JP2016133163A - 繊維強化プラスチック部材の締結構造およびレーザ加工機 - Google Patents

繊維強化プラスチック部材の締結構造およびレーザ加工機 Download PDF

Info

Publication number
JP2016133163A
JP2016133163A JP2015007706A JP2015007706A JP2016133163A JP 2016133163 A JP2016133163 A JP 2016133163A JP 2015007706 A JP2015007706 A JP 2015007706A JP 2015007706 A JP2015007706 A JP 2015007706A JP 2016133163 A JP2016133163 A JP 2016133163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforced plastic
insert
fiber reinforced
fiber
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015007706A
Other languages
English (en)
Inventor
市弥 高橋
Ichiya Takahashi
市弥 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2015007706A priority Critical patent/JP2016133163A/ja
Publication of JP2016133163A publication Critical patent/JP2016133163A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことで、締結部の数を増やさずに繊維強化プラスチックの亀裂発生を抑制し、結果として、全体の重量を低減した上で所望の強度を実現可能な繊維強化プラスチック部材の締結構造およびこの締結構造を備えたレーザ加工機を得る。【解決手段】胴部(21)および頭部(22)を有するインサート部材(20)は、頭部(22)において胴部(21)に対して径方向外側に形成された被接触面(23)が繊維強化プラスチック部材(10)の金属板(12)に形成された接触面(15)と接触しつつ、胴部(21)の外周面がインサート埋め込み穴(13)のキリ穴部(14)の壁面と接着剤(50)を介して接着されることで、繊維強化プラスチック部材(10)に埋め込まれている。【選択図】図2

Description

本発明は、繊維強化プラスチック部材と他の部材である被締結部材とを締結するための繊維強化プラスチック部材の締結構造およびこの締結構造を備えたレーザ加工機に関するものである。
従来の工作機械(例えば、レーザ加工機など)においては、ステージ定盤部材として、軽量かつ高剛性な繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)が用いられたXYステージが搭載されている。
ここで、従来の繊維強化プラスチックは、母材が樹脂である。したがって、繊維強化プラスチックにネジ切り加工を施した場合、ネジとの接触部に応力が集中することで、塑性変形(すなわち、つぶれ)が発生してしまい、その結果として、ネジのゆるみなどが生じやすい。
そこで、金属製のインサート部材(例えば、特許文献1参照)を繊維強化プラスチックの内部に埋め込み、インサート部材を用いて、繊維強化プラスチックと被締結部材とを締結する。
特開2014−5895号公報
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
上記のような繊維強化プラスチックの締結構造において、繊維強化プラスチックの表面からインサート部材が突出しないように、繊維強化プラスチック自体にザグリ加工が施される場合がある。
このような場合において、繊維強化プラスチックと締結された被締結部材の垂直方向に荷重が加わったとき、繊維強化プラスチックの強化繊維層間に引張応力が垂直方向に作用する。
ここで、繊維強化プラスチックの強化繊維層間の引張強度(すなわち、垂直方向の引張強度)は、水平方向に比べて強度が小さい。また、繊維強化プラスチックの強化繊維層間に引張応力が作用すると、強化繊維層に沿って亀裂が発生し、進展する。また、繊維強化プラスチックに亀裂が発生した場合、形状のゆがみ、および被締結部材の脱落などを引き起こす。
したがって、繊維強化プラスチックに亀裂が発生しないように、インサート部材の数を増やすことで、一箇所の締結部が負担する荷重を減らす必要がある。しかしながら、このように、繊維強化プラスチックの内部に埋め込むインサート部材の数を増やすことで、締結部の数を増やせば、結果として、全体の重量増を招くという問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことで、締結部の数を増やさずに繊維強化プラスチックの亀裂発生を抑制し、結果として、全体の重量を低減した上で所望の強度を実現可能な繊維強化プラスチック部材の締結構造およびこの締結構造を備えたレーザ加工機を得ることを目的とする。
本発明における繊維強化プラスチック部材の締結構造は、円筒形状の胴部と、胴部に対して径方向外側に被接触面が形成された頭部とを有し、ボルトを螺合させるねじ切り部が形成されているインサート部材と、繊維強化プラスチック板と、繊維強化プラスチック板の表面および裏面の少なくとも一方の面に接着された金属板とを有し、インサート部材を埋め込むために胴部と頭部の形状に合わせて貫通されたインサート埋め込み穴が形成されている繊維強化プラスチック部材と、を備え、インサート埋め込み穴は、キリ穴部と、インサート部材を埋め込んだ際に被接触面と接触する接触面が金属板に形成されている加工部とを有し、インサート部材は、加工部の接触面と被接触面とが接触しつつ、胴部の外周面がキリ穴部の壁面と接着剤を介して接着されることで、繊維強化プラスチック部材に埋め込まれているものである。
また、本発明におけるレーザ加工機は、上記の繊維強化プラスチック部材の締結構造を備えたものである。
本発明によれば、胴部および頭部を有するインサート部材は、頭部において胴部に対して径方向外側に形成された被接触面が繊維強化プラスチック部材の金属板に形成された接触面と接触しつつ、胴部の外周面がインサート埋め込み穴のキリ穴部の壁面と接着剤を介して接着されることで、繊維強化プラスチック部材に埋め込まれている。これにより、一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことで、締結部の数を増やさずに繊維強化プラスチックの亀裂発生を抑制し、結果として、全体の重量を低減した上で所望の強度を実現可能な繊維強化プラスチック部材の締結構造およびこの締結構造を備えたレーザ加工機を得ることができる。
