JPH05286776A - 金属−セラミックス複合構造体及びその製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス複合構造体及びその製造方法

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JPH05286776A
JPH05286776A JP4084185A JP8418592A JPH05286776A JP H05286776 A JPH05286776 A JP H05286776A JP 4084185 A JP4084185 A JP 4084185A JP 8418592 A JP8418592 A JP 8418592A JP H05286776 A JPH05286776 A JP H05286776A
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metal
ceramic
layer
powder
composite structure
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JP4084185A
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Masanori Hirano
正典 平野
Noriyoshi Yamauchi
則義 山内
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し耐熱衝撃性に優れた信頼性の高い金
属−セラミックス複合構造体及びその製造方法を提供す
ることである。 【構成】 金属−セラミックス複合構造体は、金属層と
セラミックス層との間に、金属の成分とセラミックスの
成分とを混合してなる組成を有する混合組成中間層を有
しており、混合組成中間層の組成は、金属層に近い部分
ほどその金属の成分の含有率が高くなり、セラミックス
層に近い部分ほどそのセラミックスの成分の含有率が高
くなるようにして、連続的または段階的に変化している
ことを特徴とする。 【効果】 周囲の温度変化や繰り返し熱衝撃が加わるよ
うなヒートサイクルに対して発生する熱応力を緩和でき
る。このため、繰り返し耐熱衝撃性に優れ、電子部品、
その他の製品としてその信頼性を一段と高めることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属−セラミックス複
合構造体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、耐熱性、耐摩耗性、絶
縁性等に優れた性質を有しており、種々の用途に用いら
れている。これらの用途によっては、セラミックス部材
と金属部材とを複合化した金属−セラミックス複合構造
体が必要となる場合がある。例えば、ロケット及び航空
機の外壁材、エンジン部材等、耐熱性と放熱性とを兼備
しなければならない用途へ適用される材料として、金属
−セラミックス複合構造体が考えられている。
【0003】このような金属−セラミックス複合構造体
としては、セラミックス粒子またはセラミックス繊維を
金属中に分散して作製した複合構造体や、金属とセラミ
ックスとを接合した複合構造体等が知られている。
【0004】アルミナ、酸窒化アルミニウム、窒化アル
ミニウム、窒化ホウ素並びにこれらの複合体セラミック
スは、熱伝導性、電気的絶縁性に優れ、機械的特性にも
優れていることから、ICパッケージやパワーダイオー
ド等の発熱部品を搭載する半導体実装用基板として、銅
等の金属回路板をこれらセラミックスに接合した構造体
が使用されている。
【0005】銅板とこれらセラミックスからなる構造体
は、例えば、特開昭60−177634号公報に開示さ
れるような、活性金属を含有するろう材により接合する
方法や、特開昭56−163093号公報に開示される
ような、銅板と表面酸化処理してなるセラミックス基板
とを銅の融点以下Cu2 O−Oの共晶温度以上で加熱し
て接合する方法等により製造された接合構造体である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
