JP2002246267A - 積層型複合デバイス及びその製造方法 - Google Patents

積層型複合デバイス及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性体セラミック層と誘電体セラミック層2
の積層構造を有する積層型複合デバイスにおいて、焼成
工程で生じる割れや剥離の問題を解決する。 【解決手段】 本発明に係る積層型複合デバイスにおい
て、複合セラミック層3は、誘電体セラミック層2と同
じ組成を有する層状部31と、層状部31の表面に形成され
た複数の細片部32を有しており、これらの細片部32は、
磁性体セラミック材料から形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機等の電
子機器に装備される各種電子回路を構成するための積層
型複合デバイス及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機等の小型の電子機器に
おいては、小型化に対する要求が益々厳しくなってお
り、この様な状況において、機器を構成する複数の回路
素子を1チップの積層型複合デバイスに集積化して、該
積層型複合デバイスをメイン基板上に実装することが行
なわれている。
【0003】積層型複合デバイスは、図5及び図6に示
す如く複数のセラミック層(1)(2)の積層構造を有し、
各セラミック層の表面には、インダクタやコンデンサを
構成する複数の回路素子パターン(11)(21)が形成されて
いる。これらの回路素子パターン(11)(21)は、セラミッ
ク層(1)(2)上に形成された導体パターン(13)(23)や、
セラミック層(1)(2)を貫通して形成された導通路(バ
イアホール(12)(22))を介して互いに接続され、これに
よってフィルター等の電子回路を構成している。
【0004】上述の如き積層型複合デバイスにおいて
は、一般にセラミック層(1)(2)の材質として、誘電体
セラミック材料が用いられているが、インダクタを構成
するパターン(Lパターン)のインダクタンスを増大させ
るべく、Lパターンは磁性体セラミック層(1)上に形成
し、コンデンサを構成するパターン(Cパターン)の容量
を増大させるべく、Cパターンは誘電体セラミック層
(2)上に形成することが提案されている(特開昭60-1061
14号、特開平6-333743号等)。
【0005】この様な積層型複合デバイスは、一般に次
の様にして作製されている。即ち、磁性体グリーンシー
トの表面にLパターンを形成してなる磁性体基板を必要
枚数だけ積層して、インダクタ積層体を得ると共に、誘
電体グリーンシートの表面にCパターンを形成してなる
誘電体基板を必要枚数だけ積層して、コンデンサ積層体
を得る。そして、両積層体を互いに重ね合わせた状態
で、両積層体に焼成を施して、複数枚の基板が一体化し
た焼結積層体を得る。最後に、焼結積層体の表面に必要
に応じて複数の電子部品を搭載し、1チップ化された積
層型複合デバイスを完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
積層型複合デバイスにおいては、磁性体グリーンシート
からなる複数枚の磁性体基板と誘電体グリーンシートか
らなる複数枚の誘電体基板とを積層して焼成する工程
で、磁性体グリーンシートの収縮率と誘電体グリーンシ
ートの収縮率とは大きく異なるため、図7に示す如く、
収縮率の差によって焼成後の磁性体セラミック層(1)及
び誘電体セラミック層(2)が湾曲して、各セラミック層
(1)(2)に大きな撓みが生じ、場合によっては割れKが
発生する問題があった。又、図8(a)(b)は、図7の一
部Aについて焼成前と焼成後の状態を拡大して示したも
のである。焼成前の状態では、図8(a)の如く互いに重
なるセラミック層(1)(2)の接合部にて、対応する回路
素子パターン(11)(21)とバイアホール(12)(22)が合致し
ているが、焼成後の状態では、図8(b)の如く、対応す
る回路素子パターン(11)(21)とバイアホール(12)(22)の
間にずれや剥離が生じることとなり、歩留まりが低下す
る問題があった。
【0007】本発明の目的は、回路素子パターンに充分
な特性が得られると共に、焼成工程で生じていた割れや
剥離を防止して、歩留まりを向上させることが出来る積
