JP2536820B2 - Lc複合部品 - Google Patents

Lc複合部品

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JP2536820B2 JP62218854A JP21885487A JP2536820B2 JP 2536820 B2 JP2536820 B2 JP 2536820B2 JP 62218854 A JP62218854 A JP 62218854A JP 21885487 A JP21885487 A JP 21885487A JP 2536820 B2 JP2536820 B2 JP 2536820B2
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【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、一つのチップ内にコンデンサ部およびイン
ダクタ部をもつセラミックLC複合部品に関する。
先行技術とその問題点 テレビ、VTRあるいはラジオの入力用等各種高周波回
路等において広くフィルターとしてLC回路が用いられて
いる。
LC回路としては、コンパクト化できることおよび製品
の堅牢性、信頼性等の点から、それぞれ厚膜技術によっ
て形成されるインダクタ部とコンデンサ部とを同一チッ
プ内に有するセラミックLC複合部品を用いると有利であ
る。
しかし、インダクタ部を構成するフェライト等のセラ
ミック磁性材料とコンデンサ部を構成するBaTiO3、TiO2
等のセラミック誘電体との線膨張率の差が大きく、両材
料のペーストを積層して同時焼成しようとすると、焼成
後冷却する際に、両部に界面にクラックが生じ、また両
部の収縮率差によって、焼成時にそりや界面での剥離等
が生じるため、不良品が多発するという問題がある。
このため、従来は非磁性フェライト等の介在層をイン
ダクタ部とコンデンサ部との間に設けて、クラック等の
発生を防止しているが、このときには工程増を招くとい
う欠点がある。
II 発明の目的 本発明の目的は、焼成時、コンデンサ、インダクタ両
部の界面に、そり、剥離あるいはクラック等が生じるこ
とがなく、両部間に介在層を必要とせず、しかも機械的
強度の高いLC複合部品を提供することにある。
III 発明の開示 このような目的は下記の本発明によって達成される。
すなわち、第1の発明は、セラミック誘電体層と電極
層とを積層したコンデンサ部と、セラミック磁性層と電
極層とを積層したインダクタ部とを一体化したセラミッ
クLC複合部品において、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸
ガラスとを含有し、 ホウケイ酸ガラスの含有率が5〜60wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20
wt%の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の
線膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴
とするLC複合部品である。
また、第2の発明は、 セラミック誘電体層と電極層とを積層したコンデンサ
部と、セラミック磁性層と電極層とを積層したインダク
タ部とを一体化したセラミックLC複合部品において、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸
ガラスと酸化ホウ素とを含有し、 ホウケイ酸ガラスの含有率が5〜60wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20
wt%の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の
線膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴
とするLC複合部品である。
さらに、第3の発明は、セラミック誘電体層と電極層
とを積層したコンデンサ部と、セラミック磁性層と電極
層とを積層したインダクタ部とを一体化したセラミック
LC複合部品において、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸
ガラスとを含有し、セラミック磁性層がフェライトとホ
