JP2002100509A - 複合型磁性体磁器材料及びその製造方法 - Google Patents

複合型磁性体磁器材料及びその製造方法

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JP2002100509A
JP2002100509A JP2000287912A JP2000287912A JP2002100509A JP 2002100509 A JP2002100509 A JP 2002100509A JP 2000287912 A JP2000287912 A JP 2000287912A JP 2000287912 A JP2000287912 A JP 2000287912A JP 2002100509 A JP2002100509 A JP 2002100509A
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magnetic ceramic
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Naoto Kitahara
直人 北原
Makoto Takano
真 高野
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Mitsubishi Materials Corp
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合型磁性体磁器材料を960℃以下の温度
で大気雰囲気で焼結してAg100%の内部導体を形成
でき、かつ比透磁率を800以上にする。被焼成物の粒
界における反応生成物が比較的少なく所期の磁気特性が
得られる。 【解決手段】 Ni−Zn系フェライトを主成分とする
第1磁性体磁器材料と、Ni−Zn−Cu系フェライト
を主成分とする第2磁性体磁器材料とを混合して焼成し
てなる複合型磁性体磁器材料である。第1磁性体磁器材
料がその焼結温度より100℃低い温度ないしその焼結
温度で仮焼若しくは焼成してなる仮焼体若しくは焼結体
粉末であり、第2磁性体磁器材料が700〜800℃の
温度で仮焼してなる仮焼体粉末である。第2磁性体磁器
材料の仮焼体粉末をマトリックス材として40〜80体
積%含み、第1磁性体磁器材料の仮焼体若しくは焼結体
粉末を骨材として残部含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟磁性フェライト
焼結材料の中で、Ni−Zn系フェライト成分とNi−
Zn−Cu系フェライト成分が混在する複合型磁性体磁
器材料及びその製造方法に関する。更に詳しくはインダ
クタ等、内部電極を有する磁性体磁器材料系の電子部品
の材料に用いられる複合型磁性体磁器材料及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から大気雰囲気で焼成可能であって
高透磁率が得られるフェライトとして、Ni−Zn系フ
ェライトが用いられてきた。このNi−Zn系フェライ
トはその主要原料であるFe23,NiO及びZnOな
どの粉末を所定の割合で秤量して混合し、仮焼、粉砕、
成形、焼成という工程を経て製造される。このNi−Z
n系フェライトで高透磁率を得ようとする場合には、焼
成工程で1200℃以上の高温で焼成しなければならな
い。1200℃以上の高温で焼成するときには、生産性
及び熱エネルギー消費の観点から不利であるうえ、融点
が960℃のAgを高比率で含む内部導体を有する電子
部品材料にこのNi−Zn系フェライトを用いることが
できない。このため、融点が1550℃と高いPdを高
比率で含有させたAg−Pdを内部導体として使用して
いる。しかし、Pdは比抵抗が高いため、Ag−Pdに
おけるPdの比率を高めるほど、焼成温度を焼結温度に
近づけることはできるが、内部導体の比抵抗は高くな
り、積層チップインダクタのような電子部品材料には適
さなくなる。
【0003】一方、Ni−Zn−Cu系フェライトはそ
