JP3053949B2 - 窒化アルミニウム多層基板の製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウム多層基板の製造方法Info
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- JP3053949B2 JP3053949B2 JP3671992A JP3671992A JP3053949B2 JP 3053949 B2 JP3053949 B2 JP 3053949B2 JP 3671992 A JP3671992 A JP 3671992A JP 3671992 A JP3671992 A JP 3671992A JP 3053949 B2 JP3053949 B2 JP 3053949B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム多層
基板の製造方法に関するものである。
基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の基板の製造方法では、先
ず窒化アルミニウム粉末に焼結助剤等を添加したスラリ
ーよりグリーンシートがシート成形される。そのグリー
ンシートには、タングステン等を含む導電性金属ペース
トによって導体回路が形成され、その後、複数のグリー
ンシートが積層される。これらのグリーンシート群は炭
素製の焼成用治具内に配置され、所定温度にて焼成が施
される。すると、窒化アルミニウムと焼結助剤とが反応
して、例えばAl,Y,Oからなる液相が形成され、そ
の結果、各グリーンシートが焼結する。
ず窒化アルミニウム粉末に焼結助剤等を添加したスラリ
ーよりグリーンシートがシート成形される。そのグリー
ンシートには、タングステン等を含む導電性金属ペース
トによって導体回路が形成され、その後、複数のグリー
ンシートが積層される。これらのグリーンシート群は炭
素製の焼成用治具内に配置され、所定温度にて焼成が施
される。すると、窒化アルミニウムと焼結助剤とが反応
して、例えばAl,Y,Oからなる液相が形成され、そ
の結果、各グリーンシートが焼結する。
【0003】しかし、高温高圧下でグリーンシートの焼
成を行った場合、グリーンシートの外部に滲出した液相
により、焼結したグリーンシートと治具とが接着してし
まうことが知られている。また、このような場合、治具
中の炭素分と液相中の酸素成分との反応によって一酸化
炭酸(CO)が発生し、その一酸化炭酸が内層導体回路
のタングステンをカーバイド化して、内層導体回路に抵
抗増大をもたらすことも知られている。
成を行った場合、グリーンシートの外部に滲出した液相
により、焼結したグリーンシートと治具とが接着してし
まうことが知られている。また、このような場合、治具
中の炭素分と液相中の酸素成分との反応によって一酸化
炭酸(CO)が発生し、その一酸化炭酸が内層導体回路
のタングステンをカーバイド化して、内層導体回路に抵
抗増大をもたらすことも知られている。
【0004】上記内層導体回路の低抵抗化に関する問題
を回避するため、従来においては、積層されたグリーン
シート群の上下両面にスペーサを密接に配置すると共
に、それらの周縁にガイド棒を密接に配置し、グリーン
シートが治具に接することのないようにした状態で、そ
れらに焼成を施している。その際、スペーサ及びガイド
棒には、例えば窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤
を含まないスラリーより製造された顆粒をプレス成形し
た後、脱脂及び仮焼成を施したものが使用される。
を回避するため、従来においては、積層されたグリーン
シート群の上下両面にスペーサを密接に配置すると共
に、それらの周縁にガイド棒を密接に配置し、グリーン
シートが治具に接することのないようにした状態で、そ
れらに焼成を施している。その際、スペーサ及びガイド
棒には、例えば窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤
を含まないスラリーより製造された顆粒をプレス成形し
た後、脱脂及び仮焼成を施したものが使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来方法で
