JP2004014534A - 積層チップインダクタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1種類の磁性体セラミックグリーシシートを準備しておくだけで多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタが得られる製造方法を提供する。
【解決手段】磁性体セラミックグリーンシート1と、これと透磁率が異なる補助磁性体セラミックペースト4とを準備し、これらの補助磁性体セラミックペースト4の内から製品要求特性に適合したものを選択した後、磁性体セラミックグリーンシート1の上にコイル形成用の導体ペースト3と上記で選択された補助磁性体セラミックペースト4とを共に塗布する。次に両ペースト3,4が塗布された磁性体セラミックグリーンシート1の複数枚を積層、圧着、焼成して内部にコイルパターンとこれを外囲する補助磁性体セラミック層を有する焼結体を得る。最後にこの焼結体の表面に露出したコイルパターンに接続する外部電極を形成して積層チップインダクタを得る。
【選択図】 図3
【解決手段】磁性体セラミックグリーンシート1と、これと透磁率が異なる補助磁性体セラミックペースト4とを準備し、これらの補助磁性体セラミックペースト4の内から製品要求特性に適合したものを選択した後、磁性体セラミックグリーンシート1の上にコイル形成用の導体ペースト3と上記で選択された補助磁性体セラミックペースト4とを共に塗布する。次に両ペースト3,4が塗布された磁性体セラミックグリーンシート1の複数枚を積層、圧着、焼成して内部にコイルパターンとこれを外囲する補助磁性体セラミック層を有する焼結体を得る。最後にこの焼結体の表面に露出したコイルパターンに接続する外部電極を形成して積層チップインダクタを得る。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層チップインダクタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層チップインダクタを製造する方法として、磁性体セラミックグリーンシートにコイル形成用の導体ペーストを印刷した後、このシートの複数枚を積層、圧着、裁断、焼成することでチップ内部にコイルが形成されるようにしたシート工法や、磁性体セラミックペーストと導体ペーストとを順次に印刷積層した後、圧着、裁断、焼成してチップ内部にコイルが形成されるようにした印刷積層工法などがある。特に、前者のシート工法は、一度に多数の積層チップインダクタを製造できるため、量産性に優れているという特長がある。
【0003】
このような量産性に優れたシート工法を用いた積層チップインダクタを製造にする場合、コイル形成箇所となる導体ペーストの印刷部分が厚くなって、導体ペーストが印刷された多数の磁性体セラミックグリーンシートを積層した後にこれらを圧着したときには、全体を均一に圧着することができず、電気的特性にばらつきが生じたり、層間剥離が起こるなどの不具合が発生する。
【0004】
そのため、従来技術では、磁性体セラミックグリーンシート上の導体ペーストの印刷箇所以外の部分に導体ペーストと略同じ程度の厚みをもつ補助磁性体セラミックペーストを印刷することで、導体ペーストと磁性体セラミックグリーンシートとの段差によって生じる上記の不具合を解消するようにした技術も提案されている(たとえば、特開昭52−135050号公報、特公平7−123091号公報等を参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シート工法に基づいて積層チップインダクタを製造する場合、所望の製品要求特性を満たす上で、チップ内部のコイルの巻数が同じであってもインダクタンス特性が異なるものを製造する必要が生じる場合がある。
【0006】
そのため、従来技術では、磁性体セラミックグリーンシートを焼結して得られる磁性体セラミックの透磁率が異なるように、組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを備えておく必要であった。たとえば、3種類のインダクタンス特性をもつ積層チップインダクタを製造する場合、従来では、組成の異なる3種類の磁性体セラミックグリーンシートを予め用意しておき、この3種類の磁性体セラミックグリーンシートを使い分ける必要があった。
【0007】
このように、従来は、所望の製品要求特性に適合した積層チップインダクタを製造する上では、組成の異なる多数の磁性体セラミックグリーンシートを準備しておく必要があるとともに、これらのシートを使い分ける必要があるために、積層チップインダクタを製造する際の管理が煩雑になっていた。
【0008】
さらに、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造する場合、たとえば、磁性体セラミックグリーンシートの上にコイル形成用の導体ペーストを印刷する工程や、次の導体ペーストが形成された磁性体セラミックグリーンシートを積層する工程においては、外見上は同じ形状のものであっても、組成が異なる磁性体セラミックグリーンシートが同一工程で多数存在することになるため、磁性体セラミックグリーンシートの組み合わせを誤るなどの製造ミスが発生し易いという不具合もあった。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを準備するといった従来の煩雑な管理をしなくても、1種類の磁性体セラミックグリーシシートを準備しておくだけで多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、次のようにしている。
【0011】
すなわち、請求項1記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、磁性体セラミックグリーンシートと、この磁性体セラミックグリーンシートとは焼結後における透磁率が異なる複数種の補助磁性体セラミックペーストとを予め準備し、前記複数種の補助磁性体セラミックペーストの内から所望の製品要求特性に適合した補助磁性体セラミックペーストを選択する第1の工程と、前記磁性体セラミックグリーンシートの上に、コイル形成用の導体ペースト、ならびにこの導体ペーストが形成される領域を除く領域に前記選択された補助磁性体セラミックペーストを共に塗布する第2の工程と、前記導体ペーストおよび補助磁性体セラミックペーストが塗布された磁性体セラミックグリーンシートの所定枚数分を積層した後、これを圧着して積層体を形成する第3の工程と、この積層体を焼成して、前記磁性体セラミックグリーンシートから形成された磁性体セラミックの内部に前記導体ペーストから形成されたコイルパターンおよび前記補助磁性体セラミックペーストから形成された補助磁性体セラミック層を有する焼結体を得た後、この焼結体の表面に一部が露出した前記コイルパターンに接続される外部電極を形成する第4の工程と、を含むことを特徴としている。
【0012】
これにより、従来のように組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを準備しなくても1種類のものでよく、その代わりに補助磁性体セラミックペーストを使い分けることで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することができる。そのため、磁性体セラミックグリーンシートの煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0013】
