JP3051610B2 - ベータアルミナ電解質の製造方法 - Google Patents

ベータアルミナ電解質の製造方法

Info

Publication number
JP3051610B2
JP3051610B2 JP5225040A JP22504093A JP3051610B2 JP 3051610 B2 JP3051610 B2 JP 3051610B2 JP 5225040 A JP5225040 A JP 5225040A JP 22504093 A JP22504093 A JP 22504093A JP 3051610 B2 JP3051610 B2 JP 3051610B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina
powder
lithium
starting material
beta
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5225040A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0757774A (ja
Inventor
靖彦 水流
博一 山本
敏郎 西
正和 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP5225040A priority Critical patent/JP3051610B2/ja
Publication of JPH0757774A publication Critical patent/JPH0757774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3051610B2 publication Critical patent/JP3051610B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はナトリウムイオンをキャ
リアとして作動するナトリウム−イオウ電池及びナトリ
ウム−溶融塩電池等の二次電池あるいはアルカリ金属熱
電変換電池等の固体電解質として用いるベータアルミナ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベータアルミナ電解質は高いナトリウム
イオン導電性を有するために、ナトリウムイオンをキャ
リアとする各種電池の電解質として利用されている。そ
して、この電池は電池の内部抵抗のかなりの部分を占め
るため、低抵抗でかつ高強度を示す緻密焼結体が望まし
く、また焼結を行う高温時、例えば1700℃で揮発し
やすいナトリウムを含有するために、なるべく低温で焼
結する方が望ましい。またベータアルミナにはβ−アル
ミナ(理論組成Na2 O・11Al2 3 )及びβ″−
アルミナ(理論組成Na2 O・5.3Al2 3 )とい
う2種類の結晶形が存在し、β″−アルミナの方が導電
性が高く電池として高性能を示すため、実用的にはβ″
−アルミナあるいはβ″−アルミナとβ−アルミナの混
合物のものが多用されている。
【0003】従来のベータアルミナの製造法は特公昭5
7−15063号公報にみられるように、アルミナと炭
酸ナトリウムを混合後焼成して得たβ−アルミナとβ″
−アルミナの混合物の仮焼粉と、アルミナと炭酸リチウ
ムを混合後焼成して得たゼータアルミナ(理論組成Li
2 O・Al2 3 )の結晶相を示す仮焼粉を再度混合
し、成型して焼結後にβ″−アルミナを得るという方法
である。この方法は混合前の仮焼粉にゼータアルミナを
用いることからゼータプロセスとよばれている。
【0004】さらに、上記公報の中にはナトリウムとリ
チウムの水溶性塩(例えば硝酸塩、硫酸塩、塩化物等)
の溶液とアルミナ粉体のスラリを混合後、乾燥・仮焼し
て、その後β″−アルミナ焼結体を得る方法が記載され
ている。しかしながら、この方法については詳細な実施
例は全く示されておらず、良好な電解質が得られるかど
うかは明かではない。
【0005】また、特公昭55−90470号公報に
は、非水溶媒に可溶なアルミニウム、ナトリウム及びリ
チウムのアルコキシドを加水分解後に乾燥・仮焼操作を
行い、焼成してベータアルミナを得る方法が記載されて
いる。さらに、公知の方法であるが、アルミニウム、ナ
トリウム及びリチウムの3種の粉末原料を同時に乾式あ
るいは湿式で混合後、仮焼してベータアルミナを得る方
法がある。
【0006】また、本発明者等は非水溶媒に、アルミニ
ウム出発原料粉末、ナトリウムの出発原料粉末と、一部
あるいは全量を上記非水溶媒に溶解する有機リチウム化
合物としたリチウムの出発原料とを混合してスラリを調
製し、該スラリの乾燥粉を成型後、焼結するという簡便
な方法において、アルミナ原料の一次粒子径を制御する
ことで従来法と同等以上の導電性及び強度を示すベータ
アルミナの電解質の製造方法を提案した。(特願平4−
200116号)
【0007】さらに、本発明者等は非水溶媒に、アルミ
