JP3646914B2 - セラミックヒータの製造方法 - Google Patents

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光広 藤田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックヒータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のセラミックヒータの製造方法としては、窒化アルミニウム粉末にイットリア粉末を添加、混合した原料をシート状に形成し、2枚の窒化アルミニウム成形体(グリーンシート)の一方に発熱回路用金属ペーストを塗布した後、その上に他方の窒化アルミニウム成形体を積層し、積層体を窒素ガス雰囲気において1750℃の温度で焼成する方法(特開平7−326655号公報参照)、又は窒化アルミニウム粉末やイットリア粉末等の原料粉末を成形する時点で内部にスパイラル状の抵抗発熱体を入れ、脱脂し、焼成あるいはホットプレスする方法(特開平5−101871号公報参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のいずれのセラミックヒータの製造方法においても、成形体の形成時点で発熱回路又は抵抗発熱体を埋設しており、この成形体の焼成に伴って反り等の変形を生じて加熱面の平面度が低下し、発熱回路又は抵抗発熱体と被加熱物との間の距離のばらつきが生じるので、被加熱物に温度むらを生じ、均一な加熱が困難になる不具合がある。
又、たとえ、変形の生じた加熱面に研削加工を施し、平面度を改善したとしても、発熱回路又は抵抗発熱と加熱面との間の距離のばらつきは解消されず、同様な不具合がある。
そこで、本発明は、極めて均一な加熱を可能とし得るセラミックヒータの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1のセラミックヒータの製造方法は、液相焼結による窒化アルミニウム焼結体からなる基板の片面に発熱回路用金属ペーストを塗布して乾燥すると共に、その片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用窒化アルミニウムペーストを金属ペーストと同等の厚みで塗布して乾燥した後、それらの上に上記窒化アルミニウムペーストと同様のペーストを塗布して乾燥し、しかる後に、1500〜1800℃の温度で焼成することを特徴とする。
第2のセラミックヒータの製造方法は、液相焼結からなる窒化アルミニウム焼結体からなる基板の片面に発熱回路用金属ペーストを塗布して乾燥した後、低温焼結助剤を添加したカバー用窒化アルミニウム成形体を熱圧着し、しかる後に、1500〜1800℃の温度で焼成することを特徴とする。
又、第3のセラミックヒータの製造方法は、第2の方法において、前記窒化アルミニウム成形体の熱圧着に先立って、基板の片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用窒化アルミニウムペーストを金属ペーストと同等の厚みで塗布して乾燥することを特徴とする。
一方、前記金属は、タングステン又はこれにモリブデン、ニッケル及びコバルトの1種以上を添加したものであることが好ましい。
前記低温焼結助剤は、イットリウム化合物及びリチウム化合物であることが好ましい。
又、前記ペーストの塗布は、スクリーン印刷によることが好ましい。
【0005】
第1、第2のセラミックヒータの製造方法においては、発熱回路となる金属ペーストとカバーとなる窒化アルミニウム(AlN)ペースト、AlN成形体の焼結が、基板の粒界成分が揮発したり、移動したりすることのない低温で行われる。
又、第3のセラミックヒータの製造方法においては、第2の方法による作用の他、カバーの一部となる低温焼結助剤添加のAlNペーストにより発熱回路となる金属ペーストの周辺の隙間が完全に埋められる。
【0006】
基板は、焼結による発熱回路とカバーの形成が1500〜1800℃の低温で行われ、粒界成分が揮発したり、移動したりすることがないので、焼結助剤に起因する粒界成分が多くても構わないが、粒界成分をAlNに対して5重量%以下とすることが望ましく、より望ましくは2重量%以下とする。
このように粒界成分を減らすことにより、発熱回路とカバー形成時の変形を一層抑制することができる。