本発明の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造の分解斜視図である。 本発明の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造の断面図である。 本発明の実施の形態1におけるインサート部材の斜視図である。 本発明の実施の形態2における繊維強化プラスチック部材の締結構造の断面図である。 本発明の実施の形態2におけるインサート部材の斜視図である。 本発明の実施の形態3におけるインサート部材の斜視図である。 本発明の実施の形態3におけるインサート部材をインサート埋め込み穴に固定したときに、インサート部材の胴部を軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。 本発明の実施の形態4におけるインサート部材の斜視図である。 本発明の実施の形態4におけるインサート部材をインサート埋め込み穴に固定したときに、インサート部材の胴部を軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。 本発明の実施の形態5におけるインサート部材の斜視図である。 本発明の実施の形態5におけるインサート部材をインサート埋め込み穴に固定したときに、インサート部材の胴部を軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。 本発明の実施の形態6におけるインサート部材の斜視図である。 本発明の実施の形態6におけるインサート部材をインサート埋め込み穴に固定したときに、インサート部材の胴部を軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。 本発明の実施の形態7におけるインサート埋め込み穴に、インサート部材を固定したときに、インサート部材の胴部を軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。 本発明の実施の形態8において、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造を備えたレーザ加工機の微動軸ステージ部の正面図である。 本発明の実施の形態8において、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造を備えたレーザ加工機の微動軸ステージ部の右側面図である。 図15AのA−A矢視断面図である。 図15BのB−B矢視断面図である。
以下、本発明による繊維強化プラスチック部材の締結構造およびこの締結構造を備えたレーザ加工機を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、各実施の形態では、一箇所の締結部によって繊維強化プラスチック部材を被締結部材と締結する場合を例示する。
ここで、本発明においては、胴部および頭部を有するインサート部材は、頭部において胴部に対して径方向外側に形成された被接触面が繊維強化プラスチック部材の金属板に形成された接触面と接触しつつ、胴部の外周面がインサート埋め込み穴のキリ穴部の壁面と接着剤を介して接着されることで、繊維強化プラスチック部材に埋め込まれていることを技術的特徴とする。各実施の形態では、このような技術的特徴を有する繊維強化プラスチック部材の締結構造の具体的な構成例について詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造の分解斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造の断面図である。図3は、本発明の実施の形態1におけるインサート部材20の斜視図である。
本実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造は、繊維強化プラスチック部材10と、インサート部材20と、被締結部材30と、ボルト40とを備える。
繊維強化プラスチック部材10は、繊維強化プラスチック板11と、繊維強化プラスチック板11の表面および裏面の少なくとも一方の面の一部または全部に接着された金属板12とを有する。ここで、繊維強化プラスチック板11の表面および裏面の二つの面は、繊維強化プラスチック板11の厚み方向(すなわち、三方向のうち、他の二方向に対して寸法が小さい方向)に対して垂直である。なお、図1および図2では、繊維強化プラスチック板11の表面の全部に金属板12が接着された場合を例示している。
繊維強化プラスチック板11の製造方法については、特に限定されないが、例えば、強化繊維に樹脂を予め含浸させてシート状にしたプリプレグを多層積層した上で、加圧および加熱によって硬化させることで成形する方法が一般的に採用されている。このような製造方法から作られた繊維強化プラスチック板11の内部に埋め込まれた強化繊維は、繊維強化プラスチック板11の厚み方向に対して垂直に配向される。
金属板12の材料は、自由に選択することができ、例えば、鉄またはアルミ合金などが用いられ、金属板12の厚みも、自由に設定することができる。ただし、金属板12の厚みが薄い場合、インサート部材20と接触することで荷重を伝達させる皿取り加工面15の面積が小さくなるので、金属板12の厚みは、1.5mm以上であることが望ましい。
なお、繊維強化プラスチック板11と金属板12とを接着するための接着剤の材料は、特に限定されないが、例えば、エポキシ接着剤またはアクリル接着剤などが用いられる。
繊維強化プラスチック部材10には、インサート部材20を埋め込み可能なインサート埋め込み穴13が形成されている。
インサート埋め込み穴13は、繊維強化プラスチック板の表面に接着された金属板12の表面から、繊維強化プラスチック板11の裏面にわたって貫通している。また、インサート埋め込み穴13は、丸穴形状のキリ穴部14と、キリ穴部14に対して径方向外側に皿取り加工面15が形成された皿取り加工部16とを有する。キリ穴部14および皿取り加工部16で構成されるインサート埋め込み穴13には、インサート埋め込み穴13と予め設定された寸法公差をもって埋め込み可能な形状のインサート部材20が埋め込まれる。
本実施の形態1におけるインサート部材20は、円筒形状の胴部21と、胴部21に対して径方向外側にテーパー加工面23が形成された頭部22とを有する。インサート部材20の内部(内周面)には、ネジ切り加工が施されることで、ボルト40を螺合させるネジ切り部24が形成される。頭部22は、円錐台状に加工され、テーパー加工面23のテーパー角度は、皿取り加工部16の皿取り加工面15のテーパー角度と等しい。
頭部22の軸方向高さは、皿取り加工部16の深さよりも小さいので、インサート埋め込み穴13にインサート部材20を埋め込んだ場合、頭部22が金属板12の表面から突出した状態とならない。
インサート埋め込み穴13は、インサート部材20を埋め込むために胴部21と頭部22の形状に合わせて貫通されている。インサート埋め込み穴13にインサート部材20を埋め込んだ場合、頭部22のテーパー加工面23は、皿取り加工部16の皿取り加工面15と対向して接触し、胴部21の外周面は、キリ穴部14の壁面と対向する。
また、インサート埋め込み穴13に埋め込まれたインサート部材20は、胴部21の外周面がキリ穴部14の壁面と接着剤50を介して接着されることで、位置が固定される。このように、テーパー加工面23と皿取り加工面15とを接触させつつ、胴部21の外周面とキリ穴部14の壁面とを接着剤50を介して接着することで、インサート部材20をインサート埋め込み穴13に固定することができる。
なお、接着剤50の材料は、特に限定されないが、例えば、エポキシ接着剤またはアクリル接着剤などが用いられる。
被締結部材30には、キリ穴またはネジ穴がボルト通し穴31として形成される。被締結部材30のボルト通し穴31にボルト40を通した上で、インサート埋め込み穴13に固定されたインサート部材20のネジ切り部24にボルト40を螺合する。これにより、摩擦力が発生し、繊維強化プラスチック部材10と被締結部材30とが締結される。
このように繊維強化プラスチック部材の締結構造を構成することで、繊維強化プラスチック部材10と被締結部材30とを締結することで生じるボルト40の軸力は、インサート部材20から、頭部22のテーパー加工面23と接触している皿取り加工面15を介して、金属板12に伝達される。換言すると、テーパー加工面23と、金属板12に形成されている皿取り加工面15とが必ず接触した状態となっているので、ボルト40の軸力は、金属板12に伝達されることとなる。
