受5Bは、荷重を分散するとともにバランスを保持するために、水平面上に均等に配設される。
図2は、図1に示される金属切削加工機械を左側面から見た断面図である。サドル1は、リニアモータ6によって移動される。リニアモータ6は、一次側可動子6Aと二次側固定子6Bとでなる。リニアモータ6は、交流同期コアレスリニアモータである。一次側可動子6Aの電機子は、サドル1の下面に取り付けられる。二次側固定子6Bは、基板上に固定される複数の永久磁石を含む磁石板である。永久磁石は、サドル1が移動するY軸方向に沿って2本のガイドレール4Aの間に所定間隔で配列される。磁石板は、各永久磁石が一次側可動子6Aのコイルとの間の所定のギャップが均一に維持されるように水平に設置される。
テーブル2は、リニアモータ7によって移動される。リニアモータ7は、一次側可動子7Aと二次側固定子7Bとでなる。リニアモータ7は、リニアモータ6と協働できる交流同期コアレスリニアモータである。一次側可動子7Aの電機子は、テーブル2の下面に取り付けられる。二次側固定子7Bは、基板上に固定される複数の永久磁石を含む磁石板である。永久磁石は、テーブル2が移動するX軸方向に沿って2本のガイドレール5Aの間に所定間隔で配列される。磁石板は、各永久磁石が一次側可動子7Aのコイルとの間の所定のギャップが均一に維持されるように水平に設置される。
サドル1とテーブル2は、それぞれハニカムコア10と上下の保護強化板20とでなる。ハニカムコア10は、鋼鉄よりも比重が小さい金属または合金でなる上下方向に並設された複数の同長のハニカムセル10Aでなる。ハニカムコア10は、複数の隣接するハニカムセル10A間で側壁を共有するように固着され、ハニカムセル10Aが組み合わせて形成されている。保護強化板20は、炭素繊維強化プラスチックでなり、ハニカムコア10を挟み込むようにハニカムコア10の上下に水平に配設される。
実施の形態のサドル1とテーブル2のハニカムコア10を形成するハニカムセル10Aの材質は、具体的に、アルミニウムである。アルミニウムは、特に常温における加工がしやすい点で有益である。また、材料が入手しやすく他の軽金属に比べて低廉である点で有利である。
直線運動移動体本体のサイズが400mm×300mmの場合、アルミニウムのハニカムコア10の上下に炭素繊維強化プラスチックの保護強化板20を固定して直線運動移動体本体を構成することによって直線運動移動体本体の質量を約5kgまで軽量化することができた。テーブル2に金属被加工物を載置しない状態で上記構成のサドル1を移動させる試験運転を行なった結果、サドル1に変形は見られず、数μm以下の位置決め精度を得ることができる十分な強度と剛性を有することが確認された。
図2に示される実施の形態の直線運動移動体のハニカムコア10を形成する最小単位の個体であるハニカムセル10Aは、断面が正六角形のアルミニウムの管状体である。複数のハニカムセル10Aどうしが側壁を共有する場合、各ハニカムセル10Aは、厳密には管状の体裁をなしていない。しかしながら、本発明においてハニカムセル10Aが単体で説明されるとき、共有する側壁を含めて管状体とする。
ハニカムセル10Aは、図3に示される中心軸線10Bと平行な長手方向に加わる負荷に対して強度を有する。したがって、複数のハニカムセル10Aは、各ハニカムセル10Aの中心軸線10Bが物品が載置される方向10Cに対して平行になるように縦方向に並べて配置される。
ハニカムセル10Aの側壁の厚さは、ハニカムセル10Aの材料固有の比強度によって異なる。ハニカムセル10Aの側壁の厚さは、材料に対応して必要な強度を得ることができる範囲で可能な限り小さくされる。直線運動移動体を重ねて配置する実施の形態の金属切削加工機械のサドル1とテーブル2においては、設計上、上下の保護強化板20をハニカムコア10に固定した状態で予定される最大質量の金属被加工物をテーブル2に搭載したときの荷重に耐えるようにハニカムセル10Aの単体の強度が計算される。
サドル1とテーブル2は、ハニカムコア10が鋼鉄よりも小さい金属または合金で形成されているので、ハニカムコア10をセラミックまたは炭素繊維強化プラスチックのような非金属材料で形成した直線運動移動体に比べて生産性と経済性に圧倒的に優れている。ただし、比強度の点で非金属材料のハニカムコア10が有利である。
実施の形態の直線運動移動体であるサドル1とテーブル2では、ハニカムコア10の荷重が加わる上面と反対の下面とに熱硬化性樹脂の炭素繊維強化プラスチック製の保護強化板20を設けて強度を得る。熱硬化性樹脂の炭素繊維強化プラスチック板は、一般に鉄板の10倍以上の強度を有する。ハニカムコア10の上下に炭素繊維強化プラスチックの保護強化板を堅固に固定することで、比強度の高い非金属材料でなるハニカムコアを有する直線運動移動体に比べて遜色のない強度を得ることができる。
特に、実施の形態のサドル1とテーブル2では、ハニカムコア10の上側に固定される保護強化板20に適数のリブ20Bが一体成形されている。複数のリブ20Bは、上側の保護強化板20の基板20Aの上面に水平1軸方向に沿って形成される。リブ20Bは、直線運動移動体に載置される物品と附属品および搭載される直線運動移動体の設置を妨げない範囲で適当な位置に設けられる。例えば、サドル1の上側の保護強化板20のリブ20Bは、テーブル2の移動方向であるX軸方向に平行に設けられる。