金属−セラミックス複合構造体においては、セラミック
スと金属板の熱膨張率の差が大きいため、周囲の温度変
化や繰り返し熱衝撃が加わるようなヒートサイクルに対
しては、発生する熱応力により、金属板とセラミックス
との間に剥離が生じやすく、またセラミックス部材の内
部に割れが発生し、接着強度、気密性、電気絶縁性が低
下するなどの欠点があるため信頼性の高い部品として使
用するには不適当であるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、前述したような従来技術
の問題点を解消し、繰り返し耐熱衝撃性に優れた信頼性
の高い金属−セラミックス複合構造体及びその製造方法
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による金属−セラ
ミックス複合構造体は、金属層とセラミックス層との間
に、金属の成分とセラミックスの成分とを混合してなる
組成を有する混合組成中間層を有しており、該混合組成
中間層の組成は、前記金属層に近い部分ほどその金属の
成分の含有率が高くなり、前記セラミックス層に近い部
分ほどそのセラミックスの成分の含有率が高くなるよう
にして、連続的または段階的に変化していることを特徴
とする。
【0009】本発明の好ましい実施例によれば、金属層
は、銅またはニッケルまたはタングステンまたはモリブ
デンまたはモリブデン−マンガンからなり、セラミック
ス層は、アルミナまたは酸窒化アルミニウムまたは窒化
アルミニウムまたは窒化ホウ素からなる。
【0010】本発明による金属−セラミックス複合構造
体の1つの製造方法は、セラミックス基板を準備し、該
セラミックス基板の少なくとも一方の面に対して、セラ
ミックス粉末と金属粉末とを用いたプラズマ溶射を行
い、この際に、セラミックス粉末の供給量を徐々に減少
させると共に、金属粉末の供給量を徐々に増加させ、最
後は、セラミックス粉末の供給量を実質的に零とし、金
属粉末の供給のみとすることを特徴とする。
【0011】本発明による金属−セラミックス複合構造
体の別の製造方法は、セラミックス基板を準備し、セラ
ミックス粉末を主成分とするセラミックスペーストと、
金属粉末を主成分とする金属ペーストと、前記セラミッ
クス粉末と前記金属粉末とをそれぞれ異なる比率にて含
む複数の種類のセラミックス−金属ペーストとを準備
し、前記セラミックス基板の少なくとも一方の面に対し
て、先ず、前記セラミックスペーストを所定の厚さに印
刷し、次いで、該セラミックスペーストの印刷層の上
に、前記複数の種類のセラミックス−金属ペーストを、
金属粉末の含有量の少ない順に、所定の厚さに印刷積層
し、最後に、前記金属ペーストを印刷積層した後、焼結
することを特徴とする。
【0012】本発明による金属−セラミックス複合構造
体のさらに別の製造方法は、セラミックスグリーンシー
トを準備し、金属粉末を主成分とする金属ペーストと、
セラミックス粉末と前記金属粉末とをそれぞれ異なる比
率にて含む複数の種類のセラミックス−金属ペーストと
を準備し、前記セラミックスグリーンシートの少なくと
も一方の面に対して、前記複数の種類のセラミックス−
金属ペーストを、金属粉末の含有量の少ない順に、所定
の厚さに印刷積層し、最後に、前記金属ペーストを印刷
積層した後、焼結することを特徴とする。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について、本発明をよ
り詳細に説明する。
【0014】添付図面の図1は、本発明の一実施例とし
ての金属−セラミックス複合構造体の断面を模式的に拡
大して示す図である。図1に示すように、この実施例の
金属−セラミックス複合構造体は、セラミックス層1
と、金属層2と、これらセラミックス層1と金属層2と
の間の混合組成中間層3とを備えている。混合組成中間
層3は、金属の成分とセラミックスの成分とを混合して
なる組成を有するものであり、その組成は、金属層2に
近い部分ほどその金属の成分の含有率が高くなり、セラ
ミックス層1に近い部分ほどそのセラミックスの成分の
含有率が高くなるようにして、連続的または段階的に変
化しているものである。従って、混合組成中間層3が、
