JP3045794B2 - 脱臭方法および脱臭装置 - Google Patents

脱臭方法および脱臭装置

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JP3045794B2
JP3045794B2 JP3043025A JP4302591A JP3045794B2 JP 3045794 B2 JP3045794 B2 JP 3045794B2 JP 3043025 A JP3043025 A JP 3043025A JP 4302591 A JP4302591 A JP 4302591A JP 3045794 B2 JP3045794 B2 JP 3045794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭、ホテル、病院、
老人ホーム、バスや電車などの車両、倉庫、コンテナー
などの種々の空間を脱臭する脱臭方法および脱臭装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】家庭、ホテルなどの前記空間内では、
床、天井、壁、絨毯、カーテンなどに染込んだ臭気成分
が存在する。この臭気成分は、水洗などにより有る程
度、除去できるが、根本的に除去することは困難であ
る。このため、これらの空間内に脱臭剤を置いて脱臭し
たり、空間内のガスを強制的に脱臭剤層に流通させて脱
臭する方法が知られている。これらの方法では、空間内
で浮遊する臭気成分を有る程度除去できる。しかし、臭
気成分を完全に除去できないことに加えて、空間内の絨
毯などに染込んだ臭気成分が時間の経過と共に徐々に揮
散し続けるので、脱臭効果が非常に低い。
【0003】実開昭63−197547号公報には、短
時間内に確実に空気の浄化を行なうため、枠体に室内空
気の吸込口と吐出口とを設け、この吸込口と吐出口との
間の通風路にオゾン発生器の排出口とオゾン分解手段と
を設けた、オゾンによる空気浄化装置が開示されてい
る。実開昭64−22351号公報には、冷蔵室内など
の密閉空間内を短時間内に脱臭・殺菌するため、吸込口
と吹出口とが形成されたケースと、このケースの流通路
に設置される送風ファンと、オゾン発生器と、このオゾ
ン発生器の下流側に設置される脱臭触媒と、オゾン発生
器からのオゾンを脱臭触媒を通過させることなく短絡し
てオゾンを外部に放出するバイパス通路と、このバイパ
ス通路の流入口側に流路を切換えるダンパーとを設けた
脱臭装置が開示されている。
【0004】しかし、これらの装置により、室内などを
オゾン処理する場合には、通常、オゾンを長時間に亘り
放散させる必要があるので、処理効率が小さい。しか
も、脱臭処理空間内の絨毯などに染込んだ臭気成分が徐
々に揮散することに加えて、オゾン処理後、空間内には
他の臭気成分発生源が存在するため、再び臭気成分が空
間内に浮遊する。一方、脱臭効果を高めるため、オゾン
により空間を繰返し又は長期に亘り処理すると、活性な
オゾンにより、処理空間内の絨毯、カーテンや絵画など
が変色したり劣化する虞がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、短時間内に効率よく、しかも長期に亘り、脱臭空間
を脱臭できる脱臭方法および脱臭装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、オゾンによる脱臭と、未反応オゾンの分解及び吸
着剤による臭気成分の除去とを組合せる場合には、上記
目的を達成できることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】本発明は、流路内に、少なくとも、送風手
段と、オゾン発生器とを備えたオゾン放散部と、オゾン
を分解する触媒層とを備えた送風可能なオゾン分解部
と、空間中に残存する臭気成分を吸着層により除去する
送風可能な吸着除去部とを有し、前記送風手段が、オゾ
ン放散部とオゾン分解部とに正・逆両方向に送風する少
なくとも1つのファンと、送風方向を選択する選択手段
とで構成され、前記オゾン発生器が、前記選択手段と連
動してオゾンの発生量を調整する調整手段に接続されて
いる脱臭装置を提供する。
【0008】
【作用】本発明の脱臭方法では、オゾン放散脱臭方式と
吸着脱臭方式とを組合せている。すなわち、オゾン放散
脱臭方式では、脱臭処理空間内へオゾンを所定時間放散
させることにより、主に絨毯などの部材に染込んだ臭気
成分を酸化・無臭化でき、空間中に残存する臭気成分の
量は微量となる。その後、未反応オゾンの触媒による分
解、および空間中に残存する臭気成分の除去を行なう
と、空間内を長期に亘り略完全に無臭化できる。
【0009】また、本発明の脱臭装置では、ファンと選
択手段とで構成された送風手段により、オゾン放散部か
らオゾンを放散させ、かつオゾン分解部で未反応オゾン
を分解できる。また、調整手段が選択手段と連動してオ
ゾン発生量を調整するので、オゾン放散時にはオゾンの
発生量を多く、オゾン分解時にはオゾンの発生を停止又
は減少させることができる。さらに、オゾン放散により
空間中に残存する微量の臭気成分は、吸着除去部により
