JP3327214B2 - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

多層セラミック基板の製造方法

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JP3327214B2 JP20487298A JP20487298A JP3327214B2 JP 3327214 B2 JP3327214 B2 JP 3327214B2 JP 20487298 A JP20487298 A JP 20487298A JP 20487298 A JP20487298 A JP 20487298A JP 3327214 B2 JP3327214 B2 JP 3327214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多層セラミック
基板の製造方法に関するもので、特に、たとえばコンデ
ンサ、インダクタ等の受動部品を内蔵した多層セラミッ
ク基板の製造に有利に適用される、多層セラミック基板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層セラミック基板に代表される多層回
路基板をより多機能化、高密度化、高性能化するために
は、このような多層回路基板において、高精度の受動部
品を内蔵しながら、高密度に配線を施すことが有効であ
る。
【0003】このように受動部品を内蔵した多層回路基
板は、従来、次のような種々の方法により製造されてい
る。
【0004】第1は、いわゆる厚膜法によるもので、基
板グリーンシートに誘電体ペースト等を厚膜形成技術に
より印刷した後、各グリーンシートを積層し圧着し、次
いで焼成することにより、多層セラミック基板内部に部
分的にコンデンサ等を内蔵する方法である。しかし、こ
の方法には、次のような問題がある。 ペーストの膜厚のばらつきや印刷の位置ずれが比較
的大きいため、コンデンサの容量等の特性のばらつきも
比較的大きい。 圧着や焼成工程で、ペーストの変形が起こるため、
このことも容量等の特性のばらつきの原因となる。 印刷および積層を繰り返すに従って、印刷部の平面
性がより悪くなり、積層数を増やすことが困難であるた
め、コンデンサにあっては容量を大きくすることが難し
い。
【0005】第2は、抵抗および容量付きの多層回路基
板を製造しようとするものであって、上述の第1の方法
に類似しており、セラミック基板の表面にコンデンサ、
抵抗等を厚膜形成技術により多層に印刷する方法であ
る。しかし、この方法にも、 印刷パターンの位置ずれや膜厚のばらつきによる特
性のばらつき、 積層数を増加させることに困難を伴うことによる容
量の制約、 平面性の悪化等、上述した第1の方法とほぼ同様の
問題がある。
【0006】第3は、たとえば特開昭59−17232
号公報に記載されるように、誘電体をシートの状態で多
層基板内部に内蔵させる方法で、この場合、基板と同じ
面積を有する誘電体シートを、基板のための基板シート
の間に挟み込んで積層し、圧着した後、焼成することが
行なわれる。これにより、容量等の特性のばらつきや、
大容量化に対する制約の問題は改善されるが、次のよう
な問題に遭遇する。 組成の異なる複数種類のシートを含む積層体を共焼
結させるため、焼成過程における収縮挙動や熱膨張係数
が一致するように制御する必要があり、難度の高い技術
である。 誘電体が基板内部に層状に配置されるため、設計の
自由度が低い。 信号のクロストーク等の問題が発生しやすい。
【0007】なお、多層回路基板の高密度配線を可能と
する方法として、低温焼成可能な複数の基板用グリーン
シートからなる基板用積層体の上下両面に、この基板用
積層体の焼成温度では収縮しないダミーグリーンシート
を圧着した後、これらを比較的低温で焼成し、後者のダ
ミーグリーンシートに由来する未焼結層を焼成後におい
て剥離除去する方法(たとえば特開平4−243978
号公報参照)や、この方法において焼成時に基板用積層
体の上下方向から加圧することをさらに行なう方法(た
とえば特表平5−503498号公報参照)がある。
【0008】これらの方法では、基板面方向すなわちX
−Y方向には収縮が生じにくいため、得られた基板の寸
法精度を高くできる。そのため、高密度の配線を施して
も断線するという問題が生じにくい利点がある。しか
し、上記の公報は、受動部品を基板内に内蔵させること
や、ダミーグリーンシートの除去を容易にするための技
術については、何らの教示も与えていない。
【0009】再び、受動部品を内蔵した多層回路基板を
製造するための第4の方法として、たとえば特開平9−
92983号公報には、上述の基板のX−Y方向の収縮
を生じさせない方法とシートまたは厚膜の形で多層回路
基板内部に部分的にコンデンサを内蔵する方法とを組み
合わせた方法が開示されている。この方法は、受動部品
を内蔵した高密度配線の多層回路基板を製造するのに適
している。
【0010】この第4の方法において、シートで誘電体
部を形成する場合には、基板と同面積の誘電体層を設け
ることになるため、誘電体層が基板端面に露出する状態
になる。このため、誘電体層は、水分が浸透しないよう
に緻密であることが必要であるが、焼成時に基板の上下
方向から加圧することで、誘電体層は十分緻密化するこ
とを可能にしている。しかし、誘電体層の形状が制約さ
れることから、前述したような誘電体シートを用いる第
3の方法と同様、 誘電体が基板内部に層状に配置されるため、設計の
自由度が低い、 信号のクロストーク等の問題が発生しやすい、等の
問題に遭遇する。
【0011】他方、この第4の方法において、厚膜で誘
電体部を形成する場合、誘電体部を形成する領域に対応
するように、基板用シートに凹部を設けておき、そこに
誘電体ペーストを充填するという工程を採用することも
ある。この場合、前述した第1の方法である厚膜法にお
いて遭遇した問題のうち、厚膜の位置ずれや基板用シー
ト圧着時の誘電体ペーストの変形等により生じ得る特性
のばらつきの問題は改善されるが、ペーストの厚みのば
らつきについては、小さくなるものの、依然として残
り、なお不十分である。また、誘電体部を積層構造とす
ることは難しいため、大容量を得にくいという問題も残
る。
【0012】なお、第4の方法では、基板方向すなわち
X−Y方向には収縮をかなり小さくできるため、収縮の
ばらつきもこれに伴って小さくなり、基板の寸法精度を
比較的高くできる、という利点がある。
【0013】しかし、第4の方法では、基板の焼成温度
では収縮しない未焼結層を焼成後において剥離して除去
する工程が必要である。このような剥離のために、研磨
やホーミングといった工程を要する場合には、これによ
る製造コストの上昇を招く。これに関連して、たとえば
特開平9−266363号公報には、未焼結層のうち、
基板表面からガラス成分が融出し基板表面に固着した部
分は、無理に剥離せずに残し、基板の表面として利用す
るという方法が示されているが、この場合にも、剥離工
程は必要である。また、特開平5−136572号公報
には、未焼結層を剥離除去せず、未焼結層に有機樹脂を
含浸させることによって有機樹脂を充填し、やはり基板
の表面として利用するという方法が示されているが、こ
の場合には、有機樹脂を充填する工程が必要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、上述した種々の問題を解決しようとすることであ
って、多機能化、高密度化、高精度化が可能な多層セラ
ミック基板の製造方法を提供しようとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、セラ
