JP3043375B2 - 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン - Google Patents
内燃機関用アルミニウム合金製ピストンInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋳造性,加工性,強度等に優れたアルミニ
ウム合金の重力金型鋳造材でできた内燃機関用ピストン
に関する。
ウム合金の重力金型鋳造材でできた内燃機関用ピストン
に関する。
[従来の技術] ピストン用のアルミニウム合金としては、耐熱性,耐
摩耗性,低熱膨張率等を考慮して、JIS AC8A,AC8B,AC8
C等で代表される亜共晶Al−Si合金や共晶Al−Si合金が
従来から使用されている。
摩耗性,低熱膨張率等を考慮して、JIS AC8A,AC8B,AC8
C等で代表される亜共晶Al−Si合金や共晶Al−Si合金が
従来から使用されている。
しかし、亜共晶或いは共晶Al−Si合金は、一般的に熱
膨張係数が大きな材料である。そのため、この種の合金
を内燃機関のピストンとして使用すると、エンジンの作
動前と作動中の径に大きな変化が生じる。そこで、膨張
代を大きくして、径の変動に対応する手段が採用されて
いる。ところが、膨張代を大きくすることに伴って、低
温側におけるシリンダボアとのクリアランスが大きくな
り、騒音,振動等の問題が増大する。
膨張係数が大きな材料である。そのため、この種の合金
を内燃機関のピストンとして使用すると、エンジンの作
動前と作動中の径に大きな変化が生じる。そこで、膨張
代を大きくして、径の変動に対応する手段が採用されて
いる。ところが、膨張代を大きくすることに伴って、低
温側におけるシリンダボアとのクリアランスが大きくな
り、騒音,振動等の問題が増大する。
この問題を解消するため、JIS−AC9A,AC9B等の熱膨張
係数の小さい過共晶Al−Si合金が一部で使用されてい
る。たとえば、特開昭59−126750号公報では、Si10〜17
%のAl−Si合金に、耐熱亀裂性を向上させるため0.05〜
0.3%のSbを添加したものが紹介されている。
係数の小さい過共晶Al−Si合金が一部で使用されてい
る。たとえば、特開昭59−126750号公報では、Si10〜17
%のAl−Si合金に、耐熱亀裂性を向上させるため0.05〜
0.3%のSbを添加したものが紹介されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、比較的多量のSiを含有する過共晶Al−Si合
金は、初晶Si粒の発達が著しい。また、溶融温度が高
く、共晶或いは亜共晶Al−Si合金に比較して疲労強度等
の機械的性質が劣り、鋳造性も悪い。しかも、溶湯が凝
固して製品形状となる鋳造過程における初晶Si粒の発達
・成長のため、粗大な結晶粒を含んだ組織となる。特
に、サイズが大きなピストンを鋳造すると、鋳造時の冷
却速度が遅くなることから、初晶Si粒が一層大きく成長
して、強度不足となり、また局部的に軟質の部分が生じ
耐摩耗性が劣化する。
金は、初晶Si粒の発達が著しい。また、溶融温度が高
く、共晶或いは亜共晶Al−Si合金に比較して疲労強度等
の機械的性質が劣り、鋳造性も悪い。しかも、溶湯が凝
固して製品形状となる鋳造過程における初晶Si粒の発達
・成長のため、粗大な結晶粒を含んだ組織となる。特
に、サイズが大きなピストンを鋳造すると、鋳造時の冷
却速度が遅くなることから、初晶Si粒が一層大きく成長
して、強度不足となり、また局部的に軟質の部分が生じ
耐摩耗性が劣化する。
このような問題のため、過共晶Al−Si合金は、熱膨張
係数が小さく耐熱性に優れた材料であるにも拘らず、軽
自動車や自動二輪車等に搭載される小型エンジンのピス
トン材料として使用されるに留まっている。
係数が小さく耐熱性に優れた材料であるにも拘らず、軽
自動車や自動二輪車等に搭載される小型エンジンのピス
トン材料として使用されるに留まっている。
本発明は、このような問題を解消するために案出れた
ものであり、初晶Si粒の成長を抑制して、その粒径を20
〜60μmと低く抑えることによって、過共晶Al−Si合金
が有する低熱膨張係数,耐熱性,耐摩耗性,高強度等の
特性を活かしつつ、しかも鋳造性、加工性に優れたアル
ミニウム合金製内燃機関用ピストンを提供することを目
的とする。
ものであり、初晶Si粒の成長を抑制して、その粒径を20
〜60μmと低く抑えることによって、過共晶Al−Si合金
が有する低熱膨張係数,耐熱性,耐摩耗性,高強度等の
特性を活かしつつ、しかも鋳造性、加工性に優れたアル
ミニウム合金製内燃機関用ピストンを提供することを目
的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の内燃機関用アルミニウム合金製ピストンは、
その目的を達成するため、Si:15重量%を超え18重量%
以下,Cu:2〜4重量%,Mg:0.5〜2重量%,Ni:0.5〜2重
量%,P:0.002〜0.02重量%,Fe:0.8重量%以下,Mn:0.5重
量%未満,残部が実質的にAlで、Ca及びNaがそれぞれ0.
