JP3046067U - エアゾール容器用残留ガス除去用蓋装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品使用済みエアゾール容器中の残留ガスの
排出時、有害な霧が顔にかかったり目に入ったりするな
どの事故を無くし、安価でデザイン性に優れたエアゾー
ル容器用残留ガス除去用蓋装置を提供しようとするもの
である。 【構成】 キャップ本体の側壁面と天井壁面とにかかる
内側面に、ノズル押し込み具を突出成型し、該ノズル押
し込み具を、該キャップ本体の内側上に向かって折り込
めるようにしてある。残留ガスの排出時、該ノズル押し
込み具を折り込んだ後、再び製品に装着すると、内容残
液が吐出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は加圧容器に於ける内容残物の排出装置に関するものであり、より詳 しくは、製品使用後の加圧容器に於ける内容残物である噴射剤の排出装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

製品使用後の加圧容器に於ける内容残物である噴射剤の排出装置に関しては、 穴開け用ピンを飛散防止用スポンジと共に予備装着したものや、缶切り又は缶 穴空け器具の小型のものを缶底に仮付けしたもの等、加圧容器外部に開孔治具を 予備装着し、使用済み後は圧力容器本体に直接開孔して、内容残物を排出しよう とするもの、また、キャップ本体の中心にバルブコアの嵌合部と貫通穴を設け 、キャップ本体を逆さまの状態にしてバルブ又は圧力容器本体に取り付けられる ようにした形状とし、該キャップ本体を逆さまにして使用済み製品のバルブ、又 は圧力容器本体に取り付けた時、該キャップ本体がバルブのコアを押し下げ、バ ルブを解放状態に保つようにしたものや、特開平０７−３３００４８の様にキ ャップ本体の側面一部を切り取ってキャップ本体天井壁面に張り付けその切片に よってアクチュエーターボタンを押さえ付け、バルブを解放状態で保つようにし 、バルブを通して圧力容器本体の内部を開孔し内容残物を排出しようとしたもの があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前者の開孔治具を予備装着し、使用済みの圧力容器本体に直接開孔し内容残 物を排出しようとするものは、コスト面を度外視すれば、缶自体に直接穴を開け ると云うことで、廃棄後の容器回収時の容器圧迫、加熱等による缶内の内圧上昇 による爆発事故が防げる点では最良の方法であるが、消費者がこれら穴開け用ピ ンや小型缶切りを用いて、開孔中、万が一内容物残液のあるままでガスの放出作 業を行うとき、開孔の仕方によっては瞬時大量の内容残液が噴出するので、飛び 散った内容物が身体や目に入る危険性は勿論の事、回収作業中、その噴射物の直 接の帯電や、周囲の静電気や火花等によって引火爆発を起こす危険性がある。実 際、幾つかの事故が起こったために、危険性の面から最近は実施されなくなって 来た。以前は「使用後は穴を開けてからお捨て下さい」であった容器外面への注 意表示も、最近では、「使い切って捨てること」の他「火気のない戸外で噴射音 が消えるまでぼたんを押し、ガスを抜いて下さい」などに書き変えられて来た。

【０００４】 後者のバルブを通して圧力容器本体の内部を解放し、内容残物を排出しよう としたものについては、その殆ど全てが、回収時には、バルブコアよりボタンを 取り去ることは当然の事ながら、キャップ本体自体については特に手を加えるこ と無く、現状（通常使用時）のものをそのまま逆さまにして付け替えればバルブ のコアが押さえ付けられる事となり、バルブが解放状態に保たれるようにしたも のであった。即ち、これらキャップ本体を逆さまに付け替えるタイプの物は、キ ャップ本体が、キャップ本体を逆さまにした時に、バルブ又は圧力容器本体にキ ャップ本体が嵌合装着できる構造としなければならないために、デザイン状に避 けられない制限があった。又、該ガス抜き用キャップ本体を圧力容器本体に嵌合 装着しようとする時は、圧力容器本体よりボタンを取りはずした後でなくては、 ガス抜き用キャップ本体を取り付けられないので、容器本体よりボタンを外そう とする際に、内容残液量が多かった時には、有害な霧が顔にかかったり、目に入 ったりするなどの危険性が生じる。