例えば、4つの部分層3A、3B、3Cおよび3Dとか
らなるものとすれば、部分層3Aは、金属の成分よりセ
ラミックスの成分を相当に多く含有するものであり、部
分層3Dは、セラミックスの成分より金属の成分を相当
に多く含有するものとなっている。
【0015】図2は、本発明の別の実施例としての金属
−セラミックス複合構造体の断面を模式的に拡大して示
す図である。図2に示すように、この実施例の金属−セ
ラミックス複合構造体は、セラミックス層1と、金属層
2および4と、これらセラミックス層1と金属層2との
間の混合組成中間層3およびセラミックス層1と金属層
4との間の混合組成中間層5とを備えている。混合組成
中間層3は、金属の成分とセラミックスの成分とを混合
してなる組成を有するものであり、その組成は、金属層
2に近い部分ほどその金属の成分の含有率が高くなり、
セラミックス層1に近い部分ほどそのセラミックスの成
分の含有率が高くなるようにして、連続的または段階的
に変化しているものである。従って、混合組成中間層3
が、例えば、4つの部分層3A、3B、3Cおよび3D
とからなるものとすれば、部分層3Aは、金属の成分よ
りセラミックスの成分を相当に多く含有するものであ
り、部分層3Dは、セラミックスの成分より金属の成分
を相当に多く含有するものとなっている。
【0016】同様に、混合組成中間層5は、金属の成分
とセラミックスの成分とを混合してなる組成を有するも
のであり、その組成は、金属層4に近い部分ほどその金
属の成分の含有率が高くなり、セラミックス層1に近い
部分ほどそのセラミックスの成分の含有率が高くなるよ
うにして、連続的または段階的に変化しているものであ
る。従って、混合組成中間層5が、例えば、4つの部分
層5A、5B、5Cおよび5Dとからなるものとすれ
ば、部分層5Aは、金属の成分よりセラミックスの成分
を相当に多く含有するものであり、部分層5Dは、セラ
ミックスの成分より金属の成分を相当に多く含有するも
のとなっている。
【0017】本発明は、図1および図2に模式的に示し
た構造に限らず、セラミック層と金属層とを間に混合組
成中間層を介在させて、任意数繰り返し積層してなるよ
うな金属−セラミックス複合構造体をも含むものであ
る。
【0018】このように、本発明の金属−セラミックス
複合構造体は、金属とセラミックスを接合した構造の従
来の金属−セラミックス複合構造体と比較し、金属とセ
ラミックスの両者の組成が連続的あるいは段階的に変化
する混合組成中間層を有し、金属とセラミックスの両者
の物性が連続的あるいは段階的に変化する界面構造によ
り、特にヒートショックやヒートサイクルに対し、物性
の異なる金属とセラミックスの界面で発生する熱応力を
緩和でき耐久性及び信頼性に優れる。
【0019】後述するような具体的実施例からも明らか
になるように、本発明は、このような金属−セラミック
ス複合構造体の製造方法をも提供するものであるが、こ
れらの本発明の金属−セラミックス複合構造体及びその
製造方法は、本発明者等が鋭意研究を重ねた結果完成さ
れたものである。すなわち、本発明に使用されるセラミ
ックスは、アルミナ及び/または酸窒化アルミニウム及
び/または窒化アルミニウム及び/または窒化ホウ素か
らなり、各種のセラミックスの中で、熱伝導率が高く、
また放熱性が高い。これらに使用されるセラミックス基
材には、不可避不純物の他、焼結助剤が含まれていても
さしつかえない。
【0020】例えば、アルミナに対しては、MgO、C
aO、SiO2 、Y2 3 、BaO、Cr2 3 等があ
げられ、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムに対し
ては、CaO、BaO、SrO、CaCO3 、BaCO
3 、SrCO3 、アルミン酸カルシウム、Y2 3 、L
2 3 、CeO2 等があげられる。窒化ホウ素に対し
ては、B2 3 、CaO等があげられる。
【0021】これらのセラミックス基材は、プレス成形
法、静水圧成形法(CIP)、シート成形法、押し出し
成形法、鋳込み成形法、射出成形法等のセラミックスの
一般的な粉末成形法によって成形される。成形体は、通