層型複合デバイスの構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る積層型複合デ
バイスは、第1のセラミック層と第2のセラミック層の
積層構造を有し、各セラミック層の表面には1或いは複
数の回路素子パターンが形成されて、所定の機能を発揮
すべき電子回路を構成している。該積層型複合デバイス
において、第1のセラミック層は、その表面に形成され
る回路素子パターンの特性に好適な組成から形成される
一方、第2のセラミック層は、第1のセラミック層と同
じ組成を有して主体となる層状部と、第2のセラミック
層の表面に形成される回路素子パターンの特性に好適な
組成を有し、前記層状部の表面若しくは内部に分散して
形成されている複数の細片部とから構成されている。
【0009】上記本発明の積層型複合デバイスにおいて
は、第2のセラミック層が、第1のセラミック層と同じ
組成を有して主体となる層状部と、層状部に分散して形
成されている複数の細片部から構成されているので、第
2のセラミック層の焼成時の層全体としての収縮率は、
主体となる層状部を構成する第1のセラミック層の組成
の収縮率と近い値となり、細片部の組成から層全体が構
成されているセラミック層と比べて、第1のセラミック
層の収縮率との差が縮まることとなる。従って、上記本
発明の積層型複合デバイスの製造において、焼成工程に
よって第1のセラミック層と第2のセラミック層の積層
構造を形成する場合、第1のセラミック層と第2のセラ
ミック層の間に大きな収縮率の差が生じることはなく、
これによって、各セラミック層の撓みが緩和される。こ
の結果、セラミック層の割れやセラミック層間の剥離が
防止される。又、第2のセラミック層の層状部に分散し
て形成されている複数の細片部は、第2のセラミック層
の表面に形成される回路素子パターンの特性に好適な組
成を有しているので、第2のセラミック層の表面に形成
される回路素子パターンは、第1のセラミック層の表面
に形成される場合と比べて、優れた特性を発揮すること
となる。従って、本発明の積層型複合デバイスにおい
て、第2のセラミック層の表面に形成される回路素子パ
ターンの大きさは、第1のセラミック層の表面に形成さ
れる場合よりも小さくて済むので、積層型複合デバイス
の小型化が可能となる。
【0010】具体的構成において、第2のセラミック層
の層状部は誘電体からなり、細片部は磁性体からなる。
該具体的構成によれば、第1のセラミック層の表面には
コンデンサパターン(Cパターン)が形成され、第2のセ
ラミック層の表面にはインダクタパターン(Lパターン)
が形成される。第2のセラミック層は磁性を有すること
となるので、Lパターンに得られるインダクタンスは、
磁性を有しないセラミック層の表面に形成される同じ大
きさのLパターンのインダクタンスよりも、大きなもの
となる。
【0011】他の具体的構成において、前記第2のセラ
ミック層に形成されている複数の細片部は、層状部の表
面に略均一に分散している。或いは、前記第2のセラミ
ック層に形成されている複数の細片部は、層状部の内部
に略均一に分散している。該具体的構成によれば、第2
のセラミック層の表面に形成される回路素子パターン
は、第2のセラミック層上の形成位置に拘わらず、細片
部による効果を同じ程度に得ることとなる。従って、第
2のセラミック層の表面には、回路素子パターンを自由
に配置することが出来る。
【0012】本発明に係る積層型複合デバイスの製造方
法は、第1のセラミック層となる第1のグリーンシート
と、第2のセラミック層となる第2のグリーンシートと
を作製するシート作製工程と、必要枚数の第1のグリー
ンシートと第2のグリーンシートの表面にそれぞれ1或
いは複数の回路素子パターンを形成するパターン形成工
程と、1或いは複数の回路素子パターンが形成された第
1のグリーンシートと第2のグリーンシートを重ね合わ
せて、複数層からなる積層体を作製する積層体作製工程
と、前記積層体を焼成する焼成工程とを有している。前
記シート作製工程において、前記第1のグリーンシート
は誘電体材料を用いて作製し、前記第2のグリーンシー
トの作製工程は、誘電体材料を用いて原料シートを作製
する工程と、前記工程で作製した原料シートの表面にフ
ォトレジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジスト
膜に、フォトリソグラフィ法を用いて、略均一に分散す
る複数の貫通孔を開設する工程と、前記フォトレジスト
膜を覆って原料シートの上部に磁性体材料を堆積せしめ
る工程と、前記フォトレジスト膜を除去する工程とを有
している。
【0013】又、本発明に係る積層型複合デバイスの製
造方法のシート作製工程の他の形態として、前記第1の
グリーンシートは誘電体材料を用いて作製し、前記第2
のグリーンシートの作製工程は、誘電体材料を用いて原
料シートを作製する工程と、前記原料シートの表面に、
略均一に分散する複数の貫通孔を有するスクリーンを設
置して、該スクリーンを介して原料シートの表面に磁性
体材料を印刷する工程と、前記スクリーンを原料シート
から除去する工程とを有している。
【0014】更に本発明に係る積層型複合デバイスの製
造方法のシート作製工程の他の形態として、前記第1の
グリーンシートは誘電体材料を用いて形成し、前記第2
のグリーンシートの作製工程は、誘電体材料からなるス
ラリーを調製する工程と、前記スラリーに磁性体材料か
らなる複数の細片を混合して混合スラリーを調製する工
程と、前記混合スラリーを帯状に成形する工程と、これ
によって得られた帯状の混合スラリーに乾燥を施す工程
とを有している。
【0015】上記本発明の積層型複合デバイスの製造方
法によれば、第1のグリーンシートは誘電体材料から形
成され、第2のグリーンシートは誘電体材料からなる大
部分の領域と磁性体材料からなる複数の細片の領域から
形成されて、上記本発明の積層型複合デバイスが得られ
る。尚、焼成工程において、第1のグリーンシートと第
2のグリーンシートの収縮率の差は小さいので、焼成後
の積層体の撓みが緩和され、これによって、セラミック
層の割れやセラミック層間の剥離が防止される。又、第
2のグリーンシートの表面若しくは内部に磁性体材料か
らなる複数の細片が分散しているので、第2のセラミッ
ク層は磁性を有し、これによって、第2のセラミック層
の表面に形成されたインダクタパターンには、充分な特
性を得ることが出来る。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る積層型複合デバイス及びそ
の製造方法によれば、焼成工程におけるセラミック層の
撓みが緩和され、これによって割れや剥離の問題が解決
され、製造の歩留まりが向上すると共に、回路素子パタ
ーンには充分な特性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面に沿って具体的に説明する。本発明に係る積層
型複合デバイスは、図1に示す如く、複数の誘電体セラ
ミック層(2)からなる上半の積層部L1と、複数の複合
セラミック層(3)からなる下半の積層部L2を有してい
る。複合セラミック層(3)は、図2に示す如く、誘電体
セラミック材料からなる誘電体セラミック層(2)と同じ
組成の層状部(31)と、磁性体セラミック材料からなる複
数の細片部(32)とから構成され、これらの細片部(32)は
層状部(31)の表面に略均一に分散している。
【0018】各複合セラミック層(3)の表面には、Lパ
ターンを主体として複数の回路素子パターン(30)が形成
され、各誘電体セラミック層(2)の表面には、Cパター
ンを主体として複数の回路素子パターン(21)が形成され
ている。又、所定のセラミック層には、同層若しくは下
層のセラミック層の回路素子パターン(21)(30)との電気
的導通を図るべく、導体パターン(23)(69)やバイアホー
ル(22)(39)が形成されている。
【0019】複合セラミック層(3)の層状部(31)の材料
となる誘電体セラミック材料としては、例えば酸化バリ
ウム、酸化アルミニウム、シリカを主成分とする低誘電
率材料、酸化チタン系誘電体材料、ガラスセラミックス
等を用いることが出来る。又、焼成温度を低下させるべ
く、ホウケイ酸ガラス等を用いてもよい。更に、細片部
(32)の材料となる磁性体セラミック材料としては、例え
ばNi−Fe系合金材料、Fe−Al−Si系合金材
料、酸化物磁性材料、Ni−Zn−Cu系フェライト、
Ni−Zn系フェライト、六方晶系フェライトなど、イ
ンダクタ用途として使用される材料が用いられる。又、
焼成温度を低下させるべく、ホウケイ酸ガラス等の各種
ガラスを添加してもよい。ここで、Ni−Zn−Cu系
