JP2002097070A - 複合型半導体磁器材料及びその製造方法 - Google Patents

複合型半導体磁器材料及びその製造方法

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JP2002097070A
JP2002097070A JP2000287916A JP2000287916A JP2002097070A JP 2002097070 A JP2002097070 A JP 2002097070A JP 2000287916 A JP2000287916 A JP 2000287916A JP 2000287916 A JP2000287916 A JP 2000287916A JP 2002097070 A JP2002097070 A JP 2002097070A
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Naoto Kitahara
直人 北原
Koji Yagio
幸二 柳尾
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 960℃以下の大気雰囲気で焼結しても、A
g100%の内部電極を形成し、B定数を大きくする。 【解決手段】 複合型半導体磁器材料はMnO,Co
O,NiO,CuO,Fe23及びAl23からなる群
より選ばれた2種以上の金属酸化物からなるスピネル構
造の半導体磁器材料と、Ni−Zn−Cu系フェライト
を主成分とする磁性体磁器材料との混合焼結体11であ
る。半導体磁器材料はその焼結温度より100℃低い温
度ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成してなる仮焼
体粉末若しくは焼結体粉末であり、磁性体磁器材料は7
00〜800℃の温度で仮焼してなる仮焼体粉末であ
る。磁性体磁器材料の仮焼体粉末をマトリックス材とし
て40〜60体積%含み、半導体磁器材料の仮焼体粉末
若しくは焼結体粉末を骨材として残部含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MnO等の金属酸
化物からなるスピネル構造の半導体磁器成分と、Ni−
Zn−Cu系フェライトからなる磁性体磁器成分が混在
する複合型半導体磁器材料及びその製造方法に関する。
更に詳しくはNTCサーミスタ等の半導体電子部品の材
料に用いられる複合型半導体磁器材料及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サーミスタ素体が少なくとも一対
の離間した内部電極を内装しかつ角部に丸みが形成さ
れ、このサーミスタ素体の外周面がガラス被膜により被
覆され、上記一対の内部電極のいずれかの一端部をサー
ミスタ素体の異なる外側面にそれぞれ露出させて、これ
らの内部電極がサーミスタ素体の両端に形成された外部
電極にそれぞれ電気的に接続されたチップ型サーミスタ
が知られている(特開平5−283207号)。このチ
ップ型サーミスタでは、サーミスタ素体の角部の欠け易
い点が改善され、外部電極の相違によって抵抗値が影響
を受けないようになっている。
【0003】また上記サーミスタ素体は以下のようにし
て作製される。先ずマンガン,ニッケル,コバルト等の
酸化物粉末を混合・仮焼・粉砕してサーミスタ抵抗体材
料粉末を得た後に、この粉末にバインダを混合して成形
しサーミスタ抵抗体のグリーンシートを作製する。一
方、このグリーンシートにAg,Pd,樹脂,溶剤等か
らなる電極材料ペーストを塗布して内部電極塗膜付きグ
リーンシートを作製し、上記サーミスタ抵抗体のグリー
ンシートと内部電極膜付きのシートとを交互に積層して
グリーンシート積層体を作製する。次にこのグリーンシ
ート積層体を切断・焼成することにより、上記サーミス
タ素体が作製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平5−283207号に示されるサーミスタ素体で
は、この素体のB定数を大きくするために、1000℃
以上の高温で焼成する必要があるため、比抵抗が小さく