したがって、繊維強化プラスチック板11には、被締結部材30と金属板12とで挟み込まれる際に生じる圧縮力のみが負荷されることとなり、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間に引張力が作用しない。これにより、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間の亀裂発生を抑制することができるとともに、一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことができる。
以上、本実施の形態1によれば、円筒形状の胴部と、胴部に対して径方向外側に被接触面が形成された頭部とを有し、ボルトを螺合させるねじ切り部が形成されているインサート部材と、繊維強化プラスチック板と、繊維強化プラスチック板の表面および裏面の少なくとも一方の面に接着された金属板とを有し、インサート部材を埋め込むために胴部と頭部の形状に合わせて貫通されたインサート埋め込み穴が形成されている繊維強化プラスチック部材と、を備え、インサート埋め込み穴は、キリ穴部と、インサート部材を埋め込んだ際に被接触面と接触する接触面が金属板に形成されている加工部とを有し、インサート部材は、加工部の接触面と被接触面とが接触しつつ、胴部の外周面がキリ穴部の壁面と接着剤を介して接着されることで、繊維強化プラスチック部材に埋め込まれている構成を有する。
具体的には、インサート部材の頭部には、被接触面として、胴部に対して径方向外側にテーパー面が形成され、インサート埋め込み穴は、接触面として、キリ穴部に対して径方向外側に皿取り加工面が形成された皿取り加工部を、加工部として有する。そして、インサート部材は、皿取り加工部の皿取り加工面と頭部のテーパー面とが接触しつつ、胴部の外周面がキリ穴部の壁面と接着剤を介して接着される。
これにより、締結で生じるボルトの軸力は、インサート部材から頭部と接触している金属板の皿取り加工面を介して金属板に伝達される。そのため、繊維強化プラスチック板には、被締結部材と金属板とで挟み込む圧縮力のみが負荷されることとなり、繊維強化プラスチック板の強化繊維層間に引張力が作用されない。したがって、繊維強化プラスチック板の強化繊維層間の亀裂発生を抑制することができる。
また、一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことで、締結部の数を増やさずに繊維強化プラスチックの亀裂発生を抑制し、結果として、全体の重量を低減した上で所望の強度を実現可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、先の実施の形態1に対して、インサート埋め込み穴13の形状とは異なるインサート埋め込み穴13aが形成された繊維強化プラスチック部材10Aと、インサート部材20の形状とは異なるインサート部材20Aとについて説明する。
図4は、本発明の実施の形態2における繊維強化プラスチック部材の締結構造の断面図である。図5は、本発明の実施の形態2におけるインサート部材20Aの斜視図である。なお、本実施の形態2では、先の実施の形態1と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態2における繊維強化プラスチック部材の締結構造は、繊維強化プラスチック部材10Aと、インサート部材20Aと、被締結部材30と、ボルト40とを備える。
繊維強化プラスチック部材10Aは、繊維強化プラスチック板11と、繊維強化プラスチック板11の表面および裏面の少なくとも一方の面の一部または全部に接着された金属板12とを有する。
また、繊維強化プラスチック部材10Aには、インサート部材20Aを埋め込み可能なインサート埋め込み穴13aが形成されている。また、インサート埋め込み穴13aは、丸穴形状のキリ穴部14aと、キリ穴部14aに対して径方向外側にザグリ加工底面17が形成されたザグリ加工部18とを有する。
図4から分かるように、このザグリ加工部18は、繊維強化プラスチック部材10Aの金属板12に形成されている一方、繊維強化プラスチック板11には形成されていない。キリ穴部14aおよびザグリ加工部18で構成されるインサート埋め込み穴13aには、インサート埋め込み穴13aと予め設定された寸法公差をもって埋め込み可能な形状のインサート部材20Aが埋め込まれる。
インサート部材20Aは、円筒形状の胴部21aと、胴部21aよりも径が大きく、かつ胴部21と同軸の円筒形状の頭部22aとを有する。インサート部材20Aの内部には、ネジ切り加工が施されることで、ボルト40を螺合させるネジ切り部24が形成される。
頭部22aの軸方向高さは、ザグリ加工部18の深さよりも小さいので、インサート埋め込み穴13aにインサート部材20Aを埋め込んだ場合、頭部22aが金属板12の表面から突出した状態とならない。
インサート埋め込み穴13aにインサート部材20Aを埋め込んだ場合、頭部22aの内側端面25は、ザグリ加工部18のザグリ加工底面17と対向して接触し、胴部21aの外周面は、キリ穴部14aの壁面と対向する。
また、インサート埋め込み穴13aに埋め込まれたインサート部材20Aは、胴部21aの外周面がキリ穴部14aの壁面と接着剤50を介して接着されるので、位置が固定される。このように、内側端面25とザグリ加工底面17とを接触させつつ、胴部21aの外周面とキリ穴部14aの壁面とを接着剤50を介して接着することで、インサート部材20Aをインサート埋め込み穴13aに固定することができる。
このように繊維強化プラスチック部材の締結構造を構成することで、繊維強化プラスチック部材10Aと被締結部材30とを締結することで生じるボルト40の軸力は、インサート部材20Aから、頭部22aの内側端面25と接触しているザグリ加工底面17を介して、金属板12に伝達される。換言すると、内側端面25と、金属板12に形成されているザグリ加工底面17とが必ず接触した状態となっているので、ボルト40の軸力は、金属板12に伝達されることとなる。
したがって、繊維強化プラスチック板11には、被締結部材30と金属板12とで挟み込まれる際に生じる圧縮力のみが負荷されることとなり、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間に引張力が作用しない。これにより、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間の亀裂発生を抑制することができるとともに、一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことができる。
以上、本実施の形態2によれば、先の実施の形態1に対して、インサート部材の頭部は、胴部と同軸であって、胴部よりも径の大きい円筒形状であり、インサート埋め込み穴は、インサート部材の頭部の被接触面である内側端面と接触する接触面として、キリ穴部に対して径方向外側にザグリ加工底面が形成されたザグリ加工部を、加工部として有する。そして、インサート部材は、ザグリ加工部のザグリ加工底面と頭部の内側端面とが接触しつつ、胴部の外周面がキリ穴部の壁面と接着剤を介して接着される。これにより、先の実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3では、先の実施の形態1に対して、インサート埋め込み穴13の形状とは異なるインサート埋め込み穴13bが形成された繊維強化プラスチック部材10Bと、胴部21の形状とは異なる胴部21bが形成されたインサート部材20Bとについて説明する。
図6は、本発明の実施の形態3におけるインサート部材20Bの斜視図である。図7は、本発明の実施の形態3におけるインサート部材20Bをインサート埋め込み穴13bに固定したときに、インサート部材20Bの胴部21bを軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。なお、本実施の形態3では、先の実施の形態1と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態3における繊維強化プラスチック部材の締結構造は、繊維強化プラスチック部材10Bと、インサート部材20Bと、被締結部材30と、ボルト40とを備える。
