JP3049388U - ハンガー用のピンチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 枠体に固定したピンチに対し、洗濯物等の干
し物を、その把持した手のみの挿入動作にて容易に挟持
させるにある。 【解決手段】 本考案のハンガー用のピンチは、ハンガ
ーの枠体に取付けるピンチを固定ピンチと回動ピンチと
で構成するとともに、この固定ピンチをハンガーの枠体
に固定し、これと連結する回動ピンチをして、下方より
挿入する洗濯物等の干し物により、回動ピンチの自重、
又はばね、又は回動ピンチの自重とばねのそれぞれの力
に抗して挟持部を開いて挿入を許し、これらの力の復動
により干し物を挟持して吊下するようにした構成をとっ
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、洗濯物等の干し物（以下干し物という）の物干し具の分野に属し、 詳しくはそれに使用するピンチに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に使用されている物干し用のハンガーにおいて、用いられるピンチは、い わゆる洗濯鋏と言われるもので、親指と他の指とで端部を押圧することにより、 先端の挟持部が開くものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の物干し用のハンガーに使用されるピンチ、いわゆる洗濯鋏は、通常、ハ ンガーの枠体に鎖等の紐状物をもって連結されたものであるから、ピンチは枠体 に対してぶら下がりの状態にある。 このような状態にあるピンチは、これに干し物を挟持するときには、常に一方 の手指でピンチの端部を押圧して挟持部を開き、他方の手指で把持した干し物を ピンチの開かれた挟持部に挿入する必要があることから、常に１つのピンチに対 して両手の使用を余儀なくされているという問題点があった。

【０００４】 本考案は、このような点から改良を進めたもので、その目的とするところ、干 し物を把持した手のみで容易にピンチに挟持することができるようにするにある 。例えば、１つの干し物の両端を両手で把持し、これを離れた２つのピンチに同 時に挟持することができるようにするにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案にあっては、ハンガーの枠体に取付ける ピンチを、固定ピンチと回動ピンチとから構成するとともに、この固定ピンチを ハンガーの枠体に取付けることによって問題点の解決を図っている。

【０００６】 すなわち、本考案は、ハンガーの枠体に取付けるピンチを固定ピンチと回動ピ ンチとで構成するとともに、この固定ピンチをハンガーの枠体に固定し、これと 連係する回動ピンチをして、下方より挿入する洗濯物等の干し物により、回動ピ ンチの自重、又はばね、又は回動ピンチの自重とばねのそれぞれの力に抗して挟 持部を開いて挿入を許し、これらの力の復動により干し物を挟持して吊下するよ うにした構成をとっている。 また、ハンガーの枠体は、正方形、長方形等の多角形の枠体、円形の枠体、１ 本の支持体等の構成をとっており、固定ピンチに対する可動ピンチには、干し物 を挿入する際に、最初に手指が当接する押圧部が突設されている構成をとってい る。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案は、正方形、長方形等の多角形、円形等のハンガーの枠体、又は１本の ハンガーの支持体等に対し固定するピンチであって、このピンチは固定ピンチと 回動ピンチとから構成されるもので、両手を使用しなくても、片方の手にて干し 物をピンチの下方より挿入することによって、容易に回動ピンチを回動させて、 干し物をピンチに挟持させることができるものである。 １つの干し物の両端を両手で摘み、これを離れた２つのピンチに同時に挟持す ることができるものである。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 本考案のハンガー用のピンチ（Ａ）は、図１に示すように固定ピンチ（ａ）と 回動ピンチ（ｂ）とより構成されている。 固定ピンチ（ａ）は、ハンガー（Ｂ）の枠体（ｃ）に固定する固定部（１）を 上方に有し、その両側において下方に延設した一方の延設部（２）には、その下 端において、内側に向かった軸支部（３）に回動ピンチ（ｂ）を軸支ピン（４） をもって軸支するとともに、この軸支ピンチ（４）の周りに巻きばね（５）を巻 回して、回動ピンチ（ｂ）を固定ピンチ（ａ）に係合する方向に付勢している。

【０００９】 固定ピンチ（ａ）の固定部（１）より他方の延設部（６）には、途中より段部 をもって広幅部（７）が形成されており、この広幅部（７）の突出部に、回動ピ ンチ（ｂ）の下方の突出挟持部（８）と係合する挟持部（９）が形成されており 、この挟持部（９）の下方は、外方に彎曲して干し物（ｄ）の誘導部（１０）を 形成している。

【００１０】 回動ピンチ（ｂ）には、下方の突出挟持部（８）において、干し物（ｄ）をピ ンチ（Ａ）に挿入する時に、親指又は反対方向（後方向）から取付ける場合は中 指にて押圧する広幅の押圧部（１１）を、固定部（１）の固定側方向に突出形成 している。 また、回動ピンチ（ｂ）は、その先端部（１２）が固定ピンチ（ａ）の固定部 （１）より上方に突出している。