融点が低い(960℃)Agのみを内部電極として用い
ることができない。このためAgに融点の高いPdを含
有した内部電極にしなければならず、内部電極の比抵抗
が大きくなる不具合があった。また、上記サーミスタ素
体では、マンガン,ニッケル,コバルト等の酸化物粉末
を成形、積層、焼成してサーミスタ素体が作製されるた
め、焼成時に粒子界面にマンガン等の本来の特性を損な
う反応生成物が比較的多く生じる欠点もあった。本発明
の目的は、960℃以下の温度で大気雰囲気で焼結して
も、Ag100%の内部電極を形成できるとともにB定
数を大きくすることができる、複合型半導体磁器材料及
びその製造方法を提供することにある。本発明の別の目
的は、被焼成物の粒界における反応生成物が比較的少な
く、所期の半導体電子部品の電気特性が得られる、複合
型半導体磁器材料及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
MnO,CoO,NiO,CuO,Fe23及びAl 2
3からなる群より選ばれた2種以上の金属酸化物から
なるスピネル構造の半導体磁器材料と、Ni−Zn−C
u系フェライトを主成分とする磁性体磁器材料とを混合
して焼成してなる複合型半導体磁器材料であって、半導
体磁器材料がその焼結温度より100℃低い温度ないし
その焼結温度で仮焼若しくは焼成してなる仮焼体粉末若
しくは焼結体粉末であり、磁性体磁器材料が700〜8
00℃の温度で仮焼してなる仮焼体粉末であり、磁性体
磁器材料の仮焼体粉末をマトリックス材として40〜6
0体積%含み、半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼
結体粉末を骨材として残部含むことを特徴とする複合型
半導体磁器材料である。
【0006】請求項2に係る発明は、MnO,CoO,
NiO,CuO,Fe23及びAl 23からなる群より
選ばれた2種以上の金属酸化物粉末を混合して第1混合
粉末を得る工程と、第1混合粉末をその焼結温度より1
00℃低い温度ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成
して仮焼体若しくは焼結体を得る工程と、この仮焼体若
しくは焼結体を粉砕して所定の粒径のスピネル構造を有
する半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼結体粉末を
得る工程と、Fe酸化物粉末,Ni酸化物粉末,Zn酸
化物粉末及びCu酸化物粉末又はこれらの金属塩粉末を
所定の割合で混合して第2混合粉末を得る工程と、第2
混合粉末を700〜800℃の温度で仮焼して仮焼体を
得る工程と、この仮焼体を粉砕して半導体磁器材料の仮
焼体粉末若しくは焼結体粉末の粒径より小さい粒径のN
i−Zn−Cu系フェライトを主成分とする磁性体磁器
材料の仮焼体粉末を得る工程と、40〜60体積%の磁
性体磁器材料の仮焼体粉末と残部が半導体磁器材料の仮
焼体粉末若しくは焼結体粉末とを混合して第3混合粉末
を得る工程と、第3混合粉末を960℃以下の温度の大
気雰囲気で焼成する工程とを含む複合型半導体磁器材料
の製造方法である。
【0007】本発明の複合型半導体磁器材料は、焼結温
度より100℃低い温度ないしその焼結温度で仮焼若し
くは焼成したMnO等の金属酸化物からなるスピネル構
造の半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼結体粉末を
骨材とし、700〜800℃の温度で仮焼したNi−Z
n−Cu系フェライトを主成分とする磁性体磁器材料の
仮焼体粉末をマトリックス材として、両粉末を混合し焼
成することにより構成される。骨材の半導体磁器材料は
予め焼結温度又はそれに近い温度で焼成若しくは仮焼さ
れるため第3混合粉末の焼成時にはその粒界における反
応性が抑制される。磁性体磁器材料は第3混合粉末の焼
成時にマトリックス材として上記骨材を分散状態で被包
する。これにより複合型半導体磁器材料は、半導体磁器
材料によりNTCサーミスタ等の半導体電子部品の電気
特性(B定数の増大)が得られ、磁性体磁器材料により