繊維強化プラスチック部材10Bは、繊維強化プラスチック板11と、繊維強化プラスチック板11の表面および裏面の少なくとも一方の面の一部または全部に接着された金属板12とを有する。
また、繊維強化プラスチック部材10Bには、インサート部材20Bを埋め込み可能なインサート埋め込み穴13bが形成されている。また、インサート埋め込み穴13bは、先の実施の形態1におけるキリ穴部14の壁面に対して溝形状のインサート埋め込み穴溝加工部19が少なくとも1つ形成されたキリ穴部14bと、皿取り加工部16とを有する。キリ穴部14bおよび皿取り加工部16で構成されるインサート埋め込み穴13bには、インサート埋め込み穴13bと予め設定された寸法公差をもって埋め込み可能な形状のインサート部材20Bが埋め込まれる。
インサート部材20Bは、先の実施の形態1における円筒形状の胴部21に対して平滑部26が形成された胴部21bと、頭部22とを有する。この平滑部26の面は、軸方向と平行な面である。
なお、図6および図7では、インサート埋め込み穴13bのキリ穴部14bの壁面に形成されたインサート埋め込み穴溝加工部19の個数が2つである場合を例示しているが、インサート埋め込み穴溝加工部19の個数は限定されない。キリ穴部14bの壁面にインサート埋め込み穴溝加工部19を形成する位置も限定されない。
また、図6および図7では、インサート部材20Bの胴部21bに形成された平滑部26の個数が2つである場合を例示しているが、平滑部26の個数は限定されない。胴部21bに平滑部26を形成する位置も限定されない。
インサート埋め込み穴13bに先の実施の形態1と同様に埋め込まれたインサート部材20Bは、胴部21bの外周面がキリ穴部14bの壁面と接着剤50を介して接着されるので、位置が固定される。また、胴部21bの外周面と、キリ穴部14bの壁面との隙間に接着剤50が充填されるだけでなく、インサート埋め込み穴溝加工部19にも接着剤50が充填されている。
このように繊維強化プラスチック部材の締結構造を構成することで、先の実施の形態1と同様の効果が得られ、さらに、インサート埋め込み穴溝加工部19に充填された接着剤50と、キリ穴部14bの壁面と平滑部26との間に充填された接着剤50とによって、アンカー効果が発現する。
また、アンカー効果が発現することで、インサート部材20Bにボルト40を螺合し、ボルト40に対してトルクを加えた場合であっても、繊維強化プラスチック板11に対して接着剤50が剥がれるのを抑制するともに、インサート部材20Bに対して接着剤50が剥がれるのを抑制することができる。なお、アンカー効果については、平滑部26およびインサート埋め込み穴溝加工部19の少なくとも一方を形成すれば、両方を形成しない場合に比べて効果が大きく、より効果を大きくするには、両方を形成することが望ましい。
以上、本実施の形態3によれば、先の実施の形態1におけるインサート部材の胴部の外周面には、少なくとも1つの平滑部が形成されている。また、インサート埋め込み穴のキリ穴部の壁面には、少なくとも1つのインサート埋め込み穴溝加工部が形成されている。これにより、アンカー効果が発現するので、インサート部材にボルトを螺合し、ボルトに対してトルクを加えた場合であっても、繊維強化プラスチック板に対して接着剤が剥がれるのを抑制するともに、インサート部材に対して接着剤が剥がれるのを抑制することができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、先の実施の形態3に対して、胴部21bの形状とは異なる胴部21cが形成されたインサート部材20Cについて説明する。
図8は、本発明の実施の形態4におけるインサート部材20Cの斜視図である。図9は、本発明の実施の形態4におけるインサート部材20Cをインサート埋め込み穴13bに固定したときに、インサート部材20Cの胴部21cを軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。なお、本実施の形態4では、先の実施の形態3と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態3と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態4における繊維強化プラスチック部材の締結構造は、繊維強化プラスチック部材10Bと、インサート部材20Cと、被締結部材30と、ボルト40とを備える。
インサート部材20Cは、円筒形状の胴部21に対して溝形状のインサート溝加工部27が形成された胴部21cと、頭部22とを有する。このインサート溝加工部27は、軸方向に平行であって、かつ円筒形状の外周面に形成された溝である。
なお、図8および図9では、インサート部材20Cの胴部21cに形成されたインサート溝加工部27の個数が2つある場合を例示しているが、インサート溝加工部27の個数は限定されない。胴部21cにインサート溝加工部27を形成する位置も限定されない。
インサート埋め込み穴13bに先の実施の形態3と同様に埋め込まれたインサート部材20Cは、胴部21cの外周面がキリ穴部14bの壁面と接着剤50を介して接着されるので、位置が固定される。また、胴部21cの外周面と、キリ穴部14bの壁面との隙間に接着剤50が充填されるだけでなく、インサート埋め込み穴溝加工部19およびインサート溝加工部27にも接着剤50が充填されている。
このように繊維強化プラスチック部材の締結構造を構成することで、先の実施の形態1と同様の効果が得られ、さらに、インサート埋め込み穴溝加工部19およびインサート溝加工部27のそれぞれに充填された接着剤50によって、アンカー効果が発現し、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。なお、アンカー効果については、インサート溝加工部27およびインサート埋め込み穴溝加工部19の少なくとも一方を形成すれば、両方を形成しない場合に比べて効果が大きく、より効果を大きくするには、両方を形成することが望ましい。
以上、本実施の形態4によれば、先の実施の形態1におけるインサート部材の胴部の外周面には、少なくとも1つのインサート溝加工部が形成されている。これにより、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態4では、先の実施の形態2に対して、インサート埋め込み穴13aの形状とは異なるインサート埋め込み穴13cが形成された繊維強化プラスチック部材10Cと、胴部21aの形状とは異なる胴部21dが形成されたインサート部材20Dとについて説明する。
図10は、本発明の実施の形態5におけるインサート部材20Dの斜視図である。図11は、本発明の実施の形態5におけるインサート部材20Dをインサート埋め込み穴13cに固定したときに、インサート部材20Dの胴部21dを軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。なお、本実施の形態5では、先の実施の形態2と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態2と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態5における繊維強化プラスチック部材の締結構造は、繊維強化プラスチック部材10Cと、インサート部材20Dと、被締結部材30と、ボルト40とを備える。
繊維強化プラスチック部材10Cは、繊維強化プラスチック板11と、繊維強化プラスチック板11の表面および裏面の少なくとも一方の面の一部または全部に接着された金属板12とを有する。
