JP2016196060A - 工作機械又は工作機械関連装置用の部品、及びその製造方法 - Google Patents

工作機械又は工作機械関連装置用の部品、及びその製造方法 Download PDF

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Atsushi Hirai
淳 平井
陽一 西田
Yoichi Nishida
陽一 西田
敏治 岩田
Toshiharu Iwata
敏治 岩田
重徳 森内
Shigenori Moriuchi
重徳 森内
正芳 堀
Masayoshi Hori
正芳 堀
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Abstract

【課題】FRP材とコア材とによるサンドイッチ構造を有する複合材料で形成されている部品を対象とし、その部品の内部に流体回路が設けられることを可能にし、パイプ等による外部配管を用いなくてもよい構成を提供すること。
【解決手段】 工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成する部品であって、前記部品は、発泡材、ハニカム材又は多孔質樹脂材から成るコア材をFRP材から成る表面材で挟み込んだサンドイッチ構造の複合材料で形成されていると共に、その内部に複数の流体路から成る流体回路を有しており、前記流体回路は、前記コア材によるコア層内に埋設された管体により形成されていることを特徴とする部品。
【選択図】 図3

Description

本発明は、工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成する部品、及びその製造方法に関する。
なお、前記で言う「工作機械」とは、所謂一般的な工作機械であって、その種類については限定されない。例えば、マシニングセンタ、ターニングセンタ、旋盤、ボール盤、フライス盤等である。また、「工作機械関連装置」とは、工作機械に設置される設置装置であって、例えば、マシニングセンタに設置されるテーブル装置(傾斜テーブル装置、回転テーブル装置、直動テーブル装置)、治具装置等である。さらに、本願で言う「部品」とは、前記の工作機械又は工作機械関連装置の一部を構成するものであって、例えば、工作機械における主軸や主軸ヘッド等、工作機械関連装置におけるテーブル装置のテーブル部や治具装置における治具プレート(ベースプレート)等を含む。
工作機械や工作機械関連装置は、可動部分(その可動部分に取り付けられる構成も含む)を有しており、その可動部分がアクチュエータ等の駆動手段によって駆動される構成となっている。そのような装置としては、下記の特許文献1、2に開示されているような工作機械関連装置としての傾斜割出し装置(傾斜テーブル装置)が例として挙げられる。
この特許文献1、2の傾斜割出し装置は、前記可動部分としての傾斜テーブルを有している。また、その傾斜テーブルは、ワーク等が載置されるテーブル部と、そのテーブル部を支持するアーム部とで構成されており、そのアーム部の回転軸線と、テーブル部におけるワーク等が載置される載置面とが離間した構成となっている。すなわち、この特許文献1、2の工作機械関連装置は、所謂クレードル型式の傾斜割出し装置である。
なお、そのような傾斜割出し装置は、特許文献2にも開示されているように、傾斜テーブルのテーブル部に対し回転割出し装置(回転テーブル装置)が設置され、その回転テーブル装置にワークが載置されるかたちで使用される場合がある。また、傾斜割出し装置は、その傾斜テーブルにおけるテーブル部の載置面上に下記の特許文献3に開示されているような治具装置を設置し、その治具装置上にワークが載置されるかたちで使用される場合もある。さらには、傾斜割出し装置は、傾斜テーブルにおけるテーブル部自体が特許文献3の治具装置における治具プレートのように構成されたものもある。このように、傾斜割出し装置は、可動部分が傾斜テーブルと回転テーブル装置や治具装置等で構成されており、その傾斜テーブルが傾斜割出し装置における可動部分を構成する部品となっている。
因みに、前記した回転テーブル装置は、(特許文献2には開示されていないが)一般的には、割り出された回転テーブルの角度位置を保持するためのクランプ装置を備えており、そのクランプ装置を作動させるための作動流体(圧油等)が供給される構成となっている。また、前記治具装置は、特許文献3にも開示されているように、種々の流体が供給される構成となっている。
そして、そのような傾斜割出し装置における傾斜テーブルに設置された設置装置に対し流体を供給する構成として、傾斜割出し装置の外側において配管されたパイプ等を前記設置装置に接続する構成が考えられる。しかし、そのような構成の場合、傾斜テーブルの揺動駆動に伴って前記のパイプ等が振り回されることとなるため、そのパイプ等の早期の破損を招いてしまう。
そこで、従来の傾斜割出し装置においては、前記設置装置に流体を供給するための構成として、傾斜テーブル(前記部品)の内部(厚さ方向における内側)に複数の流体路からなる流体回路を形成し、その流体回路によって前記設置装置に対し作動流体等の流体を供給するように構成されたものがある。
特開2009−018401号公報 特開2002−066852号公報 特開2011−255452号公報
ところで、前記のような工作機械又は工作機械関連装置における前記部品が金属製である場合には、その流体回路を構成する各流体路は、その金属材に対する孔加工によって形成されるのが一般的である。
一方で、近年においては、前記可動部分の軽量化を図るべく、前記部品をFRP(繊維強化プラスチック)製としたものがある。すなわち、前記可動部分をより軽量化することにより駆動時(動作時)における慣性が低減されて加工のサイクルタイムを短縮できる等の効果が得られるため、前記可動部分を軽量化すべく、前記可動部分の少なくとも一部に、FRPを含む複合材料で形成された前記部品を採用したものがある。