常最適な焼結温度にて焼結される。場合によっては、加
圧成形と焼結を同時に行うホットプレスやHIP等によ
り成形、焼結される。
【0022】金属とセラミックスの両者の組成が連続的
あるいは段階的に変化する混合組成中間層は、通常、前
述したようなセラミックス成形基体上あるいは焼結体の
基体上か、もしくは、それぞれの両側に形成される。な
お、混合組成中間層のセラミックス組成は、セラミック
ス基材の組成と必ずしも同一でなくともよい。例をあげ
れば、窒化アルミニウムの基材に対して混合組成中間層
の連続的あるいは段階的に変化するセラミックス組成と
して、アルミナや酸窒化アルミニウムを選択してもさし
つかえない。
【0023】また、セラミックス基体と金属の焼結温度
が近似している場合や、原料粉末の粒度や焼結性及び焼
結助剤の選択により、両者の焼結温度を近似させること
ができる場合においては、焼成によりセラミックス基体
となるセラミックス粉末成形体(グリーン成形体)上、
あるいは両側に混合組成中間層を形成し、その上に形成
された金属層とともに同時焼成、同時焼結される。
【0024】また、焼結されたセラミックス基体上(も
しくは両側)に、金属とセラミックスの両者の組成が連
続的あるいは段階的に変化する混合組成中間層を形成
後、場合によりその上に金属層を形成した後、必要に応
じ焼成を行い、混合組成中間層及び金属層を焼結させ
る。
【0025】また、上記した混合組成中間層を有する金
属−セラミックス構造体の焼結方法として、成形構造体
に直接電圧を加え、粉体粒子間に放電プラズマを起こし
通電加熱して焼結を行なうプラズマ活性化焼結法も有効
な手法としてあげられる。
【0026】本発明の金属−セラミックス複合構造体の
混合組成中間層に含有される金属及び金属部分には、主
として銅またはニッケルまたはモリブデンまたはモリブ
デン−マンガンまたはタングステンからなる金属が使用
される。前述した金属に積層、あるいは様々の接合法に
より、金属銅層を形成させたり、ニッケルに対しては、
ニッケルを含有する銅、タングステンに対しては、タン
グステンを含有する銅、モリブデンあるいはモリブデン
−マンガンに対しては、モリブデンあるいはモリブデン
−マンガンを含有する銅を形成させることができる。接
合方法の例としては、各種ろう材を用いる方法やTi、
Nb、Ta、Zrのような活性金属元素を含有するAg
−Cu、Ag−Niろう材を使用したり、いわゆる活性
金属法等があげられる。
【0027】金属の中で、主として、銅からなる金属に
は、銅または銅合金があげられ、無酸素銅が好ましい。
また、ニッケルを含有する銅、タングステンを含有する
銅、モリブデンあるいはモリブデン−マンガンを含有す
る銅としては、Niスケルトン中、Wスケルトン中、M
oあるいはMo−Mnスケルトン中に銅を含浸したCu
−Ni、Cu−W、Cu−Mo、Cu−Mo−Mn合金
があげられる。この場合、セラミックス基体に形成した
混合組成中間層上に形成されたNiスケルトンあるいは
WスケルトンあるいはMoスケルトンあるいはMo−M
nスケルトン中へ、銅を含浸することもできる。
【0028】金属とセラミックスの両者の組成が連続的
あるいは段階的に変化する混合組成中間層には、これら
の金属とセラミックスの成分に加えて、セラミックスの
焼成助剤成分として、MgO、CaO、SiO2 、Y2
3 、BaO、Cr2 3 、SrO、La2 3 、Ce
2 、B2 3 、あるいはこれら各成分同志の複酸化物
(例、アルミン酸カルシウム等)や、接合用ろう材成分
として、Ag、Ni、Nb、Ti、Zr、Fe、Ta及
びこれらの酸化物(AgO、NiO、CuO、Cu
2 O、TiO2 、ZrO2 、NbO、TaO、WO2
MoO)及びこれらの化合物の他、Mn、MnO等が含
有されていてもよい。
【0029】混合組成中間層は、金属とセラミックスの
組成が連続的あるいは段階的に変化するように、スパッ
タリングやイオンプレーティングあるいは溶射法の他、
噴霧状としてスプレーしたり、あるいは塗布したり、両
者の組成を変えた混合ペーストを順次印刷積層する等の
方法によって形成される。
【0030】以上に説明した金属−セラミックス複合構
造体において、金属層あるいは金属面に回路パターンを