低温焼結を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。本発明の複合型半導体磁器材料はM
nO,CoO,NiO,CuO,Fe23及びAl23
からなる群より選ばれた2種以上の金属酸化物からなる
スピネル構造の半導体磁器材料と、Ni−Zn−Cu系
フェライトを主成分とする磁性体磁器材料との混合焼結
体である。この複合型半導体磁器材料の製造方法を図4
に基づいて説明する。
【0009】(a) 半導体磁器材料(骨材)の製造方法 半導体磁器材料は、Mn酸化物(MnO)粉末,Co酸
化物(CoO)粉末,Ni酸化物(NiO)粉末,Cu
酸化物(CuO)粉末、Fe酸化物(Fe23)粉末及
びAl酸化物(Al23)粉末からなる群より選ばれた
2種以上を主な原料粉末とする。原料粉末にはB定数及
び抵抗率の調整又は誘電率の減少の目的で上記金属元素
以外の他の元素(例えば、Mg、Ca、Si等)を含有
させることもできる。上記原料粉末を湿式又は乾式で所
定の割合で混合し第1混合粉末を得る。得られた第1混
合粉末にバインダを加えて混練造粒し、所定の形状に成
形する。この成形体を大気雰囲気でその焼結温度より1
00℃、好ましくは50℃低い温度で仮焼するか、或い
はその焼結温度で焼成して金属酸化物の仮焼体若しくは
焼結体を作製する。上記仮焼温度若しくは焼成温度は原
料粉末の組成に応じて変化するが、例えば1000〜1
400℃である。焼結温度より100℃低くてもよいの
は、後述する第3混合粉末で焼成するときにこの温度で
あってもこの仮焼体粉末の粒界での反応性を抑えられる
からである。
【0010】次いで得られた金属酸化物の仮焼体若しく
は焼結体をボールミル等で粉砕して篩い分けし所定の粒
径に揃えて骨材とする。この骨材の粒径は次に述べるマ
トリックス材の磁性体磁器材料粉末の粒径より大きくす
る。好ましくはマトリックス材より1桁程度大きくす
る。これは半導体磁器材料の粒径を磁性体磁器材料の粒
径より同等若しくは小さくすると、半導体磁器材料及び
磁性体磁器材料を混合して焼成したときに、焼結体であ
る複合型半導体磁器材料内に空隙が発生し、複合型半導
体磁器材料のクラック、歪みの原因となるからである。
この複合型半導体磁器材料により内部電極を有するNT
C積層サーミスタを作製する場合には、平均粒径が10
μm以下、好ましくは1μm〜6μmの仮焼体若しくは
焼結体粉末からなる骨材にする。これは、NTC積層サ
ーミスタでは通常一層の厚さは20μm以下であり、骨
材の平均粒径が10μmを越えると骨材とマトリックス
材を含んだ層を形成できないからである。
【0011】(b) 磁性体磁器材料(マトリックス材)の
製造方法 Ni−Zn−Cu系フェライトを主成分とする磁性体磁
器材料は、Fe酸化物(Fe23)粉末、Ni酸化物
(NiO)粉末、Zn酸化物(ZnO)粉末及びCu酸
化物(CuO)を主な原料粉末とする。原料粉末には焼
結性の向上の目的で上記金属元素以外の他の元素(例え
ば、Mg、Ca等)を含有させることもできる。上記原
料粉末を湿式又は乾式で所定の割合で混合し第2混合粉
末を得る。Fe23は48〜52モル%、NiOは10
〜40モル%、ZnOは10〜40モル%及びCuOは
10〜30モル%の割合で秤量される。得られた第2混
合粉末を700〜800℃の温度で仮焼して仮焼体を得
て、このNi−Zn−Cu系フェライト仮焼体をボール
ミル等で粉砕して篩い分けし、骨材より小さい粒径のマ
トリックス材となる粉末状の磁性体磁器材料の仮焼体粉
末を得る。本発明の複合型半導体磁器材料により内部電
極を有するNTCサーミスタを作製する場合であって、
骨材の平均粒径を1〜10μmにするときには、上述し
た理由により、磁性体磁器材料のマトリックス材の平均
粒径を1μm未満、好ましくは0.1μm〜0.5μm
にする。
【0012】(c) 複合型半導体磁器材料の製造方法 上記半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼結体粉末を
骨材とし、上記磁性体磁器材料の仮焼体粉末をマトリッ