請求項2記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、請求項1記載の発明の場合に、前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末は同じであるが、原料粉末の混合比を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴としている。
【0014】
これにより、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末の混合比を磁性体セラミックグリーンシートの形成工程の場合と異ならせるという簡単な作業を行うだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができる。
【0015】
請求項3記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、請求項1記載の発明の場合に、前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末は同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼結した後にこれを粉砕する際の粉砕時間を調整してフェライト粉末の粒径を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴としている。
【0016】
これにより、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末を調合して仮焼した後の粉砕時間を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合とフェライト粉末の粒径を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【0017】
請求項4記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、請求項1記載の発明の場合に、前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末と同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼し、これを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して成形密度を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴としている。
【0018】
これにより、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、調合後の原料粉末を仮焼してこれを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と成形密度を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の積層チップインダクタの製造方法について、実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0020】
[実施の形態1]
まず、磁性体セラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートという)を次の手順によって作製する。酸化第二鉄(Fe2O3)49.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)29.0mol%、酸化ニッケル(NiO)14.0mol%、酸化銅(CuO)8.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を材料としてボールミルに仕込み、15時間湿式調合を行う。この湿式調合で得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。この仮焼後に得られた仮焼粉末をボールミルにより15時間湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得る。
【0021】
このフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合し、その後、減圧により脱泡を行なう。こうして得られたスラリーをリップコータ、またはマルチコータを用いて膜厚25μmに延ばして長尺のグリーンシートを作製する。
【0022】
一方、補助磁性体セラミックペーストを次の手順によって作製する。上記のグリーンシートを作製する手順と比較すると、複数種の原料粉末は同じであるが、原料粉末の混合比を異ならせたものを用いる。すなわち、酸化第二鉄48.0mol%、酸化亜鉛15.0mol%、酸化ニッケル27.0mol%,酸化銅10.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を用いる。
【0023】
そして、グリーンシートを作製する場合と同じ工程および条件の下でフェライト粉末を得た後、このフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合を行ない、その後、減圧により脱泡を行なって補助磁性体セラミックペーストを得る。
【0024】
次に、図1に示すように、上記のグリーンシートを所定の寸法に裁断した後、この裁断後の各グリーンシート1の所定位置にレーザなどの方法でビアホール用の貫通孔2を形成する。
【0025】
続いて、印刷法やフォトリソグラフィなどの手法を用いて、各グリーンシート1上に、銀または銀合金等の導体材料を含むコイル形成用の導体ペースト3を塗布する。その際、貫通孔2内にも導体ペースト3が充填されてビアホールが形成される。次いで、図2に示すように、この導体ペースト2が塗布される領域以外の領域に補助磁性体セラミックペースト4を塗布する。その場合の両ペースト3,4の厚みは共に20μm程度となるように設定される。なお、グリーンシート1に対しては、先に補助磁性体セラミックペースト4を塗布し、その後に導体ペースト3を塗布することもできる。
【0026】
こうして両ペースト3,4が塗布されたグリーンシート1について、図3に示すように、シート積層後の内部にコイルが形成されるように必要な枚数分(たとえば11枚)を順次重ねるとともに、その上下両面側にそれぞれ導体ペースト3を塗布しない外層用のグリーンシート1の複数枚(たとえば17枚)を積層する。こうして得られた未焼結の積層体5を1.0t/cm2の圧力で圧着して積層チップインダクタの未焼成体を得る。その際、導体ペースト3の形成箇所以外の部分にはこれと略同じ程度の厚みをもつ補助磁性体セラミックペースト4が形成されているため、積層体5の全体を均一に圧着することができる。
【0027】
続いて、上記のようにして得られた未焼結の積層チップインダクタを400℃で2時間加熱して脱バインダ処理をした後、900℃で90分焼成する。これにより、グリーンシート1から形成されたチップ状の磁性体セラミックの内部には、導体ペースト3から形成されたコイルパターンおよびその周りの補助磁性体セラミックペースト4から形成された補助磁性体セラミック層を有する焼結体が得られる。
【0028】
次いで、この焼結体の端面に浸漬法により銀を主成分とする電極材料ペーストを塗布し、100℃で10分乾燥した後、780℃で15分間塗膜を焼き付けることで外部電極(図示せず)を形成して、この外部電極を焼結体の表面に一部が露出している外部引出用のコイルパターンに電気的に接続することにより所期の積層チップインダクタを得る。
【0029】