形成することにより、半導体実装用回路基板として有用
なものとなる。
【0031】次に、本発明のいくつかの具体的実施例に
ついて説明する。
【0032】(具体的実施例1)
【0033】板厚0.635mm、寸法50.8×50.8mmの
アルミナ基板に、溶射前にアルミナグリッドによるブラ
スト処理を施した後、減圧プラズマ溶射装置を用い、ア
ルミナ粉末と銅粉末の個別の粉末フィーダを用いてアル
ミナの粉末供給量を徐々に減少させるとともに、銅の供
給量を零から徐々に増加させ、最後はアルミナ粉末供給
量を零とし、銅のみを供給するプラズマ溶射をAr雰囲
気減圧下で行った。その結果、アルミナ基板より、アル
ミナ含有量と銅の含有量が連続的に変化し、表層の金属
銅に至る混合組成中間層が連続的に変化し、表層の金属
銅に至る混合組成中間層を有する金属−セラミックス複
合構造体を得た。
【0034】(具体的実施例2)
【0035】CuO 3重量%、TiO2 3重量%、B
2 3 0.3重量%、MgO 0.2重量%含有し、残部が
Al2 3 であるアルミナ粉末(平均粒径0.2μm)
に、テルピネオール及びエチルセルロースを含有するビ
ヒクルを添加し、3本ロールミルで混練し調製したアル
ミナペーストAと、銅粉末(平均粒径2μm) に前記
ビヒクルを添加して3本ロールミルで混練し調製した銅
ペーストFと、この両者の粉末を4:1、3:2、2:
3、1:4の比で含有するアルミナ−銅ペーストB、
C、D、Eとを準備した。板厚0.635mm、寸法25.4
×25.4mmのアルミナ基板の上下両面に上記のアルミナ
ペーストAとアルミナ−銅ペーストB、C、D、Eおよ
び銅ペーストFを約15μmの厚さでスクリーン印刷
後、80°Cで乾燥するプロセスを順次繰り返して印刷
積層後、Ar中にて1100°Cで焼結した。得られた
構造体は、アルミナ基板の両面に段階的に銅の含有量が
増大し、表層の金属銅にいたる混合組成中間層を有する
金属−セラミックス複合構造体であった。
【0036】(具体的実施例3)
【0037】アルミナ基板を板厚0.635mm、寸法25.
4×25.4mmの窒化アルミニウム基板に替えたことを除
いて、具体的実施例2と同様にして窒化アルミニウム基
板の両面に段階的に銅の含有量が増大し、表層の銅にい
たる混合組成中間層を有する金属−セラミックス複合構
造体を得た。
【0038】(具体的実施例4)
【0039】板厚0.635mm、寸法25.4×25.4mmの
アルミナ基板の上下両面に具体的実施例2のアルミナ−
銅ペーストB、C、D、Eを約15μmの厚さでスクリ
ーン印刷後、80°Cで乾燥するプロセスを順次繰り返
し、印刷積層した。印刷積層したアルミナ基板は、Ar
中にて1100°Cで焼成した。次に、Ag粉末(平均
粒径1.5μm)45重量%、Cu粉末(平均粒径1.5μ
m)45重量%、Ti粉末(平均粒径20μm)10重
量%をアトライターにて粉砕混合後、エチルセルロース
とテルピネオールを含有するビヒクルを加え、3本ロー
ルミルで混練し、Ag−Cu−Ti活性金属ろう材ペー
ストGを調製した。前記のアルミナ−銅ペーストB、
C、D、Eを印刷積層し焼成した構造体に対し、調製し
たAg−Cu−Ti活性金属ろう材ペーストGを20μ
mの厚さでスクリーン印刷した後、0.2mm厚の銅板を重
ねて900°C真空中にてこれを接合し、金属−セラミ
ックス複合構造体を得た。
【0040】一方、比較例として、同材質、同寸法のア
ルミナ基板に前記Ag−Cu−Ti活性金属ろう材ペー
ストGを用い、同様なプロセスで銅板を接合した銅接合
アルミナ基板を用意した。
【0041】本発明の金属−セラミックス複合構造体と
比較例の銅接合アルミナ基板を繰り返し熱衝撃試験機に
投入し、−55°Cに30分保持後、150°Cに加熱
し、30分保持する一連の工程を1サイクルとしてこの
サイクルを繰り返す熱衝撃試験に供した。なお、試験温
度の保持は、大気を冷却あるいは加熱し、試験体が投入
されている試験機に低温または高温の空気を送り込むこ
とにより調節した。この結果、比較例の銅接合アルミナ
基板は、50サイクル後に基板に割れが発生したが、本
発明の金属−セラミックス複合構造体は、500サイク
