JP2000299180A - セラミックヒータの製造方法 - Google Patents

セラミックヒータの製造方法

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JP2000299180A JP11105879A JP10587999A JP2000299180A JP 2000299180 A JP2000299180 A JP 2000299180A JP 11105879 A JP11105879 A JP 11105879A JP 10587999 A JP10587999 A JP 10587999A JP 2000299180 A JP2000299180 A JP 2000299180A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて均一な加熱を可能とし得るセラミック
ヒータの製造方法を提供する。 【解決手段】 液相焼結による窒化アルミニウム焼結体
からなる基板1の片面に電熱回路用金属ペースト6を塗
布して乾燥すると共に、その片面の残余部分に低温焼結
助剤を添加したカバー用窒化アルミニウムペースト7を
塗布して乾燥した後、それらの上に上記窒化アルミニウ
ムペーストと同様のペースト8を塗布して乾燥し、しか
る後に、1500〜1800℃の温度で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックヒータ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のセラミックヒータの製造
方法としては、窒化アルミニウム粉末にイットリア粉末
を添加、混合した原料をシート状に形成し、2枚の窒化
アルミニウム成形体(グリーンシート)の一方に発熱回
路用金属ペーストを塗布した後、その上に他方の窒化ア
ルミニウム成形体を積層し、積層体を窒素ガス雰囲気に
おいて1750℃の温度で焼成する方法(特開平7−3
26655号公報参照)、又は窒化アルミニウム粉末や
イットリア粉末等の原料粉末を成形する時点で内部にス
パイラル状の抵抗発熱体を入れ、脱脂し、焼成あるいは
ホットプレスする方法(特開平5−101871号公報
参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
いずれのセラミックヒータの製造方法においても、成形
体の形成時点で発熱回路又は抵抗発熱体を埋設してお
り、この成形体の焼成に伴って反り等の変形を生じて加
熱面の平面度が低下し、発熱回路又は抵抗発熱体と被加
熱物との間の距離のばらつきが生じるので、被加熱物に
温度むらを生じ、均一な加熱が困難になる不具合があ
る。又、たとえ、変形の生じた加熱面に研削加工を施
し、平面度を改善したとしても、発熱回路又は抵抗発熱
と加熱面との間の距離のばらつきは解消されず、同様な
不具合がある。そこで、本発明は、極めて均一な加熱を
可能とし得るセラミックヒータの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1のセラミックヒータの製造方法は、液
相焼結による窒化アルミニウム焼結体からなる基板の片
面に発熱回路用金属ペーストを塗布して乾燥すると共
に、その片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバ
ー用窒化アルミニウムペーストを金属ペーストと同等の
厚みで塗布して乾燥した後、それらの上に上記窒化アル
ミニウムペーストと同様のペーストを塗布して乾燥し、
しかる後に、1500〜1800℃の温度で焼成するこ
とを特徴とする。第2のセラミックヒータの製造方法
は、液相焼結からなる窒化アルミニウム焼結体からなる
基板の片面に発熱回路用金属ペーストを塗布して乾燥し
た後、低温焼結助剤を添加したカバー用窒化アルミニウ
ム成形体を熱圧着し、しかる後に、1500〜1800
℃の温度で焼成することを特徴とする。又、第3のセラ
ミックヒータの製造方法は、第2の方法において、前記
窒化アルミニウム成形体の熱圧着に先立って、基板の片
面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用窒化ア
ルミニウムペーストを金属ペーストと同等の厚みで塗布
して乾燥することを特徴とする。一方、前記金属は、タ
ングステン又はこれにモリブデン、ニッケル及びコバル