基板は、少なくとも片面に研削加工を施して反りを低減しておくことが望ましい。反り量(基準面からの反り量)は、X、Y方向共に5μm以下にしておくことが望ましい。
【0007】
基板の作製に用いる焼結助剤としては、一般的に用いられるイットリウム(Y)化合物、希土類化合物、アルカリ土類化合物の粉末を用いることができるが、純度の点からY化合物粉末を用いることが望ましく、更に、それらに後述するリチウム(Li)化合物粉末のように焼結温度を低下させるものを添加した低温焼結助剤を用いてもよい。
焼結助剤としてY化合物粉末を用いる場合、AlN粉末100重量部に対し、イットリア(Y23 )換算で0.5〜20重量部添加する。
Y化合物粉末の添加量が、AlN粉末100重量部に対し、Y23 換算で0.5重量部未満であると、液相成分が不足し、緻密な焼結体を得難い。一方、20重量部を超えると、未反応の焼結助剤が残存するおそれがある。
Y化合物としては、Y23 、フッ化イットリウム(YF)、Y3 Al512(YAG)等の酸化イットリウムアルミニウム、Y23 とアルミナ(Al23 )をYAGとなる配合比で混合した混合粉末等が用いられる。
【0008】
基板作製時の焼成温度は、低温焼結助剤を用いない場合には、1800〜2000℃とする。
焼成温度が、1800℃未満であると、緻密な焼結体が得られない。一方、2000℃を超えると、過焼結となったり、液相の揮発が進み気孔生成を招く。望ましい焼成温度は、1850〜1900℃である。
又、Li化合物粉末(Li化合物以外は、焼結時に揮発せずに残存するので好ましくない。)を添加した低温焼結助剤を用いる場合には、1500〜1800℃の焼成温度としても構わない。
Li化合物は、基板を焼成する際に揮発してしまい、発熱回路とカバーを1800℃以下の温度で焼成するときには、基板の液相の移動を生じないため、基板に反りが発生することはない。
【0009】
発熱回路用金属ペーストは、金属粉末にペースト用有機溶剤を添加して調製され、200〜500ポイズの粘度が望ましい。
粘度が、200ポイズ未満であると、塗布物がだれる(形を保てない)。一方、500ポイズを超えると、塗布が良好に行われず、スクリーン印刷の場合、スクリーンにペーストが残留し、転写が行われない。
【0010】
金属としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)又はそれらの混合物を用いることができるが、AlNと熱膨張率が最も近いWが発熱回路剥離防止の観点から好ましい。
又、WにMo、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)の1種以上を添加すると、低温焼結においてAlNとの密着性を向上でき、好ましい。
【0011】
金属ペースト用有機溶剤としては、熱可塑性セルロースエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂と、ブチルカルビトール、フタル酸ジブチルの混合物等が用いられる。
【0012】
カバー用AlNペーストは、AlN粉末と低温焼結助剤にペースト用有機溶剤を添加して調製され、発熱回路用金属ペーストと同様の200〜500ポイズの粘度が望ましい。
粘度が、200ポイズ未満であると、塗布物がだれる(形を保てない)。一方、500ポイズを超えると、塗布が良好に行われず、スクリーン印刷の場合、スクリーンにペーストが残留し、転写が行われない。
【0013】
低温焼結助剤としては、Y化合物粉末にLi化合物粉末を添加したものが好ましい。
低温焼結助剤は、AlN粉末100重量部に対し、Y化合物粉末をY23 換算で0.5〜20重量部、Li化合物粉末を酸化リチウム(Li2 O)換算で0.1〜50重量部添加する。
Y化合物粉末の添加量が、AlN粉末100重量部に対し、Y23 換算で0.5重量部未満であると、液相成分が不足し、緻密な焼結体を得難い。一方、20重量部を超えると、未反応のY化合物が残存するおそれがある。
又、Li化合物粉末の添加量が、AlN粉末100重量部に対し、Li2 O換算で0.1重量部未満であると、焼結温度低下の効果が低い。一方、50重量部を超えると、僅かなLiが残存するおそれがある。
Li化合物粉末は、僅かしか添加しないため、均一に分散させるために、粒径20μm以下のものを用いるのが望ましく、より好ましくは2μm以下とする。Li化合物としては、Li2 O、炭酸リチウム(Li2 CO3 )、フッ化リチウム(LiF)、硝酸リチウム(LiNO3 )、水酸化リチウム(LiOH)、塩化リチウム(LiCl)、酢酸リチウム(LiCH3 COO)、Yとの複合酸化物及びアルミニウム(Al)との複合酸化物の1種以上が用いられる。