の主要原料であるFe23,NiO,ZnO及びCuO
などの粉末を所定の割合で秤量して混合し、上記と同様
の工程を経て大気雰囲気で焼成されて製造される。この
Ni−Zn−Cu系フェライトはCuOを含ませること
により、その焼結温度を900〜1000℃に低くする
ことができ、上記Ni−Zn系フェライトの不具合を解
消できる。しかし、Cuの含有量を増やす程、焼結温度
を低くできる利点がある反面、それに伴い比透磁率が下
がる欠点がある。例えば960℃以下の温度で焼結体を
得るためにCuの含有量を増加させると、比透磁率は5
00程度まで低下する。上記両フェライトの欠点を解消
したフェライトとして、Mn−Zn系フェライトが知ら
れている。このMn−Zn系フェライトはその主要原料
であるFe23,MnO及びZnOなどの粉末を所定の
割合で秤量して混合し、上記と同様の工程を経て製造さ
れる。このMn−Zn系フェライトは比透磁率が200
0〜3000以上であって、Ni−Zn−Cu系フェラ
イトより高く、しかも焼結温度が1000〜1100℃
程度であって、Ni−Zn系フェライトより低い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記M
n−Zn系フェライトは、その原料粉末を大気雰囲気で
焼成すると焼結体中で2価のFeになるべきところ3価
のFeになり、2価のMnになるべきところ6価のMn
になって、焼結体が所期の構造式にならなくなるため、
焼成雰囲気を酸素リーンの特殊雰囲気にしなければなら
ず、焼成装置が複雑化する不具合がある。また上記Ni
−Zn系フェライトはNi,Znの各金属酸化物粉末
を、Ni−Zn−Cu系フェライトはNi,Zn,Cu
の各金属酸化物粉末を、更にMn−Zn系フェライトは
Mn,Znの各金属酸化物粉末をいずれも所定の割合で
秤量して混合した後、仮焼、粉砕、成形、焼成して作製
されるため、焼成時に粒子界面にフェライト本来の特性
を損なう反応生成物が比較的多く生じる欠点もある。
【0005】本発明の目的は、960℃以下の温度で大
気雰囲気で焼結してAg100%の内部導体を形成で
き、かつ比透磁率を800以上にすることができる複合
型磁性体磁器材料及びその製造方法を提供することにあ
る。本発明の別の目的は、被焼成物の粒界における反応
生成物が比較的少なく所期の磁気特性が得られる複合型
磁性体磁器材料及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明
は、Ni−Zn系フェライトを主成分とする第1磁性体
磁器材料と、Ni−Zn−Cu系フェライトを主成分と
する第2磁性体磁器材料とを混合して焼成してなる複合
型磁性体磁器材料の改良である。その特徴ある構成は、
上記第1磁性体磁器材料がその焼結温度より100℃低
い温度ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成してなる
仮焼体若しくは焼結体粉末であり、上記第2磁性体磁器
材料が700〜800℃の温度で仮焼してなる仮焼体粉
末であり、上記第2磁性体磁器材料の仮焼体粉末をマト
リックス材として40〜80体積%含み、上記第1磁性
体磁器材料の仮焼体若しくは焼結体粉末を骨材として残
部含むことにある。本願請求項2に係る発明は、Fe酸
化物粉末、Ni酸化物粉末及びZn酸化物粉末又はこれ
らの金属塩粉末を所定の割合で混合して第1混合粉末を
得る工程と、この第1混合粉末をその焼結温度より10
0℃低い温度ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成し
て仮焼体若しくは焼結体を得る工程と、この仮焼体若し
くは焼結体を粉砕して所定の粒径のNi−Zn系フェラ
イトを主成分とする第1磁性体磁器材料の仮焼体若しく
は焼結体粉末を得る工程と、Fe酸化物粉末、Ni酸化
物粉末、Zn酸化物粉末及びCu酸化物粉末又はこれら
の金属塩粉末を所定の割合で混合して第2混合粉末を得
る工程と、この第2混合粉末を700〜800℃の温度
で仮焼して仮焼体を得る工程と、この仮焼体を粉砕して