トの1種以上を添加したものであることが好ましい。前
記低温焼結助剤は、イットリウム化合物及びリチウム化
合物であることが好ましい。又、前記ペーストの塗布
は、スクリーン印刷によることが好ましい。
【0005】第1、第2のセラミックヒータの製造方法
においては、発熱回路となる金属ペーストとカバーとな
る窒化アルミニウム(AlN)ペースト、AlN成形体
の焼結が、基板の粒界成分が揮発したり、移動したりす
ることのない低温で行われる。又、第3のセラミックヒ
ータの製造方法においては、第2の方法による作用の
他、カバーの一部となる低温焼結助剤添加のAlNペー
ストにより発熱回路となる金属ペーストの周辺の隙間が
完全に埋められる。
【0006】基板は、焼結による発熱回路とカバーの形
成が1500〜1800℃の低温で行われ、粒界成分が
揮発したり、移動したりすることがないので、焼結助剤
に起因する粒界成分が多くても構わないが、粒界成分を
AlNに対して5重量%以下とすることが望ましく、よ
り望ましくは2重量%以下とする。このように粒界成分
を減らすことにより、発熱回路とカバー形成時の変形を
一層抑制することができる。基板は、少なくとも片面に
研削加工を施して反りを低減しておくことが望ましい。
反り量(基準面からの反り量)は、X、Y方向共に5μ
m以下にしておくことが望ましい。
【0007】基板の作製に用いる焼結助剤としては、一
般的に用いられるイットリウム(Y)化合物、希土類化
合物、アルカリ土類化合物の粉末を用いることができる
が、純度の点からY化合物粉末を用いることが望まし
く、更に、それらに後述するリチウム(Li)化合物粉
末のように焼結温度を低下させるものを添加した低温焼
結助剤を用いてもよい。焼結助剤としてY化合物粉末を
用いる場合、AlN粉末100重量部に対し、イットリ
ア(Y23 )換算で0.5〜20重量部添加する。Y
化合物粉末の添加量が、AlN粉末100重量部に対
し、Y23 換算で0.5重量部未満であると、液相成
分が不足し、緻密な焼結体を得難い。一方、20重量部
を超えると、未反応の焼結助剤が残存するおそれがあ
る。Y化合物としては、Y23 、フッ化イットリウム
(YF)、Y3 Al512(YAG)等の酸化イットリ
ウムアルミニウム、Y23 とアルミナ(Al2 3
をYAGとなる配合比で混合した混合粉末等が用いられ
る。
【0008】基板作製時の焼成温度は、低温焼結助剤を
用いない場合には、1800〜2000℃とする。焼成
温度が、1800℃未満であると、緻密な焼結体が得ら
れない。一方、2000℃を超えると、過焼結となった
り、液相の揮発が進み気孔生成を招く。望ましい焼成温
度は、1850〜1900℃である。又、Li化合物粉
末(Li化合物以外は、焼結時に揮発せずに残存するの
で好ましくない。)を添加した低温焼結助剤を用いる場
合には、1500〜1800℃の焼成温度としても構わ
ない。Li化合物は、基板を焼成する際に揮発してしま
い、発熱回路とカバーを1800℃以下の温度で焼成す
るときには、基板の液相の移動を生じないため、基板に
反りが発生することはない。
【0009】発熱回路用金属ペーストは、金属粉末にペ
ースト用有機溶剤を添加して調製され、200〜500
ポイズの粘度が望ましい。粘度が、200ポイズ未満で
あると、塗布物がだれる(形を保てない)。一方、50
0ポイズを超えると、塗布が良好に行われず、スクリー
ン印刷の場合、スクリーンにペーストが残留し、転写が
行われない。
【0010】金属としては、タングステン(W)、モリ
ブデン(Mo)、タンタル(Ta)又はそれらの混合物
を用いることができるが、AlNと熱膨張率が最も近い
Wが発熱回路剥離防止の観点から好ましい。又、WにM
o、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)の1種以上
を添加すると、低温焼結においてAlNとの密着性を向
上でき、好ましい。
【0011】金属ペースト用有機溶剤としては、熱可塑
性セルロースエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂と、
ブチルカルビトール、フタル酸ジブチルの混合物等が用
いられる。
【0012】カバー用AlNペーストは、AlN粉末と
低温焼結助剤にペースト用有機溶剤を添加して調製さ
れ、発熱回路用金属ペーストと同様の200〜500ポ
イズの粘度が望ましい。粘度が、200ポイズ未満であ