低温焼結助剤を用いると、発熱回路とカバーの焼結温度を1500〜1800℃とできる。
基板に反りが生じると、それに追従して発熱回路、カバーに反りが生じ、セラミックヒータ全体が反ってしまうが、このように、発熱回路とカバーを1800℃以下の温度で焼成することにより、基板の粒界相成分が揮発したり、移動したりしないため(発生したとしても極く僅かに抑えられる)、基板の反り、それに起因する発熱回路、カバーの反りが生じない。
【0014】
AlNペースト用有機溶剤としては、熱可塑性セルロースエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂と、ブチルカルビトール、フタル酸ジブチルの混合物等が用いられる。
【0015】
発熱回路とカバーの焼成温度が、1500℃未満であると、緻密な焼結が行えない。一方、1800℃を超えると、基板の粒界相成分が揮発したり、移動したりするため、基板の反り、それに起因する発熱回路、カバーの反りが生じる。
より好ましい焼成温度は1500〜1750℃である。
【0016】
又、カバーは、AlN成形体の熱圧着によって形成してもよい。
カバー用AlN成形体の作製は、AlN粉末と低温焼結助剤にバインダーを添加し、基板と同様にドクターブレード法や加圧成形法等によって成形して行う。成形体の厚みの調整や焼結後のカバー表面の研削加工により、所望のカバー厚みを容易に得ることができる。
【0017】
AlN成形体の熱圧着は、100〜200℃の温度で加熱し、0.5〜100kg/cm2 の圧力で加圧して行う。
【0018】
AlN成形体の熱圧着に先立って、基板の片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用AlNペーストを金属ペーストと同等の厚みで塗布して乾燥することによって、発熱回路の周辺に空隙が生じることがなく、カバーの焼結後に、その表面に対する研削加工及び研磨加工を施さなくても、その平面度を使用可能な範囲(反り量がX、Y方向共に10μm以下)のものとすることができ、又、発熱回路間での絶縁性を高めることができる。
【0019】
ペーストの塗布は、刷毛塗り等でもよいが、スクリーン印刷によるのが好ましい。
スクリーン印刷は、非常に正確で簡便な方法であり、PVD法やCVD法に比較して短時間(数十μm〜100μm/hr)で発熱回路やカバーの形成が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の一例によって得たセラミックヒータの平面図及び図1におけるII−II線矢視断面図である。
このセラミックヒータは、液相焼結によるAlN焼結体からなる基板1の平坦な片面(図2においては上面)に1回路型の発熱回路2を形成すると共に、発熱回路2の両端を基板1に個別に挿着した金属端子3と接続し、かつ、発熱回路2及び基板1の片面の残余部分を液相焼結によるAlN焼結体からなる約1.5mmの厚み(発熱回路表面からの厚み)の平坦なカバー4によって被覆して構成されている。
【0021】
上記構成のセラミックヒータは、以下のようにして製造した。
先ず、基板1を作製するため、AlN粉末100重量部に対し、Y23 粉末1重量部、バインダー成分としてポリビニルブチラール(PVB)3重量部を添加し、アルコール中でボールミルによる湿式混合を行い、この混合物をスプレードライヤーにより造粒し、金型を使用して造粒粉300kg/cm2 の圧力で加圧成形した後、1ton/cm2 の圧力で静水圧プレスして成形体を得た。
次に、成形体を乾燥空気中において600℃の温度で加熱して脱脂した後、窒素ガス雰囲気において1900℃の温度で焼成して焼結体を得、しかる後、焼結体に研削加工を施し、図3に示すように、円板状(直径210mm、厚み5mm)の基板1を得た。
得られた基板1の反り(基準面からの反り量)をエアースライダーを使用して測定したところ、X,Y方向共に5μmであった。
なお、焼結体の表面加工は、研削加工に限らず、ラッピング、ポリシングも可能であり、この場合、より反り量が低減する。
【0022】