は、シート成形品のグリーンシートとプレス成形品のス
ペーサ及びガイド棒とを別々に製造する必要があり、工
程的に不利であった。
は、シート成形品のグリーンシートとプレス成形品のス
ペーサ及びガイド棒とを別々に製造する必要があり、工
程的に不利であった。
【0006】また、従来方法では、グリーンシート群、
スペーサ及びガイド棒を治具内の所定位置に配置する場
合、本焼成時においてグリーンシートに歪みが生じない
ように、スペーサ及びガイド棒の寸法をグリーンシート
群の寸法に合わせておく必要がある。寸法合わせが厳密
に行われていないと、グリーンシート群、スペーサ、ガ
イド棒及び治具の間の隙間は無くならず、タングステン
のカーバイド化も回避できない。
スペーサ及びガイド棒を治具内の所定位置に配置する場
合、本焼成時においてグリーンシートに歪みが生じない
ように、スペーサ及びガイド棒の寸法をグリーンシート
群の寸法に合わせておく必要がある。寸法合わせが厳密
に行われていないと、グリーンシート群、スペーサ、ガ
イド棒及び治具の間の隙間は無くならず、タングステン
のカーバイド化も回避できない。
【0007】ところが、プレス成形後されたスペーサ及
びガイド棒の寸法合わせを行う場合、その後の脱脂及び
仮焼成による寸法変化も予測しておかねばならず、厳密
に寸法合わせ行うことは極めて困難であった。
びガイド棒の寸法合わせを行う場合、その後の脱脂及び
仮焼成による寸法変化も予測しておかねばならず、厳密
に寸法合わせ行うことは極めて困難であった。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みて成されたもの
であり、その目的は、寸法合わせの容易なスペーサを用
いることにより、基板における導体回路の低抵抗化を確
実に達成でき、かつ焼成による歪みを防止して基板に好
適な寸法精度を確保することができる窒化アルミニウム
多層基板の製造方法を提供することにある。
であり、その目的は、寸法合わせの容易なスペーサを用
いることにより、基板における導体回路の低抵抗化を確
実に達成でき、かつ焼成による歪みを防止して基板に好
適な寸法精度を確保することができる窒化アルミニウム
多層基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、内層導体回路を備える窒化アルミニ
ウム多層基板の製造方法において、窒化アルミニウム粉
末に焼結助剤を添加したスラリーを用いてグリーンシー
トをシート成形すると共に、そのグリーンシートに導体
回路を形成し、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加
していないスラリーを用いてスペーサをシート成形し、
前記導体回路が形成されたグリーンシートの上下両面に
そのスペーサを同時に圧着し、かつこれらを焼成した
後、両スペーサを研削除去している。
めに、本発明では、内層導体回路を備える窒化アルミニ
ウム多層基板の製造方法において、窒化アルミニウム粉
末に焼結助剤を添加したスラリーを用いてグリーンシー
トをシート成形すると共に、そのグリーンシートに導体
回路を形成し、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加
していないスラリーを用いてスペーサをシート成形し、
前記導体回路が形成されたグリーンシートの上下両面に
そのスペーサを同時に圧着し、かつこれらを焼成した
後、両スペーサを研削除去している。
【0010】
【作用】本方法では、グリーンシート及びスペーサは共
にシート成形品であり、両者の密度は略同一である。そ
のため、焼成した場合の収縮率も略等しく、寸法合わせ
も従来に比して容易になる。また、グリーンシートの上
下両面にスペーサを圧着しているため、焼成時において
両者の間に隙間が生じることもない。
にシート成形品であり、両者の密度は略同一である。そ
のため、焼成した場合の収縮率も略等しく、寸法合わせ
も従来に比して容易になる。また、グリーンシートの上
下両面にスペーサを圧着しているため、焼成時において
両者の間に隙間が生じることもない。
【0011】従って、液相の滲出が確実に防止され、液
