JP2002100504A - 複合型半導体磁器材料を含む電子部品 - Google Patents

複合型半導体磁器材料を含む電子部品

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JP2002100504A
JP2002100504A JP2000287917A JP2000287917A JP2002100504A JP 2002100504 A JP2002100504 A JP 2002100504A JP 2000287917 A JP2000287917 A JP 2000287917A JP 2000287917 A JP2000287917 A JP 2000287917A JP 2002100504 A JP2002100504 A JP 2002100504A
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semiconductor ceramic
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thermistor
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Naoto Kitahara
直人 北原
Koji Yagio
幸二 柳尾
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 960℃以下の大気雰囲気で焼結しても、A
g100%の内部電極を形成し、B定数を大きくする。 【解決手段】 40〜60体積%の磁性体磁器材料と残
部が半導体磁器材料とにより形成された層を積層するこ
とにより基体18が構成され、この基体18の内部で所
定の高さ位置の平面内において互いに対向するように一
対の内部電極14,16が形成される。磁性体磁器材料
はNi−Zn−Cu系フェライトを主成分とする磁性体
磁器材料を700〜800℃の温度で仮焼してなる仮焼
体粉末である。また半導体磁器材料はMnO,CoO,
NiO,CuO,Fe23及びAl23からなる群より
選ばれた2種以上の金属酸化物からなるスピネル構造の
半導体磁器材料をその焼結温度より100℃低い温度な
いしその焼結温度で仮焼若しくは焼成してなる仮焼体粉
末若しくは焼結体粉末である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MnO等の金属酸
化物からなるスピネル構造の半導体磁器成分と、Ni−
Zn−Cu系フェライトからなる磁性体磁器成分が混在
する複合型半導体磁器材料を含むNTCサーミスタ等の
電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サーミスタ素体が少なくとも一対
の離間した内部電極を内装しかつ角部に丸みが形成さ
れ、このサーミスタ素体の外周面がガラス被膜により被
覆され、上記一対の内部電極のいずれかの一端部をサー
ミスタ素体の異なる外側面にそれぞれ露出させて、これ
らの内部電極がサーミスタ素体の両端に形成された外部
電極にそれぞれ電気的に接続されたチップ型サーミスタ
が知られている(特開平5−283207号)。このチ
ップ型サーミスタでは、サーミスタ素体の角部の欠け易
い点が改善され、外部電極の相違によって抵抗値が影響
を受けないようになっている。
【0003】また上記サーミスタ素体は以下のようにし
て作製される。先ずマンガン,ニッケル,コバルト等の
酸化物粉末を混合・仮焼・粉砕してサーミスタ抵抗体材
料粉末を得た後に、この粉末にバインダを混合して成形
しサーミスタ抵抗体のグリーンシートを作製する。一
方、このグリーンシートにAg,Pd,樹脂,溶剤等か
らなる電極材料ペーストを塗布して内部電極塗膜付きグ
リーンシートを作製し、上記サーミスタ抵抗体のグリー
ンシートと内部電極膜付きのシートとを交互に積層して
グリーンシート積層体を作製する。次にこのグリーンシ
ート積層体を切断・焼成することにより、上記サーミス
タ素体が作製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平5−283207号に示されるサーミスタ素体で
は、この素体のB定数を大きくするために、1000℃
以上の高温で焼成する必要があるため、比抵抗が小さく
融点が960℃のAgのみを内部電極として用いること
ができない。このためAgに融点の高いPdを含有した
内部電極にしなければならず、内部電極の比抵抗が大き
くなる不具合があった。また、上記サーミスタ素体で
は、マンガン,ニッケル,コバルト等の酸化物粉末を成
形、積層、焼成してサーミスタ素体が作製されるため、