ル後も割れの発生は認められなかた。
【0042】(具体的実施例5)
【0043】4重量%のY2 3 を添加したAlN粉末
(平均粒径1.9μm)とW粉末(平均粒径1.3μm)の
両者の割合が4:1、3:2、2:3、1:4の比で混
合された粉末に、エチルセルロースおよびテルピオネオ
ールを含有するビヒクルを添加し、三本ロールミルで混
練し、AlN−WペーストH、I、J、KおよびWのみ
からなるWペーストLを調製した。AlN粉末(平均粒
径1.9μm)に4重量%のY2 3 (平均粒径1.2μ
m)を添加して、メタクリル酸エステル樹脂を加え、ド
クターブレード法により成形した厚さ0.8mmの窒化アル
ミニウムグリーンシートを45×45mmに切断した。こ
のグリーンシートに対し、その上下両面に前記のAlN
−WペーストH、I、J、Kを約15μmおよびWペー
ストLを20μmの厚さで印刷後80°Cで乾燥するプ
ロセスを順次繰り返し、AlN−WペーストH、I、
J、K、WペーストLを印刷積層したグリーンシートを
得た。この印刷積層グリーンシートをN2 ガス中で17
80°Cにて焼成した。得られた構造体は、窒化アルミ
ニウム基板の両面に段階的にタングステン金属含有量が
増大し、表層のタングステンにいたる混合組成中間層を
有する金属−セラミックス複合構造体であった。
【0044】(具体的実施例6)
【0045】具体的実施例5と同様にして窒化アルミニ
ウムグリーンシートに、具体的実施例5のAlN−Wペ
ーストH、I、J、Kを、約10μの厚さで印刷積層
後、その上にW粉末(粒径1.8 μm)を用いたWペース
トMおよびW粉末(粒径2.3μm)を用いたWペースト
Nを順次約15μmの厚さで印刷し、印刷積層グリーン
シートを得た。この印刷積層グリーンシートをN2 ガス
中で1780°Cにて焼成した。得られた構造体は、窒
化アルミニウム基板の両面に段階的にタングステン含有
量が増大し、表層のタングステンにいたる混合組成中間
層を有する金属−セラミックス複合構造体であり、タン
グステン層は、吸水する程度の微妙な空孔を有してお
り、下層よりも上層の方が気孔率が大きい2層構造から
なるポーラス層を形成していた。得られた構造体のタン
グステン層上にCu粉末(平均粒径3μm)にビヒクル
を添加後三本ロールミルで混練調製したCuペーストを
20μmの厚さで印刷した後、板厚0.2mmのCu板を重
ねて1200°Cに加熱した。得られた構造体は、窒化
アルミニウム基板の両面に段階的にタングステン含有量
が増大する混合組成中間層を有し、また、混合組成中間
層の外層のタングステン層には、銅が含浸したW−Cu
合金が形成されると同時に、Cu板が強固に接着されて
いることがわかった。
【0046】以上種々説明した本発明の具体的実施例か
らも明らかであるが、本発明によって得られる金属−セ
ラミックス複合構造体の構造例をまとめると、添付図面
の図3の如き組合せ例が考えられる。
【0047】
【発明の効果】前述したように、本発明の金属−セラミ
ックス複合構造体は、金属層とセラミックス層との間
に、金属及びセラミックスの両者組成が連続的あるいは
段階的に変化する混合組成中間層を介在させるようにし
たので、周囲の温度変化や繰り返し熱衝撃が加わるよう
なヒートサイクルに対して発生する熱応力を緩和でき
る。このため、繰り返し耐熱衝撃性に優れ、電子部品、
その他の製品としてその信頼性を一段と高めることがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金属−セラミックス複合構
造体の断面を模式的に示す拡大断面図である。
【図2】本発明の別の実施例の金属−セラミックス複合
構造体の断面を模式的に示す拡大断面図である。
【図3】本発明によって得られる金属−セラミックス複
合構造体の構造例をまとめて示す表を示す図である。
【符号の説明】
1 セラミックス層 2 金属層 3 混合組成中間層 4 金属層 5 混合組成中間層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属層とセラミックス層との間に、金属
    の成分とセラミックスの成分とを混合してなる組成を有