ニウム出発原料粉末、ナトリウムの出発原料粉末と、一
部あるいは全量を上記非水溶媒に溶解する有機リチウム
化合物としたリチウムの出発原料とを混合してスラリを
調製し、該スラリを仮焼・粉砕・成型後、焼結するとい
う簡便な方法において、特性に及ぼすアルミナ原料の影
響を低減させ、従来法と同等以上の特性を示すベータア
ルミナの電解質を再現性よく製造する方法を提案した。
(特願平4−207610号)さらに、又、本発明者等
はアルミニウム出発原料とナトリウム出発原料を混合・
仮焼してベータアルミナの仮焼粉を調製後、上記仮焼粉
と溶媒に可溶性のリチウムの出発原料とを混合してスラ
リを調製し、該スラリを乾燥・粉砕・成型後、焼結する
ことを特徴とするという簡便な方法において、特性に及
ぼすアルミナ原料の影響を低減させ、従来法と同等以上
の特性を示すベータアルミナの電解質を再現性よく製造
する方法をも提案した。(特願平4−227814号)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭57−15
063号公報の最も一般的な従来法では、製品における
酸化リチウムの量が0.75重量%と非常に少ないため
に、ゼータアルミナというリチウムがアルミナ中に分散
した仮焼粉を用いて最終的にβ″−アルミナ中に分散さ
せようとするものである。該従来法のゼータプロセスで
は2種類の仮焼粉を調製後、粉砕・混合して焼結を行う
ため、混合工程が3回及び仮焼工程が2回と工程が複雑
となり製品のコストアップをもたらす。さらに、上記公
報に記載してある水溶性の塩を用いる方法では、上記ゼ
ータプロセスよりもコスト的に安価であるが、仮焼する
際に特にナトリウムの水溶性塩の量が多いため、有害な
ガス{例えば窒素酸化物(NOx)あるいは硫黄酸化物
(SOx)}が発生するばかりでなく、仮焼あるいは焼
結の温度でも不揮発な塩(塩化物等)を生成する可能性
がある。また、該公報では具体的実施例が記載されてい
ないため、本発明者等が追試を行った結果、水溶性の塩
を用いる方法では、異常粒成長が激しく(100μm以
上)、導電性の面を除き、電池に供する電解質としての
強度及び耐久性に関して非常に劣るものであることを確
認した。
【0009】また、特公昭55−90470号公報の3
成分の原料に可溶性のアルコキシドを用いる方法では、
先ず原料のコストがかなり高くなる。また3成分を溶解
させるため、溶液中の成分は10重量%程度であり、通
常の粉体を使用するスラリが60から90重量%である
ことから判断し、溶媒を含めた原料の歩留まりが悪い。
さらに、この方法は加水分解速度がかなり遅いために、
長い熟成時間を必要とするという問題がある。さらに、
3成分に粉体の原料を用いる公知の方法では、ベータア
ルミナではない結晶相が残るあるいは異常粒成長という
問題が生じる。
【0010】また、本発明者等の提案方法(特願平4−
200116号)には、簡便な方法にて従来法と同等以
上の導電性及び強度を示すベータアルミナの電解質の製
造方法について提案しているが、該方法では、アルミナ
原料の一次粒子径及びそれに対する焼結条件の適正化を
しなければ、従来法の特性を越えず、アルミナ原料の選
択の自由度及び製品の特性の再現性等に問題がある。
【0011】さらに、本発明者等の提案方法(特願平4
−207610号)には、非水溶媒に、アルミニウム出
発原料粉末、ナトリウムの出発原料粉末と、一部あるい
は全量を上記非水溶媒に溶解する有機リチウム化合物と
したリチウムの出発とを混合してスラリを調製し、該ス
ラリを仮焼・粉砕・成型後、焼結するという簡便な方法
において、特性に及ぼすアルミナ原料の影響を低減さ
せ、従来法と同等以上の特性を示すベータアルミナの電
解質を再現性よく製造する方法を提案したが、仮焼粉の
β″−アルミナの割合(以下、β″化率と略す)が40
〜70%であり、従来法であるゼータ法のアルミナと炭
酸ナトリウムを混合後焼成して得たβ−アルミナとβ″
−アルミナの混合物の仮焼粉のβ″化率が約90%であ
るのに比較して低い値を示す。本発明者等の上記提案方
法では、仮焼粉を成型後、焼結することにより、その
β″化率はほぼ100%になることを示したが、仮焼粉
の状態でもそのβ″化率は高い方がよいことは明かであ
る。アルミナとリチウムの反応性がアルミナとナトリウ
ムの反応性より高いために、仮焼粉の状態でAl2 3
−Li2 O系複合酸化物がAl2 3 −Na2 O系複合
酸化物(β″−アルミナ及びβ−アルミナ)よりも先に
生成し、ナトリウムのアルミナ中の拡散を遅くしている
ものと思われる。このことはミクロな状態でのリチウム
の分布に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0012】また、本発明者等の提案方法(特願平4−
227814号)には、従来のβ″−アルミナの製造に
際する種々の問題の存在に鑑み、簡単で、かつ工業的に
原料の取扱い、毒性あるいは特性に問題がなく、アルミ
ニウム出発原料とナトリウム出発原料を混合、仮焼して