なお、そのような前記部品を形成しているFRPを含む複合材料について、FRPは、繊維強化基材を積層すると共に含浸されたマトリックス樹脂を硬化させることによって成形されるものであり、繊維強化基材による積層構造を有するものである。そして、前記複合材料としては、その全てがFRPで形成されているものだけでなく、より軽量化を図るために、表面材としてのFRP材(板)間に軽量のコア材を挟んでサンドイッチ構造を構成するように形成されたものがある。
しかし、そのように前記部品をFRPを含む複合材料製とした場合、従来の考え方においては、その内部に前記のような流体回路を設けた構成とすることができないという問題がある。詳しくは、以下の通りである。
FRPは、前記のような積層体(繊維強化基材)による積層構造を有するものである。そのため、従来の一般的な金属製の前記部品と同様に孔加工によって流体路を形成しようとすると、その孔加工によって孔内における積層体の層間部分に欠損(クラック等)が生じ易い。そのため、そのような欠損を生じた孔に流体を通すと、その流体の圧力が層間の欠損部分に作用し、その結果としてFRPを構成する積層体を層間において剥離させる所謂層間剥離が発生してしまう。また、孔加工によって形成された流体路内に前記のような欠損が生じていない場合であっても、その流体路に通される流体の圧力が高い場合には、その高い圧力が流体路の内壁に作用し、それによって層間剥離が発生してしまう場合もある。
そして、前記複合材料が前記のようなサンドイッチ構造を有するものにおいても、表面材を構成しているFRP材の層間やFRP材とコア材との間の層間において前記のような層間剥離が発生してしまう。
なお、そのような層間剥離が発生すると、前記部品の剛性(強度)低下や剥離部分からの流体の漏れが起きてしまう。そのため、従来において一般的である孔加工を施して流体路を形成するといった手法は、前記部品が前記複合材料で形成されている場合には採用することはできない。
従って、従来では、例えば、前記の特許文献1、2の傾斜割出し装置において、傾斜テーブル(前記部品)が前記複合材料で形成された構成とする場合には、その傾斜テーブル(テーブル部)に設置される設置装置(回転テーブル装置、治具等)に対する流体の供給は、傾斜割出し装置の外側で配管されたパイプ等により行うものとなっている。
そこで、本発明は、工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成する部品であって、前記のようなFRP材とコア材とによるサンドイッチ構造を有する複合材料で形成されている前記部品を対象とし、その部品の内部に流体回路が設けられることを可能にし、パイプ等による外部配管を用いなくてもよい構成、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の部品は、工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成するものである。そして、本発明の部品は、発泡材、ハニカム材又は多孔質樹脂材から成るコア材をFRP材から成る表面材で挟み込んだサンドイッチ構造の複合材料で形成されていると共に、その内部に複数の流体路から成る流体回路を有しており、この流体回路は、前記コア材によるコア層内に埋設された管体により形成されていることを特徴とする。
また、本発明の部品の製造方法は、工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成する部品であって内部に複数の流体路から成る流体回路を有する部品を製造するものである。そして、本発明の部品の製造方法は、上下分割型の金型を用い、発泡材、ハニカム材又は多孔質樹脂材から成るコア材と、繊維強化基材から成るプリフォームとを、下型に対し前記プリフォーム、前記コア材、前記プリフォームの順に積層配置して行われるRTM成形法によって成形された複合材料により前記部品が形成されており、前記積層配置において、前記コア材によって前記流体路が設けられるべき位置に溝が形成されると共に、前記溝内に管体が配設され、前記管体により前記流体回路が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成する部品であって、FRP材とコア材とによるサンドイッチ構造を有する複合材料で形成されている部品において、その部品の内部に複数の流体路から成る流体回路を設けるにあたり、その流体路を従来のような孔加工によって形成するのではなく、コア材によるコア層内に埋設された管体によって流体路が形成され、その管体による流体路によって流体回路が形成される構成となっているため、流体路に通される流体の圧力が複合材料を構成している各層(FRP材、コア材)に直接的に作用しない構成となっている。従って、その構成によれば、流体の圧力が積層体(FRP材)に作用することに起因する前述のような層間剥離が発生することが無いため、前記部品の内部に流体回路を形成することが可能となり、外部配管を使用した流体供給の構成を採用しなくても良いものとなる。
本発明に用いられる一例の傾斜割出し装置を示す正面図である。 傾斜割出し装置の一部を示す平面図である。 図2のA-A線断面図である。 本発明の一実施例の傾斜テーブルを示す断面図である。 本発明の一実施例の傾斜テーブルの分解斜視図である。
以下では、図1〜5に基づき、本発明の一実施例(本実施例)について説明する。
なお、本実施例において、前提装置(工作機械又は工作機械関連装置)は、工作機械関連装置としてのクレードル型式の傾斜割出し装置(傾斜テーブル(割出)装置)とする。そして、図1、2は、その本実施例における前提装置としての傾斜割出し装置1を示している。但し、図2は、その傾斜割出し装置1における可動部分のみを示すものである。