ミック絶縁材料からなる積層された複数のセラミック層
および配線導体を有する積層体を備える、多層セラミッ
ク基板を製造する方法に向けられ、上述した技術的課題
を解決するため、セラミック絶縁材料を含む複数のセラ
ミックグリーンシートを用意するとともに、セラミック
グリーンシートの焼成温度では焼結しないセラミックを
含み、かつ、セラミックグリーンシートと接する状態で
焼成されたとき、セラミックグリーンシートの焼結が完
了する最低温度ではセラミックグリーンシートを構成す
る材料の浸透による空隙部の充填が終了しないだけの十
分な厚みを有する、少なくとも1つの生のシート状支持
体を用意する、各工程と、セラミックグリーンシートと
生のシート状支持体とを用いて、積層された複数のセラ
ミックグリーンシートと、少なくとも1つのセラミック
グリーンシートに接する状態で配置される生のシート状
支持体と、配線導体とを備える、生の複合積層体を作製
する工程と、シート状支持体の空隙部にセラミックグリ
ーンシートを構成する材料を充填し終えるように、生の
複合積層体を、セラミックグリーンシートの最低焼結温
度を超える温度で焼成することによって、前述した積層
体を得る工程とを備えることを特徴としている。
【0016】上述した第1の発明に加えて、この発明
は、第2および第3の発明として、セラミック絶縁材料
からなる積層された複数のセラミック層および配線導体
を有する積層体と、配線導体によって配線された状態で
積層体に内蔵された受動部品とを備える、多層セラミッ
ク基板を製造する方法にも向けられる。
【0017】第2の発明に係る多層セラミック基板の製
造方法は、セラミック絶縁材料を含む複数の第1のセラ
ミックグリーンシートと、セラミック絶縁材料とは異な
る、受動部品となるべき生のセラミック機能材料を含む
少なくとも1つの第2のセラミックグリーンシートとを
用意するとともに、第1および第2のセラミックグリー
ンシートの焼成温度では焼結しないセラミックを含み、
かつ、第1および第2のセラミックグリーンシートの少
なくとも一方と接する状態で焼成されたとき、第1およ
び第2のセラミックグリーンシートの焼結が完了する最
低温度では前記接する状態にあるセラミックグリーンシ
ートを構成する材料の浸透による空隙部の充填が終了し
ないだけの十分な厚みを有する、少なくとも1つの生の
シート状支持体を用意する、各工程と、第1および第2
のセラミックグリーンシートと生のシート状支持体とを
用いて、積層された複数の第1のセラミックグリーンシ
ートと、少なくとも1つの第2のセラミックグリーンシ
ートと、少なくとも1つの第1および第2のセラミック
グリーンシートの少なくとも一方に接する状態で配置さ
れる生のシート状支持体と、配線導体とを備える、生の
複合成形体を作製する工程と、シート状支持体の空隙部
に前記接する状態にあるセラミックグリーンシートを構
成する材料を充填し終えるように、生の複合積層体を、
第1および第2のセラミックグリーンシートの最低焼結
温度を超える温度で焼成することによって、前述した積
層体を得る工程とを備えることを特徴としている。
【0018】第3の発明に係る多層セラミック基板の製
造方法は、セラミック絶縁材料を含む複数のセラミック
グリーンシートと、セラミック絶縁材料とは異なる、受
動部品となるべき生のセラミック機能材料を含む成形体
ブロックとを用意するとともに、セラミックグリーンシ
ートおよび成形体ブロックの焼成温度では焼結しないセ
ラミックを含み、かつ、セラミックグリーンシートと接
する状態で焼成されたとき、セラミックグリーンシート
の焼結が完了する最低温度ではセラミックグリーンシー
トを構成する材料の浸透による空隙部の充填が終了しな
いだけの十分な厚みを有する、少なくとも1つの生のシ
ート状支持体を用意する、各工程と、セラミックグリー
ンシートと生のシート状支持体と成形体ブロックとを用
いて、積層された複数のセラミックグリーンシートと、
少なくとも1つのセラミックグリーンシートに接する状
態で配置される生のシート状支持体と、配線導体とを備
え、内部に空間が予め設けられ、当該空間に成形体ブロ
ックが嵌め込まれた、生の複合成形体を作製する工程
と、シート状支持体の空隙部にセラミックグリーンシー
トを構成する材料を充填し終えるように、生の複合積層
体を、セラミックグリーンシートの最低焼結温度を超え
る温度で焼成することによって、前述した積層体を得る
工程とを備えることを特徴としている。
【0019】上述した第2または第3の発明において、
第2のセラミックグリーンシートまたは成形体ブロック
は、焼結されたとき、たとえば、コンデンサまたはイン
ダクタを与えるものである。なお、これらコンデンサや
インダクタに限定されるものではなく、他の機能素子で
あってもよく、また、単体の機能素子に限らず、複合機
能素子、たとえばコンデンサおよびインダクタを組み合
わせたLC複合部品であってもよい。
【0020】また、上述の第2のセラミックグリーンシ
ートまたは成形体ブロックは、多層の内部導体を形成す
る積層構造を有するものが好ましい。
【0021】この場合、上述の内部導体は、Ag、Ag
−Pt合金、Ag−Pd合金、Au、およびCuからな
る群から選ばれた少なくとも1種を主成分とすることが
好ましい。
【0022】また、第2のセラミックグリーンシートま
たは成形体ブロックに含まれるセラミック機能材料は、
結晶化ガラス、またはガラスとセラミックとの混合物を
含むことが好ましい。
【0023】また、第1、第2および第3の発明におい
て、シート状支持体は、複合積層体の積層方向における
両端に配置されても、複合積層体の積層方向における中
間部に配置されても、複合積層体の積層方向における両
端および中間部の双方に配置されてもよい。
【0024】また、第1、第2および第3の発明におい
て、複合積層体は、好ましくは、1000℃以下の温度
で焼成される。
【0025】この場合、セラミック絶縁材料は、ガラ
ス、またはガラスとセラミックとの混合物を含み、ガラ
ス/セラミックの重量比は、100/0ないし5/15
の範囲内に選ばれることが好ましい。
【0026】また、上述の場合、シート状支持体は、セ
ラミックとして、アルミナおよびジルコニアから選ばれ
た少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0027】また、第1、第2および第3の発明におい
て、配線導体は、Ag、Ag−Pt合金、Ag−Pd合
金、Au、およびCuからなる群から選ばれた少なくと
も1種を主成分とすることが好ましい。
【0028】また、第1、第2および第3の発明に備え
る、生の複合成形体を焼成する工程において、積層方向
に10kg/cm2 以下の荷重を加えることが好まし
い。
【0029】また、第1、第2および第3の発明に含ま
れる焼成工程によって得られた積層体において、シート
状支持体の部分の熱膨張係数は、セラミック層の部分の
熱膨張係数より、0.5×10-6degK-1以上4.5
×10-6degK-1以下だけ小さいことが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる製造方法によって得られた多層セラミック基板1を
図解的に示す断面図である。図2は、図1に示した多層
セラミック基板1が与える等価回路図である。
【0031】図1に示すように、多層セラミック基板1
は、セラミック絶縁材料からなる積層された複数のセラ
ミック層2、3、4、5、6、7および8、ならびに積
層方向における両端に配置されるシート状支持体48お
