JP3049784B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JP3049784B2
JP3049784B2 JP3018339A JP1833991A JP3049784B2 JP 3049784 B2 JP3049784 B2 JP 3049784B2 JP 3018339 A JP3018339 A JP 3018339A JP 1833991 A JP1833991 A JP 1833991A JP 3049784 B2 JP3049784 B2 JP 3049784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リアリレート樹脂の優れた物理的特性、機械的性質を維
持し、特に摺動特性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造
方法に関するものであり、電気および電子機械部品、精
密機械部品、自動車部品などの広い分野で使用され得る
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂
は機械特性、電気特性、生産性、耐腐食性、軽量性など
に優れているため金属代替の工業材料として広く使用さ
れている。
【0003】なかでも、ポリフェニレンエーテル系樹脂
は耐熱性、難燃性、電気特性に優れ、特にポリフェニレ
ンエーテル系樹脂とスチレン系重合体からなる混合物は
成形性にも優れるので、電気、電子部品、自動車部品、
機械部品等の工業用部品に広く使用されている。しかし
ながら、ポリフェニレンエーテル系樹脂は耐摩擦摩耗性
が悪く、摩擦摩耗のかかる摺動性分野への適用はできな
かった。そこで、摩擦摩耗のかかる分野において使用す
る場合には何らかの方法で摺動性を改良することが必要
となる。
【0004】ポリフェニレンエーテル系樹脂の摺動特性
を向上させることを目的としては、特開昭60−186
560号公報にポリフェニレンエーテル系樹脂にポリア
ミドエラストマーを配合して摩擦摩耗特性を向上させる
方法が開示されている。
【0005】また、スチレン系樹脂は成形性、機械特
性、電気特性、寸法精度に優れているが、スチレン系樹
脂自体が非晶性であるため動摩擦係数が大きいうえ、摩
耗量も多いので摺動性が要求される分野には使用できな
いという問題点があった。したがって、スチレン系樹脂
の摺動特性を改善することが可能となれば、前記のスチ
レン系樹脂の成形時の優れた寸法精度、良好な成形性を
生かした摺動部品を得ることが可能となり様々な分野へ
の応用展開が可能となる。
【0006】スチレン系樹脂の摺動特性を向上させるこ
とを目的として、特開昭63−182361号公報にゴ
ム変性スチレン系樹脂にポリオレフィン、スチレン−オ
レフィングラフトもしくはブロック共重合体、ジメチル
シリコーンをブレンドする方法、また、特開平1−20
1351号公報にはスチレン系樹脂に、シリコーンオイ
ル、スズ系安定剤をブレンドする方法が開示されてお
り、それぞれ摺動性に優れたスチレン系樹脂が得られる
ことが示されている。
【0007】また、ポリカーボネート樹脂は靭性、可撓
性、衝撃強度等の機械特性、耐熱性、電気特性等の物理
的特性、成形品の寸法精度等に優れているので工業用部
品、各種ハウジング等に広く使用されている。しかしな
がら、ポリカーボネート樹脂は自己潤滑性がなく溶融限
界PV値が低いため、摺動特性を要求される分野には使
用できない場合が多く、用途に大きな制限があった。し
たがって、ポリカーボネート樹脂の摺動特性を改善する
ことが可能となれば、前記のポリカーボネート樹脂の物
理的特性、機械的性質、寸法精度等の優れた特長を有す
る摺動部品を得ることが可能となり様々な分野への応用
展開が可能となる。
【0008】ポリカーボネート樹脂の摺動特性を向上さ
せることを目的として、特開昭62−253651号公
報に、芳香族ポリカーボネート樹脂に部分的にフッ素化
されたポリオレフィンをブレンドする方法、また特開昭
63−162756号公報には芳香族ポリカーボネート
樹脂にフッ素化されたポリオレフィン、ポリオレフィ
ン、シリコーン流体をブレンドする方法が開示されてお
り、それぞれ摩耗耐性に優れたポリカーボネート樹脂が
得られることが示されている。
【0009】また、ポリアリレート樹脂は、耐熱性、難
燃性に優れるので、電気、電子部品、自動車部品、機械
部品等の工業用部品に広く使用されている。しかしなが
ら、ポリアリレート樹脂は自己潤滑性を有するものの、
摩擦摩耗のかかる分野へ適用するには摩擦摩耗特性が不
足しているため、何らかの方法で摺動性を付与すること
が必要となる。
【0010】ポリアリレート樹脂の摺動特性を向上させ
ることを目的として、例えば特開昭59−179662
号公報には、ポリアリレート樹脂に潤滑油、潤滑油担
体、雲母、固体潤滑剤を配合して摩擦摩耗特性を向上さ
せる方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリフ
ェニレンエーテル系樹脂において、特開昭60−186
560号公報に開示された方法では、比摩耗量の低減す
なわち摩耗特性については改善されるものの、摩擦係数
の低下についてはほとんど効果がないという問題点があ
った。このように従来のポリフェニレンエーテル系樹脂
の摺動特性を向上させる方法では、ポリフェニレンエー
テル系樹脂の特徴を維持したうえで、摺動性が要求され
る用途に使用されうるポリフェニレンエーテル系樹脂が
得られていない。
【0012】また、スチレン系樹脂において、特開昭6
3−182361号公報のようにポリオレフィン樹脂、
スチレン−オレフィングラフトもしくはブロック共重合
体、ジメチルシリコーンをブレンドする方法では、摺動
性はある程度改善されるものの、得られたスチレン系樹
脂の機械的物性が低下するうえ、成形時の層状剥離現象
やブリード現象等の問題点があった。
【0013】また、特開平1−201351号公報のよ
うにシリコーンオイル、スズ系安定剤をブレンドする方
法では、従来のものより成形時のヤケ現象はある程度改
善されるが未だ十分なものとは言えない。このように従
来のスチレン系樹脂の摺動特性を向上させる方法では、
スチレン系樹脂の特徴を維持したうえで、摺動性が要求
される用途に使用されうるスチレン系樹脂が得られてい
ない。
【0014】また、ポリカーボネート樹脂において、特
開昭62−253651号公報、特開昭63−1627
56号公報のようにフッ素化されたポリオレフィン単独
をブレンドする方法や、フッ素化されたポリオレフィ
ン、ポリオレフィン、シリコーン流体をブレンドする方
法では、ポリカーボネート樹脂の摩耗耐性は改善される
ものの、フッ素化されたポリオレフィン、ポリオレフィ
ン、シリコーン流体などとポリカーボネート樹脂との相
溶性がないため、ポリカーボネート樹脂の優れた物理的
特性、機械的性質が損なわれてしまうばかりか、得られ
た成形品がブリード現象や層状剥離現象を起こしたり、
金型への転写現象を起こしたりするという問題点があっ
た。このように従来のポリカーボネート樹脂の摺動特性
を向上させる方法では、ポリカーボネート樹脂の特徴を
維持したうえで、摺動性が要求される用途に使用されう
るポリカーボネート樹脂が得られていない。
【0015】さらに、ポリアリレート樹脂において、特
開昭59−179662号公報に開示された方法では、
摩擦摩耗特性は改善されるものの潤滑油のブリードアウ
トによる表面性の低下やポリアリレート樹脂と潤滑油、
固体潤滑剤との相溶性が乏しいことに起因する機械的物
性の低下等の問題点があった。 このように、従来のポ
リアリレート樹脂の摺動特性を向上させる方法では、ポ
リアリレート樹脂の特徴を維持したうえで、摺動性が要
求される用途に使用されるポリアリレート樹脂が得られ
ていなかった。
【0016】本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリ
レート樹脂の優れた物理的特性、機械的性質を維持し、
特に摺動特性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法を
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
これら従来の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種以上からなる熱可塑性樹脂
(以下熱可塑性樹脂(1)と略す)に、特定の多相構造
熱可塑性樹脂をブレンドして得た該熱可塑性樹脂(1)
組成物は動摩擦係数が著しく低下して、摺動特性が著し
く向上するとともに、物理的特性、機械的特性、該熱可
塑性樹脂(1)への分散性にも優れることを見いだし本
発明を完成させるに至った。
【0018】
【0019】
【0020】第1の発明は、非極性α−オレフィン
(共)重合体の水性懸濁液に、少なくとも1種のビニル
単量体およびラジカル(共)重合性有機過酸化物の少な
くとも1種およびラジカル重合開始剤を加え、ラジカル
重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱し、
該ビニル単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物お
よびラジカル重合開始剤を非極性α−オレフィン(共)
重合体に含浸せしめ、その含浸率が初めの10重量%以
上に達したとき、この水性懸濁液の温度を上昇せしめ、
ビニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物と
を、非極性α−オレフィン(共)重合体中で共重合せし
めたグラフト化前駆体(A)1〜100重量%、非極性
α−オレフィン(共)重合体(B)0〜99重量%およ
び/または少なくとも1種のビニル単量体を重合して得
られるビニル系(共)重合体(C)0〜99重量%から
なるもの1〜100重量部を熱可塑性樹脂(1)と12
0〜400℃の範囲で溶融混合するか、予め該(A)、
(B)および/または(C)を100〜300℃の範囲
で溶融混合して熱可塑性樹脂(1)と120〜400℃
の範囲で溶融混合することを特徴とする熱可塑性樹脂組
成物の製造方法である。
【0021】第2の発明は、非極性α−オレフィン
(共)重合体の水性懸濁液に、少なくとも1種のビニル
単量体およびラジカル(共)重合性有機過酸化物の少な