図1に示すように、傾斜割出し装置1は、架台2及びその架台2上に設置された一対の支持部3、3から成る構成を主体としている。また、各支持部3は、その支持部3の枠体3aに対し軸受3b等によって回転可能に支持された回転軸3cを有している。そして、両支持部3、3は、その回転軸3cの軸線Lの方向(軸線方向)に見て回転軸3cの軸心が一致すると共に、前記軸線方向に離間するかたちで架台2上に対向配置されている。但し、その回転軸3cは、各支持部3において、その一端が前記軸線方向において支持部3の枠体3aから突出するように設けられている。その上で、各支持部3は、その回転軸3cの突出する側が他方の支持部3側となる向きで架台2上に設けられている。
また、傾斜割出し装置1は、一対の支持部3、3による一対の回転軸3c間に設けられる傾斜テーブル4を備えている。この傾斜テーブル4は、ワークW等が載置されるテーブル部4aであって平面視において矩形状を為す板状のテーブル部4aと、テーブル部4aの長手方向における両端に連続するかたちでテーブル部4aと一体に形成されると共にテーブル部4aの板厚方向と平行に(長手方向と直交する方向に)延在する板状の一対のアーム部4b、4cとで構成されている。そして、傾斜テーブル4は、各アーム部4b、4cにおける外側面に対し、対向する支持部3における回転軸3cが固定されることにより、両回転軸3cに対し相対回転不能に支持されている。
さらに、傾斜割出し装置1において、一対の支持部3、3の一方(図示の例では、図面左側)には、その支持部3における回転軸3cを回動駆動するための駆動モータ(例えば、DDモータ/図示略)が内蔵されている。すなわち、傾斜割出し装置1においては、一対の支持部3、3の一方が駆動側の支持部(駆動支持部3y)となっており、他方の支持部3が従動側の支持部(従動支持部3z)となっている。そして、傾斜割出し装置1は、駆動支持部3yにおける回転軸3cが駆動モータによって回転駆動されることにより、傾斜テーブル4を介して従動支持部3zにおける回転軸3cが従動回転すると共に、両回転軸3cの回転により、傾斜テーブル4が揺動する構成となっている。なお、駆動支持部3yにおける駆動モータは、傾斜割出し装置1が設置される工作機械の制御装置(図示略)により、予め設定された加工プログラムに基づく数値制御によってその駆動が制御される。そして、その結果として、傾斜テーブル4は、揺動駆動され、その角度位置が割り出される。
そのような傾斜割出し装置1において、本実施例では、傾斜テーブル4におけるテーブル部4aが、傾斜テーブル4上にワークWを設置するための治具における治具ベースとして機能するものとなっている。そのため、傾斜テーブル4は、図1、図2に示すように、ワークWが載置される4つの着座ブロック5、5、…と、それらの着座ブロック5との協働でワークWをクランプしてワークWの位置を固定するための2つのクランプ装置6とが、テーブル部4aの上面(載置面)に設置されたものとなっている。
これらの着座ブロック5、5、…は、テーブル部4aに対し固定されるかたちで設置されるものである。また、これらの着座ブロック5、5、…は、テーブル部4a上で加工されるワークWの大きさに合わせて配置されるもので、本実施例では矩形状の四隅(より詳しく言えば矩形状を成すテーブル部4aの中央部であって、テーブル部4aの長辺方向及び短辺方向に平行な矩形状の四隅)に配置される。なお、各着座ブロック5のテーブル部4aに対する固定は、図示は省略するが、各着座ブロック5に形成された複数の挿通孔にボルト等のネジ部材が挿通されると共に、そのネジ部材がテーブル部4a側に設けられた雌ネジ孔であって上方へ向けて開口する雌ネジ孔に螺挿されることで行われる。
また、本実施例では、各着座ブロック5には、空気が通される空気流路5aが形成されており、この空気流路5aにワークWの着座確認用の空気が供給されるものとなっている。より詳しくは、着座ブロック5には、下面(テーブル部4a側の面)から上面(ワークWが載置される面)に貫通する(下面及び上面に開口する)貫通孔が形成されており、この貫通孔は空気流路5aとして機能する。この空気流路5aの二次側の開口は、着座ブロック5の上面に位置する。
因みに、着座ブロック5の上面であるワーク着座面にワークWが正常に載置してある場合には、空気流路5aの二次側の開口は塞がれる。一方、着座ブロック5のワーク着座面にゴミや切粉等を介してワークWが載置してある場合には、空気流路5aの二次側の開口は塞がれない。そして、空気流路5aの一次側から空気流路5aに空気を供給すると、空気流路5aの二次側の開口が塞がれている場合と、塞がれていない場合とで、空気流路5a内の空気圧が異なるものとなる。従って、空気流路5a内の空気圧を検出する手段を設けることで、ワークWが着座ブロック5上に正常に載置しているか否かを検出することができる。
2つのクランプ装置6は、4つの着座ブロック5のうちの、テーブル部4a上の長辺方向及び短辺方向に異ならせて配置された2つの着座ブロック5、5に対応させるように設けられる。
各クランプ装置6は、中空円筒部であるシリンダを有する本体ハウジング6aと、本体ハウジング6aのシリンダに対し上下動可能に嵌挿された作動ロッド6bと、作動ロッド6bに対し揺動可能に連結されたクランプアーム6cと、クランプアーム6cに対し作動ロッド6bとの連結箇所とは別の箇所で連結されたリンク部材6dとを備える。
リンク部材6dは、その長手方向における一端部において、第1の軸(符号略)を介してクランプアーム6cの長手方向における中間部に連結されている。また、リンク部材6dは、その長手方向における他端部において、第2の軸(符号略)を介して本体ハウジング6aに連結されている。従って、リンク部材6dは、クランプアーム6c及び本体ハウジング6aのそれぞれに対し回動可能となっている。