よび49を有する積層体9を備えている。積層体9の内
部には、受動部品としてのコンデンサ10、インダクタ
11および抵抗12が内蔵されている。また、積層体9
は、これらコンデンサ10、インダクタ11および抵抗
12を配線するための配線導体13、14、15、1
6、17および18を内部に備え、また、外表面上に外
部端子導体19aおよび19bを備えている。このよう
にして、多層セラミック基板1は、図2に示すような回
路を構成する。
【0032】このような構成の多層セラミック基板1
は、次のように製造される。図3は、図1に示した多層
セラミック基板1の製造方法を説明するための断面図で
ある。図4は、図3に示した要素の一部を得るための方
法を説明するための断面図である。
【0033】上述したコンデンサ10となるべき生のセ
ラミック機能材料を含むコンデンサ用成形体ブロック1
0gおよびインダクタ11となるべき生のセラミック機
能材料を含むインダクタ用成形体ブロック11gがそれ
ぞれ用意される。
【0034】コンデンサ用成形体ブロック10gは、セ
ラミック機能材料としてセラミック誘電体を含み、この
ようなセラミック誘電体を含む生の誘電体シート20を
介して多層の内部導体21が形成された積層構造を有し
ている。成形体ブロック10gの対向する端面には、端
子電極22および23がそれぞれ形成されている。内部
導体21は、周知の積層セラミックコンデンサにおける
内部電極と同様、一方の端子電極22に接続されるもの
と他方の端子電極23に接続されるものとが交互に配置
されている。
【0035】インダクタ用成形体ブロック11gは、セ
ラミック機能材料としてセラミック磁性体を含み、この
ようなセラミック磁性体を含む生の磁性体シート24を
介して多層の内部導体25が形成された積層構造を有し
ている。成形体ブロック11gの対向する端面には、端
子電極26および27がそれぞれ形成されている。多層
の内部導体25の各々は、たとえば各磁性体シート24
を貫通する貫通導体28によって接続されながら、全体
としてコイル状に延びる導電経路を構成している。
【0036】これら成形体ブロック10gおよび11g
は、好ましくは、1000℃以下の温度で焼成可能なよ
うに構成される。
【0037】そのため、まず、誘電体シート20および
磁性体シート24にそれぞれ含まれるセラミック機能材
料、すなわちセラミック誘電体およびセラミック磁性体
としては、たとえば、結晶化ガラス、またはガラスとセ
ラミックとの混合物が有利に用いられる。より具体的に
は、誘電体シート20としては、チタン酸バリウムにホ
ウ珪酸系のガラスを少量混ぜた粉末と有機ビヒクルとを
混合して得られたセラミックスラリーをドクターブレー
ド法によってシート状に成形したものを用いることがで
きる。他方、磁性体シート24としては、ニッケル亜鉛
フェライトにホウ珪酸系のガラスを少量混ぜた粉末と有
機ビヒクルとを混合して得られたセラミックスラリーを
ドクターブレード法によってシート状に成形したものを
用いることができる。
【0038】また、内部導体21、端子電極22および
23、内部導体25、端子電極26および27、ならび
に貫通導体28を形成するための導体としては、たとえ
ば、Ag、Ag−Pt合金、Ag−Pd合金、Au、お
よびCuからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成
分とする導電性ペーストが有利に用いられる。
【0039】内部導体21および25は、それぞれ、誘
電体シート20および磁性体シート24の各上に上述の
導電性ペーストをスクリーン印刷によって所定のパター
ンをもって付与することによって形成されることができ
る。
【0040】成形体ブロック10gおよび11gを得る
ため、上述したように、内部導体21が形成された所定
数の誘電体シート20および内部導体25が形成された
所定数の磁性体シート24をそれぞれ積層した後、圧着
工程に付されることが好ましく、この圧着工程では、た
とえば、水圧プレスで200kg/cm2 の圧力が付与
される。
【0041】他方、前述したセラミック層2〜8の各々
となるべきセラミック絶縁材料を含むセラミックグリー
ンシート2g、3g、4g、5g、6g、7gおよび8
gが用意される。これらセラミックグリーンシート2g
〜8gに含まれるセラミック絶縁材料は、上述した成形
体ブロック10gまたは11gに含まれるセラミック機
能材料とは異なっている。
【0042】これらセラミックグリーンシート2g〜8
gには、それぞれ、上述したコンデンサ用成形体ブロッ
ク10gおよびインダクタ用成形体ブロック11gを設
けるための、また、前述した抵抗12、配線導体13〜
18、ならびに外部端子導体19aおよび19bを設け
るための加工または処置が予め施されている。
【0043】より詳細には、コンデンサ用成形体ブロッ
ク10gを内蔵させるための空間29となるべき一連の
貫通孔30、31、32および33、ならびにインダク
タ用成形体ブロック11gを内蔵させるための空間34
となるべき一連の貫通孔35、36、37および38
が、それぞれ、セラミックグリーンシート4g、5g、
6gおよび7gに予め設けられている。
【0044】また、配線導体13を設けるための一連の
貫通孔39、40、41、42、43および44が、そ
れぞれ、セラミックグリーンシート2g、3g、4g、
5g、6gおよび7gに予め設けられている。また、配
線導体15を設けるための貫通孔45がセラミックグリ
ーンシート3gに予め設けられている。また、配線導体
18を設けるための一連の貫通孔46および47が、そ
れぞれ、セラミックグリーンシート2gおよび3gに予
め設けられている。そして、これらの貫通孔39〜47
内には、配線導体13、15および18となるべき導電
性ペーストが付与される。
【0045】また、セラミックグリーンシート3gに
は、配線導体16および17となるべき各導電性ペース
トが、貫通孔45および47内の各導電性ペーストにそ
れぞれ接続されるようにスクリーン印刷等により付与さ
れる。また、抵抗12となるべき厚膜抵抗体が、配線導
体16および17となるべき各導電性ペースト間を連結
するように付与される。厚膜抵抗体を形成するための抵
抗体ペーストとしては、たとえば、酸化ルテチウムにホ
ウ珪酸系ガラスを少量混ぜた粉末と有機ビヒクルとを混
合したものが有利に用いられる。
【0046】また、セラミックグリーンシート8gに
は、配線導体14となるべき導電性ペーストが、セラミ
ックグリーンシート2g〜8gが積層されたとき、貫通
孔44内の導電性ペーストに接続され、かつ空間29お
よび34内に向かって露出するように、すなわち成形体
ブロック10gおよび11gの端子電極23および27
に接続されるように、スクリーン印刷等により付与され
る。
【0047】このようなセラミックグリーンシート2g
〜8gに含まれるセラミック絶縁材料としては、好まし
くは、1000℃以下の温度で焼成可能なものが用いら
れ、たとえば、ガラス、またはガラスとセラミックとの
混合物が用いられる。この場合、ガラス/セラミックの
重量比は、100/0ないし5/95の範囲内に選ばれ
る。ガラス/セラミックの重量比が5/95より小さい
と、焼成可能な温度が1000℃より高くなるためであ
る。焼成可能な温度が高くなると、前述した配線導体1
3〜18等の材料の選択幅が狭くなるので好ましくな
い。
【0048】より具体的には、セラミックグリーンシー
ト2g〜8gとしては、ホウ珪酸系のガラス粉末とアル
ミナ粉末と有機ビヒクルとを混合して得られたセラミッ
クスラリーをドクターブレード法によってシート状に成
