JP3047901B2 - 締め付け可能なパイプカップリング - Google Patents

締め付け可能なパイプカップリング

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    • Y10S285/00—Pipe joints or couplings
    • Y10S285/906—Equivalents

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、なめらかな外側表
面を有する２つのパイプを軸方向に接続する締め付け可
能なパイプカップリングに関する。カップリングは、金
属帯板からなる割れを有する環状即ちリング形状の要素
を含む。リングは、締め付けられた位置で、パイプ端を
囲む放射方向内側エッジを有する。リングの放射方向内
側エッジは、リングの平面に伸長する歯を有する。パイ
プカップリングが締め付けられた位置にあるとき、歯の
自由端はパイプ材料内にくい込む。歯は、一方のパイプ
にくい込み、パイプの縦軸に対してある角度をなす。歯
は、また、他方のパイプに結合する歯に対してある角度
をなす。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例え
ば、独国特許第２５５５１７９Ｂ２号に記載されたよう
な従来のパイプカップリングは、尖った鋸歯のように形
作られた（「爪」のような）歯を有する。鋸歯の円周方
向に隣接するエッジはＶ形状である。鋸歯の放射方向内
側の前表面は、カップリングによって結合されるパイプ
の縦軸に対して傾けられる。これら歯の尖ったチップ
は、金属パイプでさえパイプ材料内に深くくい込み、そ
れによって、パイプが高い内側圧力にもたらされ、カッ
プリングのパイプ端が滑り出すことを防ぐ。歯が、強ま
る内側圧力に対して十分に硬い材料から作られたなら
ば、パイプは離れようとする。それは、縦軸に対して放
射方向に傾けられた位置から、歯が縦軸に対して垂直と
なる位置の方向にずれるために生じる。言い換えれば、
歯は放射方向に立ち上がろうとし、パイプは内側圧力の
ために離れてずれようとする。歯が立ち上がると、パイ
プの周囲で、パイプの握りとパイプへのくい込みの深さ
とが強まり、それによって、内側圧力が強まるにも関わ
らずパイプ接続の軸方向の保全を保証する。しかし、非
常に強い内側圧力の場合、歯は、十分に強くないために
曲がる。主にテーパ状の尖った端のために、歯が曲が
る。
【０００３】更に、これら従来の鋸歯は、帯板の平面に
垂直となるよりもむしろ傾けられた内側の放射方向の前
表面を有する。従って、平らな金属帯板からなるこれら
鋸歯は複雑な操作で製造される。独国特許第２７３１４
６４号、第４１１１９５２号、第４２０４７６２号及び
第４４１１０６２号、並びに欧州特許出願第９５１１６
４８０．５号及び第９５１１６４８１．３号に記載され
たように、パイプカップリングの初期の歯の形態にも、
同様の課題がある。
【０００４】本発明の目的は、強い強度及び曲げ剛性を
有し、容易に製造できる歯を有するパイプカップリング
を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明によるパイプカッ
プリングの模範的な実施形態によれば、この目的及び他
の目的は、締め付けられるパイプの端を囲む放射方向内
側エッジを有する割れ円状リングを有することで達成さ
れる。歯は、割れ円状リングの放射方向内側エッジに配
置される。各歯の側面は、カップリングのこの側面に挿
入されたパイプの外側前表面に対向する。歯のこの側面
は、歯の自由端の近く即ち近傍の領域に、少なくとも１
つの窪みを有する。窪みは、近傍のパイプに対向する歯
の側面にスタンプにより形成される。窪みは、歯の自由
端の方向に歯の側面の材料を偏移させる。
【０００６】窪み工程における歯の材料の偏移は、歯の
先を尖らせ、それにより、パイプ材料内に深くくい込む
ことを可能にする。更に、金属帯板を穴開け又は打ち抜
く工程における簡単な方法によって、金属帯板の平面に
対して垂直に歯をカットし、このとき、同時に、適当な
ダイスタンプによって窪みを形成することが可能とな
る。それぞれの位置で、窪みは、歯の材料を、高密度に
且つそれにより強くさせる。従って、強まった硬度は、
窪みに沿うエッジによって提供され、結果として歯の自
由端の近くで鋸歯状の大きい曲げ剛性となる。
【０００７】窪みは中空の球の部分の形状を有するのが
好ましい。それは、非常に強い剛性を有する歯を提供
し、各歯の自由端の方向に歯の材料の偏移を保証する。
【０００８】
【発明の実施の形態】添付図面を参照しながら、以下の
具体的な実施形態の詳細な説明から、本発明の前述の及
び更なる目的、特徴及び効果が明らかとなる。
【０００９】本発明によるパイプカップリングを、図１
から図７に説明する。パイプカップリングは、完全な輪
よりも少なく曲げられた外側薄鋼板ケーシング１を含む
（図２参照）。前表面２の放射方向の曲げが、ケーシン
グ１の各軸方向端で提供される。各前表面２の内径は、
パイプカップリングによって接続されるパイプ３の外径
よりも大きい（図３参照）。ケーシング１は、割れてお