クランプアーム6cは、レバー部材であり、その長手方向における一端部において、第3の軸(符号略)を介して作動ロッド6bの先部に揺動可能に連結されている。また、前記したように、クランプアーム6cは、その長手方向における中間部において、第1の軸によって回動可能に支持されている。従って、クランプアーム6cは、その長手方向の中間部を連結する第1の軸が支点となり、回動可能に支持されている。そして、クランプアーム6cの長手方向の一端部が作動ロッド6bの上下動により揺動させられると、クランプアーム6cの長手方向の他端部が長手方向の一端部とは逆の方向に揺動させられる。
本体ハウジング6aには、シリンダ内への圧油の供給用とシリンダ内からの圧油の排出用との供給孔と排出孔とが形成されており、本実施例では、供給孔と排出孔とが1つにまとまった給排孔6hが形成されている。
作動ロッド6bは、前記シリンダに供給される作動流体としての圧油の作用で上下方向に変位駆動させられる。また、作動ロッド6bは、前記シリンダ内において圧縮バネ等の付勢部材(図示略)により常時下方へ向けて付勢されると共に、前記シリンダ内における作動ロッド6bの下方の空間(圧力室)には圧油が供給される。従って、前記シリンダ内に圧油が供給されていない状態では、作動ロッド6bは、付勢部材の付勢力により最も下降した位置(待機位置)にもたらされた状態となる。また、前記シリンダ内に圧油が供給されると、前記シリンダ内の圧油が上昇する結果として、その圧油による力で作動ロッド6bが上方へ向けて付勢され、前記付勢部材による付勢力に抗して作動ロッド6bは上方の作用位置へ向けて変位し、クランプアーム6cに対し圧油による付勢力を及ぼした状態となる。さらに、前記シリンダ内への圧油の供給が停止されると共にシリンダ内から圧油の排出が可能な状態とされると、前記付勢部材による付勢力によって作動ロッド6bが下方へ向けて変位し、シリンダ内の圧油が排出される。
このような構成からなる各クランプ装置6は、テーブル部4a上において、対応する着座ブロック5に対するテーブル部4aの前記長手方向における反中央側の位置で、クランプアーム6cを着座ブロック5側に向けると共に、クランプアーム6cにおける前記他端部が、着座ブロック5の上方に対向し得る位置に配置される。なお、テーブル部4aに対する本体ハウジング6aの固定は、本体ハウジング6aに形成された複数の挿通孔にボルト等のネジ部材6sが挿通されると共に、そのネジ部材6sがテーブル部4a側に設けられた雌ネジ孔であって上方へ向けて開口する雌ネジ孔に螺挿されることで行われる。そして、本体ハウジング6aを固定することによって、各クランプ装置6は、テーブル部4aに対し固定される。
その上で、各クランプ装置6は、着座ブロック5にワークWが載置されていない状態においては、前記シリンダ内へ圧油が供給されないため、作動ピストンは最も下降した状態となっており、クランプアーム6cの前記他端部は上方へ変位した状態になるものである。そして、着座ブロック5にワークWが載置され、前記シリンダ内への圧油の供給が開始されると、それに伴い、作動ロッド6bが上方へ向けて変位すると共にクランプアーム6cの他端部がワークWへ向けて変位する。その結果として、ワークWが着座ブロック5とクランプアーム6cの他端部との上下間にクランプされた状態となる。また、前記シリンダ内の油圧による付勢力によりクランプアーム6cがワークWに対し下方へ向けた押圧力を作用させた状態となるため、それによってワークWの位置が固定された状態となる。
そして、傾斜テーブル4は、その内部に、テーブル部4aに設置された着座ブロック5、5、…及びクランプ装置6に対し流体を供給するための複数の流体路からなる流体回路8を備えている。すなわち、傾斜テーブル4は、それぞれが各クランプ装置6における給排孔6hに接続される2つの作動流体(圧油等)用の流体路81、81と、それぞれが各着座ブロック5における着座確認用の空気流路5aに接続される4つの空気供給用の流体路82、82、…との計6つの流体路81、82が、その内部に形成された構成となっている。
また、本実施例では、その傾斜テーブル4における流体回路8への流体の供給は、前記の駆動支持部3y(DDモータが内蔵される支持部)側から行われる構成となっている。より詳しくは、以下の通りである。
傾斜テーブル4におけるテーブル部4aには、その内部に、テーブル部4aの長手方向において、着座ブロック5及びクランプ装置6の各位置から一対のアーム部4b、4cのうちの一方(図示の例では、駆動支持部3y側のアーム部4b)の位置まで延在するように形成された6つの流体路(第1の流路)8a、8a、…が設けられている。
一方で、前記一方のアーム部4bにも、その内部に、前記の第1の流路8aのそれぞれに対応する流体路(第2の流路)8b、8b、…が設けられている。なお、各第2の流路8bは、前記一方のアーム部4b内において、テーブル部4aの位置から前記一方のアーム部4bが支持(固定)される回転軸3cの位置まで延在するように設けられている。その上で、各第2の流路8bは、傾斜テーブル4内において、対応する第1の流路8aに接続されている。
また、駆動支持部3yにおける回転軸3cには、前記の第2の流路8bのそれぞれに対応させるかたちで、6つの流体路(第3の流路)8c、8c、…が形成されている。なお、回転軸3cは金属製であり、その内部の第3の流路8cは、孔加工によって形成されている。
そして、傾斜割出し装置1は、傾斜テーブル4における各第2の流路8bが回転軸3cに形成された対応する第3の流路8cに接続されると共に、その各第3の流路8cが駆動支持部3yに対し回転軸3cと同軸的に取り付けられたロータリジョイント3dを介して外部の流体供給装置(図示略)と接続される構成となっている。すなわち、傾斜テーブル4の内部に設けられた前記の第1、第2の流路8a、8bから成る流体路は、回転軸3cに形成された第3の流路8c及びロータリジョイント3dを介して流体供給装置と接続されている。
