JP3047248B2 - クリーニング方法 - Google Patents

クリーニング方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、クリーニング方法に関する。
(従来の技術) 従来から、半導体デバイスの製造工程において、半導
体ウエハ等の被処理基板へのポリシリコン膜やシリコン
エピタキシャル成長膜等のSi系被膜を減圧CVDや常圧CVD
等によって成膜することが行われている。
このようなSi系被膜の成膜工程では、石英等からなる
反応容器の周囲に加熱用ヒータを配置して構成された熱
処理装置が一般的に用いられており、例えば所定温度に
保持された反応容器内にウエハボートに収納された多数
枚の半導体ウエハをローディングした後、SiH4やSiH2Cl
2、HCl、H2等の反応性ガスを反応容器内に導入すること
によって、Si系被膜の成膜処理が行われる。なお、半導
体ウエハのロード・アンロードは、通常、処理温度近傍
の温度に保持された反応容器に対して行われる。
ところで、上記したような成膜工程を実施すると、熱
処理装置の反応容器やその他石英治具類等にもSi系被膜
が被着する。この反応容器等に被着したSi系被膜は、膜
厚が増加すると剥離して飛散し半導体ウエハに付着し
て、半導体ウエハの歩留り低下要因等となるため、通常
は、ある頻度で反応容器内の温度を常温付近まで降温し
た後、反応容器や石英治具類等を取り外し、ウェット洗
浄することによってSi系被膜を除去することが行われて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述したようなウェット洗浄による熱
処理装置のクリーニング法では、反応容器内温度の昇降
温や反応容器等の取り外し等に伴う装置停止時間が非常
に長いため、熱処理装置の稼働効率を低下させてしまう
という問題があった。
また、熱処理装置においてもロードロックシステムの
ように、反応容器内やローディング部を常に真空保持す
ることが考えられており、このような場合には、クリー
ニング対象物を容易に取り外すことができなくなるとい
う問題がある。また、半導体ウエハの大口径に伴い装置
が大型化した場合、同様な問題を有する。
一方、最近になって装置内にエッチングガスを流して
クリーニングを行う方法が用いられ始めており、特にCl
F3を用いるとプラズマ状態にしなくてもクリーニングを
行えることが報告されている。しかしながら、ClF3は反
応性が高いため、400℃以上で使用することは考えられ
ておらず、通常クリーニングは400℃以下で行われてい
る。従って、400℃以上特に600℃以上で成膜を行う工程
においては、ClF3クリーニングを行うためには装置内の
温度を400℃以下まで降温しなければならず、長期間の
クリーニングとなっていた。
本発明は、このような課題に対処するためになされた
もので、処理容器内に付着した被膜のクリーニングを、
短時間で効率よくかつ安全に実施することを可能にした
クリーニング方法を提供することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち本発明のクリ−ニング方法は、被処理物を収
容し、該被処理物に成膜処理を施す石英製の処理容器の
内部をクリ−ニングするに際し、 前記処理容器内を、450℃以上の処理温度に保った状
態で、該処理容器内に希釈されたClF3を含むクリ−ニン
グガスを供給し、 前記処理温度及び前記クリ−ニングガスのガス流量を
調整することによって、前記処理容器内が、2Torrより
低い圧力で、かつ、該処理容器内に付着したポリシリコ
ン被膜のエッチングレ−トが前記処理容器を構成する石
英のエッチングレ−トより大きくなる状態として、該処
理容器内に付着したポリシリコン被膜を除去することを
特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載のクリ−ニン
グ方法において、 前記希釈されたClF3を含むクリ−ニングガスを前記処
理容器内にパルス状に供給することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1記載のクリ−ニン
グ方法において、 前記希釈されたClF3を含むクリ−ニングガスの供給期
間に、前記処理容器に超音波を印加することを特徴とす
る。
(作用) 本発明のクリーニング方法においては、例えば450℃
〜650℃という処理温度近傍の温度に処理容器内を保っ
た状態で、ClF3を含むクリーニングガスを導入すること
によって、処理容器内のクリーニングを行うため、被膜
を効率よく除去することが可能であると共に、処理容器
内温度をほとんど変更することなく、成膜等の処理工程
とクリーニング工程とを連続して行うことが可能とな