り即ち円周方向に開いており、それによって不完全な輪
を形成する。ケーシング１の自由端は放射方向外側で且
つ後ろに曲げられ、それによって不完全な輪の円周方向
の各自由端でループ４を形成する（図１及び図２参
照）。ケーシング１の自由端は、ケーシング１の外側前
表面に留金溶接部７を介して取り付けられる（図１参
照）。ボルト５が各ループ４内に挿入される。各ループ
４はスロット８を有し、該スロット８は、各ボルト５及
び６の主要部の周りに伸長する（図１参照）。各ボルト
５及び６は貫通穴を有し、該貫通穴は、組み立てられた
位置でスロット８の位置に対応する領域に配置される。
ボルト６の貫通穴はねじ切りされず、一方、ボルト５の
貫通穴はねじ切りされる。頭部を有する締め付けねじ９
は、各スロット８並びにボルト５及び６の貫通穴を介し
て伸長する。締め付けねじ９のねじ切りシャフトは、ボ
ルト５の内側にねじ切られた貫通穴と連結される。各締
め付けねじ９は、段１１を有するソケットヘッド１０を
有しており、該段１１は、締め付けられた位置において
ヘッド１０に対向するボルト６の貫通穴の端で裾広がり
なポケットに当接する。
【００１０】円錐形状で円周方向に不連続なリング１２
の放射方向外側エッジは、ケーシング１の前表面２で各
放射方向の曲げの内側前表面に当接する。各リング１２
の自由端１４は円周方向に重なる（図２参照）。リング
１２は金属帯板から形成される。歯１３が、リング１２
の放射方向内側エッジに設けられる。歯１３は、リング
１２を形成する金属帯板の面に配置される。
【００１１】エラストマガスケット１５が、ケーシング
１の放射方向内側に配置される（図３及び図４参照）。
ガスケット１５の軸方向端は、放射方向内側に突出する
リップシール１６及び１７を形成する。締め付けられた
位置で、リップシール１６及び１７は、パイプ３の外側
をプレスする。薄金属板リング１８が、リップシール１
６の間に配置される。リング１８は、ガスケット１５の
中間部分の放射方向内側に配置される。リング１８は、
円周方向の割れリングであり、円周方向に互いに重なる
自由端部分を有する。リング１８は、締め付けられた位
置において、エラストマガスケット１５の材料がパイプ
３の端の間で押し付けられないことを保証する。円状ケ
ーシング１の２つの端の間のギャップは、ガスケット１
５の外側円周方向に接し、ケーシング１の端部分によっ
て重ねられる、ブリッジによって連結している。
【００１２】図３から図５に説明されたように、歯１３
を含むリング１２は、パイプに対して、約３５゜と約５
５゜との間、好ましくは４５゜の角度αで傾けられる。
窪み２０が、各歯１３の側面１９において歯１３の自由
端の近傍でリングをスタンプすることによって形成され
る。この側面１９は、このリング１２を有するパイプカ
ップリングの側部に挿入されるパイプ３に対向する（図
５〜図７参照）。窪み２０は、歯１３の側面１９の側の
材料を、歯の自由端の方向に偏移させる（図５参照）。
窪み２０は、各歯１３の自由端に尖ったエッジのチップ
２１を作る。チップ２１は、約５０゜から８０゜の間、
好ましくは７０゜のくさび角度βを有する。
【００１３】各窪み２０の表面は、中空の球の一部のよ
うな形状になるのが好ましい。しかし、窪み２０は、例
えば尖っていてもよく、円錐の台、三面体又は四面体に
形成されてもよい。
【００１４】歯１３はそれらの自由端に設けられたチッ
プ２１を有し、カップリングが締め付けられた位置にあ
るとき、歯１３は、図３及び図４に表されたようにパイ
プ材料内にくい込む。従って、パイプ３内に高い内部圧
力がかかるとき、歯１３は、パイプ３が引き離れること
を防ぐ。更に、パイプ３が内部圧力のために離れてずれ
ようとするに従って、歯１３と一緒にリング１２は、放
射方向に立ち上がる傾向がある。従って、内部圧力が強
まると、歯１３は、パイプ材料内により深くくい込む。
それにより、内部圧力が強まるにつれて、カップリング
によって提供されたパイプ接続の軸方向負荷許容荷重を
増加する。
【００１５】打ち抜き動作によって金属薄板の平面に垂
直に、平らな金属薄板をまずパンチングすることによっ
てリング１２が生成される。このとき、同時に、歯が形
成される。更に、同時に、窪み２０が、歯１３の外側１
９にダイスタンプによって形成される。従って、１回の
打ち抜き及びスタンピング動作により、歯の材料は歯１
３の自由端の方向に偏異し、初めは歯の平面に垂直であ
った歯１３の前表面は、βのくさび角度でチップ２１を
形成する。同時に、窪み２０のスタンピングは、窪み２
０の領域の歯材料の密度を高め、従って強度において大
きい曲げ剛性を歯１３に与える。更に、その強度は、窪
み２０の周囲に沿うエッジによって増加される。従っ
て、パイプ接続は、大きい軸方向負荷に、歯１３を曲げ
ることなく耐えることが可能となる。
【００１６】図８及び図９は、歯１３の他の形態を説明
しており、各歯１３の外側１９に、円周方向に並列な２
つの窪み２０を設けている。図１から図９の実施形態に
おいて、歯１３は、それらの放射方向内側端における窪
み２０と離れ、リング１２の端が円錐台状に曲げられる
ところまで直線的に伸長する。しかしながら、窪み２０
は、放射方向内側方向に、ほぼ円弧に突出するチップ２