リブ20Bは、保護強化板20を製造する過程で一体成形される。リブ20Bは、保護強化板20の曲げ強度を高めて、基板20Aを補強する。リブ20Bは、設計上の許容範囲内で曲げ強度を高める効果が有効な適する厚さで適数形成される。リブ20Bが形成されている場合、強度を一層大きくできる点で有益である。
実施の形態の直線運動移動体の保護強化板20は、具体的に、方向性が揃えられていない炭素繊維を型内に配置して型内にエポキシ樹脂のような溶融樹脂を流し込んで型締成形をし、200℃ないし250℃で10分から30分程度焼成して生成されている。保護強化板20は、炭素繊維強化プラスチックのシートを複数重ね合わせて一体化することで強度を得るようにすることができる。
アルミニウムのような軽金属でハニカムセル10Aを形成した場合、ハニカムセル10Aが中心軸線10Bに直交する方向から受ける衝撃に対して大きい強度を有していない。言い換えると、ハニカムコア10の側面は、比較的強度が低い。そこで、サドル1またはテーブル2には、ハニカムセル10Aが剥き出しにならないように、ハニカムコア10の側面を覆って保護する図示しない側壁板が設けられる。側壁板は、ハニカムコア10を補強する機能が要求されない。
次に、アルミニウムのハニカムコア10に保護強化板20を取り付ける実施の形態を説明する。図3に、ボルトによってハニカムコアに保護強化板を堅固に固定する状態が示されている。図3では、ボルト30の断面を示すが、説明の便宜上、ボルトの側面のねじ山が示されている。
保護強化板20は、複数のボルト30によってハニカムコア10に固定される。複数のボルト30は、ハニカムコア10の空隙部位10Dと上下の保護強化板20に予め穿設されている貫通孔を貫通して設けられる。ハニカムコア10の空隙部位10Dは、ハニカムセル10Aの中空部位に相当する。ボルト30は、例えば、六角ボルトである。
ボルト30は、保護強化板20をハニカムコア10に堅固に一体的に取り付けて水平に固定するために必要十分な数設けられる。また、ボルト30は、保護強化板20の上面において水平面上で可能な限り均等に配設される。ボルト30の座面30Aと保護強化板20との間に座金を設けることができる。
ボルト30と螺合するナット40は、下側の保護強化板20の外側に座面40Aが接するように配設される。ナット40は、六角ナットである。ナット40の座面40Aと下側の保護強化板20との間にナット40の座面よりも大きい面積の図示しない座金が設けられる。ナット40と保護強化板20との間に設けられる座金は、ボルト30の緩みを防止するとともに、ハニカムコア10の下側においてハニカムセル10Aの破損を防止する。
サドル1またはテーブル20のハニカムコア10に保護強化板20をボルト30とナット40とで取り付けて固定するときに特別なスペーサ管50が設けられる。スペーサ管50は、ボルト30をナット40に締結するときに、ハニカムセル10Aの中心軸線10Bと平行な方向にボルト30とナット40を位置決めする管体である。スペーサ管50は、ボルト30およびナット40と同数設けられる。
スペーサ管50は、ハニカムコア10の高さに上下の保護強化板20の厚さを加えた長さを有する。実施の形態のサドル1またはテーブル2における複数のスペーサ管50は、誤差±5μm以下の範囲で同長である。
スペーサ管50は、両端がボルト30の座面30Aとナット40の座面40Aにそれぞれ接触するように配設される。また、スペーサ管50は、ボルト30の軸30Bを包囲するように配設される。スペーサ管50は、図3に具体的に示されるように、一端がボルト30の座面30Aと密着し、他端がボルト40の座面40Aと密着する外径を有する。また、スペーサ管50は、ボルト30をボルト30の締付方向に回転可能にボルト30を貫通させ、ボルト30の軸30Bを完全に包囲する内径を有する。
スペーサ管50は、ボルト30の締付力以上の強度を有する。スペーサ管50の断面形状は任意である。実施の形態のスペーサ管50の断面形状は、円形またはハニカムセル10Aと相似の正六角形である。スペース管50は、鋼管のように長手方向における圧縮強度が高い金属材料でなる。スペース管50は、材質に関わりなく、実質的に移動体全体の質量を増大させない。
ハニカムコア10に保護強化板20を固定する締結力を超えたボルト30とナット40による締結力をスペーサ管50が受けるので、アルミニウムのような金属または合金でなるハニカムセル10Aが折り曲がったり、押し潰されたりすることがない。その結果、保護強化板20が全面にわたって同長の複数のスペーサ管50が規制する同一の高さでハニカムコア10に固定され、波打つように取り付けられない。そして、保護強化板20をボルト30によってハニカムコア10に強固に取り付けることが可能になる。なお、接着剤を併用して保護強化板20をハニカムコア10に固着することができる。