ウケイ酸ガラスとを含有し、 セラミック誘電体層およびセラミック磁性層中のホウ
ケイ酸ガラスの含有率が、それぞれ5〜80wt%および15
〜50wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20
wt%の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の
線膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴
とするLC複合部品である。
また、第4の発明は、セラミック誘電体層と電極層と
を積層したコンデンサ部と、セラミック磁性層と電極層
とを積層したインダクタ部とを一体化したセラミックLC
複合部品において、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸
ガラスとを含有し、セラミック磁性層がフェライトとホ
ウケイ酸ガラスとを含有し、 さらに、セラミック誘電体層および/またはセラミッ
ク磁性層が酸化ホウ素を含有し、 セラミック誘電体層およびセラミック磁性層中のホウ
ケイ酸ガラスの含有率が、それぞれ5〜80wt%および15
〜50wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20
wt%の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の
線膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴
とするLC複合部品である。
なお、特開昭58−135133および同58−135177号公報に
は、インダクタ材料にガラスを添加したチップインダク
タが開示されている。
しかし、これらの場合、ガラスの添加はインダクタの
収縮率を下げ、焼成後の寸法安定性を高めるためであ
り、本発明のようにLC複合部品において、コンデンサ部
とインダクタ部との線膨張率をほぼ一致させて、両部間
のそり、剥離あるいはクラックを防ぐことを目的とする
ものではない。このためこれら公報に記載のインダクタ
材料を用いてLC複合部品を作製しても、コンデンサ部の
線膨張率をほぼ一致させることはできない。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
第1図にLC複合部品の実施例を示す。
本発明のLC複合部品1は、インダクタ部2とコンデン
サ部3とを一体化したものである。
インダクタ部2は、所定のパターンに形成した内部導
体25を介在させながら、セラミック磁性層21を積層した
ものである。また、このインダクタ部2に積層一体化さ
れるコンデンサ部3は、内部電極35を介してセラミック
の誘電体層31を積層したものである。
第1図に示される例では、インダクタ部2およびコン
デンサ部3はそれぞれ複数のLおよびCを有し、これら
から所定のLC回路が構成されるように所定の外部電極4
を設けている。
第1の発明のLC複合部品1は、コンデンサ部3のセラ
ミック誘電体層31にホウケイ酸ガラスを添加し、その含
有量を調節することによって、インダクタ部2の線膨張
率とコンデンサ部3の線膨張率とをほぼ一致させ、ま
た、両部の収縮率をほぼ一致させ、焼成時のインダク
タ、コンデンサ両部界面でのそり、剥離あるいはクラッ
クの発生を回避するものである。
また、第3の発明のLC複合部品1は、コンデンサ部3
のセラミック誘電体層31およびインダクタ部2のフェラ
イト製のセラミック磁性層21にホウケイ酸ガラスを添加
し、それぞれのホウケイ酸ガラスの含有量を適当に調節
することによって、インダクタ部2の線膨張率とコンデ
ンサ部3の線膨張率とをほぼ一致させ、また、両部の収
縮率をほぼ一致させ、焼成時のインダクタ、コンデンサ
両部界面でのそり、剥離あるいはクラックの発生を回避
するものである。
なお、この第3の発明においては、LC複合部品を構成
するコンデンサ部3およびインダクタ部2双方の線膨張
率を変化させることができるので、LC複合部品とこれを
実装する基板との線膨張率をほぼ一致させることもでき
る。
本発明において、良好な結果を得るためには、インダ
クタ部とコンデンサ部との線膨張率の差を、10×10-7de
g-1以下とし、さらには5×10-7deg-1以下とすることが
好ましい。
セラミック誘電体層31を構成するセラミック誘電体お
よびセラミック磁性層21を構成するフェライトにホウケ
