JP3581890B2 - 熱処理方法および熱処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は熱処理方法および熱処理装置に関し、特に熱処理装置のドライ洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体ウェハの製造工程において、半導体ウェハなどの被処理体に対して減圧CVD装置などの熱処理装置を用いてタンタルオキサイド(Ta)膜を成膜処理することが行われている。このようなタンタルオキサイド膜の成膜工程では、石英などからなる反応容器の周囲に加熱用ヒータを配置してなる熱処理装置が一般に採用されている。処理時には、所定温度、たとえば400℃、所定圧力、たとえば0.5Torrに保持された反応容器内に、ウェハボートに収納された多数枚の半導体ウェハなどの被処理体をローディングした後、Ta(OC/Nガスや、Oガスなどのプロセスガスを反応容器内に導入することによって、タンタルオキサイド膜の成膜処理が行われる。
【0003】
ところで、タンタルオキサイド膜の成膜処理を実施すると、被処理体のみならず処理容器の内壁やその他の治具類、特に石英製の構成部分にもタンタルオキサイド膜が被着する。この反応容器などに被着したタンタルオキサイド膜は、長期にわたる使用の間には、膜剥がれなどによるパーティクル発生の原因となり、飛散して被処理体に付着して、被処理体の歩留まりを低下させることになる。そのため、通常は、ある頻度で反応容器内の温度を常温付近にまで下げた後、反応容器やその他の治具類を取り外し、HF溶液などを用いてウェット洗浄を行うことにより、タンタルオキサイド膜を除去することが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなHF溶液を用いたウェット洗浄を行うためには、洗浄処理のために装置の温度を一旦下げてから装置をばらして反応容器やその他の治具類を取り外さねばらず、非常に煩雑な作業であった。また、タンタルオキサイドのHFに対する溶解度が非常に小さいため、十分なエッチングを行うためには長時間を要し、その間に石英製の反応容器やその他の治具類に対しても大きな損傷を与えるおそれがあった。そして結果的に洗浄処理要するメンテナンス時間が長くなり、スループットを低下させ、コストアップになるため問題となっていた。また枚葉式の成膜装置であれば、処理室の容積が小さいため、プラズマによるドライ洗浄を実施することが可能であるが、バッチ式の成膜処理の場合には、反応容器の容積が大きくなるため必要な個所を均一にプラズマによるドライ洗浄することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記のようなタンタルオキサイド膜の成膜装置に対して洗浄処理を実施する際の問題点に鑑みてなされたものであり、従来のウェット洗浄のように装置を分解せずに実施可能であり、したがって熱処理装置の処理容器内の温度を立ち下げずにほぼ同様の温度雰囲気で洗浄処理を実施可能であり、また短い洗浄時間で十分な効果を得ることが可能であり、反応容器やその他の治具類、特に石英製の構成部品に対するエッチング損傷が少なく、さらにバッチ式成膜装置のように容積の大きな装置の洗浄にも適した、新規かつ改良されたタンタルオキサイド膜の成膜装置のドライ洗浄を実施可能な熱処理方法および熱処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、処理容器内に収容された被処理体に対してタンタルオキサイド膜を成膜した成膜処理後に、少なくともClFを含むクリーニングガスを処理容器内に導入してドライ洗浄を行うことを特徴としている。その際には、成膜処理時の温度環境を実質的に変化させずに、すなわち成膜処理後に一旦加熱装置の出力を停止し温度を下げることなく、加熱装置の出力を成膜処理時とほぼ同様に維持したまま、ドライ洗浄処理を実施することが好ましい。また、上記ドライ洗浄処理を行うに際しては、ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物を監視し、その反応生成物が所定値以下になった場合に、クリーニングガスの供給を停止する構成を採用することが好ましい。さらにまた、成膜処理とドライ洗浄処理とを反復的に実施する構成を採用することも可能である。さらにまた、成膜処理後に、窒素ガスなどの不活性ガスを処理容器内に導入し、処理ガスと不活性ガスとを置換した後に、前記ドライ洗浄処理を実施する構成を採用することも可能である。
【0007】
また本発明の別の観点によれば、処理容器内に収容された被処理体に対してタンタルオキサイド膜を成膜させる熱処理装置であって、成膜処理後に少なくともClFを含むクリーニングガスを処理容器内に導入するためのガス導入手段を設けたことを特徴とするものが提供される。その際に、ドライクリーニングガスによるドライ洗浄中の温度環境を成膜処理時の温度環境と実質的に同一に保持するための手段を設ける構成を採用することができる。その際には、該手段を成膜処理時の加熱手段と兼用することも可能である。また、ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物を監視するための手段と、その監視手段により検出された反応生成物が所定値以下になった場合に前記クリーニングガスの供給を停止するための手段を設けた構成を採用することもできる。
【0008】
【作用】
上記のような本発明にかかる熱処理方法、または熱処理装置によれば、処理容器内に収容された被処理体に対してタンタルオキサイド膜を成膜した成膜処理後に、低温、たとえば350℃ないし500℃であっても、タンタルオキサイドに対しては高いエッチングレートを有し、石英に対しては低いエッチングレートを有するClFを含むクリーニングガスを処理容器内に導入してドライ洗浄を行うので、装置を分解するとなく、また石英製の処理容器その他の治具に損傷を与えることなく、短時間で処理容器内を洗浄することができる。
【0009】
た、成膜処理時の温度環境を実質的に変化させずに、すなわち成膜温度、たとえば350℃ないし500℃でタンタルオキサイド膜を成膜した後に、加熱装置の出力を停止し温度を下げることなく、加熱装置の出力を成膜処理時とほぼ同様に、すなわち350℃ないし500℃に維持したまま、ドライ洗浄処理を連続して実施することができるので、メンテナンスに要する時間をウェット洗浄に比較して大幅に短縮させることが可能である。
【0010】
また上記ドライ洗浄処理を行うに際しては、ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物、たとえばフッ化タンタルや、塩化タンタルを赤外線カウンタやUVカウンタにより監視し、その反応生成物が所定値以下になった場合に、クリーニングガスの供給を停止するので、石英製の処理容器その他の治具に被着したタンタルオキサイド膜のみを選択的にエッチングし、石英製の処理容器その他の治具に与える損傷を最小限に抑えることが可能となる。
【0011】
さらにまた、成膜処理とドライ洗浄処理とを反復的に実施することにより、石英製の処理容器その他の治具に対するタンタルオキサイド膜の被着を反復的にドライ洗浄することができるので、装置のメンテナンス頻度を大幅に減少させることが可能となる。
【0012】
さらにまた、成膜処理後に不活性ガスによるパージ処理を行うことにより、残留処理ガスを効率的に除去できるので、ドライエッチング速度を向上させることができる。
【0013】
【実施例】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に基づいて構成された熱処理方法を縦型の減圧CVD装置に適用した一実施例について詳細に説明する。
【0014】
図1に示す減圧CVD装置は、高速縦型熱処理炉として構成され、図示のように水平方向に固定された基台1上に垂直に支持された断熱性の略有頭円筒状の管状炉2と、その管状炉2の内側に所定の間隔3を空けて挿入された略有頭円筒形状の石英などから成る反応管4と、上記管状炉2の内周壁に上記反応管4を囲繞するように螺旋状に配設された抵抗発熱体などのヒータよりなる加熱手段5と、複数の被処理体、たとえば半導体ウェハ(W)を水平状態で水平方向に多数枚配列保持することが可能な石英などから成るウェハボート6と、このウェハボート6を昇降するための昇降機構7とから主要部が構成されている。なお必要な場合には、上記加熱手段5を複数のゾーンに分割し、ゾーン制御を行うことにより、ウェハボート6上部および下部における成膜処理のばらつきを減じる構成を採用することも可能である。
【0015】
さらに上記管状炉2の底部には上記間隔3に連通する吸気口8が設置されており、適当なマニホルド9を介して接続された給気ファン10により上記間隔3内に冷却空気を供給することが可能である。また上記管状炉2の頂部には同じく上記間隔3に連通する排気口11が設置されており、上記間隔3内の空気を排気することが可能なように構成されている。
【0016】
また上記反応管4の底部には、ガス導入管12が設けられている。このガス導入管12には、ガス供給系13がバルブ14を介して接続されている。これらのガス供給系13は、上記反応管4内部に処理ガスおよびクリーニングガスを供給するための各種ガス源、バルブ類および流量制御器(MFC)とから主に構成されている。すなわち処理ガス源として、ペンタエトキシタンタル(Ta(OC)ガス供給部15および酸素(O)ガス供給部16が設置されており、クリーニング用エッチングガスとして、三フッ化塩素(ClF)ガス供給部17が設置されており、さらに希釈用ガス源またはパージ用ガス源として、窒素(N)ガス供給部18が設置されており、そして上記ペンタエトキシタンタル(Ta(OC)ガス供給部15はバルブ15a、15bおよび流量制御器15cを介して、上記酸素(O)ガス供給部16はバルブ16a、16bおよび流量制御器16cを介して、上記三フッ化塩素(ClF)ガス供給部17はバルブ17a、17bおよび流量制御器16cを介して、さらに上記窒素(N)ガス供給部18はバルブ18a、18bおよび流量制御器18cを介して、それぞれ上記ガス導入管12に連通している。そして、成膜処理時およびドライ洗浄処理時には、各バルブおよび流量制御器(MFC)を調整して、所望のガスを所望の流量で上記反応管4内に導入することが可能である。
【0017】
さらに上記反応管4内に上記ガス導入管12を介して導入されたガスは、上記反応管4の下端に設けられた排気管19を介して真空ポンプ20へと排出される。この真空ポンプ20としては、オイルフリーのドライポンプを用いることが好ましい。これはクリーニングガスとしてClFを用いるため、ポンプオイルの劣化やオイル中に混入した塩素やフッ素によるポンプ本体の劣化を招く可能性が高いためである。
【0018】
また上記排気管19と上記真空ポンプ20との間には上記反応管4内から排出される反応生成物の量を測定するための赤外線カウンタなどのセンサ21が設置されている。このセンサ21は、ドライ洗浄処理時に、たとえばフッ化タンタルや塩化タンタルなどのClFによるタンタルオキサイド膜のエッチングにより生じた反応生成物の量を監視するためのものであり、反応生成物の量が所定値以下になった場合に、制御器22に信号を送り、その制御器22により上記ガス供給系13を制御し、石英などからなる反応管4の内壁やその他の治具にオーバーエッチングによる損傷を与えないためのものである。
【0019】
さらに上記真空ポンプ20から排出されたClFを含むガスは、有害、危険なガス成分を除外装置23により取り除かれ排気される。そして、この除外装置23には、有害、危険なガスを吸着または分解するための薬剤の入った筒24が収納されている。
【0020】
なお上記ウェハボート6は、半導体ウェハWを多段状に保持する保持部6aの下に保温筒25を介して蓋体26を備えており、上記昇降機構7により上記ウェハボート6を上昇させることにより、上記蓋体26が上記反応管4の底部の開口を気密に封止することが可能なように構成されている。
【0021】
次に上記のように構成された縦型熱処理炉を用いたタンタルオキサイド膜の成膜工程と、反応容器内のドライ洗浄工程について、図2および図3を参照しながら説明する。なお、図2は、成膜処理を反復し、メンテナンスが必要な場合にドライ洗浄を行う場合のフローを示す流れ図であり、図3は、成膜処理とドライ洗浄を反復して処理を行う場合のフローを示す流れ図である。
【0022】
まず図2を参照しながら、タンタルオキサイド膜の成膜および洗浄工程を説明する。まずステップS21に示す成膜処理時には、所定の処理温度、たとえば400℃の温度に加熱された上記反応管4内に、多数の被処理体、たとえば8インチ径の半導体ウェハWを収容したウェハボート6をローディングして、上記蓋体26により上記反応管4を密閉する。ついで上記反応管4内をたとえば0.5Torr程度に減圧した後、上記ガス供給系13より、Nにより希釈されたペンタエトキシタンタル(Ta(OC)ガスおよびOガスをガス導入管から所定流量供給しながら、半導体ウェハWへのタンタルオキサイド膜の成膜処理を行う。上記成膜処理を終了した後は、上記反応管4内の処理ガスを排出する工程を行う。すなわち、上記反応管4内の処理ガスを排出しつつ、不活性ガス、たとえばNガスを導入し、上記反応管4内をNガス雰囲気に置換するものである。このようにして、上記反応管4内の処理ガスを除去し、無害な雰囲気で常圧状態とした後、上記ウェハボート6を上記反応管4からアンローディングすることにより、一連の成膜処理を終了し、次のロットに対する成膜処理を行う。
【0023】
ステップS21に示す成膜処理を長期にわたり反復して行った結果、ステップS22において、上記反応管4内の被処理体以外の部分、特に石英で構成されている部分にタンタルオキサイド膜が被着し、パーティクル源となるおそれがあると判断された場合には、ステップS23においてClFエッチングによるドライ洗浄処理が行われる。その際、本発明方法によれば熱処理炉を分解することなく、また加熱装置5の出力を停止して熱処理炉を立ち下げることなく、継続してドライ洗浄処理を行うことが可能である。
【0024】
すなわち、上記ドライ洗浄処理は、まず上記蓋体26を閉止して、上記反応管4内を密閉した後、上記成膜処理における温度とほぼ同じ温度、すなわち350℃ないし500℃、好ましく400℃程度に加熱された上記反応管4内に、上記ガス供給源13よりN2ガスにより希釈されたClF3ガスを700〜1400sccmの流量で供給し、圧力を0.5Torr〜1.25Torr、好ましくは0.8Torr程度に保持して上記反応管4内に付着したタンタルオキサイド膜の除去処理を行うことが可能である。なお、ドライ洗浄処理時の処理温度を500℃以上に設定した場合には、エッチングレートが高くなり石英に対する損傷が大きくなる。また処理圧力を1.25Torr以上にした場合には上記反応管4内においてエッチングむら生じ、所望の洗浄効果を得ることができない。また流量を1400sccm以上に設定した場合には、クリーニングガスの消費量が大きくなり洗浄処理のコストを押し上げることになり好ましくない。これに対して、処理温度を350℃以下に設定した場合や、処理圧力を0.5Torr以下に設定した場合や、流量を700sccm以下に設定した場合には、エッチングレートが低くなり、洗浄処理に時間を要することになり好ましくない。
【0025】
以上のようなドライ洗浄処理中に排気管19から排気される排気ガスは赤外線カウンタまたはUVカウンタ21により監視されており、ステップS24において、タンタルオキサイド膜のエッチング洗浄時に生じる反応生成物、たとえばフッ化タンタルや塩化タンタルの量が所定値以下になった場合には、それ以上エッチングを継続すればオーバーエッチングにより石英を損傷するおそれがあるので、制御器22からガス供給源13に信号を送り、クリーニングガスを供給を停止して一連の処理を終了する。
【0026】
以上のように、本発明方法によれば、洗浄処理の度に、熱処理装置の温度を下げて分解するような煩雑な作業を経ることなく、成膜処理から継続して洗浄処理を行うことが可能なので、メンテナンス時間を大幅に短縮することが可能である。しかも洗浄処理を成膜処理とほぼ同様の温度雰囲気で行うことにより、高いエッチングレートでかつ石英に対する損傷も最小限に抑えたドライ洗浄を実施することが可能である。
【0027】
次に図3を参照しながら、本発明方法の別の実施例について説明する。この実施例は、成膜処理と簡単な洗浄処理を反復して行うことにより、本格的なメンテナンスの頻度を軽減しようとするものである。なお、図3のステップS31に示すタンタルオキサイド膜の成膜処理およびステップS33に示すClFガスによるドライ洗浄処理は、それぞれ図2のステップS21およびステップS23に実質的に対応するものなので、詳細な説明は省略することにする。
【0028】
この実施例では、一連の成膜/洗浄工程、すなわち、ステップS31においてタンタルオキサイド膜の成膜処理を行った後、ステップS32においてNパージにより上記反応管4内を清浄化した後、ステップS33においてClFによるドライ洗浄を行い、再びN2パージによる反応管4内の清浄化を行うという工程を、ステップS35において反復することにより、石英などからなる反応管4の内壁その他の治具へのタンタルオキサイド膜の被膜を最小限に抑えようとするものである。この結果、熱処理装置を立ち下げて分解掃除するような大がかりなメンテナンスの頻度を最小限に抑えることが可能となり、連続運転によりスループットを大幅に向上させることができる。
【0029】
次に図4を参照しながら、本発明方法の効果について説明する。図示のように、予め約4000オングストロームの膜圧でほぼ均一にタンタルオキサイド膜を成膜した半導体ウェハを、図1に示す熱処理装置のウェハボート6の頂部、中央部および底部にそれぞれ5枚ずつセットした後、本発明方法に基づいて、処理温度405℃、処理圧力0.8Torrに保持した反応管4内に流量2800sccmのNガスで希釈された流量700sccmのClFガスをクリーニングガスとして導入し、1分間のエッチング処理(ドライ洗浄処理)を行った。
【0030】
その結果、十分なクリーニングガスが確保された反応管4底部と、十分なクリーニングガスが確保されなかった反応管4の頂部とでは多少の差は生じたものの、1分のエッチング時間によりタンタルオキサイド膜を高いエッチングレート、すなわち毎分約2000〜約4000オングストロームでエッチングすることが可能であることが知見された。
【0031】
以上のように、本発明方法によれば、タンタルオキサイド膜の成膜処理時の温度環境、たとえば400℃を実質的に変化させずに、ClFガスを含むクリーニングガスによりドライ洗浄を行うことにより、高いエッチングレートで洗浄処理を行うことができた。また本発明方法のように温度環境が400℃程度では石英に対するエッチングはほとんど無視できるので、石英に対する損傷も最小限に抑えることが可能である。
【0032】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。たとえば、上記においてはバッチ式CVD装置を実施例として説明したが、本発明方法は、当然に枚葉式CVD装置に対しても適用することが可能である。また処理温度、処理圧力、流量、あるいは処理時間、処理方法についても、処理条件に応じて、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨の範囲内で、さまざまに実施することが可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、タンタルオキサイド膜の成膜処理から機械を立ち下げずに、成膜処理とほぼ同様の温度環境で、すなわちタンタルオキサイド膜に対しては高いエッチングレートで処理できるが石英に対する損傷は少ない温度環境で、ClFによるドライ洗浄を実施することが可能なので、メンテナンス時間の大幅な短縮と低コスト化を図ることが可能である。
【0034】
すなわち、本発明にかかる熱処理方法、または熱処理装置によれば、処理容器内に収容された被処理体に対してタンタルオキサイド膜を成膜した成膜処理後に装置を分解することなく、そのままClFを含むクリーニングガスを処理容器内に導入してドライ洗浄を行うので、短時間で処理容器内を洗浄することができる。
【0035】
た、成膜処理時の温度環境を実質的に変化させずに、すなわち所定の成膜温度でタンタルオキサイド膜を成膜した後に、加熱装置の出力を停止し温度を立ち下げることなく、加熱装置の出力を成膜処理時とほぼ同様の温度範囲に、すなわちタンタルオキサイドに対しては高いエッチングレートが確保されるが石英に対するダメージは少ない温度範囲を維持したまま、ドライ洗浄処理を連続して実施することができるので、石英などの装置部品に対する損傷を最小限に抑えながらタンタルオキサイド膜に対する選択的エッチング可能となるとともに、メンテナンスに要する時間をウェット洗浄に比較して大幅に短縮させることが可能である。
【0036】
また上記ドライ洗浄処理を行うに際しては、ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物、たとえばフッ化タンタルや、塩化タンタルを赤外線カウンタやUVカウンタにより監視し、その反応生成物が所定値以下になった場合に、クリーニングガスの供給を停止するので、石英製の処理容器その他の治具に被着したタンタルオキサイド膜のみを選択的にエッチングし、石英製の処理容器その他の治具に与える損傷を最小限に抑えることが可能となる。
【0037】
さらにまた、成膜処理とドライ洗浄処理とを反復的に実施することにより、石英製の処理容器その他の治具に対するタンタルオキサイド膜の被着を反復的にドライ洗浄することができるので、装置のメンテナンス頻度を大幅に減少させることが可能となる。
【0038】
さらにまた、成膜処理後に不活性ガスによるパージ処理を行うことにより、残留処理ガスを効率的に除去できるので、ドライエッチング速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用可能な縦型の熱CVD装置の概略を示す断面図である。
【図2】本発明方法の一実施例のフローを示す流れ図である。
【図3】本発明方法の別の実施例のフローを示す流れ図である。
【図4】本発明方法に基づくClFによるTa膜のエッチングレートを示す図表である。
【符号の説明】
2 管状炉
4 反応管
5 加熱手段
6 ウェハボート
12 ガス導入口
13 ガス供給系
15 ペンタエトキシタンタル供給源
16 酸素供給源
17 三フッ化塩素供給源
18 窒素供給源
19 排気口
20 真空ポンプ
21 反応生成物センサ
22 制御器
W 半導体ウェハ

Claims (8)

  1. 処理容器内に収容された被処理体に対してタンタルオキサイド膜を成膜させる熱処理において、成膜処理後に少なくともClFを含むクリーニングガスを前記処理容器内に導入して、前記成膜処理時における前記処理容器内の温度を実質的に変化させずにドライ洗浄を行うことを特徴とする熱処理方法。
  2. 前記ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物を監視し、その反応生成物が所定値以下になった場合に、前記クリーニングガスの供給を停止することを特徴とする、請求項1に記載の熱処理方法。
  3. 前記ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物であるフッ化タンタル又は塩化タンタルを赤外線カウンタ又はUVカウンタにより監視し、その反応生成物が所定値以下になった場合に、前記クリーニングガスの供給を停止することを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱処理方法。
  4. 前記成膜処理と前記ドライ洗浄処理とを反復的に実施することを特徴とする、請求項1、2または3のいずれかに記載の熱処理方法。
  5. 前記成膜処理後に、不活性ガスを前記処理容器内に導入し、処理ガスと不活性ガスとを置換した後に、前記ドライ洗浄処理が実施されることを特徴とする、請求項1、2、3または4のいずれかに記載の熱処理方法。
  6. 処理容器内に収容された被処理体に対してタンタルオキサイド膜を成膜させる熱処理装置において、成膜処理後に少なくともClFを含むクリーニングガスを前記処理容器内に導入するためのガス導入手段と、前記ドライクリーニングガスによるドライ洗浄中の前記処理容器内の温度を成膜処理時における前記処理容器内の温度と実質的に同一に保持するための手段とを設けたことを特徴とする熱処理装置。
  7. さらに、前記ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物を監視するための手段と、その監視手段により検出された反応生成物が所定値以下になった場合に前記クリーニングガスの供給を停止するための手段を設けたことを特徴とする、請求項6に記載の熱処理装置。
  8. さらに、前記ドライ洗浄処理時の排気ガス中に含まれる反応生成物であるフッ化タンタル又は塩化タンタルを赤外線カウンタ又はUVカウンタにより監視するための手段と、その監視手段により検出された反応生成物が所定値以下になった場合に前記クリーニングガスの供給を停止するための手段とを設けたことを特徴とする、請求項6又は7に記載の熱処理装置。
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