このように、この実施の形態1では、グリーンシート1と補助磁性体セラミックペースト4とは、使用する複数種の原料粉末は同じであるが、原料粉末の混合比を異ならせているため、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックと、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層とで透磁率を異ならせることができる。
【0030】
したがって、グリーンシート1が1種類の場合でも、このグリーンシート1と原料粉末の混合比を異ならせた補助磁性体セラミックペースト4を使用することにより、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。その結果、グリーンシート1の煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0031】
[実施の形態2]
この実施の形態2の特徴は、補助磁性体セラミックペースト4を形成する工程において、磁性体セラミックグリーンシート1を形成する工程の場合と比較すると、使用する複数種の原料粉末は同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼結した後にこれを粉砕する際の粉砕時間を調整してフェライト粉末の粒径を異ならせたものを用いることにより、補助磁性体セラミックペースト4から形成された補助磁性体セラミック層の透磁率を、磁性体セラミックグリーンシート1から形成された磁性体セラミックの透磁率と異ならせるようにしていることである。
【0032】
したがって、この実施の形態2において、グリーンシート1を作製する工程は、実施の形態1の場合と同様に行われる。このため、ここではグリーンシート1を作製する場合の手順についての詳しい説明は省略する。
【0033】
一方、補助磁性体セラミックペースト4は、次の手順によって作製する。まず、複数種の原料粉末はグリーンシート1を作製する場合と同じ材料を使用し、かつ、材料の混合比も同じものを用いる。つまり、酸化第二鉄(Fe2O3)49.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)29.0mol%、酸化ニッケル(NiO)14.0mol%、酸化銅(CuO)8.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を原材料としてボールミルに仕込み、15時間湿式調合を行う。
【0034】
そして、この湿式調合後に得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。ここまでの手順はグリーンシート1を作製する場合と同じである。
【0035】
次いで、この仮焼後に得られた仮焼粉末をボールミルにより湿式粉砕するが、その際の仮焼粉末の粉砕時間を調整してグリーンシート1を作製する工程の場合と粒径を異ならせる。
【0036】
たとえば、グリーンシート1を作製する際に仮焼粉末を湿式粉砕して粒径がD50(μm)で1.1μmの粉末とする場合、補助磁性体セラミックペースト4を作製する際には、ペースト焼成後に所定の透磁率が得られるように、仮焼粉末を湿式粉砕したときの粒径がD50(μm)で0.6〜1.6の範囲内で粒径を調整する。そして、仮焼粉末を所定の粒径となるように湿式粉砕した後は、これを乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得る。このように、補助磁性体セラミックペースト4を作製する場合には、グリーンシート1を作製する場合と異なる粒径のフェライト粉末を使用する。
【0037】
そして、実施の形態1の場合と同様に、このフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合を行ない、その後、減圧により脱泡を行なって補助磁性体セラミックペースト4を得る。それ以降、積層チップインダクタを得るまでの工程は、実施の形態1の場合と同様とする。したがって、以下の製造工程の説明は省略する。
【0038】
ここに、補助磁性体セラミックペースト4を形成するために、仮焼粉末を湿式粉砕して得られたフェライト粉末の粒径と、これらの各粒径をもつフェライト粉末から作製された補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られた補助磁性体セラミック層の透磁率との関係を表1に示す。
【表1】
【0039】
なお、グリーンシート1の粒径はD50で1.1μmであるので、その透磁率は398となっている。また、フェライト粉末は、D50で0.6μm以下に粉砕できず、また、D50で1.6μm以上では焼結不足となるため、評価範囲を0.6μm〜1.6μmの範囲としている。
【0040】
この表1から明らかなように、グリーンシート1と補助磁性体セラミックペースト4とは、使用する複数種の原料粉末は同じで、しかも、その原料粉末の混合比も同じであるが、補助磁性体セラミックペースト4を作製する途中工程の仮焼粉末の粒径をグリーンシート1の場合と異ならせることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックの透磁率と異ならせることができる。
【0041】
このように、この実施の形態2では、補助磁性体セラミックペースト4を作製する際に、原料粉末を調合して仮焼した後の粉砕時間を調整してその粒径をグリーンシート1を形成する場合と異ならせることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を簡単に変更することができる。
【0042】
したがって、グリーンシート1が1種類の場合でも、原料粉末を調合して仮焼した後に粉砕したフェライト粉末の粒径をグリーンシート1の場合と異ならせた補助磁性体セラミックペースト4を使用することにより、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。その結果、グリーンシート1の煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0043】
[実施の形態3]
この実施の形態3の特徴は、補助磁性体セラミックペースト4を形成する工程において、磁性体セラミックグリーンシート1を形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末と同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼し、これを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して成形密度を異ならせたものを用いることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックの透磁率と異ならせるようにしたことである。
【0044】
したがって、この実施の形態3において、グリーンシートを作製する工程は、実施の形態1の場合と同様に行われる。このため、ここではグリーンシート1を作製する場合の手順についての詳しい説明は省略する。
【0045】
一方、補助磁性体セラミックペースト4は次の手順で作製する。まず、複数種の原料粉末はグリーンシートを作製する場合と同じ材料を使用し、かつ、材料の混合比も同じものを用いる。つまり、酸化第二鉄(Fe2O3)49.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)29.0mol%、酸化ニッケル(NiO)14.0mol%、酸化銅(CuO)8.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を原材料としてボールミルに仕込み、15時間湿式調合を行う。
【0046】