003重量%以下及び0.001重量%以下に規制された過共晶
組成をもち、初晶Si粒の平均粒径が20〜60μmであり、
重力金型鋳造で製造されていることを特徴とする。
その目的を達成するため、Si:15重量%を超え18重量%
以下,Cu:2〜4重量%,Mg:0.5〜2重量%,Ni:0.5〜2重
量%,P:0.002〜0.02重量%,Fe:0.8重量%以下,Mn:0.5重
量%未満,残部が実質的にAlで、Ca及びNaがそれぞれ0.
003重量%以下及び0.001重量%以下に規制された過共晶
組成をもち、初晶Si粒の平均粒径が20〜60μmであり、
重力金型鋳造で製造されていることを特徴とする。
[作用] Al−Si合金の熱膨張係数は、一般的にSi含有量の増加
に反比例して減少する。ところが、Si含有量が増加する
と、初晶Si粒の発達のため鋳造性が劣化する。そこで、
本発明では、初晶Si粒の発達をP添加によって抑えてい
る。その結果、実用的な鋳造性を確保しながら、過共晶
Al−Si合金がもつ低熱膨張係数,耐熱性,耐摩耗性,強
度等の優れた特性を活用することが可能となる。
に反比例して減少する。ところが、Si含有量が増加する
と、初晶Si粒の発達のため鋳造性が劣化する。そこで、
本発明では、初晶Si粒の発達をP添加によって抑えてい
る。その結果、実用的な鋳造性を確保しながら、過共晶
Al−Si合金がもつ低熱膨張係数,耐熱性,耐摩耗性,強
度等の優れた特性を活用することが可能となる。
また、P添加による初晶Si粒の微細化は、ピストンと
して使用するときの重要な特性である高温疲労強度の改
善にも有効である。この高温疲労強度は、Cu含有量の増
加によっても向上する。更に、ピストンの特性として要
求される低永久変形は、Cu含有量及びNi含有量を調節す
ることによって安定化できることを見い出した。
して使用するときの重要な特性である高温疲労強度の改
善にも有効である。この高温疲労強度は、Cu含有量の増
加によっても向上する。更に、ピストンの特性として要
求される低永久変形は、Cu含有量及びNi含有量を調節す
ることによって安定化できることを見い出した。
本発明の過共晶Al−Si合金は、このような知見に基づ
き成分設計されたものである。以下、各成分の含有量及
び作用について説明する。
き成分設計されたものである。以下、各成分の含有量及
び作用について説明する。
Si:耐摩耗性の改善に有効な元素であり、特にSi含有量1
2.7%以上の過共晶領域において初晶Si粒が晶出すると
き、耐摩耗性が大幅に向上する。また、Al−Si合金の熱
膨張率は、Si含有量の増加に反比例して減少し、ピスト
ン用として好適な低熱膨張率の材料が得られる。このよ
うなSiの作用は、Si含有量が15%を超えるとき顕著なも
のとなる。このSi含有量を18%以下に抑えるとき、通常
の金型重力鋳造法,溶湯鍛造法等によって、引け巣等の
鋳造欠陥がない鋳片を製造することができる。ただし、
Si含有量が過度に多くなると、Al−Si合金融点が高く、
しかも鋳造性が劣化する。したがって、Si含有量を、15
〜18%、好ましくは16〜17%の範囲に設定した。
2.7%以上の過共晶領域において初晶Si粒が晶出すると
き、耐摩耗性が大幅に向上する。また、Al−Si合金の熱
膨張率は、Si含有量の増加に反比例して減少し、ピスト
ン用として好適な低熱膨張率の材料が得られる。このよ
うなSiの作用は、Si含有量が15%を超えるとき顕著なも
のとなる。このSi含有量を18%以下に抑えるとき、通常
の金型重力鋳造法,溶湯鍛造法等によって、引け巣等の
鋳造欠陥がない鋳片を製造することができる。ただし、
Si含有量が過度に多くなると、Al−Si合金融点が高く、
しかも鋳造性が劣化する。したがって、Si含有量を、15
〜18%、好ましくは16〜17%の範囲に設定した。
Cu:常温及び高温域における合金の機械的強度及び耐摩
耗性を向上させる上で、有用な元素である。このような
作用を得るため、2%以上のCuを含有させることが必要
である。しかし、4%を超えてCuを含有させると、合金
の永久変形量が大きくなり、ピストン設計に問題を生じ
る。そこで、Cu含有量は、2〜4%、好ましくは2〜3
%の範囲に設定した。
耗性を向上させる上で、有用な元素である。このような
作用を得るため、2%以上のCuを含有させることが必要
である。しかし、4%を超えてCuを含有させると、合金