くとも1種およびラジカル重合開始剤を加え、ラジカル
重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱し、
該ビニル単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物お
よびラジカル重合開始剤を非極性α−オレフィン(共)
重合体に含浸せしめ、その含浸率が初めの10重量%以
上に達したとき、この水性懸濁液の温度を上昇せしめ、
ビニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物と
を、非極性α−オレフィン(共)重合体中で共重合せし
めたグラフト化前駆体(A)1〜100重量%、非極性
α−オレフィン(共)重合体(B)0〜99重量%およ
び/または少なくとも1種のビニル単量体を重合して得
られるビニル系(共)重合体(C)0〜99重量%から
なるもの1〜100重量部、潤滑剤0.1〜50重量部
を熱可塑性樹脂(1)100重量部と120〜400℃
の範囲で溶融混合するか、予め該(A)、(B)および
/または(C)を100〜300℃の範囲で溶融混合
し、熱可塑性樹脂(1)、潤滑剤と120〜400℃の
範囲で溶融混合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物の製造方法である。
【0022】第3の発明は、非極性α−オレフィン
(共)重合体の水性懸濁液に、少なくとも1種のビニル
単量体およびラジカル重合開始剤の少なくとも1種を加
え、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条
件で加熱し、該ビニル単量体およびラジカル重合開始剤
を非極性α−オレフィン(共)重合体に含浸せしめ、そ
の含浸率が初めの10重量%以上に達したとき、この水
性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体を、非極性
α−オレフィン(共)重合体中で(共)重合せしめた多
相構造熱可塑性樹脂(2)1〜100重量%、非極性α
−オレフィン(共)重合体(B)0〜99重量%および
/または少なくとも1種のビニル単量体を重合して得ら
れるビニル系(共)重合体(C)0〜99重量%からな
るもの熱可塑性樹脂(1)120〜400℃の範囲で溶
融混合するか、予め該(2)、(B)および/または
(C)を100〜300℃の範囲で溶融混合し、さらに
該熱可塑性樹脂(1)と120〜400℃の範囲で溶融
混合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方
法である。
【0023】第4の発明は、非極性α−オレフィン
(共)重合体の水性懸濁液に、少なくとも1種のビニル
単量体およびラジカル重合開始剤の少なくとも1種を加
え、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条
件下で加熱し、該ビニル単量体およびラジカル重合開始
剤を非極性α−オレフィン(共)重合体に含浸せしめ、
その含浸率が初めの10重量%以上に達したとき、この
水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体を、非極
性α−オレフィン(共)重合体中で(共)重合せしめた
多相構造熱可塑性樹脂(2)1〜100重量%、非極性
α−オレフィン(共)重合体(B)0〜99重量%およ
び/または少なくとも1種のビニル単量体を重合して得
られるビニル系(共)重合体(C)0〜99重量%から
なるもの潤滑剤0.1〜50重量部を熱可塑性樹脂
(1)120〜400℃の範囲で溶融混合するか、予め
該(2)、(B)および/または(C)を100〜30
0℃の範囲で溶融混合し、さらに該熱可塑性樹脂
(1)、潤滑剤120〜400℃の範囲で溶融混合する
ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法であ
る。
【0024】本発明において使用される熱可塑性樹脂
(1)は、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂か
らなる群から選ばれた少なくとも1種以上からなる熱可
塑性樹脂を用いることができる。
【0025】本発明において使用されるポリフェニレン
エーテル系樹脂とは、一般式
【化1】 (式中、R1〜R5は水素、ハロゲン原子、炭化水素基、
および置換炭化水素基からなる群から選択されたもの
で、そのうち1個は必ず水素原子である。)にて表され
るフェノール化合物をカップリング触媒を用い、酸素ま
たは酸素含有ガスで酸化重合せしめて得られる重合体で
ある。
【0026】上記一般式におけるR1〜R5の具体例とし
ては、水素、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエ
チル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、
カルボキシルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロ
フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチル
フェニル等が挙げられる。
【0027】上記一般式の具体例としては、フェノー
ル、o−、m−またはp−クレゾール、2,6−、2,
5−、2,4−または3,5−ジメチルフェノール、2
−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニ
ルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2−メチ
ル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,3,6
−および2,4,6−トリメチルフェノール等が挙げら
れる。これらのフェノール化合物は2種類以上用いるこ
ともできる。
【0028】また上記一般式以外のフェノール化合物、
例えばビスフェノールA、テトラブロモビスフェノール
A、レゾルシン、ハイドロキノンなどのような2価フェ
ノール類と上記一般式のフェノール化合物との共重合体
でもよい。
【0029】また、ポリスチレン、ポリ(α−メチルス
チレン)、ポリ(p−メチルスチレン)などの単独重合
体またはそれらの共重合体、およびブタジエンゴム、ス
チレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などの
各種ゴムで変性された高衝撃ポリスチレン、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−アクリロニトリルーブタジエン共
重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体など
のスチレン系重合体をポリフェニレンエーテル系樹脂に
対して0〜95重量%の範囲で混合することが好まし
い。
【0030】本発明において使用されるスチレン系樹脂
は、スチレンの単独重合物、ならびにスチレンと、共重
合モノマーとして核置換スチレン単量体(例えばメチル
スチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン等)、α
−置換スチレン単量体(例えばα−メチルスチレン、α
−エチルスチレン等)、シアン化ビニル単量体(例え
ば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等)、
(メタ)アクリル酸単量体、アクリル酸もしくはメタク
リル酸の炭素数1〜7のアルキルエステル単量体(例え
ば、(メタ)アクリル酸のメチル−、エチル−、イソプ
ロピル−、ブチル−の(メタ)アクリル酸エステル
等)、マレイン酸単量体、フマル酸単量体、無水マレイ
ン酸単量体、マレイン酸イミド単量体より選ばれた少な
くとも1種類以上のものとの共重合体、およびジエン系
ゴム(例えばブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等)、エチレ
ン−プロピレン系ゴム(例えば、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
体等)、アクリル系ゴム、塩素化ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体から選ばれた少なくとも1種類
以上のゴムに、スチレン単独または、スチレンと核置換
スチレン単量体(例えばメチルスチレン、ジメチルスチ
レン、エチルスチレン等)、α−置換スチレン単量体
(例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン
等)、シアン化ビニル単量体(例えば、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等)、(メタ)アクリル酸単
量体、アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜7
のアルキルエステル単量体(例えば、(メタ)アクリル
酸のメチル−、エチル−、イソプロピル−、ブチル−の
(メタ)アクリル酸エステル等)、マレイン酸単量体、
フマル酸単量体、無水マレイン酸単量体、マレイン酸イ
ミド単量体より選ばれた少なくとも1種類以上のもの
を、グラフトまたはブロック共重合体したものを例示す
ることができる。特にこれらのなかでも、ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体が好ましい。
【0031】これらのスチレン系樹脂は、通常の塊状重
合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、乳化−懸
濁重合法、塊状−懸濁重合法等により得ることができ
る。
【0032】また、本発明において使用されるポリカー
ボネート樹脂は、4,4−ジヒドロキシジフェニル−
2,2−プロパン(通称ビスフェノールA)をはじめと
する4,4−ジオキシジアリルアルカン系ポリカーボネ
ートであるが、その中でも特に4,4−ジヒドロキシジ
フェニル−2,2−プロパンのポリカーボネートで、数
平均分子量15,000〜80,000のものが好まし
い。これらのポリカーボネートは任意の方法で製造され