そして、この湿式調合後に得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。次いで、この仮焼後に得られた仮焼粉末をボールミルにより湿式粉砕し、これを乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得る。ここまでの手順はグリーンシート1を作製する手順と同じである。
【0047】
次いで、フェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合するが、その際、フェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を添加する場合の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と成形密度を異ならせる。
【0048】
たとえば、バインダ12wt%、可塑剤7wt%、チクソ剤6wt%の場合、成形密度は3.07g/cm3となる。また、バインダ7wt%、可塑剤3wt%、チクソ剤3wt%の場合、成形密度は3.24g/cm3となる。このように、添加量を調整することにより、成形密度を異ならせることができる。
【0049】
このように、補助磁性体セラミックペースト4を作製する場合には、原料粉末を調合、仮焼、粉砕して得られるフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を添加する場合の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と異なる成形密度をもつようにする。その後は、減圧により脱泡を行なって補助磁性体セラミックペースト4を得る。それ以降、積層チップインダクタを得るまでの工程は、実施の形態1の場合と同様とする。したがって、以下の製造工程の説明は省略する。
【0050】
ここに、補助磁性体セラミックペースト4の成形密度を変化させた場合に、焼結後に得られる補助磁性体セラミック層の焼結密度および透磁率の関係を表2に示す。
【表2】
【0051】
表2から分かるように、グリーンシート1と補助磁性体セラミックペースト4とは、使用する複数種の原料粉末は同じ材料で、その材料の混合比も同じであるが、補助磁性体セラミックペースト4を作製する途中工程において、フェライト粉末に対してバインダ等を添加する場合の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と異なる成形密度をもつようにすることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックの透磁率と異ならせることができる。
【0052】
このように、この実施の形態3では、補助磁性体セラミックペースト4を作製する際に、原料粉末を仮焼、粉砕して得られたフェライト粉末に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と成形密度を変えるだけで、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を簡単に変更することができる。
【0053】
したがって、グリーンシート1が1種類の場合でも、バインダ等の添加量の違いによってグリーンシート1の場合と成形密度を異ならせた補助磁性体セラミックペースト4を使用することにより、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。その結果、グリーンシート1の煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0054】
なお、上記の各実施の形態1〜3では、グリーンシート1上に塗布する補助磁性体セラミックペースト4は、積層体5を構成する各々のグリーンシート1について同じものを使用したが、積層される各グリーンシート1の積層位置に応じて、使用する補助磁性体セラミックペースト4の各原料粉末の混合比や、仮焼したフェライト粉末の粒径や、フェライト粉末に添加する添加剤の添加量を変えたものを使用することもできる。このようにすれば、さらに多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することが可能になる。
【0055】
また、本発明は、上記の実施の形態で挙げた各原料粉末の混合比や、仮焼したフェライト粉末の粒径や、フェライト粉末に添加する添加剤の添加量や、焼成温度に限定されるものではなく、さらに、コイルパターンの形状やターン数についても限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る積層チップインダクタの製造方法によれば、次の効果が得られる。
【0057】
(1) 請求項1記載の発明では、従来のように組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを準備しなくても1種類のものでよく、その代わりに補助磁性体セラミックペーストを使い分けることで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。このため、磁性体セラミックグリーンシートの煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0058】
(2) 特に、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末の混合比を磁性体セラミックグリーンシートの形成工程の場合と異ならせるという簡単な作業を行うだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができる。
【0059】
(3) 請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末を調合して仮焼した後の粉砕時間を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合とフェライト粉末の粒径を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【0060】
(4) 請求項4記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、調合後の原料粉末を仮焼してこれを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と成形密度を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る積層チップインダクタの製造方法おいて、磁性体セラミックグリーシシートに導体ペーストを塗布した状態を示す斜視図である。
【図2】図1の導体ペーストが塗布された磁性体セラミックグリーシシートにさらに補助磁性体セラミックペーストを塗布した状態を示す斜視図である。
【図3】図2の導体ペーストや補助磁性体セラミックペーストが塗布された磁性体セラミックグリーシシートを積層した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 磁性体セラミックグリーシシート
3 導体ペースト
4 補助磁性体セラミックペースト
5 積層体
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層チップインダクタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層チップインダクタを製造する方法として、磁性体セラミックグリーンシートにコイル形成用の導体ペーストを印刷した後、このシートの複数枚を積層、圧着、裁断、焼成することでチップ内部にコイルが形成されるようにしたシート工法や、磁性体セラミックペーストと導体ペーストとを順次に印刷積層した後、圧着、裁断、焼成してチップ内部にコイルが形成されるようにした印刷積層工法などがある。特に、前者のシート工法は、一度に多数の積層チップインダクタを製造できるため、量産性に優れているという特長がある。