上記第1磁性体磁器材料の仮焼体若しくは焼結体粉末の
粒径より小さい粒径のNi−Zn−Cu系フェライトを
主成分とする第2磁性体磁器材料の仮焼体粉末を得る工
程と、40〜80体積%の第2磁性体磁器材料の仮焼体
粉末と残部が第1磁性体磁器材料の仮焼体若しくは焼結
体粉末とを混合して第3混合粉末を得る工程と、この第
3混合粉末を960℃以下の温度の大気雰囲気で焼成す
る工程とを含む複合型磁性体磁器材料の製造方法であ
る。
【0007】本発明の複合型磁性体磁器材料は、焼結温
度より100℃低い温度ないしその焼結温度で仮焼若し
くは焼成したNi−Zn系フェライトを主成分とする第
1磁性体磁器材料の仮焼体若しくは焼結体粉末を骨材と
し、700〜800℃の温度で仮焼したNi−Zn−C
u系フェライトを主成分とする第2磁性体磁器材料の仮
焼体粉末をマトリックス材として、両粉末を混合し焼成
することにより構成される。骨材の第1磁性体磁器材料
は予め焼結温度又はそれに近い温度で焼成若しくは仮焼
されるため第3混合粉末の焼成時にはその粒界における
反応性が抑制される。第2磁性体磁器材料は第3混合粉
末の焼成時にマトリックス材として上記骨材を分散状態
で被包する。これにより複合型磁性体磁器材料は、第1
磁性体磁器材料により高透磁率が得られ、第2磁性体磁
器材料により低温焼結を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。本発明の複合型磁性体磁器材料はNi−Zn
系フェライトを主成分とする第1磁性体磁器材料と、N
i−Zn−Cu系フェライトを主成分とする第2磁性体
磁器材料との混合焼結体である。
【0009】(a) 第1磁性体磁器材料(骨材)の製造方
法 Ni−Zn系フェライトを主成分とする第1磁性体磁器
材料は、Fe酸化物(Fe23)粉末、Ni酸化物(N
iO)粉末及びZn酸化物(ZnO)粉末又はこれらの
金属塩粉末を主な原料粉末とする。これらの金属塩とし
ては、Fe(CO3)2,NiCO3,ZnCO3等が挙げら
れる。原料粉末には、高透磁率化又は温度特性の安定化
等の目的で上記金属元素以外の他の元素(例えば、M
n、Co等)を含有させることもできる。上記原料粉末
を湿式又は乾式で所定の割合で混合し第1混合粉末を得
る。金属酸化物粉末を原料粉末とし、磁性体磁器材料が
インダクタ用の磁器材料の場合には、Fe23が48〜
52モル%、NiOが10〜40モル%及びZnOが1
0〜40モル%の割合で秤量される。得られた第1混合
粉末にバインダを加えて混練造粒し、所定の形状に成形
する。この成形体を大気雰囲気でその焼結温度より10
0℃、好ましくは50℃低い温度で仮焼するか、或いは
その焼結温度で焼成してNi−Zn系フェライト仮焼体
若しくは焼結体を作製する。上記仮焼温度若しくは焼成
温度は、原料粉末の組成に応じて変化するが、例えば1
200〜1350℃である。焼結温度より100℃低く
てもよいのは、後述する第3混合粉末で焼成するときに
この温度であってもこの仮焼体粉末の粒界での反応性を
抑えられるからである。次いで得られたNi−Zn系フ
ェライト仮焼体若しくは焼結体をボールミル等で粉砕し
て篩い分けし所定の粒径に揃えて骨材とする。この骨材
の粒径は次に述べるマトリックス材の第2磁性体磁器材
料粉末の粒径より大きくする。好ましくはマトリックス
材より1桁程度大きくする。これは第1磁性体磁器材料
の粒径を第2磁性体磁器材料の粒径より同等若しくは小
さくすると、第1及び第2磁性体磁器材料を混合して焼
成したときに、焼結体である複合型磁性体磁器材料内に
空隙が発生し、複合型磁性体磁器材料のクラック、歪み
の原因となるからである。この複合型磁性体磁器材料に
より内部導体を有する積層チップインダクタを作製する
場合には、平均粒径が10μm以下、好ましくは1〜6
μmの仮焼体若しくは焼結体粉末からなる骨材にする。
これは、積層チップインダクタでは通常一層の厚さは1
0〜20μmであり、骨材の平均粒径が10μmを越え
ると骨材とマトリックス材を含んだ層を形成できないか