イ酸ガラスを添加すると、コンデンサ部およびインダク
タ部の線膨張率は下がる。この場合、この線膨張率はホ
ウケイ酸ガラスの含有量に比例して減少する。
用いるホウケイ酸ガラスとしては、通常のホウケイ酸
ガラスの他、アルミナホウケイ酸ガラス、アルカリホウ
ケイ酸ガラス等種々のものが使用可能であるが、これら
のうち、75〜90wt%、より好ましくは80〜84wt%の酸化
ケイ素(通常SiO2)と、8〜20wt%、より好ましくは14
〜18wt%の酸化ケイ素(通常B2O3)を含有するものが使
用される。この場合、上記の量範囲に対し酸化ケイ素が
過剰となり酸化ホウ素が過小となると、焼結性の低下に
より焼結密度が低くなる。また、酸化ケイ素が過小とな
り酸化ホウ素が過剰となると線膨張率が過大となる。
さらに、このような組成では内部導体および内部電極
に対する悪影響が非常に少なく、内部導体および内部電
極の特性劣化がない。
この他、ホウケイ酸ガラス中には、5wt%以下の酸化
アルミニウム(通常Al2O3)、5wt%以下のK、Na、Li等
の1価の金属M1の酸化物(通常M2 1O)の1種以上、5wt
%以下のBa、Ca、Sr、Zn等の2価の金属M2の酸化物(通
常M2O)の1種以上を含有してもよい。
このようなホウケイ酸ガラスは、通常15×10-7〜50×
10-7deg-1の線膨張率をもつものである。
コンデンサ部3のセラミック誘電体層31を構成するセ
ラミック誘電体材質としては種々の誘電材料を用いてよ
い。
第1の発明では、セラミック誘電体にホウケイ酸ガラ
スを添加して線膨張率を低下させるため、第1の発明
は、セラミック誘電体の線膨張率がセラミック磁性層を
構成するフェライトのそれよりも大きい場合に適用され
る。
このような誘電体としては、チタン酸複合酸化物系が
好ましい。
チタン酸複合酸化物系としては、BaTiO3、SrTiO3、Ca
TiO3、MgTiO3等、あるいはこれらの混合物が好ましい
が、これらの他、TiO2との混合物等も用いることができ
る。
なお、チタン酸複合酸化物系の誘電体層31の線膨張率
は100×10-7〜130×10-7deg-1、収縮率は15〜18%程度
である。
第3の発明では、セラミック誘電体およびフェライト
の双方にホウケイ酸ガラスを添加して両者の線膨張率を
低下させることができるため、用いることのできるセラ
ミック誘電体に特に制限はなく、例えば、上記のチタン
酸複合酸化物系に加え、TiO2を主成分とするTiO2系を用
いることができる。
TiO2系としてはNiO、CuO、Mn3O4、Al2O3、MgO、SiO2
等を、総計10mol%程度以下含有するものが、誘電体損
失および線膨張率の変化等の点で好ましい。
なお、TiO2系の誘電体層31の線膨張率は75×10-7〜85
×10-7deg-1、収縮率は15〜18%程度である。
一方、磁性層21を構成するフェライトは公知のソフト
スピネルフェライトのいずれであってもよいが、一般
に、Ni、Cu、Mn、Zn、Feのうちの1種以上を含有するも
のが低温焼成可能なものとして好適に使用される。
このうち、特に高周波用に有効である点では、Niフェ
ライト、Ni−Cuフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu
−Znフェライト等のNi系フェライトが好適である。
Ni系フェライトの場合、Niの含有量は、NiOに換算し
て45〜55mol%が好ましく、このNiの一部をCuおよび/
またはZnが40mol%程度以下置換してもよい。
この他、Co、Mn等が全体の5wt%程度以下含有されて
いてもよい。さらに、Ca、Si、Bi、V、Pb等が1wt%程
度以下含有されていてもよい。
このような特に、Ni系フェライトの線膨張率は一般に
90×10-7〜115×10-7deg-1である。
そして、これらのセラミック誘電体およびフェライト
がそれぞれ含有されるセラミック誘電体およびセラミッ
ク磁性層中の前記のホウケイ酸ガラスの含有率は、下記
の範囲内とする。
第1の発明では、セラミック誘電体層はホウケイ酸ガ
ラスを5〜60wt%含有し、さらには20〜40wt%含有する
ことが好ましい。
これによりセラミック誘電体層の線膨張率は70×10-7
〜120×10-7deg-1となり、インダクタ部のフェライト製
のセラミック磁性層と線膨張率が近似する。
また、収縮率は8〜20%程度であり、この値もフェラ
イト製のセラミック磁性層のそれと近似させることがで
きる。