る。よって、クリーニングに伴う装置停止時間を大幅に
低減することが可能となる。また、ClF3が例えば10〜50
体積%の範囲で含まれるクリーニングガスを使用するた
め、上記したような温度状態の処理容器内にClF3を含む
クリーニングガスを供給しても、エッチング効果を維持
した上で処理容器等へのダメージを抑制することができ
る。
(実施例) 以下、本発明方法をバッチ式縦型熱処理装置のクリー
ニングに適用した実施例について、図面を参照して説明
する。
第1図に示すように、縦型熱処理装置1は処理容器例
えば2重管構造の反応容器2を有しており、この反応容
器2は、例えば石英によって形成された外筒3と、この
外筒3内に同心的に所定の間隔を設けて収容された、例
えば石英からなる内筒4とから構成されている。また、
反応容器2の周囲には、この反応容器2を囲繞する如く
加熱ヒ−タ5および図示を省略した断熱材等が配置され
ている。
上記反応容器2下方の開口部2aは、円盤状のキャップ
部6により密閉されるよう構成されており、このキャッ
プ部6上に設置された保温筒7の上方に、被処理物であ
る複数の半導体ウエハ8が所定のピッチで積層収容され
た例えば石英からなるウエハボ−ト9が搭載される。こ
れらウエハボ−ト9、保温筒およびキャップ部6は、図
示を省略して昇降機構によって、一体となって反応容器
2内にロ−ディングされる。
また、反応容器2の下端部には、ガス導入管10がガス
吐出部10aを内筒4内に直線的に突出させて設けられて
いる。上記ガス導入管10には、反応ガス供給系11とクリ
ーニングガス供給系12とが接続されており、これらの切
替えはバルブ13、14で行われる。
上記クリーニングガス供給系12は、エッチングガス源
であるClF3ガス供給部15と、希釈用のキャリアガス例え
ばN2ガス供給部16とを有しており、それぞれマスフロー
コントローラ17、18およびバルブ19、20等を介してガス
導入管10に接続されている。そして、上記マスフローコ
ントローラ17、18で、ClF3ガスおよびN2ガスそれぞれの
供給流量を調節することによって、ClF3濃度が所定濃度
に希釈されたクリーニングガスがガス導入管10側に供給
される。また、ClF3ガス供給部15側の配管系21には、テ
ープヒータ22が巻装されており、ClF3ガスが配管内で再
液化することを防止している。
また、反応容器2内にガス専入管10を介して導入され
たガスは、反応容器2の下端部の外筒3と内筒4との間
隙に開口された排気管23を介して真空ポンプ24へと排出
される。
なお、上記真空ポンプ24としては、オイルフリーのド
ライポンプを用いることが好ましい。これは、クリーニ
ングガスとしてClF3を用いているため、ポンプオイルの
劣化やオイル中に混入した塩素やフッ素によるポンプ本
体の劣化を招く可能性が高いためである。
また、ポンプ24から排出されたClF3を含むガスは、有
害、危険なガス成分を除害装置25により取り除き排気さ
れる。除外装置25には、有害、危険なガスを吸着または
分解する薬剤の入った筒26が収納されている。
次に、上記縦型熱処理装置を用いたポリシリコン膜の
成膜工程と、反応容器内のクリーニグ工程について説明
する。
まず、成膜工程を説明する。処理温度例えば450℃〜6
50℃程度の温度に加熱された反応容器2内に、多数枚の
8インチ径の半導体ウエハ8を収容したウエハボ−ト9
をローディングし、キャップ部6によって反応容器2を
密閉する。次いで反応容器2内を例えば1×10-3Torr程
度に減圧した後、SiH4等の処理ガスをガス導入管10から
所定流量供給し、例えば1.0Torr程度の真空度に保持し
ながら、半導体ウエハ8への成膜処理を行う。この際、
クリーニングガス供給系12側の切替えバルブ14は、閉状
態とされている。
上記成膜処理を終了した後は、水素パ−ジや窒素パ−
ジ等を行って、反応容器2内の処理ガスを除去し、無害
な雰囲気で常圧状態とした後、ウエハボ−ト9を上記反
応容器2からアンローディングする。この際、反応容器
2内の温度は、上記成膜処理温度を維持する。
次に、キャップ部6によって反応容器2を密閉し、上
記処理温度すなわち450℃〜650℃の温度に加熱された反
応容器2内に、クリーニングガスをガス導入管10から供
給し、圧力1.2Torrで反応容器2内に付着したSi系被膜
の除去処理を行う。
このクリーニング処理に先立って、予めクリーニング
ガス中のClF3濃度が10〜50体積%となるように、ClF3
スおよびN2ガスそれぞれの供給流量をマスフローコント
ローラ17、18で調節しておく。上記クリーニングガス中
のClF3濃度が10体積%未満では、上記したような高温下
での処理によってもエッチングレートが小さすぎ、また
50体積%を超えると、反応容器2等に対するダメージが
大きくなりすぎる。第2図にポリ−SiとSiO2のエッチン
