JP2020110229A - 次亜塩素酸ガス放出システム及び次亜塩素酸ガス放出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱臭による人の不快感の軽減と高い除菌効果の維持とを両立する。【解決手段】次亜塩素酸ガス放出システム1は、次亜塩素酸ガスを放出する放出口10と、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出方向を制御する制御部30と、次亜塩素酸ガスが放出される空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する次亜塩素酸ガスセンサ40と、空間内の第2位置の臭気を検出する臭気センサ50とを備える。次亜塩素酸ガスセンサ40によって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、臭気センサ50によって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2とする。このとき、制御部30は、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、第2位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。【選択図】図1
Description
本発明は、次亜塩素酸ガス放出システム及び次亜塩素酸ガス放出方法に関する。
例えば、特許文献1には、次亜塩素酸濃度を計測する手段と、においセンサとを備え、においセンサによる検出結果と濃度マップとに基づいて次亜塩素酸を供給するロボットが開示されている。
次亜塩素酸は強い酸化作用を有しており、脱臭及び除菌効果を発揮することが知られている。一方、脱臭及び除菌を行うことで次亜塩素酸は消費される。空間内において、臭いの発生源と、病気の原因となるような細菌、ウイルス又はカビなどの存在箇所とは一致するとは限らない。従来は、脱臭及び除菌の効果のバランスを取ることなく、次亜塩素酸ガスを噴霧していた。このため、脱臭及び除菌の両立には、大量の次亜塩素酸ガスが必要で非効率であった。
そこで、本発明は、脱臭による人の不快感の軽減と高い除菌効果の維持とを両立することができる次亜塩素酸ガス放出システム及び次亜塩素酸ガス放出方法などを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る次亜塩素酸ガス放出システムは、次亜塩素酸ガスを放出する放出口と、前記放出口からの前記次亜塩素酸ガスの放出方向を制御する制御部と、前記次亜塩素酸ガスが放出される空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する第1センサと、前記空間内の第2位置の臭気を検出する第2センサとを備え、前記第1センサによって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、前記第2センサによって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2としたとき、前記制御部は、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、前記第2位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを放出する。
また、本発明の一態様に係る次亜塩素酸ガス放出方法は、次亜塩素酸ガスを放出する放出口からの前記次亜塩素酸ガスの放出方向を制御するステップを含み、前記次亜塩素酸ガスが放出される空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する第1センサによって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、前記空間内の第2位置の臭気を検出する第2センサによって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2としたとき、前記制御するステップでは、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、前記第2位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを放出する。
また、本発明の一態様は、上記次亜塩素酸ガス放出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することができる。あるいは、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現することもできる。
本発明によれば、脱臭による人の不快感の軽減と高い除菌効果の維持とを両立することができる。
以下では、本発明の実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム及び次亜塩素酸ガス放出方法などについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は垂直などの要素間の関係性を示す用語、及び、要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書において、「均一」とは、完全に均一な状態、すなわち、空間内の全ての地点の濃度が完全に等しくなることを意味するだけでなく、空間内の任意の地点の濃度と平均値との差が十分に小さいことを意味する。つまり、「均一」な状態とは、局所的に濃度の低い又は高い位置が空間内に形成されずに、空間内の全ての濃度が実質的に等しい状態である。例えば、「均一」な状態では、空間内の任意の地点の濃度は、平均値の±10%以内の範囲内である。
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システムの構成について、図1〜図3を用いて説明する。
[構成]
まず、実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システムの構成について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の構成を示すブロック図である。図2は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の放出口10を模式的に示す図である。図3は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1が備える各センサによる検出位置の一例を示す図である。
本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1は、次亜塩素酸ガスを空間(以下、対象空間と記載する場合がある)内に放出する。対象空間は、具体的には、建物の屋内空間などの閉じられた空間である。対象空間は、例えば、一般家庭の居住空間、又は、病院若しくは介護施設の室内空間である。なお、対象空間は、完全に閉じた空間でなくてもよく、屋外と繋がっていてもよい。また、対象空間は、建物内の空間だけでなく、電車又は自動車などの移動体の屋内の空間であってもよい。
次亜塩素酸ガスは、除菌及び脱臭効果を有する。具体的には、次亜塩素酸ガスは、酸化作用を有し、対象空間の浮遊菌、物体に付着した付着菌、又は、におい物質を酸化により分解することで、除菌及び脱臭を行う。したがって、除菌及び脱臭効果は、次亜塩素酸ガスの濃度とガスとの接触時間との積であるCT値によって定められる。
図1に示されるように、次亜塩素酸ガス放出システム1は、放出口10と、生成部20と、制御部30と、次亜塩素酸ガスセンサ40と、臭気センサ50とを備える。本実施の形態では、次亜塩素酸ガス放出システム1は、次亜塩素酸ガスセンサ40及び臭気センサ50の各々を複数備える。
放出口10は、次亜塩素酸ガスを放出する。本実施の形態では、放出口10は、生成部20が生成した次亜塩素酸ガスを放出する。放出口10は、例えば、生成部20を収容する筐体に設けられた開口である。あるいは、放出口10は、対象空間を形成する壁面に設けられた開口であってもよい。
ここで、図2は、放出口10を正面から見たときの模式的な平面図を表している。図2に示されるように、放出口10には、可動式の複数のルーバー11及び12が設けられている。本実施の形態では、制御部30によって複数のルーバー11及び12の向きが変更されることにより、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出方向が変更される。