相を介して治具とグリーンシートとが付着してしまうこ
とも未然に防止される。その結果、基板の低抵抗化が確
実に達成され、かつ基板に好適な寸法精度を確保するこ
とが可能になる。
相を介して治具とグリーンシートとが付着してしまうこ
とも未然に防止される。その結果、基板の低抵抗化が確
実に達成され、かつ基板に好適な寸法精度を確保するこ
とが可能になる。
【0012】以下、本発明の窒化アルミニウム多層基板
の製造方法を工程順に説明する。窒化アルミニウム(A
lN)粉末には、イットリア(Y2 O3 )等の焼結助
剤、バインダ、分散剤及び可塑剤等が混合され、この混
合物を所定時間混練することによりスラリーが調製され
る。このスラリーは所定粘度に調整された後、ドクター
ブレード法等に従って基板形成用グリーンシートにシー
ト成形される。その際、グリーンシートの厚さは10μ
m〜500μmであることが好ましく、更には20μm
〜300μm程度であることが良い。そして、前記グリ
ーンシートにはドリル等の手段によって機械的にバイア
ホール形成用孔が透設される。
の製造方法を工程順に説明する。窒化アルミニウム(A
lN)粉末には、イットリア(Y2 O3 )等の焼結助
剤、バインダ、分散剤及び可塑剤等が混合され、この混
合物を所定時間混練することによりスラリーが調製され
る。このスラリーは所定粘度に調整された後、ドクター
ブレード法等に従って基板形成用グリーンシートにシー
ト成形される。その際、グリーンシートの厚さは10μ
m〜500μmであることが好ましく、更には20μm
〜300μm程度であることが良い。そして、前記グリ
ーンシートにはドリル等の手段によって機械的にバイア
ホール形成用孔が透設される。
【0013】次いで、グリーンシートにはタングステン
(W)を主成分とする回路形成用の導電性ペーストが印
刷され、この印刷により前記孔内にはペーストが充填さ
れる。また、ペーストを乾燥させた後、更にグリーンシ
ートにはペーストが印刷され、これによってグリーンシ
ートの表面に回路パターンが形成される。上記の各工程
により、前記グリーンシートには、内層導体回路を構成
するバイアホール内導体回路と回路パターンとが形成さ
れる。そして、前記グリーンシートは適宜積層される。
この場合、グリーンシートの積層数は3層〜50層であ
ることが好ましく、更には5層〜20層程度であること
が良い。
(W)を主成分とする回路形成用の導電性ペーストが印
刷され、この印刷により前記孔内にはペーストが充填さ
れる。また、ペーストを乾燥させた後、更にグリーンシ
ートにはペーストが印刷され、これによってグリーンシ
ートの表面に回路パターンが形成される。上記の各工程
により、前記グリーンシートには、内層導体回路を構成
するバイアホール内導体回路と回路パターンとが形成さ
れる。そして、前記グリーンシートは適宜積層される。
この場合、グリーンシートの積層数は3層〜50層であ
ることが好ましく、更には5層〜20層程度であること
が良い。
【0014】次に、本焼成時において積層されたグリー
ンシートの周囲を包囲するためのスペーサ及びガイド棒
の製造方法及びその配置方法について説明する。前記ス
ペーサを形成する場合、グリーンシート形成用スラリー
とほぼ同一成分を有するスラリーが使用される。但し、
前記グリーンシート形成用スラリーとは異なり、このス
ラリーにはイットリア等の焼結助剤は一切添加されな
い。そして、このスラリーは所定粘度に調整された後、
ドクターブレード法等に従ってシート状に成形される。
それにより、スペーサが得られる。
ンシートの周囲を包囲するためのスペーサ及びガイド棒
の製造方法及びその配置方法について説明する。前記ス
ペーサを形成する場合、グリーンシート形成用スラリー
とほぼ同一成分を有するスラリーが使用される。但し、
前記グリーンシート形成用スラリーとは異なり、このス
ラリーにはイットリア等の焼結助剤は一切添加されな
い。そして、このスラリーは所定粘度に調整された後、
ドクターブレード法等に従ってシート状に成形される。
それにより、スペーサが得られる。
【0015】この場合、スペーサには、焼結時に生成す
る液相成分が治具に到達しない程度の厚さが要求され
る。但し、液相の生成量は、焼成条件、焼結助剤の種類
及びその添加量等によって異なるため、諸条件を考慮し