ると、塗布物がだれる(形を保てない)。一方、500
ポイズを超えると、塗布が良好に行われず、スクリーン
印刷の場合、スクリーンにペーストが残留し、転写が行
われない。
【0013】低温焼結助剤としては、Y化合物粉末にL
i化合物粉末を添加したものが好ましい。低温焼結助剤
は、AlN粉末100重量部に対し、Y化合物粉末をY
23 換算で0.5〜20重量部、Li化合物粉末を酸
化リチウム(Li2 O)換算で0.1〜50重量部添加
する。Y化合物粉末の添加量が、AlN粉末100重量
部に対し、Y23 換算で0.5重量部未満であると、
液相成分が不足し、緻密な焼結体を得難い。一方、20
重量部を超えると、未反応のY化合物が残存するおそれ
がある。又、Li化合物粉末の添加量が、AlN粉末1
00重量部に対し、Li2 O換算で0.1重量部未満で
あると、焼結温度低下の効果が低い。一方、50重量部
を超えると、僅かなLiが残存するおそれがある。Li
化合物粉末は、僅かしか添加しないため、均一に分散さ
せるために、粒径20μm以下のものを用いるのが望ま
しく、より好ましくは2μm以下とする。Li化合物と
しては、Li2 O、炭酸リチウム(Li2 CO3 )、フ
ッ化リチウム(LiF)、硝酸リチウム(LiNO
3 )、水酸化リチウム(LiOH)、塩化リチウム(L
iCl)、酢酸リチウム(LiCH3 COO)、Yとの
複合酸化物及びアルミニウム(Al)との複合酸化物の
1種以上が用いられる。低温焼結助剤を用いると、発熱
回路とカバーの焼結温度を1500〜1800℃とでき
る。基板に反りが生じると、それに追従して発熱回路、
カバーに反りが生じ、セラミックヒータ全体が反ってし
まうが、このように、発熱回路とカバーを1800℃以
下の温度で焼成することにより、基板の粒界相成分が揮
発したり、移動したりしないため(発生したとしても極
く僅かに抑えられる)、基板の反り、それに起因する発
熱回路、カバーの反りが生じない。
【0014】AlNペースト用有機溶剤としては、熱可
塑性セルロースエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂
と、ブチルカルビトール、フタル酸ジブチルの混合物等
が用いられる。
【0015】発熱回路とカバーの焼成温度が、1500
℃未満であると、緻密な焼結が行えない。一方、180
0℃を超えると、基板の粒界相成分が揮発したり、移動
したりするため、基板の反り、それに起因する発熱回
路、カバーの反りが生じる。より好ましい焼成温度は1
500〜1750℃である。
【0016】又、カバーは、AlN成形体の熱圧着によ
って形成してもよい。カバー用AlN成形体の作製は、
AlN粉末と低温焼結助剤にバインダーを添加し、基板
と同様にドクターブレード法や加圧成形法等によって成
形して行う。成形体の厚みの調整や焼結後のカバー表面
の研削加工により、所望のカバー厚みを容易に得ること
ができる。
【0017】AlN成形体の熱圧着は、100〜200
℃の温度で加熱し、0.5〜100kg/cm2 の圧力
で加圧して行う。
【0018】AlN成形体の熱圧着に先立って、基板の
片面の残余部分に低温焼結助剤を添加したカバー用Al
Nペーストを金属ペーストと同等の厚みで塗布して乾燥
することによって、発熱回路の周辺に空隙が生じること
がなく、カバーの焼結後に、その表面に対する研削加工
及び研磨加工を施さなくても、その平面度を使用可能な
範囲(反り量がX、Y方向共に10μm以下)のものと
することができ、又、発熱回路間での絶縁性を高めるこ
とができる。
【0019】ペーストの塗布は、刷毛塗り等でもよい
が、スクリーン印刷によるのが好ましい。スクリーン印
刷は、非常に正確で簡便な方法であり、PVD法やCV
D法に比較して短時間(数十μm〜100μm/hr)
で発熱回路やカバーの形成が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1及び図2は本発明に係
るセラミックヒータの製造方法の実施の形態の一例によ
って得たセラミックヒータの平面図及び図1におけるII
−II線矢視断面図である。このセラミックヒータは、液
相焼結によるAlN焼結体からなる基板1の平坦な片面
(図2においては上面)に1回路型の発熱回路2を形成
すると共に、発熱回路2の両端を基板1に個別に挿着し
た金属端子3と接続し、かつ、発熱回路2及び基板1の