以上のように、本実施例の傾斜割出し装置1は、可動部分として、回転軸3c、傾斜テーブル4、テーブル部4a上の着座ブロック5、…及びクランプ装置6、6等を備えている。そして、傾斜テーブル4は、可動部分の一部を構成する部品であり、本発明で言う「部品」に相当する。また、本実施例では、部品としての傾斜テーブル4は、そのテーブル部4a自体が治具として機能するような構成となっている。
その上で、傾斜テーブル4は、図3に示すように、対向する一対の表面材10、10とその表面材10、10間に介装されるコア材20とによるサンドイッチ構造を有する複合材料で形成されたものとなっている。また、各表面材10とコア材20は、樹脂30によって接着されている。そして、本実施例では、その表面材10がFRP材のうちのCFRP材で形成されており、また、コア材20が発泡材のうちの独立発泡材で形成されているものとする。従って、本実施例の傾斜割出し装置1における傾斜テーブル4は、その厚さ方向における断面で見ると、表面を含む部分(表面層10z)がCFRP材で形成されると共に、そのCFRPによる表面層(CFRP層)10z、10z間の部分(中間層20z)がコア材20により形成された三層構造を有するものとなっている。因みに、発泡材は、単位体積当りの質量がFRPよりも小さいものである。従って、そのような発泡材をコア材20とするサンドイッチ構造を有する複合材料で形成された部品は、FRPだけで形成された部品と比べ、より軽量である。
そして、前記した傾斜テーブル4内に設けられる複数の流体路(第1、第2の流路8a、8b)は、コア材20による中間層20z(コア層)内に樹脂30を介して埋設された管体40によってそれぞれ形成されている。言い換えれば、傾斜テーブル4は、その内部におけるコア層20z内に埋設された複数の管体40(複数の流体路)から成る流体回路8を有している。なお、この管体40については、本実施例では、主として銅管が採用されているものとする。但し、この管体40には、銅管の代わりにステンレス管やアルミ管等が採用されていてもよい。また、クランプ装置6のように高い圧力の流体(作動流体)が供給される装置に接続される管体40は、これらのような金属製のものを採用することが望ましいが、着座ブロック5における着座確認用の空気流路5aに接続される管体40は、樹脂製(硬質プラスチック製、ポリカーボネート製等)のものであってもよい。
この傾斜テーブル4の成形、及びその成形過程における傾斜テーブル4内での流体路の形成(管体40の設置)について、詳しくは以下の通りである。
先ず、本実施例では、前記の複合材料から成る傾斜テーブル4(部品)が、RTM成形法によって成形されるものとする。具体的には図4に示すように、最初に、上下分割型の金型7における下型(雌型)71上に、予め所望の形に成形された炭素繊維基材から成るプリフォーム11が配置される。なお、このプリフォーム11は、傾斜テーブル4における外面側(外側)の部分となるものである。従って、下型71は凹部71aを有しており、その凹部71aの形状は傾斜テーブル4の外側形状に応じたものとなっている。そして、その外側となるプリフォーム(外側プリフォーム)11は、テーブル部4aに対応する部分(テーブル部分11a)に対し両側のアーム部4b、4cに対応する部分(アーム部分11b、11c)が直交するように屈曲された形に成形されたものとなっている。
次いで、その外側プリフォーム11上に、コア材20としての発泡材が配置される。なお、その発泡材は、板状(直方体状)のものを用い、傾斜テーブル4におけるテーブル部4aに対応するもの21と各アーム部4b、4cに対応するもの22、23とをそれぞれ別に用意する。そして、これら発泡材21、22、23が成形時のかたちに組み合わされたものを、以後、コア体と言う。また、成形後において傾斜テーブル4におけるコア層20zとなるコア体が、テーブル部4aに応じた大きさの板状の発泡材(第1の発泡材21)と、各アーム部4b、4cに応じた大きさの板状の発泡材(第2の発泡材22、23)とを組み合わせて構成されるものとなっている。そして、それらの発泡材は、第1の発泡材21が外側プリフォーム11における前記テーブル部分11a上に載置されると共に、一対の第2の発泡材22、23がそれぞれ外側プリフォーム11における前記アーム部分11b、11cの内側に当接するかたちで、外側プリフォーム11上に配置される。因みに、本実施例では、図示のように、第1の発泡材21上に一対の第2の発泡材22、23が立設されるものとなっているが、これら第2の発泡材22、23が第1の発泡材21の長手方向の両外側に位置するように第1の発泡材21と第2の発泡材22、23とが組み合わされるものであってもよい。
その上で、前記のように外側プリフォーム11上に配置された第1、第2の発泡材21、22、23から成るコア体上に、炭素繊維基材から成るプリフォーム12が配置される。なお、このプリフォーム12は、傾斜テーブル4における内面側(内側)の部分となるものである。従って、その内側となるプリフォーム(内側プリフォーム)12は、外側プリフォーム11と同様にテーブル部分11aに対しアーム部分12b、12cが直交すると共に、両アーム部分12b、12cが第2の発泡材22、23に当接する形に成形されている。