の永久変形量が大きくなり、ピストン設計に問題を生じ
る。そこで、Cu含有量は、2〜4%、好ましくは2〜3
%の範囲に設定した。
Mg:Cuと同様に、常温及び高温域における合金の機械的
強度及び耐摩耗性を向上させる上で、有用な元素であ
る。このような作用を得るため、0.5%以上のMgを含有
させることが必要である。しかし、2%を超えてMgを含
有させると、金属間化合物の晶出量が多くなり、脆い材
料となる。この点から、0.5〜2%、好ましくは0.5〜1.
0%の範囲にMg含有量を定めた。
強度及び耐摩耗性を向上させる上で、有用な元素であ
る。このような作用を得るため、0.5%以上のMgを含有
させることが必要である。しかし、2%を超えてMgを含
有させると、金属間化合物の晶出量が多くなり、脆い材
料となる。この点から、0.5〜2%、好ましくは0.5〜1.
0%の範囲にMg含有量を定めた。
Ni:高温強度及び耐摩耗性を向上させると共に熱膨張係
数を低下させる上で、0.5%以上のNiを含有させること
が必要である。しかし、Ni含有量が2%を超えると、金
属間化合物の晶出量が多くなって、脆い材料となる。し
たがって、Ni含有量は、0.5〜2%、好ましくは0.5〜1.
5%の範囲に設定した。
数を低下させる上で、0.5%以上のNiを含有させること
が必要である。しかし、Ni含有量が2%を超えると、金
属間化合物の晶出量が多くなって、脆い材料となる。し
たがって、Ni含有量は、0.5〜2%、好ましくは0.5〜1.
5%の範囲に設定した。
Fe:Niと同様に、高温強度及び耐摩耗性を向上させると
共に、熱膨張係数を低下させる上で有用な元素である。
しかし、Fe含有量が0.8%を超えると、Feを含む晶出量
が多くなり、得られた合金材料の機械的性質の劣化が著
しくなる。そこで、本発明にあっては、Fe含有量を0.8
%以下とした。
共に、熱膨張係数を低下させる上で有用な元素である。
しかし、Fe含有量が0.8%を超えると、Feを含む晶出量
が多くなり、得られた合金材料の機械的性質の劣化が著
しくなる。そこで、本発明にあっては、Fe含有量を0.8
%以下とした。
P:初晶Si粒の微細化に不可決の元素であり、0.002%以
上のPを含有させることによって初晶Si粒の粗大化が抑
制される。ただし、0.02%を超えて過剰にPを含有させ
ると、湯回り不良等の欠陥を発生し、鋳造性が劣化す
る。したがって、P含有量は、0.002〜0.02%、好まし
くは0.005〜0.01%の範囲に定めた。
上のPを含有させることによって初晶Si粒の粗大化が抑
制される。ただし、0.02%を超えて過剰にPを含有させ
ると、湯回り不良等の欠陥を発生し、鋳造性が劣化す
る。したがって、P含有量は、0.002〜0.02%、好まし
くは0.005〜0.01%の範囲に定めた。
Ca:多量のCaを含有するAl−Si系にあっては、初晶Si粒
を微細化するPの作用を阻害して、粗大な初晶Si粒を晶
出させ、鋳造性、加工性等を劣化させる。そこで、ca含
有量を0.003%以下に抑制した。
を微細化するPの作用を阻害して、粗大な初晶Si粒を晶
出させ、鋳造性、加工性等を劣化させる。そこで、ca含
有量を0.003%以下に抑制した。
Na:Caと同様にPの作用を阻害するので、その含有量を
0.001%以下に抑えた。
0.001%以下に抑えた。
また、初晶Si粒は、必要とする耐摩耗性,機械的強度
及び均質な鋳造組織を得る上で、平均粒径で20〜60μm
の範囲に調整した。初晶Si粒の粒径が20μm未満になる
と、十分な耐摩耗性が得られない場合がある。逆に、粒
径が60μmを超えるとき、機械的性質が劣化すると共
に、初晶Si粒の分布が不均一となり、耐摩耗性が劣化す
る。そこで、初晶Si粒の平均粒径を20〜60μm、好まし
くは20〜40μmの範囲とした。
及び均質な鋳造組織を得る上で、平均粒径で20〜60μm
の範囲に調整した。初晶Si粒の粒径が20μm未満になる
と、十分な耐摩耗性が得られない場合がある。逆に、粒
径が60μmを超えるとき、機械的性質が劣化すると共
に、初晶Si粒の分布が不均一となり、耐摩耗性が劣化す
る。そこで、初晶Si粒の平均粒径を20〜60μm、好まし
くは20〜40μmの範囲とした。
[実施例] 以下、実施例を説明する。
第1表に示した成分・組成をもつAl−Si合金を溶湯温
度760℃で乗用車用ピストン及びJIS舟型に鋳造し、試験