る。例えば、4,4−ジヒドロキシジフェニル−2,2
−プロパンのポリカーボネートの製造には、ジオキシ化
合物として4,4−ジヒロキシジフェニル−2,2−プ
ロパンを用いて、苛性アルカリ水溶液および溶剤存在下
にホスゲンを吹き込んで製造する方法、または4,4−
ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンと炭酸ジエ
ステルとを触媒存在下でエステル交換させて製造する方
法等を例示することができる。
【0033】また、本発明において使用されるポリアリ
レート樹脂とは、ビスフェノール類とテレフタル酸およ
び/またはイソフタル酸から得られるポリエステルであ
る。ビスフェノール類としては下記一般式に示す構造の
ものが用いられる。
【化2】 式中、Xは−O−、−S−、−SO2−、−CO−また
は炭素数1〜10の炭化水素基からなる群から選択さ
れ、R1〜R4、R1’、R2’、R3’、R4’は水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基からなる群から選択
された基を示す。Xが炭素数1〜10の炭化水素基を示
す場合、アルキレン基、分岐のアルキル基、ハロゲン置
換アルキル基などが含まれる。好ましい炭化水素基とし
ては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イ
ソプロピリデン、シクロヘキシルメチレン、クロルエチ
レン基等が、特に好ましくはイソプロピリデン基が挙げ
られる。R1〜R4、R1’、R2’、R3’およびR4’が
炭化水素基を示す場合、該炭化水素基としては好ましく
はアルキル基、特に好ましくは低級アルキル基が挙げら
れる。かかるビスフェノール類としては、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキ
シ−2,2’−ジメチルジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロルジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルメタン、1,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)n−ブタン、ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキシルメタン、1,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−1,1,2−トリクロルエタン
等が挙げられる。中でも2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、すなわちビスフェノールAまた
は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンすなわ
ちビスフェノールSが最も好ましい。一方、テレフタル
酸、イソフタル酸はそれぞれ単独で、または併用して使
用することができる。
【0034】上記ポリアリレート樹脂は、上記ビスフェ
ノール類とテレフタル酸および/またはイソフタル酸と
を重合させて得られ、重合方法としては通常の界面重
合、溶液重合または溶融重合のいずれでもよい。また、
これらのポリアリレート樹脂は、分子量が5,000〜
70,000のものが好ましい。
【0035】本発明において使用される多相構造熱可塑
性樹脂中の非極性α−オレフィン(共)重合体とは、高
圧ラジカル重合、中低圧イオン重合等で得られる非極性
α−オレフィン単量体の単独重合体または2種類以上の
非極性α−オレフィン単量体の共重合体、および非極性
α−オレフィン単量体と極性ビニル系単量体との共重合
体であり、上記重合体の非極性α−オレフィン単量体と
してはエチレンが好ましく、なかでも上記共重合体中の
エチレン含量が70重量%以上からなる共重合体が好ま
しい。
【0036】他の非極性α−オレフィン単量体として
は、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、4−メチルペンテン−1等が挙げられる。上記非
極性α−オレフィン(共)重合体の具体例としては、低
密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、超々低密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、超高分子量ポリエチレン、エチレンープロピレ
ン共重合体等を挙げることができる。またこれらの非極
性α−オレフィン(共)重合体は、混合して使用するこ
ともできる。
【0037】また、非極性α−オレフィン単量体と極性
ビニル系単量体とからなる共重合体における極性ビニル
系単量体とは、非極性α−オレフィン単量体と共重合可
能なビニル基をもった単量体であって、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコ
ン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−
ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カ
ルボン酸およびその金属塩、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t
−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル等のα,,β−不飽和カル
ボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カ
プロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、トリアルオル酢酸ビニル等の
ビニルエステル類、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の
不飽和グリシジル基含有単量体等があげられる。
【0038】非極性α−オレフィン単量体と極性ビニル
系単量体とからなる共重合体の具体例として、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共
重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−アク
リル酸n−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソ
ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキ
シル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸イソブチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル共重
合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体等が
あげられる。これらの非極性α−オレフィンと極性ビニ
ル系単量体とからなる共重合体は、混合して使用するこ
ともできる。また、非極性α−オレフィン(共)重合体
と非極性α−オレフィンと極性ビニル系単量体とからな
る共重合体とを混合して使用することもできる。このう
ち特に摺動特性の面から、密度が0.900g/cm3
以上のポリエチレンが好ましい。
【0039】本発明において使用される多相構造熱可塑
性樹脂中のビニル系(共)重合体とは、具体的には、ス
チレン、核置換スチレン例えばメチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、
クロルスチレン、α−置換スチレン例えばα−メチルス
チレン、α−エチルスチレン等のビニル芳香族単量体;
アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜7のアル
キルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸のメチル
ー、エチルー、プロピルー、イソプロピルー、ブチルー
等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等の(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体;ア
クリロニトリルもしくはメタクリロニトリル等のシアン
化ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル単量体;アクリルアミド、メタクリルア
ミド等の(メタ)アクリルアミド単量体;(メタ)アク
リル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸及びおよびそ
のアミド、イミド、エステル、無水物等の誘導体等のビ
ニル単量体の1種又は2種以上を重合して得られた
(共)重合体である。これらの中でも特に、ビニル芳香
族単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、シアン
化ビニル単量体及びビニルエステル単量体が好ましく使
用される。特に、シアン化ビニル単量体0〜50重量%
およびビニル芳香族単量体50〜100重量%からなる
ビニル系共重合体、または(メタ)アクリル酸エステル
単量体を50重量%以上含むビニル系(共)重合体は、
熱可塑性樹脂(1)への分散性が良好なため最も好まし
い態様となる。
【0040】本発明でいう多相構造熱可塑性樹脂(2)
とは、非極的性α−オレフィン(共)重合体またはビニ
ル系(共)重合体マトリックス中に、それとは異なる成
分であるビニル系(共)重合体または非極性α−オレフ
ィン(共)重合体が球状に均一に分散しているものをい
う。
【0041】分散している重合体の粒子径は0.001
〜10μm、好ましくは0.01〜5μmである。分散
樹脂粒子径が0.001μm未満の場合あるいは5μm
を超える場合、熱可塑性樹脂(1)にブレンドしたとき
の分散性が低く、例えば外観の悪化あるいは機械的性質
が低下するため好ましくない。
【0042】本発明の多相構造熱可塑性樹脂(2)中の
ビニル系(共)重合体の数平均重合度は5〜1000
0、好ましくは、10〜5000である。数平均重合度
が5未満であると、本発明の熱可塑性樹脂組成物の摺動