グレートの温度依存性を示す。第3図および第4図はそ
れぞれポリ−Siと石英のエッチングレートのガス流量依
存性と圧力依存性を示す。第4図において、ポリ−Siと
石英のエッチングレートが等しくなる圧力をクロスポイ
ント圧力とし、それの温度依存性とガス流量依存性をそ
れぞれ第5図および第6図に示す。従って、温度、ガス
流量によりクロスポイントがずれるため、温度とガス流
量によって圧力を調整し、ポリ−Siのエッチングレート
が石英のエッチングレートよりも大きい圧力でクリーニ
ングを行うことが望ましい。
また、反応容器2内の圧力は、5.0Torr以下、好まし
くは3.0Torr以下の範囲に設定することが望ましい。こ
れは、反応容器2内の圧力が高いほど反応容器2等に対
するダメージが大きくなる反面、Siのエッチングレート
が小さくなるためである。そこで、上記反応容器2内の
温度およびクリーニングガス中のClF3濃度や真空ポンプ
24の排気能力を考慮した上で、反応容器2内の圧力は、
上記した範囲とすることが好ましい。
このように、450℃〜650℃の温度に加熱された反応容
器2内に、ClF3濃度が10〜50体積%のクリーニングガス
を導入し、反応容器2内のクリーニングを行うことによ
って、反応容器2等に対してダメージを与えることな
く、十分なエッチングレートで付着したポリシリコン膜
を除去することができる。また、反応容器2内温度を45
0℃〜650℃という処理温度に設定しているため、成膜工
程およびクリーニンング工程間での移行の際に、反応容
器2内の温度を昇降温する必要がなく、クリーニングに
要する時間を大幅に短縮することができる。よって、熱
処理装置の稼働効率の向上が図れる。また、プラズマレ
スでクリーニング処理することが特徴である。
また、装置構造は、ガス導入管10のガス吐出部10aを
内筒44内に直線的に突出させているため、保温筒8にク
リーニングガスが当たり、反応容器2内でクリーニング
ガスの乱流が起こり、ガス導入管10と対向する部分のク
リーニングも十分に行うことができる。
次に、上記したクリーニング方法による反応容器等に
対するダメージや成膜処理に対する影響を評価した結果
について説明する。
まず、模擬的にポリシリコン膜を10μmの膜厚で成膜
した石英治具に対して、630℃に加熱した1.3Torrの炉内
で、ClF3濃度を20体積%に調整したクリーニングガス
(キャリアガス:N2)で120分のクリーニングを実施した
ところ、ポリシリコン膜はほぼ完全に除去でき、かつ石
英治具の厚さ減少量は6〜10μmであった。また、石英
治具表面の粗さもほとんど増加せず、上記クリーニング
を実施しても反応容器等に対してほとんどダメージを与
えることがないことが判明した。
次に、上記クリーニングによるダストの増加量を測定
した。測定方法は、まずウェット洗浄した反応容器内
に、清浄な8インチウエハを下部、中央部および上部の
3箇所にセットしたウエハボートをローディングし、N2
ガスによる空処理(処理温度:630℃、容器内圧力:1.3To
rr、処理時間:30分、N2流量:1SCM)を行った。このN2
ス処理前のウエハ上の0.3μm以上のパーティクル数
(3枚のウエハの平均値)を初期値とし、この値からの
増加量を各処理後に測定した。処理は、まず膜厚0.6μ
mでポリシリコン膜を成膜し、次いで膜厚10μmでポリ
シリコン膜を成膜した後、処理温度630℃で、容器内圧
力1.3Torr、処理時間120分、流量3.5SCM、ClF3濃度20体
積%の条件でクリーニングを実施し、以上のサイクルを
複数回繰り返し行った。なお、パーティクル数の測定
は、成膜後には各2回、クリーニング後には各4回づつ
行った。その結果を第7図に示す。
第7図から明らかなように、Si膜成膜後とクリーニン
グ後とを比較しても特別優位差はなく、上記ClF3による
クリーニングが反応容器内の清浄度に悪影響を及ぼすこ
とがないいことが分る。
また、上記クリーニングのコンタミネーションに対す
る影響を以下に示す方法によって評価した。まず、上記
ダスト測定時と同様な条件でクリーニングを実施前と実
施後に、清浄な半導体ウエハ上に形成したsi系被膜の不
純物量(Cl、F、Fe)を微量分析機(SIMS)にて測定
し、膜中の不純物量を比較した。その結果を第8図およ
び第9図に示す。
第8図および第9図から明らかなように、処理前のウ
エハ中の不純物量と、クリーニング後に成膜した膜中の
不純物量とを比較しても特別優位差はなく、上記ClF3
よるクリーニングが成膜処理に対するコンタミネーショ
ンに悪影響を及ぼすことがないことが分る。
これら評価結果からも明らかなように、本発明のクリ
ーニング方法によれば、反応容器等や成膜処理に対して
悪影響を及ぼすことなく、短時間にかつ効率よく反応容
器等に付着したSi系被膜を除去することが可能であるこ
とが分る。
なお、上記実施例において、クリーニングガスの供給
は、パルス的(間欠的)に供給してもよいし、適宜処理
容器内で乱流が生じるように供給してもよい。
さらに、上記実施例において、処理容器内への少なく
ともクリーニングガス供給期間、処理容器に超音波を印
加するとさらに迅速に処理できる。この超音波の印加も
強弱をつけると、さらに高速クリーニングが可能になる
場合がある。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のクリーニング方法によ
れば、450℃以上の高温下で処理容器等に対してダメー
ジを与えることなく、例えば成膜処理に対して悪影響を
及ぼすことなく、短時間にかつ効率よく処理容器内部の
クリーニングを実施することができる。よって、装置の
稼働効率の大幅な向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を適用した縦型熱処理装置の概要を
示す図、第2図はポリ−SiとSiO2のエッチングレートの
温度依存性を示す図、第3図はポリ−Siと石英のエッチ
ングレートのガス流量依存性を示す図、第4図はポリ−
Siと石英のエッチングレートの圧力依存性を示す図、第
5図はポリ−Siと石英のエッチングレートが等しくなる
圧力の温度依存性を示す図、第6図はポリ−Siと石英の
エッチングレートが等しくなる圧力のガス流量依存性を
示す図、第7図は本発明の実施例で測定したクリーニン
グ後のダスト量をクリーニング前のダスト量と比較して
示すグラフ、第8図および第9図はそれぞれ本発明の一
実施例で測定したクリーニング後に成膜した膜中の不純
物量をクリーニング前の不純物量と比較して示すグラフ
である。 1……縦型熱処理装置、2……反応容器、5……加熱ヒ
−タ、8……半導体ウエハ、9……ウエハボ−ト、10…
…ガス導入管、10a……ガス吐出部、11……反応ガス供
給系、12……クリーニングガス供給系、13、14……切替
えバルブ、15……ClF3ガス供給部、16……N2ガス供給
部、17、18……マスフローコントローラ、23……排気
管、24……真空ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 秀樹 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 東 京エレクトロン株式会社内 (72)発明者 見方 裕一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 宮崎 伸治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 守屋 孝彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−77579(JP,A) 特開 平3−31479(JP,A) 特開 平1−231936(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304,21/205 B08B 5/00 - 13/00 C23C 16/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理物を収容し、該被処理物に成膜処理
    を施す石英製の処理容器の内部をクリ−ニングするに際
    し、 前記処理容器内を、450℃以上の処理温度に保った状態
    で、該処理容器内に希釈されたClF3を含むクリ−ニング
    ガスを供給し、 前記処理温度及び前記クリ−ニングガスのガス流量を調
    整することによって、前記処理容器内が、2Torrより低
    い圧力で、かつ、該処理容器内に付着したポリシリコン
    被膜のエッチングレ−トが前記処理容器を構成する石英
    のエッチングレ−トより大きくなる状態として、該処理
    容器内に付着したポリシリコン被膜を除去することを特
    徴とするクリ−ニング方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のクリ−ニング方法におい
    て、 前記希釈されたClF3を含むクリ−ニングガスを前記処理
    容器内にパルス状に供給することを特徴とするクリ−ニ
    ング方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のクリ−ニング方法におい
    て、 前記希釈されたClF3を含むクリ−ニングガスの供給期間
    に、前記処理容器に超音波を印加することを特徴とする
    クリ−ニング方法。
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