【0003】
このような量産性に優れたシート工法を用いた積層チップインダクタを製造にする場合、コイル形成箇所となる導体ペーストの印刷部分が厚くなって、導体ペーストが印刷された多数の磁性体セラミックグリーンシートを積層した後にこれらを圧着したときには、全体を均一に圧着することができず、電気的特性にばらつきが生じたり、層間剥離が起こるなどの不具合が発生する。
【0004】
そのため、従来技術では、磁性体セラミックグリーンシート上の導体ペーストの印刷箇所以外の部分に導体ペーストと略同じ程度の厚みをもつ補助磁性体セラミックペーストを印刷することで、導体ペーストと磁性体セラミックグリーンシートとの段差によって生じる上記の不具合を解消するようにした技術も提案されている(たとえば、特開昭52−135050号公報、特公平7−123091号公報等を参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シート工法に基づいて積層チップインダクタを製造する場合、所望の製品要求特性を満たす上で、チップ内部のコイルの巻数が同じであってもインダクタンス特性が異なるものを製造する必要が生じる場合がある。
【0006】
そのため、従来技術では、磁性体セラミックグリーンシートを焼結して得られる磁性体セラミックの透磁率が異なるように、組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを備えておく必要であった。たとえば、3種類のインダクタンス特性をもつ積層チップインダクタを製造する場合、従来では、組成の異なる3種類の磁性体セラミックグリーンシートを予め用意しておき、この3種類の磁性体セラミックグリーンシートを使い分ける必要があった。
【0007】
このように、従来は、所望の製品要求特性に適合した積層チップインダクタを製造する上では、組成の異なる多数の磁性体セラミックグリーンシートを準備しておく必要があるとともに、これらのシートを使い分ける必要があるために、積層チップインダクタを製造する際の管理が煩雑になっていた。
【0008】
さらに、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造する場合、たとえば、磁性体セラミックグリーンシートの上にコイル形成用の導体ペーストを印刷する工程や、次の導体ペーストが形成された磁性体セラミックグリーンシートを積層する工程においては、外見上は同じ形状のものであっても、組成が異なる磁性体セラミックグリーンシートが同一工程で多数存在することになるため、磁性体セラミックグリーンシートの組み合わせを誤るなどの製造ミスが発生し易いという不具合もあった。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを準備するといった従来の煩雑な管理をしなくても、1種類の磁性体セラミックグリーシシートを準備しておくだけで多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、次のようにしている。
【0011】
すなわち、請求項1記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、磁性体セラミックグリーンシートと、この磁性体セラミックグリーンシートとは焼結後における透磁率が異なる複数種の補助磁性体セラミックペーストとを予め準備し、前記複数種の補助磁性体セラミックペーストの内から所望の製品要求特性に適合した補助磁性体セラミックペーストを選択する第1の工程と、前記磁性体セラミックグリーンシートの上に、コイル形成用の導体ペースト、ならびにこの導体ペーストが形成される領域を除く領域に前記選択された補助磁性体セラミックペーストを共に塗布する第2の工程と、前記導体ペーストおよび補助磁性体セラミックペーストが塗布された磁性体セラミックグリーンシートの所定枚数分を積層した後、これを圧着して積層体を形成する第3の工程と、この積層体を焼成して、前記磁性体セラミックグリーンシートから形成された磁性体セラミックの内部に前記導体ペーストから形成されたコイルパターンおよび前記補助磁性体セラミックペーストから形成された補助磁性体セラミック層を有する焼結体を得た後、この焼結体の表面に一部が露出した前記コイルパターンに接続される外部電極を形成する第4の工程と、を含むことを特徴としている。
【0012】
これにより、従来のように組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを準備しなくても1種類のものでよく、その代わりに補助磁性体セラミックペーストを使い分けることで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することができる。そのため、磁性体セラミックグリーンシートの煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0013】
請求項2記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、請求項1記載の発明の場合に、前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末は同じであるが、原料粉末の混合比を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴としている。
【0014】
これにより、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末の混合比を磁性体セラミックグリーンシートの形成工程の場合と異ならせるという簡単な作業を行うだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができる。
【0015】
請求項3記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、請求項1記載の発明の場合に、前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末は同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼結した後にこれを粉砕する際の粉砕時間を調整してフェライト粉末の粒径を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴としている。
【0016】
これにより、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末を調合して仮焼した後の粉砕時間を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合とフェライト粉末の粒径を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【0017】
請求項4記載の発明に係る積層チップインダクタの製造方法は、請求項1記載の発明の場合に、前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末と同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼し、これを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して成形密度を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴としている。
【0018】
これにより、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、調合後の原料粉末を仮焼してこれを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と成形密度を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の積層チップインダクタの製造方法について、実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0020】
[実施の形態1]
まず、磁性体セラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートという)を次の手順によって作製する。酸化第二鉄(Fe2O3)49.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)29.0mol%、酸化ニッケル(NiO)14.0mol%、酸化銅(CuO)8.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を材料としてボールミルに仕込み、15時間湿式調合を行う。この湿式調合で得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。この仮焼後に得られた仮焼粉末をボールミルにより15時間湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得る。
【0021】
このフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合し、その後、減圧により脱泡を行なう。こうして得られたスラリーをリップコータ、またはマルチコータを用いて膜厚25μmに延ばして長尺のグリーンシートを作製する。
【0022】
一方、補助磁性体セラミックペーストを次の手順によって作製する。上記のグリーンシートを作製する手順と比較すると、複数種の原料粉末は同じであるが、原料粉末の混合比を異ならせたものを用いる。すなわち、酸化第二鉄48.0mol%、酸化亜鉛15.0mol%、酸化ニッケル27.0mol%,酸化銅10.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を用いる。
【0023】
そして、グリーンシートを作製する場合と同じ工程および条件の下でフェライト粉末を得た後、このフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合を行ない、その後、減圧により脱泡を行なって補助磁性体セラミックペーストを得る。
【0024】
次に、図1に示すように、上記のグリーンシートを所定の寸法に裁断した後、この裁断後の各グリーンシート1の所定位置にレーザなどの方法でビアホール用の貫通孔2を形成する。
【0025】
続いて、印刷法やフォトリソグラフィなどの手法を用いて、各グリーンシート1上に、銀または銀合金等の導体材料を含むコイル形成用の導体ペースト3を塗布する。その際、貫通孔2内にも導体ペースト3が充填されてビアホールが形成される。次いで、図2に示すように、この導体ペースト2が塗布される領域以外の領域に補助磁性体セラミックペースト4を塗布する。その場合の両ペースト3,4の厚みは共に20μm程度となるように設定される。なお、グリーンシート1に対しては、先に補助磁性体セラミックペースト4を塗布し、その後に導体ペースト3を塗布することもできる。
【0026】
こうして両ペースト3,4が塗布されたグリーンシート1について、図3に示すように、シート積層後の内部にコイルが形成されるように必要な枚数分(たとえば11枚)を順次重ねるとともに、その上下両面側にそれぞれ導体ペースト3を塗布しない外層用のグリーンシート1の複数枚(たとえば17枚)を積層する。こうして得られた未焼結の積層体5を1.0t/cm2の圧力で圧着して積層チップインダクタの未焼成体を得る。その際、導体ペースト3の形成箇所以外の部分にはこれと略同じ程度の厚みをもつ補助磁性体セラミックペースト4が形成されているため、積層体5の全体を均一に圧着することができる。
【0027】
続いて、上記のようにして得られた未焼結の積層チップインダクタを400℃で2時間加熱して脱バインダ処理をした後、900℃で90分焼成する。これにより、グリーンシート1から形成されたチップ状の磁性体セラミックの内部には、導体ペースト3から形成されたコイルパターンおよびその周りの補助磁性体セラミックペースト4から形成された補助磁性体セラミック層を有する焼結体が得られる。
【0028】
次いで、この焼結体の端面に浸漬法により銀を主成分とする電極材料ペーストを塗布し、100℃で10分乾燥した後、780℃で15分間塗膜を焼き付けることで外部電極(図示せず)を形成して、この外部電極を焼結体の表面に一部が露出している外部引出用のコイルパターンに電気的に接続することにより所期の積層チップインダクタを得る。
【0029】
このように、この実施の形態1では、グリーンシート1と補助磁性体セラミックペースト4とは、使用する複数種の原料粉末は同じであるが、原料粉末の混合比を異ならせているため、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックと、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層とで透磁率を異ならせることができる。
【0030】
したがって、グリーンシート1が1種類の場合でも、このグリーンシート1と原料粉末の混合比を異ならせた補助磁性体セラミックペースト4を使用することにより、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。その結果、グリーンシート1の煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0031】
[実施の形態2]
この実施の形態2の特徴は、補助磁性体セラミックペースト4を形成する工程において、磁性体セラミックグリーンシート1を形成する工程の場合と比較すると、使用する複数種の原料粉末は同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼結した後にこれを粉砕する際の粉砕時間を調整してフェライト粉末の粒径を異ならせたものを用いることにより、補助磁性体セラミックペースト4から形成された補助磁性体セラミック層の透磁率を、磁性体セラミックグリーンシート1から形成された磁性体セラミックの透磁率と異ならせるようにしていることである。
【0032】
したがって、この実施の形態2において、グリーンシート1を作製する工程は、実施の形態1の場合と同様に行われる。このため、ここではグリーンシート1を作製する場合の手順についての詳しい説明は省略する。
【0033】
一方、補助磁性体セラミックペースト4は、次の手順によって作製する。まず、複数種の原料粉末はグリーンシート1を作製する場合と同じ材料を使用し、かつ、材料の混合比も同じものを用いる。つまり、酸化第二鉄(Fe2O3)49.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)29.0mol%、酸化ニッケル(NiO)14.0mol%、酸化銅(CuO)8.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を原材料としてボールミルに仕込み、15時間湿式調合を行う。
【0034】