た上でスペーサの厚さを適宜調整することが好ましい。
る液相成分が治具に到達しない程度の厚さが要求され
る。但し、液相の生成量は、焼成条件、焼結助剤の種類
及びその添加量等によって異なるため、諸条件を考慮し
た上でスペーサの厚さを適宜調整することが好ましい。
【0016】前記スペーサは前記グリーンシート群の上
下両面に配置され、その後、グリーンシート群の積層方
向には、ラミネート装置等を用いて所定の圧力が加えら
れる。この圧力付加によってグリーンシート群にスペー
サが密接に圧着され、グリーンシート積層体が形成され
る。そして、前記積層体は所定の外形にカットされた
後、所定の温度条件下にて脱脂及び仮焼成が施される。
下両面に配置され、その後、グリーンシート群の積層方
向には、ラミネート装置等を用いて所定の圧力が加えら
れる。この圧力付加によってグリーンシート群にスペー
サが密接に圧着され、グリーンシート積層体が形成され
る。そして、前記積層体は所定の外形にカットされた
後、所定の温度条件下にて脱脂及び仮焼成が施される。
【0017】ここで、グリーンシート及びスペーサの密
度は略等しく設定されることが望ましく、特に本焼成直
前において略等しく設定されていることが好適である。
その理由は、両者の密度が上記関係にある場合、本焼成
時における収縮度が同程度になり、寸法合わせの精度が
向上するからである。より厳密に言うと、スペーサの密
度がグリーンシートの密度の97%〜100%程度であ
ることが良い。
度は略等しく設定されることが望ましく、特に本焼成直
前において略等しく設定されていることが好適である。
その理由は、両者の密度が上記関係にある場合、本焼成
時における収縮度が同程度になり、寸法合わせの精度が
向上するからである。より厳密に言うと、スペーサの密
度がグリーンシートの密度の97%〜100%程度であ
ることが良い。
【0018】また、この場合、グリーンシートの密度は
1.5g/cm3 〜2.5g/cm3 の範囲内に、スペーサの密
度は1.8g/cm3 〜2.2g/cm3 の範囲内に設定される
ことが好適である。
1.5g/cm3 〜2.5g/cm3 の範囲内に、スペーサの密
度は1.8g/cm3 〜2.2g/cm3 の範囲内に設定される
ことが好適である。
【0019】治具内の所定位置に積層体を配置する際、
これらの周囲には窒化アルミニウム製のガイド棒が密着
に配置される。ガイド棒は、前記スペーサ形成用スラリ
ーのように焼結助剤を含まないスラリーをシート成形す
るか、または前記スラリーより製造された顆粒をプレス
成形することによって製造される。
これらの周囲には窒化アルミニウム製のガイド棒が密着
に配置される。ガイド棒は、前記スペーサ形成用スラリ
ーのように焼結助剤を含まないスラリーをシート成形す
るか、または前記スラリーより製造された顆粒をプレス
成形することによって製造される。
【0020】この場合、ガイド棒はシート成形によって
製造されることが好ましく、更にはガイド棒の密度を前
記スペーサと同様に、グリーンシートの密度の97%〜
100%に設定することが好ましい。その理由は、本焼
成時における収縮度が互いに同程度になり、寸法合わせ
の精度が向上するからである。
製造されることが好ましく、更にはガイド棒の密度を前
記スペーサと同様に、グリーンシートの密度の97%〜
100%に設定することが好ましい。その理由は、本焼
成時における収縮度が互いに同程度になり、寸法合わせ
の精度が向上するからである。
【0021】尚、仮焼成後におけるガイド棒の厚さは、
グリーンシート積層体に略等しくする必要がある。この
ことは、ガイド棒をプレス成形によって製造する場合に
ついても同様である。
グリーンシート積層体に略等しくする必要がある。この
ことは、ガイド棒をプレス成形によって製造する場合に
ついても同様である。
【0022】前記グリーンシート積層体には、不活性雰
囲気の下、所定時間、所定温度にて本焼成が施される。
その際、本焼成はホットプレス焼成であることが望まし
い。その理由は、積層体の周囲を炭素製の治具で完全に
包囲した状態でホットプレス焼成を施すと、x,y方向
(即ち、基板の厚さに直交する2方向)への収縮がな
く、寸法精度に優れた基板が得られるからである。