β″化率の高いベータアルミナの仮焼粉を調製後、上記
仮焼粉と溶媒に可溶性のリチウムの出発原料とを混合し
てスラリを調製し、該スラリを乾燥・粉砕・成型後、焼
結することでベータアルミナの焼結体を得る方法を提案
したが、これはリチウムの出発原料として溶媒に可溶性
のものに限られたものであり、リチウム出発原料の選定
あるいは溶媒の選定に大きな制限を与えることになる。
【0013】本発明は、上記技術水準に鑑み、上記提案
方法(特願平4−227814号)と同様にアルミニウ
ム出発原料とナトリウム出発原料を混合・仮焼してβ″
化率の高いベータアルミナの仮焼粉を調製後、粉砕混合
条件を適正化することにより粉末のリチウムの出発原料
を用いても溶媒に可溶性のリチウムの出発原料を用いた
ときと同程度の特性を有するベータアルミナの焼結体を
得る方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はアルミニウム出
発原料とナトリウム出発原料を十分混合した後、仮焼し
β″化率が90%以上のベータアルミナの仮焼粉を調
製後、上記仮焼粉と粉末のリチウム出発原料とを十分
砕混合してスラリを調製し、該スラリを乾燥・粉砕・成
型後、焼結してβ″化率が96%以上の焼結体とするこ
とを特徴とするベータアルミナ電解質の製造方法であ
る。
【0015】すなわち、アルミニウムとナトリウムの出
発原料を十分(例えば20時間以上)混合した後、仮焼
してβ″化率の高い(β″化率90%以上)仮焼粉を調
製した後に粉砕することにより、アルミナ出発原料(一
次粒子径、比表面積等)に起因する仮焼粉物性の差を抑
制する。その粉砕する際に粉末のリチウムの出発原料を
同時に混合し、この粉砕混合条件を適正化することによ
り、液状でリチウムを供給した時と同程度のリチウムの
仮焼粉内への分散性を得る。さらにそのスラリを乾燥・
成型後に焼結することにより拡散性の高いリチウムを反
応させることでアルミナ出発原料の物性に依存しない特
性の安定したβ″化率が96%以上のベータアルミナ電
解質を得るようにしたものである。
【0016】
【作用】本発明のベータアルミナの製造法では、仮焼粉
の状態でβ″化率の高い仮焼粉を調製することができ
る。また、β″−アルミナの結晶安定化剤であるリチウ
ム原料を混合する際の条件を適正化することにより、微
量成分である粉末のリチウム出発原料の分散性を向上さ
せることができる。また、アルミニウムとナトリウムの
仮焼粉にリチウムを高分散させて焼結させることで、
β″化率を低下させるリチウムの影響を低減させること
ができる。上記特徴によりリチウムの偏在のない高い
β″化率を示す仮焼粉を用いることで、β″−アルミナ
粒子の異常粒成長を抑制することが可能となり、焼結体
の強度あるいは耐久性等の特性を向上させることができ
る。
【0017】また、本発明のベータアルミナの製造法で
はアルミニウム及びナトリウムの粉体原料から仮焼粉を
調製後、粉末のリチウム原料とのスラリを乾燥・成型し
て焼結を行うものであるが、この方法では、最も一般的
な従来法であるゼータ法の混合工程3回及び仮焼工程2
回に対し混合工程2回及び仮焼工程1回と大幅に工程を
減らすことができる。
【0018】さらに、仮焼工程を施し、粉砕することに
より、原料アルミナの物性により変化する焼結体の特性
を安定化させることができ、アルミナ原料の選択の自由
度の増加及び焼結体の特性の安定化を図ることができ
る。
【0019】
【実施例】次に本発明を具体的な実施例により、さらに
詳細に説明する。工業的に電池としてベータアルミナ電
解質を用いる場合には、通常片端を封じたチューブ状の
焼結体を使用する。上記チューブ状の焼結体を工業的に
量産するには造粒粉を用いて成型体を作成し、それを焼
結することによって得られる。そこで、この実施例では
混合原料スラリを仮焼した後、湿式粉砕したスラリを用
いてスプレードライ法により造粒粉を作成し、それを焼
結することによりベータアルミナ電解質を得る方法につ
いてのべる。
【0020】先ず、酸化アルミニウムと炭酸ナトリウム
を、ボールミルでn−ブタノールを溶媒とし分散剤(ポ
リエチレンイミン系)を投入して混合を行った。混合時
間を2〜96時間の範囲で変化させた。その時の化学組
成はβ″−アルミナの標準的組成である酸化アルミニウ
ム:90.4重量%、酸化ナトリウム:8.85重量%
及び酸化リチウム:0.75重量%を基準に、酸化アル
ミニウム=90.4wt%:酸化ナトリウム=8.85
wt%(モル比で酸化アルミニウム:酸化ナトリウム=
6.209)になるように調製した。得られたスラリを
ロータリエバポレータで濃縮後、120℃の乾燥器にて
1昼夜乾燥させた。その乾燥物を粉砕し、500μmの
フルイを通した後、仮焼に供した。仮焼は5℃/min
で昇温後、1250℃で2時間保持し、5℃/minで
降温するものとした。
【0021】得られた仮焼粉の混合時間とβ″−アルミ
ナの生成率(β″化率)の関係を図1に示す。ここで