焼成時に粒子界面にマンガン等の本来の特性を損なう反
応生成物が比較的多く生じる欠点もあった。本発明の目
的は、960℃以下の温度で大気雰囲気で焼結しても、
Ag100%の内部電極を形成できるとともにB定数を
大きくすることができる、複合型半導体磁器材料を含む
電子部品を提供することにある。本発明の別の目的は、
被焼成物の粒界における反応生成物が比較的少なく、所
期の半導体電子部品の電気特性が得られる、複合型半導
体磁器材料を含む電子部品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1〜図3に示すように、40〜60体積%の磁性体磁
器材料と残部が半導体磁器材料とにより形成された層が
積層されてなる基体18と、この基体18の内部で所定
の高さ位置の平面内において互いに対向するように形成
された一対の内部電極14,16とを備えた複合型半導
体磁器材料を含む電子部品である。請求項2に係る発明
は、請求項1に係る発明であって、更に磁性体磁器材料
がNi−Zn−Cu系フェライトを主成分とする磁性体
磁器材料を700〜800℃の温度で仮焼してなる仮焼
体粉末であり、半導体磁器材料がMnO,CoO,Ni
O,CuO,Fe23及びAl23からなる群より選ば
れた2種以上の金属酸化物からなるスピネル構造の半導
体磁器材料をその焼結温度より100℃低い温度ないし
その焼結温度で仮焼若しくは焼成してなる仮焼体粉末若
しくは焼結体粉末であることを特徴とする。上記請求項
1又は2に記載された複合型半導体磁器材料を含む電子
部品では、複合型半導体磁器材料11が、焼結温度より
100℃低い温度ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼
成したMnO等の金属酸化物からなるスピネル構造の半
導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼結体粉末を骨材と
し、700〜800℃の温度で仮焼したNi−Zn−C
u系フェライトを主成分とする磁性体磁器材料の仮焼体
粉末をマトリックス材として、両粉末を混合し焼成する
ことにより構成される。骨材の半導体磁器材料は予め焼
結温度又はそれに近い温度で焼成若しくは仮焼されるた
め第3混合粉末の焼成時にはその粒界における反応性が
抑制される。磁性体磁器材料は第3混合粉末の焼成時に
マトリックス材として上記骨材を分散状態で被包する。
これにより複合型半導体磁器材料11は、半導体磁器材
料によりNTCサーミスタ等の半導体電子部品10の電
気特性(B定数の増大)が得られる。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、更に図1及び図3に示すように、内
部電極14,16がAg100%からなることを特徴と
する。この請求項3に記載された複合型半導体磁器材料
を含む電子部品では、磁性体磁器材料の存在により低温
で焼結することができるので、Ag100%の内部電極
14,16を実現できる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、電子部品10は
この実施の形態ではNTCサーミスタである。このサー
ミスタ10は40〜60体積%の磁性体磁器材料と残部
が半導体磁器材料とにより形成された層が積層されてな
る基体18と、この基体18の内部で所定の高さ位置の
平面内において互いに対向するように形成された一対の
内部電極14,16とを備えた複合型半導体磁器材料を
含む。上記磁性体磁器材料はNi−Zn−Cu系フェラ
イトを主成分とする磁性体磁器材料を700〜800℃
の温度で仮焼してなる仮焼体粉末であり、上記半導体磁
器材料はMnO,CoO,NiO,CuO,Fe23
びAl23からなる群より選ばれた2種以上の金属酸化
物からなるスピネル構造の半導体磁器材料をその焼結温
度より100℃低い温度ないしその焼結温度で仮焼若し
くは焼成してなる仮焼体粉末若しくは焼結体粉末であ
る。このNTCサーミスタ10の製造方法を図4に基づ
いて説明する。
【0008】(a) 半導体磁器材料(骨材)の製造方法 半導体磁器材料は、Mn酸化物(MnO)粉末,Co酸
化物(CoO)粉末,Ni酸化物(NiO)粉末,Cu
酸化物(CuO)粉末、Fe酸化物(Fe23)粉末及
びAl酸化物(Al23)粉末からなる群より選ばれた
2種以上を主な原料粉末とする。原料粉末にはB定数及
び抵抗率の調整又は誘電率の減少の目的で上記金属元素
以外の他の元素(例えば、Mg、Ca、Si等)を含有
させることもできる。上記原料粉末を湿式又は乾式で所
定の割合で混合し第1混合粉末を得る。得られた第1混
合粉末にバインダを加えて混練造粒し、所定の形状に成