囲気の下、所定時間、所定温度にて本焼成が施される。
その際、本焼成はホットプレス焼成であることが望まし
い。その理由は、積層体の周囲を炭素製の治具で完全に
包囲した状態でホットプレス焼成を施すと、x,y方向
(即ち、基板の厚さに直交する2方向)への収縮がな
く、寸法精度に優れた基板が得られるからである。
【0023】その後、焼成されたグリーンシート積層体
からガイド棒が分離される。次いで、この積層体には平
面研削機等を用いて研磨処理が施され、積層体の上下両
面のスペーサが除去される。以上の工程を経ることによ
り、内層導体回路を備える所望の窒化アルミニウム多層
基板が製造される。
からガイド棒が分離される。次いで、この積層体には平
面研削機等を用いて研磨処理が施され、積層体の上下両
面のスペーサが除去される。以上の工程を経ることによ
り、内層導体回路を備える所望の窒化アルミニウム多層
基板が製造される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の窒化アルミニウム多層基板の
製造方法を具体化した一実施例について図面に基づき詳
細に説明する。
製造方法を具体化した一実施例について図面に基づき詳
細に説明する。
【0025】平均粒径1.4μm、純度98.5%以上
の窒化アルミニウム(AlN)粉末100重量部と、イ
ットリア(Y2 O3 )粉末5重量部の均一な混合粉末
に、アクリル系バインダを13重量部、可塑剤を2重量
部、分散剤を0.5重量部及びトルエン・エタノール混
合溶剤を42重量部を加えた。そして、この混合物をボ
ールミルを用いて48時間混合することによりスラリー
を調製した。このスラリーを所定粘度に調整した後、ド
クターブレード装置を用いて厚さが0.45mmの基板形
成用グリーンシート1を作成した。
の窒化アルミニウム(AlN)粉末100重量部と、イ
ットリア(Y2 O3 )粉末5重量部の均一な混合粉末
に、アクリル系バインダを13重量部、可塑剤を2重量
部、分散剤を0.5重量部及びトルエン・エタノール混
合溶剤を42重量部を加えた。そして、この混合物をボ
ールミルを用いて48時間混合することによりスラリー
を調製した。このスラリーを所定粘度に調整した後、ド
クターブレード装置を用いて厚さが0.45mmの基板形
成用グリーンシート1を作成した。
【0026】次いで、このグリーンシート1に機械的に
バイアホール形成用孔2を透設した後、その形成用孔2
内にタングステンペーストを充填した。また、前記ペー
ストの乾燥後に更にグリーンシート1の表面に、タング
ステンペーストによって導体回路パターン3を形成し、
その導体回路パターン3を乾燥させた。これにより、グ
リーンシート1に、内層導体回路を構成するバイアホー
ル内導体回路4と導体回路パターン3とを形成した。
バイアホール形成用孔2を透設した後、その形成用孔2
内にタングステンペーストを充填した。また、前記ペー
ストの乾燥後に更にグリーンシート1の表面に、タング
ステンペーストによって導体回路パターン3を形成し、
その導体回路パターン3を乾燥させた。これにより、グ
リーンシート1に、内層導体回路を構成するバイアホー
ル内導体回路4と導体回路パターン3とを形成した。
【0027】ここで、イットリア粉末を含まないこと以
外は前記スラリーと同組成のスラリーを準備すると共
に、そのスラリーを所定粘度に調整した。その後、同じ
くドクターブレード装置を用いて、スペーサs及びガイ
ド棒gを形成するための厚さ0.45mmのグリーンシー
ト2をシート成形した。
外は前記スラリーと同組成のスラリーを準備すると共
に、そのスラリーを所定粘度に調整した。その後、同じ
くドクターブレード装置を用いて、スペーサs及びガイ
ド棒gを形成するための厚さ0.45mmのグリーンシー
ト2をシート成形した。
【0028】次いで、図1に示すように、スペーサsを
10層に重ね合わせたグリーンシート1の上下両面に1
層ずつ配置し、これら1,sをラミネート装置を用いて
熱圧着させ,グリーンシート積層体5を形成した。更
に、これらを所定の外形にカットした。更に、前記積層
体5の厚さと略等しくなるように、グリーンシート2を
用いてガイド棒gをラミネート装置により形成し、所定
の寸法に外径カットした。その後、積層体5及びガイド