β″化率は以下の式で定義した。 β″化率=Iβ″(0210) ×100 /Iβ″(0210) +I
β(017) 但し、Iβ″(0210) はβ″−アルミナの(0210) ピー
ク高さ、Iβ(017)はβ−アルミナの(017)ピーク高さ
である。図1より酸化アルミニウム及び酸化ナトリウム
の仮焼粉のβ″化率は混合時間が2時間では70%程度
であるが20時間以上でβ″化率が90%となり、それ
以上混合時間を長くしてもβ″化率は90%から向上し
ない。従って、混合時間は少くとも20時間にすること
が望ましい。
【0022】得られた仮焼粉は粒成長しているため、焼
結性を向上させるために粉砕する必要がある。この粉砕
を行う際にLi2 CO3 を酸化物ベースでβ″−アルミ
ナの標準組成になるように添加し、n−ブタノールを溶
媒とし、分散剤を添加して混合した。ここで混合時間を
2,20,48,96時間と変化させた。さらにスプレ
ードライに供するためにn−ブタノールを用いて希釈し
100cp程度に粘度調整を行い、その混合スラリを2
時間混合して、合計4種類のスラリを調製した。その
後、スプレードライにて4種類の造粒粉を調製した。そ
の操作条件は室温とし、ディスクの回転数を14000
rpmとした。得られた造粒粉の粒径は平均粒径で80
〜100μmの球状のものであった。
【0023】その造粒粉を用いて、20mmφの円形金
型を用いて、一軸圧100kg/cm2 で成型し、さら
にそれをラバーに入れて、CIP(冷間静水圧加圧)で
1.5t/cm2 の圧力にて5分間保持して成型体とし
た。得られた成型体を5℃/minの昇温速度で昇温
し、1600℃で10分保持後、1450℃で5時間の
アニール処理を施して焼結体を作製した。
【0024】図2に4種類の焼結体のβ″化率と粉砕混
合時間の関係を示す。これより粉砕混合時間が20時間
以上でβ″化率は96%を越え、48時間以上では98
%以上となる。またこのときの密度は3.18g/cm
3 以上で、相対密度は97%以上(理論密度=3.28
g/cm3 )であった。従って、粉砕混合時間を20時
間以上、より好ましくは48時間以上とすることでβ″
化率の高い焼結体を得ることがでぎる。
【0025】混合時間20時間、粉砕混合時間48時間
で作製した本発明の試料、溶媒に可溶性のリチウムの出
発原料(Li−ブトキシド)を用いて作製した試料、従
来法であるゼータ法で作製した試料の300℃における
導電率を表1に示す。3種類の試料の導電率はいずれも
0.2Scm-1前後とほぼ同じ値を示した。
【0026】
【表1】
【0027】上記2種類(本発明及びゼータ法)の焼結
体研磨面を熱燐酸(160℃)で1分間エッチングした
組織をそれぞれ図3、図4に示す。これらの図より、そ
の組織は図3(本発明)の方が、図4(ゼータ法)より
も微細な組織をしていることがわかる。
【0028】ベータアルミナは、組織が粗大(粒成長)
な程、その導電率は増加するが、その強度は低下すると
いう一般的な傾向をもつ。そのため、ほぼ同じ導電率を
示す本発明の実施例の3種類の焼結体の中で、最も微細
な組織を示す本発明の焼結体が強度が高く、電池として
の耐久性が優れていることを示す。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば従
来法により調製したものと比較して、導電性を低下させ
ずに微細な組織をもつベータアルミナを従来法よりも簡
便な方法により調製することができ、電池用電解質とし
ての耐久性が向上する。また、アルミナ原料の種類によ
らず再現性のある特性をもち、かつ酸化リチウム量によ
る特性の変化の少ないβ″−アルミナを調製できるた
め、工業的な製法による電池用電解質としての信頼性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における仮焼粉のβ″化率と混
合時間の関係を示す図表。
【図2】本発明の実施例における焼結体のβ″化率と粉
砕混合時間の関係を示す図表。
【図3】本発明の実施例における焼結体のミクロ組織を
示す光学顕微鏡写真。
【図4】本発明の実施例における従来法(ゼータ法)に
より作製した焼結体のミクロ組織を示す光学顕微鏡写
真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 敏郎 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社 基盤技術研究 所内 (72)発明者 宮地 正和 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社 基盤技術研究 所内 (56)参考文献 特開 昭52−140512(JP,A) 特開 昭55−90470(JP,A) 特開 平2−14873(JP,A) 特開 平3−174317(JP,A) 特開 平3−174352(JP,A) 特開 平2−209177(JP,A) 特開 平3−272664(JP,A) 特開 平4−207610(JP,A) 特開 平4−240184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/39 C04B 35/113