らである。
【0010】(b) 第2磁性体磁器材料(マトリックス
材)の製造方法 Ni−Zn−Cu系フェライトを主成分とする第2磁性
体磁器材料は、Fe酸化物(Fe23)粉末、Ni酸化
物(NiO)粉末、Zn酸化物(ZnO)粉末及びCu
酸化物(CuO)又はこれらの金属塩粉末を主な原料粉
末とする。これらの金属塩としては、Fe(CO3)2,N
iCO3,ZnCO3等が挙げられる。原料粉末には、焼
結性の向上等の目的で上記金属元素以外の他の元素(例
えば、Mg、Ca等)を含有させることもできる。上記
原料粉末を湿式又は乾式で所定の割合で混合し第2混合
粉末を得る。金属酸化物粉末を原料粉末とし、磁性体磁
器材料がインダクタ用の磁器材料の場合には、Fe23
が48〜52モル%、NiOが10〜40モル%、Zn
Oが10〜40モル%及びCuOが10〜30モル%の
割合で秤量される。得られた第2混合粉末を700〜8
00℃の温度で仮焼して仮焼体を得て、このNi−Zn
−Cu系フェライト仮焼体をボールミル等で粉砕して篩
い分けし、骨材より小さい粒径のマトリックス材となる
粉末状の第2磁性体磁器材料の仮焼体粉末を得る。この
複合型磁性体磁器材料により内部導体を有する積層チッ
プインダクタを作製する場合であって、骨材の平均粒径
を1〜10μmにするときには、上述した理由により、
第2磁性体磁器材料のマトリックス材の平均粒径を1μ
m未満、好ましくは0.1〜0.5μmにする。
【0011】(c) 複合型磁性体磁器材料の製造方法 上記第1磁性体磁器材料の仮焼体若しくは焼結体粉末を
骨材とし、上記第2磁性体磁器材料の仮焼体粉末をマト
リックス材として、両粉末を湿式又は乾式で混合して第
3混合粉末を得る。その混合割合は第2磁性体磁器材料
が40〜80体積%であり、残部が第1磁性体磁器材料
である。第2磁性体磁器材料が40体積%未満では得ら
れた複合型磁性体磁器材料が多孔質になり実用上の強度
が得られない上、複合型磁性体磁器材料をめっきしたと
きにめっき液が材料内部に侵入するおそれがある。また
80体積%を越えると第1磁性体磁器材料の割合が減少
し過ぎて、高透磁率の複合型磁性体磁器材料が得られな
い。第1及び第2磁性体磁器材料の混合割合は、必要と
する透磁率に応じて上記範囲内から決定される。バルク
の複合型磁性体磁器材料を作製する場合には、第3混合
粉末にバインダを加えて混練造粒し、所定の形状に成形
体を作製する。積層型の複合型磁性体磁器材料を作製す
る場合には、第3混合粉末に分散剤、バインダ、可塑
剤、溶剤等を添加して混合し、印刷用材料ペースト又は
グリーンシート形成用ペイントのいずれか一方又は双方
を調製した後、印刷積層又はシート積層のいずれか一方
又は双方により積層体を作製する。得られた成形体又は
積層体は960℃以下の温度の大気雰囲気で焼成され
る。この焼成によりマトリックス材の第2磁性体磁器材
料が焼結体となり、この焼結体の内部に、予め焼結若し
くはほぼ焼結していた骨材の第1磁性体磁器材料が分散
して本発明の複合型磁性体磁器材料が得られる。複合型
磁性体磁器材料の内部にAgを高比率で含む導体が存在
する場合、この焼成温度はAgの融点より低いため、内
部導体が損われず、かつ内部導体の比抵抗を小さくする
ことができる。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに述べ
る。 <実施例1〜5>先ずFe23粉末を50モル%、Ni
Oを15モル%及びZnOを35モル%それぞれ秤量
し、湿式ミルにより混合した。この混合粉末にバインダ
を加えて混練造粒し、所定の形状に成形した後、この成
形体を1300℃で4時間、大気雰囲気で焼成してNi
−Zn系フェライト焼結体を得た。この焼結体をボール
ミルで粉砕して篩い分けし平均粒径が5μmの第1磁性
体磁器材料(骨材)を製造した。一方、Fe23粉末を
50モル%、NiOを15モル%、ZnOを25モル%
及びCuOを10モル%それぞれ秤量し、湿式ミルによ
り混合した。この混合粉末を800℃で4時間、大気雰