１を作る。一方、図１０及び図１１に説明される他の実
施形態において、歯１３は、正弦波状即ち波形状に既に
カットされている。従って、図１０の軸方向断面図で表
されたように、歯１３を形成する大きい連続波形では、
窪み２０のスタンピングはさほど効果がない。
【００１７】金属パイプを締め付けるために、リング１
は、例えば鋼鉄のような堅い薄金属板から作られるのが
好ましい。例えばプラスチックのような柔らかい材料か
らなるパイプに対しては、リング１が柔らかい薄金属板
から作られるのも好ましい。
【００１８】本発明による燃料又は燃料蒸気管が、好ま
しい模範的な実施形態で記載されており、ここで説明が
明らかにされることにより、当業者によって他の修正、
変更及び改善が提案されると思われる。例えば、前表面
２は正確に放射方向に伸長しなくてもよいが、互いに対
して軸方向に曲げられても良い。リング１２が、パイプ
材料に噛みつくように形成された歯１３を設けることも
好ましい。更なるリング１２を用いてもよい。特定の実
例として、適切なリングを構成する前表面２のみを有
し、リング１２を必要としなくてもよい。他の実施形態
において、ケーシング１の内側は、縦軸に対して同一方
向又は反対方向のどちらかに曲げられた各リングの歯に
対して、鋸歯状のリングの二重列を備えてもよい。全て
のこのような修正、変更及び改善は、特許請求の範囲に
よって規定された本発明の技術的思想の中にあることが
理解される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるパイプカップリングの側面から見
た部分的な断面図である。
【図２】図１のパイプカップリングの軸方向から見た断
面図である。
【図３】なめらかな表面の２つのパイプを軸方向に接続
するように締め付けられた位置にある、図１のパイプカ
ップリングの軸方向の断面図である。
【図４】図３の円部分の拡大図である。
【図５】図１、図３及び図４で説明されたリングの部分
における、歯の近傍の断面図である。
【図６】図１から図３のパイプカップリングのリングの
軸方向から見た部分図である。
【図７】図６のリングの窪み領域の断面図である。
【図８】図６のリングに対する他の実施形態であって、
２つの窪みを設けた歯を有するリングの軸方向から見た
部分図である。
【図９】図８のリングの窪み領域の断面図である。
【図１０】図６のリングに対する他の実施形態であっ
て、鋸歯状が予め波型にされた歯を有するリングの軸方
向から見た部分図である。
【図１１】図１０のリングの窪み領域における断面図で
ある。
【符号の説明】
１ 薄鋼板ケーシング ２ 前表面 ３ パイプ ４ ループ ５、６ ボルト ７ 留金溶接部 ８ スロット ９ 締め付けねじ １０ ソケットヘッド １１ 段 １２ リング １３ 歯 １４ 自由端 １５ エラストマガスケット １６、１７ リップシール １８ リング １９ 側面 ２０ 窪み ２１ チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−152789（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−177405（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16L 21/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 なめらかな外側表面を有する２つのパイ
    プ（３）を軸方向に接続するためのパイプカップリング
    において、 第１の割れ円状リング（１２）と、第２の割れ円状リン
    グ（１２）とを含んでおり、 前記第１及び第２の割れ円状リング（１２）は金属帯板
    からなり、各帯板は締め付けられた位置で前記パイプの
    端を囲む放射方向内側エッジを有しており、該帯板の該
    放射方向内側エッジに複数の歯（１３）が配置されてお
    り、該歯（１３）はそれぞれの前記リング（１２）の平
    面に配置されており、カップリングが締め付けられた位
    置にあるとき各歯（１３）の自由端が前記パイプ（３）
    にくい込み、前記歯（１３）は前記パイプ（３）の縦軸
    に対してある角度（α）をなし、カップリングに挿入さ
    れた前記パイプ（３）に対向する各歯（１３）の側面
    （１９）は、該歯（１３）の自由端の近傍に、少なくと
    も１つの窪み（２０）を有しており、該窪み（２０）
    は、前記歯（１３）の前記側面（１９）の材料を、前記
    歯（１３）の前記自由端の方向に偏移させることを特徴
    とするパイプカップリング。
  2. 【請求項２】 前記窪み（２０）は、部分的に中空の球
    形状を有することを特徴とする請求項１に記載のパイプ
    カップリング。
  3. 【請求項３】 前記窪み（２０）は、前記歯（１３）の
    前記側面（１９）にスタンプにより形成されることを特
    徴とする請求項１に記載のパイプカップリング。
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