放出口10は、例えば、水平面に対して所定の角度で傾いた状態で設けられている。所定の角度は、例えば30°であるが、これに限らない。また、放出口10は、水平面に平行であってもよく、垂直であってもよい。
複数のルーバー11はそれぞれ、水平方向に延びる長尺の板材である。複数のルーバー11は、例えば、水平方向を軸として回動可能であり、放出方向の上下方向への角度を変更することができる。
複数のルーバー12はそれぞれ、放出口10を正面視した場合にルーバー11が延びる方向に直交する方向に延びる長尺の板材である。複数のルーバー12は、例えば、ルーバー12が延びる方向を軸として回動可能であり、放出方向の左右方向への角度を変更することができる。
複数のルーバー11及び複数のルーバー12はそれぞれ、放出口10の法線方向を中心として左右に±15°の範囲を可動域とする。なお、ルーバー11及びルーバー12の可動域は、これに限定されず、±90°以下の範囲でもよく、例えば±45°でもよい。
生成部20は、次亜塩素酸ガスを生成する。具体的には、生成部20は、食塩水を電気分解することで、次亜塩素酸ガスを生成する。例えば、生成部20は、水道水と塩タブレットとを混合することで食塩水を生成し、生成した食塩水を電気分解することで次亜塩素酸ガスを生成する。生成部20は、食塩水を貯める容器、電気分解用の電極及び電源回路などで実現される。
生成部20は、例えば、筐体の内部に設けられており、当該筐体に放出口10が設けられている。生成部20と放出口10とが離れて設けられている場合、生成部20と放出口10とは、ダクトなどで接続されていてもよい。例えば、生成部20は、対象空間の外に設けられていてもよい。
制御部30は、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出方向を制御する。制御部30は、例えば、マイクロコンピュータなどである。具体的には、制御部30は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、及び、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。
制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40及び複数の臭気センサ50の各々から検出結果を取得する。具体的には、制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40の各々から、検出された次亜塩素酸ガスの濃度の測定値を取得する。制御部30は、複数の臭気センサ50の各々から、検出された臭気の測定値を取得する。臭気の測定値は、例えば臭気指数である。
制御部30は、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値と、予め定められた臭気の基準値とを記憶するメモリを有する。制御部30は、次亜塩素酸ガスセンサ40の各々から取得した濃度の測定値と濃度の基準値とを比較する。制御部30は、臭気センサ50の各々から取得した臭気指数と臭気の基準値とを比較する。制御部30は、各々の比較結果に基づいて次亜塩素酸ガスの放出方向を決定する。
次亜塩素酸ガスセンサ40から取得した濃度の測定値をX1とし、臭気センサ50から取得した臭気の測定値、すなわち、臭気指数をY1とする。また、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、予め定められた臭気の基準値をY2とする。制御部30は、X1とX2とを比較し、かつ、Y1とY2とを比較する。
基準値X2は、例えば、除菌効果を発揮させるためには最低限必要な次亜塩素酸ガスの濃度である最低基準値である。なお、基準値X2は、最低基準値よりも大きい値であってもよい。これにより、測定値X1が基準値X2より大きい場合(すなわちX1>X2)には、測定値X1の検出位置は、除菌効果が発揮できる状態になっている。逆に、測定値X1が基準値X2より小さい場合(すなわちX1<X2)には、測定値X1の検出位置は、除菌効果が低くなっているので、次亜塩素酸ガスの放出が望まれる。
本実施の形態では、基準値X2が最低基準値であるので、測定値X1が基準値X2に等しい場合、除菌効果が発揮できる状態になっている。このため、X1=X2の場合、制御部30は、X1>X2の場合と同様の制御を行う。なお、除菌効果がより高い状態を保つために、X1=X2の場合、制御部30は、X1<X2の場合と同様の制御を行ってもよい。
基準値Y2は、例えば、人がにおいを感じない範囲内の最大の臭気指数である。なお、基準値Y2は、最大の臭気指数よりも小さい値であってもよい。これにより、測定値Y1が基準値Y2より小さい場合(すなわちY1<Y2)には、測定値Y1の検出位置は、人がにおいを感じない状態になっている。逆に、測定値Y1が基準値Y2より大きい場合(すなわちY1>Y2)には、測定値Y1の検出位置は、人が感じるにおいが発生しているので、次亜塩素酸ガスが放出されることによる脱臭が望まれる。なお、Y2は、臭気の種類毎に異なる値が定められていてもよい。
本実施の形態では、基準値Y2が、においを感じない範囲の最大の臭気指数であるので、測定値Y1が基準値Y2に等しい場合、人はにおいを感じない状態になっている。このため、Y1=Y2の場合、制御部30は、Y1<Y2の場合と同様の制御を行う。なお、においを感じない状態をより安定的に保つために、Y1=Y2の場合、制御部30は、Y1>Y2の場合と同様の制御を行ってもよい。
本実施の形態では、次亜塩素酸ガスの放出方向を決定するための処理として、におい制御処理、除菌制御処理、及び、におい対策と除菌対策とを両立させる両立制御処理とがある。制御部30は、X1とX2との比較結果、及び、Y1とY2との比較結果の両方に基づいて、におい制御処理、除菌制御処理及び両立制御処理から選択した処理を実行する。具体的な処理の内容については、後で説明する。
次亜塩素酸ガスセンサ40は、次亜塩素酸ガスが放出される対象空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する第1センサの一例である。次亜塩素酸ガスセンサ40は、検出した次亜塩素酸ガスの濃度の測定値を制御部30に出力する。
次亜塩素酸ガスセンサ40は、例えば電気化学式センサである。なお、次亜塩素酸ガスセンサ40は、直接的に次亜塩素酸を検出してもよく、次亜塩素酸が分解されて生成される塩素を検出することで、間接的に次亜塩素酸を検出してもよい。
本実施の形態では、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40は、図3に示されるように、対象空間内の互いに異なる位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する。図3では、8つの次亜塩素酸ガスセンサ40a〜40hが示されている。8つの次亜塩素酸ガスセンサ40a〜40hはそれぞれ、対象空間内の互いに異なる位置に配置され、配置された位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する。
なお、図3に示される8つの次亜塩素酸ガスセンサ40a〜40hはそれぞれ、図1に示される次亜塩素酸ガスセンサ40である。以下では、8つの次亜塩素酸ガスセンサ40a〜40hを特に区別する必要がない場合、次亜塩素酸ガスセンサ40として説明する。図3に示される8つの臭気センサ50a〜50hについても同様である。
臭気センサ50は、次亜塩素酸ガスが放出される対象空間内の第2位置の臭気を検出する第2センサの一例である。臭気センサ50は、検出した臭気の測定値である臭気指数を制御部30に出力する。
例えば、臭気センサ50は、悪臭防止法に定められた特定悪臭物質に基づく臭気を検出する。特定悪臭物質は、具体的には、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸メチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸及びイソ吉草酸の少なくとも1つである。なお、臭気センサ50が検出する臭気は、これらに限定されない。
臭気センサ50は、例えば、半導体式センサであり、ガスが金属酸化物半導体表面で吸着された場合に電気伝導度変化を起こすガスに含まれる臭気を検出してもよい。また、臭気センサ50は、例えば、熱線型半導体式センサ又は基板型半導体式センサであってもよい。熱線型半導体式センサは、メタン、イソブタン、一酸化炭素、水素、フロン、アンモニア、エチレンオキサイド、溶剤及びアルコールの少なくとも1つを検出する。基板型半導体式センサは、硫化水素、オゾン及びエチレンオキサイドの少なくとも1つを検出する。