クス材として、両粉末を湿式又は乾式で混合して第3混
合粉末を得る。その混合割合は磁性体磁器材料が40〜
60体積%であり、残部が半導体磁器材料である。磁性
体磁器材料が40体積%未満では得られた複合型半導体
磁器材料が多孔質になり実用上の強度が得られない上、
複合型半導体磁器材料をめっきしたときにめっき液が材
料内部に侵入するおそれがある。また60体積%を越え
ると半導体磁器材料の割合が少な過ぎ、抵抗値が増大し
(図5)かつB定数が低下して(図6)、NTCサーミ
スタ等の半導体電子部品としての電気特性(B定数の増
大)を有する複合型半導体磁器材料が得られない。半導
体磁器材料及び磁性体磁器材料の混合割合は、必要とす
る半導体電子部品の特性に応じて上記範囲内から決定さ
れる。
【0013】バルクの複合型半導体磁器材料を作製する
場合には、第3混合粉末にバインダを加えて混練造粒
し、所定の形状に成形体を作製する。積層型の複合型半
導体磁器材料を作製する場合には、先ず第3混合粉末に
分散剤、バインダ、可塑剤、溶剤等を添加して混合し、
グリーンシート形成用ペイント(以下、シート用ペイン
トという)を調製する。次にこのシート用ペイントによ
りシートを作製した後に、このシートを積層してグリー
ン状態の積層体を作製する。得られた積層体は960℃
以下の温度の大気雰囲気で焼成される。この焼成により
マトリックス材の磁性体磁器材料が焼結体となり、この
焼結体の内部に、予め焼結若しくはほぼ焼結していた骨
材の半導体磁器材料が分散して本発明の複合型半導体磁
器材料が得られる。複合型半導体磁器材料の内部にAg
を高比率で含む導体が存在する場合、この焼成温度はA
gの融点より低いため、内部電極が損われず、かつ内部
電極の比抵抗を小さくすることができる。
【0014】なお、上記内部電極となる導電ペーストは
Agに分散剤、バインダ、可塑剤、溶剤等を添加して混
合して得られ、上記シート上にスクリーン印刷により所
定のパターンで積層される。また、上記グリーン状態の
積層体の形成方法を図3に基づいて説明する。図3(a-
1)〜(e-1)は積層過程の上面図であり、図3(a-2)〜(e-
2)は積層過程の図3(a-1)〜(e-1)におけるA−A線断面
図である。先ず図3(a-1)〜(a-2)に示すように、シート
からなるベース部13を用意する。このベース部13は
グリーン状態の積層体12の第1層目となる。次いでベ
ース部13上に導電ペーストにより導体膜14を所定の
パターンで印刷積層して形成する(図3(b-1)〜(b-
3))。その上にシートを積層して中間部15を形成する
(図3(c-1)〜(c-3))。この中間部15の上に導電ペー
ストにより導体膜16を所定のパターンで印刷積層して
形成する(図3(d-1)〜(d-3))。このとき導電膜14と
導電膜16は互いに平行になるように形成される。その
上にシートを積層してグリーン状態の積層体12の最上
層であるアッパ部17を形成する(図3(e-1)〜(e-
3))。このようにしてグリーン状態の積層体12が形成
される。更に、上記積層体12の焼成後、この焼結体1
0の両端面にAgを主成分とする導体ペーストを焼付け
て一対の外部電極21,22を形成し、これによりNT
Cサーミスタ10が得られる(図1及び図6)。このサ
ーミスタ10の等価回路を図2に示す。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>先ずMnO粉末を45モル%、CoOを4
6モル%及びCuOを9モル%それぞれ秤量し、湿式ミ
ルにより混合した。この混合粉末にバインダを加えて混
練造粒し、所定の形状に成形した後、この成形体を13
00℃で4時間、大気雰囲気で焼成してスピネル構造の
金属酸化物からなる焼結体を得た。この焼結体をボール
ミルで粉砕して篩い分けし平均粒径が6μmの半導体磁
器材料(骨材)粉末を作製した。一方、NiOを15モ
ル%、ZnOを25モル%、CuOを10モル%及びF
23粉末を50モル%それぞれ秤量し、湿式ミルによ
り混合した。この混合粉末を800℃で4時間、大気雰
囲気で仮焼してNi−Zn−Cuフェライト仮焼体を得
た。この仮焼体をボールミルで粉砕して篩い分けし、平