形する。この成形体を大気雰囲気でその焼結温度より1
00℃、好ましくは50℃低い温度で仮焼するか、或い
はその焼結温度で焼成して金属酸化物の仮焼体若しくは
焼結体を作製する。上記仮焼温度若しくは焼成温度は原
料粉末の組成に応じて変化するが、例えば1000〜1
400℃である。焼結温度より100℃低くてもよいの
は、後述する第3混合粉末で焼成するときにこの温度で
あってもこの仮焼体粉末の粒界での反応性を抑えられる
からである。
【0009】次いで得られた金属酸化物の仮焼体若しく
は焼結体をボールミル等で粉砕して篩い分けし所定の粒
径に揃えて骨材とする。この骨材の粒径は次に述べるマ
トリックス材の磁性体磁器材料粉末の粒径より大きくす
る。好ましくはマトリックス材より1桁程度大きくす
る。これは半導体磁器材料の粒径を磁性体磁器材料の粒
径より同等若しくは小さくすると、半導体磁器材料及び
磁性体磁器材料を混合して焼成したときに、焼結体であ
る複合型半導体磁器材料内に空隙が発生し、複合型半導
体磁器材料のクラック、歪みの原因となるからである。
この複合型半導体磁器材料により内部電極を有するNT
C積層サーミスタを作製するには、平均粒径が10μm
以下、好ましくは1μm〜6μmの仮焼体若しくは焼結
体粉末からなる骨材にする。これは、NTC積層サーミ
スタでは通常一層の厚さは20μm以下であり、骨材の
平均粒径が10μmを越えると骨材とマトリックス材を
含んだ層を形成できないからである。
【0010】(b) 磁性体磁器材料(マトリックス材)の
製造方法 Ni−Zn−Cu系フェライトを主成分とする磁性体磁
器材料は、Fe酸化物(Fe23)粉末、Ni酸化物
(NiO)粉末、Zn酸化物(ZnO)粉末及びCu酸
化物(CuO)を主な原料粉末とする。原料粉末には焼
結性の向上の目的で上記金属元素以外の他の元素(例え
ば、Mg、Ca等)を含有させることもできる。上記原
料粉末を湿式又は乾式で所定の割合で混合し第2混合粉
末を得る。Fe23は48〜52モル%、NiOは10
〜40モル%、ZnOは10〜40モル%及びCuOは
10〜30モル%の割合で秤量される。得られた第2混
合粉末を700〜800℃の温度で仮焼して仮焼体を得
て、このNi−Zn−Cu系フェライト仮焼体をボール
ミル等で粉砕して篩い分けし、骨材より小さい粒径のマ
トリックス材となる粉末状の磁性体磁器材料の仮焼体粉
末を得る。上記複合型半導体磁器材料により内部電極を
有するNTCサーミスタを作製し、かつ骨材の平均粒径
を1〜10μmにするときには、上述した理由により、
磁性体磁器材料のマトリックス材の平均粒径を1μm未
満、好ましくは0.1μm〜0.5μmにする。
【0011】(c) 複合型半導体磁器材料の製造方法 上記半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼結体粉末を
骨材とし、上記磁性体磁器材料の仮焼体粉末をマトリッ
クス材として、両粉末を湿式又は乾式で混合して第3混
合粉末を得る。その混合割合は磁性体磁器材料が40〜
60体積%であり、残部が半導体磁器材料である。磁性
体磁器材料が40体積%未満では得られた複合型半導体
磁器材料が多孔質になり実用上の強度が得られない上、
複合型半導体磁器材料をめっきしたときにめっき液が材
料内部に侵入するおそれがある。また60体積%を越え
ると半導体磁器材料の割合が少な過ぎ、抵抗値が増大し
かつB定数が低下して、NTCサーミスタ等の半導体電
子部品としての電気特性(B定数の増大)を有する複合
型半導体磁器材料が得られない。半導体磁器材料及び磁
性体磁器材料の混合割合は、必要とする半導体電子部品
の特性に応じて上記範囲内から決定される。
【0012】積層型の複合型半導体磁器材料を作製する
には、先ず第3混合粉末に分散剤、バインダ、可塑剤、
溶剤等を添加して混合し、グリーンシート形成用ペイン
ト(以下、シート用ペイントという)を調製する。次に
このシート用ペイントによりシートを作製した後に、こ
のシートを積層してグリーン状態の積層体を作製する。
得られたグリーン状態の積層体は960℃以下の温度の
大気雰囲気で焼成される。この焼成によりマトリックス
材の磁性体磁器材料が焼結体となり、この焼結体の内部
に、予め焼結若しくはほぼ焼結していた骨材の半導体磁
器材料が分散して本発明の複合型半導体磁器材料が得ら
れる。複合型半導体磁器材料の内部にAgを高比率で含
む導体が存在する場合、この焼成温度はAgの融点より
低いため、内部電極が損われず、かつ内部電極の比抵抗
を小さくすることができる。
【0013】なお、上記内部電極となる導電ペーストは
Agに分散剤、バインダ、可塑剤、溶剤等を添加して混
合して得られ、上記シート上にスクリーン印刷により所