特性を向上させることは可能であるが、熱可塑性樹脂
(1)にブレンドしたときの分散性が低く機械的物性が
低下するため好ましくない。また、数平均重合度が10
000を超えると、溶融粘度が高く、成形性が低下した
り、表面光沢が低下するために好ましくない。
【0043】本発明の多相構造熱可塑性樹脂(2)は、
非極性α−オレフィン(共)重合体が5〜95重量%、
好ましくは20〜90重量%からなるものである。した
がって、ビニル系(共)重合体は95〜5重量%、好ま
しくは、80〜10重量%である。非極性α−オレフィ
ン(共)重合体が5重量%未満であると、摺動特性改良
効果が不十分であり好ましくない。また、非極性α−オ
レフィン(共)重合体が95重量%を超えると、摺動特
性改良効果は十分に得られるが、機械的性質や耐熱性が
低下するために好ましくない。
【0044】本発明の多相構造熱可塑性樹脂(2)を製
造する際には、一般によく知られている連鎖移動法、電
離性放射線照射法等のいずれのグラフト化法によっても
製造が可能であるが、最も好ましいのは、以下に示す方
法のいずれかによるものである。
【0045】以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造
方法を具体的に詳述する。すなわち第一の方法は、非極
性α−オレフィン(共)重合体100重量部を水に懸濁
せしめ、別に少なくとも1種のビニル単量体5〜400
重量部に、下記一般式(a)または(b)で表されるラ
ジカル(共)重合性有機過酸化物の少なくとも1種また
は2種以上の混合物を該ビニル単量体100重量部に対
して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得るた
めの分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤
をビニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物と
の合計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶
解せしめた溶液を加え、ラジカル重合開始剤の分解が実
質的に起こらない条件下で加熱し、ビニル単量体、ラジ
カル(共)重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始
剤を非極性α−オレフィン(共)重合体に含浸せしめ、
その含浸率が初めの10重量%以上に達したとき、この
水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体とラジカ
ル(共)重合性有機過酸化物とを、非極性α−オレフィ
ン(共)重合体中で共重合せしめて、グラフト化前駆体
(A)を得る。
【0046】このグラフト化前駆体(A)も多相構造熱
可塑性樹脂である。したがって、このグラフト化前駆体
(A)を直接熱可塑性樹脂(1)に120〜400℃の
範囲で溶融混合してもよい。
【0047】またグラフト化前駆体(A)を100〜3
00℃の溶融下、混練することにより、本発明の多相構
造層熱可塑性樹脂を得ることもできる。このとき、グラ
フト化前駆体(A)に、別に非極性α−オレフィン
(共)重合体(B)および/またはビニル系(共)重合
体(C)を混合し、溶融下に混練しても多相構造熱可塑
性樹脂を得ることができる。このうち最も好ましいのは
グラフト化前駆体を100〜300℃の溶融下混練し得
られた多相構造熱可塑性樹脂である。
【0048】前記一般式(a)で表されるラジカル
(共)重合性有機過酸化物とは、式
【化3】 (式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル
基、R2は水素原子又はメチル基、R3 およびR4 はそ
れぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜1
2のアルキル基、フエニル基、アルキル置換フエニル基
又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。mは1
又は2である。)で表わされる化合物である。 また、
前記一般式(b)で表わされるラジカル(共)重合性有
機過酸化物とは、式
【化4】 (式中、R6 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R7は水素原子又はメチル基、R8 およびR9 はそ
れぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素数1〜1
2のアルキル基、フエニル基、アルキル置換フエニル基
又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。nは
0,1又は2である。)で表わされる化合物である。
【0049】一般式(a)で表わされるラジカル(共)
重合性有機過酸化物として、具体的には、t‐ブチルペ
ルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t‐ア
ミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、
t‐ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボ
ネート、1,1,3,3‐テトラメチルブチルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカーボネート、クミルペルオ
キシアクリロイロキシエチルカーボネート、p‐イソプ
ロピルクミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボ
ネート、t‐ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート、t‐アミルペルオキシメタクリロイロ
キシエチルカーボネート、t‐ヘキシルペルオキシメタ
クリロイロキシエチルカーボネート、1,1,3,3‐
テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート、クミルペルオキシメタクリロイロキシ
エチルカーボネート、p‐イソプロピルクミルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカーボネート、t‐ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、t
‐アミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ
ーボネート、t‐ヘキシルペルオキシアクリロイロキシ
エトキシエチルカーボネート、1,1,3,3‐テトラ
メチルブチルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチ
ルカーボネート、クミルペルオキシアクリロイロキシエ
トキシエチルカーボネート、p‐イソプロピルクミルペ
ルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト、t‐ブチルペルオキシメタクリロイロキシエトキシ
エチルカーボネート、t‐アミルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカーボネート、t‐ヘキシルペ
ルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト、1,1,3,3‐テトラメチルブチルペルオキシメ
タクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、クミル
ペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート、p‐イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイ
ロキシエトキシエチルカーボネート、t‐ブチルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカーボネート、t‐
アミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート、t‐ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート、1,1,3,3‐テトラメチル
ブチルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート、クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピ
ルカーボネート、p‐イソプロピルクミルペルオキシア
クリロイロキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネー
ト、t‐アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロ
ピルカーボネート、t‐ヘキシルペルオキシメタクリロ
イロキシイソプロピルカーボネート、1,1,3,3‐
テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート、クミルペルオキシメタクリロイ
ロキシイソプロピルカーボネート、p‐イソプロピルク
ミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート等を例示することができる。
【0048】さらに、一般式(b)で表わされる化合物
としては、t‐ブチルペルオキシアリルカーボネート、
t‐アミルペルオキシアリルカーボネート、t‐ヘキシ
ルペルオキシアリルカーボネート、1,1,3,3‐テ
トラメチルブチルペルオキシアリルカーボネート、p‐
メンタンペルオキシアリルカーボネート、クミルペルオ
キシアリルカーボネート、t‐ブチルペルオキシメタリ
ルカーボネート、t‐アミルペルオキシメタリルカーボ
ネート、t‐ヘキシルペルオキシメタリルカーボネー
ト、1,1,3,3‐テトラメチルブチルペルオキシメ
タリルカーボネート、p‐メンタンペルオキシメタリル
カーボネート、クミルペルオキシメタリルカーボネー
ト、t‐ブチルペルオキシアリロキシエチルカーボネー