形したものを用いることができる。このような材料系の
セラミックグリーンシート2g〜8gは、800〜10
00℃程度の比較的低温で焼成することができる。
【0049】他方、上述した複数のセラミックグリーン
シート2g〜8gの積層方向における両端に配置される
シート状支持体48および49が生の状態で用意され
る。これらシート状支持体48および49は、セラミッ
クグリーンシート2g〜8gならびに成形体ブロック1
0gおよび11gの焼成温度では焼結しないセラミック
を含んでいる。
【0050】たとえば、セラミックグリーンシート2g
〜8gならびに成形体ブロック10gおよび11gがと
もに1000℃の温度で焼成可能であるならば、シート
状支持体48および49に含まれるセラミックは、10
00℃では焼結しないものであればよい。前述したよう
に、セラミックグリーンシート2g〜8gが、ホウ珪酸
系のガラス粉末とアルミナ粉末とを含んでいる場合、シ
ート状支持体48および49は、たとえば、アルミナま
たはジルコニア等のセラミック粉末と有機ビヒクルとを
混合して得られたセラミックスラリーをドクターブレー
ド等によってシート状に成形することによって有利に得
ることができる。
【0051】シート状支持体48および49の各々は、
上述したような材料だけでなく、その厚みについても適
切に制御する必要がある。この厚みの制御については、
図5を参照して後述する。
【0052】一方のシート状支持体48には、配線導体
13を設けるための貫通孔50が、貫通孔39〜44と
整列するように設けられ、また、配線導体18を設ける
ための貫通孔51が、貫通孔46および47と整列する
ように設けられている。これら貫通孔50および51内
には、配線導体13および18となるべき導電性ペース
トが付与される。
【0053】また、上方のシート状支持体48には、外
部端子導体19aおよび19bとなるべき各導電性ペー
ストが、貫通孔50および51内の各導電性ペーストに
それぞれ接続されるようにスクリーン印刷等により付与
される。
【0054】配線導体13〜18ならびに外部端子導体
19aおよび19bを与える導電性ペーストとしては、
Ag、Ag−Pt合金、Ag−Pd合金、Au、および
Cuからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分と
するものが有利に用いられる。
【0055】以上のようにして得られたセラミックグリ
ーンシート2g〜8g、成形体ブロック10gおよび1
1gならびに生のシート状支持体48および49を用い
て、焼成されたときに多層セラミック基板1となる生の
複合成形体1gが以下のように製造される。
【0056】まず、セラミックグリーンシート4g〜7
gが、図4に示すように、予め積層される。次いで、空
間29および34に、それぞれ、成形体ブロック10g
および11gが嵌め込まれる。このとき、端子電極2
2、23、26および27は、空間29または34の各
々の開口から露出している。次いで、たとえば500k
g/cm2 の水圧プレスを用いての圧着工程が実施さ
れ、セラミックグリーンシート4g〜7gが圧着され
る。これによって、セラミックグリーンシート4g〜7
g間の密着性が高められるとともに、成形体ブロック1
0gおよび11gと空間29および34の内周面とがそ
れぞれ密着する状態になる。
【0057】次いで、上述したセラミックグリーンシー
ト4g〜7gの上下に、セラミックグリーンシート2g
および3gならびに8gがそれぞれ積層され、さらにシ
ート状支持体48および49がそれぞれ積層され、これ
によって、生の複合成形体1gが得られる。この複合成
形体1gの状態において、貫通孔50および39〜44
内の導電性ペーストは、一連の配線導体13を形成する
とともに、配線導体14に接続され、また、貫通孔45
内の導電性ペーストは、成形体ブロック10gの端子電
極22に接続され、貫通孔51、46および47内の導
電性ペーストは、一連の配線導体18を形成するととも
に、成形体ブロック11gの端子電極26に接続され
る。また、成形体ブロック10gおよび11gの端子電
極23および27は、配線導体14に接続される。
【0058】このように、生の複合積層体1gが得られ
たとき、この複合積層体1gは、積層方向に圧着され
る。この圧着には、たとえば1000kg/cm2 の圧
力の水圧プレスが適用される。
【0059】次いで、生の複合成形体1gは、たとえ
ば、空気中、900℃の温度で焼成される。この焼成工
程においては、たとえば上方に位置するシート状支持体
48上に板状の重りを載せて、10kg/cm2 または
10kg/cm2 以下の荷重を積層方向に加えることが
好ましい。この荷重により、得られた積層体9ないしは
多層セラミック基板1が焼成工程において反ったりする
ような不所望な変形を生じることを有利に回避できる。
なお、このような効果は、10kg/cm2 を超える荷
重を加えても、10kg/cm2 の荷重の場合と実質的
に同様であるので、10kg/cm2 を超える荷重は不
必要である。
【0060】この焼成によって、成形体ブロック10g
および11gが焼成され、それぞれ、焼結状態のコンデ
ンサ10およびインダクタ11となるとともに、セラミ
ックグリーンシート2g〜8gが焼成され、焼結状態の
複数のセラミック層2〜8が得られる。
【0061】シート状支持体48および49は、前述し
たように、セラミックグリーンシート2g〜8gならび
に成形体ブロック10gおよび11gの焼成温度では焼
結しないセラミックを含んでいる。したがって、これら
シート状支持体48および49は、焼成工程において、
実質的な収縮を生じない。したがって、これらシート状
支持体48および49に挟まれたセラミックグリーンシ
ート2g〜8gの焼成時のX−Y方向すなわち主面方向
の収縮は有利に抑制されることができる。そのため、多
層セラミック基板1の寸法精度をより高くすることがで
き、たとえば配線導体13〜18をもって微細で高密度
な配線を施しても断線するなどの問題をより生じにくく
することができる。実験によれば、コンデンサ10、イ
ンダクタ11および抵抗12は、それぞれ、設計どおり
の特性を示すことが確認されている。
【0062】また、上述のように、X−Y方向の収縮が
抑制されるので、複合成形体1gを焼成して、成形体ブ
ロック10gおよび11gならびにセラミックグリーン
シート2g〜8gを同時焼成するにあたり、これら成形
体ブロック10gおよび11gならびにセラミックグリ
ーンシート2g〜8gの各収縮挙動を互いに一致させる
ことがより容易になり、したがって、成形体ブロック1
0gおよび11gならびにセラミックグリーンシート2
g〜8gのそれぞれの材料の選択の幅をさらに広げるこ
とができる。
【0063】シート状支持体48および49は、焼成工
程の後、除去せずに、多層セラミック基板の表層として
使用される。このことを可能にするため、シート状支持
体48および49の厚さは薄く制御されるが、セラミッ
クグリーンシート2gおよび8gと接する状態で焼成さ
れたとき、セラミックグリーンシート2g〜8gの焼結
が完了する最低温度ではセラミックグリーンシート2g
〜8gを構成する材料の浸透による空隙部の充填が終了
しないだけの十分な厚みを有するようにされ、生の複合
成形体1gの焼成にあたっては、セラミックグリーンシ
ート2g〜8gの最低焼結温度を超える温度で焼成さ
れ、それによって、シート状支持体48および49の空
隙部にセラミックグリーンシート2g〜8gを構成する
材料を充填し終えるようにされる。このようなシート状
支持体48および49の厚さの詳細について、図5を参
照して以下に説明する。