次いで、図4に示すように、基板1に金属端子挿着用の2つの穴5を所要位置に形成し、両穴5にWからなる金属端子3を、それぞれの一端面が基板1の片面(図4においては上面)と同一面になるように、後述するものと同様のWペーストを介して挿着した。
次に、1回路型の発熱回路2を形成するため、基板1の片面に発熱回路用金属ペーストであるWペースト6をスクリーン印刷により塗布した後、110℃の温度の乾燥器(図示せず)内に納置して30分間かけて乾燥し、室温に戻す工程を数回繰り返し、乾燥状態で40μmの厚みになるように調節した。
使用したWペースト6は、300ポイズの粘度を有し、W粉末70wt%、熱可塑性セルロースエーテル樹脂5wt%、ブチルカルビトール20wt%、フタル酸ジブチル5wt%の成分比である。
又、スクリーン印刷器は、スクリーンがステンレス製400#、乳剤厚み50μmである。
なお、金属ペーストの金属は、Wに限らず、W、Mo、Ta又はそれらの混合物としてもよい。
又、WにMo、Ni及びCoの1種以上を添加してもよい。
【0023】
次に、基板1の片面にカバー4を形成するため、図5に示すように、基板1の片面の残余部分に、低温焼結助剤を添加したカバー用AlNペースト7を、Wペースト6と逆のパターンでスクリーン印刷により塗布した後、110℃の温度の乾燥器(図示せず)内に納置して30分間かけて乾燥し、室温に戻す工程を数回繰り返し、乾燥状態でWペースト6と同等の厚みとなるように調節した。
次いで、図6に示すように、乾燥したWペースト6とAlNペースト7の上に、低温焼結助剤を添加したカバー用AlNペースト8をスクリーン印刷により塗布した後、110℃の温度の乾燥器(図示せず)内に納置して30分間かけて乾燥し、室温に戻す工程を数回繰り返し、乾燥後の最終厚みが1.7mmになるように調節した。100μmの厚みに形成するために要した時間は1時間であった。
使用したAlNペースト7,8は、300ポイズの粘度を有し、AlN粉末100重量部、Y23 粉末3重量部、Li2 O粉末1重量部、熱可塑性セルロースエーテル樹脂3重量部、ブチルカルビトール30重量部、フタル酸ジブチル6重量部の成分比である。
又、スクリーン印刷器は、スクリーンがステンレス鋼製400#、乳剤厚み50μmである。
次に、基板1を窒素ガス雰囲気において450℃の温度で1時間熱処理し、各ペースト6,7,8中の有機物を分解させた後、窒素ガス雰囲気において表1に示す各温度で2時間かけてそれぞれ焼成した。
上記焼成によって、No.1のものを除き、Wペースト6は焼結して発熱回路2となり、基板1と良好に接合し、又は、AlNペースト7,8は焼結して一体となってカバー4となり、発熱回路2及び基板1と良好に接合した各セラミックヒータが得られた。
【0024】
得られた各セラミックヒータのエアースライダーによるX−Y方向の反り量、渦電流式膜厚計によるカバー厚み(発熱回路と加熱面の距離、15ヶ所)、及び減圧下で加熱面設定温度600℃として加熱しサーモグラフによる加熱面内の温度分布を測定した。
X−Y方向の反り量は、表1に示すようになる一方、カバー厚みは、No.1、No.6のものを除き、1.5±0.01mm〜1.5±0.04mmとほぼ均一であり、又、面内温度分布は、No.6のものを除き、600℃±2℃〜600℃〜7℃とほぼ均一であった。
なお、No.1のものはカバー4の表面をSEMによって観察したところ、緻密化していないことが確認された。
【0025】
【表1】
Figure 0003646914
【0026】
表1から発熱回路2とカバー4の焼結温度を1500〜1800℃とすることにより、反り量が少なく、発熱回路と加熱面の距離が均一で、面内温度分布の均一なセラミックヒータを得ることができることがわかる。
【0027】
なお、焼結後のカバー4の表面には、必要によって研削加工、及び研磨加工等を施してもよく、より良好な平面度が得られる効果がある。
【0028】
図7及び図8は本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の他の例によって得たセラミックヒータの平面図及び図7におけるVIII−VIII線矢視断面図である。
このセラミックヒータは、液相焼結によるAlN焼結体からなる基板9の平坦な片面(図8においては上面)に2回路型の発熱回路10を形成すると共に、発熱回路10の各端を基板9に個別に挿着した金属端子11と接続し、かつ、発熱回路10及び基板9の片面の残余部分を液相焼結によるAlN焼結体からなる約1.5mmの厚み(発熱回路と加熱面の距離)の平坦なカバー12によって被覆して構成されている。