片を用意した。この試験片に対して、510℃で5時間加
熱した後、水冷し、180℃に6時間加熱して空冷する熱
処理を施した。熱処理後のAl−Si合金の特性等を第2表
に示す。
度760℃で乗用車用ピストン及びJIS舟型に鋳造し、試験
片を用意した。この試験片に対して、510℃で5時間加
熱した後、水冷し、180℃に6時間加熱して空冷する熱
処理を施した。熱処理後のAl−Si合金の特性等を第2表
に示す。
なお、機械的特性は、試験片を250℃に100時間加熱し
た後、250℃で測定したものであり、回転曲げ疲労強度
σwは、JISZ2273に準拠して測定した。また、摩耗量
は、フリクトロン摩擦摩耗試験機を用い、試験片をエン
ジンオイル中に浸漬し、荷重40kg,摩擦速度1m/秒,摩擦
距離6kmの条件下で測定した。
た後、250℃で測定したものであり、回転曲げ疲労強度
σwは、JISZ2273に準拠して測定した。また、摩耗量
は、フリクトロン摩擦摩耗試験機を用い、試験片をエン
ジンオイル中に浸漬し、荷重40kg,摩擦速度1m/秒,摩擦
距離6kmの条件下で測定した。
鋳造性は、ピストン鋳造の難易度及び欠陥発生傾向で
表し、鋳造が容易で且つ欠陥発生のないものを○、鋳造
がやや困難、或いは欠陥が散見されるものを△、鋳造が
極めて困難、或いは欠陥が多発するものを×で判定し
た。切削性は、バイト寿命が長く切削面も良好なものを
◎、バイト寿命及び切削面共にほぼ良好なものを○、バ
イト寿命及び切削面それぞれにやや難点があるものを
△、バイト寿命が短く、切削面も粗いものを×で判定し
た。また、ピストンとしての評価は、総合的に優れたも
のを◎、ほぼ満足できるものを△、何れかの特性に大き
な問題があるものを×で判定した。
表し、鋳造が容易で且つ欠陥発生のないものを○、鋳造
がやや困難、或いは欠陥が散見されるものを△、鋳造が
極めて困難、或いは欠陥が多発するものを×で判定し
た。切削性は、バイト寿命が長く切削面も良好なものを
◎、バイト寿命及び切削面共にほぼ良好なものを○、バ
イト寿命及び切削面それぞれにやや難点があるものを
△、バイト寿命が短く、切削面も粗いものを×で判定し
た。また、ピストンとしての評価は、総合的に優れたも
のを◎、ほぼ満足できるものを△、何れかの特性に大き
な問題があるものを×で判定した。
第2表から明らかなように、本発明に従った試験片3
は、鋳造性、機械的性質及び永久変形量等において従来
の代表的な合金であるJIS−AC8Aと同等であり、しかも
耐摩耗性及び熱膨張係数はAC9Bに匹敵する値を示してい
る。このことから、高性能エンジンに組み込まれるピス
トンとして有用な材料であることが判かる。
は、鋳造性、機械的性質及び永久変形量等において従来
の代表的な合金であるJIS−AC8Aと同等であり、しかも
耐摩耗性及び熱膨張係数はAC9Bに匹敵する値を示してい
る。このことから、高性能エンジンに組み込まれるピス
トンとして有用な材料であることが判かる。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明の本発明の内燃機関用
アルミニウム合金製ピストンにおいては、過共晶Al−Si
合金の凝固時に形成される初晶Si粒の成長をPによって
抑制し、亜共晶或いは共晶Al−Si合金が有する優れた鋳
造性、且つ均質で微細な鋳造組織をもち、しかも過共晶
Al−Si合金が有する熱膨張係数が小さな鋳片とすること
ができる。そのため、得られた鋳片を内燃機関用のピス
トンとして使用するとき、シリンダボアとのクリアラン
スを小さく設計できる。その結果、内燃機関稼動時に発
生する騒音や振動等が大幅に軽減される。しかも、機械
的強度,耐摩耗性,加工性等にも優れており、比較的大
きなピストンとして使用することも可能であり、大型の
エンジンが搭載される車両等に対しても、本発明の内燃
機関用アルミニウム合金製ピストンは好適に使用され
る。
アルミニウム合金製ピストンにおいては、過共晶Al−Si
合金の凝固時に形成される初晶Si粒の成長をPによって
抑制し、亜共晶或いは共晶Al−Si合金が有する優れた鋳
造性、且つ均質で微細な鋳造組織をもち、しかも過共晶
Al−Si合金が有する熱膨張係数が小さな鋳片とすること
ができる。そのため、得られた鋳片を内燃機関用のピス
トンとして使用するとき、シリンダボアとのクリアラン
スを小さく設計できる。その結果、内燃機関稼動時に発
生する騒音や振動等が大幅に軽減される。しかも、機械