片面の残余部分を液相焼結によるAlN焼結体からなる
約1.5mmの厚み(発熱回路表面からの厚み)の平坦
なカバー4によって被覆して構成されている。
【0021】上記構成のセラミックヒータは、以下のよ
うにして製造した。先ず、基板1を作製するため、Al
N粉末100重量部に対し、Y23 粉末1重量部、バ
インダー成分としてポリビニルブチラール(PVB)3
重量部を添加し、アルコール中でボールミルによる湿式
混合を行い、この混合物をスプレードライヤーにより造
粒し、金型を使用して造粒粉300kg/cm2 の圧力
で加圧成形した後、1ton/cm2 の圧力で静水圧プ
レスして成形体を得た。次に、成形体を乾燥空気中にお
いて600℃の温度で加熱して脱脂した後、窒素ガス雰
囲気において1900℃の温度で焼成して焼結体を得、
しかる後、焼結体に研削加工を施し、図3に示すよう
に、円板状(直径210mm、厚み5mm)の基板1を
得た。得られた基板1の反り(基準面からの反り量)を
エアースライダーを使用して測定したところ、X,Y方
向共に5μmであった。なお、焼結体の表面加工は、研
削加工に限らず、ラッピング、ポリシングも可能であ
り、この場合、より反り量が低減する。
【0022】次いで、図4に示すように、基板1に金属
端子挿着用の2つの穴5を所要位置に形成し、両穴5に
Wからなる金属端子3を、それぞれの一端面が基板1の
片面(図4においては上面)と同一面になるように、後
述するものと同様のWペーストを介して挿着した。次
に、1回路型の発熱回路2を形成するため、基板1の片
面に発熱回路用金属ペーストであるWペースト6をスク
リーン印刷により塗布した後、110℃の温度の乾燥器
(図示せず)内に納置して30分間かけて乾燥し、室温
に戻す工程を数回繰り返し、乾燥状態で40μmの厚み
になるように調節した。使用したWペースト6は、30
0ポイズの粘度を有し、W粉末70wt%、熱可塑性セ
ルロースエーテル樹脂5wt%、ブチルカルビトール2
0wt%、フタル酸ジブチル5wt%の成分比である。
又、スクリーン印刷器は、スクリーンがステンレス製4
00#、乳剤厚み50μmである。なお、金属ペースト
の金属は、Wに限らず、W、Mo、Ta又はそれらの混
合物としてもよい。又、WにMo、Ni及びCoの1種
以上を添加してもよい。
【0023】次に、基板1の片面にカバー4を形成する
ため、図5に示すように、基板1の片面の残余部分に、
低温焼結助剤を添加したカバー用AlNペースト7を、
Wペースト6と逆のパターンでスクリーン印刷により塗
布した後、110℃の温度の乾燥器(図示せず)内に納
置して30分間かけて乾燥し、室温に戻す工程を数回繰
り返し、乾燥状態でWペースト6と同等の厚みとなるよ
うに調節した。次いで、図6に示すように、乾燥したW
ペースト6とAlNペースト7の上に、低温焼結助剤を
添加したカバー用AlNペースト8をスクリーン印刷に
より塗布した後、110℃の温度の乾燥器(図示せず)
内に納置して30分間かけて乾燥し、室温に戻す工程を
数回繰り返し、乾燥後の最終厚みが1.7mmになるよ
うに調節した。100μmの厚みに形成するために要し
た時間は1時間であった。使用したAlNペースト7,
8は、300ポイズの粘度を有し、AlN粉末100重
量部、Y23 粉末3重量部、Li2 O粉末1重量部、
熱可塑性セルロースエーテル樹脂3重量部、ブチルカル
ビトール30重量部、フタル酸ジブチル6重量部の成分
比である。又、スクリーン印刷器は、スクリーンがステ
ンレス鋼製400#、乳剤厚み50μmである。次に、
基板1を窒素ガス雰囲気において450℃の温度で1時
間熱処理し、各ペースト6,7,8中の有機物を分解さ
せた後、窒素ガス雰囲気において表1に示す各温度で2
時間かけてそれぞれ焼成した。上記焼成によって、N
o.1のものを除き、Wペースト6は焼結して発熱回路
2となり、基板1と良好に接合し、又は、AlNペース
ト7,8は焼結して一体となってカバー4となり、発熱
回路2及び基板1と良好に接合した各セラミックヒータ
が得られた。
【0024】得られた各セラミックヒータのエアースラ
イダーによるX−Y方向の反り量、渦電流式膜厚計によ
るカバー厚み(発熱回路と加熱面の距離、15ヶ所)、
及び減圧下で加熱面設定温度600℃として加熱しサー
モグラフによる加熱面内の温度分布を測定した。X−Y
方向の反り量は、表1に示すようになる一方、カバー厚
みは、No.1、No.6のものを除き、1.5±0.