以上に説明されるように、実施の形態の直線運動移動体は、ハニカムコアの加工が容易で生産性が高く、質量が小さく、強度と剛性が高い。そして、ハニカムコアに材料の性質が異なる保護強化板をボルトとナットで取り付けることができるので、生産性が高く、経済性に優れ、耐久性を有する。また、スペーサ管によってハニカムコアを破損することなく高さが規制されるので、高い水平精度を得ることができ、精密性が高い。
実施の形態のサドル1またはテーブル2には、上側の保護強化板20とボルト30の首30Cとの間に締結補助板8が設けられる。締結補助板8は、ハニカムコア10を跨って梁のように敷設される金属板である。締結補助板8は、曲げ強度の大きい鉄または鉄系の合金、例えばステンレスである。締結補助板8によって、より強度が大きく高剛性を有する堅牢で高精密の移動体が提供される。補助締結板8は、実質的に移動体全体の質量の増大に影響を与えない。
締結補助板8は、保護強化板20に直接ボルト30が接触して圧力が加えられるときに、保護強化板20のひび割れまたは潰れのような損傷を発生させる可能性を低減させる。また、締結補助板8がスペーサ管50と合わせて保護強化板20の水平精度を保持しやすくする。その結果、生産性と精密性を向上させる点で優位である。
締結補助板8が設けられる場合、ボルト30は、保護強化板20の上面と座面30Aとの間に締結補助板8を介在させてナット40に締結される。したがって、スペーサ管50は、一端が締結補助板8の取付部位8Aにおける下面に接触し、他端がナット40の座面40Aに接触するように配設される。ただし、締結補助板8がボルト30の座面30Aの全面に密着するので、締結補助板8を設けたときのスペーサ管50の長さと外径、および作用効果は、締結補助板8が設けられていない場合と実質的に同じである。
直線運動移動体がテーブル2を搭載するサドル1であるとき、締結補助板8がテーブル2の走行を案内するガイドレール5Aを上の保護強化板20上に敷設するためのガイドレール取付板を兼用する。締結補助板8がガイドレール取付板を兼用するときは、締結補助板8のボルト30を締結する位置に予め座繰穴8Bが穿設される。そして、ボルト30は、ボルト30の首30Cが座繰穴8Bの中に収容されるように締結補助板8に埋設される。そのため、ボルト30がガイドレール5Aの取付けの障害にならない。
締結補助板8にガイドレール5Aが取り付けられる場合、ガイドレール5Aを高い水平精度で取り付けるために、締結補助板8を上側の保護強化板20にボルト30で固定した後に、締結補助板8においてキサゲによる精密な水平出しが行なわれる。キサゲを行いやすくするために、保護強化板20の締結補助板8の近くに形成されるリブ20Bがキサゲの作業の障害にならない高さに制限される。
締結補助板8の上に締結補助板8と同じ大きさで締結補助板8よりも薄い平板を重ねて取り付けることで、締結補助板8の座繰穴8Bを平板で塞いでキサゲの作業をより行ないやすくすることができる。平板を設けた場合は、平板にキサゲが行なわれる。
以上に説明される実施の形態の直線運動移動体は、金属被加工物を切削する金属切削加工機械のサドルとサドルに搭載されるテーブルであるので、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で直線運動移動体の具体的な構成の相違に合わせて実施の形態の直線運動移動体を変形することができる。
本発明は、物品を搭載して水平直線1軸方向に往復移動する直線運動移動体を備えた精密機器に適用できる。本発明の直線運動移動体は、高い強度と水平精度を有し、軽量であるとともに製作が容易であり、生産性、経済性、精密性、耐久性に優れた効果を発揮する。本発明は、工作機械産業ないし産業機械産業の発展に寄与する。
1 サドル
2 テーブル
3 ベッド
4,5 ガイド
6,7 リニアモータ
8 締結補助板
10 ハニカムコア
10A ハニカムセル
20 保護強化板
20A 基板
20B リブ
30 ボルト
40 ナット
50 スペーサ管

Claims (3)

  1. 鋼鉄よりも比重が小さい金属または合金でなる上下方向に並設された複数の同長のハニカムセルで形成されるハニカムコアと、前記ハニカムコアを挟み込むように水平に配設された炭素繊維強化プラスチックでなる上下の保護強化板と、前記ハニカムコアと前記上下の保護強化板を貫通して設けられ前記上下の保護強化板を前記ハニカムコアに固定するための複数のボルトと、下側の前記保護強化板に座面が接するように配設され前記ボルトと螺合するナットと、両端が前記ボルトの座面と前記ナットの座面にそれぞれ接触して前記ボルトの軸を包囲するように配設され前記ボルトの締付力以上の強度を有する複数の同長のスペーサ管と、を備えた直線運動移動体。
  2. 上側の前記保護強化板が上面側に適数のリブが一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の直線運動移動体。
  3. 前記ハニカムセルがアルミニウムまたはアルミニウム合金でなる請求項1に記載の直線運動移動体。
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