【0064】図5には、ガラスを含むセラミックグリー
ンシートにシート状支持体を接触させた状態として、こ
れを850℃で焼成したとき、セラミックグリーンシー
ト中のガラスのシート状支持体中への浸透量の厚さ方向
の分布状態が示されている。図5において、縦軸には、
シート状支持体中のガラス浸透量が示され、横軸には、
シート状支持体における、シート状支持体とセラミック
グリーンシートあるいはセラミック層との界面からの距
離が示されている。
【0065】シート状支持体は、焼成工程における脱脂
過程で有機分が燃焼、揮発するので多孔質構造となり、
焼成時に、セラミックグリーンシート中のガラスがシー
ト状支持体の空隙部に浸透していく。このとき、セラミ
ックグリーンシートとの界面近傍では、空隙部にガラス
が十分充填され、界面から遠くなるに従い、ガラスの浸
透量が減少する。したがって、シート状支持体として、
図5における、Aで示すような厚みより薄いものを用い
れば、シート状支持体は、焼成により、その空隙部がガ
ラスで十分充填された機密な構造となるので、焼成後に
おいても、多層セラミック基板の表層を構成するものと
して使用することが可能である。
【0066】他方、シート状支持体の空隙部へのガラス
の浸透は、焼成工程において、セラミックグリーンシー
トの厚さ方向の収縮と同時かそれよりも遅れて起こる
が、セラミックグリーンシートの厚さ方向の収縮が完了
するまでにシート状支持体の空隙部がガラスで充填され
てしまう場合には、シート状支持体の、セラミックグリ
ーンシートのX−Y方向への収縮を抑制する力が低下し
てしまうため、シート状支持体の厚みは、セラミックグ
リーンシートの厚さ方向の収縮が完了するまでにシート
状支持体の空隙部がガラスで充填され尽くされることの
ないようにし得るだけの大きさが必要である。
【0067】このことから、シート状支持体は、セラミ
ックグリーンシートの焼結が完了する最低温度では、ガ
ラスの浸透による空隙部の充填が終了しないだけの十分
な厚みを有するようにしておき、焼成工程において、セ
ラミックグリーンシートすなわちセラミック層の厚み方
向の収縮が終了した後、焼成の最高温度とその保持時間
とを適当に設定することにより、シート状支持体の空隙
部にガラスを充填し終えるように調整される。
【0068】なお、セラミックグリーンシートにおいて
用いるガラスやセラミックの組成、配合割合および粒
径、あるいはシート状支持体に備える微細構造等に応じ
て、シート状支持体にとって適正な厚みが異なるので、
図5のようなシート状支持体中へのガラス浸透量の分布
を調べて、シート状支持体の適切な厚みを決定すること
が行なわれる。
【0069】補足的に説明すると、シート状支持体の厚
みが大きくなりすぎると、ガラスの浸透量の不十分な部
分が生じるため、焼成後において、剥離しやすくなった
り、強度的に弱くなったりする。このため、シート状支
持体の厚みのばらつきを小さく抑えることが必要である
が、たとえば、ドクターブレードでシート状に成形した
ものでは、厚みのばらつきを2%以内に抑えることがで
きるため、シート状支持体を得るため、ドクターブレー
ド法を有利に用いることができる。
【0070】次に、好ましい焼成プロファイルの設定方
法について、図6を参照しながら具体的に説明する。
【0071】図6には、具体的な焼成プロファイルの一
例が示されている。
【0072】図6において、点Bは、セラミックグリー
ンシートないしはセラミック層の厚み方向の収縮が完了
する点であり、事前の実験で確認したものである。ま
た、シート状支持体として厚み5μmのものを用いて、
点Bからそのまま室温まで降温した場合には、シート状
支持体において、厚み方向で1μm程度、セラミック層
側からガラスが浸透していることが確認された。これに
対して、図6に示した焼成プロファイルは、点Bより5
0℃高い温度を最高温度とし、その保持時間を20分と
したものである。同じ試料を、図6のプロファイルで焼
成した場合には、シート状支持体は、セラミック層側か
ら浸透したガラスにより緻密化し、また、焼成による収
縮率は0.2%以下となった。このように、セラミック
グリーンシートの焼結が完了する最低温度(点B)を超
える温度(たとえば50℃高い最高温度)で焼成するこ
とによって、シート状支持体の空隙部にガラスを充填し
終えることができ、シート状支持体を緻密化することが
できる。
【0073】なお、セラミックグリーンシートおよびシ
ート状支持体の各材料やシート状支持体の厚み等によっ
て、上述したような焼成プロファイルは変更されるべき
であるが、通常、セラミック層の厚み方向の収縮が完了
する温度に対して、最高温度は10〜100℃高く設定
し、また、その保持時間は10〜100分程度設けるこ
とが好ましい。
【0074】このように、焼成工程における最高温度お
よびその保持時間、すなわち焼成プロファイルやシート
状支持体の厚みを適切に設定することにより、シート状
支持体が十分緻密化しなかったり、セラミック層の厚み
方向の収縮が完了するまでにシート状支持体の空隙部が
ガラスで充填されてしまって収縮が大きくなったりす
る、といった不所望な結果を回避することができる。
【0075】以上のようにして得られた焼成後の多層セ
ラミック基板1の積層体9において、シート状支持体4
8および49の部分の熱膨張係数は、セラミック層2〜
8の部分の熱膨張係数より、0.5×10-6degK-1
以上4.5×10-6degK -1以下だけ小さいことが好
ましい。その理由は、次のとおりである。上述のように
熱膨張係数を調整しておくことにより、焼成後の積層体
9の表面部分に適度な圧縮応力を発生させることがで
き、このような状態の積層体9は、表面部分に圧縮応力
がない状態のものに比べて、機械的強度が向上すること
を見出したからである。
【0076】実験によれば、表面部分に圧縮応力がない
状態のものに比べて、圧縮応力を発生させたものは、抗
折強度が1.1〜1.6倍になった。また、表層部分と
これ以外の内層部分とで、前者の熱膨張係数が後者のそ
れより、4.5×10-6degK-1を超えて小さい場合
には、表層部分に発生する圧縮応力が大きくなりすぎる
ため、逆に強度は低下してしまった。
【0077】よって、表層部分とこれ以外の内層部分と
の熱膨張係数の差については、上述のような適正な範囲
が存在している。なお、焼成後の多層セラミック基板1
における表層部分(シート状支持体48および49)と
これ以外の内層部分(セラミック層2〜8)とのそれぞ
れの熱膨張係数は、得られた多層セラミック基板1から
それぞれの部分を研磨法により削り出し、これを2mm
角程度にカットし、高温顕微鏡で温度と寸法との関係を
測定することによって求めたものである。
【0078】図7、図8および図9は、この発明の他の
実施形態を説明するための、前述した図1、図3および
図4にそれぞれ相当する図である。図7ないし図9にお
いて、図1、図3および図4に示す要素に相当する要素
には、同様の参照符号を付し、重複する説明は省略す
る。以下に、この実施形態特有の構成について説明す
る。
【0079】この実施形態に係る多層セラミック基板1
01に備える積層体109は、シート状支持体48およ
び49に加えて、同様の組成を有しかつ同様の機能を果
たすシート状支持体52および53を備えていることを
特徴としている。これらシート状支持体52および53
は、積層体109の積層方向における中間部にそれぞれ
配置されている。したがって、図8および図9に示す多
層セラミック基板101の製造過程において作製される
生の複合成形体101gにおいても、生のシート状支持