01mm〜1.5±0.04mmとほぼ均一であり、
又、面内温度分布は、No.6のものを除き、600℃
±2℃〜600℃〜7℃とほぼ均一であった。なお、N
o.1のものはカバー4の表面をSEMによって観察し
たところ、緻密化していないことが確認された。
【0025】
【表1】
【0026】表1から発熱回路2とカバー4の焼結温度
を1500〜1800℃とすることにより、反り量が少
なく、発熱回路と加熱面の距離が均一で、面内温度分布
の均一なセラミックヒータを得ることができることがわ
かる。
【0027】なお、焼結後のカバー4の表面には、必要
によって研削加工、及び研磨加工等を施してもよく、よ
り良好な平面度が得られる効果がある。
【0028】図7及び図8は本発明に係るセラミックヒ
ータの製造方法の実施の形態の他の例によって得たセラ
ミックヒータの平面図及び図7におけるVIII−VIII線矢
視断面図である。このセラミックヒータは、液相焼結に
よるAlN焼結体からなる基板9の平坦な片面(図8に
おいては上面)に2回路型の発熱回路10を形成すると
共に、発熱回路10の各端を基板9に個別に挿着した金
属端子11と接続し、かつ、発熱回路10及び基板9の
片面の残余部分を液相焼結によるAlN焼結体からなる
約1.5mmの厚み(発熱回路と加熱面の距離)の平坦
なカバー12によって被覆して構成されている。
【0029】上記構成のセラミックヒータは、以下のよ
うにして製造した。先ず、前述した実施の形態の一例と
同様にし、図9に示すように、円板状(直径210m
m、厚み5mm)の基板9を得た。得られた基板の反り
をエアースライダーを使用して測定したところ、X、Y
方向共に4μmであった。
【0030】次に、図10に示すように、金属端子挿着
用の4つの穴13を所要位置に形成し、穴13にWから
なる金属端子11を、それぞれの一端面が基板9の片面
(図10においては上面)と同一面になるように、後述
するものと同様のWペーストを介して挿着した。次い
で、2回路型の発熱回路10を形成するため、前述した
実施の形態の一例と同様のWペースト14を同様のスク
リーン印刷により塗布した後、110℃の温度の乾燥器
(図示せず)内に納置して30分間かけて乾燥し、室温
に戻す工程を数回繰り返し、乾燥状態で40μmの厚み
によるように調節した。
【0031】次に、基板9の片面にカバー12を形成す
るため、図11に示すように、低温焼結助剤を添加した
カバー用AlN成形体15(直径210mm、厚み2m
m)を形成し、このAlN成形体を100〜200℃の
温度で加熱し、かつ、0.5〜100kg/cm2 の圧
力で加圧して基板9の片面に熱圧着した。AlN成形体
15は、AlN粉末100重量部、Y23 粉末10重
量部、Li2 O粉末5重量部、アクリル樹脂3重量部の
成分比からなる混合物をドクターブレード法や加圧成形
法等によって成形してなるものである。次いで、基板9
を窒素ガス雰囲気において450℃の温度で1時間熱処
理し、Wペースト14及びAlN成形体15中の有機物
を分解させた後、窒素ガス雰囲気において1700℃の
温度で2時間かけて焼成し、しかる後に、カバー12の
表面に研削加工及び研磨加工を施してセラミックヒータ
を得た。上記焼成によって、Wペースト14は焼結して
発熱回路10となり、基板9と良好に接合し、又、Al
N成形体15は焼結してカバー12となり、発熱回路1
0及び基板9と良好に接合した。
【0032】得られたセラミックヒータのエアースライ
ダーによるX−Y方向の反り量の平均値は2.3μm、
渦電流式膜厚計によるカバー厚み(発熱回路と加熱面の
距離、15ヶ所)は1.5±0.01mmと均一であ
り、又、面内温度分布は減圧下での加熱面設定温度60
0℃で±2℃と均一であった。
【0033】ここで、上記実施の形態の他の例におい
て、AlN成形体15の熱圧着に先立って、実施の形態
の一例のように、基板9の片面の残余部分に低温焼結助
剤を添加したカバー用AlNペーストをWペースト14
と同等の厚みで塗布して乾燥するようにしてもよい。こ
のようにすることにより、カバー12となるAlN成形
体15の焼結後に、その表面に対する研削加工、及び研
磨加工等を施さなくとも、その平面度を使用可能な範囲
(10μm以下)のものとすることができる。
【0034】なお、前述した実施の形態の一例において
は、1回路型のセラミックヒータを製造する場合につい
て説明したが、これに限定されるものではなく、2回路
型のセラミックヒータの製造に適用してもよく、又、実
施の形態の他の例も、2回路型のセラミックヒータの製
造のみならず、1回路型のセラミックヒータの製造に適
用してもよいのは勿論である。又、基板は、円板状のも
のに限らず、円筒状のものであってもよく、その外周面
に発熱回路を形成すると共に、それらをカバーによって
被覆してセラミックヒータとしてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1、第
2のセラミックヒータの製造方法によれば、発熱回路と
なる金属ペーストとカバーとなるAlNペースト、Al
N成形体の焼結が、基板の粒界成分が発揮したり、移動
したりすることのない低温で行われるので、基板の反り
とそれに起因するカバー等の反りを低減でき、発熱回路
と加熱面の距離がほぼ均一となり、極めて均一な加熱を
可能とし得るセラミックヒータを得ることができる。
又、第3のセラミックヒータの製造方法によれば、カバ
ーの一部となる低温焼結助剤添加のAlNペーストによ
り発熱回路となる金属ペーストの周辺の隙間が完全に埋
