JP3044558B2 - 圃場溝掘機 - Google Patents

圃場溝掘機

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JP3044558B2 JP2108391A JP10839190A JP3044558B2 JP 3044558 B2 JP3044558 B2 JP 3044558B2 JP 2108391 A JP2108391 A JP 2108391A JP 10839190 A JP10839190 A JP 10839190A JP 3044558 B2 JP3044558 B2 JP 3044558B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はたとえば水田等の圃場に水はけ用の溝を形成
する圃場溝掘機に関するものである。
[従来の技術] 従来この種の圃場溝掘機としては、実公昭39−35323
号公報、実公昭42−16323号公報、実公昭43−6982号公
報の如く、走行機体に機枠を設け、該機枠に回転する耕
耘爪を設け、耕耘爪により圃場土壌を耕起破砕するとと
もに同時にはね飛ばして溝掘りするように構成されたも
のが知られている。
また他の従来構造としては上記機枠にすき部材を設
け、走行機体の走行によってすき部材で溝掘りするよう
に構成したものもある。
上記耕耘爪を用いる構造の場合、耕起破砕作用は良好
なものの遠心力によるはね飛ばし作用のためその耕耘土
が残って溝掘跡は必ずしも満足されたものでなく、また
すき部材を用いるものにあっては走行機体の牽引力が過
大となり、一般の農家では購入し難い大型の走行機体に
しなければならないことから、実公昭59−10214号公報
に示す如く、すき部材の進行方向前方位置に溝切体を対
向配置し、すき部材による溝掘抵抗を緩和する構造のも
のが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上記従来構造の場合、走行機体により溝
切体を前進し、溝切体で圃場面に溝切りし、すき部材で
溝を掘る際、圃場面に藁屑等の夾雑物が散在しているこ
とにより、溝切体による溝切り作用が阻害されたり、す
き部材により側方に掘り上げた掘取土が夾雑物上に乗り
上がって夾雑物と一緒に再び溝内に落下することがある
という不都合を有している。
[課題を解決するための手段] 本発明はこれらの不都合を解消することを目的とする
もので、その要旨は、走行機体と、圃場面に溝切り可能
な溝切体と、該溝切体の進行方向後方に配設されて圃場
土を掬い取って側方に排出可能なすき部材と、該溝切体
の進行方向前方に配設されて進行方向に対して交差する
水平軸線をもって横回り回転するバネ状の掻部材により
圃場面に散在する藁屑等の夾雑物を側方に逃動させる前
処理機構とを備えて構成したことを特徴とする圃場溝掘
機にある。
[作用] 走行機体により溝切体の下部及びすき部材の下部を圃
場内に穿入しつつ機枠を走行すると、溝切体により圃場
面は溝切りされ、溝切りされた間の土壌はすき部材によ
り削取されて側方に排出される。
この際、溝切体の進行方向前方に配設され、前処理機
構としての進行方向に対して交差する水平軸線をもって
横回り回転するバネ状の掻部材により溝切体の進行方向
前方位置に散在する藁屑等の夾雑物は溝切体の側方に逃
動される。
[実施例] 第1図乃至第3図は本発明の実施例を示し、1は走行
機体、この場合乗用田植機の走行機体部分であって、走
行機体1の後部には三点リンク式の連結機構2、この場
合左右の下部リンク3、上部リンク4等を備えてなる連
結機構2を設け、この連結機構2により機枠5を昇降可
能に枢着連結している。
この場合機枠5は連結枠部6と主体枠部7とからな
り、連結枠部6の後部に連結板8を取付け、主体枠部7
の前端部に連結片9を設け、連結板8に連結片9を連結
軸10により枢着連結し、連結板8の連結軸10を中心とす
る半径上に下通穴11及び上通穴12を形成し、下通穴11又
は上通穴12に差込み可能な係止ピン13を連結片9に取り