【0029】
上記構成のセラミックヒータは、以下のようにして製造した。
先ず、前述した実施の形態の一例と同様にし、図9に示すように、円板状(直径210mm、厚み5mm)の基板9を得た。
得られた基板の反りをエアースライダーを使用して測定したところ、X、Y方向共に4μmであった。
【0030】
次に、図10に示すように、金属端子挿着用の4つの穴13を所要位置に形成し、穴13にWからなる金属端子11を、それぞれの一端面が基板9の片面(図10においては上面)と同一面になるように、後述するものと同様のWペーストを介して挿着した。
次いで、2回路型の発熱回路10を形成するため、前述した実施の形態の一例と同様のWペースト14を同様のスクリーン印刷により塗布した後、110℃の温度の乾燥器(図示せず)内に納置して30分間かけて乾燥し、室温に戻す工程を数回繰り返し、乾燥状態で40μmの厚みによるように調節した。
【0031】
次に、基板9の片面にカバー12を形成するため、図11に示すように、低温焼結助剤を添加したカバー用AlN成形体15(直径210mm、厚み2mm)を形成し、このAlN成形体を100〜200℃の温度で加熱し、かつ、0.5〜100kg/cm2 の圧力で加圧して基板9の片面に熱圧着した。
AlN成形体15は、AlN粉末100重量部、Y23 粉末10重量部、Li2 O粉末5重量部、アクリル樹脂3重量部の成分比からなる混合物をドクターブレード法や加圧成形法等によって成形してなるものである。
次いで、基板9を窒素ガス雰囲気において450℃の温度で1時間熱処理し、Wペースト14及びAlN成形体15中の有機物を分解させた後、窒素ガス雰囲気において1700℃の温度で2時間かけて焼成し、しかる後に、カバー12の表面に研削加工及び研磨加工を施してセラミックヒータを得た。
上記焼成によって、Wペースト14は焼結して発熱回路10となり、基板9と良好に接合し、又、AlN成形体15は焼結してカバー12となり、発熱回路10及び基板9と良好に接合した。
【0032】
得られたセラミックヒータのエアースライダーによるX−Y方向の反り量の平均値は2.3μm、渦電流式膜厚計によるカバー厚み(発熱回路と加熱面の距離、15ヶ所)は1.5±0.01mmと均一であり、又、面内温度分布は減圧下での加熱面設定温度600℃で±2℃と均一であった。
【0033】
ここで、上記実施の形態の他の例において、AlN成形体15の熱圧着に先立って、実施の形態の一例のように、基板9の片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用AlNペーストをWペースト14と同等の厚みで塗布して乾燥するようにしてもよい。
このようにすることにより、カバー12となるAlN成形体15の焼結後に、その表面に対する研削加工、及び研磨加工等を施さなくとも、その平面度を使用可能な範囲(10μm以下)のものとすることができる。
【0034】
なお、前述した実施の形態の一例においては、1回路型のセラミックヒータを製造する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、2回路型のセラミックヒータの製造に適用してもよく、又、実施の形態の他の例も、2回路型のセラミックヒータの製造のみならず、1回路型のセラミックヒータの製造に適用してもよいのは勿論である。
又、基板は、円板状のものに限らず、円筒状のものであってもよく、その外周面に発熱回路を形成すると共に、それらをカバーによって被覆してセラミックヒータとしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1、第2のセラミックヒータの製造方法によれば、発熱回路となる金属ペーストとカバーとなるAlNペースト、AlN成形体の焼結が、基板の粒界成分が発揮したり、移動したりすることのない低温で行われるので、基板の反りとそれに起因するカバー等の反りを低減でき、発熱回路と加熱面の距離がほぼ均一となり、極めて均一な加熱を可能とし得るセラミックヒータを得ることができる。