また、繊維強化プラスチック部材10Cには、インサート部材20Dを埋め込み可能なインサート埋め込み穴13cが形成されている。また、インサート埋め込み穴13cは、先の実施の形態2におけるキリ穴部14aの壁面に対して溝形状のインサート埋め込み穴溝加工部19が少なくとも1つ形成されたキリ穴部14cと、ザグリ加工部18とを有する。キリ穴部14cおよびザグリ加工部18で構成されるインサート埋め込み穴13cには、インサート埋め込み穴13cと予め設定された寸法公差をもって埋め込み可能な形状のインサート部材20Dが埋め込まれる。
インサート部材20Dは、先の実施の形態2における円筒形状の胴部21aに対して平滑部26が形成された胴部21dと、頭部22aとを有する。この平滑部26の面は、軸方向と平行な面である。
なお、図10および図11では、インサート埋め込み穴13cのキリ穴部14cの壁面に形成されたインサート埋め込み穴溝加工部19の個数が2つである場合を例示しているが、インサート埋め込み穴溝加工部19の個数は限定されない。キリ穴部14cの壁面にインサート埋め込み穴溝加工部19を形成する位置も限定されない。
また、図10および図11では、インサート部材20Dの胴部21dに形成された平滑部26の個数が2つである場合を例示しているが、平滑部26の個数は限定されない。胴部21dに平滑部26を形成する位置も限定されない。
インサート埋め込み穴13cに先の実施の形態2と同様に埋め込まれたインサート部材20Dは、胴部21dの外周面がキリ穴部14cの壁面と接着剤50を介して接着されるので、位置が固定される。また、胴部21dの外周面と、キリ穴部14dの壁面との隙間に接着剤50が充填されるだけでなく、インサート埋め込み穴溝加工部19にも接着剤50が充填されている。
このように繊維強化プラスチック部材の締結構造を構成することで、先の実施の形態2と同様の効果が得られ、さらに、インサート埋め込み穴溝加工部19に充填された接着剤50と、キリ穴部14cの壁面と平滑部26との間に充填された接着剤50とによって、アンカー効果が発現し、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。なお、アンカー効果については、平滑部26およびインサート埋め込み穴溝加工部19の少なくとも一方を形成すれば、両方を形成しない場合に比べて効果が大きく、より効果を大きくするには、両方を形成することが望ましい。
以上、本実施の形態5によれば、先の実施の形態2におけるインサート部材の胴部の外周面には、少なくとも1つの平滑部が形成されている。また、インサート埋め込み穴のキリ穴部の壁面には、少なくとも1つのインサート埋め込み穴溝加工部が形成されている。これにより、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。
実施の形態6.
本発明実施の形態6では、先の実施の形態5に対して、胴部21dの形状とは異なる胴部21eが形成されたインサート部材20Eについて説明する。
図12は、本発明の実施の形態6におけるインサート部材20Eの斜視図である。図13は、本発明の実施の形態6におけるインサート部材20Eをインサート埋め込み穴13cに固定したときに、インサート部材20Eの胴部21eを軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。なお、本実施の形態6では、先の実施の形態5と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態5と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態6における繊維強化プラスチック部材の締結構造は、繊維強化プラスチック部材10Cと、インサート部材20Eと、被締結部材30と、ボルト40とを備える。
インサート部材20Eは、円筒形状の胴部21aに対して溝形状のインサート溝加工部27が形成された胴部21eと、頭部22aとを有する。このインサート溝加工部27は、軸方向に平行であって、かつ円筒形状の外周面に形成された溝である。
なお、図12および図13では、インサート部材20Eの胴部21eに形成されたインサート溝加工部27の個数が2つある場合を例示しているが、インサート溝加工部27の個数は限定されない。胴部21eにインサート溝加工部27を形成する位置も限定されない。
インサート埋め込み穴13cに先の実施の形態5と同様に埋め込まれたインサート部材20Eは、胴部21eの外周面がキリ穴部14cの壁面と接着剤50を介して接着されるので、位置が固定される。また、胴部21eの外周面と、キリ穴部14cの壁面との隙間に接着剤50が充填されるだけでなく、インサート埋め込み穴溝加工部19およびインサート溝加工部27にも接着剤50が充填されている。
このように繊維強化プラスチック部材の締結構造を構成することで、先の実施の形態2と同様の効果が得られ、さらに、インサート埋め込み穴溝加工部19およびインサート溝加工部27のそれぞれに充填された接着剤50によって、アンカー効果が発現し、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。なお、アンカー効果については、インサート溝加工部27およびインサート埋め込み穴溝加工部19の少なくとも一方を形成すれば、両方を形成しない場合に比べて効果が大きく、より効果を大きくするには、両方を形成することが望ましい。
以上、本実施の形態6によれば、先の実施の形態2におけるインサート部材の胴部の外周面には、少なくとも1つのインサート溝加工部が形成されている。これにより、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7では、長穴形状のキリ穴部14dを有するインサート埋め込み穴13dに、先の実施の形態3におけるインサート部材20Bまたは先の実施の形態5におけるインサート部材20Dを固定する場合について説明する。
図14は、本発明の実施の形態7におけるインサート埋め込み穴13dに、インサート部材20Bを固定したときに、インサート部材20Bの胴部21bを軸方向に垂直な平面で仮想的に切断した断面図である。なお、本実施の形態7では、インサート埋め込み穴13dに、インサート部材20Bおよびインサート部材20Dのいずれを固定しても同様のことがいえるので、インサート埋め込み穴13dにインサート部材20Bを固定する場合について説明する。また、本実施の形態7では、先の実施の形態3と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態3と異なる点を中心に説明する。
インサート埋め込み穴13dのキリ穴部14dは、2つの平行部と、これらの平行部につながる2つの円弧部とから形成された長穴となる。また、キリ穴部14dの短軸の長さをΦ、キリ穴部14dの平行部の長さをLとする。
インサート部材20Bの胴部21bに形成された平滑部26の個数は2つであり、互いに平行であり、かつ幅が同じである。また、平滑部26の幅をL’とする。また、平滑部26の互いの間隔をDとする。
図14に示すように、インサート埋め込み穴13dに先の実施の形態3と同様に、インサート部材20Bが埋め込まれた場合の、インサート埋め込み穴13dのキリ穴部14dと、インサート部材20Bの胴部21bとの、位置関係および寸法関係については、以下のようになる。すなわち、位置関係については、平滑部26とキリ穴部14dの平行部とが互いに平行となるように設定される。また、寸法関係については、Φ≧D、かつL=L’となるように設定される。
このように繊維強化プラスチック部材の締結構造を構成することで、キリ穴部14dの壁面と平滑部26との間に充填された接着剤50とによって、アンカー効果が発現し、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。