フェライトに特に制限はなく、目的に応じて種々の組成
のものを選択することが出来る。例えば、NiOの含有
量は15〜25モル%、CuOの含有量は5〜15モル
%、ZnOの含有量は20〜30モル%であることが好
ましい。又、Ni−Zn系フェライトに特に制限はな
く、目的に応じて種々の組成のものを選択することが出
来る。例えば、NiOの含有量は10〜25モル%、Z
nOの含有量は15〜45モル%であることが好まし
い。
【0020】上記本発明の積層型複合デバイスの製造工
程においては、先ず、誘電体セラミック層(2)となる誘
電体グリーンシートを、従来と同様にドクターブレード
法等を用いて作製すると共に、複合セラミック層(3)と
なる複合グリーンシートを作製する。
【0021】図3(a)〜(e)は、複合セラミック層(3)
となる複合グリーンシート(37)の製造工程を表わしてい
る。先ず、図3(a)に示す誘電体グリーンシート(25)の
表面に、図3(b)に示す様に、フォトレジスト膜(7)を
形成する。そして、フォトリソグラフィ法によって、図
3(c)に示す様に、フォトレジスト膜(7)に複数の貫通
孔(71)を開設する。続いて、図3(d)に示す様に、フォ
トレジスト膜(7)を覆って誘電体グリーンシート(25)の
上に磁性体セラミック材料からなる磁性膜(33)を形成す
る。最後に、フォトレジスト膜(7)を剥離して除去す
る。この結果、図3(e)に示す様に、誘電体グリーンシ
ート(25)の表面に、磁性体セラミック材料からなる複数
の円板状の細片部(32)が形成されて、複合グリーンシー
ト(37)が作製される。尚、図3(d)に示す磁性膜(33)の
形成には、スパッタ法、メッキ法等を用いることが出来
る。又、スクリーン印刷法によって磁性体セラミック材
料を印刷して、細片部(32)を形成することも可能であ
る。
【0022】図4は、前記複合グリーンシート(37)と異
なる形態を有する複合グリーンシート(38)の製造工程を
表わしている。キャリアフィルム(4)上に配備されたキ
ャスティングヘッド(5)の内部には、複合スラリー(34)
が供給されている。複合スラリー(34)は、誘電体グリー
ンシートの原料となる誘電体スラリー(35)に磁性粉体(3
6)を分散させて調製されている。そして、キャリアフィ
ルム(4)を一定速度で搬送することによって、キャステ
ィングヘッド(5)から吐出される複合スラリー(34)がキ
ャリアフィルム(4)上に一定の厚さで塗布される。その
後、キャリアフィルム(4)上の複合スラリー(34)に乾燥
を施すことによって、内部に磁性粉体(36)からなる細片
部が均一に分散する複合グリーンシート(38)が得られ
る。
【0023】尚、磁性粉体(36)としては、焼成前の磁性
体セラミック粒を用いることが出来る。又、磁性体セラ
ミック材料からなる粉体を焼成して、これを粉砕して得
られる磁性体の小片を用いることも出来、この場合は、
誘電体グリーンシートの焼成温度よりも高い焼成温度の
磁性体セラミック材料を用いることが可能となる。
【0024】次に、必要枚数の複合グリーンシート及び
誘電体グリーンシートの表面にそれぞれ、複数の回路素
子パターンを銀によって印刷して、複数枚の基板を作製
し、これらを積層して積層体を得る。その後、前記積層
体に対して、800℃〜1000℃での高温焼成を施し
て、一体化された焼結積層体を得る。最後に、該焼結積
層体の表面に、必要に応じて複数の電子部品を搭載し、
1チップ化された積層型複合デバイスを完成する。尚、
図4に示す複合グリーンシート(38)を用いた積層型複合
デバイスにおいて、該複合グリーンシート(38)を焼成し
て得られる複合セラミック層は、誘電体セラミック材料
からなる誘電体セラミック層と同じ組成の層状部と、磁
性体セラミック材料からなる複数の細片部とから構成さ
れ、これらの細片部は層状部の内部に略均一に分散する
ことになる。
【0025】上述の本発明に係る積層型複合デバイスに
よれば、複合セラミック層(3)の大部分の領域が誘電体
セラミック層(2)と同じ組成であるため、複合セラミッ
ク層(3)の焼成時の収縮率が誘電体セラミック層(2)の
焼成時の収縮率に近い値となって、焼成時の複合セラミ
ック層(3)と誘電体セラミック層(2)の収縮率の差は小
さくなる。これによって、焼成工程による複合セラミッ
ク層(3)や誘電体セラミック層(2)の撓みが小さなもの