除去される。
【0010】なお、本明細書において、「空間中に残存
する臭気成分」とは、オゾンと未反応の臭気成分のみな
らず、オゾンと臭気成分とを反応させた後、空間中に存
在する全ての臭気成分、例えば、処理空間内の部材に染
込んだ臭気成分および臭気発生源から発生した臭気成分
をも含む意味に用いる。
【0011】以下、本発明を、必要に応じて図面を参照
しながら、詳細に説明する。
【0012】本発明の脱臭方法は、脱臭処理空間へオゾ
ンを放散するオゾン放散工程と、その後、未反応オゾン
を分解するオゾン分解工程と、空間中に残存する臭気成
分を吸着剤で除去する吸着処理工程とを含んでいる。な
お、オゾン分解工程と、吸着処理工程とは、同時に又は
順次行なってもよい。
【0013】前記オゾン放散工程では、オゾン発生器に
より発生するオゾンを脱臭処理空間内に放散すればよい
が、オゾン発生器と、送風手段のファンとを組合わせ
て、オゾンを空間内の隅々にまで放散するのが好まし
い。オゾン発生器、ファンの種類及び機能などは空間の
大きさ、臭気成分の種類に応じて選択できる。オゾン発
生器としては、無声放電方式、紫外線照射方式、水電解
方式などが使用できる。好ましいオゾン発生器は無声放
電方式オゾン発生器である。ファンとしては、例えば、
シロッコファン、軸流ファン、クロスフローファンなど
が使用できる。
【0014】空間内のオゾン濃度および放散時間は、主
に空間内の部材に染込んでいる臭気成分の種類、量など
に応じて選択できる。オゾン濃度は、通常、0.05pp
m 以上、好ましくは0.1〜1000ppm 、さらに好ま
しくは0.2〜500ppm 程度である。オゾンの放散時
間は、通常、1分以上、好ましくは5〜5000分、さ
らに好ましくは10〜1000分程度である。また、オ
ゾンによる処理温度は、例えば、−50〜100℃、好
ましくは−30〜70℃程度である。
【0015】前記オゾン放散工程では、主に空間内の
床、天井、壁、絨毯、カーテンなどに染込んだ臭気成
分、空間中に浮遊する臭気成分がオゾンによって酸化さ
れ、略完全に無臭化される。
【0016】なお、オゾン放散工程に先立って、空間内
の気体を、帯電フィルターなどの除塵フィルターに通過
させ、気体中の微粒固形物を除去しておいてもよい。
【0017】また、オゾン発生器として無声放電式オゾ
ン発生器を使用する場合、空間中の気体を予め酸担持吸
着剤で処理し、オゾン発生電極に供するのが好ましい。
この場合には、空間内のアンモニア、アミン類などの塩
基性成分を選択的に除去でき、オゾン発生器の電極表面
での硝酸塩、亜硝酸塩の沈着を防止乃至抑制でき、オゾ
ンの発生効率を安定化できる。
【0018】酸担持吸着剤は、例えば、硫酸、リン酸な
どの無機酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機
酸を吸着能を有する担体に担持させたものである。好ま
しい酸は、硫酸、リン酸またはクエン酸である。担体と
しては、例えば、活性炭、アロフェン、珪藻土、頁岩、
沸石、セピオライト、活性白土などの粘度鉱物やこれら
の粘度鉱物を焼成したものなどが挙げられる。好ましい
担体は、BET比表面積200〜2500m2 /g、特
に500〜2000m2 /g程度の活性炭である。酸の
担持量は、例えば、2〜50重量%、好ましくは5〜4
0重量%程度である。
【0019】酸担持吸着剤の形態は、ペレット状、顆粒
状、多孔板状、板状、マカロニ状、繊維状、ハニカム状
などのいずれであってもよい。好ましい酸担持吸着剤の
形態は、顆粒状、繊維状、ハニカム状である。
【0020】気体と酸担持吸着剤との接触温度は、例え
ば、0〜100℃、好ましくは5〜80℃程度である。
酸担持吸着剤に対する気体の空間速度は、例えば、10
0〜500000hr-1、好ましくは500〜1000
00hr-1程度である。
【0021】オゾン分解工程では、オゾン放散工程の
後、空間中に残存している未反応オゾンを酸素に効率よ
く分解し、無害化できる種々の触媒が使用できる。この
ような触媒としては、無機系触媒、例えば、活性炭、ア
ルミナ、シリカ、コージエライト、セピオライト、ゼオ
ライト、粘度鉱物、チタニア、ジルコニア、マグネシ
ア、鉄酸化物、銅酸化物、マンガン酸化物、コバルト酸
化物などが挙げられる。これらの触媒は単独で又は二種
以上混合して使用できる。これらの触媒のなかで、吸着
能を有する触媒、特に活性炭が好ましい。
【0022】触媒には、アルカリ金属化合物、アルカリ
土類金属化合物、白金属化合物などを添加または担持さ
せてもよい。
【0023】触媒の形態は、特に制限されず、粉粒状、
顆粒状、ペレット状、繊維状、ハニカム状、多孔板状な
どであってもよい。触媒は、充填層として使用できる
が、フィルターとして使用するのが好ましい。好ましい
触媒の形態は、圧力損失が小さく、気体の流れが均一化
し、分解効率の高い繊維状、特にハニカム状である。触
媒の種類などは、脱臭処理空間の大きさ、臭気成分の種
類により選択できる。
【0024】オゾン分解工程では、未反応オゾンを効率
よく分解するため、空間内の未反応オゾンをファンによ