ト、t‐アミルペルオキシアリロキシエチルカーボネー
ト、t‐ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカーボネ
ート、t‐ブチルペルオキシメタリロキシエチルカーボ
ネート、t‐アミルペルオキシメタリロキシエチルカー
ボネート、t‐ヘキシルペルオキシメタリロキシエチル
カーボネート、t‐ブチルペルオキシアリロキシイソプ
ロピルカーボネート、t‐アミルペルオキシアリロキシ
イソプロピルカーボネート、t‐ヘキシルペルオキシア
リロキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルペルオ
キシメタリロキシイソプロピルカーボネート、t‐アミ
ルペルオキシメタリロキシイソプロピルカーボネート、
t‐ヘキシルペルオキシメタリロキシイソプロピルカー
ボネート等を例示することができる。中でも、好ましく
は、t‐ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカー
ボネート、t‐ブチルペルオキシメタクリロイロキシエ
チルカーボネート、t‐ブチルペルオキシアリルカーボ
ネート、t‐ブチルペルオキシメタリルカーボネートで
ある。
【0050】また、第二の方法は前述した第一の方法に
て得られたグラフト化前駆体(A)、非極性α−オレフ
ィン(共)重合体(B)および/または少なくとも1種
のビニル単量体を重合して得られるビニル系(共)重合
体(C)、潤滑剤を熱可塑性樹脂(1)と120〜40
0℃の範囲で溶融混合するか、予め該(A)、(B)お
よび/または(C)を100〜300℃の範囲で溶融混
合し、さらに該熱可塑性樹脂(1)、潤滑剤と120〜
400℃の範囲で溶融混合する熱可塑性樹脂組成物の製
造方法である。
【0051】また第三の方法は、非極性α−オレフィン
(共)重合体100重量部を水に懸濁せしめ、別に少な
くとも1種のビニル単量体5〜400重量部に、10時
間の半減期を得るための分解温度が40〜130℃であ
るラジカル共重合開始剤をビニル単量体100重量部に
対して0.01〜5重量部とを溶解せしめた溶液を加
え、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条
件下で加熱し、ビニル単量体、およびラジカル重合開始
剤を非極性α−オレフィン(共)重合体に含浸せしめ、
その含浸率が初めの10重量%以上に達したとき、この
水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体を非極性
α−オレフィン共重合体中で重合せしめて、多相構造熱
可塑性樹脂(2)を得る。この多相構造熱可塑性樹脂
(2)を直接熱可塑性樹脂(1)に120〜400℃の
範囲で溶融混合しても、または多相構造熱可塑性樹脂
(2)を100〜300℃の溶融下、混練してから熱可
塑性樹脂(1)と120〜400℃の範囲で溶融混合し
てもよい。このとき、別に非極性α−オレフィン(共)
重合体(B)および/またはビニル系(共)重合体
(C)を混合し、100〜300℃の溶融下に混練して
も多相構造熱可塑性樹脂を得ることもできる。
【0052】また、第四の方法は前述した第三の方法に
て得られた多相構造熱可塑性樹脂(2)、非極性α−オ
レフィン(共)重合体(B)および/または少なくとも
1種のビニル単量体を重合して得られるビニル系(共)
重合体(C)、潤滑剤を熱可塑性樹脂(1)と120〜
400℃の範囲で溶融混合するか、予め該(2)、
(B)および/または(C)を100〜300℃の範囲
で溶融混合し、さらに該熱可塑性樹脂(1)、潤滑剤を
120〜400℃の範囲で溶融混合する熱可塑性樹脂組
成物の製造方法である。
【0053】これら4つの製造方法の中でも第一、第二
の発明によると多相構造熱可塑性樹脂のグラフト効率が
高く、熱による二次的凝集が起こらないため、得られた
熱可塑性樹脂組成物の物理的特性、機械的特性、成形性
等において優れている。
【0054】本発明において、多相構造熱可塑性樹脂
(2)だけを用いる場合、熱可塑性樹脂(1)100重
量部に対して多相構造熱可塑性樹脂(2)は1〜100
重量部、好ましくは4〜70重量部である。多相構造熱
可塑性樹脂(2)と潤滑剤(3)とを用いる場合、多相
構造熱可塑性樹脂(2)は1〜100重量部、好ましく
は4〜70重量部、潤滑剤(3)0.1〜50重量部、
好ましくは0.5〜20重量部である。多相構造熱可塑
性樹脂(2)が1重量部未満であると、本発明の目的の
摺動特性改良効果が小さく好ましくない。また、多相構
造熱可塑性樹脂(2)が100重量部を超えると、機械
的強度および耐熱性の低下を招き好ましくない。
【0055】本発明において熱可塑性樹脂組成物は、熱
可塑性樹脂(1)を120〜400℃の溶融下、混合す
ることによって製造される。熱可塑性樹脂(1)が、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂の場合、240〜350℃
の溶融下、混合することが好ましい。また、熱可塑性樹
脂(1)がスチレン系樹脂の場合、160〜280℃の
溶融下、混合することが特に好ましい。また、熱可塑性
樹脂(1)がポリカーボネート樹脂の場合、220〜2
80℃の溶融下、混合することが特に好ましい。さら
に、熱可塑性樹脂(1)がポリアリレート樹脂の場合、
240〜350℃の溶融下、混合することが特に好まし
い。120℃未満の場合、溶融が不十分であったり、ま
た溶融粘度が高く、混合が不十分となり、成形物に相分
離や層状剥離が現れるため好ましくない。また、400
℃を超えると、混合される樹脂の分解が起こり、成形物
が着色したり、機械的物性が低下したりするので好まし
くない。
【0056】また本発明で得られる熱可塑性樹脂組成物
は優れた摺動特性を示すが、潤滑剤を0.1〜50重量
部配合すると、さらに優れた摺動特性を示す。潤滑剤の
配合量が0.1重量部未満であると、摺動性向上効果が
なく、50重量部を超えると、樹脂組成物の機械的特性
や表面状態が低下するため、好ましくない。
【0057】本発明において使用される潤滑剤として
は、通常樹脂の摺動特性を向上させるために添加されて
いるもので、例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービ
ン油、マシン油、シリンダー油、ギヤ油等の鉱油;流動
パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワック
ス等の炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、モンタ
ン酸等の脂肪酸;ヘキシルアルコ−ル、オクチルアルコ
−ル、セチルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、ベヘ
ニルアルコ−ル、グリコール類、グリセリン、ポリグリ
セロール、ペンタエリスルトール等のアルコ−ル;ステ
アリルステアレート、ベヘニルベヘネート、ペンタエリ
スリトールトリステアレート、ペンタエリスルトールテ
トラステアレート、グリセリンモノステアレート、グリ
セリンモノベヘネート等の脂肪酸エステル;ステアリル
アミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレン
ビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の
脂肪酸アミド;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石けん;モン
タンロウ等の天然ワックス;シリコーン等の1種以上を
用いることができる。なかでも、摺動特性の面から脂肪
酸、アルコ−ル、脂肪酸エステル、シリコーン、鉱油等
が好ましく使用できる。
【0058】溶融混合する方法としては、バンバリーミ
キサー、加圧型ニーダー、一軸式押出機、二軸式押出
機、ミキシングロール等の通常熱可塑性樹脂の混練に用
いられる混練機により行なうことができ、特に生産性、
得られた樹脂の機械的物性の点から二軸式押出機が特に
好ましい。
【0059】本発明では、更に本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の無機難燃剤、ハロゲン系、リン系等の有機難燃
剤、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻
土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属
粉、グラファイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化
ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラック、二硫化
モリブデンなどの粉粒状充填材;雲母、ガラス板、セリ
サイト、パイロフイライト、アルミフレークなどの金属
粉、黒鉛などの平板状もしくは鱗片状充填材;シラスバ
ルーン、金属バルーン、ガラスバルーン、軽石などの中
空状充填材、ガラス繊維、炭素繊維、シリコンカーバイ
ト繊維、アスベスト、ウオラストナイトなどの鉱物繊維
などの繊維状充填材、チタン酸カリウムウィスカー、硫
酸カルシウムウィスカー、カーボンウィスカー等の単結
晶繊維状充填材等の無機充填材、木粉等の有機充填剤、
酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、分散剤、カップリン
グ剤、発泡剤、架橋剤、着色剤等の添加剤および他のポ
リオレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、
ポリオキシメチレン、弗素樹脂等のエンジニアリングプ
ラスチックなどを添加しても差し支えない。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、本実施例、比較例中にて測定した動摩擦
係数については、下記の測定条件にて測定し、得られた
値を示す。 [動摩擦係数の測定] 試験機:オリエンテック(株)社製摩擦摩耗試験機 モデル EFM−III−F(高速型) 相手材:内径20mm、外径25.6mmの円筒材 材質 S45C 試験片:30mm角、厚み3mm大の平板 試験条件:荷重5kg/cm2、線速度30cm/sec (スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂) 荷重5kg/cm2、線速度80cm/sec (ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂) また、本実施例、比較例中にて測定した引張り強度、曲