囲気で仮焼してNi−Zn−Cu系フェライト仮焼体を
得た。この仮焼体をボールミルで粉砕して篩い分けし、
平均粒径が0.3μmの第2磁性体磁器材料(マトリッ
クス材)を製造した。次いで得られた第1磁性体磁器材
料(骨材)と第2磁性体磁器材料(マトリックス材)を
表1に示す5種類(実施例1〜5)の体積比で湿式混合
した。
【0013】
【表1】
【0014】表1に示すように混合した5種類の混合粉
末に分散剤、バインダ、可塑剤、溶剤等をそれぞれ添加
して混合し、5種類の印刷用材料ペーストを調製した。
このように調製された印刷用材料ペーストと、Ag10
0%の導電ペーストを交互にスクリーン印刷しながら積
層し、必要に応じて切断を行って5種類のグリーン積層
体を形成した。それぞれの積層体の形成方法は同一であ
るので、一例を図3に基づいて説明する。図3(a-1)〜
(e-1)は積層過程の上面図であり、図3(a-2)〜(e-2)は
積層過程の図3(a-1)〜(e-1)におけるB−B線断面図で
あり、図3(a-3)〜(e-3)は積層過程の図3(a-1)〜(e-1)
におけるA−A線断面図である。
【0015】先ず図3(a-1)〜(a-3)に示すように上記の
ように調製された材料ペーストからなるベース基板11
を用意した。このベース基板11は積層体の第1層目と
なる。次いでベース基板11上に導電ペーストにより導
体膜12をラチス状にかつベース基板11の相対向する
両端に臨むように形成した(図3(b-1)〜(b-3))。その
上に材料ペーストをスルーホール13が形成されるよう
にスクリーン印刷して積層体の第2層14を形成した
(図3(c-1)〜(c-3))。この第2層14の上に導電ペー
ストにより導体膜15をラチス状に形成した(図3(d-
1)〜(d-3))。このときスルーホール13にも導電ペー
ストが充填されて導体膜15が導体膜12に接続され
た。これにより、螺旋を描きながら図3の左右方向に延
びるスパイラル構造が1つ形成された。その上に材料ペ
ーストを全面にスクリーン印刷して積層体の最上層であ
る第3層16を形成した(図3(e-1)〜(e-3))。上記5
種類の積層体に脱バインダ処理を施した後、積層体を大
気雰囲気で900℃で4時間、焼成して、複合型磁性体
磁器材料の焼結体を5種類形成した。図示しないが、焼
結体の両端面には内部導体である導体膜の一部が露出し
た。図1に示すように、これらの焼結体10の両端面に
Agを主成分とする導体ペーストを焼付けて一対の端子
電極20及び30を形成し、これにより5種類の積層チ
ップインダクタ40を得た。このインダクタ40の等価
回路を図2に示す。
【0016】<比較例1>実施例1と同様にして得られ
た第1磁性体磁器材料(骨材)と第2磁性体磁器材料
(マトリックス材)について、表1に示すようにその混
合割合を骨材10体積%及びマトリックス材90体積%
にした以外は、実施例1と同様にして複合型磁性体磁器
材料の焼結体を形成し、更に一対の端子電極を形成して
積層チップインダクタを得た。
【0017】<比較例2>実施例1と同様にして得られ
た第1磁性体磁器材料(骨材)と第2磁性体磁器材料
(マトリックス材)について、表1に示すようにその混
合割合を骨材70体積%及びマトリックス材30体積%
にした以外は、実施例1と同様にして複合型磁性体磁器
材料の焼結体を形成し、更に一対の端子電極を形成して
積層チップインダクタを得た。
【0018】<比較例3>表1に示すようにFe23
末を50モル%、NiOを15モル%及びZnOを35
モル%それぞれ秤量し、湿式ミルにより混合した。この
混合粉末を800℃で4時間、大気雰囲気で仮焼した。
この仮焼体を解砕して、所定の粒径の仮焼体粉末にし
た。この仮焼体粉末に分散剤、バインダ、可塑剤、溶剤
等を添加して混合し、印刷用材料ペーストを調製した。
このように調製された印刷用材料ペーストと、Ag30
%−Pd70%の導電ペーストを実施例1と同様に交互
にスクリーン印刷しながら積層し、必要に応じて切断を
行ってグリーン積層体を形成した。以下、実施例1と同
様にしてグリーン積層体に脱バインダ処理を施した後、