以上、本実施の形態7によれば、先の実施の形態3および5に対して、キリ穴部の形状は、長穴であり、インサート部材の胴部の外周面には、互いに対向する2つの平滑部が形成され、インサート部材は、平滑部と長穴の平行部とが対向するように繊維強化プラスチック部材に埋め込まれ、長穴の平行部の幅は、平滑部の幅と等しくなるように設定される。これにより、先の実施の形態3と同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態1〜7では、締結に伴う締結荷重について説明したが、繊維強化プラスチック部材の締結構造に外部から荷重がかかる場合において、その外部荷重の一部を、インサート部材20〜20Eを用いて受ける場合には以下のような効果が得られる。すなわち、締結で生じるボルト40の軸力は、インサート部材20〜20Eから、頭部22、22aと接触している金属板12に伝達されるので、外部荷重を分散させることができる。したがって、締結荷重に加え、外部荷重が加わった場合であっても、従来と比べて一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことができる。
実施の形態8.
本発明の実施の形態8では、先の実施の形態1〜7で説明した本願発明における繊維強化プラスチック部材の締結構造を、レーザ加工機に適用する一例を説明する。図15Aは、本発明の実施の形態8において、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造を備えたレーザ加工機の微動軸ステージ部70の正面図である。図15Bは、本発明の実施の形態8において、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造を備えたレーザ加工機の微動軸ステージ部70の右側面図である。また、図16Aは、図15AのA−A矢視断面図である。図16Bは、図15BのB−B矢視断面図である。
レーザ加工機は、粗動ステージ60、微動軸ステージ部70およびレーザ加工ヘッド80を備える。レーザ加工機は、レーザ加工ヘッド80が水平方向に移動することで、レーザ加工ヘッド80の直下に固定された加工用ワークの切断加工を行う。
微動軸ステージ部70は、繊維強化プラスチック部材10と、Y方向可動用レール支持部材71と、Y方向可動用レール72と、Y方向可動用リニアガイド73と、一次側74aおよび二次側74bを含むY方向駆動用リニアモータ74と、X方向可動用レール75と、X方向可動用リニアガイド76と、一次側77aおよび二次側77bを含むX方向駆動用リニアモータ77と、レーザ加工ヘッド取り付けステージ78とを有する。
また、微動軸ステージ部70は、X方向可動用レール75およびX方向可動用リニアガイド76を介して、粗動ステージ60に連結されている。粗動ステージ60およびX方向可動用リニアガイド76の締結には、例えばボルト締結が用いられる。また、X方向可動用リニアガイド76は、X方向可動用レール75と連結され、X方向可動用レール75上をX方向に可動することができる。
繊維強化プラスチック部材10は、繊維強化プラスチック板11と、繊維強化プラスチック板11の表面および裏面の二つの面の全部に接着された金属板12とを有する。ここで、繊維強化プラスチック板11の表面および裏面の二つの面は、繊維強化プラスチック板11の厚み方向(すなわち、Z方向)に対して垂直である。
X方向可動用レール75は、被締結部材30に相当し、繊維強化プラスチック部材10およびX方向可動用レール75は、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材10および被締結部材30の場合と同様に、ボルト40を用いて、インサート部材20を介して互いに締結されている。
また、Y方向可動用レール支持部材71は、被締結部材30に相当し、繊維強化プラスチック部材10およびY方向可動用レール支持部材71は、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材10および被締結部材30の場合と同様に、ボルト40を用いて、インサート部材20を介して互いに締結されている。
Y方向可動用レール72は、Y方向可動用レール支持部材71と締結され、Y方向可動用リニアガイド73は、Y方向可動用レール72と連結され、Y方向可動用レール72上をY方向に可動することができる。
レーザ加工ヘッド取り付けステージ78は、Y方向可動用リニアガイド73と締結され、Y方向可動用リニアガイド73と一体となってY方向に可動することができる。レーザ加工ヘッド取り付けステージ78およびY方向可動用リニアガイド73の締結には、例えばボルト締結が用いられる。
レーザ加工ヘッド80は、レーザ加工ヘッド取り付けステージ78の鉛直下向き側の面に締結される。
X方向駆動用リニアモータ77の一次側77aは、粗動ステージ60に締結され、X方向駆動用リニアモータ77の二次側77bは、繊維強化プラスチック部材10に締結されている。また、一次側77aおよび二次側77bのそれぞれは、あらかじめ設定された距離を保った状態で平行に配置されている。また、X方向駆動用リニアモータ77に供給する電流の値を制御することで、X方向への駆動力が発現する。これにより、X方向可動用リニアガイド76は、X方向可動用レール75上をX方向に可動することができる。
Y方向駆動用リニアモータ74の一次側74aは、繊維強化プラスチック部材10に締結され、Y方向駆動用リニアモータ74の二次側74bは、レーザ加工ヘッド取り付けステージ78に締結されている。また、一次側74aおよび二次側74bのそれぞれは、あらかじめ設定された距離を保った状態で平行に配置されている。また、Y方向駆動用リニアモータ74に供給する電流の値を制御することで、Y方向への駆動力が発現する。これにより、Y方向可動用リニアガイド73は、Y方向可動用レール72上をY方向に可動することができる。
このように、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造をレーザ加工機の微動軸ステージ部70に適用することで、Y方向可動用レール支持部材71には、レーザ加工ヘッド80、レーザ加工ヘッド取り付けステージ78、Y方向可動用リニアガイド73、Y方向可動用レール72のそれぞれの重量の和が荷重として鉛直下向きに加わる。また、この荷重は、インサート部材20から、頭部22のテーパー加工面23と接触している金属板12の皿取り加工面15を介して、金属板12にすべて伝達される。
ここで、レーザ加工機においては、レーザ加工ヘッドを高速で駆動可能とするために、急激な加減速が行われるので、鉛直方向の力は、瞬間的に非常に大きい力となる。このような大きい力が荷重として加わった場合でも、繊維強化プラスチック板11には、Y方向可動用レール支持部材71と金属板12とで挟み込む圧縮力のみが負荷されることとなり、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間に引張力が作用されない。したがって、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間の亀裂発生を抑制することができる。
また、Y方向可動用レール支持部材71、レーザ加工ヘッド80、レーザ加工ヘッド取り付けステージ78、Y方向可動用リニアガイド73、Y方向可動用レール72のそれぞれの重量は、金属板12から、金属板12の皿取り加工面15を介して、インサート部材20の頭部22に伝達される。そのため、繊維強化プラスチック板11には、X方向可動用レール75と金属板12とで挟み込む圧縮力のみが負荷されることになり、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間に引張力が作用されない。したがって、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間の亀裂発生を抑制することができる。