また、臭気センサ50は、例えば、接触燃焼式センサであってもよく、ガスが触媒表面に接触した場合に接触燃焼による白金線コイルの温度上昇を起こすガスに含まれる臭気を検出してもよい。接触燃焼式センサは、メタン、イソブタン及び可燃性ガスの少なくとも1つを検出する。
また、臭気センサ50は、例えば、気体熱伝導式センサであってもよく、熱伝導度の差による発熱体の温度変化を起こすガスに含まれる臭気を検出してもよい。気体熱伝導式センサは、例えば、ブタン、イソブタン、メタン、水素、二酸化炭素、フロン、ヘリウム及びアルゴンの少なくとも1つを検出する。
また、臭気センサ50は、例えば、定電位電解式センサであってもよく、ガスが特定の電位で電解された場合に電解電流を起こすガスに含まれる臭気を検出してもよい。定電位電解式センサは、例えば、一酸化炭素、硫化水素、半導体材料ガス、ハロゲン、オゾン、窒素酸化物及び塩化水素の少なくとも1つを検出する。
複数の臭気センサ50は、互いに同じ種類の臭気を検出する。あるいは、複数の臭気センサ50の少なくとも1つは、他の臭気センサ50とは異なる種類の臭気を検出してもよい。複数の臭気センサ50は、複数種類の臭気を検出してもよい。
本実施の形態では、複数の臭気センサ50は、図3に示されるように、対象空間内の互いに異なる位置の臭気を検出する。図3では、8つの臭気センサ50a〜50hが示されている。8つの臭気センサ50a〜50hはそれぞれ、対象空間内の互いに異なる位置に配置され、配置された位置の臭気を検出する。
なお、図3に示される例では、臭気センサ50と次亜塩素酸ガスセンサ40とが同じ位置に配置されているが、これに限らない。臭気センサ50と次亜塩素酸ガスセンサ40とは、互いに異なる位置に配置されていてもよい。また、臭気センサ50の数と次亜塩素酸ガスセンサ40の数とは異なっていてもよい。
[放出方向の変更例]
続いて、制御部30による次亜塩素酸ガスの放出方向の変更制御の具体例について説明する。
続いて、制御部30による次亜塩素酸ガスの放出方向の変更制御の具体例について説明する。
本実施の形態では、制御部30は、次亜塩素酸ガスの放出方向を経時変化させる拡散稼働制御と、次亜塩素酸ガスの放出方向を固定する安定稼働制御とを切り替えて実行する。具体的には、制御部30は、拡散稼働制御を実行する場合に、放出方向を所定範囲内で連続的又は離散的に変化させる。
図4は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の放出方向を連続的に変更する例を示す図である。図4では、次亜塩素酸ガスの放出方向が、放出口10を通過する矢印で表されている。
例えば、図4では、一例として、上下方向の角度調整用のルーバー11を固定した状態で、左右方向の角度調整用のルーバー12を連続的に変化させる例を示している。例えば、図4に示されるように、複数のルーバー12は、可動域の一方端(a)から中央(b)を通って他方端(c)まで所定の期間をかけて変化し、他方端(c)から中央(b)を通って一方端(a)まで所定の期間をかけて変化する。一方端(a)から他方端(c)への変化と他方端(c)から一方端(a)への変化とが交互に繰り返される。
拡散稼働制御を行うことで、対象空間内に速やかに次亜塩素酸を行き渡らせることができる。これにより、短期間で対象空間内の次亜塩素酸ガスの濃度を均一にすることができる。
また、制御部30は、安定稼働制御を行う場合に、複数の放出方向の中から1つの放出方向を選択し、選択した放出方向に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。具体的には、放出口10からの放出方向として、複数の放出方向が定められている。制御部30は、予め定められた複数の放出方向の中から1つを選択し、選択した放出方向に次亜塩素酸ガスを放出口10から放出させる。
図5は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1による次亜塩素酸ガスの放出方向の例を示す図である。図5は、放出口10から見たときの対象空間を3×3の9領域に分割したことを模式的に表している。9領域は、上下方向において「上」、「中央」及び「下」の3つと、左右方向において「左」、「中央」及び「右」の3つとの組み合わせで定められる。なお、上下方向における「上」の3つの放出方向A〜Cは、放出口10から遠い位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出することができる方向である。「下」の3つの放出方向G〜Iは、放出口10から近い位置にまで次亜塩素酸ガスを放出することができる方向である。
本実施の形態では、制御部30は、放出方向A〜Iの9つの放出方向の中から1つを選択して、選択した放出方向に次亜塩素酸ガスを放出させる。具体的には、制御部30は、次亜塩素酸ガスセンサ40及び臭気センサ50の各々の検出結果に基づく比較結果と、検出位置とに基づいて放出方向を決定する。具体的な例については、後で説明する。
このとき、制御部30は、選択した放出方向に応じて、放出口10から放出される次亜塩素酸ガスの風量を調整してもよい。例えば、図5に示されるように、「上」、「中央」及び「下」の3つに応じて、風量又は風速を「多」、「中」及び「少」の3段階で変更してもよい。これにより、例えば、「上」の3つの放出方向が選択されて、遠くまで次亜塩素酸ガスを放出する際には、対象空間の最奥部まで十分な量の次亜塩素酸ガスを届かせることができる。
なお、制御部30は、拡散稼働制御を実行する場合に、複数の放出方向から1つずつ順に選択し、選択した順で放出方向を順次変更してもよい。制御部30は、拡散稼働制御を実行する場合に、例えば放出方向A〜Iをこの順で1つずつ選択する。例えば、制御部30は、1つの方向につき1秒から数秒などの所定期間、選択された方向に放出方向を固定する。
なお、放出方向の選択順序は、特に限定されない。例えば、制御部30は、放出方向I〜Aの順に選択してもよい。あるいは、制御部30は、「左」の3列、「中央」の3列、「右」の3列の順、又は、この逆の順に選択してもよい。また、制御部30は、9つの放出方向のうち1つ以上の放出方向を間引いて選択してもよい。例えば、制御部30は、放出方向A、C、E、G及びIのみをこの順で選択してもよい。
[動作]
続いて、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作、すなわち、次亜塩素酸ガス放出方法について説明する。
続いて、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作、すなわち、次亜塩素酸ガス放出方法について説明する。
図6は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作を示すフローチャートである。
図6に示されるように、まず、制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40及び複数の臭気センサ50の各々の検出値を初期化する(S10)。次に、制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40の各々から測定値X1を取得し、複数の臭気センサ50の各々から測定値Y1を取得する(S20)。次に、制御部30は、取得した複数の測定値X1の各々と基準値X2とを比較し、かつ、取得した複数の測定値Y1の各々と基準値Y2とを比較する(S30)。
全ての測定値X1が基準値X2以上であり、かつ、全ての測定値Y1が基準値Y2より小さい場合(S30でYes)、制御部30は、現状の運転状態を維持する(S40)。すなわち、全ての検出位置においてX1≧X2であるので、次亜塩素酸ガスの濃度が十分であって、除菌効果が高い状態にある。また、全ての検出位置においてY1<Y2であるので、においが十分に抑制された状態にある。このため、現状の運転状態を維持することにより、人の不快感が軽減され、かつ、除菌効果が高い状態を維持することができる。なお、運転状態を維持している間に所定の期間が経過した時点で、ステップS20に戻り、測定値の取得と、基準値との比較とが繰り返される。
X1≧X2を満たさない検出位置、又は、Y1<Y2を満たさない検出位置が存在する場合(S30でNo。すなわち、Y1≧Y2、又は、X1<X2)、制御部30は、次の判定を行う。具体的には、制御部30は、少なくとも1つの測定値X1が基準値X2より小さく、かつ、少なくとも1つの測定値Y1が基準値Y2以上であるか否かを判定する(S50)。