【０００５】 キャップ本体を逆さまにして用いるタイプのガス抜き用キャップ本体は、成型 構造上貫通孔は上下に仕上げる場合が殆どであるために、排出ガスが上に放出さ れる場合が多いので有害な霧が顔にかかったり、目に入ったりするなどの事故が 起こる可能性が多い。横向きに噴出するようにするのは不可能では無いが、形が 複雑となり、型代が高くつき、製造コストも高くつき消費者に負担がかかる。こ れを避けるためにキャップ本体内にティッシュを丸めて詰める等して内容残液飛 び散りを止めようとする物もあり、周囲を汚すのを避けることもあるが、廃棄物 として紙（ティッシュベーバー）がもう一つ加わる事となり金属、プラスチック 、紙と少なくとも三つの異なる種類の廃棄物を捨てる事となるので、分別廃棄を 難しくすることとなる。

【０００６】 は作業が難しく慣れないと上手く出来ない上、失敗すると有害な霧が顔にか かったり、目に入ったりするなどの危険性が生じる。 そこで本考案はこれらの欠点のないエアゾール容器用残留ガス除去用蓋装置を 提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

（１）キャップ本体の側壁面と天井壁面とにかかる内側面に、ノズル押し込み 具を突出成型し、該ノズル押し込み具と該キャップ本体の天井壁面と接合する部 分の、該天井壁面の中心に一番近い側の辺を曲折可能なヒンジ部とし、該ノズル 押し込み具の他部周辺と、該キヤップ本体の天井壁面および側壁面との接合部に は僅かな力で切り離し可能となる切り離し溝を設けて、該ノズル押し込み具を、 該キャップ本体の内側に、折り込めるようにしたことを特徴とするエアゾール容 器用残留ガス除去用蓋装置。

【０００８】 （２）キャップ本体の天井壁面の裏面の一部に、ノズル押し込み具の係止部と なる保持部を設けたことを特徴とする前項１のエアゾール容器用残留ガス除去用 蓋装置。

【０００９】 （３）ノズル押し込み具にバルブコア嵌合穴と連通孔を設けた事を特徴とする 前項１または２のエアゾール容器用残留ガス除去用蓋装置である。

【００１０】

【作用及び実施例】

実施例をもってその作用効果等を説明する。

【００１１】 図１は本考案のエアゾール容器用残留ガス除去用蓋装置の第１実施例をしめす 外観斜視図であり、図２は図１に示す蓋装置の縦断面図である。１はキャップ本 体、２はノズル押し込み具、３はノズル押し込み具の脚体、４は切り離し溝、５ はヒンジ部である。６は４の切り離し溝に設けたバージンシール、１０は嵌合凸 部である。図３は本考案の第１実施例であるキャップ本体１のノズル押し込み具 ２を該キャップ本体１の内側に折り込んだ後、エアゾール容器本体７にセットし た状態の一例を示す実施例の縦断面図である。

【００１２】 キャップ本体１の側壁面１５と天井壁面１６とにかかる内側面に、ノズル押し 込み具２を突出成型し、該ノズル押し込み具２と該キャップ本体１の天井壁面１ ６とが接合する部分の、該天井壁面１６の中心に一番近い側の辺を曲折可能なヒ ンジ部５とし、該ノズル押し込み具２の他部周辺と、該キヤップ本体１の天井壁 面および側壁面との接合部には僅かな力で切り離し可能となる切り離し溝４を設 けて、該ノズル押し込み具２を、該キャップ本体１の内側に、該キャップ本体１ の内側上に向かって折り込めるようにしてある。