第3の発明では、セラミック誘電体層はホウケイ酸ガ
ラスを5〜80wt%含有する。さらに詳述するならば、セ
ラミック誘電体がチタン酸複合酸化物系である場合、よ
り好ましくは20〜60wt%、また、TiO2系である場合、5
〜60wt%、より好ましくは5〜40wt%とすることが好ま
しい。
また、セラミック磁性層はホウケイ酸ガラスを15〜50
wt%含有する。
これによりセラミック誘電体層およびセラミック磁性
層の線膨張率は共に60×10-7〜95×10-7deg-1となり、
両者の線膨張率を近似させることができる。
また、収縮率はセラミック誘電体層およびセラミック
磁性層共に12〜22%程度となり、この値も近似させるこ
とができる。
この場合、ホウケイ酸ガラスの添加量は、上記範囲未
満では実効なく、上記範囲を超えると線膨張率および収
縮率の適正な値が得られない他、セラミック誘電体層で
は誘電率が低くなりすぎ、セラミック磁性層では透磁率
が低くなりすぎる等の不都合が生じる。
第2の発明では、セラミック誘電体層31が第1の発明
と同様にホウケイ酸ガラスを含有し、さらに、セラミッ
ク誘電体層31は酸化ホウ素(通常B2O3)を含有する。
また、第4の発明では、セラミック誘電体層31および
セラミック磁性層21が第3の発明と同様にホウケイ酸ガ
ラスを含有し、さらに、セラミック誘電体層31および/
またはセラミック磁性層21が酸化ホウ素を含有する。
これにより焼結性が向上し、機械的強度が向上する。
酸化ホウ素の添加量は、10wt%以下、特に0.1〜10wt
%、より好ましくは0.5〜10wt%であることが好まし
い。
これは酸化ホウ素の添加量が10wt%をこえると耐湿性
の点で不十分となり、保存性、耐久性に欠けるからであ
る。
なお、磁性層21の積層数は目的に応じて選定すればよ
いが、通常は、1〜20層とする。一層当りの厚さも目的
に応じ適当な選定すればよいが、通常は30〜50μm程度
とする。また、内部導体25は例えばAg、Ag−Pd等の金属
から形成し、通常その厚さは10〜25μm程度とする。
コンデンサ部3の誘電体層31の積層数は目的に応じて
定めればよいが、通常は1〜10程度とする。一層当りの
厚さは通常50〜150μm程度とする。また、コンデンサ
部3の内部電極35は、Ag、Ag−Pd等の金属から形成すれ
ばよく、その厚さは、通常5〜15μm程度とする。
外部電極4は、同様にAg、Ag−Pd等の金属から形成す
ることができ、その厚さは通常50〜500μm程度とす
る。
本発明のLC複合部品は、従来公知の印刷法によって製
造される。
すなわち、セラミック磁性層、セラミック誘電体層お
よび内部電極、導体のペーストを用意し、これらを印刷
法により例えばPET等の基板上に一層ごとに積層してい
くものである。
セラミック誘電体層ペーストは、次のようにして作製
する。
セラミック誘電体層にホウケイ酸ガラスが含有される
場合、所定量のSrTiO3、BaTiO3、CaTiO3等のセラミック
誘電体またはその原料粉末と前記のホウケイ酸ガラスの
所定量とをボールミル等により湿式混合する。
こうして湿式混合したものを、通常スプレードライヤ
ーにより乾燥し、その後仮焼する。これを通常は、ボー
ルミル等で粉体粒径0.01〜0.1μm程度の粒径となるま
で湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥する。
セラミック誘電体層に酸化ホウ素が含有される場合、
得られた混合セラミック誘電体粉末に酸化ホウ素粉末を
加え、これをエチルセルロース等のバインダーとテルピ
オネール、ブチルカルビトール等の溶剤中に溶かしてペ
ーストとする。
なお、前記ではガラスとセラミック誘電体原料との混
合セラミック誘電体粉末に酸化ホウ素粉末を加えたもの
を用いてペースト化し、これを焼成することによって混
合セラミック誘電体粉末と酸化ホウ素との混合層を得て
いるが、ガラス粉末および酸化ホウ素粉末を別途ペース
ト化する際に添加してもよい。
また、用いる各粉末の粒径は0.1〜10μm程度とす
る。
インダクタ部2のセラミック磁性層21も、セラミック
誘電体層31と同様にして形成すればよい。
この場合には、通常上記と同等の粒径のフェライト原
料を用いてペースト化する。
また、内部電極35、インダクタ部2の内部導体25およ
び外部電極4のペーストも同種のバインダー、溶剤を用
いて作製すればよい。
これら各ペーストを用い、印刷法によりコンデンサ