少なくとも1つの検出位置においてX1<X2、かつ、少なくとも1つの検出位置においてY1≧Y2である場合(S50でYes)、すなわち、次亜塩素酸ガス濃度が基準値未満の位置と、臭いが基準値以上の位置が同時に存在する場合、制御部30は、脱臭を優先し、Y1≧Y2が検出された位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。具体的には、制御部30は、におい対策と除菌対策の両立制御処理を行う(S60)。つまり、制御部30は、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置の有無と、においが強い検出位置の有無とを判定し、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置とにおいが強い検出位置との各々が1ヶ所以上存在した場合に、両立制御処理を行う。両立制御処理の具体的な動作については、図9〜図14を用いて後で説明する。
X1<X2を満たす検出位置が存在しない、又は、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在しない場合(S50でNo。すなわち、Y1<Y2、又は、X1≧X2)、制御部30は、次の判定を行う。具体的には、制御部30は、全ての測定値X1が基準値X2以上であり、かつ、少なくとも1つの測定値Y1が基準値Y2以上であるか否かを判定する(S70)。
全ての検出位置においてX1≧X2、かつ、少なくとも1つの検出位置においてY1≧Y2である場合(S70でYes)、制御部30は、Y1≧Y2が検出された位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。具体的には、制御部30は、におい対策に特化したにおい制御処理を行う(S80)。つまり、制御部30は、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置の有無と、においが強い検出位置の有無とを判定し、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置が全くなく、においが強い検出位置が1ヶ所以上存在した場合に、におい制御処理を行う。におい制御処理の具体的な動作については、図7及び図8を用いて後で説明する。
X1≧X2を満たさない検出位置が存在し、かつ、全ての検出位置においてY1≧Y2を満たさない場合(S70でNo、すなわち、Y1<Y2、又は、X1<X2)、制御部30は、除菌対策に特化した除菌制御処理を行う(S90)。つまり、制御部30は、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置の有無と、においが強い検出位置の有無とを判定し、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置が1ヶ所以上存在し、においが強い検出位置が存在しない場合に、除菌制御処理を行う。除菌制御処理の具体的な動作については、図15を用いて後で説明する。
[におい制御処理]
以下では、制御部30が行うにおい制御処理(S80)の詳細について説明する。
以下では、制御部30が行うにおい制御処理(S80)の詳細について説明する。
図7は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作のうち、におい制御処理を示すフローチャートである。図7に示されるように、まず、制御部30は、複数の臭気センサ50のうち、2つ以上の臭気センサの各々に対してY1≧Y2であるか否かを判定する(S81)。つまり、制御部30は、においが強い検出位置が複数存在するか否かを判定する。
Y1≧Y2を満たす検出位置が1つのみである場合(S81でNo)、制御部30は、Y1≧Y2を満たすY1を検出した臭気センサ50の検出位置に向けて、放出口10から次亜塩素酸ガスを放出させる(S82)。例えば、制御部30は、図3に示される臭気センサ50gの検出位置のみでY1≧Y2が満たされる場合、臭気センサ50gの位置が放出口10の右側で、かつ、放出口10から近い位置に位置しているので、制御部30は、図5に示される放出方向Iを選択し、放出方向Iに向けて放出口10から次亜塩素酸ガスを放出させる。
Y1≧Y2を満たす検出位置が複数である場合(S81でNo)、制御部30は、対象空間の全体に向けて次亜塩素酸ガスを放出する(S83)。
図8は、においが強い検出位置が複数検出された場合に、次亜塩素酸ガスの放出方向の一例を示す図である。図8に示される例では、2つの臭気センサ50d及び50fでY1≧Y2を満たしている。この場合、制御部30は、拡散稼働制御を行う。具体的には、制御部30は、放出方向を経時変化させる。例えば、図8に示されるように、制御部30は、左右方向における所定範囲内で放出方向を連続的に変化させる。制御部30は、放出方向をいわゆるスイングさせる。
対象空間内において異なる複数の位置で強いにおいが検出された場合、においは既に空間の全体に広がっている恐れがある。このため、制御部30は、拡散稼働制御を行って空間の全体に次亜塩素酸ガスを放出することで、速やかににおいの要因となる物質を分解することができる。
図7に示されるように、予め定められた第1期間が経過するまで(S84でNo)、制御部30は、検出位置への次亜塩素酸ガスの放出(S82)又は全体への放出(S83)を行う。なお、全体に次亜塩素酸ガスを放出している場合において、第1期間が経過する前にY1≧Y2を満たす位置が1つのみになった場合(S81でNo)、制御部30は、Y1≧Y2を満たすY1を検出した臭気センサ50の検出位置に向けて、放出口10から次亜塩素酸ガスを放出させる。あるいは、第1期間中は、Y1の値によらず、制御部30は全体に向けて次亜塩素酸ガスを放出してもよい。
ここで、第1期間は、対象空間全体の空気を入れ換えるのに要する期間以下である。言い換えると、第1期間は、次亜塩素酸ガスが放出される空間の換気回数に基づいて定められた期間である。例えば、第1期間は、1時間あたりの換気回数の逆数以下の期間である。具体的には、換気回数が1時間あたり6回である場合、所定期間は、1/6時間、すなわち、10分以下の期間である。これは、対象空間の換気が1回終わった時点で、次亜塩素酸ガスが対象空間の全体に行き渡ったと考えられるためである。
なお、第1期間の最小値は、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出速度及び放出範囲に基づいて定められる。例えば、第1期間の最小値は、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出速度(すなわち、流速)と、放出方向における対象空間の奥行きとの積を、放出方向毎に累積した値として定められる。なお、放出方向が連続的に変化する場合には、放出方向の変化範囲を仮想的に所定数の放出方向に分割して考慮することができる。
具体的には、流速0.5m/秒で次亜塩素酸ガスが放出される場合において、放出口10から各放出方向における対象空間の最奥部までの距離が10mである場合、次亜塩素酸ガスが最奥部に到達するまでに20秒(=10m÷0.5/秒)要する。放出方向の変化範囲を10方向に分割して考慮した場合、空間の略全体に行き渡らせるには、200秒(=10方向×20秒)要する。したがって、第1期間は、例えば200秒以上である。
図7に示されるように、第1期間が経過した後(S84でYes)、ステップS20に戻り、制御部30は、再び測定値X1及びY1を取得し、測定値の比較、制御内容の決定、及び放出方向の制御を行う。
本実施の形態において、次亜塩素酸ガス放出システム1が備える臭気センサ50の個数が1つのみの場合、制御部30は、ステップS81の判定を行わずに、検出位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出させればよい(S82)。また、空間の全体に次亜塩素酸ガスを放出する手段として、制御部30は、同時に複数の放出方向に次亜塩素酸ガスを放出してもよい。
[におい対策と除菌対策の両立制御処理]
続いて、制御部30が行うにおい対策と除菌対策の両立制御処理(S60)の詳細について説明する。
続いて、制御部30が行うにおい対策と除菌対策の両立制御処理(S60)の詳細について説明する。
図9は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作のうち、におい対策と除菌対策とを両立する処理を示すフローチャートである。