げ弾性率、熱変性温度についてはそれぞれ以下に示すJ
ISに準拠して測定した。 [引張り強度] JIS K−7113 試験速度 10mm/mm [曲げ弾性率] JIS K−7203 試験速度 2mm/mm [熱変形温度] JIS K−7207 荷重 18.5kg/cm2 射出成形品の外観については、目視によりその層状剥離
の有無を判定した。
【0061】 参考例1〜9(多相構造熱可塑性樹脂Aの製造) 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水25
00gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコー
ル2.5gを溶解させた。この中に非極性α−オレフィ
ン重合体(商品名「レクスロン F41」、日本石油化
学(株)製、低密度ポリエチレン 密度0.924g/
cm3)700gを入れ、攪拌して分散させた。別にラジ
カル重合開始剤としてベンゾイルペリオキシド(商品名
「ナイパーB」、日本油脂(株)製)1.5g、ラジカ
ル重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタ
クリロイロキシエチルカーボネート6gをビニル単量体
としてのスチレン単量体210gおよびアクリロニトリ
ル単量体90gに溶解させ、この溶液を前記オートクレ
ーブ中に投入攪拌した。次いで、オートクレーブを60
〜65℃に昇温し、2時間攪拌することによって、ラジ
カル重合開始剤およびラジカル重合性有機過酸化物を含
むビニル単量体を非極性α−オレフィン重合体中に含浸
させた。次いで、含浸されたビニル単量体、ラジカル重
合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤の合計量が
初めの10重量%以上となっていることを確認した後、
温度を80〜85℃に上げ、その温度で7時間維持して
重合を完結させ、水洗および乾燥してグラフト化前駆体
(A’)を得た。このグラフト化前駆体中(A’)のス
チレン−アクリロニトリル共重合体を酢酸エチルで抽出
し、GPCにより数平均重合度を測定した結果、900
であった。次いで、このグラフト化前駆体(A’)をラ
ボプラストミルー軸押し出し機((株)東洋精機製作所
製)で200℃にて押し出し、多相構造熱可塑性樹脂A
を得た。この多相構造熱可塑性樹脂を走査型電子顕微鏡
(「JEOL JSM T300」、日本電子(株)
製)で見たところ、粒径0.3〜0.4μmの真球状樹
脂が均一に分散した多相構造熱可塑性樹脂であった。な
おこのとき、スチレン−アクリロニトリル共重合体のグ
ラフト効率は62.3重量%であった。 上記の方法に
準じて、非極性α−オレフィン重合体やビニル単量体の
種類、量を表1に示す処方に変え、多相構造熱可塑性樹
脂B〜Iをそれぞれ製造した。
【表1】
【0062】 参考例10(ビニル系重合体iの製造) 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水25
00gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコー
ル2.5gを溶解させた。この中にラジカル重合開始剤
としてベンゾイルペルオキシド(商品名「ナイパ−
B」、日本油脂(株)製)5gをビニル単量体としてのス
チレン単量体700gおよびアクリロニトリル単量体3
00gに溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に
投入攪拌した。次いで、オートクレーブを80〜85℃
に昇温し、その温度で7時間維持して重合を完結させ、
水洗および乾燥して、ビニル系重合体iとしてのスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体を得た。このスチレン−
アクリロニトリル共重合体の数平均重合度は850であ
った。
【0063】 参考例11(ビニル系重合体iiの製造) 参考例10において、ビニル単量体としてのスチレン単
量体700gおよびアクリロニトリル単量体300gに
代わりにメタクリル酸メチル単量体1000gに代え、
分子量調整剤としてn−ドデシルメルカプタン2gを加
えた以外は、参考例10に準じてビニル系重合体iiと
してのメタクリル酸メチル重合体を得た。このメタクリ
ル酸メチル重合体の数平均重合度は730であった。
【0064】 参考例12(ビニル系重合体iiiの製造) 参考例10において、ビニル単量体としてのスチレン単
量体700gおよびアクリロニトリル単量体300gの
代わりにスチレン単量体1000gに代えた以外は、参
考例1に準じてビニル系重合体iiiとしてのスチレン
重合体を得た。このスチレン重合体の数平均重合度は8
20であった。
【0065】 参考例13〜16(多相構造熱可塑性樹脂J〜Mの製
造) 参考例1、3において得たグラフト化前駆体(A’)、
(C’)と、非極性α−オレフィン重合体として低密度
ポリエチレン(商品名「レクスロン F41」、日本石
油化学(株)製」)または参考例10〜12において得た
ビニル系重合体i〜iiiを表2に示す組成にて、ラボ
プラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で2
00℃で押し出してそれぞれ多相構造熱可塑性樹脂J〜
Mを得た。
【表2】
【0066】 参考例17、18(多相構造熱可塑性樹脂N〜Qの製
造) 参考例1において、ラジカル重合性有機過酸化物として
のt−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカー
ボネートを用いない以外は、参考例1に準じて表3に示
す組成の多相構造熱可塑性樹脂N〜Qを得た。
【表3】
【0067】 参考例19〜22(多相構造熱可塑性樹脂R〜Uの製
造) 参考例17、18において得た多相構造熱可塑性樹脂
と、非極性α−オレフィン重合体として低密度ポリエチ
レン(商品名「レクスロン F41」、日本石油化学
(株)製」)または参考例10、12において得たビニル
系重合体i、iiiを表4に示す組成にて、ラボプラス
トミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で200℃
で押し出してそれぞれ多相構造熱可塑性樹脂R〜Uを得
た。
【表4】
【0068】 実施例1〜14 ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系重合体から
なる混合物として変性ポリフェニレンエーテル樹脂(商
品名「ノリル 731J」EPL社製)と参考例で得た
表5、6に示す多相構造熱可塑性樹脂、および参考例3
にて得たグラフト化前駆体とを所定量ドライブレンド
し、270℃に設定した同方向二軸押し出し機(栗本鉄
工所(株)製、KRCニーダS−1型)により混合し
た。次いで290℃に設定したインラインスクリュー式
射出成形機(田端機械工業(株)製、TS−35−FV2
5型)でそれぞれの試験片を作成し、引っ張り強度、曲
げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定し
た。その結果を表5、6に示す。
【表5】
【表6】
【0069】 実施例15〜20 実施例1、4〜8において、無機充填剤としてガラス繊
維(平均繊維長さ3.0mm、直径13μm)を配合した
以外は実施例1に準じて試験片を作成し、検討した。そ
の結果を表7に示す。
【表7】
【0070】 実施例21〜26 実施例1、4〜8において、ポリフェニレンエーテル系
樹脂とスチレン系重合体からなる混合物としての変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂の代わりに、ポリフェニレン
エーテル系樹脂単独としてポリフェニレンエーテル樹脂
(300℃、剪断速度100s-1における溶融粘度が3
0000poiseのもの)を用いた以外は実施例1に
準じてそれぞれ試験片を作成し、検討した。その結果を
表8に示す。
【表8】
【0071】 実施例27〜34 ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系重合体から
なる混合物としての変性ポリフェニレンエーテル樹脂
(商品名「ノリル 731J」EPL社製)と参考例で
得た多相構造熱可塑性樹脂A、P、潤滑剤としてステア
リルステアレート(日本油脂(株)製ユニスターM96
76)、鉱油(出光興産(株)製ダフニーメカニックオ
イル#100)、ジメチルポリシロキサン(トーレシリ
コーン(株)製SH200)、無機充填材としてガラス
繊維(平均繊維長さ3.0mm、直径13μm)を表9に
示す組成にて配合した以外は実施例1に準じてそれぞれ
の試験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形
温度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表9
に示す。
【表9】
【0072】 実施例35〜39 実施例27〜31において、ポリフェニレンエーテル系
樹脂とスチレン系重合体からなる混合物としての変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂の代わりに、ポリフェニレン
エーテル系樹脂としてポリフェニレンエーテル樹脂(3
00℃、剪断速度100s-1における溶融粘度が300
00poiseのもの)を用いた以外は実施例27に準
じて試験片を作成し、検討した。その結果を表10に示
す。
【表10】
【0073】 比較例1〜8 実施例1、4〜7、12において、多相構造熱可塑性樹
脂の添加量を表11のように変えた以外は実施例1、4
〜7、12に準じて試験片を作成し、検討した。その結
果を表11に示す。
【表11】
【0074】 比較例9〜14 実施例35、37において、多相構造熱可塑性樹脂、潤
滑剤の添加量を表12のように変えた以外は実施例3
5、37に準じて試験片を作成し、検討した。その結果
を表12に示す。