この積層体を大気雰囲気で1300℃で焼成した。この
焼結体の両端に実施例1と同様にAgを主成分とする導
体ペーストを焼付けて一対の端子電極を形成し、これに
より積層チップインダクタを得た。
【0019】<比較例4>表1に示すようにFe23
末を50モル%、NiOを15モル%、ZnOを30モ
ル%及びCuOを5モル%それぞれ秤量し、湿式ミルに
より混合した。この混合粉末を800℃で4時間、大気
雰囲気で仮焼した。この仮焼体を解砕して、所定の粒径
の仮焼体粉末にした。この仮焼体粉末に分散剤、バイン
ダ、可塑剤、溶剤等を添加して混合し、印刷用材料ペー
ストを調製した。このように調製された印刷用材料ペー
ストと、Ag70%−Pd30%の導電ペーストを実施
例1と同様に交互にスクリーン印刷しながら積層し、必
要に応じて切断を行ってグリーン積層体を形成した。以
下、実施例1と同様にしてグリーン積層体に脱バインダ
処理を施した後、この積層体を大気雰囲気で1100℃
で焼成した。この焼結体の両端に実施例1と同様にAg
を主成分とする導体ペーストを焼付けて一対の端子電極
を形成し、これにより積層チップインダクタを得た。
【0020】<比較例5>表1に示すようにFe23
末を50モル%、NiOを15モル%、ZnOを25モ
ル%及びCuOを10モル%それぞれ秤量し、湿式ミル
により混合した。この混合粉末を800℃で4時間、大
気雰囲気で仮焼した。この仮焼体を解砕して、所定の粒
径の仮焼体粉末にした。この仮焼体粉末に分散剤、バイ
ンダ、可塑剤、溶剤等を添加して混合し、印刷用材料ペ
ーストを調製した。このように調製された印刷用材料ペ
ーストと、Ag100%の導電ペーストを実施例1と同
様に交互にスクリーン印刷しながら積層し、必要に応じ
て切断を行ってグリーン積層体を形成した。以下、実施
例1と同様にしてグリーン積層体に脱バインダ処理を施
した後、この積層体を大気雰囲気で900℃で焼成し
た。この焼結体の両端に実施例1と同様にAgを主成分
とする導体ペーストを焼付けて一対の端子電極を形成
し、これにより積層チップインダクタを得た。
【0021】<比較評価>実施例1〜5及び比較例1〜
5の積層チップインダクタの比透磁率と、このインダク
タの内部導体の比抵抗を測定した。その結果を骨材の混
合割合及び焼成温度とともに表2及び図4にそれぞれ示
す。
【0022】
【表2】
【0023】表2及び図4から明らかなように、実施例
1〜5の第1磁性体磁器材料(骨材)に対する第2磁性
体磁器材料(マトリックス材)の混合割合(骨材/マト
リックス材)が20体積%/80体積%〜60体積%/
40体積%の範囲においては、焼成温度が900℃とい
う比較的低い温度でありながら、比透磁率は骨材の割合
が増加するに従って増加し、770〜1450という高
い値になった。またAg100%の内部導体であるた
め、比抵抗は1.6μΩcmと小さかった。一方、比較
例1の骨材/マトリックス材が10体積%/90体積%
の場合には、比透磁率は550程度となり磁気特性に劣
っていた。また比較例2の骨材/マトリックス材が70
体積%/30体積%の場合には、比透磁率は1700程
度となり優れた磁気特性が得られる反面、マトリックス
材の割合が低いことに起因して焼結体にクラックが発生
していた。また比較例3の積層チップインダクタは13
00℃の高温焼成で高い比透磁率が得られたが、比抵抗
が17μΩcmと高く、インダクタとして不適であっ
た。また比較例4の積層チップインダクタは1100℃
の焼成温度で比透磁率1200が得られたが、比抵抗が
40μΩcmと高く、インダクタとして不適であった。
更に比較例5の積層チップインダクタは900℃の温度
で焼成でき、比抵抗は1.6μΩcmと小さかったが、
比透磁率は500であって磁気特性に劣っていた。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の複合型磁性
体磁器材料によれば、第1磁性体磁器材料により高透磁
率が得られ、第2磁性体磁器材料により低温焼結を実現