図9に示されるように、ステップS61〜S64は、図7に示されるにおい制御処理(S80)のステップS81〜S84と同じである。つまり、両立制御処理においては、制御部30は、次亜塩素酸ガスの濃度に関わらず、まず、においの除去を優先して行う。
図10は、においが強い位置が1ヶ所検出され、かつ、次亜塩素酸ガスの濃度が低い位置が複数検出された場合に、次亜塩素酸ガスの最初の放出方向の一例を示す図である。図10に示される例では、1つのみの臭気センサ50fでY1≧Y2を満たしており、かつ、2つの次亜塩素酸ガスセンサ40a及び40cでX1<X2を満たしている。
図10に示された例では、Y1≧Y2を満たす検出位置が1つのみであるので(S61でNo)、制御部30は、Y1≧Y2を満たすY1を検出した臭気センサ50fの検出位置に向けて、放出口10から次亜塩素酸ガスを放出させる(S62)。なお、図8に示されるように、複数の検出位置でY1≧Y2が満たされる場合には(S61でYes)、制御部30は、空間の全体に向けて次亜塩素酸ガスを放出させる(S64)。
図9に示されるように、予め定められた第1期間が経過するまで(S64でNo)、制御部30は、検出位置への次亜塩素酸ガスの放出(S62)又は全体への放出(S63)を行う。ここで、第1期間は、対象空間全体の空気を入れ換えるのに要する期間以下である。第1期間は、脱臭が完了したと推定される期間以上の期間である。これにより、第1期間の経過後には、においが強い位置が対象空間からなくなっていることが期待される。以上のように、最初の時点(第1時点)でX1<X2、かつ、Y1≧Y2の場合には、Y1≧Y2となるY1が検出された位置に向けて次亜塩素酸ガスを第1期間放出する。
第1期間が経過した時点(第2時点)で(S64でYes)、制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40の各々から測定値X1を取得し、複数の臭気センサ50の各々から測定値Y1を取得する(S65)。このとき、制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40及び複数の臭気センサ50の全てからの測定値を取得しなくてもよい。例えば、制御部30は、図6に示されるステップS50の時点で、X1<X2を満たす次亜塩素酸ガスセンサ40と、Y1≧Y2を満たす臭気センサ50とのみから測定値を取得してもよい。
次に、制御部30は、ステップS50と同様に、少なくとも1つの測定値X1が基準値X2より小さく、かつ、少なくとも1つの測定値Y1が基準値Y2以上であるか否かを判定する(S66)。少なくとも1つの検出位置においてX1<X2、かつ、少なくとも1つの検出位置においてY1≧Y2である場合(S66でYes)、制御部30は、繰り返し制御を行う(S67)。X1<X2を満たす検出位置が存在しない、又は、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在しない場合(S66でNo。すなわち、Y1<Y2、又は、X1≧X2)、制御部30は、均一化制御を行う(S68)。繰り返し制御(S67)及び均一化制御(S68)の具体的な例は、後で説明する。
均一化制御を行った後は、ステップS20に戻り、制御部30は、再び測定値X1及びY1を取得し、測定値の比較、制御内容の決定、及び放出方向の制御を行う。
[繰り返し制御]
続いて、第1期間が経過した時点(第2時点)で、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在していた場合(S66のYes)に行われる繰り返し制御(S67)の詳細について説明する。繰り返し制御(S67)は、例えば、第1期間における次亜塩素酸ガスの放出では、においが除去しきれなかった場合に行われる。
続いて、第1期間が経過した時点(第2時点)で、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在していた場合(S66のYes)に行われる繰り返し制御(S67)の詳細について説明する。繰り返し制御(S67)は、例えば、第1期間における次亜塩素酸ガスの放出では、においが除去しきれなかった場合に行われる。
図11は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作のうち、繰り返し制御処理(S67)を示すフローチャートである。図11に示されるように、まず、制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40のうち、2つ以上の次亜塩素酸ガスセンサの各々に対してX1<X2であるか否かを判定する(S101)。つまり、制御部30は、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置が複数存在するか否かを判定する。
X1<X2を満たす検出位置が1つのみである場合(S101でNo)、制御部30は、X1<X2を満たすX1を検出した次亜塩素酸ガスセンサ40の検出位置に向けて、放出口10から次亜塩素酸ガスを放出させる(S102)。例えば、制御部30は、図3に示される次亜塩素酸ガスセンサ40hの検出位置のみでX1<X2が満たされる場合、次亜塩素酸ガスセンサ40hの位置が放出口10の右側で、かつ、放出口10から遠い位置に位置している。このため、制御部30は、図5に示される放出方向Cを選択し、放出方向Cに向けて放出口10から次亜塩素酸ガスを放出させる。
X1<X2を満たす検出位置が複数である場合(S101でYes)、制御部30は、X1<X2を満たす複数の検出位置を含む範囲に向けて次亜塩素酸ガスを放出する(S103)。簡単に言うと、次亜塩素酸ガスの濃度が低い複数の検出位置にまとめて次亜塩素酸ガスを放出する。
図12は、においが強い位置が1ヶ所検出され、かつ、次亜塩素酸ガスの濃度が低い位置が複数検出された場合に、第1期間の経過後における次亜塩素酸ガスの放出方向の一例を示す図である。図12に示されるように、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40a〜40hは、放出口10に対する相対的な位置関係に基づいて3つの範囲40A〜40Cに分類される。
範囲40Aは、4つの次亜塩素酸ガスセンサ40a〜40dの検出位置を含んでいる。範囲40Bは、2つの次亜塩素酸ガスセンサ40e及び40fの検出位置を含んでいる。範囲40Cは、2つの次亜塩素酸ガスセンサ40g及び40hの検出位置を含んでいる。なお、分類される範囲の数は3つに限らず、2つでもよく、4つ以上でもよい。例えば、図5に示したように9つの放出方向に対応させて9つの範囲に分類してもよい。
図12に示される例では、次亜塩素酸ガスセンサ40a及び40cの各々の検出位置でX1<X2を満たすので、制御部30は、範囲40Aに向けて次亜塩素酸ガスを放出する。これにより、複数の検出位置にまとめて次亜塩素酸ガスを放出することができるので、短期間で対象空間内の次亜塩素酸ガスの濃度を高めることができる。
図11に示されるように、予め定められた第2期間が経過するまで(S104でNo)、制御部30は、検出位置への次亜塩素酸ガスの放出(S102)又は範囲への放出(S103)を行う。
第2期間が経過した時点(第3時点)で(S104でYes)、制御部30は、Y1≧Y2を満たす検出位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。具体的には、図7に示されるにおい制御処理(S80)のステップS81〜S83と同様のステップS105〜S107の処理を実行する。例えば、図12に示される例では、臭気センサ50fの検出位置においてY1≧Y2が満たされているので、制御部30は、図10に示されるように、臭気センサ50fの検出位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。
図11に示されるように、予め定められた第3期間が経過するまで(S108でNo)、制御部30は、検出位置への次亜塩素酸ガスの放出(S106)又は全体への放出(S107)を行う。
なお、第2期間及び第3期間の合計は、第1期間以下の期間である。つまり、第2期間及び第3期間の各々は、第1期間よりも短い。第2期間は、例えば、第3期間以下である。例えば、臭気が所定範囲に広がるのに要する期間以下の期間である。第2期間の経過後に、においが強い検出位置に向けて次亜塩素酸ガスが放出されるので、においが所定範囲より外側に広がるのを抑制することができる。所定範囲は、例えば対象空間以下の範囲である。