又、第3のセラミックヒータの製造方法によれば、カバーの一部となる低温焼結助剤添加のAlNペーストにより発熱回路となる金属ペーストの周辺の隙間が完全に埋められるので、第2の方法と同様の作用効果が得られる他、カバーとなるAlN成形体の焼結後に、その表面に対する研削加工、及び研磨加工等を施さなくとも、その平面度を使用可能な範囲のものとすることができると共に、発熱回路間の絶縁性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の一例によって得たセラミックヒータの平面図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視断面図である。
【図3】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の一例を示す第1工程の断面図である。
【図4】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の一例を示す第2工程の断面図である。
【図5】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の一例を示す第3工程の断面図である。
【図6】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の一例を示す第4工程の断面図である。
【図7】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の他の例によって得たセラミックヒータの平面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線矢視断面図である。
【図9】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の他の例を示す第1工程の断面図である。
【図10】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の他の例を示す第2工程の断面図である。
【図11】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の他の例を示す第3工程の断面図である。
【符号の説明】
1 基板
6 タングステンペースト(金属ペースト)
7 窒化アルミニウムペースト
8 窒化アルミニウムペースト
9 基板
14 タングステンペースト(金属ペースト)
15 窒化アルミニウム成形体

Claims (6)

  1. 液相焼結による窒化アルミニウム焼結体からなる基板の片面に発熱回路用金属ペーストを塗布して乾燥すると共に、その片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用窒化アルミニウムペーストを金属ペーストと同等の厚みで塗布して乾燥した後、それらの上に上記窒化アルミニウムペーストと同様のペーストを塗布して乾燥し、しかる後に、1500〜1800℃の温度で焼成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  2. 液相焼結による窒化アルミニウム焼結体からなる基板の片面に発熱回路用金属ペーストを塗布して乾燥した後、低温焼結助剤を添加したカバー用窒化アルミニウム成形体を熱圧着し、しかる後に、1500〜1800℃の温度で焼成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  3. 前記窒化アルミニウム成形体の熱圧着に先立って、基板の片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用窒化アルミニウムペーストを金属ペーストと同等の厚みで塗布して乾燥することを特徴とする請求項2記載のセラミックヒータの製造方法。
  4. 前記金属が、タングステン又はこれにモリブデン、ニッケル及びコバルトの1種以上を添加したものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のセラミックヒータの製造方法。
  5. 前記低温焼結助剤が、イットリウム化合物及びリチウム化合物であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のセラミックヒータの製造方法。
  6. 前記ペーストの塗布が、スクリーン印刷によることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のセラミックヒータの製造方法。
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