定のパターンで積層される。更に、上記積層体12の焼
成後、この焼結体10の両端面にAgを主成分とする導
体ペーストを焼付けて一対の外部電極21,22を形成
し、これによりNTCサーミスタ10が得られる(図
1,図3及び図5)。このサーミスタ10の等価回路を
図2に示す。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>先ず、MnO粉末を45モル%、CoOを
46モル%及びCuOを9モル%それぞれ秤量し、湿式
ミルにより混合した。この混合粉末にバインダを加えて
混練造粒し、所定の形状に成形した後、この成形体を1
300℃で4時間、大気雰囲気で焼成してスピネル構造
の金属酸化物からなる焼結体を得た。この焼結体をボー
ルミルで粉砕して篩い分けし平均粒径が6μmの半導体
磁器材料(骨材)粉末を作製した。一方、NiOを15
モル%、ZnOを25モル%、CuOを10モル%及び
Fe23粉末を50モル%それぞれ秤量し、湿式ミルに
より混合した。この混合粉末を800℃で4時間、大気
雰囲気で仮焼してNi−Zn−Cuフェライト仮焼体を
得た。この仮焼体をボールミルで粉砕して篩い分けし、
平均粒径が0.3μmの磁性体磁器材料(マトリックス
材)粉末を作製した。次いで得られた半導体磁器材料
(骨材)粉末と磁性体磁器材料(マトリックス材)粉末
を60体積%(骨材)/40体積%(マトリックス材)
の体積比で湿式混合し、更にこの混合粉末に分散剤、バ
インダ、可塑剤、溶剤等を添加して混合してシート用ペ
イントを調製した。このシート用ペイントによりシート
を作製した後に、このシートを積層してグリーン状態の
積層体を作製した。
【0015】上記グリーン状態の積層体の形成方法を図
3に基づいて説明する。図3(a-1)〜(e-1)は積層過程の
上面図であり、図3(a-2)〜(e-2)は積層過程の図3(a-
1)〜(e-1)におけるA−A線断面図である。先ず図3(a-
1)〜(a-2)に示すように、シートからなるベース部13
を用意した。このベース部13はグリーン状態の積層体
12の第1層目となる。次いでベース部13上に導電ペ
ーストにより導体膜14を所定のパターンで印刷積層し
て形成した(図3(b-1)〜(b-3))。その上にシートを積
層して中間部15を形成した(図3(c-1)〜(c-3))。こ
の中間部15の上に導電ペーストにより導体膜16を所
定のパターンで印刷積層して形成した(図3(d-1)〜(d-
3))。このとき導電膜14と導電膜16は互いに平行に
なるように形成した。その上にシートを積層してグリー
ン状態の積層体12の最上層であるアッパ部17を形成
した(図3(e-1)〜(e-3))。このようにしてグリーン状
態の積層体12を形成した。上記グリーン状態の積層体
を900℃の温度の大気雰囲気で焼成した後に、この焼
結体11の両端面にAgを主成分とする導体ペーストを
焼付けて一対の外部電極21,22を形成した(図1及
び図3)。これによりNTCサーミスタ10を得た。こ
のサーミスタ10を実施例1とした。
【0016】<実施例2>MnO粉末を29モル%、C
oOを44モル%及びAl23粉末をAlO3/2換算で
27モル%それぞれ秤量して混合・混練造粒・成形・焼
成してスピネル構造の金属酸化物からなる焼結体を得た
ことを除いて、実施例1と同様にしてNTCサーミスタ
を作製した。このサーミスタを実施例2とした。
【0017】<比較例1>先ずMnO粉末を45モル
%、CoOを46モル%及びCuOを9モル%それぞれ
秤量し、湿式ミルにより混合した。この混合粉末にバイ
ンダを加えて混練造粒し、所定の形状に成形した後、こ
の成形体を800℃で4時間、大気雰囲気で焼成してス
ピネル構造の金属酸化物からなる焼結体を得た。この焼
結体をボールミルで粉砕して篩い分けし平均粒径が2μ
mの半導体磁器材料粉末を作製した。次にこの粉末に分
散剤、バインダ、可塑剤、溶剤等を添加して混合してシ
ート用ペイントを調製した。このシート用ペイントによ
りシートを作製した後に、このシートを積層してグリー
ン状態の積層体を作製した。更に上記グリーン状態の積
層体を980℃の温度の大気雰囲気で焼成した後に、こ
の焼結体の両端面にAgを主成分とする導体ペーストを
焼付けて一対の外部電極を形成した。これによりNTC
サーミスタを得た。このサーミスタを比較例1とした。
【0018】<比較例2>先ずMnO粉末を29モル
%、CoOを44モル%及びAl23粉末をAlO 3/2
換算で27モル%それぞれ秤量し、湿式ミルにより混合
した。この混合粉末にバインダを加えて混練造粒し、所
定の形状に成形した後、この成形体を800℃で4時
間、大気雰囲気で焼成してスピネル構造の金属酸化物か