体52および53がその積層方向における中間部に配置
される。
【0080】その他の構成については、前述した実施形
態と実質的に同様である。
【0081】この実施形態によれば、前述した実施形態
と比較して、より一層寸法精度の高い多層セラミック基
板101を得ることが可能になる。すなわち、前述した
実施形態のように、複合成形体1gの積層方向における
両端にのみシート状成形体48および49を配置した場
合、焼成によって、複合成形体1gの積層方向における
中間部においては収縮を抑制する機能を果たし得る手段
がないため、この中間部において収縮が生じることがあ
る。このことは、複合成形体1gの厚みがより厚いほ
ど、また、シート状支持体48および49の厚みがより
薄いほど、生じやすくなる。これに対して、この実施形
態のように、複合成形体101gの積層方向における中
間部にもシート状支持体52および53を配置すれば、
この中間部における収縮も確実に抑制されるので、結果
として、焼成された多層セラミック基板101の寸法精
度がより高められることができる。
【0082】なお、この実施形態のように、複合成形体
101gの積層方向における中間部にシート状支持体5
2および53を配置する場合、積層方向に関して、でき
るだけ対称的に配置し、しかも、複数のシート状支持体
52および53を配置することが好ましい。
【0083】以上、この発明を実施した各実施形態に関
連して説明したが、この発明の範囲内において、その
他、種々の変形が可能である。
【0084】たとえば、シート状支持体を、複合積層体
の積層方向における、両端部には配置せず、中間部のみ
に配置することもできる。
【0085】また、図示した多層セラミック基板1等に
おいて採用された回路設計は、この発明のより容易な理
解を可能とする一典型例にすぎず、この発明は、その
他、種々の回路設計を有する多層セラミック基板におい
ても等しく適用することができる。
【0086】また、成形体ブロックとしても、コンデン
サやインダクタの単体に限定されず、たとえばLC複合
部品の成形体ブロックとすることもできる。
【0087】また、上述した各実施形態では、成形体ブ
ロック10gおよび11gを嵌め込むための空間29お
よび34は、セラミックグリーンシート4g〜7gにそ
れぞれ設けられた貫通孔30〜33および35〜38等
によって形成されたが、成形体ブロックの大きさや形状
によっては、特定のセラミックグリーンシートに設けら
れた凹部によって成形体ブロックを嵌め込むための空間
が形成されてもよい。
【0088】また、図示した多層セラミック基板1等の
製造方法においては、積層体9に内蔵される受動部品1
0および11は、生のセラミック機能材料を含む成形体
ブロック10gおよび11gによってそれぞれ与えら
れ、これら成形体ブロック10gおよび11gが、生の
複合成形体1gに予め設けられた空間29および34内
にそれぞれ嵌め込まれたが、これに代えて、あるいは、
これに加えて、受動部品が、セラミック絶縁材料を含む
積層された複数の第1のセラミックグリーンシート間に
配置される、セラミック絶縁材料とは異なる、セラミッ
ク機能材料を含む第2のセラミックグリーンシートによ
って与えられてもよい。
【0089】また、上述したような受動部品を特に内蔵
せず、単に配線導体のみが形成された積層体を備える多
層セラミック基板の製造方法に対しても、この発明を有
利に適用することができる。
【0090】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、焼成
される生の複合成形体において、少なくとも1つのセラ
ミックグリーンシートに接する状態で生のシート状支持
体が配置されており、この生のシート状支持体は、セラ
ミックグリーンシートの焼成温度では焼結しないセラミ
ックを含み、かつ、セラミックグリーンシートの焼結が
完了する最低温度ではセラミックグリーンシートを構成
する材料の浸透による空隙部の充填が終了しないだけの
十分な厚みを有しており、生の複合積層体を焼成するに
あたっては、シート状支持体の空隙部にセラミックグリ
ーンシートを構成する材料を充填し終えるように、セラ
ミックグリーンシートの最低焼結温度を超える温度で焼
成される。
【0091】したがって、シート状支持体は、焼成工程
において、実質的な収縮を生じず、そのため、複合成形
体の焼成値のX−Y方向の収縮が抑制される。その結
果、多層セラミック基板の寸法精度を高くすることがで
き、微細で高密度な配線を施しても断線するなどの問題
を生じにくくすることができる。
【0092】また、焼成後において、シート状支持体は
緻密化され、多層セラミック基板の一部を構成するもの
として、そのまま用いることができる。そのため、シー
ト状支持体を後で除去するといった手間を省くことがで
きる。
【0093】この発明において、シート状支持体が複合
成形体の積層方向における両端に配置されたとき、より
少ない数のシート状支持体によって、より高い収縮抑制
効果を期待することができる。また、シート状支持体が
複合積層体の積層方向における中間部に配置されたと
き、複合積層体の厚みが大きい場合でも、複合積層体の
厚み方向の中間部における収縮を効果的に抑制すること
ができる。さらに、シート状支持体が複合成形体の積層
方向における両端および中間部の双方に配置されると、
複合成形体の厚み方向における複数の部分での収縮抑制
効果が期待できるので、特に、複合成形体の厚みが大き
いとき、有利である。
【0094】この発明が、積層体に内蔵される受動部品
を備える多層セラミック基板の製造方法に適用される場
合、積層体を構成するセラミック絶縁材料を含む第1の
セラミックグリーンシートとは別に、受動部品が生のセ
ラミック機能材料を含む第2のセラミックグリーンシー
トまたは成形体ブロックで与えられるが、この発明によ
れば、これら第2のセラミックグリーンシートまたは成
形体ブロックを含む複合成形体を焼成するとき、上述の
ようにX−Y方向の収縮が抑制されるので、これら第2
のセラミックグリーンシートまたは成形体ブロックと第
1のセラミックグリーンシートとの各収縮挙動を互いに
一致させることがより容易になる。したがって、第2の
セラミックグリーンシートまたは成形体ブロックと第1
のセラミックグリーンシートとのそれぞれの材料の選択
の幅を広げることができる。
【0095】また、この発明に従って、上述のように受
動部品を内蔵する多層セラミック基板を製造すれば、受
動部品は、積層体と同時に一体焼結されることによって
得られるので、受動部品自身が有する特性は、生の段階
で実質的に決定され、また、この生の段階で潜在してい
る特性は、焼結後においても実質的に維持されることに
なる。したがって、多層セラミック基板に内蔵される受
動部品の特性を設計どおりとすることが容易になり、そ
のため、多層セラミック基板全体としても、それを安定
した品質をもって供給することができるようになる。こ
のことから、多機能化、高密度化、高精度化、高性能化
された多層セラミック基板を容易に製造することができ
る。
【0096】また、この発明において、上述の受動部品
が積層体の内部に埋め込まれた成形体ブロックによって
与えられるようにすると、受動部品は、積層体の内部に
完全に埋め込まれた状態となるので、耐湿性等の耐環境
性の高い多層セラミック基板を得ることができる。
【0097】また、この発明において、上述のように、
受動部品が成形体ブロックによって与えられると、受動
部品を多層セラミック基板内において3次元的に配置す
ることが容易になるので、設計の自由度が高められると
ともに、信号のクロストーク等の問題を有利に回避する
ことができる。