【００１１】 以上のような構成のピンチ（Ａ）は、その固定ピンチ（ａ）の固定部（１）を もってハンガー（Ｂ）の枠体（ｃ）の内側に接着等の手段で固定する。 図２は、ピンチ（Ａ）をハンガー（Ｂ）の枠体（ｃ）に固定ピンチ（ａ）の固 定部（１）をもって接着固定された状態の正面図であり、図３は、ピンチ（Ａ） の分解された状態の斜視図である。 図４には、長方形のハンガー（Ｂ）の枠体（ｃ）における長辺（１３）、（１ ３）の内側に、７〜８cm位の間隔で、ピンチ（Ａ）が固定されているものを示し ている。 枠体（ｃ）は、その長辺（１３）、（１３）の中間に、補強部（１４）があり 、また枠体（ｃ）の長方形の４隅に連繋された吊り部材（１５）には、その寄せ 集められた中央においてフック（１６）が設けられている。 また、枠体（ｃ）は、補強部（１４）のある長辺（１３）、（１３）の中間部 から２つ折りになるような構成であってもよい。

【００１２】 図５は、図４におけるｘ−ｘ線の断面図で、押圧部（１１）の外方に突出して いる状態が示されている。 図６は、図４に示す長方形のハンガー（Ｂ）におけるピンチ（Ａ）に、干し物 （ｄ）を挟持させる状態を示すもので、干し物（ｄ）の両端を、両手の親指と中 指とで摘み、人差指でピンチ（Ａ）を押えて安定させ、下方より干し物（ｄ）を 挿入する。 このとき、親指にて回動ピンチ（ｂ）の押圧部（１１）を押圧すると、回動ピ ンチ（ｂ）は回動して干し物（ｄ）を容易に挿入することができる。 干し物（ｄ）の挿入が終り手指を離すと、回動ピンチ（ｂ）は、軸支ピン（４ ）に巻回した巻ばね（５）によって回動して、干し物（ｄ）の自重と相俟って干 し物（ｄ）は挟持部（８）、（９）にて挟持され吊下される。

【００１３】 干し物（ｄ）をハンガー（Ｂ）より取外すときは、図７に示すように左手で枠 体（ｃ）を押え、右手の人差指で回動ピンチ（ｂ）の先端部（１２）を軸支部（ ３）の巻ばね（５）に抗して回動すると、干し物（ｄ）は落下する。

【００１４】 以上は、ピンチ（Ａ）を長方形のハンガー（Ｂ）に取付けた場合であるが、そ の他の多角形のハンガーにおいても、また円形のハンガーにおいても、さらには １本の直線状のハンガーであってもよいことは勿論である。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、物干し用のハンガーに取付けるピンチであって、固定ピンチと回動 ピンチとから構成されるもので、洗濯物等の干し物をピンチの下方より、回動ピ ンチの自重、ばね、又は回動ピンチの自重とばねの力に抗して回動ピンチを回動 させて、両ピンチの挟持部を押開いて挿入し、挿入後は、これらのそれぞれの力 と干し物の自重とが相俟って、干し物は強固に挟持され落下することはない。 干し物を取り外すとこは、回動ピンチの先端部を上記のそれぞれの力に抗して 押圧し、回動ピンチを回動させることにより、干し物はその挟持が解かれて自重 で落下する。

【００１６】 このように固定ピンチと回動ピンチとで構成される本考案のピンチは、干し物 を把持した手のみで容易にピンチに干し物を挟持することができる。 例えば、長方形のハンガーの枠体の相対する長辺にピンチをそれぞれ相対して 取付けてあると、洗濯物等の干し物の両端を両手で摘んで、これを相対するピン チに対し、下方より容易に挿入して挟持させることができる。 このとき、干し物を摘んだ手指にて回動ピンの突設された押圧部を押圧するこ とになるから、可動ピンチは容易に回動して、その挟持部を開くことにより、干 し物を容易に挟持部に挿入して挟持することができる。

【００１７】 これに対し、従来のハンガーのピンチ、いわゆる洗濯鋏にあっては、干し物を 挟持するときは、常に１つの洗濯鋏に対して両手を使用しなければならないから 、それだけ手数がかかり面倒である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のハンガーの枠体に取付けたピンチの斜
視図

【図２】同上の正面図

【図３】ピンチの分解斜視図

【図４】ピンチを取付けた長方形のハンガーの斜視図

【図５】図４のｘ−ｘ線の断面図

【図６】洗濯物等の干し物をピンチに挿入する状態の側
面図

【図７】洗濯物等の干し物をピンチより取外す状態の正
面図

【符号の説明】

Ａ ハンガー用のピンチ Ｂ ハンガー ａ 固定ピンチ ｂ 回動ピンチ ｃ ハンガーの枠体 ｄ 洗濯物等の干し物 １ 固定部 ３ 軸支部 ４ 軸支ピン ５ 巻ばね ８ 挟持部 ９ 挟持部 １０ 誘導部 １１ 押圧部 １２ 先端部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンガーの枠体に取付けるピンチを固定
   ピンチと回動ピンチとで構成するとともに、この固定ピ
   ンチをハンガーの枠体に固定し、これと連係する回動ピ
   ンチをして、下方より挿入する洗濯物等の干し物によ
   り、回動ピンチの自重、又はばね、又は回動ピンチの自
   重とばねのそれぞれの力に抗して挟持部を開いて挿入を
   許し、これらの力の復動により干し物を挟持して吊下す
   るように構成したハンガー用のピンチ。
2. 【請求項２】 上記のハンガー用の枠体は、正方形、長
   方形等の多角形の枠体、円形の枠体、１本の支持体等で
   ある請求項１に記載のハンガー用のピンチ。
3. 【請求項３】 上記のハンガー用ピンチを構成する固定
   ピンチに対する可動ピンチには、干し物を挿入する際
   に、最初に手指が当接する押圧部が突設されている請求
   項１に記載のハンガー用のピンチ。