り触媒層に流通させるのが好ましい。この場合には、短
時間内でオゾン濃度を許容濃度0.1ppm 以下にでき
る。このオゾン分解工程に要する時間は、触媒の種類、
ファンの能力、オゾン濃度、空間の容積などによって異
なるが、通常500分間以下、好ましくは5〜250分
間、さらに好ましくは10〜100分間程度である。な
お、オゾン分解工程では、前記オゾン放散工程で使用す
るファンとは別に個別のファンを用いてもよいが、正逆
転可能なファンをオゾン放散工程及びオゾン分解工程で
共用するのが好ましい。すなわち、正逆転可能なファン
を用いると、オゾン放散工程では、ファンを正転させて
オゾンを放散し、その後のオゾン分解工程では、ファン
を逆転させて未反応オゾンを吸引することができ、1つ
のファンで、オゾンの放散と未反応オゾンの吸引とを行
なうことができる。
【0025】なお、オゾン処理には平均的室内で数時間
程度を要すること、安全衛生上、オゾン濃度が高い空間
内への入室は避けるのが好ましいことから、オゾン放散
工程と、オゾン分解工程を、コンパクトな1つの装置で
自動的に行なうのが好しい。
【0026】また、オゾン分解工程で、活性炭などの吸
着能を有する触媒を使用すると、未反応オゾンを分解す
るだけでなく、空間中に残存する臭気成分をも吸着除去
する。この場合には、未反応オゾンの分解と、臭気成分
の除去が同時に行なわれ、空間内を略完全に無臭化でき
る。しかしながら、オゾン放散工程の後も、空間中に残
存する微量の臭気成分が長期に亘り発生することから、
未反応オゾンを分解した後、吸着剤により吸着処理する
のが好ましい。
【0027】前記吸着処理工程では、空間内の浮遊臭気
成分を吸着剤に接触させる。効率よく臭気成分を除去す
るためには、ファンにより、空間内に浮遊する臭気成分
を吸着剤に流通させるのが好ましい。すなわち、ファン
及び吸着剤を搭載した吸着装置を用いると、簡便かつ効
率よく臭気成分を除去できる。ファン、吸着剤の種類な
どは、脱臭処理空間の大きさ、臭気成分の種類に応じて
選択できる。ファンとしては、前記と同様のファンが使
用できる。
【0028】吸着剤としては、臭気成分に対する吸着ま
たは酸化能力を有するものであればよく、例えば、活性
炭、アルミナ、シリカ、セピオライト、ゼオライト、粘
度鉱物、チタニア、ジルコニア、マグネシアなどが挙げ
られる。これらの吸着剤は、単独で又は混合して使用で
きる。好ましい吸着剤は、活性炭である。
【0029】吸着剤の形態は、特に制限されず、例え
ば、粉粒状、顆粒状、ペレット状、繊維状、ハニカム
状、多孔板状などであってもよい。吸着剤は、前記触媒
と同じく、充填層としても使用できるが、フィルターと
して使用するのが好ましい。好ましい触媒の形態は、圧
力損失が小さく、気体の流れが均一化し、吸着効率の高
い繊維状、特にハニカム状である。これらの吸着剤は、
臭気成分に種類に応じて、数種組合わせて使用できる。
【0030】好ましい吸着剤である活性炭ハニカムは、
活性炭含量が約30重量%以上であれば種々の結合剤を
含有していてもよい。活性炭ハニカムの比表面積は、通
常200m2 /g以上、好ましくは400m2 /g以
上、特に好ましくは500m2 /g以上である。また、
そのセル数は30〜1500個/in2 、好ましくは50
〜1000個/in2 程度であり、その厚みは5mm以上で
あるのが好ましい。
【0031】吸着剤は、薬品を添加または担持させた薬
品担持吸着剤であってもよい。薬品は、空間中に残存す
る臭気成分の種類に応じて選択できる。例えば、空間中
に酢酸、乳酸などの酸性物質が残存する場合には、アル
カリが使用され、アンモニア、アミンなどの塩基性物質
が残存する場合には、酸や酸化性化合物が使用され、エ
チレン、アセチレンなどの低級不飽和炭化水素類が残存
する場合には、臭素などのハロゲンが使用され、窒素酸
化物、一酸化炭素、シアン化水素、低級アルデヒド類が
残存する場合には、白金族化合物が使用される。
【0032】アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
【0033】酸には無機酸及び有機酸が含まれ、無機酸
としては、例えば、リン酸、硫酸などが挙げられ、有機
酸としては、例えば、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸な
どが挙げられる。酸化性化合物としては、例えば、クロ
ム酸、重クロム酸、過マンガン酸などが挙げられる。
【0034】吸着剤に対するこれらの薬品の担持量は1
〜60重量%、好ましくは2〜50重量%、特に好まし
くは5〜40重量%である。
【0035】ハロゲン担持吸着剤は、臭素担持吸着剤が
好ましい。吸着剤に対するハロゲンの担持量は1〜30
重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは5
〜15重量%である。
【0036】前記白金族元素としては、例えば白金、イ
リジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニ
ウム、金が挙げられる。これら白金族元素化合物の吸着