【００１３】 ここで、製品の使用後、製品を廃棄する際には、先ず、該キヤップ本体１を一 度製品から外し、キヤップ本体１のノズル押し込み具２を該キヤップ本体１の内 側上に向かって折り込み、再び製品に装着すると、ノズル押し込み具２の下部に よってボタン８が押し下げられて、バルブコア１４が押し下げられる事によって バルブが開き、内容残液が吐出する。このとき、ボタンの噴口９の方向を必ず、 ノズル押し込み具２をキヤップ本体１の内側に押し込んだ時に指の入った開口部 分１３とは反対の側に向けるようにセットする事によって、外部に放出された内 容残液はキヤップ本体１の内側に一旦当たったのち、後ろにあるノズル押し込み 具２をキヤップ本体１の内側に押し込んだ時に指の入った所の開口部分１３より 、外部に放出されるので、有害な霧が顔にかかったり、目に入ったりするなどの 危険性が生じることは無い。又、万が一内容物残液が多い場合でも飛び散った内 容物が身体にかかったり、目に入る危険性は無い。実施例１を実施するときは、 アクチュエーターボタンを付けたままのボタンを取り外す事なく作業できるので 、ボタンを取り外す際の万が一の危険性もなく、又、内容物残液が多かった時に でも、有害な霧が顔にかかったり、目に入ったりするなどの事故が起こる可能性 は無い。

【００１４】 図４はキャップ本体１の天井壁面１６の裏面の一部に、ノズル押し込み具２の 係止部となる保持部１１を設けた場合の第二実施例の一例を示すキャップ本体１ の裏面図である。保持部１１はキャップ本体１の天井壁面１６の裏面の中心部に 円状の凸部を設けて保持部１１とし、脚体３のつめ凸起１２がノズル押し込み具 ２をキャップ本体１の内側に折り込まれた時に、保持部１１とかみ合う様になっ ている。図４上に点線で示した場所にノズル押し込み具２が落ち着く事となる。

【００１５】 図５は本考案の実施例３を示す一部縦断面図である。本品は、特にボタンが装 着されていないような製品に使用するのに向いている。キャップ本体１のノズル 押し込み具２に、バルブコア１４のバルブコア嵌合穴１７と連通孔１８を設け、 ノズル押し込み具２をキヤップ本体１の内側に押し込んだ後、キヤップ本体１を 再び製品に装着するとバルブコア嵌合穴１７がバルブコア１４と嵌合した状態で 、バルブコア１４を押し下げる事となり、バルブコア１４が押し下げられる事に よってバルブが開き、内容残液が連通孔１８から吐出する。

【００１６】 このとき、ノズル押し込み具２に設けられた連通孔１８は開口部分１３とは反 対の側に向いているので、外部に放出された内容残液はキヤップ本体１の内側に 一旦当たったのち、後ろにあるノズル押し込み具２をキヤップ本体１の内側に押 し込んだ時に指の入れた所の開口部分１３より、外部に放出されるので、有害な 霧が顔にかかったり、目に入ったりするなどの危険性が生じることは無い。又、 万が一内容物残液が多い場合でも飛び散った内容物が身体にかかったり、目に入 る危険性は無い。実施例３を実施するときは、アクチュエーターポタンの付いた 製品にも使用することが可能であるが、この時にはボタンを取り外す必要がある ので、ボタンが付いた製品への本考案の採用は有害物を含まない製品に限定使用 するのが好ましい。

【００１７】

【考案の効果】 本考案の実施によって、ガス抜き時の噴射霧（内容残液）は、一度ガス抜き用 キャップ本体の内面に当てた後、殆どガス部分だけとして、外部に放出するよう にした構造であるため、もし残量の多い使用済み製品であっても、内容残液の内 の成分原液が直接外部に飛散しないので、飛び散った内容物が身体にかかったり 、目に入る危険性は無く、内容残液を外部に放出出来るので、安全である。