そして、そのように外側プリフォーム11、発泡材(コア材20)、内側プリフォーム12がその順に下型71上に積層配置された状態において、上型72(雄型)が下型71に対しセットされる。なお、この上型72は凸部(コア)72aを有するものであり、その凸部72aの形状は傾斜テーブル4の内側形状に応じたものとなっている。なお、上型72と下型71とを組み合わせることによって、前記の凹部71aと凸部72aとの間には空隙(キャビティ)73が形成され、この空隙73は、外側プリフォーム11、発泡材(コア材20)、内側プリフォーム12が配置される空間となる。また、上型72には、その空隙73の一端側に連通する位置に樹脂注入用の注入孔72bが複数形成されていると共に、その空隙73の他端側に連通する位置に空気吸引用の吸引孔72cが形成されている。
次いで、前記のように上型72がセットされた状態において、上型72に形成された注入孔72bには、他端において樹脂槽(図示略)に連結された樹脂注入用の注入管74がその一端において接続される。また、吸引孔72cには、他端において真空ポンプ等の吸引装置(図示略)に接続された吸引管75がその一端において接続される。従って、前記空隙73は、その一端において注入管74及び注入孔72bを介して樹脂槽に連通され、その他端において吸引管75及び吸引孔72cを介して吸引装置に連通された状態となる。
その上で、吸引装置による吸引が開始され、吸引孔72cから真空引きが行われることにより、樹脂槽内の樹脂(マトリックス樹脂)が注入管74及び注入孔72bを介して前記空隙73に流入し、外側プリフォーム11(炭素繊維基材)、コア体(発泡材)、内側プリフォーム12(炭素繊維基材)の隙間に樹脂が含浸する。因みに、吸引装置と上型72(吸引孔72c)とを繋ぐ吸引管75の経路中には樹脂溜まり(図示略)が設けられ、前記空隙73から吸引された樹脂が吸引装置に至らない構成となっている。
その後、外側プリフォーム11、コア体、内側プリフォーム12の隙間に樹脂が均一に含浸したとみなされた時点で前記の吸引(真空引き)が停止され、上型72から注入管74及び吸引管75が取り外された後、加熱によって樹脂が硬化され、複合材料(傾斜テーブル4)が成形される。
そして、そのように成形される複合材料から成る傾斜テーブル4において、本実施例では、CFRP材間に介装されるコア材20としての発泡材は、前記した複数の管体40を受け入れるための溝21a、22aが形成されたものとなっている。
より詳しくは、図5に示すように、前記したコア体の一部を構成する第1の発泡材21は、傾斜テーブル4上に設置される設置装置(クランプ装置6、着座ブロック5)のそれぞれに対応させて形成された複数の溝21aであって、第1の発泡材21の長手方向(=傾斜テーブル4におけるテーブル部4aの長手方向)に延在するように形成された複数の溝(第1の溝)21aを有している。
この各第1の溝21aは、幅方向(=前記載置面における前記長手方向と直交する方向)に関しては、その位置が前記各設置装置における流体供給口(流体流路)の位置に一致するように形成されている。また、各第1の溝21aは、長手方向に関しては、前記の各設置装置の位置から第1の発泡材21の一端部側の側縁まで延在するように形成されている。但し、ここで言う一端部とは、第1の発泡材21と第2の発泡材22、23とが組み合わされた状態(組み合わせ状態)で、前記した一対の第2の発泡材22、23のうちの前記一方のアーム部4b側の第2の発泡材22(一方の第2の発泡材)が立設される側の端部である。
なお、本実施例においては、複数本の第1の溝21aは、前記幅方向における溝の位置と溝幅との関係で、前記一端部側において、1つにまとまったかたちとなっている。具体的には、前記各設置装置に対応する6本の第1の溝21aは、前記一端部側において、3本ずつが前記幅方向に連通して1つにまとまったかたちで形成されている。
また、前記一方の第2の発泡材22は、前記した第1の発泡材21における複数の第1の溝21aのそれぞれに対応する複数の溝22aであって、前記組み合わせ状態での第1の発泡材21からの第2の発泡材の延在方向に関し、その延在方向に延びるように形成された溝(第2の溝)22aを有している。
この各第2の溝22aは、前記組み合わせ状態において、前記幅方向に関し、その位置が第1の発泡材21における対応する第1の溝21aの位置に一致するように形成されている。但し、前記のように6本の第1の溝21aは、前記一端部側においては、3つの前記設置装置に対応する3本が1つにまとまるかたちで、全体として2本の溝のような形態で形成されている。従って、第2の溝22aも、その3本の第1の溝21aに対応する3本が1つにまとまったものとなっており、見た目上は幅広の2本の溝として形成されている。但し、各第1の溝21a及びそのそれぞれに対応する各第2の溝22aについては、前記各設置装置の配置等によっては、それぞれが独立した溝となる。
また、各第2の溝22aは、前記延在方向に関し、前記組み合わせ状態で第1の発泡材21側となる端縁から延在するように形成されており、前記組み合わせ状態で第1の発泡材21に当接する側面に開口するものとなっている。さらに、各第2の溝22aは、前記延在方向における前記一方の第2の発泡材22の中間部を超える位置まで延在するものとなっている。なお、各第2の溝22aの前記延在方向おける延在長さについては、成形後の傾斜テーブル4における前記一方のアーム部4bが駆動支持部3yにおける回転軸3cに取り付けられた際に、その回転軸3c内に形成された第3の流路8cが、回転軸3cの軸線方向に見て、前記一方のアーム部4b内における第2の溝22aの端部に位置するようなものとなっている。