となって、セラミック層(2)(3)の割れや剥離の発生を
抑制することが出来る。この結果、従来よりも高い歩留
まりが得られる。
【0026】更に、複合セラミック層(3)の細片部(32)
は、磁性体セラミック材料で形成されているので磁性を
有しており、その表面に配置されるLパターンには、磁
性を有していない誘電体セラミック層(2)の表面に配置
されるLパターンと同じ大きさで、大きなインダクタン
スを得ることが出来る。更に又、複合セラミック層(3)
は、誘電体セラミック層(2)の材料となる誘電体グリー
ンシートを用いて作製することが出来るので、積層型複
合デバイスの製造に必要となるグリーンシートが1種類
で済むこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型複合デバイスの斜視図であ
る。
【図2】該積層型複合デバイスの分解斜視図である。
【図3】該複合セラミック層の作製方法を説明する工程
図である。
【図4】該複合セラミック層の他の作製方法を説明する
工程図である。
【図5】従来の積層型複合デバイスの斜視図である。
【図6】該積層型複合デバイスの分解斜視図である。
【図7】該積層型複合デバイスにおける問題を説明する
図である。
【図8】図7のA部の拡大図である。
【符号の説明】
(1) 磁性体セラミック層 (2) 誘電体セラミック層 (3) 複合セラミック層 (31) 層状部 (32) 細片部 (37) 複合グリーンシート
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 4/12 358 H01F 15/00 D (72)発明者 平野 均 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5E001 AB03 AH01 AH09 AJ01 AJ02 5E070 AA05 AB04 BA12 CB01 5E082 AA01 AB03 DD07 EE04 EE24 EE25 EE35 FF05 FG06 FG26 FG46 GG28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のセラミック層と第2のセラミック
    層の積層構造を有し、各セラミック層の表面には1或い
    は複数の回路素子パターンが形成されて、所定の機能を
    発揮すべき電子回路を構成している積層型複合デバイス
    において、第1のセラミック層は、その表面に形成され
    る回路素子パターンの特性に好適な組成から形成される
    一方、第2のセラミック層は、 第1のセラミック層と同じ組成を有して主体となる層状
    部と、 第2のセラミック層の表面に形成される回路素子パター
    ンの特性に好適な組成を有し、前記層状部の表面若しく
    は内部に分散して形成されている複数の細片部とから構
    成されていることを特徴とする積層型複合デバイス。
  2. 【請求項2】 第2のセラミック層の層状部は誘電体か
    らなり、細片部は磁性体からなる請求項1に記載の積層
    型複合デバイス。
  3. 【請求項3】 前記第2のセラミック層に形成されてい
    る複数の細片部は、層状部の表面に略均一に分散してい
    る請求項1又は請求項2に記載の積層型複合デバイス。
  4. 【請求項4】 前記第2のセラミック層に形成されてい
    る複数の細片部は、層状部の内部に略均一に分散してい
    る請求項1又は請求項2に記載の積層型複合デバイス。
  5. 【請求項5】 第1のセラミック層と第2のセラミック
    層の積層構造を有する積層型複合デバイスにおいて第2
    のセラミック層の原材料となるグリーンシートであっ
    て、第1のセラミック層となるグリーンシートと同じ組
    成を有して主体となる層状部と、第2のセラミック層の
    表面に形成される回路素子パターンの特性に好適な組成
    を有し、前記層状部に分散して形成されている複数の細
    片部とから構成されているグリーンシート。
  6. 【請求項6】 第1のセラミック層と第2のセラミック
    層の積層構造を有し、各セラミック層の表面には1或い
    は複数の回路素子パターンが形成されて、所定の機能を
    発揮すべき電子回路を構成している積層型複合デバイス