剤に対する担持量は、白金族元素として0.1〜20重
量%、好ましくは0.25〜15重量%、特に好ましく
は0.5〜10重量%である。
【0037】担持薬品として、白金族元素の化合物と、
Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag
の化合物のうち少なくとも1種以上とを同時に用いるこ
とによって、ガスの処理効果が一層向上する。白金族元
素化合物に対する前記金属化合物の添加比率(金属/元
素重量比率)は0.1〜500、好ましくは0.5〜2
50、より好ましくは1〜100である。
【0038】前記薬品担持吸着剤は、少なくとも一種使
用すればよいが、二種以上用いることにより、脱臭効果
を一層向上させることができる。
【0039】特に好ましい吸着剤は、吸着剤と薬品担持
吸着剤とを組合せた吸着剤系である。この吸着剤系で
は、吸着剤により、空間中に残存する臭気成分、例え
ば、油類、炭化水素類、ジスルフイド類、硫化水素、硫
黄酸化物、メルカプタンなどの硫黄化合物を効率よく除
去でき、薬品担持吸着剤により、前記吸着剤により吸着
除去されない成分、例えば、前記酸性物質、塩基性物質
などを効率よく除去できる。従って、空間中に残存する
臭気成分が微量であっても、略完全に、かつ長期に亘り
除去できる。吸着剤と薬品担持吸着剤による処理はいず
れを先行させてもよいが、空間中に残存する微量の臭気
成分を効率よく除去するため、空間中の気体を前記吸着
剤により吸着処理した後、薬品担持吸着剤で処理するの
が好ましい。
【0040】前記吸着剤による吸着処理は、連続的に行
なってもよいが、前記オゾン放散工程により、空間中に
残存する臭気成分が微量となるので、間欠的に行なうの
が経済的である。
【0041】さらに、ファンは、吸着剤層、薬品担持層
の上流側又は下流側、吸着剤層と薬品担持層との間な
ど、適所に設置できるが、排出口側、すなわち薬品担持
吸着層の下流側に設置するのが好ましい。この場合、フ
ァンにより気体を吸引し、吸着層と薬品担持吸着層とを
順次流通させることができるので、窒素化合物、アルデ
ヒド類、スルフイド類などによるファンの腐蝕を防止で
き、高い脱臭効果を長期に亘り維持できる。
【0042】なお、吸着剤による除去効率を高めるため
には、吸着処理工程に供する気体を、帯電フィルターな
どの除塵フィルターを通過させ、気体中の微粒固形物を
除去しておくのが好ましい。
【0043】このような脱臭方法では、オゾン放散と、
その後のオゾン分解及び吸着処理を組合せているので、
オゾン放散時間が短くても空間内を略完全に脱臭でき
る。
【0044】以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の
脱臭装置をより詳細に説明する。
【0045】図1は本発明の装置を構成するオゾン放散
脱臭装置の一実施例を示す概略縦断面図であり、図2は
本発明の装置を構成する吸着脱臭装置の一実施例を示す
概略縦断面図である。なお、オゾン放散脱臭装置は、オ
ゾン放散部及びオゾン分解部としての機能を備え、吸着
脱臭装置は、吸着処理部として機能する。
【0046】オゾン放散脱臭装置1は、中空ケーシング
2の一方の端部の開口部4、他方の端部の開口部5によ
り形成された流路3と、この流路3内に順次配置され
た、活性炭ハニカムなどの触媒層6、無声放電式オゾン
発生器7、モータ9に連結された反転可能なファン8と
で構成されている。前記オゾン発生器7のオゾン発生電
極7aは筒状のダクト10内に配設され、このダクトの
入口側には、前記電極7aに供給される気体を前処理す
る酸担持吸着剤層11が設けられている。また、前記電
極7aは高電圧発生器12に接続されている。なお、符
号13はオゾンセンサである。
【0047】図3は本発明のオゾン放散脱臭装置の電気
的構成を示すブロック図である。
【0048】この装置において、交流電源21に接続さ
れたON−OFFスイッチ22は、ファン8を駆動する
モータ9の切換回路23に接続されている。この切換回
路23は、送風方向を選択する選択手段として機能す
る。また、前記ON−OFFスイッチ22は、オゾン発
生器7に接続された高電圧発生回路24にも接続されて
いる。さらに、ON−OFFスイッチ22は、計時手段
としてのカウンタ25にも接続されている。
【0049】このカウンタ25は、ON−OFFスイッ
チ22の投入に伴なってカウントを開始し、時刻T0 か
らT1 までの間においては、前記切換回路23に正転信
号を与え、モータ9を正転させると共に、高電圧発生回
路24へ駆動信号を与え、オゾン発生器7によりオゾン
を発生させる。従って、時刻T0 からT1 までの間は、
ファン8の正転により、脱臭処理空間の気体を、前記開
口部4から他方の開口部5の方向に送風させることがで
きると共に、オゾン発生器7の出力は最大となる。開口
部4から開口部5へ吸引された気体と、オゾン発生器7
により発生したオゾンとがファン8で混合され、開口部
5から高濃度のオゾンを含む混合気体が空間内に放散さ
れる。また、オゾン発生器7に供給される気体は酸担持
吸着剤層11で予め処理されているため、オゾン発生器