らなる焼結体を得た。この焼結体をボールミルで粉砕し
て篩い分けし平均粒径が2μmの半導体磁器材料粉末を
作製した。次にこの粉末に分散剤、バインダ、可塑剤、
溶剤等を添加して混合してシート用ペイントを調製し
た。このシート用ペイントによりシートを作製した後
に、このシートを積層してグリーン状態の積層体を作製
した。更に上記グリーン状態の積層体を1250℃の温
度の大気雰囲気で焼成した後に、この焼結体の両端面に
Agを主成分とする導体ペーストを焼付けて一対の外部
電極を形成した。これによりNTCサーミスタを得た。
このサーミスタを比較例2とした。
【0019】<比較試験及び評価>実施例1,2と比較
例1,2のNTCサーミスタの抵抗値及びB定数を測定
した。その結果を骨材及びマトリックス材の混合割合及
び焼成温度とともに表1にそれぞれ示す。なお、実施例
1及び比較例1の抵抗値が同一になるように、また実施
例2及び比較例2の抵抗値が同一になるようにそれぞれ
の内部電極の形状を変更した。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、実施例1及び2
のNTCサーミスタは比較例1及び2のNTCサーミス
タと同等の抵抗値及びB定数を示し、かつ比較例1及び
2より低い900℃程度の大気雰囲気で焼成することに
より得られた。これにより内部電極を比抵抗の小さいA
gで形成でき、Ag100%の内部電極を有するNTC
サーミスタが製造可能となる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電子部品に
よれば、半導体磁器材料の存在によりNTCサーミスタ
等の半導体電子部品の電気特性が得られ、磁性体磁器材
料の存在により低温焼結を実現できる。これにより、大
気雰囲気中960℃以下の温度で焼成してAg100%
の内部電極を形成できる。また予め焼結若しくはほぼ焼
結した半導体磁器材料を骨材にすることにより、第3混
合粉末の焼成時にその粒界における反応生成物が比較的
少なくすることができ、所期の半導体電子部品の電気特
性(B定数の増大)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態及び実施例1のNTCサーミス
タの縦断面図。
【図2】その等価回路図。
【図3】実施例1のNTCサーミスタを製造する工程を
示す図。
【図4】本発明実施形態のNTCサーミスタの製造工程
を示すブロック線図。
【図5】本発明実施形態のNTCサーミスタの外観斜視
図。
【符号の説明】
10 NTCサーミスタ(複合型半導体電子部品) 11 焼結体(複合型半導体磁器材料) 12 積層体 14,16 導電膜(内部電極) 18 基体 21,22 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G018 AA01 AA21 AA22 AA23 AA24 AA25 AA28 AB02 AC01 5E034 BC01 DC01 DC05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40〜60体積%の磁性体磁器材料と残
    部が半導体磁器材料とにより形成された層が積層されて
    なる基体(18)と、前記基体(18)の内部で所定の高さ位置
    の平面内において互いに対向するように形成された一対
    の内部電極(14,16)とを備えた複合型半導体磁器材料を
    含む電子部品。
  2. 【請求項2】 磁性体磁器材料がNi−Zn−Cu系フ
    ェライトを主成分とする磁性体磁器材料を700〜80
    0℃の温度で仮焼してなる仮焼体粉末であり、半導体磁
    器材料がMnO,CoO,NiO,CuO,Fe23
    びAl23からなる群より選ばれた2種以上の金属酸化
    物からなるスピネル構造の半導体磁器材料をその焼結温
    度より100℃低い温度ないしその焼結温度で仮焼若し
    くは焼成してなる仮焼体粉末若しくは焼結体粉末である
    請求項1記載の複合型半導体磁器材料を含む電子部品。
  3. 【請求項3】 内部電極(14,16)がAg100%からな
    る請求項1又は2記載の複合型半導体磁器材料を含む電
    子部品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100378873C (zh) * 2004-11-05 2008-04-02 中国科学院新疆理化技术研究所 一种锌掺杂的负温度系数单晶硅热敏电阻及其制备方法
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