棒gに真空条件下で600℃の脱脂を施し、かつ窒素雰
囲気下で1560℃の仮焼成を施した。尚、表1に示さ
れるように、脱脂及び仮焼成前における積層体5及びガ
イド棒gの密度は、2.13g/cm3 ,2.08g/cm3 で
ある。また、脱脂及び仮焼成後における両者5,gの密
度は、2.24g/cm3 ,2.18g/cm3 であり、グリー
ンシート密度に対するガイド棒の密度の割合は約98%
に設定されている。
10層に重ね合わせたグリーンシート1の上下両面に1
層ずつ配置し、これら1,sをラミネート装置を用いて
熱圧着させ,グリーンシート積層体5を形成した。更
に、これらを所定の外形にカットした。更に、前記積層
体5の厚さと略等しくなるように、グリーンシート2を
用いてガイド棒gをラミネート装置により形成し、所定
の寸法に外径カットした。その後、積層体5及びガイド
棒gに真空条件下で600℃の脱脂を施し、かつ窒素雰
囲気下で1560℃の仮焼成を施した。尚、表1に示さ
れるように、脱脂及び仮焼成前における積層体5及びガ
イド棒gの密度は、2.13g/cm3 ,2.08g/cm3 で
ある。また、脱脂及び仮焼成後における両者5,gの密
度は、2.24g/cm3 ,2.18g/cm3 であり、グリー
ンシート密度に対するガイド棒の密度の割合は約98%
に設定されている。
【0029】続いて、図2(a)及び図2(b)に示す
ように、治具Mの略中央に積層体5を配置し、更にその
周囲に脱脂及び仮焼成が施された窒化アルミニウム製の
ガイド棒gを密着に配置した。
ように、治具Mの略中央に積層体5を配置し、更にその
周囲に脱脂及び仮焼成が施された窒化アルミニウム製の
ガイド棒gを密着に配置した。
【0030】この積層体5を、窒素雰囲気の下、187
0℃,18.5kg/cm2の加圧下で3時間ホットプレス焼
成を行った。その後、ガイド棒gを積層体5から分離さ
せた。また、平面研削機を用いて積層体5の上下両面を
研磨することにより、積層体5から両スペーサsを除去
した(図3参照)。
0℃,18.5kg/cm2の加圧下で3時間ホットプレス焼
成を行った。その後、ガイド棒gを積層体5から分離さ
せた。また、平面研削機を用いて積層体5の上下両面を
研磨することにより、積層体5から両スペーサsを除去
した(図3参照)。
【0031】以上の工程を経ることにより、内層導体回
路3,4を備える所望の窒化アルミニウム多層基板を得
た。得られた基板の特性を調査するため、基板の平均シ
ート抵抗(mΩ/□)を測定した。また、本焼成前後に
おける基板のx,y方向、即ち基板の厚さ方向に直交す
る2方向の寸法変化率(%)も測定した。これらの結果
を表1に示す。
路3,4を備える所望の窒化アルミニウム多層基板を得
た。得られた基板の特性を調査するため、基板の平均シ
ート抵抗(mΩ/□)を測定した。また、本焼成前後に
おける基板のx,y方向、即ち基板の厚さ方向に直交す
る2方向の寸法変化率(%)も測定した。これらの結果
を表1に示す。
【0032】次に、本実施例に対する比較例の多層基板
の製造方法について説明する。比較例においても、実施
例にて使用したスラリーを用いて同一肉厚のグリーンシ
ートをシート成形した。次いで、実施例の手順に従っ
て、グリーンシートにバイアホール内導体回路と導体回
路パターンとを形成した。
の製造方法について説明する。比較例においても、実施
例にて使用したスラリーを用いて同一肉厚のグリーンシ
ートをシート成形した。次いで、実施例の手順に従っ
て、グリーンシートにバイアホール内導体回路と導体回
路パターンとを形成した。
【0033】前記グリーンシートを10層重ね合わせ、
これらをラミネート装置によって熱圧着させた。そし
て、このグリーンシート群を所定の形状にカットした。
一方、アクリル系バインダ4重量部及びトルエン・エタ
ノール混合溶剤64重量部からなる混合物をボールミル
にて48時間混合し、得られたスラリーをスプレードラ
イ装置に通して顆粒とした。この顆粒をプレス成形する
ことにより、シート状のスペーサ(厚さ0.9mm)及び
棒状のガイド棒(厚さ5.4mm)を形成した。
これらをラミネート装置によって熱圧着させた。そし
て、このグリーンシート群を所定の形状にカットした。