均粒径が0.3μmの磁性体磁器材料(マトリックス
材)粉末を作製した。次いで得られた半導体磁器材料
(骨材)粉末と磁性体磁器材料(マトリックス材)粉末
を60体積%(骨材)/40体積%(マトリックス材)
の体積比で湿式混合した。次にこの混合粉末にバインダ
を加えて混練造粒した後に、所定の形状に加圧成形し
た。更にこの成形体を900℃の温度の大気雰囲気で焼
成してバルクを得た。このバルクを実施例1とした。 <実施例2>MnO粉末を29モル%、CoOを44モ
ル%及びAl23粉末をAlO3/2換算で27モル%そ
れぞれ秤量して混合・混練造粒・成形・焼成してスピネ
ル構造の金属酸化物からなる焼結体を得たことを除い
て、実施例1と同様にして複合型半導体磁器材料のバル
クを作製した。このバルクを実施例2とした。
【0016】<比較例1>先ずMnO粉末を45モル
%、CoOを46モル%及びCuOを9モル%それぞれ
秤量し、湿式ミルにより混合した。この混合粉末にバイ
ンダを加えて混練造粒し、所定の形状に成形した後、こ
の成形体を800℃で4時間、大気雰囲気で焼成してス
ピネル構造の金属酸化物からなる焼結体を得た。この焼
結体をボールミルで粉砕して篩い分けし平均粒径が2μ
mの半導体磁器材料粉末を作製した。次にこの粉末にバ
インダを加えて混練造粒した後に、所定の形状に加圧成
形した。更にこの成形体を980℃の温度の大気雰囲気
で焼成してバルクを得た。このバルクを比較例1とし
た。 <比較例2>先ずMnO粉末を29モル%、CoOを4
4モル%及びAl23粉末をAlO 3/2換算で27モル
%それぞれ秤量し、湿式ミルにより混合した。この混合
粉末にバインダを加えて混練造粒し、所定の形状に成形
した後、この成形体を800℃で4時間、大気雰囲気で
焼成してスピネル構造の金属酸化物からなる焼結体を得
た。この焼結体をボールミルで粉砕して篩い分けし平均
粒径が2μmの半導体磁器材料粉末を作製した。次にこ
の粉末にバインダを加えて混練造粒した後に、所定の形
状に加圧成形した。更にこの成形体を1250℃の温度
の大気雰囲気で焼成してバルクを得た。このバルクを比
較例2とした。
【0017】<比較試験及び評価>実施例1,2と比較
例1,2のバルクの抵抗率及びB定数を測定した。その
結果を骨材及びマトリックス材の混合割合及び焼成温度
とともに表1にそれぞれ示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、実施例1及び2
の磁器材料は比較例1及び2の磁器材料と同等のB定数
を示し、かつ比較例1及び2より低い900℃程度の大
気雰囲気で焼成することにより得られた。なお、実施例
1及び2の磁器材料は抵抗率が増大するけれども、対向
電極面積の増加及び対向電極間距離の減少により、比較
例1及び2の磁器材料と同等の抵抗値とすることが可能
である。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の複合型半導
体磁器材料によれば、半導体磁器材料の存在によりNT
Cサーミスタ等の半導体電子部品の電気特性が得られ、
磁性体磁器材料の存在により低温焼結を実現できる。こ
れにより、960℃以下の温度で大気雰囲気で焼結して
Ag100%の内部電極を形成できる。また予め焼結若
しくはほぼ焼結した半導体磁器材料を骨材にすることに
より、第3混合粉末の焼成時にその粒界における反応生
成物が比較的少なくすることができ、所期の半導体電子
部品の電気特性(B定数の増大)を有する複合型半導体
磁器材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のNTCサーミスタの縦断面
図。
【図2】その等価回路図。
【図3】本発明の実施の形態のNTCサーミスタを製造
する工程を示す図。
【図4】本発明の実施形態のNTCサーミスタの製造工
程を示すブロック線図。
【図5】マトリックス材の割合を変えたときの複合型半
導体磁器材料の抵抗率の変化を示す図。
【図6】マトリックス材の割合を変えたときの複合型半
導体磁器材料のB定数の変化を示す図。
【図7】本発明の実施形態のNTCサーミスタの外観斜