    する混合組成中間層を有しており、該混合組成中間層の
    組成は、前記金属層に近い部分ほどその金属の成分の含
    有率が高くなり、前記セラミックス層に近い部分ほどそ
    のセラミックスの成分の含有率が高くなるようにして、
    連続的または段階的に変化していることを特徴とする金
    属−セラミックス複合構造体。
  2. 【請求項2】 前記金属層は、前記セラミックス層の両
    側に設けられている請求項1記載の金属−セラミックス
    複合構造体。
  3. 【請求項3】 前記金属層は、銅またはニッケルまたは
    タングステンまたはモリブデンまたはモリブデン−マン
    ガンからなり、前記セラミックス層は、アルミナまたは
    酸窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムまたは窒化
    ホウ素からなる請求項1または請求項2記載の金属−セ
    ラミックス複合構造体。
  4. 【請求項4】 前記金属層の上に、主として銅からなる
    金属を有するか、または主として銅からなる金属を接合
    により形成せしめた請求項1または2または3記載の金
    属−セラミックス複合構造体。
  5. 【請求項5】 前記金属層がニッケルまたはタングステ
    ンまたはモリブデンまたはモリブデン−マンガンの場合
    に、それぞれ、ニッケルを含有する銅またはタングステ
    ンを含有する銅またはモリブデンを含有する銅またはモ
    リブデン−マンガンを含有する銅を、前記金属層の上
    に、有するか、または接合により形成せしめた請求項1
    または2または3記載の金属−セラミックス複合構造
    体。
  6. 【請求項6】 前記金属層が回路を有し、前記セラミッ
    クス層が半導体実装用の基板である請求項1から請求項
    5のうちのいずれかに記載の金属−セラミックス複合構
    造体。
  7. 【請求項7】 セラミックス基板を準備し、該セラミッ
    クス基板の少なくとも一方の面に対して、セラミックス
    粉末と金属粉末とを用いたプラズマ溶射を行い、この際
    に、セラミックス粉末の供給量を徐々に減少させると共
    に、金属粉末の供給量を徐々に増加させ、最後は、セラ
    ミックス粉末の供給量を実質的に零とし、金属粉末の供
    給のみとすることを特徴とする金属−セラミックス複合
    構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 セラミックス基板を準備し、セラミック
    ス粉末を主成分とするセラミックスペーストと、金属粉
    末を主成分とする金属ペーストと、前記セラミックス粉
    末と前記金属粉末とをそれぞれ異なる比率にて含む複数
    の種類のセラミックス−金属ペーストとを準備し、前記
    セラミックス基板の少なくとも一方の面に対して、先
    ず、前記セラミックスペーストを所定の厚さに印刷し、
    次いで、該セラミックスペーストの印刷層の上に、前記
    複数の種類のセラミックス−金属ペーストを、金属粉末
    の含有量の少ない順に、所定の厚さに印刷積層し、最後
    に、前記金属ペーストを印刷積層した後、焼結すること
    を特徴とする金属−セラミックス複合構造体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 セラミックスグリーンシートを準備し、
    金属粉末を主成分とする金属ペーストと、セラミックス
    粉末と前記金属粉末とをそれぞれ異なる比率にて含む複
    数の種類のセラミックス−金属ペーストとを準備し、前
    記セラミックスグリーンシートの少なくとも一方の面に
    対して、前記複数の種類のセラミックス−金属ペースト
    を、金属粉末の含有量の少ない順に、所定の厚さに印刷
    積層し、最後に、前記金属ペーストを印刷積層した後、
    焼結することを特徴とする金属−セラミックス複合構造
    体の製造方法。
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