第3期間が経過した後(S108でYes)、図9に示されるように、ステップS65に戻り、制御部30は、測定値X1及びY1を取得する。以降、X1<X2を満たす検出位置、及び、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在しなくなるまで、図11に示される繰り返し制御を繰り返し実行する。具体的には、制御部30は、第3期間が経過した時点でY1≦Y2になるまで、X1<X2を満たす検出位置に向けての第2期間の次亜塩素酸ガスの放出と、Y1≧Y2を満たす検出位置に向けての第3期間の次亜塩素酸ガスの放出とを交互に繰り返す。
このような繰り返し制御処理の一例が図13に示される。図13は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作のうち、繰り返し制御処理(S67)を実行する場合のタイムチャートである。図13において、T1、T2、T3はそれぞれ、第1期間、第2期間、第3期間である。
図13に示されるように、第1期間T1でにおい対策の処理(すなわち、脱臭)が行われ、第1期間T1が経過した時点で、ステップS66で示される判定が行われる。この判定において、少なくとも1つの検出位置においてX1<X2、かつ、少なくとも1つの検出位置においてY1≧Y2である場合(すなわち、S66でYes)に、繰り返し制御処理が行われる。
以降、第2期間T2での除菌対策、第3期間T3での脱臭が連続して行われた後、再び、ステップS66で示される判定が行われる。この判定において、少なくとも1つの検出位置においてX1<X2、かつ、少なくとも1つの検出位置においてY1≧Y2である場合(すなわち、S66でYes)に、再び、第2期間T2での除菌対策、第3期間T3での脱臭が連続して行われる。第3期間T3が経過する度に、ステップS66で示される判定が行われる。ステップS66で示される判定において、X1<X2を満たす検出位置が存在しない、又は、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在しない場合(すなわち、S66でNo)に、均一化制御(S67)が行われる。
[均一化制御]
続いて、第1期間が経過した時点(第2時点)で、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在していない場合(S66でNo)に行われる均一化制御(S68)の詳細について説明する。均一化制御(S68)は、例えば、X1<X2を満たす検出位置、及び、Y1≧Y2を満たす検出位置のいずれも存在しなくなった場合に行われる。
続いて、第1期間が経過した時点(第2時点)で、Y1≧Y2を満たす検出位置が存在していない場合(S66でNo)に行われる均一化制御(S68)の詳細について説明する。均一化制御(S68)は、例えば、X1<X2を満たす検出位置、及び、Y1≧Y2を満たす検出位置のいずれも存在しなくなった場合に行われる。
図14は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作のうち、均一化制御処理(S68)を示すフローチャートである。図14に示されるように、まず、制御部30は、拡散稼働制御を実行する(S111)。制御部30は、次亜塩素酸ガスの放出開始からの経過時間が第4期間に達するまで(S112でNo)、拡散稼働制御を維持する。これにより、第4期間においては、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出方向が連続的に変化するので、次亜塩素酸ガスが対象空間に広がりやすくなる。
次亜塩素酸ガスの放出開始から第4期間が経過した場合(S112でYes)、制御部30は、拡散稼働制御を停止し、安定稼働制御を実行する(S113)。具体的には、制御部30は、放出口10からの放出方向を一方向に固定する。固定される方向は、予め設定された方向である。予め設定された方向は、例えば、対象空間内で次亜塩素酸ガスの濃度が低下しやすい位置に向けて次亜塩素酸ガスが放出されるような方向であってもよい。あるいは、固定される方向は、所定期間が経過した時点での放出方向であってもよい。
制御部30は、安定稼働制御の開始からの経過時間が第5期間に達するまで(S114でNo)、安定稼働制御を維持する。第5期間が経過した場合(S114でYes)、制御部30は、図9に示されるようにステップS20に戻り、図6に示されるように測定値の取得と、基準値との比較とが繰り返される。
[除菌制御]
続いて、制御部30が行う除菌制御処理(S90)の詳細について説明する。
続いて、制御部30が行う除菌制御処理(S90)の詳細について説明する。
図15は、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1の動作のうち、除菌制御処理(S90)を示すフローチャートである。図15に示されるように、ステップS91〜S94は、図11に示される繰り返し制御処理(S67)のステップS101〜S104と同じである。
これにより、次亜塩素酸ガスの濃度が低い検出位置に向けて次亜塩素酸ガスが放出されるので、対象空間内の除菌効果を高めることができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1は、次亜塩素酸ガスを放出する放出口10と、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出方向を制御する制御部30と、次亜塩素酸ガスが放出される対象空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する次亜塩素酸ガスセンサ40と、対象空間内の第2位置の臭気を検出する臭気センサ50とを備える。次亜塩素酸ガスセンサ40によって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、臭気センサ50によって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2とする。このとき、制御部30は、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、第2位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。
以上のように、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1は、次亜塩素酸ガスを放出する放出口10と、放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出方向を制御する制御部30と、次亜塩素酸ガスが放出される対象空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する次亜塩素酸ガスセンサ40と、対象空間内の第2位置の臭気を検出する臭気センサ50とを備える。次亜塩素酸ガスセンサ40によって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、臭気センサ50によって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2とする。このとき、制御部30は、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、第2位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。
これにより、次亜塩素酸ガスが不足している位置と高い臭気が検出された位置とが存在する場合に、高い臭気が検出された位置に向けて次亜塩素酸ガスが放出されるので、臭気を速やかに抑制することができる。臭気は、人に不快感を与えるだけでなく、次亜塩素酸ガスと反応するので、次亜塩素酸ガスの除菌効果を阻害する。このため、臭気を先に抑制することで、人の不快感を軽減することができ、かつ、次亜塩素酸ガスの除菌効果を効率良く発揮させることができる。また、菌の増殖速度は、臭気の拡散速度より遅いので、臭気を先に抑制することで、除菌対策に与える影響を少なくすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1によれば、人の不快感の軽減と高い除菌効果の維持とを両立することができる。例えば、おむつ交換、調理若しくは食事、汚物の処理などの短期間で局所的ににおいが発生している場合、においの発生源に向けて次亜塩素酸ガスが放出されるので、においの抑制を効果的に行うことができる。