以上のような溝が形成された第1、第2の発泡材21、22、23は、前述した成形過程において下型71上に配置された外側プリフォーム11上で組み合わされるが、その前記組み合わせ状態において、第1の発泡材21は、第1の溝21a、…が上方(外側プリフォーム11とは反対側)に開口するようにテーブル部分11a上に配置されると共に、前記一方の第2の発泡材22は、第2の溝22a、…が内側(他方の第2の発泡材23側)に開口するように第1の発泡材21上に配置(立設)される。そして、前記一方の第2の発泡材22においては、前記のように、第2の溝22aは第1の発泡材21に当接する側面に開口するように形成されていることから、前記組み合わせ状態においては、第1の溝21aと第2の溝22aとが連通した状態となる。すなわち、第1、第2の発泡材21、22を組み合わせて構成されたコア体に対し、第1の溝21aと第2の溝22aは、第1の発泡材21と前記一方の第2の発泡材22とに跨がって形成されたかたちとなる。
その上で、そのコア体上に内側プリフォーム12が配置される前の段階において、コア体に形成された溝内に、前記各設置装置へ流体を供給する流体路となる複数(6本)の管体40が配置される。但し、図5は、配置される管体40の1本のみを、その一部を省略して示し、他の管体40については省略してある。
この管体40は、前述のように銅管を主として構成されている。但し、本実施例の傾斜テーブル4においては、テーブル部4a(第1の発泡材21)に対し各アーム部4b(第2の発泡材22、23)が直交する配置となっており、第1の溝21aの延在方向と第2の溝22aの延在方向とは直交するものとなっている。そこで、管体40は、図4、5に示すように、複数の銅管41a、41b、41c、41dを管継手42a、42b、42cで組み合わせ、コア体における溝の形状に沿うように構成されている。そして、この管体40のうち、コア体を構成する第1の発泡材21における第1の溝21a内に位置する部分の銅管41c及び管継手42bが前記した第1の流路8aとなり、第2の発泡材22における第2の溝22a内に位置する部分の銅管41bが前記した第2の流路8bとなる。
また、この流体路を形成する各管体40は、前記した駆動支持部3yにおける回転軸3cに形成された第3の流路8cを介して供給される流体を対応する前記設置装置に供給するためのものであり、従って、第2の流路8bが外部に連通するように構成されている必要がある。そこで、コア体における第2の発泡材22には、第2の溝22aの前記端部において第2の溝22aの底面に開口すると共に第2の発泡材22の厚さ方向に貫通する貫通孔22hが形成されている。さらに、そのコア体が内側に配置される外側プリフォーム11にも、その第2の発泡材22における貫通孔22hに対応する位置に孔11hが貫通して形成されている。
また、管体40は、成形時においては、第2の流路8bにおける第1の流路8a側の端部とは反対側の他端部に対し管継手42aを介して短尺の銅管41aが接続されたものとなっている。そして、管体40は、第1及び第2の溝21a、21b内に配置された状態で、その短尺の銅管41aがコア体(第2の発泡材22)における貫通孔22hに通されて外側プリフォーム11から突出する状態とされる。そのため、下型71には、その管体40における外側プリフォーム11からの突出部分を受け入れる凹部71bが設けられている。なお、図4の構成では、下型71は分割可能な二体物で構成されており、その分割部分に形成された溝により前記凹部71bが形成されている。
さらに、管体40は、成形時においては、第1の流路8aにおける第2の流路8b側の端部とは反対側の他端部に対し管継手42cを介して短尺の銅管41dが接続されたものとなっている。そして、管体40は、第1及び第2の溝21a、21b内に配置された状態で、その短尺の銅管41dが第1の溝21aから上方へ向けて突出する状態とされる。因みに、その突出位置は、成形後において傾斜テーブル4上に配置される前記設置装置のうちの、その管体40(流体路)によって流体が供給される装置における流体供給口の位置に一致させた位置である。
そして、そのように外側プリフォーム11上にコア体が配置されると共に、前記各設置装置にそれぞれに対応する複数の管体40であって対応する前記設置装置へ流体を供給するための流体路となる管体40がコア体における第1及び第2の溝21a、21b内に配置された状態で、前述のようにコア体上に内側プリフォーム12が配置される。また、そのようにコア体上に内側プリフォーム12が配置されることにより、コア体における第1及び第2の溝21a、21bは、その開口が内側プリフォーム12によって閉塞された状態となる。
なお、前記のように、コア体の第1及び第2の溝21a、21b内に配置された管体40は、第1の流路8aにおける前記他端部に接続された銅管41dが第1の溝21a内から上方へ向けて突出するものとなっており、そのために、内側プリフォーム12には、その管体40の突出部分が挿通可能な孔12hが貫通して形成されている。従って、コア体上に内側プリフォーム12が配置された状態において、管体40の前記突出部分は、内側プリフォーム12から突出した状態となっている。
そして、そのように下型71上に、外側プリフォーム11、コア体、内側プリフォーム12がその順で積層配置されると共に、そのコア体内に前記各設置装置に対応する管体40が内設された状態で、前述の上型72がセットされる。但し、上型72にも管体40の前記突出部分を受け入れる凹部72dが設けられており、上型72が下型71にセットされた状態において、管体40の前記突出部分は上型72の前記凹部72dに受け入られた状態となる。
その上で、金型7内に樹脂が注入され、傾斜テーブル4が成形される。因みに、その樹脂の注入に伴い、コア体における第1及び第2の溝21a、21b内の空間にも樹脂が充填される。そして、その樹脂が硬化することにより、コア体(コア層20z)内での管体40の位置が固定され、成形後の傾斜テーブル4において、そのコア層20z内に管体40が樹脂30を介して埋設された状態となる。
以上で説明した実施例(前記実施例)に対し、本発明は以下(1)〜(5)のように変形した実施形態(変形例)による実施も可能である。