視図。
【符号の説明】
10 NTCサーミスタ(複合型半導体電子部品) 11 焼結体(複合型半導体磁器材料) 12 積層体 14,16 導電膜(内部電極) 21,22 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G018 AA01 AA21 AA22 AA23 AA24 AA25 AA28 AB02 AC01 AC03 AC13 AC16 4G030 AA25 AA27 AA28 AA29 AA31 AA32 BA06 CA01 GA01 GA03 GA04 GA09 GA27 5E034 BA10 BB01 BC04 BC19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MnO,CoO,NiO,CuO,Fe
    23及びAl23からなる群より選ばれた2種以上の金
    属酸化物からなるスピネル構造の半導体磁器材料と、N
    i−Zn−Cu系フェライトを主成分とする磁性体磁器
    材料とを混合して焼成してなる複合型半導体磁器材料で
    あって、 前記半導体磁器材料がその焼結温度より100℃低い温
    度ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成してなる仮焼
    体粉末若しくは焼結体粉末であり、 前記磁性体磁器材料が700〜800℃の温度で仮焼し
    てなる仮焼体粉末であり、 前記磁性体磁器材料の仮焼体粉末をマトリックス材とし
    て40〜60体積%含み、前記半導体磁器材料の仮焼体
    粉末若しくは焼結体粉末を骨材として残部含むことを特
    徴とする複合型半導体磁器材料。
  2. 【請求項2】 MnO,CoO,NiO,CuO,Fe
    23及びAl23からなる群より選ばれた2種以上の金
    属酸化物粉末を混合して第1混合粉末を得る工程と、 前記第1混合粉末をその焼結温度より100℃低い温度
    ないしその焼結温度で仮焼若しくは焼成して仮焼体若し
    くは焼結体を得る工程と、 前記仮焼体若しくは焼結体を粉砕して所定の粒径のスピ
    ネル構造を有する半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは
    焼結体粉末を得る工程と、 Fe酸化物粉末,Ni酸化物粉末,Zn酸化物粉末及び
    Cu酸化物粉末又はこれらの金属塩粉末を所定の割合で
    混合して第2混合粉末を得る工程と、 前記第2混合粉末を700〜800℃の温度で仮焼して
    仮焼体を得る工程と、前記仮焼体を粉砕して前記半導体
    磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼結体粉末の粒径より小
    さい粒径のNi−Zn−Cu系フェライトを主成分とす
    る磁性体磁器材料の仮焼体粉末を得る工程と、 40〜60体積%の前記磁性体磁器材料の仮焼体粉末と
    残部が前記半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼結体
    粉末とを混合して第3混合粉末を得る工程と、 前記第3混合粉末を960℃以下の温度の大気雰囲気で
    焼成する工程とを含む複合型半導体磁器材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 半導体磁器材料の仮焼体粉末若しくは焼
    結体粉末の平均粒径が1〜10μmであって、磁性体磁
    器材料の仮焼体粉末の平均粒径が1μm未満である請求
    項2記載の複合型半導体磁器材料の製造方法。
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KR20170100129A (ko) * 2016-02-25 2017-09-04 삼성전기주식회사 Ntc 써미스터용 조성물 및 이를 이용한 ntc 써미스터

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