7の電極7a面の劣化が著しく抑制される。ケーシング
2のうちオゾン発生器7と開口部5との間の領域がオゾ
ン放散部として機能する。
【0050】さらにオゾンの放散を時刻T1 までの間継
続すると、未反応オゾン、臭気成分などを含む循環気体
は、ファン8で吸引され、開口部4を通じて触媒層6と
接触して、未反応オゾンの分解が行なわれる。触媒層6
を活性炭ハニカムなどで構成する場合には、臭気成分の
吸着除去も行なわれる。触媒層6を通過した気体は、電
極7aで発生するオゾンと再度混合され、再び空間へ放
散される。この操作を時刻T1 まで続けることにより、
空間内のオゾン濃度は略一定となり、主に床、天井、
壁、絨毯カーテンなどに染込んだ臭気成分を酸化・無臭
化する。この過程で、空間内に浮遊する臭気成分も酸化
・無臭化される。
【0051】一方、カウンタ25は、時刻T1 となった
とき、前記切換回路23に逆転信号を与え、モータ9の
回転方向を切換えると共に、高電圧発生回路24へ停止
信号を与え、オゾン発生器7によるオゾンの発生を停止
する。前記カウンタ25の動作時間がT1 −T2 である
場合には、ファン8の逆転と、オゾンの発生の停止が継
続され、空間内の気体が、上記とは逆方向、すなわち開
口部5から開口部4へ流れると共に、吸引された気体中
の未反応オゾンが触媒層6を通過する。未反応オゾン
は、触媒層6により酸素に分解されるので、人体、動物
などに害を及ぼす虞がなくなる。ケーシング2のうち触
媒層6が配置された領域はオゾン分解部として機能する
さらに、カウンタ25は、時刻T2 となったとき、前記
ON−OFFスイッチ22にOFF信号を与え、装置全
体の動作が停止し、その後、空間中に残存する臭気成分
の吸着処理が行なわれる。
【0052】このように、前記ファン8の正転及びオゾ
ンの発生と、ファン8の逆転及びオゾン発生の停止を制
御することにより、容易かつ自動的に脱臭できる。
【0053】この実施例において、前記カウンタ25お
よび高電圧発生回路24は、オゾン発生量を調整する調
整手段として機能する。
【0054】なお、この実施例において、カウンタに代
えてタイマーを用いてもよい。さらには、第1のカウン
タと第2のカウンタとを用い、モータの作動時間を第1
のカウンタで行ない、高電圧発生回路の作動時間を第2
のカウンタで行なってもよい。ファンは、カウンタやタ
イマーによって所定周期毎に作動させてもよい。
【0055】前記オゾン放散脱臭装置の動作は、オゾン
センサ、においセンサなどのセンサ、タイマーなどと組
合せて制御することもできる。図4は本発明の脱臭装置
を構成するオゾン脱臭装置の他の電気的構成を示すブロ
ック図である。
【0056】この例では、においセンサ31により空間
内の臭気成分の濃度を検出すると共に、オゾンセンサ3
3により空間内のオゾン濃度を検出する。においセンサ
31による検出値V1 は第1の比較回路32に与えら
れ、この比較回路32では、臭気成分の基準濃度に対応
する基準値Vf1 と比較される。また、オゾンセンサ3
3による検出値V2 は第2の比較回路34に与えられ、
この比較回路では、オゾンの許容濃度に対応する基準値
Vf2 と比較される。
【0057】ON−OFFスイッチ22は、前記と同様
に、モータ9の切換回路23と接続されていると共に、
オゾン発生器7に接続された高電圧発生回路24と接続
されている。
【0058】そして、においセンサ31による検出値が
V1 ≧Vf1 である場合には、第1の比較回路32の比
較結果に基づいて、切換回路23には正転信号が与えら
れ、モータ9が正転すると共に、高電圧発生回路24に
は駆動信号が与えられ、オゾン発生器7はオゾンを発生
する。
【0059】また、においセンサ31の検出値V1 と基
準値Vf1 は、演算制御回路35にも与えられる。この
演算制御回路35は、検出値V1と基準値Vf1 とに基
づいて、空間中の臭気成分をオゾンにより無臭化するの
に適切な制御量を算出し、モータ9の回転数制御回路3
6に制御信号を与えて回転数を増大させると共に、周波
数制御回路37に制御信号を与えて、高電圧発生回路2
4およびオゾン発生器7によるオゾン発生量を増大させ
る。従って、脱臭処理空間内の臭気成分の濃度が基準値
Vf1 以上である場合には、臭気成分の濃度に対応し
て、回転数を制御しながらファン8を正転させ、高電圧
発生回路24を通じてオゾン発生器7によりオゾン発生
量を制御しながら、オゾンを放散させることができる。
【0060】オゾンの放散に伴なって、においセンサ3
1による検出値がV1<Vf1 となると、第1の比較回
路32での比較結果に基づいて、切換回路23には逆転
信号が与えられ、モータ9が逆転する。また、前記演算
制御回路35は、モータ9の回転数制御回路36に制御
信号を与えてモータ9の回転数を制御すると共に、周波
数制御回路37に周波数を低減またはオゾンの発生を停
止させる制御信号を与える。従って、モータ9とファン
8の逆転に伴なって、前記触媒層3により未反応オゾン
を分解できる。
【0061】そして、未反応オゾンの分解に伴なって減
少するオゾン濃度をオゾンセンサ33で検出し、オゾン