(1)前記実施例では、成形後の複合材料におけるコア層20zを形成するコア体が発泡材で構成されている、すなわち、コア材20を発泡材とするものとしたが、本発明においては、コア材は、前記実施例の発泡材に限らず、ハニカム材又は多孔質樹脂材であってもよい。また、表面層を形成する表面材としてのFRP材は、前記実施例のようなCFRP材に限らず、他のFRP材(例えば、GFRP材)であってもよい。
(2)前記実施例では、コア層20z内に管体40が埋設された状態とするための構成として、成形前のコア材20(コア体)自身に溝(第1及び第2の溝21a、21b)が形成されているものとしたが、これに代えて、例えば、前記実施例の外側プリフォーム11におけるテーブル部分11a上に配置されるコア材について、複数の板状のコア材が間隔をおいて並設配置されるものとし、その並設された2つのコア材の間の間隙(空間)が管体を配置する溝となる構成としてもよい。
(3)前記実施例では、コア材20(コア体)における溝内に管体40を配置し、コア材20の厚さ方向における管体40の位置が溝の底面の位置によって定められる構成となっているが、これに代えて、成形時に用いられる金型(上型、下型)によってコア体(コア層)内の溝内における管体の位置が位置決めされるものとしてもよい。具体的には、まず、上型及び/又は下型は、管体の各端部を保持(支持)可能な構成とする。例えば、前記実施例のように上型及び下型は、管体の各端部(前記突出部分)を受け入れる構成を有し、その受け入れた状態でその端部を保持できるといった構成とする。その上で、上型及び下型は、前記した2つのコア材間の空間を管体が配置される溝とする構成等とする。このような構成を前提とする、上型及び/又は下型が管体をその両端部において支持することにより、溝内におけるコア材の厚さ方向おける管体の位置が定められる構成としてもよい。
(4)前記実施例による部品(複合材料)は、RTM成形法で成形してあるが、それに限らず、本発明による部品(複合材料)は、ハンドレイアップ成形法、オートクレープ成形法、引抜成形法でも成形可能である。また、部品がパイプ等の円筒形状を成すものである場合には、この部品は、フィラメントワインディング成形法やシートラッピング成形法で成形することも考えられる。
(5)前記実施例の部品(傾斜テーブル4)が適用される装置は、工作機械関連装置としての傾斜割出し装置であったが、本発明(部品)が適用される装置はそのような傾斜割出し装置に限らず、他の工作機械関連装置や工作機械であってもよい。例えば、工作機械関連装置としては、前記実施例の傾斜割出し装置に対しその傾斜テーブル上に回転割出し装置(回転テーブル装置)が設置される場合があり、そのような回転割出し装置の一部を構成する部品(ハウジング等)に本発明を適用することも可能である。また、本発明が適用される装置は、工作機械であってもよい。工作機械としては、例えば、マシニングセンタにおけるコラムに設置される主軸ヘッドや主軸の一部を構成する部品等があり、これら部品等に本発明を適用することも可能である。
なお本発明は、上記実施例及び実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 傾斜割出し装置
2 架台
3 支持部
3y 駆動支持部
3z 従動支持部
3a 枠体
3b 軸受
3c 回転軸
3d ロータリジョイント
4 傾斜テーブル
4a テーブル部
4b アーム部
4c アーム部
5 着座ブロック
5a 空気流路
6 クランプ装置
6a 本体ハウジング
6b 作動ロッド
6c クランプアーム
6d リンク部材
6h 給排孔
6s ネジ部材
7 金型
71 下型
71a 凹部
71b 凹部
72 上型
72a 凸部
72b 注入孔
72c 吸引孔
72d 凹部
73 空隙
74 注入管
75 吸引管
10 表面材
10z 表面層
11 外側プリフォーム
11a テーブル部分
11b、11c アーム部分
11h 孔
12 内側プリフォーム
12a テーブル部分
12b、12c アーム部分
12h 孔
8 流体回路
8a 第1の流路
8b 第2の流路
8c 第3の流路
81 作動流体用の流体路
82 空気供給用の流体路
20 コア材
20z 中間層、コア層
21 第1の発泡材
21a 溝
22、23 第2の発泡材
22a 溝
22h 貫通孔
30 樹脂
40 管体
41a、41b、41c、41d 銅管
42a、42b、42c 管継手
L 軸線
W ワーク

Claims (2)

  1. 工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成する部品であって、
    前記部品は、発泡材、ハニカム材又は多孔質樹脂材から成るコア材をFRP材から成る表面材で挟み込んだサンドイッチ構造の複合材料で形成されていると共に、その内部に複数の流体路から成る流体回路を有しており、
    前記流体回路は、前記コア材によるコア層内に埋設された管体により形成されている
    ことを特徴とする部品。
  2. 工作機械又は工作機械関連装置における可動部分の少なくとも一部を構成する部品であって内部に複数の流体路から成る流体回路を有する部品の製造方法であって、
    上下分割型の金型を用い、発泡材、ハニカム材又は多孔質樹脂材から成るコア材と、繊維強化基材から成るプリフォームとを、下型に対し前記プリフォーム、前記コア材、前記プリフォームの順に積層配置して行われるRTM成形法によって成形された複合材料により前記部品が形成されており、
    前記積層配置において、前記コア材によって前記流体路が設けられるべき位置に溝が形成されると共に、前記溝内に管体が配設され、前記管体により前記流体回路が形成される
    ことを特徴とする部品の製造方法。
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