できる。これにより、960℃以下の温度で大気雰囲気
で焼結してAg100%の内部導体を形成でき、かつ比
透磁率を800以上にすることができる。また予め焼結
若しくはほぼ焼結した第1磁性体磁器材料を骨材にする
ことにより、第3混合粉末の焼成時にその粒界における
反応生成物が比較的少なくすることができ、所期の磁気
特性を有する複合型磁性体磁器材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5の積層チップインダクタの外観斜
視図。
【図2】その等価回路図。
【図3】実施例1〜5の積層チップインダクタを製造す
る工程を示す図。
【図4】実施例1〜5、比較例1及び比較例2の骨材の
割合を変えたときの比透磁率の変化を示す図。
【符号の説明】
10 焼結体(複合型磁性体磁器材料) 20,30 端子電極 40 積層チップインダクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G018 AA01 AA23 AA24 AA25 AC13 AC16 5E041 AB01 AB14 AB19 AC05 BD01 CA01 HB01 HB03 NN02 NN06 NN18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni−Zn系フェライトを主成分とする
    第1磁性体磁器材料と、Ni−Zn−Cu系フェライト
    を主成分とする第2磁性体磁器材料とを混合して焼成し
    てなる複合型磁性体磁器材料において、 前記第1磁性体磁器材料がその焼結温度より100℃低
    い温度ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成してなる
    仮焼体若しくは焼結体粉末であり、 前記第2磁性体磁器材料が700〜800℃の温度で仮
    焼してなる仮焼体粉末であり、 前記第2磁性体磁器材料の仮焼体粉末をマトリックス材
    として40〜80体積%含み、上記第1磁性体磁器材料
    の仮焼体若しくは焼結体粉末を骨材として残部含むこと
    を特徴とする複合型磁性体磁器材料。
  2. 【請求項2】 Fe酸化物粉末、Ni酸化物粉末及びZ
    n酸化物粉末又はこれらの金属塩粉末を所定の割合で混
    合して第1混合粉末を得る工程と、 前記第1混合粉末をその焼結温度より100℃低い温度
    ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成して仮焼体若し
    くは焼結体を得る工程と、 前記仮焼体若しくは焼結体を粉砕して所定の粒径のNi
    −Zn系フェライトを主成分とする第1磁性体磁器材料
    の仮焼体若しくは焼結体粉末を得る工程と、 Fe酸化物粉末、Ni酸化物粉末、Zn酸化物粉末及び
    Cu酸化物粉末又はこれらの金属塩粉末を所定の割合で
    混合して第2混合粉末を得る工程と、 前記第2混合粉末を700〜800℃の温度で仮焼して
    仮焼体を得る工程と、 前記仮焼体を粉砕して前記第1磁性体磁器材料の仮焼体
    若しくは焼結体粉末の粒径より小さい粒径のNi−Zn
    −Cu系フェライトを主成分とする第2磁性体磁器材料
    の仮焼体粉末を得る工程と、 40〜80体積%の第2磁性体磁器材料の仮焼体粉末と
    残部が第1磁性体磁器材料の仮焼体若しくは焼結体とを
    混合して第3混合粉末を得る工程と、 前記第3混合粉末を960℃以下の温度の大気雰囲気で
    焼成する工程とを含む複合型磁性体磁器材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 第1磁性体磁器材料の仮焼体若しくは焼
    結体粉末の平均粒径が1〜10μmであって、第2磁性
    体磁器材料の仮焼体粉末の平均粒径が1μm未満である
    請求項2記載の製造方法。
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