センサ33による検出値がV2 <Vf2となったとき、
第2の比較回路34は、前記ON−OFFスイッチ22
に停止信号を与え、装置の作動が停止する。
【0062】なお、この実施例において、第2の比較回
路34には、Vf2 に加えて、オゾン濃度の上限値に対
応する基準値Vf3 を与えてもよい。この場合、オゾン
センサ33による検出値がV2 ≧Vf3 となったとき、
ファン8の逆転、オゾン発生量の減少又はオゾン発生の
停止を、第2の比較回路33および他の演算制御回路に
より制御できる。また、演算制御回路、回転数制御回路
および周波数制御回路は必ずしも必要ではなく、前記第
1の比較回路により、モータの正逆転、オゾン発生器に
よるオゾンの発生又は停止を制御してもよい。
【0063】前記各実施例において、送風手段は、反転
可能な1つのモータファンに限らず、回転方向の異なる
2つのモータファン、複数のモータファンであってもよ
い。さらに、においセンサ及び/又はオゾンセンサとタ
イマーとを組合せて、ファンの正転、逆転、オゾン発生
器によるオゾン発生量の減少またはオゾン発生の停止、
および装置の作動の停止を制御してもよい。例えば、前
記図1に示す例において、オゾンセンサ13により検出
した検出値Vを、オゾン濃度の下限値に対応する基準値
Vf1 、上限値に対応する基準値Vf2 と比較回路で比
較し、Vf1 <V<Vf2 であるときは、ファンを正転
させると共に、オゾン発生器によりオゾンを発生させ
て、オゾンを放散し、V≧Vf2 であるときは、ファン
を逆転させると共に、オゾンの発生を停止させてオゾン
を分解し、V≦Vf1 であるときは、ファンの作動を停
止させてもよい。
【0064】前記オゾン放散脱臭装置により空間を処理
した後、空間内に残存する臭気成分を、図2に示す吸着
脱臭装置で除去することにより、空間内を略完全に脱臭
でき、かつ長期間に亘り無臭状態を維持できる。
【0065】図2に示す吸着脱臭装置41は、図5に示
されるように、止め具14により、前記オゾン放散脱臭
装置1に対して着脱自在に取付けられている。
【0066】前記吸着脱臭装置41は、中空ケーシング
42の一方の端部の吸気口部44、他方の端部の排気部
45により形成された流路43と、この流路43に順次
配置された、除塵フィルター46、活性炭ハニカムなど
の吸着層47、薬品担持活性炭ハニカムなどの薬品担持
吸着層48、および一方向に回転するファン49とで構
成されている。
【0067】この吸着脱臭装置41を作動させると、フ
ァン16の回転により、オゾン分解された空間中に残存
する臭気成分は、吸気口44から吸引される。吸引され
た気体は吸着層47を通過して臭気成分が除去され、吸
着層47により除去されなかった臭気成分は、薬品担持
吸着層48を通過する過程で除去される。従って、空間
中に残存する臭気成分を略完全に除去でき、清浄な気体
が排気口45から排気され、空間内が脱臭される。
【0068】吸着脱臭装置41は、空間内の臭気成分の
発生状況に応じて作動させることができ、連続的に作動
させてもよいが、タイマーなどにより間欠的に作動させ
るのが経済的である。また、吸着脱臭装置に、においセ
ンサを設け、該センサの検出値が、許容される臭気成分
の濃度に対応する基準値以上となったとき、比較回路に
基づいて、前記ファンを作動させてもよい。
【0069】図6は、本発明の脱臭装置を構成する他の
オゾン放散脱臭装置を示す概略平面図である。このオゾ
ン放散脱臭装置51は、箱状ケーシング52と、このケ
ーシング52の複数の開口部にそれぞれ配設された触媒
層56と、ケーシング52に形成された開口部55と、
ケーシング52内に配置されたオゾン発生器57、反転
可能なファン58を備えている。前記オゾン発生器57
は高電圧発生器62に接続されていると共に、オゾン発
生器57には、エアーコンプレッサ63が接続され、コ
ンプレッサ63に接続された管には、オゾン発生器57
に供給される気体を前処理する酸担持吸着層61が配置
されている。
【0070】前記実施例においては、オゾン放散脱臭装
置によりオゾンの放散と分解を行ない、吸着脱臭装置に
より、空間中に残存する臭気成分の吸着剤による除去を
行なっているが、オゾン放散脱臭装置により、オゾン放
散のみを行なってもよい。この場合、吸着脱臭装置によ
り、未反応オゾンの分解と臭気成分の吸着除去が行なわ
れる。また、オゾン放散脱臭装置と吸着脱臭装置とは、
一体化していてもよい。図7は、本発明の脱臭装置の他
の実施例を示す概略縦断面図である。なお、前記実施例
と同一の要素には、同一の符号を付して説明する。
【0071】この実施例の脱臭装置は、中空ケーシング
72の一方の端部に形成された開口部74と、他方の端
部に形成された開口部75とで第1の流路73が形成さ
れている。この第1の流路73には、図1に示す実施例
と同様に、高電圧発生器12に接続され、酸担持吸着剤
層11を備えたオゾン発生器7と、モータ9に接続され
たファン8とが配置されている。また、流路73には、
一方の開口部74からファン8の方向には、薬品担持吸
着層48、活性炭ハニカムなどの触媒兼吸着層6、除塵
フィルタ46が順次配置されている。