付け、非作業時等において主体枠部7を上方に逃動可能
に構成している。
14・15は一対の溝切体であって、外周部に数個の刃部
14a・15aを切欠して有し、前記機枠5の主体枠部7に角
パイプ状の支持枠部16を略前下り状に取付け、支持枠部
16内に取付部材17を上下動自在に内装し、図示省略のね
じ機構によりハンドル18の回動で取付部材17を上下動可
能に設け、支持枠部16の下側前部に車軸19を左右端部そ
れぞれ先下り状に固定突設し、車軸19の左右両側に溝切
体14・15を所定間隔を置いて互いに正面逆ハ字状にして
回転自在に取付けて構成している。
20はすき部材であって、この場合すき部材20の先端部
幅は前記溝切体14・15間の幅と同幅もしくはやや狭く形
成され、すき部材20の先端部は先細削取部20aに形成さ
れるとともに後部は削取土を側方に排出するようにひね
った排出部20bに形成されている。
この場合前記機枠5に設けた支持枠部16の後部に取付
アーム21を取付ピン22により枢着し、主体枠部7の後端
部にピン23によりナット体24を枢着し、ナット体24に螺
杆25を螺着し、ハンドル26の回動により螺杆25を上下動
可能に設け、取付アーム21の後部に螺杆25の下端部をピ
ン27により枢着し、取付アーム21にすき部材20を取付て
構成している。
28は安定部材であって、安定部材28の前部はそり状の
前上部28aに形成され、中央部は平坦部28bに形成され、
後部は後上部28cに形成され、前記取付部材17の下端部
に固定され、前記溝切体14・15の間に配置され、前記ハ
ンドル18の回動により上下動可能に設けて構成されてい
る。
29は重錘であって、前記主体枠部7の後部寄りに載置
される。
30は前処理機構であって、この場合前記連結機構2の
下部リンク3と上部リンク4間に取付枠31を架設し、取
付枠31に前記機枠5を着脱自在に取付け、取付枠31にギ
ヤーケース32を取り付けるとともに回転軸33を取付枠31
に左右方向に配設し、回転軸33に走行機体1に設けられ
た動力取出軸34より自在継手35及びギヤーケース32を介
して動力を伝達し、かつ下部リンク3に支持アーム36を
取付け、支持アーム36間に被動軸37を横設し、被動軸37
にロータ38を固定し、ロータ38の外周面に中程に巻回部
を有して先端を鈎状に屈曲させた自己弾性をもつ捩りバ
ネ状の掻部材39を螺旋状に取付け、被動軸37にスプロケ
ット40を取り付けるとともに回転軸33にもスプロケット
41を取付け、スプロケット40・41間にチェーン42を掛回
し、しかして、溝切体14・15の進行方向前方に配設さ
れ、進行方向に対して交差する水平軸線をもって横回り
回転するバネ状の掻部材39により溝切体14・15の進行方
向前方位置に散在する藁屑等の夾雑物Gを溝切体14・15
の側方に逃動させるように構成している。
43は弾引機構であって、この場合前記連結枠部6及び
支持部材16にバネ掛け部44・45を取付け、このバネ部44
・45間に引上用バネ46を掛架して構成している。
この実施例は上記構成であるから、走行機体1により
溝切体14・15の下部及びすき部材20の下部を圃場a内に
穿入しつつ機枠5を走行すると、溝切体14・15は矢印方
向に回転しつつ圃場面aに二条の溝切りをなし、この場
合刃部14a・15aにより溝切抵抗が軽減され、この二条に
溝切りされた間の土壌はその後方のすき部材20により削
取されて側方に排出され、この結果圃場の溝掘り作業を
することができ、先ず溝切体14・15で溝切りし、そして
これをすき部材20が削取して掘取土Tを側方に排出する
ため溝掘り作業抵抗を軽減でき、走行機体1の牽引力増
加を抑制でき、円滑にして高能率な溝掘り作業ができ、
この際、前処理機構30の被動軸37が回転してバネ状の掻
部材39は進行方向に対して交差する水平軸線をもって横
回り回転し、この掻部材36の横回り回転により溝切体14
・15の進行方向前方位置に散在する藁屑等の夾雑物Gは
溝切体14・15の側方、この場合掘取土Tの排出位置と反
対側に逃動され、このため溝切体14・15による溝切り作