一方、アクリル系バインダ4重量部及びトルエン・エタ
ノール混合溶剤64重量部からなる混合物をボールミル
にて48時間混合し、得られたスラリーをスプレードラ
イ装置に通して顆粒とした。この顆粒をプレス成形する
ことにより、シート状のスペーサ(厚さ0.9mm)及び
棒状のガイド棒(厚さ5.4mm)を形成した。
【0034】上述のグリーンシート群、スペーサ及びガ
イド棒を、真空条件下、600℃で脱脂し、かつ窒素雰
囲気下で1560℃の仮焼成を施した。尚、脱脂及び仮
焼成前後におけるグリーンシート、スペーサ及びガイド
棒の密度は、それぞれ表1に示す通りである。また、脱
脂及び仮焼成後のグリーンシート密度に対するスペーサ
およびガイド棒の密度の割合は約90%に設定されてい
る。
イド棒を、真空条件下、600℃で脱脂し、かつ窒素雰
囲気下で1560℃の仮焼成を施した。尚、脱脂及び仮
焼成前後におけるグリーンシート、スペーサ及びガイド
棒の密度は、それぞれ表1に示す通りである。また、脱
脂及び仮焼成後のグリーンシート密度に対するスペーサ
およびガイド棒の密度の割合は約90%に設定されてい
る。
【0035】続いて、グリーンシート群の上下両面にス
ペーサを密接に配置し、更に両者の周囲にガイド棒を配
置した状態で、これらを治具の略中央に装入した。以
下、前記実施例の方法及び条件に準じて積層体に本焼成
を施した後、スペーサを研削除去して、窒化アルミニウ
ム多層基板を得た。
ペーサを密接に配置し、更に両者の周囲にガイド棒を配
置した状態で、これらを治具の略中央に装入した。以
下、前記実施例の方法及び条件に準じて積層体に本焼成
を施した後、スペーサを研削除去して、窒化アルミニウ
ム多層基板を得た。
【0036】本比較例の基板について前記測定を行った
結果を表1に共に示す。
結果を表1に共に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例では、スペーサs及びガイド棒gの
密度がグリーンシート1の密度に略等しく設定されてい
るため、寸法合わせも従来に比して容易になり、工程的
にも有利であった。また、グリーンシート積層体5の周
囲にガイド棒gを配置して焼成を行った結果、液相の滲
出を確実に防止することができ、治具Mと焼結したグリ
ーンシート1との付着を未然に回避することが可能であ
った。従って、表1に示すように、実施例の基板では比
較例に比して低い平均シート抵抗値を得ることができ
た。
密度がグリーンシート1の密度に略等しく設定されてい
るため、寸法合わせも従来に比して容易になり、工程的
にも有利であった。また、グリーンシート積層体5の周
囲にガイド棒gを配置して焼成を行った結果、液相の滲
出を確実に防止することができ、治具Mと焼結したグリ
ーンシート1との付着を未然に回避することが可能であ
った。従って、表1に示すように、実施例の基板では比
較例に比して低い平均シート抵抗値を得ることができ
た。
【0039】また、グリーンシート1に対するスペーサ
s及びガイド棒gの密着性が向上したことにより、本焼
成前後における基板の寸法変化率も従来の1/3程度に
低減することができた。
s及びガイド棒gの密着性が向上したことにより、本焼
成前後における基板の寸法変化率も従来の1/3程度に
低減することができた。
【0040】以上の結果を勘案すると、実施例の基板が
比較例に比して優れた特性を備えているという結論に達
する。
比較例に比して優れた特性を備えているという結論に達
する。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の窒化アル
ミニウム多層基板の製造方法によれば、寸法合わせの容
易なスペーサを用いているため、基板における導体回路
の低抵抗化を確実に達成でき、かつ焼成による歪みを防
止して基板に好適な寸法精度を確保することができると
いう優れた効果を奏する。
ミニウム多層基板の製造方法によれば、寸法合わせの容
易なスペーサを用いているため、基板における導体回路
の低抵抗化を確実に達成でき、かつ焼成による歪みを防
止して基板に好適な寸法精度を確保することができると
いう優れた効果を奏する。
【図1】複数枚のグリーンシートにスペーサをラミネー
トした状態を示す概略断面図である。
トした状態を示す概略断面図である。