部、インダクタ部とを積層して形成した後、所定形状に
切断し基板から積層品を剥離して950℃以下、例えば850
〜930℃で焼成する。焼成時間は0.5〜4時間とする。
焼成後、Agペーストを焼きつけて外部電極とする。
なお、このようにして製造されるLC複合部品の大きさ
等は、目的に応じ選定すればよい。
V 発明の具体的作用効果 本発明のLC複合部品は、インダクタ部とコンデンサ部
との線膨張率をほぼ等しくできる。
しかも、焼成による両者の収縮率をほぼ等しくでき
る。このため、焼成時に、そり、剥離が発生することは
なく、また、冷却時に両部界面にクラックが発生するこ
ともない。
そして、焼結性、焼結密度が向上し機械的強度が向上
する。
また、セラミック誘電体層に添加したホウケイ酸ガラ
スは、焼結助剤として作用し焼成温度を低くすることが
できる。
さらに、セラミック磁性層に添加したホウケイ酸ガラ
スと酸化ホウ素は、磁気的にはギャップとして働き、透
磁率を下げ、インダクタの使用可能領域を高周波側に拡
大し、従って本発明のLC複合部品は従来のものに比較し
より高い周波数まで使用可能となる。
さらに、内部導体および内部電極に対する悪影響もな
い。
従って、テレビの入力回路等各種フィルター等に有用
なLC複合部品が実現する。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を挙げて、本発明をさら
に詳細に説明する。
[実施例] (セラミック誘電体層サンプルの作製) BaTiO3に全体の0〜80wt%となるようにホウケイ酸ガ
ラスを添加することによって、LC複合部品のセラミック
誘電体層用ペーストを作製した。
用いたBaTiO3は、粒径0.1〜1.0μm程度であった。
このBaTiO3と、平均粒径5.0μm、SiO282.0wt%、B2O
316.0wt%、Al2O30.3wt%、K2O1.7wt%の組成のホウケ
イ酸ガラスの粉末とを、ボールミルを用いて湿式混合し
た。
次いで、この湿式混合物をスプレードライヤーにより
乾燥し、750℃にて仮焼し、顆粒とし、これをボールミ
ルにて粉砕したのちスプレードライヤーで乾燥し、平均
粒径0.1μmの粉体とした。
得られた粉体を、所定量のエチルセルロースとともに
テルピオネール中に溶解し、ヘンシェルミキサーで混合
しコンデンサ部セラミック誘電体層のペーストを作製し
た。
このペーストを印刷法にてPET基板上に印刷積層し、
次いで基板から積層品を剥離して870℃で2時間焼成
し、3.0×3.0×15.0mmの棒状のサンプルを得た(サンプ
ルNo.1〜9)。
また、TiO2が91wt%、NiO、CuO、Mn3O4が各3wt%の組
成で、平均粒径0.1〜1.0μmの粉体を用い、上記のペー
ストと同様のバインダーと溶剤を用いて、上記と同様の
ホウケイ酸ガラスを0〜50wt%含有するセラミック誘電
体層を作製した(サンプルNo.10〜15)。
また、上記のホウケイ酸ガラスに加え、B2O3を添加し
たサンプルを作製した(サンプルNo.21〜32)。
また、これらの誘電体層ペーストを用いて、Cが1つ
の4532タイプの層間100μm、1層コンデンサを作製
し、耐電圧試験を行なった結果を表1に示す。
(セラミック磁性層サンプルの作製) Ni系フェライトに全体の0、30、50wt%となるように
ホウケイ酸ガラスを添加することによって、本発明のLC
複合部品の磁性層用ペーストを作製した。
用いたNi系フェライト原料は、粒径0.1〜1.0μm程度
のNiO、CoO、CuO、ZnOおよびFe2O3の粉体で、表中に示
される組成となるように配合した。
このフェライト原料と、平均粒径5.0μm、SiO282.0w
t%、B2O316.0wt%、Al2O30.3wt%、K2O1.7wt%の組成
のホウケイ酸ガラスの粉末とを、ボールミルを用いて湿
式混合した。
次いで、この湿式混合物をスプレードライヤーにより
乾燥し、800℃にて仮焼し、顆粒とし、これをボールミ
ルにて粉砕したのちスプレードライヤーで乾燥し、平均
粒径0.1μmの粉体とした。
得られた粉体を所定量のエチルセルロースとともにテ
ルピオネール中に溶解し、ヘンシェルミキサーで混合し
インダクタ部セラミック磁性層のペーストを作製した。
このペーストを印刷法にてPET基板上に印刷積層し、
次いで基板から積層品を剥離して870℃で2時間焼成
し、3.0×3.0×15.0mmの棒状のサンプルを得た(サンプ
ルNo.101〜105)。