【表12】
【0075】 比較例15〜20 実施例1において、多相構造熱可塑性樹脂の代わりに、
ポリエチレン樹脂を用いる以外は実施例1に準じて試験
片を作成し、検討した。その結果を表13に示す。
【表13】
【0076】 実施例40〜54 スチレン系樹脂としてアクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合樹脂(商品名「サイコラックEX−12
1」、宇部サイコン(株)製)に対して、参考例で得た表
14、15に示す多相構造熱可塑性樹脂を所定量ドライ
ブレンドし、230℃に設定した同方向二軸押し出し機
(栗本鉄工所(株)製、KRCニーダS−1型)により
混合した。次いで230℃に設定したインラインスクリ
ュー式射出成形機(田端機械工業(株)製、TS−35−
FV25型)でそれぞれの試験片を作成し、引っ張り強
度、曲げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測
定した。その結果を表14、15に示す。
【表14】
【表15】
【0077】 実施例55〜61 実施例40において、スチレン系樹脂としてアクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合に代えて高衝撃ポ
リスチレン樹脂(HIスタイロン404、旭化成工業
(株)製)を用いた以外は実施例40に準じて試験片を作
成し、検討した。その結果を表16に示す。
【表16】
【0078】 実施例62〜68 実施例40において、スチレン系樹脂としてアクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂に代えて汎用
ポリスチレン樹脂(GPスタイロン666、旭化成工業
(株)製)を用いた以外は実施例40に準じて試験片を作
成し、検討した。その結果を表17に示す。
【表17】
【0079】 実施例69〜75 実施例40において、無機充填材としてガラス繊維(平
均繊維長さ3.0mm、直径13μm)を配合した以外は
実施例40に準じて試験片を作成し、検討した。その結
果を表18に示す。
【表18】
【0080】 実施例76〜92 スチレン系樹脂としてアクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体樹脂(商品名「サイコラックEX−1
21」、宇部サイコン(株)製)、高衝撃ポリスチレン樹
脂(HIスタイロン404、旭化成工業(株)製)、汎用
ポリスチレン樹脂(GPスタイロン666、旭化成工業
(株)製)、参考例で得た多相構造熱可塑性樹脂、潤滑剤
としてステアリルステアレート(日本油脂(株)製ユニ
スターM9676)、鉱油(出光興産(株)製ダフニー
メカニックオイル#100)、ジメチルポリシロキサン
(トーレシリコーン(株)製SH200)を表19、2
0に示す組成にて配合した以外は実施例40に準じて試
験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形温
度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表1
9、20に示す。
【表19】
【表20】
【0081】 比較例21〜29 実施例40において、多相構造熱可塑性樹脂の添加量を
表21のように変えた以外は実施例40に準じて試験片
を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形温度、動
摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表21に示
す。
【表21】
【0082】 比較例30〜35 実施例77において、多相構造熱可塑性樹脂、潤滑剤の
添加量を表22のように変えた以外は実施例77に準じ
て試験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形
温度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表2
2に示す。
【表22】
【0083】 比較例36〜41 実施例40において、多相構造熱可塑性樹脂の代わり
に、ポリエチレン樹脂を用いる以外は実施例40に準じ
て試験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形
温度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表2
3に示す。
【表23】
【0084】 実施例93〜106 ポリカーボネート樹脂(商品名「パンライトL−125
0」帝人化成(株)製)に対して、参考例で得た多相構造
熱可塑性樹脂を表24、25に示す組成にて所定量ドラ
イブレンドし、270℃に設定した同方向二軸押し出し
機(栗本鉄工所(株)製、KRCニーダS−1型)によ
り混合した。次いで275℃に設定したインラインスク
リュー式射出成形機(田端機械工業(株)製、TS−35
−FV25型)でそれぞれの試験片を作成し、引っ張り
強度、曲げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を
測定した。その結果を表24、25に示す。
【表24】
【表25】
【0085】 実施例107〜112 実施例93において、無機充填剤としてガラス繊維(平
均繊維長さ3.0mm、直径13μm)を配合した以外は
実施例93に準じて試験片を作成し、引っ張り強度、曲
げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定し
た。その結果を表26に示す。
【表26】
【0086】 実施例113〜119 ポリカーボネート樹脂(商品名「パンライトL−125
0帝人化成(株)製)、参考例で得た多相構造熱可塑性
樹脂、潤滑剤としてステアリルステアレート(日本油脂
(株)製ユニスターM9676)、鉱油(出光興産
(株)製ダフニーメカニックオイル#100)、ジメチ
ルポリシロキサン(トーレシリコーン(株)製SH20
0)を表27に示す組成にて配合した以外は実施例93
に準じてそれぞれの試験片を作成し、引っ張り強度、曲
げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定し
た。その結果を表27に示す。
【表27】
【0087】 比較例42〜49 実施例93において、多相構造熱可塑性樹脂の添加量を
表28のように変えた以外は実施例93に準じて試験片
を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形温度、動
摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表28に示
す。
【表28】
【0088】 比較例50〜55 実施例115において、多相構造熱可塑性樹脂、潤滑剤
の添加量を表29のように変えた以外は実施例115に
準じて試験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱
変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を
表29に示す。
【表29】
【0089】 比較例56〜61 実施例93において、多相構造熱可塑性樹脂の代わり
に、ポリエチレン樹脂を用いる以外は実施例93に準じ
て試験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形
温度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表3
0に示す。
【表30】
【0090】 実施例120〜133 ポリアリレート樹脂(商品名「Uポリマー U100」
ユニチカ(株)社製)に対して、参考例で得た多相構造
熱可塑性樹脂、および参考例1にて得たグラフト化前駆
体を表31〜32に示す割合で所定量ドライブレンド
し、320℃に設定した同方向二軸押し出し機(栗本鉄
工所(株)製、KRCニーダS−1型)により混合し
た。次いで340℃に設定したインラインスクリュー式
射出成形機(田端機械工業(株)製、TS−35−FV2
5型)でそれぞれの試験片を作成し、引っ張り強度、曲
げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定し
た。その結果を表31、32に示す。
【表31】
【表32】
【0091】 実施例134〜139 実施例120において、無機充填剤としてガラス繊維
(平均繊維長さ3.0mm、直径13μm)を配合した以
外は実施例120に準じて試験片を作成し、引っ張り強
度、曲げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測
定した。その結果を表33に示す。
【表33】
【0092】 実施例140〜148 ポリアリレート樹脂(商品名「Uポリマー U100」
ユニチカ(株)社製)、参考例で得た多相構造熱可塑性
樹脂、潤滑剤としてステアリルステアレート(日本油脂
(株)製ユニスターM9676)、鉱油(出光興産
(株)製ダフニーメカニックオイル#100)、ジメチ
ルポリシロキサン(トーレシリコーン(株)製SH20
0)を表34に示す組成にて配合した以外は実施例12
0に準じてそれぞれ試験片を作成し、引っ張り強度、曲
げ弾性率、熱変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定し
た。その結果を表34に示す。
【表34】
【0093】 比較例62〜69 実施例120において、多相構造熱可塑性樹脂の添加量
を表35ように変えた以外は実施例120に準じて試験
片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変形温度、
動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表35に示
す。
【表35】
【0094】 比較例70〜75 実施例142において、多相構造熱可塑性樹脂、潤滑剤
の添加量を表36のように変えた以外は実施例142に
準じて試験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱
変形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を