【図2】(a)は治具にグリーンシート積層体を配置し
た状態を示す平面図であり、(b)は(a)の概略断面
図である。
た状態を示す平面図であり、(b)は(a)の概略断面
図である。
1 (基板形成用)グリーンシート、3 内層導体回路
を構成する導体回路パターン、4 内層導体回路を構成
するバイアホール内導体回路、s スペーサ。
を構成する導体回路パターン、4 内層導体回路を構成
するバイアホール内導体回路、s スペーサ。
Claims (3)
- 【請求項1】内層導体回路(3,4)を備える窒化アル
ミニウム多層基板の製造方法において、 窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加したスラリーを
用いてグリーンシート(1)をシート成形すると共に、
そのグリーンシート(1)に導体回路(3,4)を形成
し、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加していない
スラリーを用いてスペーサ(s)をシート成形し、前記
導体回路(3,4)が形成されたグリーンシート(1)
の上下両面にそのスペーサ(s)を同時に圧着し、かつ
これらを焼成した後、両スペーサ(s)を研削除去する
ことを特徴とする窒化アルミニウム多層基板の製造方
法。 - 【請求項2】前記グリーンシート(1)及び前記スペー
サ(s)の密度は略等しく設定されることを特徴とする
請求項1に記載の窒化アルミニウム多層基板の製造方
法。 - 【請求項3】前記焼成はホットプレス焼成であることを
特徴とする請求項1または2に記載の窒化アルミニウム
多層基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3671992A JP3053949B2 (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 窒化アルミニウム多層基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3671992A JP3053949B2 (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 窒化アルミニウム多層基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05235549A JPH05235549A (ja) | 1993-09-10 |
JP3053949B2 true JP3053949B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=12477560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3671992A Expired - Fee Related JP3053949B2 (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 窒化アルミニウム多層基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3053949B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07245482A (ja) * | 1994-03-03 | 1995-09-19 | Shinko Electric Ind Co Ltd | セラミック回路基板及びその製造方法 |
DE102018131605A1 (de) | 2018-12-10 | 2020-06-10 | Tdk Electronics Ag | Substrat und Verfahren zur Herstellung des Substrats |
-
1992
- 1992-02-24 JP JP3671992A patent/JP3053949B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05235549A (ja) | 1993-09-10 |
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