なお、サンプルNo.101では、粉体の粒径を0.2μmと
した。
また、上記のホウケイ酸ガラスに加え、B2O32wt%を
セラミック磁性層に添加したサンプルを作製した(サン
プルNo.106、107)。
得られたサンプルの線膨張率および収縮率を下記表1
に示す。なお、表1には、セラミック誘電体層中に下記
の比較ガラスを含有した場合の結果も併記する。
(サンプルNo.16) 比較ガラスI(高ケイ酸ガラス) 95wt%SiO2−5wt%Na2O (サンプルNo.17) 比較ガラスII(鉛ガラス) 42wt%SiO2−52wt%PbO−5.5wt%Al2O3−0.5wt%B2O3 (サンプルNo.18) 比較ガラスIII(ホウケイ酸ガラス) 70wt%SiO2−25.0wt%B2O35wt%Na2O 表1に示される結果から、セラミック誘電体層または
セラミック誘電体層およびセラミック磁性層にホウケイ
酸ガラスを含有させることにより、セラミック誘電体層
とセラミック磁性層との線膨張率および収縮率をほぼ一
致させ得ることがわかる。
また、セラミック誘電体層あるいはセラミック磁性体
層にB2O3を添加することにより、収縮率が増加し、機械
的強度が増加することがわかる。ただし、B2O3含有量が
10wt%を超えると、耐電圧の著しい低下が生じた。
次に、上記のように作製したセラミック誘電体層用ペ
ーストとセラミック磁性層用ペーストを用いて、これら
と内部電極および導体用のAgペーストとを印刷法により
積層した。
なお、セラミック誘電体層用ペーストとセラミック磁
性層用ペーストとの組合わせを、下記表2に示す。
インダクタ部一層当りの厚さは40μm、積層数は10、
コンデンサ部一層当りの厚さは100μm、積層数は2と
した。また、内部電極および導体の厚さは20μmとし
た。印刷積層後、870℃、2時間、焼成を行なった。
その後、徐冷して4つのLと3つのCを有する100MHz
以上のハイパスフィルター回路の4.5mm×3.2mm×1.5mm
のLC複合部品を得た(サンプルNo.1〜9)。
下記表2に、各サンプルのサンプル100個中のそり、
剥離およびクラックの発生個数あるいは、導通不良サン
プルの発生個数を不良品個数として示す。
また、各サンプルの抗折強度を表2に併記する。
LC複合部品サンプルNo.3〜9のコンデンサ、インダク
タ両部界面には、そり、剥離あるいはクラックの発生等
は一切認められなかった。また、サンプルNo.3、5、
7、8では内部導体の特性劣化も生じなかった。
さらに、サンプルNo.5、7〜9では、使用周波帯域が
ガラス無添加のものに比較して、500MHz程度高周波側に
伸びた。
これに対し、サンプルNo.1、2、4、6、9では、そ
り、剥離、クラックの発生または電極の特性劣化が生じ
た。
さらに、セラミック誘電体層に上記比較ガラスIを添
加したサンプルNo.16では、高い収縮率が得られないた
め剥離が発生した。
また、比較ガラスIIを添加したサンプルNo.17を用い
た場合、内部電極の消失が生じた。
以上の結果から、本発明の効果は明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例を一部切欠いて示す斜視図で
ある。 符号の説明 1……LC複合部品、2……インダクタ部、 3……コンデンサ部、4……外部電極、 21……セラミック磁性層、 25……内部導体、 31……セラミック誘電体層、 35……内部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 武史 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−145114(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック誘電体層と電極層とを積層した
    コンデンサ部と、セラミック磁性層と電極層とを積層し
    たインダクタ部とを一体化したセラミックLC複合部品に
    おいて、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸ガ
    ラスとを含有し、 ホウケイ酸ガラスの含有率が5〜60wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20wt
    %の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の線
    膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴と
    するLC複合部品。
  2. 【請求項2】セラミック誘電体がチタン酸複合酸化物系
    である特許請求の範囲第1項に記載のLC複合部品。
  3. 【請求項3】コンデンサ部とインダクタ部とが同時焼成
    して一体化されている特許請求の範囲第1項または第2
    項に記載のLC複合部品。
  4. 【請求項4】セラミック誘電体層と電極層とを積層した
    コンデンサ部と、セラミック磁性層と電極層とを積層し
    たインダクタ部とを一体化したセラミックLC複合部品に
    おいて、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸ガ
    ラスと酸化ホウ素とを含有し、 ホウケイ酸ガラスの含有率が5〜60wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20wt
    %の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の線
    膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴と
    するLC複合部品。
  5. 【請求項5】酸化ホウ素の含有量が10wt%以下である特
    許請求の範囲第4項に記載のLC複合部品。
  6. 【請求項6】セラミック誘電体がチタン酸複合酸化物系
    である特許請求の範囲第4項または第5項に記載のLC複
    合部品。
  7. 【請求項7】コンデンサ部とインダクタ部とが同時焼成
    して一体化されている特許請求の範囲第4項ないし第6
    項のいずれかに記載のLC複合部品。
  8. 【請求項8】セラミック誘電体層と電極層とを積層した
    コンデンサ部と、セラミック磁性層と電極層とを積層し
    たインダクタ部とを一体化したセラミックLC複合部品に
    おいて、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸ガ
    ラスとを含有し、セラミック磁性層がフェライトとホウ
    ケイ酸ガラスとを含有し、 セラミック誘電体層およびセラミック磁性層中のホウケ
    イ酸ガラスの含有率が、それぞれ5〜80wt%および15〜
    50wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20wt
    %の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の線
    膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴と
    するLC複合部品。
  9. 【請求項9】コンデンサ部とインダクタ部とが同時焼成
    して一体化されている特許請求の範囲第8項に記載のLC
    複合部品。
  10. 【請求項10】セラミック誘電体層と電極層とを積層し
    たコンデンサ部と、セラミック磁性層と電極層とを積層
    したインダクタ部とを一体化したセラミックLC複合部品
    において、 セラミック誘電体層がセラミック誘電体とホウケイ酸ガ
    ラスとを含有し、セラミック磁性層がフェライトとホウ
    ケイ酸ガラスとを含有し、 さらに、セラミック誘電体層および/またはセラミック
    磁性層が酸化ホウ素を含有し、 セラミック誘電体層およびセラミック磁性層中のホウケ
    イ酸ガラスの含有率が、それぞれ5〜80wt%および15〜
    50wt%であり、 ホウケイ酸ガラスが75〜90wt%の酸化ケイ素と8〜20wt
    %の酸化ホウ素とを含有し、 セラミック誘電体層の線膨張率とセラミック磁性層の線
    膨張率との差が10×10-7deg-1以下であることを特徴と
    するLC複合部品。
  11. 【請求項11】酸化ホウ素の含有量が10wt%以下である
    特許請求の範囲第10項に記載のLC複合部品。
  12. 【請求項12】コンデンサ部とインダクタ部とが同時焼
    成して一体化されている特許請求の範囲第10項または第
    11項に記載のLC複合部品。
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