また、例えば、制御部30は、第1時点でX1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、第2位置に向けて次亜塩素酸ガスを第1期間放出し、第1期間の経過後に、第1位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。
これにより、においを抑制した後に、次亜塩素酸ガスの濃度が低い位置に向けて次亜塩素酸ガスが放出されるので、除菌効果が高い状態にすることができる。
また、例えば、制御部30は、第1期間が経過した第2時点でX1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、第1期間の経過後に、第1位置に向けて次亜塩素酸ガスを第2期間放出し、第2期間の経過後に、第2位置に向けて次亜塩素酸ガスを第3期間放出する。
これにより、においの抑制が十分でなかった場合に、次亜塩素酸ガスの濃度が低い位置に次亜塩素酸ガスを放出した後、再び、高い臭気が検出された位置に向けて次亜塩素酸ガスが放出される。つまり、一旦、次亜塩素酸ガスの濃度が低い位置を除菌効果が高い状態にした後、再びにおいの抑制を行うことができる。このように、においの抑制と除菌効果の維持とを両立させることができる。
例えば、人の体臭又は排水口などの長期間に亘って局所的ににおいが発生し続けている場合、においの発生源に向けて次亜塩素酸ガスが放出されたとしても、においを十分に抑制することができない。においが十分に抑制されるまで次亜塩素酸ガスを放出し続けた場合、においの発生源以外の場所の次亜塩素酸ガスの濃度が低くなり、除菌効果が得られなくなる。これに対し、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出システム1によれば、一旦、次亜塩素酸ガスの濃度が低い位置を除菌効果が高い状態にした後、再びにおいの抑制を行うことができるので、においの抑制と除菌効果の維持とを両立させることができる。
また、例えば、制御部30は、さらに、第3期間が経過した時点でY1<Y2になるまで、第1位置に向けての第2期間の次亜塩素酸ガスの放出と、第2位置に向けての第3期間の次亜塩素酸ガスの放出とを交互に繰り返す。
これにより、においの抑制と除菌効果の維持とを継続して長い期間両立させることができる。
また、例えば、第1期間は、第2期間と第3期間との合計以上である。第2期間は、第3期間以下である。
これにより、拡散しやすいにおいの抑制を優先させることができ、人の不快感を軽減することができる。
また、例えば、第1期間は、空間全体の空気を入れ換えるのに要する期間以下である。
これにより、空間全体の空気が入れ換わる前ににおいの抑制を行うことができるので、においが空間外に拡散するのを抑制することができる。
また、例えば、次亜塩素酸ガス放出システム1は、臭気センサ50を複数備える。複数の臭気センサ50はそれぞれ、互いに異なる位置である第2位置の臭気を検出する。制御部30は、複数の臭気センサ50のうち、2つ以上の臭気センサ50の各々に対してY1>Y2である場合、対象空間の全体に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。
このように、2ヶ所以上の位置において高い臭気が検出された場合、においは既に空間の全体に広がっていると考えられるので、空間の全体に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。これにより、空間に広がったにおいを速やかに抑制することができる。
例えば、消臭剤を散布した状態、尿の飛び散り又は油はねなどの空間全体に短期的ににおいが広がった場合、空間全体に次亜塩素酸ガスが放出されるので、においを速やかに抑制することができる。また、例えば、トイレの染み付きのように空間全体に広がったにおいは、上述した繰り返し制御処理を行うことによって、においの抑制と除菌効果の維持とを継続して長い期間両立させることができる。
また、例えば、次亜塩素酸ガス放出システム1は、次亜塩素酸ガスセンサ40を複数備える。複数の次亜塩素酸ガスセンサ40はそれぞれ、互いに異なる位置である第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する。制御部30は、複数の次亜塩素酸ガスセンサ40のうち、2つ以上の次亜塩素酸ガスセンサ40の各々に対してX1<X2である場合、当該2つ以上の次亜塩素酸ガスセンサ40の各々の第1位置を含む範囲に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。
これにより、2ヶ所以上の位置において次亜塩素酸ガスの濃度が低いと検出された場合に、2ヶ所以上の位置をまとめた範囲に次亜塩素酸ガスを放出することができる。このため、2ヶ所以上の位置の次亜塩素酸ガスの濃度を速やかに高めることができ、除菌効果が高い状態を維持することができる。
また、例えば、臭気センサ50は、金属酸化物半導体表面で吸着された場合に電気伝導度変化を起こすガスに含まれる臭気と、触媒表面に接触した場合に接触燃焼による白金線コイルの温度上昇を起こすガスに含まれる臭気と、熱伝導度の差による発熱体の温度変化を起こすガスに含まれる臭気と、特定の電位で電解された場合に電解電流を起こすガスに含まれる臭気と、悪臭防止法に定められた特定悪臭物質に基づく臭気と、から選ばれる少なくとも1つ以上の臭気を検出する。
これにより、人を不快にさせるような臭気を検出するので、人の不快感を軽減することができる。
また、例えば、本実施の形態に係る次亜塩素酸ガス放出方法は、次亜塩素酸ガスを放出する放出口10からの次亜塩素酸ガスの放出方向を制御するステップを含む。次亜塩素酸ガスが放出される対象空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する次亜塩素酸ガスセンサ40によって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、対象空間内の第2位置の臭気を検出する臭気センサ50によって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2とする。このとき、制御するステップでは、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、第2位置に向けて次亜塩素酸ガスを放出する。上記次亜塩素酸ガス放出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
これにより、人の不快感の軽減と高い除菌効果の維持とを両立することができる。
(その他)
以上、本発明に係る次亜塩素酸ガス放出システムなどについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
以上、本発明に係る次亜塩素酸ガス放出システムなどについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、放出口10には、ルーバー11及び12の少なくとも一方が設けられていなくてもよい。例えば、放出口10には、ルーバー11及び12の代わりに、風向を変更可能な送風機が設けられていてもよい。制御部30は、当該送風機を制御することで、次亜塩素酸ガスの放出方向を変更してもよい。
また、放出口10は、同時に複数の方向に向けて次亜塩素酸ガスを放出することができてもよい。例えば、複数のルーバー11及び複数のルーバー12の少なくとも一方は、それぞれが異なる方向に回動できてもよい。
例えば、次亜塩素酸ガス放出システム1が複数の次亜塩素酸ガスセンサ40を備える場合、制御部30は、安定稼働制御において固定する放出方向を、次亜塩素酸ガスセンサ40の検出結果に基づいて決定してもよい。例えば、制御部30は、複数の検出位置のうち最も低い濃度が検出された位置に向けてを放出させてもよい。
また、例えば、次亜塩素酸ガス放出システム1は、臭気センサ50を1つのみ備えてもよい。次亜塩素酸ガス放出システム1は、次亜塩素酸ガスセンサ40を1つのみ備えてもよい。
また、例えば、次亜塩素酸ガス放出システム1は、生成部20を備えなくてもよい。例えば、次亜塩素酸ガス放出システムは、他のシステムで生成された次亜塩素酸ガスを取得し、取得した次亜塩素酸ガスを含む次亜塩素酸ガスを放出口10から放出してもよい。
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。あるいは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信などである。