的強度,耐摩耗性,加工性等にも優れており、比較的大
きなピストンとして使用することも可能であり、大型の
エンジンが搭載される車両等に対しても、本発明の内燃
機関用アルミニウム合金製ピストンは好適に使用され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 正登 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社 アツギユニシア内 (56)参考文献 特開 昭61−246339(JP,A) 特開 昭59−126750(JP,A) 特開 平1−108339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18
Claims (1)
- 【請求項1】Si:15重量%を超え18重量%以下,Cu:2〜4
重量%,Mg:0.5〜2重量%,Ni:0.5〜2重量%,P:0.002〜
0.02重量%,Fe:0.8重量%以下,Mn:0.5重量%未満,残部
が実質的にAlで、Ca及びNaがそれぞれ0.003重量%以下
及び0.001重量%以下に規制された過共晶組成をもち、
初晶Si粒の平均粒径が20〜60μmであり、重力金型鋳造
で製造された内燃機関用アルミニウム合金製ピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2181775A JP3043375B2 (ja) | 1990-07-10 | 1990-07-10 | 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2181775A JP3043375B2 (ja) | 1990-07-10 | 1990-07-10 | 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0472033A JPH0472033A (ja) | 1992-03-06 |
JP3043375B2 true JP3043375B2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=16106669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2181775A Expired - Fee Related JP3043375B2 (ja) | 1990-07-10 | 1990-07-10 | 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3043375B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7398754B2 (en) | 2005-09-21 | 2008-07-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Piston for internal combustion engine |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2002053899A1 (ja) * | 2000-12-07 | 2004-05-13 | ヤマハ発動機株式会社 | 内燃機関 |
JP5482899B2 (ja) * | 2010-07-16 | 2014-05-07 | 日本軽金属株式会社 | 高温強度と熱伝導率に優れたアルミニウム合金及びその製造方法 |
-
1990
- 1990-07-10 JP JP2181775A patent/JP3043375B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7398754B2 (en) | 2005-09-21 | 2008-07-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Piston for internal combustion engine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0472033A (ja) | 1992-03-06 |
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