【0072】そして、薬品担持吸着層48と触媒兼吸着
層6との間の空間、および触媒兼吸着層6と除塵フィル
タ46との間の空間は、第2の流路76により、それぞ
れ一方の端部の開口部74、第1の流路73と連通して
いる。また、第2の流路76には流路を切換えるダンパ
ー77がそれぞれ設けられている。このダンパー77
は、ファン8が正転しているときには、第2の流路76
を開き、ファン8が逆転しているときは、第2の流路7
6を閉じる。なお、ダンパー77の開閉操作は、前記実
施例における切換回路からの信号などにより制御でき
る。
【0073】このような脱臭装置では、1つの装置で前
記オゾン放散と分解、および吸着剤による臭気成分の除
去を行なうことができる。すなわち、ファン8を正転さ
せると共に、オゾン発生器7により発生したオゾンが、
開口部74から第2の流路76を通じて吸引された気体
と混合され放散される。また、オゾン処理が終了した
後、ファン8を逆転すると、オゾンの発生が停止または
減少し、未反応オゾンを含む気体が、除塵フィルタ4
6、触媒兼吸着層6、薬品担持吸着層48を通過し、触
媒兼吸着層6では、主にオゾンの分解と臭気成分の一部
の除去が行なわれ、薬品担持吸着層48では、主に他の
臭気成分が除去される。
【0074】なお、このような一体化した脱臭装置にお
いて、ファンが正転しているとき、触媒層が上流側に位
置する限り、触媒層、吸着層、薬品担持吸着層の配置順
序は、特に制限されず、また第2の流路は、除塵フィル
タ、触媒層、吸着層、薬品担持吸着層の配置順序に応じ
て適当に形成することができる。
【0075】なお、本発明の脱臭装置において、空間内
の気体は、オゾン放散部、オゾン分解部および吸着処理
部でそれぞれ戸別に処理してもよいが、前記のように、
オゾン放散部、オゾン分解部を一体化してオゾンの放散
と未反応オゾンの分解を行ない、吸着処理部で残存する
臭気成分を吸着除去するのが好ましい。
【0076】本発明の脱臭装置の好ましい態様は、次の
通りである。
【0077】(a) オゾン放散部とオゾン分解部とが1つ
の流路に形成され、かつ吸着除去部に対して着脱自在で
ある脱臭装置。
【0078】(b) 送風方向を選択する選択手段が、計時
手段と、計時手段の動作時間に応じて、ファンモータに
正転又は逆転信号を与える切換手段とで構成されている
脱臭装置。
【0079】(c) 調整手段が、動作時間に応じて、オゾ
ン発生器の高電圧発生回路に制御信号を与える計時手段
で構成されている脱臭装置。
【0080】(d) 選択手段が、におい及び/又はオゾン
センサと、このセンサの検出値と、におい及び/または
オゾン濃度に対応する基準値とを比較する比較手段と、
比較結果に基づいて、ファンモータを正転又は逆転させ
る信号が与えられる切換手段とで構成されている脱臭装
置。
【0081】(e) 調整手段が、上記センサと、上記比較
手段と、この比較手段の比較結果に基づいて、オゾン発
生器によるオゾンの発生を停止又は減少させる制御手段
とで構成されている脱臭装置。
【0082】
【発明の効果】本発明の脱臭方法および脱臭装置によれ
ば、オゾンによる脱臭と吸着剤による臭気成分の除去と
を組合わせているので、短時間内に効率よく、しかも長
期に亘り、脱臭空間を脱臭できる。
【0083】
【実施例】以下に、比較例および実施例に基づいて本発
明をより詳細に説明する。
【0084】比較例1 内容積127m3 、絨毯敷きで全面カーテン掛けのビル
の一室であって、昼食を運び、みそ汁類を温め、8〜1
0名が毎日昼食をとる室内を脱臭した。この室内には、
食物から発生する臭気が絨毯カーテン、壁、天井などに
染込んでおり、5人のモニター全員が食物臭、主にみそ
汁類似の臭気を確認できる。
【0085】この部屋の中央に、脱臭装置のうち図2に
示す吸着脱臭装置のみを設置して脱臭試験を行なった。
すなわち、静電フィルター(住友3M(株)製、商品名
G0115)1枚、BET比表面積1200m2 /gの
活性炭ハニカム(セル数300個/in2 、サイズ84mm
×44mm×高さ20mm)40枚、この活性炭ハニカム4
0枚にリン酸を15重量%担持させた薬品担持活性炭ハ
ニカム、5m3 /分の送風能力を有するクロスフローフ
ァンを搭載した吸着脱臭装置を設置した。吸着脱臭装置
を、タイマーにより、毎日10時から17時まで7時間
の条件で1週間に亘り間欠的に運転し、5人のモニター
で官能テストを行なったところ、1人が脱臭効果が認め
られると判定したものの、他の4人は、脱臭効果が認め
られないと判定した。なお、日を改めて上記と同様にし
て官能テストを行なったところ、5人全員が脱臭効果が
認められないと判定した。
【0086】この装置では、室内に染込んだ臭気成分が
完全に脱臭できず、臭気成分が徐々に放散するためと思
われる。
【0087】比較例2 比較例1と同様の部屋の中央に、図6に示すオゾン放散
脱臭装置のみを設置した。すなわち、乾燥空気中でのオ
ゾン発生能力1000mg/hrの無声放電式オゾン発生
器、触媒層を構成するBET比表面積1200m2 /g
の活性炭ハニカム(セル数300個/in2 、サイズ84
mm×44mm×高さ20mm)24枚、10m3 /分の送風