【0098】また、この発明において、受動部品が成形
体ブロックによって与えられると、この生の成形体ブロ
ックを埋め込んだ生の複合成形体が焼成されることにな
るので、予め焼成された受動部品を埋め込んだ状態で焼
成する場合に比べて、焼成時の収縮挙動を厳しく管理す
る必要がなくなり、積層体となるべきセラミックグリー
ンシートにおいて使用できる材料の選択の幅を広げるこ
とができる。
【0099】また、この発明において、受動部品が成形
体ブロックによって与えられるときには、成形体ブロッ
クを嵌め込むための空間が予め設けられているので、得
られた多層セラミック基板の平面性を良好に維持するこ
とができる。したがって、この点においても、配線導体
の不所望な変形や断線を生じにくくすることができるの
で、特性のばらつきを生じさせないようにしながら、高
い寸法精度をもって高密度な配線を行なうことが可能と
なり、また、多層セラミック基板に備えるセラミック層
の積層数を問題なく増やすことができ、結果として、多
層セラミック基板の高性能化を図ることが容易になる。
【0100】また、この発明において、受動部品が第2
のセラミックグリーンシートまたは成形体ブロックによ
って与えられるときには、このような第2のセラミック
グリーンシートまたは成形体ブロックによって、コンデ
ンサまたはインダクタを容易に構成することができる。
【0101】また、上述の第2のセラミックグリーンシ
ートまたは成形体ブロックが多層の内部導体を形成する
積層構造を有していると、たとえば、受動部品がコンデ
ンサであるときには、高容量を得ることができ、受動部
品がインダクタであるときには、高インダクタンスを得
ることができる。
【0102】この発明において、第2のセラミックグリ
ーンシートまたは成形体ブロックに含まれるセラミック
機能材料が、結晶化ガラス、またはガラスとセラミック
との混合物を含んでいたり、積層体となる成形体または
複合成形体に備えるセラミックグリーンシートに含まれ
るセラミック絶縁材料が、ガラス、またはガラスとセラ
ミックとの混合物を含むとともに、このガラス/セラミ
ックの重量比が、100/0ないし5/95の範囲内に
選ばれていたりすると、たとえば1000℃といった比
較的低温で焼結させることが可能になる。
【0103】そのため、配線導体および内部導体とし
て、Ag、Ag−Pt合金、Ag−Pd合金、Au、N
i、およびCuからなる群から選ばれた少なくとも1種
を主成分とするものが問題なく使用できるようになる。
また、前述したシート状支持体のためのセラミックとし
ては、比較的入手が容易で化学的に安定なアルミナまた
はジルコニアを用いることができるようになる。
【0104】また、この発明に含まれる焼成工程におい
て、複合成形体の積層方向に10kg/cm2 以下の荷
重を加えることにより、得られた多層セラミック基板が
焼成工程において反ったりするような不所望な変形を生
じることを有利に回避できる。
【0105】また、この発明に含まれる焼成工程によっ
て得られた積層体において、シート状支持体の部分の熱
膨張係数が、セラミック層の部分の熱膨張係数より、
0.5×10-6degK-1以上4.5×10-6degK
-1以下だけ小さく選ばれると、得られた多層セラミック
基板の表層部分に適当な圧縮応力を発生させることがで
き、このような圧縮応力をもって、多層セラミック基板
の機械的強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による多層セラミック基
板1を図解的に示す断面図である。
【図2】図1に示した多層セラミック基板1が与える等
価回路図である。
【図3】図1に示した多層セラミック基板1の製造方法
を説明するためのもので、多層セラミック基板1を製造
するために用意されるセラミックグリーンシート2g〜
8g、成形体ブロック10gおよび11g、ならびにシ
ート状支持体48および49を示す断面図である。
【図4】図3に示したセラミックグリーンシート4g〜
7gと成形体ブロック10gおよび11gとを互いに分
離して示す断面図である。
【図5】850℃で焼成したシート状支持体中へのガラ
スの浸透量の厚み方向の分布を示す図である。
【図6】焼成プロファイルの好ましい一例を示す図であ
る。
【図7】この発明の他の実施形態を説明するための図1
に相当する図である。
【図8】図7に示した実施形態を示す、図3に相当する
図である。
【図9】図7に示した実施形態を示す、図4に相当する
図である。
【符号の説明】
1,101 多層セラミック基板 2〜8 セラミック層 9,109 積層体 10 コンデンサ 11 インダクタ 12 抵抗 13〜18 配線導体 19a,19b 外部端子導体 20 誘電体シート 21,25 内部導体 22,23,26,27 端子電極 24 磁性体シート 29,34 空間 30〜33,35〜47,50,51 貫通孔 1g,101g 生の複合成形体 2g〜8g セラミックグリーンシート 10g コンデンサ用成形体ブロック 11g インダクタ用成形体ブロック 48,49,52,53 シート状支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−221375(JP,A) 特開 平7−154073(JP,A) 特開 平11−163530(JP,A) 特開 平10−75060(JP,A) 特開 昭61−288498(JP,A) 特開 平9−92983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック絶縁材料からなる積層された
    複数のセラミック層および配線導体を有する積層体を備
    える、多層セラミック基板を製造する方法であって、 前記セラミック絶縁材料を含む複数のセラミックグリー
    ンシートを用意するとともに、 前記セラミックグリーンシートの焼成温度では焼結しな
    いセラミックを含み、かつ、前記セラミックグリーンシ
    ートと接する状態で焼成されたとき、前記セラミックグ
    リーンシートの焼結が完了する最低温度では前記セラミ
    ックグリーンシートを構成する材料の浸透による空隙部
    の充填が終了しないだけの十分な厚みを有する、少なく
    とも1つの生のシート状支持体を用意し、 前記セラミックグリーンシートと前記生のシート状支持
    体とを用いて、積層された複数の前記セラミックグリー
    ンシートと、少なくとも1つの前記セラミックグリーン
    シートに接する状態で配置される前記生のシート状支持
    体と、前記配線導体とを備える、生の複合成形体を作製
    し、 前記シート状支持体の空隙部に前記セラミックグリーン
    シートを構成する材料を充填し終えるように、前記生の
    複合成形体を、前記セラミックグリーンシートの最低焼
    結温度を超える温度で焼成することによって、前記積層
    体を得る、各工程を備える、多層セラミック基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 セラミック絶縁材料からなる積層された
    複数のセラミック層および配線導体を有する積層体と、
    前記配線導体によって配線された状態で前記積層体に内
    蔵された受動部品とを備える、多層セラミック基板を製
    造する方法であって、 前記セラミック絶縁材料を含む複数の第1のセラミック
    グリーンシートと、前記セラミック絶縁材料とは異な
    る、前記受動部品となるべき生のセラミック機能材料を
    含む少なくとも1つの第2のセラミックグリーンシート