用が良好になされるとともに夾雑物G上への掘取土の排
出を抑制でき、圃場溝としての機能を良好に果たし得る
溝Wを得ることができる。
さらにこの場合安定部材28は溝切体14・15間に位置し
て圃場aに接触するため溝切体14・15の姿勢を保持して
溝切深さを一定に維持でき、溝掘り作業が円滑となり、
安定部材28の前上部28aにより安定部材28の円滑走行が
できるとともに、安定部材28により削取土が溝切体14・
15間ではさまれて連れ上ることを防ぎ、平坦部28bは圃
場上面に確実に接触し、しかも主体枠部7に重錘29を載
置しているため適度な荷重を溝切体14・15及びすき部材
20に掛けることができ、それだけ良好な溝切り作業がで
きる。
また非作業時等には重錘29を主体枠部7より取り外
し、係止ピン13を下通穴11より抜き取り、連結軸10を中
心として主体枠部7を上向き回動し、係止ピン13を上通
穴12に差込むことにより主体枠部7を上方に逃動配置す
ることができ、この際弾引機構43の引上用バネ46の引き
上げ力により助長されて引き上げが容易にできる。
尚、上記実施例では溝切体14・15を二枚一対の溝切体
14・15としているが、溝切体14・15をなた刃状の溝切刃
とすることもあり、また上記実施例では一対の溝切体14
・15及びすき部材20を一組配置しているが二組以上とす
ることもある。
また上記前処理機構30の捩りコイルバネ状の掻部材39
の個数は適宜選択されるものであり、また掻部材39を強
制回転してなす構造となっているが、この構造に限られ
るものではなく、例えば走行機体1の走行に連動して連
れ回りする掻部材によりなす構造にしてもよいし、また
掻部材を他の形状や構造にしてもよい。
[発明の効果] 本発明は上述の如く、走行機体により溝切体の下部及
びすき部材の下部を圃場内に穿入しつつ機枠を走行する
と、溝切体は回転しつつ圃場面に溝切りをなし、この溝
切りされた間の土壌はその後方のすき部材により削取さ
れて側方に排出され、その結果圃場の溝掘り作業をする
ことができ、先ず溝切体で溝切りし、そしてこれをすき
部材が削取して側方に排出するため溝掘り作業抵抗を軽
減でき、走行機体の牽引力増加を抑制でき、円滑にして
高能率な溝掘り作業ができ、この際、前処理機構のバネ
状の掻部材は進行方向に対して交差する水平軸線をもっ
て横回り回転し、掻部材の横回り回転により溝切体の進
行方向前方位置に散在する藁屑等の夾雑物は溝切体の側
方に逃動され、このため溝切体による溝切り作用が良好
になされ、圃場溝としての機能を良好に果たし得る溝を
得ることができる。
以上の如く、所期の目的を充分達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図はその側
面図、第2図はその平面図、第3図はその前面図であ
る。 1……走行機体、5……機枠、14・15……溝切体、20…
…すき部材、30……前処理機構、39……掻部材、a……
圃場、W……溝、G……夾雑物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−13902(JP,A) 実開 昭57−75057(JP,U) 実開 昭57−89401(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01B 13/00 A01B 15/18 A01B 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行機体と、圃場面に溝切り可能な溝切体
    と、該溝切体の進行方向後方に配設されて圃場土を掬い
    取って側方に排出可能なすき部材と、該溝切体の進行方
    向前方に配設されて進行方向に対して交差する水平軸線
    をもって横回り回転するバネ状の掻部材により圃場面に
    散在する藁屑等の夾雑物を側方に逃動させる前処理機構
    とを備えて構成したことを特徴とする圃場溝掘機。
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