能力を有し、反転可能な軸流ファンを搭載したオゾン放
散脱臭装置を設置した。なお、このオゾン放散脱臭装置
には、オゾン発生器の電極に20L/分の大気を通気す
るためのエアーコンプレッサ、オゾン発生器に供給する
大気を前処理するため、酸担持吸着剤層を構成する酸担
持活性炭ペレット(リン酸の担持量15重量%)を充填
したカラム、反転可能なファンを正転させ、かつオゾン
発生器によりオゾンを発生させるための第1のタイマ
ー、およびファンを逆転させ、かつオゾン発生器による
オゾンの発生を停止させるための第2のタイマーを設け
た。
【0088】この装置を用いて、装置本体のスイッチを
入れることにより、第1のタイマーをONとし、ファン
を正転させると共に、エアーコンプレッサ及びオゾン発
生器をONとして、室内の空気を、活性炭ハニカム→オ
ゾン発生器→ファンの方向に流し、5時間に亘りオゾン
を放散した。次いで、第1のタイマーの動作時間が経過
した後、第2のタイマーがONとなり、ファンを逆転さ
せると共に、エアーコンプレッサ及びオゾン発生器をO
FFとして、室内の空気を、ファン→オゾン発生器→活
性炭ハニカムの方向に流し、2時間に亘り未反応オゾン
を分解した。なお、第2のタイマーの設定時間が経過す
ると、第2のタイマーのOFFに伴なって、装置の作動
が停止する。
【0089】そして、上記オゾン放散脱臭装置を、昼食
後の14時に運転を開始した。なお、室内のオゾン濃度
を時間の経過と共にオゾンメーターで測定したところ、
次の通りであった。
【0090】 経過時間(hr) 0 1 2 3 4 5 6 7 オゾン濃度(ppm ) 0 0.76 0.79 0.79 0.80 0.81 0.02 0 翌日の9時に5人のモニターで官能テストを行なったと
ころ、全員が臭気を感じないと判定した。しかしなが
ら、その1週間後、再び5人のモニターによる官能テス
トを行なったところ、全員が食物臭を明確に認めた。
【0091】この脱臭テストにおいて、前記脱臭装置の
作動により、室内の部材に染込んだ臭気成分を酸化・無
臭化できるものの、その後の1週間の間に再び発生した
食物臭が浮遊または染込んだり、未だ酸化されずに染込
んだ臭気成分が徐々に放散することにより、臭気が認め
られたものと思われる。
【0092】実施例1 比較例2で用いたオゾン放散脱臭装置を、比較例2と同
様にして、7時間に亘り、作動させ、比較例1と同様の
部屋を処理した。その翌日から、比較例1の吸着脱臭装
置を、毎日10時から17時まで7時間の条件で1週間
に亘り間欠的に運転した。この1週間の間、毎日5人の
モニターで官能テストを行なったところ、全員が臭気を
感じず、高い脱臭効果を認めた。
【0093】実施例2 比較例2で用いたオゾン放散脱臭装置により、オゾン放
散を1時間、オゾン分解を30分間行ない、比較例1と
同様の部屋を処理した。なお、昼食後の14時に運転を
開始した。その翌日から、比較例1の吸着脱臭装置を、
毎日10時から17時まで7時間の条件で1週間に亘り
間欠的に運転した。この1週間の間、毎日5人のモニタ
ーで官能テストを行なったところ、全員が臭気を感じ
ず、高い脱臭効果を認めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置を構成するオゾン放散脱臭装置の
一実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の装置を構成する吸着脱臭装置の一実施
例を示す概略縦断面図である。
【図3】本発明のオゾン放散脱臭装置の電気的構成を示
すブロック図である。
【図4】本発明の脱臭装置を構成するオゾン脱臭装置の
他の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の脱臭装置を示す概略平面図である。
【図6】本発明の脱臭装置を構成する他のオゾン放散脱
臭装置を示す概略平面図である。
【図7】本発明の脱臭装置の他の実施例を示す概略縦断
面図である。
【符号の説明】
1,51…オゾン放散脱臭装置 3,73,76…流路 6,56…触媒層 7,57…オゾン発生器 8,49,58…ファン 11,61…酸担持吸着層 41…吸着脱臭装置 43…流路 46…除塵フィルター 47…吸着層 48…薬品担持吸着層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路内に、少なくとも、送風手段と、オ
    ゾン発生器とを備えたオゾン放散部と、オゾンを分解す
    る触媒層とを備えた送風可能なオゾン分解部と、空間中
    に残存する臭気成分を吸着層により除去する送風可能な
    吸着除去部とを有し、前記送風手段が、オゾン放散部と
    オゾン分解部とに正・逆両方向に送風する少なくとも1
    つのファンと、送風方向を選択する選択手段とで構成さ
    れ、前記オゾン発生器が、前記選択手段と連動してオゾ
    ンの発生量を調整する調整手段に接続されていることを
    特徴とする脱臭装置。
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