【００１８】 本考案のエアゾール容器用残留ガス除去用蓋装置は、外観的には勿論、機構構 造上においても、従来の製品と殆ど同じような形状及び型抜き方式で製品化出来 るので、外観のデザイン上においても、又、型代においても従来製品と殆ど変わ らない範囲で製作出来る。加えて、製造コストも変えず製品化出来るので、廃棄 の前処理のためにといって消費者にコスト面で特別な負担をかけるようなことは ない。

【００１９】 本考案のエアゾール容器用残留ガス除去用蓋装置を使用するとき、ガス抜き時 には、キャップ本体側面にあるノズル押し込み具２をキャップ本体内側上面方向 に折り曲げるので、このノズル押し込み具２が折り曲げられているか否かによっ て「処理前（未処理）」と「処理後（処理済）」の区別がはっきり分かるので、 廃棄物として捨てる際、及びその回収時には、処理済みか否かをはっきり確認で きる。

【００２０】 本考案のエアゾール容器用残留ガス除去用蓋装置は、アクチュエーターボタン を付けたままの状態でガス抜き用キャップ本体を取り付け使用することも、アク チュエーターボタンの無い製品においてはバルブコアに直接ガス抜き用キャップ 本体を取り付け使用することもが出来るので、本実施例１の如き形状とし、ボタ ンを取り外す事なく作業できる様にした場合は、残量が多かった時にでも、有害 な霧が顔にかかったり、目に入ったりするなどの事故が起こる可能性は無いし、 アクチュエーターボタンの無い製品においてはバルブコアに直接ガス抜き用キャ ップ本体を取り付け使用した場合でも、ガス抜き時の噴射霧（内容残液）は、一 度ガス抜き用キャップ本体の内面に当たった後、殆どガス部分だけが、外部に放 出されるようにした構造であるため、もし残量の多い使用済み製品であっても、 内容残液の内の成分原液が直接外部に飛散しないので、飛び散った内容物が身体 にかかったり、目に入る危険性は無く、内容残液を外部に放出出来るので、安全 である。

【００２１】

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例をしめす外観斜視図であ
る。

【図２】この考案の第１実施例をしめす縦断面図であ
る。

【図３】この考案の第１実施例をしめす一部縦断面図で
ある。

【図４】この考案の第２実施例をしめす裏面図である。

【図５】この考案の第３実施例をしめす一部縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１、キャップ本体 ２、ノズル押し込み具 ３、脚体 ４、切り離し溝 ５、ヒンジ部 ６、バージンシール ７、エアゾール容器本体 ８、ボタン ９、ボタンの噴口 １０、嵌合凸部 １１、保持部 １２、つめ凸起 １３、開口部分 １４、バルブコア １５、側壁面 １６、天井壁面 １７、バルブコア嵌合穴 １８、連通孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャップ本体の側壁面と天井壁面とにか
   かる内側面に、ノズル押し込み具を突出成型し、該ノズ
   ル押し込み具と該キャップ本体の天井壁面とが接合する
   部分の、該天井壁面の中心に一番近い側の辺を曲折可能
   なヒンジ部とし、該ノズル押し込み具の他部周辺と、該
   キヤップ本体の天井壁面および側壁面との接合部には僅
   かな力で切り離し可能となる切り離し溝を設けて、該ノ
   ズル押し込み具を、該キャップ本体の内側に、折り込め
   るようにしたことを特徴とするエアゾール容器用残留ガ
   ス除去用蓋装置。
2. 【請求項２】 キャップ本体の天井壁面の裏面の一部
   に、ノズル押し込み具の係止部となる保持部を設けたこ
   とを特徴とする請求項１のエアゾール容器用残留ガス除
   去用蓋装置。
3. 【請求項３】 ノズル押し込み具にバルブコア嵌合穴と
   連通孔を設けた事を特徴とする請求項１または２のエア
   ゾール容器用残留ガス除去用蓋装置。