このように、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造をレーザ加工機に適用した場合であっても、繊維強化プラスチック板11の強化繊維層間の亀裂発生を抑制することができる。
また、インサート部材20の頭部22は、繊維強化プラスチック部材10の内部に配置されているので、Y方向可動用レール支持部材71と、X方向可動用レール75とを「井」の字型に配置する場合であっても、インサート部材20がY方向可動用レール支持部材71およびX方向可動用レール75に干渉することはない。
なお、本実施の形態8では、先の実施の形態1における繊維強化プラスチック部材の締結構造をレーザ加工機に適用した場合について説明したが、先の実施の形態2〜7のそれぞれにおける繊維強化プラスチック部材の締結構造も、同様にレーザ加工機に適用可能である。
以上、本実施の形態8によれば、先の実施の形態1〜7のそれぞれにおける繊維強化プラスチック部材の締結構造を備えるようにレーザ加工機を構成する。これにより、一箇所の締結部が負担することのできる荷重を増やすことで、締結部の数を減らすことができ、結果として、全体の重量を低減可能なレーザ加工機を得ることができる。
10,10A,10B,10C 繊維強化プラスチック部材、11 繊維強化プラスチック板、12 金属板、13,13a,13b,13c,13d インサート埋め込み穴、14,14a,14b,14c,14d キリ穴部、15 皿取り加工面、16 皿取り加工部、17 ザグリ加工底面、18 ザグリ加工部、19 インサート埋め込み穴溝加工部、20,20A,20B,20C,20D,20E インサート部材、21,21a,21b,21c,21d,21e 胴部、22,22a 頭部、23 テーパー加工面、24 ネジ切り部、25 内側端面、26 平滑部、27 インサート溝加工部、30 被締結部材、31 ボルト通し穴、40 ボルト、50 接着剤、60 粗動ステージ、70 微動軸ステージ部、71 Y方向可動用レール支持部材、72 Y方向可動用レール、73 Y方向可動用リニアガイド、74 Y方向駆動用リニアモータ、74a 一次側、74b 二次側、75 X方向可動用レール、76 X方向可動用リニアガイド、77 X方向駆動用リニアモータ、77a 一次側、77b 二次側、78 レーザ加工ヘッド取り付けステージ、80 レーザ加工ヘッド。

Claims (8)

  1. 円筒形状の胴部と、前記胴部に対して径方向外側に被接触面が形成された頭部とを有し、ボルトを螺合させるねじ切り部が形成されているインサート部材と、
    繊維強化プラスチック板と、前記繊維強化プラスチック板の表面および裏面の少なくとも一方の面に接着された金属板とを有し、前記インサート部材を埋め込むために前記胴部と前記頭部の形状に合わせて貫通されたインサート埋め込み穴が形成されている繊維強化プラスチック部材と、
    を備え、
    前記インサート埋め込み穴は、
    キリ穴部と、前記インサート部材を埋め込んだ際に前記被接触面と接触する接触面が前記金属板に形成されている加工部とを有し、
    前記インサート部材は、
    前記加工部の前記接触面と前記被接触面とが接触しつつ、前記胴部の外周面が前記キリ穴部の壁面と接着剤を介して接着されることで、前記繊維強化プラスチック部材に埋め込まれている
    繊維強化プラスチック部材の締結構造。
  2. 前記頭部には、前記被接触面として、前記胴部に対して径方向外側にテーパー面が形成され、
    前記インサート埋め込み穴は、前記接触面として、前記キリ穴部に対して径方向外側に皿取り加工面が形成された皿取り加工部を、前記加工部として有する
    請求項1に記載の繊維強化プラスチック部材の締結構造。
  3. 前記頭部は、前記胴部と同軸であって、前記胴部よりも径の大きい円筒形状であり、
    前記インサート埋め込み穴は、前記頭部の前記被接触面である内側端面と接触する前記接触面として、前記キリ穴部に対して径方向外側にザグリ加工底面が形成されたザグリ加工部を、前記加工部として有する
    請求項1に記載の繊維強化プラスチック部材の締結構造。
  4. 前記胴部の外周面には、少なくとも1つの平滑部が形成されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック部材の締結構造。
  5. 前記胴部の外周面には、少なくとも1つのインサート溝加工部が形成されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック部材の締結構造。
  6. 前記キリ穴部の壁面には、少なくとも1つのインサート埋め込み穴溝加工部が形成されている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック部材の締結構造。
  7. 前記キリ穴部の形状は、長穴であり、
    前記胴部の外周面には、互いに対向する2つの平滑部が形成され、
    前記インサート部材は、
    前記平滑部と前記長穴の平行部とが対向するように前記繊維強化プラスチック部材に埋め込まれ、
    前記長穴の平行部の幅は、前記平滑部の幅と等しくなるように設定される
    請求項4に記載の繊維強化プラスチック部材の締結構造。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック部材の締結構造を備えた
    レーザ加工機。
JP2015007706A 2015-01-19 2015-01-19 繊維強化プラスチック部材の締結構造およびレーザ加工機 Pending JP2016133163A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015007706A JP2016133163A (ja) 2015-01-19 2015-01-19 繊維強化プラスチック部材の締結構造およびレーザ加工機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015007706A JP2016133163A (ja) 2015-01-19 2015-01-19 繊維強化プラスチック部材の締結構造およびレーザ加工機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016133163A true JP2016133163A (ja) 2016-07-25

Family

ID=56426157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015007706A Pending JP2016133163A (ja) 2015-01-19 2015-01-19 繊維強化プラスチック部材の締結構造およびレーザ加工機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016133163A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021079396A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
KR20220139210A (ko) * 2021-04-07 2022-10-14 주식회사 엔원테크 Dse 전극의 볼트체결부 보수용 카플링 및 이를 이용한 dse전극의 볼트 체결부의 보수방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007315470A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Toyota Motor Corp フランジ付カラーを含む締結構造体