    とを用意するとともに、 前記第1および第2のセラミックグリーンシートの焼成
    温度では焼結しないセラミックを含み、かつ、前記第1
    および第2のセラミックグリーンシートの少なくとも一
    方と接する状態で焼成されたとき、前記第1および第2
    のセラミックグリーンシートの焼結が完了する最低温度
    では前記接する状態にあるセラミックグリーンシートを
    構成する材料の浸透による空隙部の充填が終了しないだ
    けの十分な厚みを有する、少なくとも1つの生のシート
    状支持体を用意し、 前記第1および第2のセラミックグリーンシートと前記
    生のシート状支持体とを用いて、積層された複数の前記
    第1のセラミックグリーンシートと、少なくとも1つの
    前記第2のセラミックグリーンシートと、少なくとも1
    つの前記第1および第2のセラミックグリーンシートの
    少なくとも一方に接する状態で配置される前記生のシー
    ト状支持体と、前記配線導体とを備える、生の複合成形
    体を作製し、 前記シート状支持体の空隙部に前記接する状態にあるセ
    ラミックグリーンシートを構成する材料を充填し終える
    ように、前記生の複合成形体を、前記第1および第2の
    セラミックグリーンシートの最低焼結温度を超える温度
    で焼成することによって、前記積層体を得る、各工程を
    備える、多層セラミック基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 セラミック絶縁材料からなる積層された
    複数のセラミック層および配線導体を有する積層体と、
    前記配線導体によって配線された状態で前記積層体に内
    蔵された受動部品とを備える、多層セラミック基板を製
    造する方法であって、 前記セラミック絶縁材料を含む複数のセラミックグリー
    ンシートと、前記セラミック絶縁材料とは異なる、前記
    受動部品となるべき生のセラミック機能材料を含む成形
    体ブロックとを用意するとともに、 前記セラミックグリーンシートおよび前記成形体ブロッ
    クの焼成温度では焼結しないセラミックを含み、かつ、
    前記セラミックグリーンシートと接する状態で焼成され
    たとき、前記セラミックグリーンシートの焼結が完了す
    る最低温度では前記セラミックグリーンシートを構成す
    る材料の浸透による空隙部の充填が終了しないだけの十
    分な厚みを有する、少なくとも1つの生のシート状支持
    体を用意し、 前記セラミックグリーンシートと前記生のシート状支持
    体と前記成形体ブロックとを用いて、積層された複数の
    前記セラミックグリーンシートと、少なくとも1つの前
    記セラミックグリーンシートに接する状態で配置される
    前記生のシート状支持体と、前記配線導体とを備え、内
    部に空間が予め設けられ、当該空間に前記成形体ブロッ
    クが嵌め込まれた、生の複合成形体を作製し、 前記シート状支持体の空隙部に前記セラミックグリーン
    シートを構成する材料を充填し終えるように、前記生の
    複合成形体を、前記セラミックグリーンシートの最低焼
    結温度を超える温度で焼成することによって、前記積層
    体を得る、各工程を備える、多層セラミック基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記第2のセラミックグリーンシートま
    たは前記成形体ブロックは、焼結されたとき、コンデン
    サまたはインダクタを与えるものである、請求項2また
    は3に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のセラミックグリーンシートま
    たは前記成形体ブロックは、多層の内部導体を形成する
    積層構造を有する、請求項2ないし4のいずれかに記載
    の多層セラミック基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記内部導体は、Ag、Ag−Pt合
    金、Ag−Pd合金、Au、およびCuからなる群から
    選ばれた少なくとも1種を主成分とする、請求項5に記
    載の多層セラミック基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記セラミック機能材料は、結晶化ガラ
    ス、またはガラスとセラミックとの混合物を含む、請求
    項2ないし6のいずれかに記載の多層セラミック基板の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シート状支持体は、前記複合成形体
    の積層方向における両端に配置される、請求項1ないし
    7のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記シート状支持体は、前記複合成形体
    の積層方向における中間部に配置される、請求項1ない
    し7のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記シート状支持体は、前記複合成形
    体の積層方向における両端および中間部の双方に配置さ
    れる、請求項1ないし7のいずれかに記載の多層セラミ
    ック基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記複合成形体は、1000℃以下の
    温度で焼成される、請求項1ないし10のいずれかに記
    載の多層セラミック基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記セラミック絶縁材料は、ガラス、
    またはガラスとセラミックとの混合物を含み、ガラス/
    セラミックの重量比は、100/0ないし5/95の範
    囲内に選ばれる、請求項11に記載の多層セラミック基
    板の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記シート状支持体は、セラミックと
    して、アルミナおよびジルコニアから選ばれた少なくと
    も1種を含む、請求項11または12に記載の多層セラ
    ミック基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記配線導体は、Ag、Ag−Pt合
    金、Ag−Pd合金、Au、およびCuからなる群から
    選ばれた少なくとも1種を主成分とする、請求項11な
    いし13のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 前記生の複合成形体を焼成する工程に
    おいて、積層方向に10kg/cm2 以下の荷重を加え
    る、請求項1ないし14のいずれかに記載の多層セラミ
    ック基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記焼成工程によって得られた前記積
    層体において、前記シート状支持体の部分の熱膨張係数
    は、前記セラミック層の部分の熱膨張係数より、0.5
    ×10-6degK-1以上4.5×10-6degK-1以下
    だけ小さい、請求項1ないし15のいずれかに記載の多
    層セラミック基板の製造方法。
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