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、次亜塩素酸ガス放出システム1が備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。
また、次亜塩素酸ガス放出システム1は、単一の装置として実現されてもよい。例えば、上述した次亜塩素酸ガス放出システム1は、1つの筐体に収納された単一の装置として実現されてもよい。当該単一の装置は、容易に持ち運びが可能であってもよく、空間内に自由に配置できてもよい。
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、制御部などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 次亜塩素酸ガス放出システム
10 放出口
30 制御部
40、40a、40b、40c、40d、40e、40f、40g、40h 次亜塩素酸ガスセンサ(第1センサ)
40A、40B、40C 範囲
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h 臭気センサ(第2センサ)
10 放出口
30 制御部
40、40a、40b、40c、40d、40e、40f、40g、40h 次亜塩素酸ガスセンサ(第1センサ)
40A、40B、40C 範囲
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h 臭気センサ(第2センサ)
Claims (11)
- 次亜塩素酸ガスを放出する放出口と、
前記放出口からの前記次亜塩素酸ガスの放出方向を制御する制御部と、
前記次亜塩素酸ガスが放出される空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する第1センサと、
前記空間内の第2位置の臭気を検出する第2センサとを備え、
前記第1センサによって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、前記第2センサによって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2としたとき、
前記制御部は、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、前記第2位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを放出する
次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記制御部は、第1時点でX1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、前記第2位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを第1期間放出し、前記第1期間の経過後に、前記第1位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを放出する
請求項1に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記制御部は、前記第1期間が経過した第2時点でX1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、前記第1期間の経過後に、前記第1位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを第2期間放出し、前記第2期間の経過後に、前記第2位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを第3期間放出する
請求項2に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記制御部は、さらに、前記第3期間が経過した時点でY1<Y2になるまで、前記第1位置に向けての前記第2期間の前記次亜塩素酸ガスの放出と、前記第2位置に向けての前記第3期間の前記次亜塩素酸ガスの放出とを交互に繰り返す
請求項3に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記第1期間は、前記第2期間と前記第3期間との合計以上であり、
前記第2期間は、前記第3期間以下である
請求項3又は4に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記第1期間は、前記空間全体の空気を入れ換えるのに要する期間以下である
請求項2〜5のいずれか1項に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記第2センサを複数備え、
複数の前記第2センサはそれぞれ、互いに異なる位置である前記第2位置の臭気を検出し、
前記制御部は、複数の前記第2センサのうち、2つ以上の前記第2センサの各々に対してY1>Y2である場合、前記空間の全体に向けて前記次亜塩素酸ガスを放出する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記第1センサを複数備え、
複数の前記第1センサはそれぞれ、互いに異なる位置である前記第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出し、
前記制御部は、複数の前記第1センサのうち、2つ以上の前記第1センサの各々に対してX1<X2である場合、当該2つ以上の前記第1センサの各々の前記第1位置を含む範囲に向けて前記次亜塩素酸ガスを放出する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 前記第2センサは、
金属酸化物半導体表面で吸着された場合に電気伝導度変化を起こすガスに含まれる臭気と、
触媒表面に接触した場合に接触燃焼による白金線コイルの温度上昇を起こすガスに含まれる臭気と、
熱伝導度の差による発熱体の温度変化を起こすガスに含まれる臭気と、
特定の電位で電解された場合に電解電流を起こすガスに含まれる臭気と、
悪臭防止法に定められた特定悪臭物質に基づく臭気と、
から選ばれる少なくとも1つ以上の臭気を検出する
請求項1〜8のいずれか1項に記載の次亜塩素酸ガス放出システム。 - 次亜塩素酸ガスを放出する放出口からの前記次亜塩素酸ガスの放出方向を制御するステップを含み、
前記次亜塩素酸ガスが放出される空間内の第1位置の次亜塩素酸ガスの濃度を検出する第1センサによって検出された濃度の値をX1とし、予め定められた次亜塩素酸ガスの濃度の基準値をX2とし、前記空間内の第2位置の臭気を検出する第2センサによって検出された臭気の値をY1とし、予め定められた臭気の基準値をY2としたとき、
前記制御するステップでは、X1<X2、かつ、Y1>Y2の場合には、前記第2位置に向けて前記次亜塩素酸ガスを放出する
次亜塩素酸ガス放出方法。 - 請求項10に記載の次亜塩素酸ガス放出方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2019001300A JP2020110229A (ja) | 2019-01-08 | 2019-01-08 | 次亜塩素酸ガス放出システム及び次亜塩素酸ガス放出方法 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04288163A (ja) * | 1991-02-14 | 1992-10-13 | Takeda Chem Ind Ltd | 脱臭方法および脱臭装置 |
JP2016064329A (ja) * | 2014-09-24 | 2016-04-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 薬液噴霧装置 |
JP2017132349A (ja) * | 2016-01-27 | 2017-08-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 車両空調システム |
JP2017169613A (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-28 | 株式会社東芝 | 移動式自律ロボット |
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- 2019-01-08 JP JP2019001300A patent/JP2020110229A/ja active Pending
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