JP2007332975A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toyota Motor Corp フランジ付カラーを含む締結構造体
JP2008051224A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Nippon Steel Composite Co Ltd 複合パネルのボルト取付構造、及び、斯かるボルト取付構造を有する車両
JP2013500438A (ja) * 2009-07-23 2013-01-07 ジーケーエヌ シンター メタルズ、エル・エル・シー 保持構造を有する圧縮制限装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007315470A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Toyota Motor Corp フランジ付カラーを含む締結構造体
JP2007332975A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toyota Motor Corp フランジ付カラーを含む締結構造体
JP2008051224A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Nippon Steel Composite Co Ltd 複合パネルのボルト取付構造、及び、斯かるボルト取付構造を有する車両
JP2013500438A (ja) * 2009-07-23 2013-01-07 ジーケーエヌ シンター メタルズ、エル・エル・シー 保持構造を有する圧縮制限装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021079396A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
JPWO2021079396A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29
US20220316366A1 (en) * 2019-10-21 2022-10-06 Mitsubishi Electric Corporation Valve timing adjustment device
JP7345558B2 (ja) 2019-10-21 2023-09-15 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
KR20220139210A (ko) * 2021-04-07 2022-10-14 주식회사 엔원테크 Dse 전극의 볼트체결부 보수용 카플링 및 이를 이용한 dse전극의 볼트 체결부의 보수방법
KR102532642B1 (ko) * 2021-04-07 2023-05-16 주식회사 엔원테크 Dse 전극의 볼트체결부 보수용 카플링 및 이를 이용한 dse전극의 볼트 체결부의 보수방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Won et al. Chisel edge and pilot hole effects in drilling composite laminates
US9895839B2 (en) Fastening structure
US10288097B2 (en) Fiber-reinforced resin member and method for producing fiber-reinforced resin member
JP2008051224A (ja) 複合パネルのボルト取付構造、及び、斯かるボルト取付構造を有する車両
JP5907422B2 (ja) 繊維強化樹脂材料部材の締結構造
JP2016133163A (ja) 繊維強化プラスチック部材の締結構造およびレーザ加工機
US20160318631A1 (en) Method for connectiong fiber-reinforced structural components
Seidlitz et al. New joining technology for optimized metal/composite assemblies
US10232558B2 (en) Component with a fastening region for a threaded connection, together with a moulded part and a fastening part
US8678811B2 (en) Apparatus for taking out molded product
JP2012035442A (ja) 繊維強化樹脂部材及び締結構造
Maksarov et al. Improving the precision of manufacturing power hydraulic cylinders of powered roof supports based on a vibration-damping tooling system
JP5529781B2 (ja) 直線運動移動体
Babu et al. Optimization of process parameters in drilling of GFRP composites drilled by an end mill
KR102132702B1 (ko) 금속, 수지 부재 및 탄소 섬유 강화 수지 부재의 접합 방법
KR102300339B1 (ko) 금속판재와 탄소 섬유 강화 플라스틱 복합판재의 접합방법
Schulze et al. Analysis of machining strategies for fiber reinforced plastics with regard to process force direction
JP5375002B2 (ja) 加工前リンク構造体の固定方法、およびそれを用いたリンク構造体の製造方法、リンク構造体
Krishnaraj et al. Optimization of machining parameters in CFRP/Ti stacks drilling
WO2012147823A1 (ja) 複合材部品の締結方法
CN105392355B (zh) 直线运动装置及电子元件安装装置
Liu et al. The material removal mechanism in orthogonal cutting of woven AFRP
Ribeiro Filho et al. Influence of cutting speed and tool geometry on form and machine tapping of carbon fibre-reinforced composites
Madhavan et al. Influence of Thrust, Torque Responsible for Delamination in drilling of Glass Fabric-Epoxy/Rigid polyurethane foam sandwich hybrid composite
JP2018201026A (ja) 直動装置および電子部品実装装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171005

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180403