そして、この湿式調合後に得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。ここまでの手順はグリーンシート1を作製する場合と同じである。
【0035】
次いで、この仮焼後に得られた仮焼粉末をボールミルにより湿式粉砕するが、その際の仮焼粉末の粉砕時間を調整してグリーンシート1を作製する工程の場合と粒径を異ならせる。
【0036】
たとえば、グリーンシート1を作製する際に仮焼粉末を湿式粉砕して粒径がD50(μm)で1.1μmの粉末とする場合、補助磁性体セラミックペースト4を作製する際には、ペースト焼成後に所定の透磁率が得られるように、仮焼粉末を湿式粉砕したときの粒径がD50(μm)で0.6〜1.6の範囲内で粒径を調整する。そして、仮焼粉末を所定の粒径となるように湿式粉砕した後は、これを乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得る。このように、補助磁性体セラミックペースト4を作製する場合には、グリーンシート1を作製する場合と異なる粒径のフェライト粉末を使用する。
【0037】
そして、実施の形態1の場合と同様に、このフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合を行ない、その後、減圧により脱泡を行なって補助磁性体セラミックペースト4を得る。それ以降、積層チップインダクタを得るまでの工程は、実施の形態1の場合と同様とする。したがって、以下の製造工程の説明は省略する。
【0038】
ここに、補助磁性体セラミックペースト4を形成するために、仮焼粉末を湿式粉砕して得られたフェライト粉末の粒径と、これらの各粒径をもつフェライト粉末から作製された補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られた補助磁性体セラミック層の透磁率との関係を表1に示す。
【表1】
【0039】
なお、グリーンシート1の粒径はD50で1.1μmであるので、その透磁率は398となっている。また、フェライト粉末は、D50で0.6μm以下に粉砕できず、また、D50で1.6μm以上では焼結不足となるため、評価範囲を0.6μm〜1.6μmの範囲としている。
【0040】
この表1から明らかなように、グリーンシート1と補助磁性体セラミックペースト4とは、使用する複数種の原料粉末は同じで、しかも、その原料粉末の混合比も同じであるが、補助磁性体セラミックペースト4を作製する途中工程の仮焼粉末の粒径をグリーンシート1の場合と異ならせることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックの透磁率と異ならせることができる。
【0041】
このように、この実施の形態2では、補助磁性体セラミックペースト4を作製する際に、原料粉末を調合して仮焼した後の粉砕時間を調整してその粒径をグリーンシート1を形成する場合と異ならせることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を簡単に変更することができる。
【0042】
したがって、グリーンシート1が1種類の場合でも、原料粉末を調合して仮焼した後に粉砕したフェライト粉末の粒径をグリーンシート1の場合と異ならせた補助磁性体セラミックペースト4を使用することにより、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。その結果、グリーンシート1の煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0043】
[実施の形態3]
この実施の形態3の特徴は、補助磁性体セラミックペースト4を形成する工程において、磁性体セラミックグリーンシート1を形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末と同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼し、これを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して成形密度を異ならせたものを用いることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックの透磁率と異ならせるようにしたことである。
【0044】
したがって、この実施の形態3において、グリーンシートを作製する工程は、実施の形態1の場合と同様に行われる。このため、ここではグリーンシート1を作製する場合の手順についての詳しい説明は省略する。
【0045】
一方、補助磁性体セラミックペースト4は次の手順で作製する。まず、複数種の原料粉末はグリーンシートを作製する場合と同じ材料を使用し、かつ、材料の混合比も同じものを用いる。つまり、酸化第二鉄(Fe2O3)49.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)29.0mol%、酸化ニッケル(NiO)14.0mol%、酸化銅(CuO)8.0mol%の比率で秤量した各原料粉末を原材料としてボールミルに仕込み、15時間湿式調合を行う。
【0046】
そして、この湿式調合後に得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。次いで、この仮焼後に得られた仮焼粉末をボールミルにより湿式粉砕し、これを乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得る。ここまでの手順はグリーンシート1を作製する手順と同じである。
【0047】
次いで、フェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を加えてボールミルで15時間混合するが、その際、フェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を添加する場合の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と成形密度を異ならせる。
【0048】
たとえば、バインダ12wt%、可塑剤7wt%、チクソ剤6wt%の場合、成形密度は3.07g/cm3となる。また、バインダ7wt%、可塑剤3wt%、チクソ剤3wt%の場合、成形密度は3.24g/cm3となる。このように、添加量を調整することにより、成形密度を異ならせることができる。
【0049】
このように、補助磁性体セラミックペースト4を作製する場合には、原料粉末を調合、仮焼、粉砕して得られるフェライト粉末に対してバインダ樹脂と可塑剤、チクソ剤を添加する場合の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と異なる成形密度をもつようにする。その後は、減圧により脱泡を行なって補助磁性体セラミックペースト4を得る。それ以降、積層チップインダクタを得るまでの工程は、実施の形態1の場合と同様とする。したがって、以下の製造工程の説明は省略する。
【0050】
ここに、補助磁性体セラミックペースト4の成形密度を変化させた場合に、焼結後に得られる補助磁性体セラミック層の焼結密度および透磁率の関係を表2に示す。
【表2】
【0051】
表2から分かるように、グリーンシート1と補助磁性体セラミックペースト4とは、使用する複数種の原料粉末は同じ材料で、その材料の混合比も同じであるが、補助磁性体セラミックペースト4を作製する途中工程において、フェライト粉末に対してバインダ等を添加する場合の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と異なる成形密度をもつようにすることにより、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を、グリーンシート1を焼成して得られる磁性体セラミックの透磁率と異ならせることができる。