表36に示す。
【表36】
【0095】 比較例76〜81 実施例120において、多相構造熱可塑性樹脂の代わり
に、ポリエチレン樹脂を用いる以外は実施例120に準
じて試験片を作成し、引っ張り強度、曲げ弾性率、熱変
形温度、動摩擦係数(対鋼)を測定した。その結果を表
37に示す。
【表37】
【0096】以上の実施例の結果より多相構造熱可塑性
樹脂(2)が熱可塑性樹脂(1)100重量部に対し1
00重量部を超えると、その成形物は熱可塑性樹脂
(1)の機械的、物理的性質を全く失っていた。 さら
に多相構造熱可塑性樹脂(2)の添加量が熱可塑性樹脂
(1)100重量部に対し1重量部未満であると、その
添加効果がないことが明白となった。 また、多相構造
熱可塑性樹脂(2)と潤滑剤を併用すると摺動特性にお
いてさらに優れたものが得られることが明らかとなっ
た。また本発明の多相構造熱可塑性樹脂(2)は熱可塑
性樹脂(1)への分散性が極めて良好で成形品の外観も
層状剥離現象は見られないことが明らかとなった。
【0097】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
は、溶融下で混合するだけであるので容易であり、グラ
フト効率が高く熱による二次的凝集が起こらないため、
機械的性質、熱的性質に優れ、摺動特性の高い熱可塑性
樹脂組成物を得られる。さらに、摺動特性の度合いは、
混合される多相構造熱可塑性樹脂の配合割合によって決
定されるため、容易に多品種少量生産が可能である。以
上の点より、本発明で得られた熱可塑性樹脂組成物は、
例えば自動車部品、家電部品、精密機械部品等の幅広い
用途に使用され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08F 2/44 C08F 2/44 C 291/00 291/00 (31)優先権主張番号 特願平2−96210 (32)優先日 平成2年4月13日(1990.4.13) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭63−312306(JP,A) 特開 昭63−312305(JP,A) 特開 昭61−250013(JP,A) 特開 昭60−240734(JP,A) 特開 昭60−144351(JP,A) 特開 平4−120159(JP,A) 特開 平4−211453(JP,A) 特開 平3−122160(JP,A) 特開 昭59−207921(JP,A) 特開 平2−129245(JP,A) 特開 平3−200870(JP,A) 特開 昭56−136847(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/06 C08F 2/44 C08F 291/00 C08L 25/04 C08L 67/03 C08L 69/00 C08L 71/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非極性α−オレフィン(共)重合体の水
    性懸濁液に、少なくとも1種のビニル単量体、ラジカル
    (共)重合性有機過酸化物の少なくとも1種およびラジ
    カル重合開始剤を加え、ラジカル重合開始剤の分解が実
    質的に起こらない条件下で加熱し、該ビニル単量体、ラ
    ジカル(共)重合性有機過酸化物およびラジカル重合開
    始剤を非極性α−オレフィン(共)重合体に含浸せし
    め、その含浸率が初めの10重量%以上に達したとき、
    この水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル単量体とラジ
    カル(共)重合性有機過酸化物とを、非極性α−オレフ
    ィン(共)重合体中で共重合せしめたグラフト化前駆体
    (A)1〜100重量%、非極性α−オレフィン(共)
    重合体(B)0〜99重量%および/または少なくとも
    1種のビニル単量体を重合して得られるビニル系(共)
    重合体(C)0〜99重量%からなるもの1〜100重
    量部をポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹
    脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂か
    らなる群より選ばれた少なくとも1種以上からなる熱可
    塑性樹脂(1)100重量部と120〜400℃の範囲
    で溶融混合するか、予め該(A)、(B)および/また
    は(C)を100〜300℃の範囲で溶融混合して多相
    構造熱可塑性樹脂(2)とし、さらにポリフェニレンエ
    ーテル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂
    およびポリアリレート樹脂からなる群より選ばれた少な
    くとも1種以上からなる熱可塑性樹脂(1)と120〜
    400℃の範囲で溶融混合することを特徴とする熱可塑
    性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項第1項記載の熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法で、グラフト化前駆体(A)1〜100重量
    %、非極性α−オレフィン(共)重合体(B)0〜99
    重量%および/または少なくとも1種のビニル単量体を
    重合して得られるビニル系(共)重合体(C)0〜99
    重量%からなるもの1〜100重量部、潤滑剤0.1〜
    50重量部をポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン
    系樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹
    脂からなる群より選ばれた少なくとも1種以上からなる
    熱可塑性樹脂(1)100重量部と120〜400℃の
    範囲で溶融混合するか、予め該(A)、(B)および/
    または(C)を100〜300℃の範囲で溶融混合し、
    さらにポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹
    脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂か
    らなる群より選ばれた少なくとも1種以上からなる熱可
    塑性樹脂(1)、潤滑剤と120〜400℃の範囲で溶
    融混合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 非極性α−オレフィン(共)重合体の水
    性懸濁液に、少なくとも1種のビニル単量体およびラジ
    カル重合開始剤の少なくとも1種を加え、ラジカル重合
    開始剤の分解が実質的に起こらない条件下で加熱し、該
    ビニル単量体およびラジカル重合開始剤を非極性α−オ
    レフィン(共)重合体に含浸せしめ、その含浸率が初め
    の10重量%以上に達したとき、この水性懸濁液の温度
    を上昇させ、ビニル単量体を、非極性α−オレフィン
    (共)重合体中で(共)重合せしめた多相構造熱可塑性
    樹脂(2)1〜100重量%、非極性α−オレフィン
    (共)重合体(B)0〜99重量%および/または少な
    くとも1種のビニル単量体を重合して得られるビニル系
    (共)重合体(C)0〜99重量%からなるもの1〜1
    00重量部をポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン
    系樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹
    脂からなる群より選ばれた少なくとも1種以上からなる
    熱可塑性樹脂(1)と120〜400℃の範囲で溶融混
    合するか、予め該(2)、(B)および/または(C)
    を100〜300℃の範囲で溶融混合し、さらに該ポリ
    フェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカー
    ボネート樹脂およびポリアリレート樹脂からなる群より
    選ばれた少なくとも1種以上からなる熱可塑性樹脂
    (1)120〜400℃の範囲で溶融混合することを特
    徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項第3項記載の熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法で、多相構造熱可塑性樹脂(2)1〜100
    重量%、非極性α−オレフィン(共)重合体(B)0〜
    99重量%および/または少なくとも1種のビニル単量
    体を重合して得られるビニル系(共)重合体(C)0〜
    99重量%からなるもの1〜100重量部、潤滑剤0.
    1〜50重量部をポリフェニレンエーテル系樹脂、スチ
    レン系樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレー
    ト樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種以上から
    なる熱可塑性樹脂(1)100重量部と120〜400
    ℃の範囲で溶融混合するか、予め該(2)、(B)およ
    び/または(C)を100〜300℃の範囲で溶融混合
    し、さらに該ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン
    系樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹
    脂からなる群より選ばれた少なくとも1種以上からなる
    熱可塑性樹脂(1)、潤滑剤と120〜400℃の範囲
    で溶融混合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の
    製造方法。
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