められるので、第2の方法と同様の作用効果が得られる
他、カバーとなるAlN成形体の焼結後に、その表面に
対する研削加工、及び研磨加工等を施さなくとも、その
平面度を使用可能な範囲のものとすることができると共
に、発熱回路間の絶縁性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実
施の形態の一例によって得たセラミックヒータの平面図
である。
【図2】図1におけるII−II線矢視断面図である。
【図3】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実
施の形態の一例を示す第1工程の断面図である。
【図4】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実
施の形態の一例を示す第2工程の断面図である。
【図5】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実
施の形態の一例を示す第3工程の断面図である。
【図6】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実
施の形態の一例を示す第4工程の断面図である。
【図7】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実
施の形態の他の例によって得たセラミックヒータの平面
図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線矢視断面図である。
【図9】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の実
施の形態の他の例を示す第1工程の断面図である。
【図10】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の
実施の形態の他の例を示す第2工程の断面図である。
【図11】本発明に係るセラミックヒータの製造方法の
実施の形態の他の例を示す第3工程の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 6 タングステンペースト(金属ペースト) 7 窒化アルミニウムペースト 8 窒化アルミニウムペースト 9 基板 14 タングステンペースト(金属ペースト) 15 窒化アルミニウム成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 光広 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 (72)発明者 小林 慶朗 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 3K092 PP20 QA05 QB02 QB44 QB45 QB62 RF03 RF11 RF17 RF27 TT30 VV22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相焼結による窒化アルミニウム焼結体
    からなる基板の片面に発熱回路用金属ペーストを塗布し
    て乾燥すると共に、その片面の残余部分に低温焼結助剤
    を添加したカバー用窒化アルミニウムペーストを金属ペ
    ーストと同等の厚みで塗布して乾燥した後、それらの上
    に上記窒化アルミニウムペーストと同様のペーストを塗
    布して乾燥し、しかる後に、1500〜1800℃の温
    度で焼成することを特徴とするセラミックヒータの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 液相焼結による窒化アルミニウム焼結体
    からなる基板の片面に発熱回路用金属ペーストを塗布し
    て乾燥した後、低温焼結助剤を添加したカバー用窒化ア
    ルミニウム成形体を熱圧着し、しかる後に、1500〜
    1800℃の温度で焼成することを特徴とするセラミッ
    クヒータの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記窒化アルミニウム成形体の熱圧着に
    先立って、基板の片面の残余部分に低温焼結助剤を添加
    したカバー用窒化アルミニウムペーストを金属ペースト
    と同等の厚みで塗布して乾燥することを特徴とする請求
    項2記載のセラミックヒータの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属が、タングステン又はこれにモ
    リブデン、ニッケル及びコバルトの1種以上を添加した
    ものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    セラミックヒータの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記低温焼結助剤が、イットリウム化合
    物及びリチウム化合物であることを特徴とする請求項
    1、2、3又は4記載のセラミックヒータの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ペーストの塗布が、スクリーン印刷
    によることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記
    載のセラミックヒータの製造方法。
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