【0052】
このように、この実施の形態3では、補助磁性体セラミックペースト4を作製する際に、原料粉末を仮焼、粉砕して得られたフェライト粉末に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整してグリーンシート1を作製する場合と成形密度を変えるだけで、補助磁性体セラミックペースト4を焼成して得られる補助磁性体セラミック層の透磁率を簡単に変更することができる。
【0053】
したがって、グリーンシート1が1種類の場合でも、バインダ等の添加量の違いによってグリーンシート1の場合と成形密度を異ならせた補助磁性体セラミックペースト4を使用することにより、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。その結果、グリーンシート1の煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0054】
なお、上記の各実施の形態1〜3では、グリーンシート1上に塗布する補助磁性体セラミックペースト4は、積層体5を構成する各々のグリーンシート1について同じものを使用したが、積層される各グリーンシート1の積層位置に応じて、使用する補助磁性体セラミックペースト4の各原料粉末の混合比や、仮焼したフェライト粉末の粒径や、フェライト粉末に添加する添加剤の添加量を変えたものを使用することもできる。このようにすれば、さらに多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することが可能になる。
【0055】
また、本発明は、上記の実施の形態で挙げた各原料粉末の混合比や、仮焼したフェライト粉末の粒径や、フェライト粉末に添加する添加剤の添加量や、焼成温度に限定されるものではなく、さらに、コイルパターンの形状やターン数についても限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る積層チップインダクタの製造方法によれば、次の効果が得られる。
【0057】
(1) 請求項1記載の発明では、従来のように組成の異なる多種類の磁性体セラミックグリーンシートを準備しなくても1種類のものでよく、その代わりに補助磁性体セラミックペーストを使い分けることで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを容易に製造することが可能になる。このため、磁性体セラミックグリーンシートの煩雑な管理が不要になるとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0058】
(2) 特に、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末の混合比を磁性体セラミックグリーンシートの形成工程の場合と異ならせるという簡単な作業を行うだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができる。
【0059】
(3) 請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、原料粉末を調合して仮焼した後の粉砕時間を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合とフェライト粉末の粒径を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【0060】
(4) 請求項4記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、補助磁性体セラミックペーストの形成工程において、調合後の原料粉末を仮焼してこれを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と成形密度を異ならせるだけで、多様なインダクタンス特性を有する積層チップインダクタを製造することができるため、製造が極めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る積層チップインダクタの製造方法おいて、磁性体セラミックグリーシシートに導体ペーストを塗布した状態を示す斜視図である。
【図2】図1の導体ペーストが塗布された磁性体セラミックグリーシシートにさらに補助磁性体セラミックペーストを塗布した状態を示す斜視図である。
【図3】図2の導体ペーストや補助磁性体セラミックペーストが塗布された磁性体セラミックグリーシシートを積層した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 磁性体セラミックグリーシシート
3 導体ペースト
4 補助磁性体セラミックペースト
5 積層体
Claims (4)
- 磁性体セラミックグリーンシートと、この磁性体セラミックグリーンシートとは焼結後における透磁率が異なる複数種の補助磁性体セラミックペーストとを予め準備し、前記複数種の補助磁性体セラミックペーストの内から所望の製品要求特性に適合した補助磁性体セラミックペーストを選択する第1の工程と、
前記磁性体セラミックグリーンシートの上に、コイル形成用の導体ペースト、ならびにこの導体ペーストが形成される領域を除く領域に前記選択された補助磁性体セラミックペーストを共に塗布する第2の工程と、
前記導体ペーストおよび補助磁性体セラミックペーストが塗布された磁性体セラミックグリーンシートの所定枚数分を積層した後、これを圧着して積層体を形成する第3の工程と、
この積層体を焼成して、前記磁性体セラミックグリーンシートから形成された磁性体セラミックの内部に前記導体ペーストから形成されたコイルパターンおよび前記補助磁性体セラミックペーストから形成された補助磁性体セラミック層を有する焼結体を得た後、この焼結体の表面に一部が露出した前記コイルパターンに接続される外部電極を形成する第4の工程と、
を含むことを特徴とする積層チップインダクタの製造方法。 - 前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末は同じであるが、原料粉末の混合比を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴とする請求項1記載の積層チップインダクタの製造方法。
- 前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末は同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼結した後にこれを粉砕する際の粉砕時間を調整してフェライト粉末の粒径を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴とする請求項1記載の積層チップインダクタの製造方法。
- 前記補助磁性体セラミックペーストを形成する工程において、前記磁性体セラミックグリーンシートを形成する工程の場合と使用する複数種の原料粉末と同じで、かつ原料粉末の混合比も同一であるが、原料粉末を調合して仮焼し、これを粉砕した後に添加するバインダ等の添加剤の添加量を調整して成形密度を異ならせたものを用いることにより、前記補助磁性体セラミック層の透磁率を前記磁性体セラミックの透磁率と異ならせることを特徴とする請求項1記載の積層チップインダクタの製造方法。
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