    の製造方法において、 第1のセラミック層となる第1のグリーンシートと、第
    2のセラミック層となる第2のグリーンシートとを作製
    するシート作製工程と、 必要枚数の第1のグリーンシートと第2のグリーンシー
    トの表面にそれぞれ1或いは複数の回路素子パターンを
    形成するパターン形成工程と、 1或いは複数の回路素子パターンが形成された第1のグ
    リーンシートと第2のグリーンシートを重ね合わせて、
    複数層からなる積層体を作製する積層体作製工程と、 前記積層体を焼成する焼成工程とを有し、前記シート作
    製工程において、前記第1のグリーンシートは誘電体材
    料を用いて作製し、前記第2のグリーンシートの作製工
    程は、 誘電体材料を用いて原料シートを作製する工程と、 前記工程で作製した原料シートの表面にフォトレジスト
    膜を形成する工程と、 前記フォトレジスト膜に、フォトリソグラフィ法を用い
    て、略均一に分散する複数の貫通孔を開設する工程と、 前記フォトレジスト膜を覆って原料シートの上部に磁性
    体材料を堆積せしめる工程と、 前記フォトレジスト膜を除去する工程とを有することを
    特徴とする積層型複合デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 第1のセラミック層と第2のセラミック
    層の積層構造を有し、各セラミック層の表面には1或い
    は複数の回路素子パターンが形成されて、所定の機能を
    発揮すべき電子回路を構成している積層型複合デバイス
    の製造方法において、 第1のセラミック層となる第1のグリーンシートと、第
    2のセラミック層となる第2のグリーンシートとを作製
    するシート作製工程と、 必要枚数の第1のグリーンシートと第2のグリーンシー
    トの表面にそれぞれ1或いは複数の回路素子パターンを
    形成するパターン形成工程と、 1或いは複数の回路素子パターンが形成された第1のグ
    リーンシートと第2のグリーンシートを重ね合わせて、
    複数層からなる積層体を作製する積層体作製工程と、 前記積層体を焼成する焼成工程とを有し、前記シート作
    製工程において、前記第1のグリーンシートは誘電体材
    料を用いて作製し、前記第2のグリーンシートの作製工
    程は、 誘電体材料を用いて原料シートを作製する工程と、 前記原料シートの表面に、略均一に分散する複数の貫通
    孔を有するスクリーンを設置して、該スクリーンを介し
    て原料シートの表面に磁性体材料を印刷する工程と、 前記スクリーンを原料シートから除去する工程とを有す
    ることを特徴とする積層型複合デバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 第1のセラミック層と第2のセラミック
    層の積層構造を有し、各セラミック層の表面には1或い
    は複数の回路素子パターンが形成されて、所定の機能を
    発揮すべき電子回路を構成している積層型複合デバイス
    の製造方法において、 第1のセラミック層となる第1のグリーンシートと、第
    2のセラミック層となる第2のグリーンシートとを作製
    するシート作製工程と、 必要枚数の第1のグリーンシートと第2のグリーンシー
    トの表面にそれぞれ1或いは複数の回路素子パターンを
    形成するパターン形成工程と、 1或いは複数の回路素子パターンが形成された第1のグ
    リーンシートと第2のグリーンシートを重ね合わせて、
    複数層からなる積層体を作製する積層体作製工程と、 前記積層体を焼成する焼成工程とを有し、前記シート作
    製工程において、前記第1のグリーンシートは誘電体材
    料を用いて形成し、前記第2のグリーンシートの作製工
    程は、 誘電体材料からなるスラリーを調製する工程と、 前記スラリーに磁性体材料からなる複数の細片を混合し
    て混合スラリーを調製する工程と、 前記混合スラリーを帯状に成形する工程と、 これによって得られた帯状の混合スラリーに乾燥を施す
    工程とを有することを特徴とする積層型複合デバイスの
    製造方法。
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