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム出発原料とナトリウム出発
    原料を十分混合した後、仮焼してβ″化率が90%以上
    ベータアルミナの仮焼粉を調製後、上記仮焼粉と粉末
    のリチウム出発原料とを十分粉砕混合してスラリを調製
    し、該スラリを乾燥・粉砕・成型後、焼結してβ″化率
    が96%以上の焼結体とすることを特徴とするベータア
    ルミナ電解質の製造方法。
JP5225040A 1993-08-19 1993-08-19 ベータアルミナ電解質の製造方法 Expired - Fee Related JP3051610B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5225040A JP3051610B2 (ja) 1993-08-19 1993-08-19 ベータアルミナ電解質の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5225040A JP3051610B2 (ja) 1993-08-19 1993-08-19 ベータアルミナ電解質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0757774A JPH0757774A (ja) 1995-03-03
JP3051610B2 true JP3051610B2 (ja) 2000-06-12

Family

ID=16823109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5225040A Expired - Fee Related JP3051610B2 (ja) 1993-08-19 1993-08-19 ベータアルミナ電解質の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3051610B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0757774A (ja) 1995-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108417889B (zh) 一种锂镧锆氧基氧化物粉体的制备方法
KR101317546B1 (ko) 산화 인듐 분말 및 그 제조 방법
CN112851344B (zh) 一种中介电常数微波介质陶瓷及其制备方法
CN114349493B (zh) 一种铜离子掺杂硅酸钙微波介质陶瓷及其制备方法
KR20040066118A (ko) 고체산화물 연료전지용 복합산화물 및 그 제조방법
JP2004503054A5 (ja)
KR20230147153A (ko) 조밀한 그린 테이프, 그 제조방법 및 용도
JP3051610B2 (ja) ベータアルミナ電解質の製造方法
JP3009566B2 (ja) ベータアルミナ電解質
JP2961021B2 (ja) ベータアルミナ電解質の製造方法
KR102424492B1 (ko) 나노 판상 알루미나의 제조방법
CN110357628B (zh) 一种Ca5Mg4-xCox(VO4)6低温烧结微波陶瓷材料及其制备方法
JP2000113898A (ja) LaGaO3系粉末の製造方法及びLaGaO3系焼結体の製造方法
JP2000195531A (ja) α―アルミン酸リチウムおよびその製造方法、溶融炭酸塩型燃料電池電解質保持材
JPH1087372A (ja) セラミック材料粉末の製造方法
JPH0656513A (ja) ベータアルミナ電解質の製造方法
JP2722680B2 (ja) チタン酸アルミニウム質焼結体の製造方法
JPH05186260A (ja) ベータアルミナ電解質の製造方法
JPH05208863A (ja) 固体電解質用高密度焼結体の製造方法
JP3586556B2 (ja) ベータアルミナ電解質の製造方法
WO2024135596A1 (ja) ケイリン酸リチウム粉末組成物の製造方法
JPH05844A (ja) 耐熱導電性焼結体
JPH11154414A (ja) ベータアルミナ電解質及びその製造方法
JPH1149562A (ja) ベータ・アルミナセラミックスの製造方法
JPH09221356A (ja) ベ−タ・アルミナ焼結体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19991130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000229

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees