JP4626912B2 - 被処理体の処理方法、処理装置、薄膜形成方法及び薄膜形成装置 - Google Patents

被処理体の処理方法、処理装置、薄膜形成方法及び薄膜形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理体の処理方法、処理装置、薄膜形成方法及び薄膜形成装置に関する。詳しくは被処理体に付着した有機物を除去する被処理体の処理方法、処理装置、及び有機物が除去された被処理体に薄膜を形成する薄膜形成方法、薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)等の処理によって、被処理体、例えば半導体ウエハにポリシリコン膜、シリコン酸化膜等の薄膜を形成することが広く行われている。
【0003】
このような薄膜を形成する工程は、半導体ウエハに汚染物質が付着するのを防止するために、一般にクリーンルーム内で行われている。しかし、クリーンルームであっても汚染物質を完全に除去するのは困難なため、例えばトリブチルホスファート(Tri Butyl Phosphate:TBP)、シロキサン、フタル酸ジオクチル(dioctyl phyhalate:DOP)等の微量の有機物(汚染物質)が含まれており、このような有機物が半導体ウエハに付着してしまう場合がある。このような有機物が付着した状態で半導体ウエハ上に薄膜を形成すると、半導体装置の特性が悪化し、歩留まりが悪くなるという問題が発生してしまう。このため、半導体ウエハ上に薄膜を形成する前には、半導体ウエハに付着した有機物を除去する半導体ウエハのクリーニングが行われている。
【0004】
半導体ウエハのクリーニングは、例えば、図7に示すような処理装置を用いて行われる。まず、処理装置51内の載置部52上に半導体ウエハ53を載置する。次に、載置部52内に配設されたヒータ54により処理装置51内(半導体ウエハ53)を所定の温度、例えば600℃に加熱する。続いて、導入ポート55から処理装置51内に、処理ガス、例えば酸素ガスを供給する。供給された酸素ガスは、処理装置51内(半導体ウエハ53近傍)で熱分解されて酸素原子ラジカル(O)を生成し、半導体ウエハ53の表面に付着した有機物を分解する。そして、この分解された有機物を排気ポート56を介して処理装置51外に排出することにより、半導体ウエハ53がクリーニングされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体装置の高集積化に伴うデバイスパターンの微細化により、半導体ウエハ53に付着した有機物量に対する許容範囲が厳しくなっており、さらに半導体ウエハ53に付着した有機物の除去が望まれている。
【0006】
また、上記クリーニング方法では、酸素原子ラジカルを生成するために、処理装置51内(半導体ウエハ53)を、例えば600℃のような高温に加熱しなければならない。
【0007】
さらに、上記クリーニング方法では、半導体ウエハ53を1枚ずつクリーニングしているので、多数の半導体ウエハ53をクリーニングする場合には、クリーニングに要する時間が長くなってしまう。
【0008】
加えて、上記クリーニング方法では、クリーニングされた半導体ウエハ53に薄膜を形成する場合、半導体ウエハ53を薄膜形成装置に搬送する間に、半導体ウエハ53に新たな有機物が付着してしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、被処理体に付着した有機物の除去効率を向上させることができる被処理体の処理方法、処理装置及び除去された被処理体に薄膜を形成する薄膜形成方法、薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、低温下で、被処理体に付着した有機物の除去効率を向上させることができる被処理体の処理方法、処理装置及び除去された被処理体に薄膜を形成する薄膜形成方法、薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、短時間で複数枚の被処理体に付着した有機物を除去することができる被処理体の処理方法、処理装置及び除去された被処理体に薄膜を形成する薄膜形成方法、薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、一の装置により、被処理体に付着した有機物を除去するとともに、除去された被処理体に薄膜を形成することができる薄膜形成方法、薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる被処理体の処理方法は、有機物が付着した被処理体を反応室に収容し、該反応室を所定の温度に加熱するとともに処理ガスを供給して、前記有機物を前記被処理体から除去する被処理体の処理方法であって、前記処理ガスはオゾンを含み、前記反応室の温度を前記オゾンが活性化可能な温度に加熱し、当該オゾンを活性化させて酸素原子ラジカルを生成し、生成した酸素原子ラジカルにより前記被処理体に付着した有機物を分解、除去し、前記有機物がトリブチルホスファートである、ことを特徴とする。
【0015】
酸素ガスと、窒素ガスまたは二酸化炭素とをオゾン発生部に供給してオゾンを発生させ、該オゾン発生部で発生したオゾンを含む処理ガスを前記反応室内に供給することが好ましい。
【0019】
前記反応室の前記被処理体を処理する処理領域の一方側の非処理領域から、前記処理領域の他方側に到達するように処理ガスを供給するとともに、前記処理領域の一方側の非処理領域から前記反応室内のガスを排気することにより、前記処理領域の他方側に到達した処理ガスを前記処理領域に供給することが好ましい。この場合、処理領域の他方側に到達した処理ガスは、反応室内のガスを排気することにより、処理領域に均一に供給される。そして、処理ガスにより有機物が被処理体から除去されて反応室外に排気される。
【0020】
この発明の第2の観点にかかる被処理体の処理装置は、所定の温度に設定可能な加熱部を有し、有機物が付着した被処理体を収容する反応室と、前記反応室内にオゾンを含む処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記反応室内のガスを排気する排気手段と、前記加熱部により前記反応室を前記オゾンが活性化可能な温度に加熱させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記オゾンを活性化させて酸素原子ラジカルを生成し、生成した酸素原子ラジカルにより前記非処理体に付着した有機物を分解、除去し、前記有機物はトリブチルホスファートである、ことを特徴とする。
【0026】
前記処理ガス供給手段はプラズマ発生器から構成されたオゾン発生部を有している。そして、前記オゾン発生部には酸素ガスと、窒素ガスまたは二酸化炭素とを供給するオゾン生成ガス供給管が接続されていることが好ましい
【0027】
前記反応室は被処理体を処理する処理領域を有するとともに、少なくとも該処理領域の一方側に非処理領域を有し、前記処理ガス供給手段及び前記排気手段は前記処理領域の一方側の非処理領域に配置され、前記制御手段は、前記処理ガス供給手段に該非処理領域から前記処理領域の他方側に到達するように処理ガスを供給させるとともに、前記排気手段に前記反応室内のガスを排気させることにより、前記処理領域の他方側に到達したオゾンを前記処理領域に供給することが好ましい。この場合、処理ガス供給手段により処理領域の他方側に到達した処理ガスは、排気手段により処理領域に均一に供給される。そして、処理ガスにより有機物が被処理体から除去されて反応室外に排気される。
【0028】
前記処理ガス供給手段は前記反応室内に処理ガスを供給する処理ガス供給管を備えている。そして、該処理ガス供給管の先端部分は、前記一方側の非処理領域から非処理領域を通って前記他方側の非処理領域に供給されるように、当該他方側の非処理領域方向に曲折りされていることが好ましい。この場合、反応室内のコンダクタンスが向上する。
【0029】
この発明の第3の観点にかかる薄膜形成方法は、有機物が付着した被処理体を反応室内に収容する被処理体収容工程と、上記第1の観点にかかる処理方法により、前記被処理体から有機物を除去する処理工程と、前記処理工程により有機物が除去された被処理体に成膜ガスを供給して、当該被処理体に薄膜を形成する薄膜形成工程とを備える、ことを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、反応室内に収容された有機物が付着した被処理体から、上記第1の観点にかかる処理方法により有機物が除去される。そして、この有機物が除去された被処理体に成膜ガスが供給され、被処理体に薄膜が形成される。
【0031】
前記被処理体収容工程と前記処理工程と前記薄膜形成工程とを一の装置により行うことが好ましい。この場合、被処理体からの有機物の除去と、薄膜の形成とを一の装置で行うことができ、被処理体への薄膜の形成が簡単になる。また、前記処理工程から前記薄膜形成工程に移行する間に、被処理体に有機物が付着するおそれがなくなる。
【0032】
前記被処理体収容工程における被処理体を反応室に収容するローディング温度と、前記処理工程における前記反応室の温度とをほぼ等しくすることが好ましい。この場合、処理工程のための温度操作が不要になる。
【0033】
この発明の第4の観点にかかる薄膜形成装置は、上記第2の観点にかかる処理装置と、反応室内に成膜ガスを供給する成膜ガス供給手段と、加熱部により前記反応室内を所定の温度に加熱させるとともに、前記成膜ガス供給手段により有機物が除去された被処理体に前記成膜ガスを供給して、当該被処理体に薄膜を形成させる成膜制御手段とを備える、ことを特徴とする。
【0034】
この構成によれば、上記第2の観点にかかる処理装置により、被処理体に付着した有機物が除去される。そして、成膜ガス供給手段から有機物が除去された被処理体に成膜ガスが供給され、被処理体に薄膜が形成される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる被処理体の処理方法、処理装置、薄膜形成方法及び薄膜形成装置について説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、被処理体の処理方法、処理装置を、図1に示すバッチ式縦型熱処理装置を用いて、半導体ウエハ(被処理体)上に付着した有機物をオゾンを含む処理ガスにより分解、除去(クリーニング)する場合を例に説明する。
【0037】
図1に示すように、熱処理装置1は、長手方向が垂直方向に向けられた有天井の円筒状に形成された単管構造の反応管2を備えている。反応管2は、耐熱材料、例えば石英により形成されている。
【0038】
反応管2の下方には、筒状に形成されたステンレス鋼(SUS)からなるマニホールド3が配置されている。マニホールド3は、反応管2の下端と気密となるように接続されている。
【0039】
マニホールド3の下方には蓋体4が配置され、図示しないボートエレベータにより蓋体4が上下動可能に構成されている。この蓋体4と、反応管2と、マニホールド3とによって処理室3aが構成されている。そして、蓋体4が上昇してマニホールド3に接触すると、マニホールド3の下方側が閉鎖され、処理室3aが密閉される。
【0040】
蓋体4には、例えば石英からなるウエハボート5が載置されている。ウエハボート5には、被処理体、例えば半導体ウエハ6が垂直方向に所定の間隔をおいて複数枚収容されている。ウエハボート5に収容された半導体ウエハ6は、ウエハボート5が反応管2内に挿入されることにより処理室3aの内部に配置され、この半導体ウエハ6の配置領域が処理室3aにおける処理領域3bを構成している。また、処理領域3bの周囲が非処理領域を構成している。
【0041】
反応管2は、反応管2内にウエハボート5が挿入された状態で、反応管2の内壁(内側壁)とウエハボート5(半導体ウエハ6)の端部との間に空隙(間隙)Dを有するような大きさに形成されている。この空隙Dは、処理室3a内で所定の排気コンダクタンスを得られるように、オゾンの流量、反応管2内部の圧力、反応管2の高さ等を考慮して、例えば20mm〜50mm程度の大きさに設定されている。
【0042】
反応管2の周囲には、反応管2を取り囲むように、例えば抵抗発熱体からなる昇温用ヒータ7が設けられ、昇温用ヒータ7を駆動することにより、反応管2内が所定の温度に設定される。
【0043】
処理室3aにおける処理領域3bの一方側、例えば下方側の非処理領域3cには、処理ガス供給管8が配置されている。本実施の形態では、マニホールド3の側面に処理ガス供給管8が挿通されている。この処理ガス供給管8は、配管の腐食を防止するためにテフロン(登録商標)配管が用いられている。処理ガス供給管8は、その先端部分8aが半導体ウエハ6の収容位置、すなわち処理領域3bの方向(上方)を向くように曲折りされた屈曲形状に形成されており、先端部分8aにおいて処理領域3bに向かう処理ガス導入部8bを有している。このため、処理ガス供給管8(処理ガス導入部8b)から供給されたオゾンを含む処理ガスは、反応管2の上方に噴出する。また、先端部分8aは、処理ガス供給管8から上方に供給された処理ガスが、処理領域3b外(例えば図1に示す、空隙Dにより形成される空間)を通って、処理領域3bの他方側(反応管2の上方)に供給されるような位置に配設されている。
【0044】
処理ガス供給管8はオゾン発生器9に接続されている。オゾン発生器9は、例えばプラズマ発生器等から構成され、酸素を基としてオゾンを生成する。オゾン発生器9には、ピュリフアイヤ10を介して、酸素ガス供給管11と添加ガス供給管12とが接続されている。そして、酸素ガス供給管11からの酸素ガスと、添加ガス供給管12からの窒素ガスまたは二酸化炭素ガスからなる添加ガスとがピュリフアイヤ10に供給され、ピュリフアイヤ10により、オゾン発生に適した純度の条件(不純物、特に水分による腐食性ガスの発生を抑制)に設定されて、オゾン発生器9に供給される。
【0045】
処理領域3bの一方側の非処理領域3cにおけるマニホールド3側面には、排気口13が設けられている。排気口13は、非処理領域3cにおいて処理ガス供給管8と対向する位置に設けられ、反応管2内のガスを排気する。
【0046】
排気口13には、排気管14が気密に接続されている。排気管14には、その上流側から、コンビネーションバルブ15と、真空ポンプ16とが介設されている。コンビネーションバルブ15は、排気管14の開度を調整して、反応管2内及び排気管14内の圧力を所定の圧力に制御する。真空ポンプ16は、排気管14を介して反応管2内のガスを排気するとともに反応管2内及び排気管14内の圧力を調整する。
【0047】
マニホールド3側面の排気口13の下方には、パージガス、例えば窒素ガスを供給するパージガス供給管17が挿通されている。
また、オゾン発生器9、ピュリフアイヤ10、酸素ガス供給管11、添加ガス供給管12、コンビネーションバルブ15、真空ポンプ16、及びパージガス供給管17には、図示しない制御部が接続されている。制御部は、マイクロプロセッサ、プロセスコントローラ等から構成され、熱処理装置1の各部の温度、圧力等を測定し、測定データに基づいて、上記各部に制御信号等を出力して、熱処理装置1の各部を制御する。
【0048】
次に、上記構成を有する熱処理装置1を用い、半導体ウエハ6上に付着した有機物をオゾンを含む処理ガスによりクリーニングする処理方法について、図2に示すレシピ(タイムシーケンス)を参照して説明する。なお、以下の説明において、熱処理装置1を構成する各部の動作は、図示しない制御部によりコントロールされている。
【0049】
まず、蓋体4が下げられた状態で、有機物が付着した半導体ウエハ6が収容されたウエハボート5を蓋体4上に載置する。また、昇温用ヒータ7により反応管2(処理室3a)内を所定の温度(ローディング温度)、例えば300℃に加熱する。
【0050】
次に、図示しないボートエレベータにより蓋体4を上昇させ、ウエハボート5(半導体ウエハ6)を処理室3a内にロードする。これにより、半導体ウエハ6を処理室3a内に収容するとともに、処理室3aを密閉する。また、パージガス供給管17から処理室3a内に窒素ガス(N)を所定量、例えば約20リットル/min供給し、処理室3a内の混入した有機物等の汚染物質を排出する。この窒素ガスの供給を所定時間、例えば約5.5分間行う(ロード工程)。
【0051】
続いて、処理室3a内の減圧を開始する。具体的には、パージガス供給管17から処理室3a内に窒素ガスを所定量、例えば20リットル/min供給するとともに、コンビネーションバルブ15の開度を制御しつつ、真空ポンプ16を駆動させて、処理室3a内のガスを排出する。処理室3a内のガスの排出は、処理室3a内の圧力が常圧から所定の圧力、例えば13.3Pa〜26600Pa(1Torr〜200Torr)になるまで行う。また、昇温用ヒータ7により処理室3a内を所定の温度(クリーニング温度)、例えば300℃〜600℃に加熱する。そして、この減圧及び加熱操作を、処理室3a内が所定の圧力及び温度で安定するように、所定時間、例えば約17分間行う(安定化工程)。
【0052】
処理室3a内が所定の圧力及び温度で安定すると、パージガス供給管17からの窒素ガスの供給を停止する。そして、酸素ガス供給管11から酸素ガスを所定量、例えば1リットル/min〜10リットル/min、さらに添加ガス供給管12から窒素ガスを所定量、例えば0.008リットル/min〜0.08リットル/minをピュリフアイヤ10に供給する。供給された酸素ガス及び窒素ガスは、ピュリフアイヤ10でオゾン発生に適した条件にされ、オゾン発生器9に供給される。
【0053】
オゾン発生器9では、例えば、図示しないプラズマ発生器により、供給された酸素にプラズマを照射してオゾンを生成させる。そして、例えば50g/Nm〜300g/Nm(2.35vol%〜14.1vol%)のオゾンを含んだ処理ガスを、オゾン発生器9から処理ガス供給管8(処理ガス導入部8b)を介して反応管2の天井(ウエハボート5の上部)に到達するように所定量、例えば、約1リットル/min〜10リットル/minで処理室3a内に供給する。処理室3a内への処理ガスの供給は、例えば5分〜30分間行う(クリーニング工程)。
【0054】
ここで、処理ガス供給管8に接続されたオゾン発生器9には、酸素ガスの他に窒素ガスが供給されているので、オゾン発生器9で生成されるオゾンの発生効率が向上する。また、窒素ガスを供給することにより、処理ガス中にNOxが含まれるが、処理ガス供給管8にテフロン(登録商標)配管を用いているので、NOxにより処理ガス供給管8が腐食しにくくなる。このため、処理室3a内に処理ガス供給管8の腐食による汚染物質が混入するおそれがなくなる。
【0055】
処理室3a内は300℃〜600℃に加熱されているので、処理室3a内に処理ガスが供給されると、処理ガス中のオゾンが活性化されて酸素原子ラジカル(O)を生成する。そして、酸素原子ラジカルを含む処理ガスが反応管2の天井に移動される。
【0056】
ここで、反応管2は単管構造に形成され、反応管2の内壁と半導体ウエハ6の端部との間に空隙Dが設けられているので、所定の排気コンダクタンスが得られ、オゾンが失活しにくくなる(オゾンの活性化状態を維持可能になる)。また、処理室3a内を低圧に維持しやすくなる。さらに、先端部分8aは、処理ガスが処理領域3b外を通って反応管2の上方に供給されるように曲折りされている。このため、処理室3a内のコンダクタンスを向上させることができ、オゾンの活性化状態を維持するとともに、処理室3a内を低圧に維持しやすくなる。
【0057】
反応管2の天井に到達した処理ガスは、真空ポンプ16からの吸引によって、処理領域3bに供給される。ここで、処理室3a内の圧力が13.3Pa〜26600Pa(1Torr〜200Torr)のような低圧に維持されているので、処理領域3bに均一に処理ガスを供給することができる。また、処理ガスを一旦、反応管2の天井に到達させることにより、処理領域3bに均一に処理ガスを供給することができる。これは、処理ガスの流速が遅くなり、処理ガスを処理領域3bに供給する際に流速による影響を受けなくなるためである。
【0058】
さらに、排気口13が処理ガス供給管8と対向するように配置されているので、処理領域3bに処理ガスを供給する際に、処理ガス供給管8から供給される処理ガスの影響を受けにくくなり、処理室3a内の排気コンダクタンスを向上させることができる。このため、オゾンの活性化状態を維持するとともに、処理領域3bに均一に処理ガスを供給することができる。
【0059】
処理領域3bに処理ガスが供給されると、処理ガス中の酸素原子ラジカルにより、半導体ウエハ6に付着した有機物が分解されて、半導体ウエハ6から有機物が除去される。なお、除去された有機物は、排気口13を介して排気管14に吸引され、反応管2外に排気される。
【0060】
半導体ウエハ6から有機物が除去されると、処理ガス供給管8からの処理ガス(窒素ガス、酸素ガス、オゾン)の供給を停止する。そして、コンビネーションバルブ15の開度を制御しつつ、真空ポンプ16を駆動させて、処理室3a内のガスを排出した後、パージガス供給管17から窒素ガスを所定量、例えば10リットル/min供給して、処理室3a内のガスを排気管14に排出する。このパージガス供給管17からの窒素ガスの供給は、例えば10分間行う(パージ工程)。なお、処理室3a内のガスを確実に排出するために、処理室3a内のガスの排出及び窒素ガスの供給を複数回繰り返すことが好ましい。
【0061】
最後に、パージガス供給管17から窒素ガスを所定量、例えば20リットル/minを約5.5分間供給して、処理室3a内を常圧(760Torr)に戻し、ウエハボート5(半導体ウエハ6)を処理室3aからアンロードする(アンロード工程)。
【0062】
次に、本実施の形態の効果を確認するため、有機物を付着させた半導体ウエハ6のサンプルを、種々の条件下でクリーニングを行った。サンプルは、半導体ウエハ6に1000オングストロームの厚さの酸化膜を成膜し、この酸化膜の表面を希釈フッ化水素酸(DHF)で1分間洗浄した後、クリーンルーム内に200時間放置して、有機物の付着した半導体ウエハ6を作成した。
【0063】
また、有機物の付着量は接触角法を用いて測定を行った。接触角法は、半導体ウエハ6上に純水を滴下し、この純水の玉(滴)の接触角を測定する方法であり、半導体ウエハ6に有機物が付着しているほど疎水性が高くなり接触角が大きくなる。逆に、有機物の付着量が減少すると親水性が高くなり接触角が小さくなる。本実施の形態では、半導体ウエハ6上の5点を測定し、この平均値を求めた。作成されたサンプルの接触角は36°であった。なお、有機物が完全に除去された半導体ウエハ6上に純水を落としても、純水の玉の接触角は0°にはならず、また低角度での厳密な測定は困難であることから、接触角が2°以下の半導体ウエハ6ではほぼ完全に有機物が除去されているものと考えられる。
【0064】
図3にクリーニングの条件を示す。図3に示すように、クリーニングは、処理室3aの温度(実施例1〜実施例4、比較例2、比較例3)、処理室3aの圧力(実施例7)、クリーニング時間(実施例8)、処理ガス中のオゾン濃度(実施例9、実施例10)、添加ガスの種類(実施例12、実施例13)等を変化させ、これらの関係について検討を行った。また、本例では、実験を簡便に行うために、ウエハボート5の上部(T)、中央(C)、下部(B)の3カ所に半導体ウエハ6を1枚ずつ(合計3枚)収容した場合について検討を行った。なお、ウエハボート5内の半導体ウエハ6の枚数の影響については、実施例11及び実施例13で別に検討している。この結果を図3及び図4に示す。図4では各実施例について3本の棒グラフで示しており、左側から上部、中央、下部での半導体ウエハ6に付着した有機物の付着量を示している。また、参考のため、クリーニング処理をしない場合、従来の酸素ガスによるクリーニングの場合(比較例1)、従来のクリーニング方法で処理室3aの温度を下げた場合(比較例4)についても、その結果を図3及び図4に示す。
【0065】
図3及び図4の実施例1〜実施例4に示すように、処理室3aの温度が300℃〜600℃では、従来の酸素ガスによるクリーニング(比較例1)に比べ、半導体ウエハ6の有機物の付着量を約1/10にできることが確認できた。これらの接触角は、2°以下であり、半導体ウエハ6に付着した有機物がほぼ完全に除去されていることが確認できた。このため、従来の酸素ガスによるクリーニングに比べ、有機物の除去効率を向上させることができる。
【0066】
また、図3及び図4の実施例5、実施例6に示すように、処理室3aの温度が200℃では、処理室3aの圧力が低圧(133Pa)の場合、半導体ウエハ6の有機物の付着量を、従来の酸素ガスによるクリーニング(比較例1)に比べ約1/3に減少させることができ、高圧(26600Pa)の場合、半導体ウエハ6に付着した有機物をほぼ完全に除去することができる。
【0067】
さらに、図3及び図4の比較例2、比較例3に示すように、処理室3aの温度が室温(RT)、100℃では、半導体ウエハ6に付着した有機物が除去されない。これは、処理室3aの温度が低く、処理ガス中のオゾンが活性化されないために酸素原子ラジカルが生成されず、有機物を分解できないためである。このため、処理室3aの温度を200℃〜600℃にすることが好ましい。
【0068】
なお、処理室3aの温度が200℃の場合、処理室3aの圧力を26600Paとすることにより半導体ウエハ6に付着した有機物をほぼ完全に除去することができるが、処理室3aの圧力が133Paでは、有機物をほぼ完全にまでは除去することはできない。また、処理室3aの温度を600℃より高くしても、半導体ウエハ6に付着した有機物をほぼ完全に除去することは可能であるが、半導体ウエハ6が熱酸化されてしまうおそれがある。さらに、従来のクリーニング方法と処理室3aの温度が同じになってしまう。このため、処理室3aの温度を300℃〜500℃にすることがさらに好ましい。
【0069】
図3及び図4の実施例1、実施例7に示すように、処理室3aの圧力が133Pa〜26600Paでは、半導体ウエハ6に付着した有機物がほぼ完全に除去されていることが確認できた。また、処理室3aの圧力が26600Paを越えると、処理領域3bに均一に処理ガスを供給することが困難になる。このため、処理室3aの圧力は133Pa〜26600Paにすることが好ましい。
【0070】
図3及び図4の実施例1、実施例8に示すように、クリーニング時間が5分〜30分では、半導体ウエハ6に付着した有機物がほぼ完全に除去されていることが確認できた。クリーニング時間が5分より短いと、半導体ウエハ6に付着した有機物をほぼ完全には除去できなくなるおそれがあり、クリーニング時間が30分より長いと、半導体ウエハ6のクリーニングを効率的に行うことができなくなってしまう。このため、クリーニング時間は5分〜30分にすることが好ましい。ただし、半導体ウエハ6に付着する有機物の付着量によっては、この時間をさらに長くしたり、短くしたりすることは可能である。
【0071】
図3及び図4の実施例1、実施例9、実施例10に示すように、処理ガス中のオゾン濃度が2.35vol%〜14.1vol%では、半導体ウエハ6に付着した有機物がほぼ完全に除去されていることが確認できた。オゾン濃度が2.35vol%より低いと、半導体ウエハ6に付着した有機物をほぼ完全には除去できなくなるおそれがあり、またオゾン濃度を14.1vol%より高くしても有機物の除去に影響を与えないことが考えられる。このため、処理ガス中のオゾン濃度は2.35vol%〜14.1vol%にすることが好ましい。ただし、半導体ウエハ6に付着する有機物の付着量によっては、この濃度をさらに長くしたり、短くしたりすることは可能である。
【0072】
図3及び図4の実施例1、実施例11に示すように、ウエハボート5内の半導体ウエハ6の枚数を3枚から100枚にしても、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去に影響を与えないことが確認できた。これは、処理室3a内のコンダクタンスを向上させ、処理室3a内を低圧に維持しているためである。このため、ウエハボート5内の半導体ウエハ6の枚数が、例えば100枚のように増えても、処理室3aの圧力、クリーニング時間、処理ガス中のオゾン濃度は、同様の傾向を示す。
【0073】
図3及び図4の実施例1、実施例11〜実施例13に示すように、添加ガス供給管12から供給される添加ガスの種類を窒素ガスから二酸化炭素に変更しても、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去に影響を与えないことが確認できた。さらに、オゾン発生器9で生成される処理ガス中にNOxが含まれなくなり、処理室3a内に処理ガスを供給する処理ガス供給管8が腐食しにくくなる。
【0074】
なお、接触角法は、一般に、純水を滴下する平面(半導体ウエハ6)の表面状態に影響を受けやすく、クリーニングによって半導体ウエハ6の表面形状が変化すると、有機物の付着量が正確に測定することができなくなってしまうと考えられる。このため、クリーニング前後での半導体ウエハ6の表面形状を確認した。この結果、半導体ウエハ6の表面形状はクリーニング前後でほとんど変化していないことが確認できた。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態によれば、処理室3aをオゾンが活性可能な温度(200℃以上)に加熱し、この処理室3a内にオゾンを含む処理ガスを供給しているので、従来の酸素ガスによるクリーニングに比べ、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去効率を向上させることができる。特に、処理室3aを300℃〜500℃に加熱し、この処理室3a内にオゾンを含む処理ガスを供給すると、従来の酸素ガスによるクリーニングに比べ、低温下で、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去効率を向上させることができる。
【0076】
本実施の形態によれば、反応管2は単管構造に形成され、反応管2の内壁と半導体ウエハ6の端部との間に空隙Dが設けられているので、オゾンの活性化状態を維持しやすくなる。また、処理室3a内を低圧に維持しやすくなり、処理領域3bに均一に処理ガスを供給することができる。このため、一のクリーニング処理により、複数枚の半導体ウエハ6に付着した有機物を同時に除去することができる。
【0077】
本実施の形態によれば、処理ガス供給管8の先端部分8aは、処理ガスが処理領域3b外を通って反応管2の上方に供給されるように曲折りされているので、処理室3a内のコンダクタンスを向上させることができ、オゾンの活性化状態を維持しやすくなる。また、処理室3a内を低圧に維持しやすくなり、処理領域3bに均一に処理ガスを供給することができる。このため、一のクリーニング処理により、複数枚の半導体ウエハ6に付着した有機物を同時に除去することができる。
【0078】
本実施の形態によれば、処理ガスを一旦、反応管2の天井に到達させ、真空ポンプ16からの吸引によって、処理領域3bに供給するので、処理領域3bに均一に処理ガスを供給することができる。
【0079】
本実施の形態によれば、オゾン発生器9には、酸素ガスの他に窒素ガスが供給されているので、オゾン発生器9で生成されるオゾンの発生効率が向上する。
【0080】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、被処理体の薄膜形成方法及び薄膜形成装置を、図5に示すバッチ式縦型熱処理装置を用いて、半導体ウエハ(被処理体)上に付着した有機物をオゾンを含む処理ガスにより分解、除去(クリーニング)した後、さらに、クリーニングされた半導体ウエハに水蒸気を供給してシリコン酸化膜の薄膜を形成する場合を例に説明する。
【0081】
図5に示すように、本実施の形態の熱処理装置21は、クリーニングされた半導体ウエハに水蒸気からなる成膜ガスを供給する成膜ガス供給管22が、さらに設けられている点を除いて、第1の実施の形態の熱処理装置1と同一構造に形成されている。
【0082】
成膜ガス供給管22は下方側の非処理領域3cに配置され、本実施の形態では、マニホールド3の側面に挿通されている。成膜ガス供給管22は図示しない燃焼装置に接続されている。燃焼装置は酸素ガスと水素ガスとを燃焼させることにより水蒸気を発生させ、この水蒸気を成膜ガス供給管22に供給する。また、成膜ガス供給管22は、その先端部分22aが処理領域3bの方向(上方)を向くように曲折りされた屈曲形状に形成されている。このため、成膜ガス供給管22から供給された成膜ガスは、反応管2の上方に噴出する。また、成膜ガス供給管22の先端部分22aは、処理ガス供給管8の先端部分8aと同様に、上方に噴出される成膜ガスが、処理領域3b外(例えば図5に示す、空隙Dにより形成される空間)を通って、処理領域3bの他方側(反応管2の上方)に供給されるような位置に配設されている。
【0083】
次に、上記構成を有する熱処理装置21を用い、半導体ウエハ6上に付着した有機物をオゾンを含む処理ガスによりクリーニングし、さらにクリーニングされた半導体ウエハにシリコン酸化膜を形成する薄膜形成方法について、図6に示すレシピ(タイムシーケンス)を参照して説明する。なお、以下の説明において、半導体ウエハ6のクリーニング(ロード工程、安定化工程、クリーニング工程)については、第1の実施の形態と同様の方法であり、本実施の形態では第1パージ工程から説明する。また、熱処理装置21を構成する各部の動作は、図示しない制御部によりコントロールされている。
【0084】
図6に示すように、第1の実施の形態と同様のロード工程、安定化工程、クリーニング工程により、半導体ウエハ6から有機物を除去すると、処理ガス供給管8からの処理ガスの供給を停止する。そして、コンビネーションバルブ15の開度を制御しつつ、真空ポンプ16を駆動させて、処理室3a内のガスを排出した後、パージガス供給管17から窒素ガスを所定量、例えば10リットル/min供給して、処理室3a内のガスを排気管14に排出する。処理室3a内のガスの排出は、処理室3a内の圧力が所定の圧力、例えば53200Pa(400Torr)になるまで行う。また、昇温用ヒータ7により処理室3a内を所定の温度、例えば750℃に加熱する。そして、この減圧及び加熱操作を、処理室3a内が所定の圧力及び温度で安定するように、所定時間行う(第1パージ工程)。
【0085】
処理室3a内が所定の圧力及び温度で安定すると、パージガス供給管17からの窒素ガスの供給を停止する。そして、成膜ガス供給管22から水蒸気を反応管2の天井(ウエハボート5の上部)に到達するように所定量供給する。反応管2の天井に到達した水蒸気は、真空ポンプ16からの吸引によって、処理領域3bに供給される。そして、処理領域3bに水蒸気が供給されると、半導体ウエハ6ではウエット酸化が行われ、半導体ウエハ6にシリコン酸化膜の薄膜が形成される(薄膜形成工程)。
【0086】
ここで、水蒸気を一旦、反応管2の天井に到達させているので、処理領域3bに均一に水蒸気を供給することができる。このため、半導体ウエハ6に均一なシリコン酸化膜を形成することができる。
【0087】
また、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去(クリーニング工程)と、有機物の除去された半導体ウエハ6へのシリコン酸化膜の形成(薄膜形成工程)とを一の熱処理装置21により行っているので、半導体ウエハ6にシリコン酸化膜を容易に形成することができる。また、クリーニング工程から薄膜形成工程に移行する際に、クリーニングされた半導体ウエハ6を搬送する必要がないので、クリーニング工程から薄膜形成工程までの間に、半導体ウエハ6に有機物が付着するおそれがなくなる。
【0088】
半導体ウエハ6にシリコン酸化膜が形成されると、成膜ガス供給管22からの水蒸気の供給を停止する。そして、コンビネーションバルブ15の開度を制御しつつ、真空ポンプ16を駆動させて、処理室3a内のガスを排出した後、パージガス供給管17から窒素ガスを所定量、例えば10リットル/min供給して、処理室3a内のガスを排気管14に排出する。このパージガス供給管17からの窒素ガスの供給は、例えば10分間行う(第2パージ工程)。なお、処理室3a内のガスを確実に排出するために、処理室3a内のガスの排出及び窒素ガスの供給を複数回繰り返すことが好ましい。
【0089】
最後に、パージガス供給管17から窒素ガスを所定量、例えば20リットル/minを約5.5分間供給して、処理室3a内を常圧(760Torr)に戻し、ウエハボート5(半導体ウエハ6)を処理室3aからアンロードする(アンロード工程)。
【0090】
以上説明したように、本実施の形態によれば、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去と、有機物の除去された半導体ウエハ6へのシリコン酸化膜の形成とを一の熱処理装置21により行っているので、半導体ウエハ6にシリコン酸化膜を容易に形成することができる。また、クリーニング工程から薄膜形成工程までの間に、半導体ウエハ6に有機物が付着するおそれがなくなる。
【0091】
本実施の形態によれば、水蒸気を一旦、反応管2の天井に到達させているので、処理領域3bに均一に水蒸気を供給することができる。このため、半導体ウエハ6に均一なシリコン酸化膜を形成することができる。
【0092】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について、説明する。
【0093】
第1の実施の形態では、バッチ式縦型熱処理装置1を用いて半導体ウエハ6に付着した有機物を除去する場合を例に本発明を説明したが、例えば枚葉式の熱処理装置を用いてもよい。この場合にも、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去効率を向上させることができる。また、低温下で、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去効率を向上させることができる。
【0094】
第2の実施の形態では、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去と、半導体ウエハ6へのシリコン酸化膜の形成とを一の熱処理装置21により行っている場合を例に本発明を説明したが、例えば、それぞれ別々の装置で行ってもよい。この場合にも、半導体ウエハ6に付着した有機物の除去効率を向上させることができる。
【0095】
第2の実施の形態では、有機物を除去した半導体ウエハ6に水蒸気を供給してシリコン酸化膜を形成する場合を例に本発明を説明したが、本発明は有機物を除去した半導体ウエハ6に薄膜を形成するものであればよく、例えば、有機物を除去した半導体ウエハ6にオゾンを供給してシリコン酸化膜を形成してもよい。この場合、成膜ガス供給管22が不要になり、熱処理装置21の構造を簡単にすることができる。また、半導体ウエハ6に形成する薄膜はシリコン酸化膜に限定されるものではなく、例えばシリコン窒化膜であってもよい。
【0096】
第1の実施の形態では、反応管2が単管構造に形成され、反応管2の内壁と半導体ウエハ6の端部との間に空隙Dが設けられている場合を例に本発明を説明したが、反応管2はオゾンの活性化状態を維持可能なコンダクタンスを有していればよく、例えば内管と外管とからなる二重管構造に形成されていてもよい。
【0097】
上記実施の形態では、処理ガス供給管8(成膜ガス供給管22)を非処理領域3cに配置して、処理ガス(成膜ガス)を反応管2の天井に到達するように供給し、処理室3a内のガスを排気することにより、処理ガス(成膜ガス)を処理領域3bに供給する場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば反応管2の天井に処理ガス供給管8(成膜ガス供給管22)を配置して、処理ガス(成膜ガス)を処理領域3bに供給してもよい。
【0098】
上記実施の形態では、処理ガス供給管8の処理ガス導入部8b(成膜ガス供給管22の先端部分22a)が非処理領域3c内にある場合を例に説明したが、この長さは任意であり、本実施例より長くても短くてもよい。また、処理ガス導入部8b(先端部分22a)は多孔式(分散式)のノズルであってもよい。
【0099】
上記実施の形態において、ローディング温度とクリーニング温度とをほぼ等しくすることが好ましい。例えば、第1の実施の形態におけるクリーニング温度は300℃にすることが好ましい。この場合、クリーニング工程のための温度操作が不要になる。
【0100】
第2の実施の形態において、クリーニング工程をローディング温度から成膜温度への昇温中に行ってもよい。この場合、クリーニング工程と成膜温度への昇温とを同時に行うことができ、半導体ウエハ6の薄膜形成時間を短くすることができる。
【0101】
オゾン発生器9は、酸素ガスと、窒素ガスまたは二酸化炭素ガスとが供給されているものに限定されるものではない。例えば、ピュリフアイヤ10に酸素ガス供給管11のみを接続して、オゾン発生器9に酸素ガスのみを供給してもよい。この場合にも、オゾン発生器9によりオゾンを発生させることができる。
【0102】
処理ガス供給管8及び成膜ガス供給管22の数は一つに限らず、複数であってもよい。また、被処理体は半導体ウエハ6に限らず、例えばガラス基板であってもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被処理体に付着した有機物の除去効率を向上させることができる。また、本発明によれば、低温下で、被処理体に付着した有機物の除去効率を向上させることができる。さらに、本発明によれば、短時間で複数枚の被処理体に付着した有機物を除去することができる。また、本発明によれば、一の装置により、被処理体に付着した有機物を除去するとともに、除去された被処理体に薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の熱処理装置の模式図である。
【図2】第1の実施の形態のクリーニング手順を説明するためのレシピを示した図である。
【図3】第1の実施の形態のクリーニング条件を示した表である。
【図4】図3のクリーニング条件での有機物の付着量を示したグラフである。
【図5】第2の実施の形態の熱処理装置の模式図である。
【図6】第2の実施の形態の薄膜形成手順を説明するためのレシピを示した図である。
【図7】従来の熱処理装置の模式図である。
【符号の説明】
1、21 熱処理装置
2 反応管
3 マニホールド
3a 処理室
3b 処理領域
3c 非処理領域
4 蓋体
5 ウエハボート
6 半導体ウエハ
7 昇温用ヒータ
8 処理ガス供給管
8a 先端部分
8b 処理ガス導入部
9 オゾン発生器
11 酸素ガス供給管
12 添加ガス供給管
13 排気口
14 排気管
15 コンビネーションバルブ
16 真空ポンプ
22 成膜ガス供給管
22a 先端部分

Claims (11)

  1. 有機物が付着した被処理体を反応室に収容し、該反応室を所定の温度に加熱するとともに処理ガスを供給して、前記有機物を前記被処理体から除去する被処理体の処理方法であって、
    前記処理ガスはオゾンを含み、前記反応室の温度を前記オゾンが活性化可能な温度に加熱し、当該オゾンを活性化させて酸素原子ラジカルを生成し、生成した酸素原子ラジカルにより前記被処理体に付着した有機物を分解、除去し、
    前記有機物がトリブチルホスファートである、ことを特徴とする被処理体の処理方法。
  2. 酸素ガスと、窒素ガスまたは二酸化炭素とをオゾン発生部に供給してオゾンを発生させ、該オゾン発生部で発生したオゾンを含む処理ガスを前記反応室内に供給する、ことを特徴とする請求項1に記載の被処理体の処理方法。
  3. 前記反応室の前記被処理体を処理する処理領域の一方側の非処理領域から、前記処理領域の他方側に到達するように処理ガスを供給するとともに、前記処理領域の一方側の非処理領域から前記反応室内のガスを排気することにより、前記処理領域の他方側に到達した処理ガスを前記処理領域に供給する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の被処理体の処理方法。
  4. 所定の温度に設定可能な加熱部を有し、有機物が付着した被処理体を収容する反応室と、
    前記反応室内にオゾンを含む処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
    前記反応室内のガスを排気する排気手段と、
    前記加熱部により前記反応室を前記オゾンが活性化可能な温度に加熱させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記オゾンを活性化させて酸素原子ラジカルを生成し、生成した酸素原子ラジカルにより前記非処理体に付着した有機物を分解、除去し、
    前記有機物はトリブチルホスファートである、ことを特徴とする被処理体の処理装置。
  5. 前記処理ガス供給手段はプラズマ発生器から構成されたオゾン発生部を有し、
    前記オゾン発生部には酸素ガスと、窒素ガスまたは二酸化炭素とを供給するオゾン生成ガス供給管が接続されている、ことを特徴とする請求項に記載の被処理体の処理装置。
  6. 前記反応室は被処理体を処理する処理領域を有するとともに、少なくとも該処理領域の一方側に非処理領域を有し、
    前記処理ガス供給手段及び前記排気手段は前記処理領域の一方側の非処理領域に配置され、
    前記制御手段は、前記処理ガス供給手段に該非処理領域から前記処理領域の他方側に到達するように処理ガスを供給させるとともに、前記排気手段に前記反応室内のガスを排気させることにより、前記処理領域の他方側に到達したオゾンを前記処理領域に供給する、ことを特徴とする請求項4または5に記載の被処理体の処理装置。
  7. 前記処理ガス供給手段は前記反応室内に処理ガスを供給する処理ガス供給管を備え、該処理ガス供給管の先端部分は、前記一方側の非処理領域から非処理領域を通って前記他方側の非処理領域に供給されるように、当該他方側の非処理領域方向に曲折りされている、ことを特徴とする請求項に記載の被処理体の処理装置。
  8. 有機物が付着した被処理体を反応室内に収容する被処理体収容工程と、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の処理方法により、前記被処理体から有機物を除去する処理工程と、
    前記処理工程により有機物が除去された被処理体に成膜ガスを供給して、当該被処理体に薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    を備える、ことを特徴とする薄膜形成方法。
  9. 前記被処理体収容工程と前記処理工程と前記薄膜形成工程とを一の装置により行う、ことを特徴とする請求項に記載の薄膜形成方法。
  10. 前記被処理体収容工程における被処理体を反応室に収容するローディング温度と、前記処理工程における前記反応室の温度とをほぼ等しくする、ことを特徴とする請求項またはに記載の薄膜形成方法。
  11. 請求項乃至のいずれか1項に記載の処理装置と、
    反応室内に成膜ガスを供給する成膜ガス供給手段と、
    加熱部により前記反応室内を所定の温度に加熱させるとともに、前記成膜ガス供給手段により有機物が除去された被処理体に前記成膜ガスを供給して、当該被処理体に薄膜を形成させる成膜制御手段と
    を備える、ことを特徴とする薄膜形成装置。
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